JP2005064115A - 半導体冷却ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体冷却ユニット1は、電力用の半導体素子11を含む半導体モジュール10と、冷媒を流動させる中空部21を有する扁平形状の冷却チューブ20とを組み合わせてなるユニットである。半導体モジュール10は、半導体素子11を挟むように、相互に対面する平板状の2枚の電極放熱板15を有してなると共に、相互に対面する扁平形状の冷却チューブ20の間に配設してある。そして、この冷却チューブ20は、電気的な絶縁性を有する絶縁部材30を介して電極放熱板15に当接する吸熱面200を有してなる。当接荷重が作用しない状態において、冷媒の流動方向に直交する方向における吸熱面200の断面形状は、電極放熱板15に向かって突出する凸状である。
【選択図】図1
Description
一般に、電気自動車やハイブリッド自動車等では、交流モータから大きな駆動トルクを得るため、通電すべき駆動電流は大電流となる傾向にある。
そのため、その駆動電流を制御する上記半導体モジュールでは、IGBT等の電力用半導体素子から発生する発熱量が大きくなる。
例えば、半導体モジュールからの放熱を促進するため、該半導体モジュールの放熱面を凸状に形成した上、該放熱面を冷却手段の冷却面と当接させた半導体冷却ユニットがある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、上記半導体冷却ユニットでは、上記のごとく放熱面と冷却面とを当接することで、両者間の接触面積を広く確保している。
すなわち、半導体素子の特性変動による性能低下や、半田接合部の半田クラック等による耐久性低下を生じるおそれがある。
上記半導体モジュールは、上記半導体素子を挟むように、相互に対面する2枚の平板状の電極放熱板を有していると共に、相互に対面する一対の上記冷却チューブの間に配設してあり、
該冷却チューブは、直接的又は間接的に、上記電極放熱板と当接する吸熱面を有してなり、該吸熱面に当接荷重が作用しない状態において、上記冷媒の流動方向に直交する方向における上記吸熱面の断面形状は、上記電極放熱板に向かって突出する凸状であることを特徴とする半導体冷却ユニットにある(請求項1)。
そのため、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの間に当接荷重を作用させた状態で組み合わせたとき、上記凸状の吸熱面を、上記電極放熱板の面形状に倣って変形させて、両者間の接触面積を広く確保することができる。
それ故、上記冷却チューブ側を積極的に変形させる一方、半導体モジュール側に生じる変形を抑制しながら、両者を十分に接触させることができる。
したがって、本発明の電力変換装置によれば、上記当接荷重による歪み等による上記半導体モジュールのトラブルを抑制しつつ、半導体素子から発生する熱量の放出を効率化することができる。
そのため、積層した冷却チューブと半導体モジュールとの間に当接荷重を作用させたとき、該半導体モジュールに対して積層方向の上下側から均等に当接荷重を作用することができる。
それ故、本発明の半導体冷却ユニットでは、半導体モジュールに歪み等を生じるおそれがさらに少ない。
或いは、上記吸熱面と上記電極放熱板とを、電気的に接触させた状態で、直接的に当接させる一方、上記各冷却チューブを、冷媒や他の冷却チューブ等の他の部分と電気的に絶縁することも可能である。
上記アルミニウム合金は、一般に、軟質の金属材料であるため、上記冷却チューブの変形を容易に生じさせるこができ、相対的に、上記半導体モジュールに歪みが生じるおそれを抑制することができる。
さらに、重量比60%以上の銅を含有した銅合金から上記電極放熱板を形成することが好ましい。
上記銅合金は、一般的に、硬質の金属材料であるため、上記電極放熱板は、上記半導体モジュールの内部に収容した半導体素子等を保護するのに役立つ。
この場合には、発熱源である上記半導体素子の配設位置において、上記電極放熱板と上記冷却チューブとを確実に接触させることができる。
この場合には、上記吸熱面と上記電極放熱板との間の当接荷重を適正に維持しながら、両者間の接触面積を広く確保することができる。
