JP2005066320A - 傾斜磁場コイル - Google Patents

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明 黒目
Takeshi Yao
武 八尾
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Abstract

【課題】 MRI装置の傾斜磁場コイルが駆動された時に生ずる振動及び騒音を低減し易い傾斜磁場コイルを実現する。
【解決手段】 傾斜磁場を発生させるメインコイル21とメインコイル21が発生する磁束をキャンセルするシールドコイル22に挟まれ、それらを支持する中間部材23を、表面板232,233及びそれらに挟まれたハニカムコア材231成る3層構造体とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI)装置において用いられる傾斜磁場コイルに関
し、特に傾斜磁場コイルを駆動したときに発生する騒音を抑制し易い傾斜磁場コイルに関するものである。
MRI装置は、被検体を構成する組織の原子の原子核、例えばプロトンに核磁気共鳴(NMR)現象を起こさせ、その結果生ずるNMR信号を検出し、その検出されたNMR信号から画像を生成して、その画像を医療診断へ供するためのものである。
被検体内の所望の領域のプロトンへNMR現象を起こさせるためには、被検体を所定の強
度を有した静磁場へ配置し、スライス方向へ傾斜磁場を印加するとともにその被検体へ照射コイルから所定周波数を有したパルス状高周波磁場(RFパルス)を照射する。そして、NMR現象を起こしたプロトンから放出されるNMR信号へ位置情報を付与するために、位相エンコード方向とリードアウト方向へ傾斜磁場を印加してNMR信号を受信コイルにより検出
する。
以上のNMR信号の検出過程において、スライス方向、位相エンコード方向及びリードア
ウト方向へ傾斜磁場がパルス状に印加されるが、傾斜磁場をパルス状に発生させるためには、傾斜磁場コイルへ直流の大電流を急峻な立ち上がり及び立ち下がりを持ったパルス状に流す必要がある。
上記のように傾斜磁場コイルへ電流をパルス状に流すと、電流のオン時とオフ時とで傾斜磁場コイルの導線に作用方向が反対のローレンツ力が作用し、コイル導線を保持している部材へそれらの力が作用してコイル保持部材を振動させる。傾斜磁場コイルは被検体が置かれた静磁場に近接して配置されることから、コイル保持部材の振動は、被検体に騒音となって伝達される。
近年は、MRI装置の検査効率を上げるために、各種の高速撮像用パルスシーケンスが開
発されているが、高速撮像用パルスシーケンスでは、傾斜磁場強度を強めるとともに印加時間も短縮され、さらに、短時間間隔で繰り返して印加されることから、振動及び騒音のレベルも従来よりも大きくなる傾向にある。それらの高速撮像用パルスシーケンスが臨床で用いられると、被検体は大きな騒音の中に長時間横たわっていることを強いられることになる。
MRI装置においては、傾斜磁場コイルの振動を低減する必要があることは、初期から認
識され、この課題解決のためにいろいろな提案が成されている。
傾斜磁場コイルの振動及び傾斜磁場コイルから発生する騒音を低減する方法とその文献を挙げると、以下のようなものがある。
(1)コイル導線を支持する部材の強度を上げる方法:〔特許文献1〕
(2)コイル導線を支持する部材の振動をキャンセルする方法:〔特許文献2〕
(3)コイル導線を支持する部材の磁石への固定部を工夫する方法:〔特許文献3〕
(4)傾斜磁場コイルから発生する騒音をキャンセルする方法:〔特許文献4〕
(5)傾斜磁場コイルから発生する騒音を閉じ込める方法:〔特許文献5〕
特開2001-149338号公報 特開平8-126626号公報 特開2002-102206号公報 特開2000-210268号公報 特開平11-137535号公報
これらの文献に開示された技術にはそれぞれ一長一短がある。すなわち、(1)の方法
