JP2005063841A - 発光型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光薄膜層から放射する光を効率良く観察者側へ取り出すことで明るい表示を実現すると同時に、広い視野角範囲において明るい環境下であってもコントラスト比が高く、色の変化が少ない高画質な発光型表示装置を提供する。
【解決手段】 複数の発光素子を備える発光型表示装置において、発光素子70は発光薄膜層100とその裏面に配置する光反射面300を有し、発光素子の表面側には、入射する光を反射と透過により2種類の円偏光成分に分離する円偏光反射層500と、位相補償層800と、1/4波長板700と、偏光板600を備え、位相補償層800が面内方向には屈折率の差がなく、厚さ方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する透明体から構成される。
【選択図】 【図1】

Description

本発明は、発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置に関し、特に、発光層の裏面に光反射面を有する有機発光ダイオード素子などの発光素子を備える発光型表示装置に利用して有効な技術に関するものである。
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)素子は、有機薄膜からなる発光層に正負の電荷を注入することにより電気エネルギーを光エネルギーに変換して発光する素子である。画素を構成する発光素子として有機発光ダイオード素子を備える発光型表示装置(以下「OLED表示装置」ともいう。) は、液晶表示装置に代表される非発光型の表示装置とは異なり、バックライトなどの補助光源が不要なことから薄型、軽量であり、さらに、表示の応答速度が早いといった特長を有する。
有機発光ダイオード素子としては、陽極として機能する電極と、陰極として機能する電極と、これらの電極間に、陽極側からホール輸送層、発光層、電子輸送層を順次積層する三層構造や、発光層と電子輸送層を一つの層で兼用する2層構造、あるいは、陽極とホール輸送層の間にさらにホール注入層を設ける構造など、さまざまな構造の素子が提案されている。なお、陽極と陰極の間に形成される発光層を含む層のことを、以下では便宜上、発光薄膜層ということとする。
いずれの構造であっても、発光層からの光を片側の面から取り出す場合には、通常、陽極と陰極のうち、光を取り出す側の電極には、光を透過する導電材料からなる透明電極を用い、もう一方の電極には光反射性の金属からなる反射電極を用いる。
この場合、発光薄膜層から放射する光は、一部は透明電極を通過して直接外部へ向うが、一部は背面の反射電極で反射したのち外部へ向かうことになる。したがって、このような有機発光ダイオード素子を備えるOLED表示装置では、反射電極を反射率の高い電極にして透明電極側から出射する光を増やすことが、明るい表示画像を得るために重要である。
しかし、このような構造では、発光していない状態では反射電極が鏡のような状態となり、明るい環境下では周囲の景色が写り込むため見難くなり、OLED表示装置に周囲環境から入射する光(以下「外光」ともいう。)が、反射することで黒表示が暗くならずコントラスト比が低い表示画像になってしまう。
この課題を解決する方法として、発光素子の光出射面側に円偏光板を配置する構造が実用化されている。円偏光板は発光層側から1/4波長板と偏光板をこの順に積層することで実現する。
円偏光板は以下のとおり作用する。周囲環境からOLED表示装置に入射する外光は一般に無偏光であるが、偏光板を通過する際、特定の1方向に偏光面を持つ直線偏光は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光は透過する。偏光板を透過した直線偏光は1/4波長板を通過する際その作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となり反射電極へ向かう。反射電極へ向かった光は反射電極での反射の際、進行方向が変わり、回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。反射電極で反射した光は再び1/4波長板に入射し、これを通過するときその作用を受けて偏光板で吸収される直線偏光に変換される。このため1/4波長板を通過した光は偏光板で吸収されて外部には戻らなくなる。
つまり、外光の反射電極での反射は円偏光板により抑制されて、黒表示が暗くなるため表示画像のコントラスト比が向上する。このような構造は、下記特許文献1,2等に記載されている。
なお、円偏光板を構成する1/4波長板は、可視波長範囲のより広い波長帯域において1/4波長(π/2)の位相差を与えることが外光反射の抑制効果を高め、明るい環境下でもコントラスト比が高い表示装置を実現するために重要である。広い波長帯域において1/4波長板として機能する位相差板を実現する方法としては、屈折率の波長依存性(波長分散)が異なる2種類の位相差フィルムをその遅相軸が直交するように積層する方法、あるいは1/4波長の位相差値を有する位相差フィルムと、1/2波長の位相差値を有する位相差フィルムを少なくとも1層、より望ましくは2層以上を、それらの遅相軸が交差するように積層する方法が知られている。
さらに広い波長帯域と同時に、広い視野角において反射防止効果の高い円偏光板を実現するために2軸性の位相差フィルムの積層体を用いる方法が、下記特許文献3,4,5に開示されている。この円偏光板を用いることで広い視野角にわたりコントラスト比の高いOLED表示装置が実現できる。
しかしながら、円偏光板を備えるOLED表示装置では、発光薄膜層から放射する光は一般に非偏光(ここで、放射する光を非偏光としたのは、前記したように外光を無偏光として区別するためであって、両偏光に差異はない。)であり、およそ半分の光が円偏光板で吸収されるため表示が暗くなるという問題を有する。この偏光板で吸収される光を減らして明るい表示を実現する方法として、円偏光板と発光薄膜層との間に円偏光反射層を備えるOLED表示装置が下記特許文献6,7に記載されている。