なお、突出高さが20μm未満であると、吸熱面と電極放熱板とが十分に接触しないおそれがある。
一方、突出高さが100μmを超えると、上記吸熱面の変形に要する当接荷重が大きくなり、この当接荷重により半導体モジュールに歪みを生じるおそれがある。
この場合には、上記冷却チューブと上記冷媒との間の熱交換効率をさらに向上して、上記半導体モジュールの冷却性能をさらに向上することができる。
この場合には、上記吸熱面の弾性変形を容易にして、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとの接触面積を広く確保することができる。
この場合には、上記曲線状をなすリブの湾曲部、或いは、上記屈曲線状をなすリブの屈曲部の上記弾性部において容易に弾性変形を生じさせることができる。
そして、該弾性部の弾性変形によれば、上記凸状の吸熱面の変形が容易になる。
この場合には、上記冷却チューブから上記半導体モジュールとの間の当接荷重の分布を、幅方向に対称にすることができる。半導体モジュールに対して、バランス良く荷重を作用して、歪みが生じるおそれをさらに抑制できる。
この場合には、上記冷却チューブの変形を容易にして、上記半導体モジュールに生じる歪みをさらに抑制することができる。
なお、さらに好ましくは、上記管壁の板厚は、上記電極放熱板の板厚の80%以下にするのが良い。
上記管壁の板厚が、上記電極放熱板の板厚の80%を超えると、両者間の接触面積を広く確保するための当接荷重が大きくなるおそれがある。
この場合には、多層積層構造を有する上記半導体冷却ユニットでは、その積層方向に大きな荷重を作用させる必要があるため、本発明による効果が特に有効である。
本例の半導体冷却ユニット1について、図1〜図6を用いて説明する。
この半導体冷却ユニット1は、図1に示すごとく、電力用の半導体素子11を含む半導体モジュール10と、冷媒を流動させる中空部21を有する扁平形状の冷却チューブ20とを組み合わせてなるユニットである。
上記半導体モジュール10は、上記半導体素子11を挟むように、相互に対面する平板状の2枚の電極放熱板15を有してなると共に、相互に対面する一対の冷却チューブ20の間に配設してある。
そして、この冷却チューブ20は、電気的な絶縁性を有する絶縁部材30を介して電極放熱板15に当接する吸熱面200を有してなる。この吸熱面200に当接荷重が作用しない状態において、冷媒の流動方向に直交する方向における吸熱面200の断面形状は、電極放熱板15に向かって突出する凸状である。
以下に、この内容について詳しく説明する。
本例の半導体冷却ユニット1は、電力用の半導体素子11を収容した半導体モジュール10を有してなる。そして、該半導体モジュール10は、上記電力変換装置のインバータ回路或いは、DC−DCコンバータ回路を構成している。
すなわち、本例の半導体冷却ユニット1は、半導体モジュール10を3層積層してなる半導体積層ユニット(以下、半導体積層ユニット1と記載する。)として構成してある。
また、この半導体積層ユニット1は、図2に示すごとく、隣接して積層した冷却チューブ10の間に、2個の半導体モジュールを並列配置してなり、全体として、6個の半導体モジュールを有してなる。
これに代えて、窒化アルミニウムやアルミナ等のセラミック板を上記絶縁部材として用いることもできる。さらに、窒化アルミニウム、SiN、アルミナ、DLC等による絶縁塗膜や、ポリイミド等の有機絶縁物等よりなる絶縁塗膜を上記絶縁部材として利用することも可能である。
冷却チューブ20と冷媒とを電気的に絶縁する方法としては、中空部21の内周壁に絶縁被膜を形成する方法や、電気的な絶縁性を有する冷媒を採用する等の方法がある。
一方、各冷却チューブ20を、他の部分から電気的に絶縁する方法としては、各冷却チューブ20を接続するベローズパイプ400(図2)自体に電気的な絶縁性をもたせる方法がある。例えば、電気的な絶縁性を有する素材によりベローズパイプ400を形成する方法や、電気的な絶縁性を有する絶縁被膜をベローズパイプ400の表面に形成する方法などがある。
他に、ベローズパイプ400と、各冷却チューブ20との間に、電気的な絶縁性を有する部材を配置する等の方法を採用することもできる。
そして、半導体モジュール10は、2枚の電極放熱板15と、その間隙の各素子11、12とを、モールド樹脂により一体成形してなる。