は、コイル導線を支持する支持部材の厚みを厚くして支持部材が変形しにくくするものであるが、支持部材を厚くするので重量の増加を招き、組立時の取扱性を損ねるうえに、発生する振動の周波数が低周波数化し、遮音カバーにより遮音しようとしてもその効果が得られにくい。(2)の方法は、コイル指示部材へアクチュエータを取り付けてコイルの駆
動と同期を取ってアクティブに振動をキャンセルするものであるが、アクチュエータ及びその駆動制御機構を設けるための費用が嵩む。(3)の方法は、固定部に防振部材等を介
在させるものであり、固定部から発生する音に対しては対応することができても、傾斜磁場コイル自身が振動し騒音を生ずる問題へは対応できない。(4)の方法は、傾斜磁場コ
イルから発生した騒音と逆位相の音を発生して騒音をキャンセルするものであるが、現状は実現性に乏しい。(5)の方法は、傾斜磁場コイルを真空容器内に密閉して収納し、騒
音を被検体の置かれた空間へ伝播させないというものであるが、真空容器を配置又は形成するために、さらには真空ポンプを設置するために大きなスペースを必要とする。
本発明は、上記従来技術に鑑みて成されたもので、軽量でかつ振動しても遮音し易い振動音を発する傾斜磁場コイルを提供することを目的として成されたものである。
本発明は上記目的を達成するために、静磁場空間へ傾斜磁場を発生させるメインコイルと、前記メインコイルの一面側に発生する磁場を実質的にキャンセルする磁場を発生するシールドコイルと、前記メインコイルと前記シールドコイルとを所定間隔で保持する中間部材とを有する傾斜磁場コイルにおいて、
前記中間部材を、前記メインコイルと前記シールドコイルとの対向方向に沿って所定形状の空隙が規則的に配列されたハニカム構造体と、前記ハニカム構造体の両面を覆う表面被覆材とで形成したことを特徴としている。
また、前記中間部材内には、冷却媒体を流すための流路が設けられ、前記流路に冷却媒体を流すことにより、前記傾斜磁場コイルにおいて発生した熱が冷却されることを特徴としている。
本発明によれば、傾斜磁場コイルの質量が軽くなり、傾斜磁場コイルの振動によって生ずる騒音の周波数が高くなるので、遮音が容易にできるようになる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図5は、MRI装置の概略構成を示すブロック図である。MRI装置は、静磁場発生磁石装置1と、傾斜磁場コイル2と、高周波磁場コイル3と、遮音カバー4と、傾斜磁場電源21と、送信器31と、受信器32と、データ処理部40と、制御部50とを備えている。
静磁場発生磁石装置1は、被検体を収容する所定の大きさを持った空間に静磁場を発生
するもので、前記空間を挟んで1組の磁石、例えば永久磁石又は超電導磁石が対向して配
置されている。傾斜磁場コイル2は、直交する3軸方向へ傾斜磁場を発生するように3組のコイルが組み込まれたもので、前記静磁場発生磁石装置1の前記被検体収容空間に対面した側に前記静磁場空間を挟んで対を成して配置されている。高周波磁場コイル3は、静磁場空間へ位置する被検体へ高周波(RF)磁場を照射し、前記被検体から放出されるNMR信号を受信するもので、前記静磁場空間を挟むように、又は囲むように配置されている。この高周波磁場コイル3は、送信用コイルと受信用コイルとが別体として設けられるか、または送信用コイルと受信用コイルが兼用されても良い。遮音カバー4は、ガラス繊維強化プラスチック材料を用いて静磁場発生磁石1の外周面形状に合わせてハンドレイアップ法
などにより成形されたもので、前記静磁場発生磁石装置1とで音を遮蔽する空間を形成し
、その遮音空間内へ前記傾斜磁場コイル2及び高周波磁場コイル3を収容するように設けられている。
傾斜磁場電源21は、傾斜磁場コイル2へ直流電流を供給するもので、傾斜磁場コイル2へ電流が供給されると、静磁場空間を挟んで配置されたコイル対周りに発生する磁界により静磁場空間に磁場勾配がもたらされる。この磁場勾配が静磁場へ合成されて傾斜磁場と成る。送信器31は、高周波磁場コイル3から高周波磁場を発生させる信号を出力するもので、発振器、増幅器、変調器等から成る。受信器32は高周波磁場コイル3によって受信されたNMR信号を受信処理するもので、増幅器、直交検波器、A/D変換器等から成る。