円偏光反射層としては紫外線の照射、或いは加熱により硬化したコレステリック液晶層からなるコレステリック層を用いる。コレステリック液晶層はヘリカルな分子配列に基づく特異な光学特性を示すもので、螺旋軸に平行に入射した光は螺旋のピッチに対応する波長において、螺旋の回転方向に応じて一方の回転方向の円偏光成分は反射し、他方は透過するという選択反射を示すものである。
この場合、発光薄膜層から放射してコレステリック液晶層を透過する光は1/4波長板を通過する際、その作用を受けて直線偏光に変換されて偏光板を透過する。一方、コレステリック液晶層で反射する光は反射電極で反射して、その進行方向が変わり回転方向が逆向きの円偏光となって再びコレステリック液晶層に向かう。再びコレステリック液晶層へ向う光は今度はコレステリック液晶層を透過し、1/4波長板を通過する際、その作用を受けて直線偏光に変換されて偏光板を透過する。
つまり、この技術は発光薄膜層から放射する光のうち偏光板で吸収され損失となる偏光成分の光を偏光板で吸収される前にコレステリック液晶層で反射し、再利用することで明るい表示画像を実現するものである。しかし、この技術は円偏光板のみを備える場合に対して、外光の反射が増加してしまうという課題を有する。それは以下の理由による。
OLED表示装置に入射する外光は一般に無偏光であり、偏光板を通過する際、少なくともその半分は偏光板に吸収される。偏光板を透過した光は1/4波長板を透過する際、その作用を受け、円偏光(例えば右回りの円偏光)となりコレステリック液晶層を透過して反射電極で反射する。反射電極で反射する光は回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)となり、今度はコレステリック液晶層で反射して、再び反射電極に向かう。反射電極に向かう光は反射電極での反射の際、再び回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となり、今度はコレステリック液晶層を透過する。コレステリック液晶層を透過する光は1/4波長板を通過する際、その作用を受けて偏光板を透過する直線偏光に変換され、偏光板を透過して外部、すなわち観察者側に出る。
つまり、円偏光反射層としてコレステリック液晶層を備えるOLED表示装置では、円偏光板のみを備える場合よりも外光の反射が増加し、明るい環境下では黒表示が十分に暗くならずコントラスト比が低下してしまう。
これに対し、下記特許文献8には、円偏光板と発光薄膜層との間にコレステリック液晶層を備える構造において外光の反射の増大を小さくする技術が開示されている。この公報にはOLED表示装置の画素を構成する発光素子から放射する光の波長(以下「発光波長」ともいう。)に対応して、選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を塗り分ける構造が開示されている。つまり、発光薄膜層から放射する光の色(以下「内部発光色」ともいう。)に対応する選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層を、発光薄膜層の位置に合わせて塗り分ける構造が開示されている。
この場合、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域は狭くできるため、コレステリック液晶層の選択反射に起因する外光の反射が小さくなり、明るい環境下においてよりコントラスト比が高い表示画像が得られる。さらにコレステリック液晶層の選択反射の波長領域を発光波長よりも狭くすることで、表示装置の外部に取り出される光の色(以下「外部発光色」ともいう。)の純度(刺激純度)を高めることができる。
特表平8−509834号公報 特開平9−127885号公報 特開平11−231132号公報 特開2003−35820号公報 特開2003−114325号公報 特開2001−311826号公報 特開2001−357979号公報 特開2002−215067号公報
上記背景技術、すなわち、円偏光板とコレステリック液晶層を備えるOLED表示装置において、選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を発光素子の発光色及び位置に対応して塗り分ける構造では正面方向つまり視野角0°及びその近傍の視野角においてはコントラスト比が高く、明るい画像が得られるが、視野角が大きくなるとそれに伴い画質が劣化することが判明した。
この画質の劣化には2つの要因がある。第1の要因は視野角が大きくなると外光の反射が急激に増加することである。この外光反射の増加のため、明るい環境下では視野角が大きくなると黒表示が暗くならずコントラスト比が低下し、さらに外光反射が重なることで色純度も低下してしまう。第2の要因は視野角の増加に伴い外部発光色の色が変化することである。
これらの画質の劣化は円偏光反射層であるコレステリック液晶層の光学的性質に起因するものである。このため例えば視野角の増加に伴う外光反射の増大は、従来から提案されている複数の2軸性位相差フィルムにより広視野角化した1/4波長板や偏光板からなる広視野角の円偏光板を適用しても解決できるものではない。
本発明は上記実状を鑑み成されたもので、その目的は発光薄膜層から放射する光を効率良く表示に寄与させることで明るい表示画像を実現すると同時に、外光の反射を低減することで明るい環境下であっても高いコントラスト比を実現する発光型表示装置を提供することにある。
さらに、広い視野角にわたり明るい環境下であってもコントラスト比が高く、色の変化が少ない高画質な発光型表示装置を提供することにある。
円偏光板と発光薄膜層との間に円偏光反射層としてコレステリック液晶層を備えるOLED表示装置において、視野角の増加にともなう外光反射の増加と、外部発光色の色の変化は共にコレステリック液晶層の光学的性質に起因していることが判明した。