本例では、上記電極放熱板は、90%の銅を含む銅合金よりなる。
なお、図3では、電極放熱板15と、外部端子150、160と、モールド樹脂との関係の理解を容易にするため、便宜上、モールド樹脂(点線で示す部分)を上下に分割して示してある。
そのため、この半導体モジュール10と冷却チューブ20とを積層した上記半導体積層ユニット1(図1)においては、該半導体積層ユニット1の表面側に電力端子150を突出させ、裏面側に制御端子160を突出させることができる。
そして、この冷却チューブ20は、その扁平形状をなす平坦表面の一部に、上記絶縁部材30を介して電極放熱板15に当接する吸熱面200を形成してなる。
特に、本例の冷却チューブ20では,吸熱面200の頂点の位置と、半導体モジュール10におけるIGBT素子11との配設位置とが略一致するようにしてある。
なお、本例では、吸熱面200の突出高さgは、40μmとしてある。
また、冷却チューブ20の両端には、封止用のキャップ部材201を接合してある。
すなわち、ベローズパイプ400は、隣接して積層した冷却チューブ20の間に配置してなり、各冷却チューブ20の中空部21相互の連通を実現している。そして、積層した冷却チューブ20の各間隙に配置した複数のベローズパイプ400が、全体として、冷媒の各ヘッダ部41、42を形成している。
このガイドユニット50は、半導体積層ユニット1の積層方向の一方の端面に当接するベースプレート部51と、他方の端面に当接する挟圧プレート部52と、ベースプレート部51と挟圧プレート部52とを所定の間隙を空けて保持する一対のガイド部53とからなるユニットである。
そして、ガイド部53は、フランジをベースプレート部51にボルト固定することにより、該ベースプレート部51に対して直立した状態で固定するように構成してある。
ベースプレート部51は、一対のヘッダ部41、42に連通する冷媒流路511、512を形成してなり、半導体積層ユニット1をガイドユニット50に組み付けたとき、冷媒流路511、512と各ヘッダ部41、42とが連通するように構成してある。
この挟圧プレート部52は、その両端部に、固定用のボルトを挿通するボルト穴を穿孔してなり、該ボルト穴に挿入したボルトにより、各ガイド部53の長手方向の端面に固定するように構成してある。
該当接部520は、上記ボルト穴を形成した両端部よりも板厚を厚く形成してなり、上記ガイド部53に固定したとき、半導体積層ユニット1に向けて突出するように構成してある。
そして、この挟圧プレート部52は、ガイド部53の端面にボルト結合する際のボルトの締め付けトルクに応じて、当接部520から半導体積層ユニット1に向けて荷重を作用するように構成してある。
そのため、本例の半導体積層ユニット1においては、上記挟圧プレート部52に適切な荷重を作用させることで、冷却チューブ20と半導体モジュール10との間の当接荷重を適正にすることができる。
それ故、本例の半導体積層ユニット1では、図6に示すごとく、適正な当接荷重を作用させることで、凸状(略円弧状)の吸熱面200を電極放熱板15の面形状に倣って変形させ、両者の間の接触状態を適切にすることができる。
そのため、発熱源であるIGBT素子11の配設位置において、吸熱面200と電極放熱板15とを、絶縁部材30を介在して確実に当接させることができる。
さらに、図1に示すごとく、上記電極放熱板15の板厚bは、上記吸熱面200をなす冷却チューブ20の板厚aよりも厚くしてある。
それ故、本例の凸状の断面形状の吸熱面を有する冷却チューブ20と、半導体モジュール10との組み合わせによれば、半導体モジュール10に歪み等を生じさせるおそれを少なく、両者間の接触面積を広く確保することができる。
そのため、半導体モジュール10に対しては、その積層方向の両側から均等に荷重を作用させることができる。
それ故、本例の半導体積層ユニット1においては、半導体モジュール10に対して、不均一に荷重が作用するおそれが少なく、半導体モジュール10に歪みを生じるおそれが少ない。
したがって、本例の半導体モジュール10は、半田接合部のクラックや素子特性の変動等が生じにくく、良好な耐久性を実現できる。
本例は、実施例1を基にして、冷却チューブの中空部の形状を変更した例である。この例について、図7及び図8を用いて説明する。