データ処理部40は、前記受信器から出力されたディジタル信号に対し各種信号処理や演算処理を行い、画像を生成するとともに、画像やデータを記憶保存するものである。制御部50は、MRI装置全体の動作制御を司るもので、CPUから成る。
次に、本発明の傾斜磁場コイルの第1の実施例について説明する。傾斜磁場コイル2は静磁場空間を挟んで一組が配置されるが、それぞれの傾斜磁場コイル2は、図5に示すように、それ自身が傾斜磁場を発生するメインコイル21と、メインコイル21が発生する磁束が磁場発生磁石装置1へ浸透することを妨げるシールドコイル22と、メインコイル21とシールドコイル22との間に挟まれ、前記メインコイル21とシールドコイル22の間隔を所定の値に保持する中間部材23とから構成される。このように構成された傾斜磁場コイル2は、静磁場発生磁石装置1の静磁場空間に対向した面へ取付部材5を介して取り付けられる。
メインコイル21には、直交するx,y,zの3軸方向へ対し傾斜磁場を発生するために3つのコイルが含まれる。それらのコイルの素材としては、導電性に優れかつ加工性の良い銅板を加工したもの又は銅線が用いられる。
シールドコイル22はメインコイル21と同期して駆動されて、メインコイル21が静磁場発生磁石1側に発生する磁束が静磁場発生磁石1浸透することを防止する、いわゆるアクティブシールドコイルで、これも素材としては銅板を加工したもの又は銅線が用いられる。
中間部材23は、図1に示すように、中間のハニカムコア材231の両面へ表面板232、233を接着剤で接着した3層のパネル構造をしている。表面板232,233は、本発明の目的に鑑みて、軽量であって強度に優れた材料、例えばガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック、またはエンジニアリングプラスチックを用いると良い。
次に、ハニカムコア材231について詳細に説明する。ハニカムコア材231の素材は、これも本発明の目的に鑑みて、軽量であって強度の優れた材料、例えばアラミド繊維をフェノール樹脂で含浸したもの、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック、エンジニアリングプラスチック、更にはグレーチングと呼ばれる繊維強化プラスチックを用いる。ハニカムコア材231は、このような軽量で強度の優れた素材を用いて所定の厚みに形成されたハニカム材を用いる。
このように、ともに軽量で強度に優れたハニカムコア材231と表面板232,233とを一体化した中間部材は、メインコイル21とシールドコイル22との間隔を所定値に保持することができる。
ハニカム材の格子240の(空隙)形状は、図2(a)乃至図2(e)に示すように六角形240a,円形240b,矩形240c,三角形240dなどいろいろ考えられる。そして、ハニカム材の製作法としては、六角形,円形,矩形,三角形が規則的に配列されたものや、矩形240e,240fを半分ずらした配置のものなどを成形法によって製作する他に、図3(a)乃至図3(d)に示すように、六角形,円形,矩形,三角形の空隙を有した単一の中空体241a,241b,241c,241dを図4(a)乃至図4(d)に示すように複数個結合させる方法があるが、本発明においてはいずれの方法で製作したものでも用いることができる。
ハニカムコア材231は、専用に製作することもできるが、MRI装置は静磁場強度によって静磁場空間の大きさが異なることがあり、それによって傾斜磁場コイルの大きさも変更されるため、専用のハニカムコア材を製作することはコスト的に得策とは言えないこともある。そのようなケースを想定すると、ハニカムコア材231は必要とするものよりも大きな
素材から所要の大きさに加工して用いるのが良い。但しこの場合、加工された周縁部にぎざぎざの部分231aが生ずるので、ぎざぎざの部分に樹脂、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等を充填するか、テープ状のもの232でその部分を覆って滑らかに