視野角の増加に伴う外光反射の増大は主として、コレステリック液晶層が面内方向には屈折率の差がほとんどなく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも小さい光学的に負の屈折率楕円体として機能しているために生じる。この場合、コレステリック液晶層を厚み方向と平行に進む光には位相差は生じないが、厚み方向に対して傾いた方向に進む光には不要な位相差が生じる。このため、例えば広視野角化した円偏光板を適用したとしても、表示装置に入射する外光の偏光状態はコレステリック液晶層で生じる不要な位相差のために変化し、一部の光が偏光板を透過して外部に漏れることになる。
一方、視野角の増加に伴う外部発光色の色の変化は主としてコレステリック液晶層の選択反射の波長領域が光の入射角度(厚み方向に平行な軸となす角度)の増加にともない短波長側に移動する性質に起因している。つまり、視野角が大きくなると、発光薄膜層から放射し、コレステリック液晶層へ入射する光の入射角度が大きくなる。このため、発光薄膜層から放射し、コレステリック液晶層で反射して再利用される光の波長領域は短波長側に移動するため、表示装置の外部に取り出される光はその光の強度の波長依存性が変化して色が変わる。
上記課題の原因に基づき到達した本発明の第一ないし第二十三の手段は、次の(1)ないし(23)のとおりであって、請求項1ないし23に対応する。
(1) 上記発明の目的を達成するための第一の手段として、複数の画素を有してなる発光型表示装置であって、複数の画素は、反射層と、反射層上に形成される第一の電極と、第一の電極上に形成される発光薄膜層と、発光薄膜層上に形成される第二の電極と、第二の電極上に形成される円偏光反射層と、円偏光反射層上に形成される1/4波長板と、1/4波長板上に形成される偏光板と、を有し、かつ、第二の電極と偏光板との間に配置される位相補償層と、を有する。
ここで、発光薄膜層とは第一の電極と第二の電極との間に挟持され、正負の電荷が注入されることにより電気エネルギーを光エネルギーに変換して発光する層をいい、構成として、例えば、(1)ホール輸送層と、発光層と、電子輸送層とを順次積層する三層構造、(2)上記(1)において発光層と電子輸送層を一つの層で兼用する2層構造、(3)ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層とを順次積層する四層構造等があり、特定の層構成に限定されるわけではない。
また、本発明において、発光素子という場合は、第一の電極、第二の電極、及びこれら電極間に挟持される発光薄膜層とをあわせたものを指す。なお、上述した第一の電極、第二の電極は、ホール輸送層側に存在する電極を陽極と、他方の電極を陰極というが、発光薄膜層の構成に応じてどちらの電極として作用するか異なるため、本手段では第一の電極、第二の電極として表現している。
なお、発光素子はこれを通過する光の偏光状態が維持されるのであれば、無機発光ダイオード(無機LED)素子や無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の適用も可能ではある。この意味において、発光型表示装置は、OLED表示装置、無機LED表示装置、無機EL表示装置を含んだものとなる。
またここで、一般に円偏光反射層を実現する部材は、巨視的には面内方向では屈折率の差が実質的になく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体とみなすことができる。これは例えば円偏光反射層が複屈折性を有する層を積層した構造をしており微視的、すなわち各層を個別に見れば面内方向に屈折率の差があるものであっても、巨視的には実効的に面内方向には屈折率の差がないように機能することを意味する。また、屈折率の差が実質的にないということは屈折率の差が0.001以下、より望ましくは0.0001以下と小さいために実効的には面内方向に屈折率の差がないに等しい状態であることを示す。
この場合、円偏光反射層を斜めに進む光に不要な位相差が生じるが、この位相差を面内方向には実質的に屈折率の差がなく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する位相補償層により、補償することができるため、広い視野角範囲において外光の反射が抑制できる。なお、位相補償層に対しても屈折率の差が実質的にないということは屈折率の差が0.001以下、より望ましくは0.0001以下と小さいために実効的には面内方向に屈折率の差がないに等しい状態であることを示す。
(2) 第二の手段として、第一の手段に加え、円偏光反射層の主たる反射の波長領域は、前記画素から放射される光の波長領域の一部を含み、かつその波長幅が130nm以下であることとする。ここで、円偏光反射層は最大の反射率が得られ、広い波長領域を占める反射の波長領域の他に、反射率が小さく波長領域が狭い複数の反射の波長領域を有する場合がある。円偏光反射層の主たる反射の波長領域とは、最大の反射率が得られる波長を含む反射の波長領域のことを示す。
周囲環境から発光型表示装置に入射する外光のうち、円偏光反射層の反射の波長領域に相当する光は偏光板で吸収されず反射するが、上記第二の手段を備える発光型表示装置では円偏光反射層の反射の波長領域が波長幅として130nm以下と狭いため、外光の反射が小さく抑えられる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置が実現できる。
(3) 第三の手段として、第一の手段に加え、円偏光反射層の厚さをd、厚さ方向の屈折率をnz、厚さ方向と直交する面内の主屈折率をnx、nyとし、位相補償層の厚さをdc、厚さ方向の屈折率をncz、厚さ方向と直交する面内の主屈折率をncx、ncyとした場合、実質的にnx=ny、ncx=ncyであり、さらに、厚み方向と平行な軸と光の進行方向がなす角度を光の進行角度φとし、光の進行角度φにおける前記円偏光反射層の屈折率差をΔn(φ)、位相補償層の屈折率差をΔnc(φ)としたとき、
|Δnc(φ)・dc/cosφ|=|Δn(φ)・d/cosφ|
の条件を満たすこととする。この場合、視野角が大きくなっても円偏光反射層で生じる不要な位相差が位相補償層によって完全に補償されるため、広い視野角範囲において外光の反射を抑制することができる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が極めて高い発光型表示装置を実現できる。