本例の冷却チューブ20の中空部21には、冷媒の流動方向に沿って中空部21を区画する複数のリブ22を形成してある。
そして、本例では、中空部21が、幅方向に線対称の形状を呈するようにリブ22を形成してある。
すなわち、本例の冷却チューブ20の吸熱面200は、図8に示すごとく、電極放熱板15との間に当接荷重が作用したとき、電極放熱板15の面形状に倣って容易に変形することができる。
そのため、冷却チューブ20から電極放熱板15に作用する荷重分布は、幅方向に対称な分布となる。
それ故、この冷却チューブ20から半導体モジュール10へ、バランス良く荷重を作用させることができ、アンバランスな当接荷重に起因して半導体モジュール10内部に歪みを生じるおそれが少ない。
さらに、弾性部225を形成したリブ22によれば、凸状の吸熱面200の変形を阻害することなく、該吸熱面200と電極面15との接触面積を広く確保することができる。
10 半導体モジュール
11 IGBT素子
12 フライホイールダイオード素子
20 冷却チューブ
200 吸熱面
30 絶縁部材
41、42 ヘッダ部
400 ベローズパイプ
50 ガイドユニット
51 ベースプレート部
52 挟圧プレート部
53 ガイド部
Claims (9)
- 電力用の半導体素子を含む半導体モジュールと、冷媒を流動させる中空部を有する扁平形状の冷却チューブとを組み合わせてなる半導体冷却ユニットにおいて、
上記半導体モジュールは、上記半導体素子を挟むように、相互に対面する2枚の平板状の電極放熱板を有していると共に、相互に対面する一対の上記冷却チューブの間に配設してあり、
該冷却チューブは、直接的又は間接的に、上記電極放熱板と当接する吸熱面を有してなり、該吸熱面に当接荷重が作用しない状態において、上記冷媒の流動方向に直交する方向における上記吸熱面の断面形状は、上記電極放熱板に向かって突出する凸状であることを特徴とする半導体冷却ユニット。 - 請求項1において、上記吸熱面に当接荷重が作用しない状態において、上記冷媒の流動方向に直交する方向における上記吸熱面の断面形状は、上記半導体モジュールにおける上記半導体素子の配設位置に対応して頂点をなす略円弧状であることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項1又は2において、上記吸熱面の突出高さは、20μm〜100μmであることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記冷却チューブは、上記吸熱面の裏面に当たる上記中空部の内壁面に、上記流動方向に沿って上記中空部を区画するリブを形成してなることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項4において、上記リブは、弾性変形するように構成した弾性部を有してなり、上記冷却チューブは、上記吸熱面に当接荷重が作用した際、上記弾性部に弾性変形を生じ、相手部材の形状に倣って上記吸熱面の形状を変形するように構成してあることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項5において、上記冷媒の流動方向に直交する方向における上記リブの断面形状は、曲線状又は屈曲線状を呈しており、上記弾性部は、曲線状をなす上記リブの湾曲部或いは、屈曲線状をなす上記リブの屈曲部に形成してあることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記冷媒の流動方向に直交する方向における上記中空部の断面形状は、幅方向の線対称形状を呈していることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、上記吸熱面をなす上記冷却チューブの管壁は、対面する上記電極放熱板と比べて、板厚を薄くしてあることを特徴とする半導体冷却ユニット。
- 請求項1〜8のいずれか1項において、上記半導体冷却ユニットは、上記半導体モジュールと上記冷却チューブとを交互に積層し、少なくとも2層以上の上記半導体モジュールの層を有してなることを特徴とする半導体冷却ユニット。
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