仕上げると良い(図6,図7参照)。このようにすることによって、所定の形状に加工したハニカム材の外周面を、搬送、取付け時にハニカム材の横方法から作用する加重や衝撃による変形や破損が防止でき、また搬送、取付け時の作業者の安全性が確保される。
次に、上記のように構成された傾斜磁場コイル2を静磁場発生磁石装置1へ固定するための固定部について説明する。図6は図1のA部の拡大図で、その一部分を断面で示したものである。図6に示すように、静磁場発生磁石装置1の静磁場空間に対向した面に取付部材5が設けられ、取付部材5は静磁場発生磁石装置1の面から所定の長さの部分から先に径が細い部分5aが形成され、その径の細くなった部分5aの先端にネジ5bが加工が施されている。傾斜磁場コイル2の中間部材231には、取付部材5が固定された位置に穴加工が施され、取付部材5の径の細い部分5aが中間部材231の穴へ挿入され、ナット5cにより締め付け固定される。
中間部材231はハニカム材であるので、穴加工を施しただけではナットの締め付けによ
り、変形や破損が生ずるので、ハニカム材へ取付部材5よりも大きな穴加工をし、そこへ
ナットの締付けに耐え得る補強部材6を介在させておいて、その補強部材6の部分をナット締めすると良い。その補強部材6を設ける方法としては、穴加工がされる近傍の空隙へ樹脂、例えばフィラーを充填したエポキシ樹脂を埋設し、または空隙へウレタン樹脂、フェノール樹脂等を充填し、硬化後に穴加工を行うとか、中空円筒状の繊維強化プラスチックを埋め込んで接着剤にて固定する方法、更には、図7に示すようなインサート7を用いる方法がある。図7に示すインサート7を用いる場合には、ハニカム材の変形、破損を防止しつつナット締めするためにインサート7の挿入部の寸法を中間部材23の厚みより若干短くすることが必要である。
以上のような固定構造を採用することで、中間部材23のネジ止め部分の強度が増し、ハニカム材の座屈、変形が防止でき、傾斜磁場コイル2が振動したと仮定しても、この固定
部から騒音が発生することが防止できる。
次に、上記の如く形成された傾斜磁場コイルとその固定方法、並びに遮音カバーの作用を、MRI装置のパルスシーケンスの動作を参照して説明する。図8は、MRI装置の高速撮像
法として良く知られたエコープレナー(EPI)法パルスシーケンスである。EPI法パルスシーケンスでは、先ず、静磁場空間に置かれた被検体へ、スライス傾斜磁場(Gs)を印加した状態において送信コイルから高周波(RF)パルスを印加することにより、被検体のスライス内の核スピンを励起する。次いで、スライス傾斜磁場(Gs)の極性を反転して励起時に印加した傾斜磁場の印加量の1/2を印加して、スライス方向の核スピンの位相合わせを行う。その後、異なる印加量を持つ位相エンコード傾斜磁場(Gp)と、極性が交互に反転するリードアウト傾斜磁場(Gr)とを順次印加し、所定時間間隔で順次エコー信号を発生させる。発生したエコー信号は受信コイルにより受信され、受信されたエコー信号はデジタルデータへ変換され、位相エンコード方向とリードアウト方向とから成る2次元メモリ空間(k空間)のそのデータに対応するアドレスへ記憶される。そして1枚の画像を形成するだけのエコー信号データがk空間へ記憶されると、それらのデータが読み出されてフーリエ変換されて再構成画像が生成され、生成された画像はディスプレイへ表示される。
このようなパルスシーケンスの動作において、3軸方向、すなわち、スライス方向、位
相エンコード方向、リードアウト方向へそれぞれ図8に示すように傾斜磁場がパルス状に
印加されるが、このパルス状に印加される傾斜磁場の立上り時間及び立下り時間は極めて短時間で、傾斜磁場コイルに流される電流は大電流である。傾斜磁場コイル2を形成する
メインコイルとシールドコイルのコイル導体へ電流を流すと、フレミングの左手の法則で周知のローレンツ力がコイル導体へ作用する。そして、傾斜磁場のオン/オフのためにコイル導体へ流れる電流も短時間でオン/オフされるため、コイル導体へ作用するローレンツ力の作用と解放もそれに同期するので、コイル導体を介してコイル導体を支持する部材(中間部材)にその力が瞬時に作用して、中間部材に振動が発生する。