(4) 第四の手段として、第一の手段に加え、円偏光反射層の厚さをd、厚さ方向の屈折率をnz、厚さ方向と直行する面内の主屈折率をnx、nyとし、位相補償層の厚さをdc、厚さ方向の屈折率をncz、厚さ方向と直行する面内の主屈折率をncx、ncyとした場合、実質的にnx=ny、ncx=ncyであり、かつ
|1.2・(nx−nz)・d|≧|(ncx−ncz)・dc|≧|(nx−nz)・d|
の条件を満たすこととする。この場合、視野角が大きくなっても円偏光反射層で生じる不要な位相差が位相補償層によって補償されるため、広い視野角範囲において外光の反射を抑制することができる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置を実現できる。
(5) 第五の手段として、上記第一の手段に加え、位相補償層は、円偏光反射層と1/4波長板との間に配置されていることとする。
(6) 第六の手段として、上記第一の手段に加え、位相補償層は、円偏光反射層と第二の電極との間に配置されていることとする。
(7) 第七の手段として、上記第一の手段に加え、円偏光反射層は、カイラルネマチック液晶層又はコレステリック液晶層であることとする。
(8) 第八の手段として、上記第一の手段に加え、反射層と第一の電極とが同一の材料にて兼用されていることとする。
(9) 第九の手段として、上記第一の手段に加え、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が波長510nm以下の青色に相当する波長領域にあることとする。
(10) 第十の手段として、上記第一の手段に加え、画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れかであり、前記赤色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることとする。
(11) 第十一の手段として、上記第一の手段に加え、複数の画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れであり、緑色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることを特徴とする。
(12) 第十二の手段として、上記第一の手段に加え、複数の画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れかであり、前記赤色の光を放射する画素及び前記緑色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることとする。
(13) 第十三の手段として、上記第一の手段に加え、画素の発光領域の周辺に、前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域の光の反射が小さい反射防止層を設ける。
(14) 第十四の手段として、上記第一の手段に加え、複数の画素に対応する円偏光反射層は画素毎に塗り分けられていることとする。
(15) 第十五の手段として、上記第一の手段に加え、円偏光反射層は、前記画素から放射される光の波長に対応するよう画素毎に塗り分けられていることとする。
(16) 第十六の手段として、上記第十四の手段に加え、画素に対応して塗り分けられた円偏光反射層の厚さと厚み方向の屈折率から厚み方向に直行する面内の屈折率を引いた値との積が互いに略等しいこととする。
(17) 第十七の手段として、上記第一の手段に加え、視野角0°において、円偏光反射層の主たる反射の波長領域の中心波長をλOとし、発光薄膜層から放射される光の発光ピーク波長をλEmaxとし、発光薄膜層から放射される光に対する干渉強度が極大値となる波長をλImaxとしたとき、λImaxとλOはともに薄膜発光層から放射される光の波長領域内に存在し、なおかつλImaxとλOが異なることとする。
(18) 第十八の手段として、上記第一の手段に加え、視野角0°において、円偏光反射層の主たる反射の波長領域の中心波長をλOとし、発光薄膜層から放射される光の発光ピーク波長をλEmaxとし、発光薄膜層から放射される光に対する干渉強度が極大値となる波長をλImaxとしたとき、
λO>λEmax>λImax
若しくは
λO<λEmax<λImax
の関係を満足することとする。
(19) 第十九の手段として、上記第一の手段に加え、各画素には、赤色を表示する画素に対応する位置に赤色透過のカラーフィルタを配置し、緑色を表示する画素に対応する位置に緑色透過のカラーフィルタを配置し、青色を表示する画素に対応する位置に青色透過のカラーフィルタを配置することとする。
(20) 第二十の手段として、上記第十九の手段に加え、円偏光反射層は反射の波長領域が可視波長領域をほぼカバーすることとする。
(21) 第二十一の手段として、第一の手段に加え、円偏光反射層は負の屈折率異方性を有し、位相補償層は正の屈折率異方性を有することを特徴とする。
(22) 第二十二の手段として、マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子を有する発光型表示装置であって、発光素子は、発光薄膜層と、この発光薄膜層の裏面に配置する光反射面,又は光反射面としても機能する反射電極を有し、この発光薄膜層の表面側には、入射する光を反射と透過により二種類の円偏光成分に分離する円偏光反射層と、1/4波長板と、偏光板と,をこの順に備え、発光薄膜層はこれを透過する光の偏光状態を略維持するものであり、光反射面は少なくとも垂直入射した円偏光の大部分が回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であり、円偏光反射層の主たる反射の波長領域は、複数の画素を構成する少なくとも一つの発光素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつその波長幅が130nm以下であり、さらに偏光板と発光素子との間に、面内方向には屈折率の差が実質的に無く、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する位相補償層を備えることとする。
(23) 第二十三の手段として、マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子を有する発光型表示装置であって、発光素子は、発光薄膜層と、この発光薄膜層の裏面に配置する光反射面、または光反射面としても機能する反射電極を有し、発光薄膜層の表面側には、1/4波長板と、入射する光を反射と透過により2種類の直線偏光成分に分離する直線偏光反射部材と、偏光板と、をこの順に備え、前記発光薄膜層はこれを透過する光の偏光状態を略維持するものであり、光反射面は少なくとも垂直入射した円偏光の大部分が回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であり、直線偏光反射部材の主たる反射の波長領域は、複数の画素を構成する少なくともひとつの発光素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつその波長幅が130nm以下であり、さらに偏光板と前記発光素子の間に、面内方向には屈折率の差が実質的になく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する位相補償層を備えることとする。
以上のとおり、本発明によれば、発光薄膜層から放射する光を効率良く表示に寄与させることで表示画像がより明るい、または、より低消費電力な発光型表示装置を実現すると同時に、外光の反射を抑制することで明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置が実現できる。また、広い視野角範囲において色の変化が少ない発光型表示装置を実現できる。
言い換えると、表示画像が明るい、もしくは消費電力が小さく、さらに広い視野角範囲において、コントラスト比が高く、色の変化が小さい発光型表示装置が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について実施例の説明に基づき、図面を参照して説明する。
図1は本発明による発光型表示装置の一実施例の構成を説明するための1画素付近の模式断面図である。また、図2は本発明による発光型表示装置の画素部の構造を示す一部透視平面図である。本実施例の発光型表示装置は、薄膜トランジスタからなるスイッチング素子および有機発光ダイオード素子を有するアクティブマトリクス駆動型のOLED表示装置である。
なお、ここではアクティブマトリクス駆動型について説明するが、本発明はアクティブマトリクス駆動型に限定されるものではない。
図3は発光型表示装置1の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図であり、図4はその表示部2に構成されたアクティブマトリクスの等価回路図である。
図3(a)に示すように,発光型表示装置1は、ガラスなどの透明な絶縁性の材料から構成される基板6のほぼ中央部に表示部2が設けられる。表示部2の上側には,データ線7に対して画像信号を出力するデータ駆動回路3、左側にはゲート線8に対して走査信号を出力する走査駆動回路4が設置されている。これらの駆動回路3、4はNチャネル型とPチャネル型の薄膜トランジスタによる相補型回路から構成されるシフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、アナログスイッチ回路などから構成される。なお、表示装置1は、図3(b)に示すように脚5で支持され、テレビ映像、コンピュータ画像などのモニター装置として利用でき、また、テレビチューナを内蔵させて、単独としてテレビ受像機としても利用できる。
発光型表示装置1は,アクティブマトリクス駆動型の液晶表示装置と同様、基板6上に複数のゲート線と、該ゲート線の延在方向に対して交差する方向に延在させた複数のデータ線が設けられており、図4に示すごとくm本のゲート線G1,G2,…,Gmとn本のデータ線D1,D2,…,Dnとの交差するところにマトリクス状に画素60が配置される。
各画素は有機発光ダイオード素子70と、蓄積容量40と、ゲート電極がゲート線に接続し、ソース・ドレイン電極の一方がデータ線に接続され、他方が蓄積容量40に接続されているNチャネル型のTFTからなるスイッチトランジスタ30と、ゲート電極が該蓄積容量40に接続し、ソース電極が上記データ線と同じ方向に延在する共通電位配線9に接続され、ドレイン電極が有機発光ダイオード素子70の一方の電極に接続されているPチャネル型のTFTからなるドライバトランジスタ10とから構成される。また、有機発光ダイオード素子70の他方の電極は,全画素共通の電流供給線に接続されて一定の電位Vaに保たれる。
次に図1及び図2を参照しながら発光型表示装置1の1画素付近の構造を説明する。図2は上記発光型表示装置1における画素の平面構造の一部を説明するための模式平面図であり、図1は図2上のA−A’線に沿った断面構造を示す1画素付近の模式断面図である。
この発光型表示装置はガラスなどの絶縁性の材料から成る表面が平坦な基板6の上に薄膜トランジスタからなるスイッチング素子を備える。画素の回路を構成するドライバトランジスタ10やスイッチトランジスタ30などのスイッチング素子はポリシリコン薄膜トランジスタから構成される。ポリシリコン薄膜トランジスタはソース・ドレイン領域17,13やチャネルポリシリコン層14などを含むポリシリコン層の上にゲート絶縁膜16、ゲート電極層15、第1の層間絶縁膜18、ソース・ドレイン電極層19、第2の層間絶縁膜20を有する。
また、ポリシリコン薄膜トランジスタと基板6との間には基板6からポリシリコン層14及びゲート絶縁膜16へのNaやKなどのイオンの混入をブロックするためにSiNx膜からなる第1の下地膜11を有し、さらに第1の下地膜11とポリシリコン層の間にはSiOx膜からなる第2の下地膜12を有する。
なお、本実施例では後述の理由から第1及び第2の下地膜11,12と、ゲート絶縁膜16と、第1及び第2の層間絶縁膜18,20は画素の発光領域61に相当する部分において選択的に取り除かれて開口部を形成している。そして、画素の発光領域61となる部分にはこれを覆うように島状に透明電極200が形成される。この際、透明電極200は第2の層間絶縁膜20を貫通する穴を通してドレイン電極と接続される。