この振動周波数は、傾斜磁場コイル全体の曲げ剛性に比例し、質量に反比例する。本実施形態のハニカム材をコア材とした中間部材は、従来から用いられている中実のプラスチック製中間部材に比較して、ハニカム材としたことによる剛性の低下よりも質量の低減割合が大きく、質量は1/5乃至1/10程度まで軽量化される。このため、傾斜磁場コイルの固有振動数が高くなり、したがって、傾斜磁場コイルの振動により生ずる騒音の周波数も高くなる。高い周波数の騒音は、低周波の騒音よりも遮音及び吸音し易く、傾斜磁場コイルを静磁場発生磁石装置と遮音カバーで覆う構造によって騒音レベルを従来よりも低減することができる。
次に本発明の第2の実施例を図9により説明する。この第2の実施例は、傾斜磁場コイルの中間部材であるハニカムコア材の多数の穴に、音のエネルギーを熱エネルギーに変換する材料、または振動のエネルギーを熱エネルギーに変換する材料を充填又は埋め込んだものである。これらのうち、前者の音エネルギーを熱エネルギーに変換する材料としては、フェルト、ガラスウールのような繊維材料、または発泡ウレタンフォームのような多孔質材料から成る吸音材が良い。また後者の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する材料としては、粘弾性高分子材料から成る制振材を用いると良い。
上記の吸音材8又は制振材9をハニカムコア材231の空隙へ充填又は埋め込むことにより、傾斜磁場コイルから発生する騒音を低減でき、または振動を低減できるが、騒音と振動との双方に対応しようとする場合には、吸音材と制振材をハニカム材の空隙へ交互に、または所定間隔で充填又は埋め込んでも良い。
次に本発明の第3の実施例を図10〜15により説明する。この第3の実施例は、図10に示すように上記六角形等の多角形や円形の棒あるいはパイプにより構成したハニカムコア材231の配置を工夫して、隣合う格子と格子間に間を空けて、そこに冷却媒体を流すための冷却流路51が確保されるようにしたものである。この冷却流路51に冷却媒体を流すことにより、メインコイル21とシールドコイル22との間隔を所定値にすることを目的として設けた中間部材に、メインコイル21とシールドコイル22を冷却する機能を併せ持たせ、メインコイル21とシールドコイル22から成る傾斜磁場コイルがジュール熱により温度上昇して、これを構成している導体が熱膨張により歪んだり、あるいはXYZの各傾斜磁場コイル間を絶縁するために敷かれている絶縁シートが劣化する等の問題を防ぐことができる。ただし、冷却流路51の側面には機密性を保持するためのコーティング材、またはフィルムなどが貼り付けられていて、これにより冷媒が隙間より漏れ出すことを防ぐようにしている。また、ハニカムコア材の上面71と下面72はそれぞれメインコイル21とシールドコイル22に接している。更に、本実施例においてハニカムコア材231の材質としては、非磁性材料で、かつ熱伝導性の良い材質が望ましく、例えば、そのような性質を持つ樹脂、あるいは銅やアルミなどを用いるのが良い。
本構造では冷却流路51の設計変更は容易であるため、冷却流路51をコイルの発熱が高い箇所に設けて冷却を効果的にすることができる。図11に、冷却流路51を1ターンとした場合のハニカムコア材の配置例を示す。また、図12において、冷却流路51を渦巻きとした場合の傾斜磁場コイルを示し、図12(a)は傾斜磁場コイルの断面図、図12(b)は図12(a)をA−A方向から見た図、図12(c)は図12(a)をB−B方向から見た図である。図12に示したように、高さ(厚さ)を半分にした中間部材を断熱性の良い板またはシートを挟んで2段積みにし、コイル中央部のシートに貫通穴52をあけ、上下の流路をつなげることにより、メインコイル21とシールドコイル22をより効率的に冷却することができる。
また図13は、図12(a)をC−C方向から見た図である。図13のように、メインコイル21及びシールドコイル22の流路側表面に放熱フィン53を取り付けることにより、傾斜磁場コイルにおいて発生した熱の冷却を、更に効率的にすることができる。