スイッチングトランジスタ30、ドライバトランジスタ10、データ線7、ゲート線8、共通電位配線9などの非発光領域や、透明電極200上の非発光領域の上には画素の発光領域61に開口を有する第3の層間絶縁膜21が形成される。透明電極200には正孔輸送層や発光層などからなる有機薄膜が形成される。
なお、以下では有機発光ダイオード素子70を構成する陰極と陽極の間に形成される発光層を含む薄膜層を単に発光薄膜層100という。発光薄膜層100は透明電極200上に画素を覆うように形成されるが、発光領域61以外の領域では第3の層間絶縁膜21によって透明電極200とは隔離される。発光薄膜層100の上には表示部2の全面にわたり光反射面としても機能する反射電極300が形成される。
この発光型表示装置は有機発光ダイオード素子70から放射し、観察者10000に向かう光1000が、有機発光ダイオード素子70が形成された基板6側から取り出される、所謂ボトムエミッション型のOLED表示装置である。
有機発光ダイオード素子70を構成する透明電極200と光反射面としても機能する反射電極300は一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。ここでは透明電極200が陽極として機能し、反射電極が陰極300として機能する場合を説明する。
陽極として機能する透明電極200としては仕事関数の高い透明な電極材料を用いれば良く、例えばITO(Indium tin oxide)が好適である。また、InZnOを用いることもできる。陰極として機能し、光反射面としても機能する反射電極300には仕事関数の低いAl、Mg、Mg-Ag合金やAl-Li合金などを用いることができる。
反射電極300をAl単体とする場合は駆動電圧が高く、寿命が短くなることから発光薄膜層との界面に極薄いLi化合物(酸化リチウムLi2O,フッ化リチウムLiFなど)を挿入してAl−Li合金に匹敵する特性を得るようにしてもよい。また、陰極に接する部分の有機層をリチウムやストロンチウムなどの反応性の高い金属でドーピングして駆動電圧を低くするようにしてもよい。なお、反射電極300は光の反射率が高い材料で構成することが、発光薄膜層100から放射する光を効率よく表示装置の外部に取り出すために望ましい。さらに、反射電極300は後述する理由から少なくとも垂直入射した円偏光を回転方向が逆の円偏光として反射する鏡面状の光反射面であることが外光反射の低減、及び発光薄膜層100から放射する光を表示装置の外部、つまり、発光薄膜層100から放射する光を観察者10000側に取り出す効率(以下「光利用効率」ともいう。)の向上という面から望ましい。
なお、反射電極300は、電極としての機能のほかに発光薄膜層100の裏面に設けられる光反射面としても機能するものであって、反射層と電極層とを兼用するものである。また、兼用せずに、本発明は本実施例において、反射電極が設けられる位置に仕事関数が適切に制御された透明な導電材料からなる透明な電極を配置し、さらにその裏面に透明な電極とは別の光反射面として機能する光反射性の金属膜或いは誘電体多層膜を設ける構成を含むものである。
有機発光ダイオード素子70を構成する発光薄膜層100としては陽極と陰極の間に陰極側から順に電子輸送層、発光層、ホール輸送層を積層配置したものを用いることができる。或いは、陽極とホール輸送層の間にさらにホール注入層を設ける4層構造や、発光層と電子輸送層を一つの層で兼用する2層構造としてもよい。
発光薄膜層100は陽極と陰極から所定の電流を流したときに所望の色で発光する材料を用いる。本実施例ではフルカラー表示の発光型表示装置を実現するために、マトリクス状に配置する画素を構成する発光薄膜層として赤色、緑色、青色のいずれかの光を発するものを所定の順序で塗り分ける。つまり、発光薄膜層の発光色を画素毎に所定の配列で赤色、緑色、青色の3原色に対応したものに塗り分ける。
赤色発光の発光薄膜層の材料として、例えば、ホール輸送層は、α−NPD( N、N'−ジ(α−ナフチル)−N、N'-ジフェニル1、1'−ビフェニル−4、4'−ジアミン)や、トリフェニルジアミン誘導体TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン)、電子輸送性発光層(電子輸送層と発光層を兼用)は、Alq3(トリス(8−キノリノレート)アルミニウム)にDCM−1(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランを分散したものを用いることができる。
緑色発光の発光薄膜層の材料として、例えば、ホール輸送層は、α-NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、電子輸送性発光層(電子輸送層と発光層を兼用)は、Alq3や、Bebqや、キナクリドンでドーピングした Alq3を用いることができる。
青色発光の発光薄膜層の材料として、例えば、ホール輸送層は、α−NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、発光層は、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル)や、これとBCzVBi (4,4’−ビス(2−カルバゾールビニレン)ビフェニル)からなる材料、或いはジスチリルアリレーン誘導体をホストとし、ジスチリルアミン誘導体をゲストとしてドーピングしたもの、電子輸送層としては、Alq3を用いることができる。また、電子輸送性発光層(電子輸送層と発光層を兼用)としてZn(oxz)2(2-(o−ヒドロキシフェニル)−ベンズオキサゾールの亜鉛錯体)を用いることができる。
さらに、上記低分子系の材料の他にポリマー系の材料を用いることができる。ポリマー系の材料としてはPEDT/PSS(Polyethylene dioxythiopheneとPolystylene sulphonateの混合層)とPPV (poly(p-phenylene vinylen)の積層膜をホール輸送層、発光層として用いることができる。また、緑色の発光はPPVに緑インクを調合したもの、赤色の発光は緑インクに赤発光ドーパントとしてローダミン101を添加調合したもので実現でき、青色の発光層としてはF8(Poly(dioctylfluorene))を用いることができる。なお、F8は電子輸送層としても機能する。また、ポリマー系の材料としてはこの他にPVK(ポリビニルカルバゾール)のような色素含有ポリマーを用いることができる。
いずれにしても発光薄膜層100を構成する各層は数十nm程度と薄く、これを通過する光の偏光状態はほぼ維持されるものである。このような有機発光ダイオード素子70では透明電極200と反射電極300とに直流電圧を印加し、電流を流すと、透明電極200から注入されたホールがホール輸送層を経由して、また、反射電極300から注入された電子が電子輸送層を経由して、それぞれ発光層に到達し、電子-ホールの再結合が生じてここから所定の色に対応する波長の光が生じるものである。
なお、通常、発光薄膜層100は大気中の水分などにより劣化しやすい。このため外気と触れないように図1に示すように封止部材400を用いて密閉封止することが望ましい。封止部材400としてはステンレスなどの金属缶、セラミックス板、ガラス板や、ガスバリア処理を施した樹脂フィルム、薄いガラス板と樹脂フィルムを積層したものなどを用いることができる。この場合、封止部材400と基板6とは発光型表示装置の表示部の周囲に枠状に塗布した接着性のあるシール剤により密閉接着し、両者の間隙401には窒素ガスなどの不活性な気体を封入するとよい。また、必要に応じて吸湿剤を封止部材400と基板6の間の適切な位置に備えるとよい。あるいは、本実施例とは異なり、反射電極300上に直接、ガスバリア性の高い膜を積層することで封止部材を構成するようにしてもよい。
有機発光ダイオード素子70の光取り出し面側には円偏光反射層500、位相補償層800、1/4波長板700、偏光板600が積層配置される。偏光板600と1/4波長板700はいわゆる円偏光板を構成するものであり、少なくとも表示部2の全面を覆うように配置する。偏光板600はこれを通過する光のうち特定の1方向に偏光面を持つ直線偏光は透過し、これと偏光軸が直交する直線偏光は吸収するものである。また、1/4波長板700は偏光板600を通過した直線偏光の位相をπ/2ずらして、円偏光に変換する機能を有するものを用いる。
偏光板600はポリビニルアルコール系の高分子フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させて延伸することで偏光機能を付与した膜の片側または両側にトリアセチルセルロースフィルムなどの透明な保護層を接着したものを用いことができる。
1/4波長板700としては透明な高分子フィルムを適宜な方法で延伸することで形成される位相差フィルムを用いることができる。高分子フィルムとしては延伸により光学異方性を付与できるものを用いればよく、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート、ノルボルネン等を用いることができる。
なお、一般に位相差フィルムには屈折率の波長依存性があるため、太陽光や照明光などの外光や、白色光のように波長領域が広い光に対しては一枚の位相差フィルムで1/4波長の位相差を与えることが困難である。このため屈折率の波長依存性(波長分散)が異なる2種類の位相差フィルムをその遅相軸が直交するように積層する方法、或いは1/4波長の位相差値を有する位相差フィルムと、1/2波長の位相差値を有する位相差フィルムを少なくとも1層、それらの遅相軸が交差するように積層する方法により、広い波長範囲で1/4波長の位相差を与える1/4波長板を構成するようにするとよい。後者の方法の場合は、位相差フィルムの屈折率の波長依存性が小さいフィルム、例えば非晶質オレフィンポリマーからなるフィルムを用いるとより理想に近い1/4波長板が実現できる。
さらに広い視野角範囲に対して、1/4波長板として機能し、広い視野角範囲で高い反射防止効果が得られる円偏光板を実現するために2軸性位相差フィルムの積層体を用いるとよい。2軸性位相差フィルムを適用することで広い視野角範囲において高い反射防止効果が得られる円偏光板を実現する方法は上記特許文献3,4,5等に開示されており、これらの方法を用いることができる。
また、1/4波長板としては液晶性化合物からなる複屈折層や、この複屈折層と位相差フィルムとの積層体を用いてもよい。液晶性化合物としては棒状液晶化合物を用いこれをホモジニアス配向した状態で重合反応により固定することで複屈折層を形成する。この場合、液晶性化合物からなる複屈折層は数μmと薄くできるため、位相差フィルムの積層体よりも薄い1/4波長板が実現できる。
なお、1/4波長板700の遅相軸の向きは、偏光板600及び1/4波長板700を通過した光の円偏光の回転方向が、円偏光反射層500を構成するコレステリック液晶層が選択反射を示す円偏光とは逆回りの円偏光となるようにする。
円偏光反射層500は所定の波長領域の光を反射と透過により2種類の円偏光成分に分離する機能を有するものである。円偏光反射層500としてはコレステリック液晶やカイラルネマチック液晶などの螺旋構造を有する層(以下「コレステリック液晶層」という。)が好適である。
コレステリック液晶層は螺旋状の分子配列に基づく特異な光学特性を示すもので、螺旋軸に平行に入射した光は螺旋のピッチに対応する波長において、螺旋の回転方向に応じて一方の回転方向の円偏光成分は反射し、他方は透過するという選択反射と呼ばれる性質を示すものである。
コレステリック液晶層による選択反射の中心波長λoと、その主たる反射の波長領域Δλはそれぞれ式(1)、式(2)で表される。
λo=nm・p ……(1)
Δλ=Δn・p ……(2)
ここで、pはコレステリック液晶層の螺旋ピッチ、nmとΔnはそれぞれコレステリック液晶層を構成する液晶の平均屈折率と複屈折(屈折率差)であり、液晶分子の長軸に平行及び垂直な方向の屈折率をそれぞれne、noとするとnmとΔnはそれぞれ式(3)、式(4)で表される。
m=√((ne2+no2)/2)……(3)