また図14に、冷却媒体の循環経路を示す。冷却媒体は、外部にある循環ポンプ54を用いて循環する。傾斜磁場コイル内を通過した冷却媒体は配管を通り、放熱部55へと送られる。放熱部には冷却ファン56があり、この冷却ファンを用いて冷却媒体の熱を放出する。放熱部を通過した冷却媒体は、再び傾斜磁場コイルへ送られる。冷却媒体には、通常水が用いられる。また、図15に示すように、循環経路に圧縮機57、及び膨張弁58を設け、冷却媒体にフロンを用いても良い。
次に本発明の第4の実施例を図16,17により説明する。この第4の実施例は中間部材の構造以外の構成は実施例1〜3と同様であるため、説明を省略する。まず図16において、第4の実施例の中間部材を構成する冷却管59を示す。また図16のように、冷却管59には角型のフィン60が所定の間隔で取付けられている。次に図17において、第4の実施例の中間部材の図12(a)におけるA−A方向から見た図を示す。本実施例の中間部材は、フィン付きの冷却管を渦巻状に巻き、そのフィンを中間部材の構造部材、つまりメインコイルとシールドコイルの間隔を一定に支持する部材として兼用する。本実施例は、フィン付きの冷却管を所定のパターンに巻き、フィンをメインコイルとシールドコイルに熱伝導及び絶縁性が良い樹脂板、または絶縁シート等を挟んで接着させるため、製作が容易で、作業性も良い。
以上のような構成にすることにより、メインコイルとシールドコイルの間隔を一定に支持し、かつメインコイル、及びシールドコイルにて発生した熱をフィンから冷却管へ効率よく伝達し、高い冷却能力を得ることができる。また、渦巻き状であることから、ハニカム構造を形成し、高剛性が得られる。更に、フィン同士を連結させれば、剛性及び熱伝導性を更に向上させることも可能である。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形できる。
本発明の傾斜磁場コイルに用いられる中間部材の構成を示す断面図。 第1の実施例におけるハニカム材のハニカム構造例を示す図。 第1の実施例におけるハニカム材の素材形状の例を示す図。 図3に示す材料を結合したハニカム材のハニカム構造例を示す図。 本発明の傾斜磁場コイルが用いられるMRI装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の傾斜磁場コイルの装置への固定部の一例を示す図。 本発明の傾斜磁場コイルの装置への固定例のその他の例を示す図。 EPI法パルスシーケンス図。 本発明の第2の実施例のハニカム材を示す図。 本発明の第3の実施例において、隣合う格子と格子間に間を空けて、そこに冷却媒体が通るための冷却流路51が確保されるようにした図。 冷却流路51を1ターンとした場合のハニカムコア材の配置例。 冷却流路51を渦巻きとした場合の傾斜磁場コイルを示す図。 図12(a)をC−C方向から見た図。 冷却媒体の循環経路を示す図。 圧縮機57、及び膨張弁58を設けた循環経路を示す図。 本発明の第4の実施例における冷却管59とフィン60を示す図。 本発明の第4の実施例における中間部材をA−A方向から見た図。
符号の説明
1…静磁場発生磁石装置
2…傾斜磁場コイル
3…高周波磁場コイル
4…遮音カバー
5…取付部材
7…インサート
8…吸音材
9…制振材
23…中間部材
231…ハニカムコア材
232,233…表面板

Claims (2)

  1. 静磁場空間へ傾斜磁場を発生させるメインコイルと、前記メインコイルの一面側に発生する磁場を実質的にキャンセルする磁場を発生するシールドコイルと、前記メインコイルと前記シールドコイルとを所定間隔で保持する中間部材とを有する傾斜磁場コイルにおいて、
    前記中間部材は、前記メインコイルと前記シールドコイルとの対向方向に沿って所定形状の空隙が規則的に配列されたハニカム構造体と、前記ハニカム構造体の両面を覆う表面被覆材とから成ることを特徴とする傾斜磁場コイル。
  2. 前記中間部材内には、冷却媒体を流すための流路が設けられ、前記流路に冷却媒体を流すことにより、前記傾斜磁場コイルにおいて発生した熱が冷却されることを特徴とする請求項1記載の傾斜磁場コイル。
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