Δn=ne−no ……(4)
コレステリック液晶層は最終的にコレステリック液晶の構造をなす各種化合物から構成することができる。また、コレステリック液晶層は取り扱いが容易となることからコレステリック液晶の構造を保持したまま非流動化もしくは硬化したものを用いるとよい。このようなコレステリック液晶層は液晶ポリマーの溶液を成膜後、乾燥したり、液晶モノマーを紫外線照射や熱により重合することによって実現できる。
また、他の実施例として後述するが、選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を面内で塗り分けるようにしてもよい。このようなコレステリック液晶層を実現する方法はいくつかあり、例えば選択反射の波長に温度依存性を有するコレステリック液晶を用い、温度で選択反射の波長を制御しながら所定の領域の構造を固定していく方法、あるいは紫外線照射により選択反射の波長が変わるコレステリック液晶を用い、紫外線照射により選択反射の波長を制御しながら所定の領域の構造を固定していく方法などがある。
なお、円偏光反射層500は少なくとも画素の発光領域61に選択的に配置すればその機能は果たすが、本実施例では青色に相当する波長に反射の波長領域を有する円偏光反射層500を表示部2の全面を覆うように配置する。この場合、各画素の発光領域と円偏光反射層の精密な位置合わせが必要ないので生産性が向上する。
次に、位相補償層800について説明する。位相補償層800は本発明の特徴となるもののひとつであり、広い視野角範囲で外光の反射を低減し、明るい環境下であってもコントラスト比が高い発光型表示装置を実現するために必要なものである。
従来の課題である円偏光板と円偏光反射層とを備えるOLED表示装置において、視野角の増加に伴い外光反射が増加する主な原因は、コレステリック液晶層からなる円偏光手段が厚み方向と直交する方向、すなわち面内方向には屈折率の差はほとんどないが、厚さ方向の屈折率と面内方向の屈折率が異なる屈折率楕円体として機能しているためである。
ここで、発光型表示装置の表示部に対する正面方向、つまり、視野角が0°となる方向をz軸とし、z軸と直交する表示部の平面内において互いに直交する軸をx軸及びy軸と定義する。また、コレステリック液晶層を構成する液晶分子の長軸に平行な方向と直交する方向の屈折率をそれぞれne、noとし、コレステリック液晶層の厚み方向、言い換えるとコレステリック液晶層の螺旋軸に平行な方向、つまりz軸方向の屈折率をnz、コレステリック液晶層の厚み方向と直交する平面内の主屈折率をnx、nyとすると、nxとnyはコレステリック液晶層の螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率nm(=((no2+ne2)/2)1/2)と等しくなり、nzはnoと等しくなる。つまり、nm=nx=ny、かつnz=noの関係が成り立つ。
一般にneはnoより大きいため、nz<nx=nyの関係がなりたつ。このためコレステリック液晶層は図5に例示する屈折率楕円体で示される面内方向には屈折率差がなく、厚み方向、すなわちz軸方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも小さい光学的に負の屈折率楕円体とみなすことができる。
この場合、視野角0°、つまり、コレステリック液晶層の厚み方向と平行な方向に進む光には位相差は生じないので、円偏光板は有効に機能して外光の反射は抑制される。しかし、視野角が大きくなり、光がコレステリック液晶層の螺旋軸に対して斜めに進行する場合は位相差が生じる。
コレステリック液晶層は、光の進行方向とコレステリック液晶層の螺旋軸とが成す角度、言い換えると光の進行方向とz軸が成す角度φ(以下、光の進行角度φ)に応じて、次式で示される屈折率差Δn(φ)を生じる。
Δn(φ)=nx−((nx2nz2/(nx2sin2φ+nz2cos2φ)))1/2
…(5)
このため、例えば広視野角化した円偏光板を適用したとしても、視野角の増加に伴い光の進行角度が大きくなると、表示装置に入射する外光の偏光状態はコレステリック液晶層で生じる不要な位相差のために変化するため、一部の光が偏光板で吸収されず、透過して外部に漏れることになる。つまり、視野角の増加に伴い外光の反射が大きくなる。
本発明における位相補償層800は、円偏光反射層500で発生するこのような位相差を実効的に小さくなるように補償する機能を有するものである。このため、位相補償層800は面内方向には屈折率差がほとんどなく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率とは異なる屈折率楕円体として機能する透明体により構成される。
円偏光反射層がコレステリック液晶層であれば、コレステリック液晶層は上記のとおり光学的に負の屈折率楕円体とみなせるので、位相補償層は面内方向には屈折率差がなく、厚さ方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きい光学的に正の屈折率楕円体として機能する透明体により構成すればよい。
つまり、位相補償層800は、図6に例示するように、厚み方向、つまりz軸方向の屈折率をncz、厚さ方向と直交する平面内の主屈折率をncx、ncy、としたとき、ncz>ncx=ncyの関係を満たす屈折率楕円体で示される透明体から構成する。
このような位相補償層では光の進行角度φに対して、次式で示される屈折率差Δnc(φ)を生じる。
Δnc(φ)=ncx−((ncx2ncz2/(ncx2sin2φ+ncz2cos2φ)))1/2 …(6)
したがって、コレステリック液晶層において発生する位相差を位相補償層により完全に補償する、つまり、コレステリック液晶層で発生する位相差と、位相補償層で発生する位相差を足して零とするには、コレステリック液晶層の厚さをd、位相補償層の厚さをdcとしたとき、位相補償層は次式(7)の条件を満たせばよい。
Δnc(φ)・dc/cosφ=−Δn(φ)・d/cosφ …(7)
但し、この条件を完全に満たす位相補償層を実現することは容易ではない。このため位相補償層の仕様を(ncx−ncz)・dcの値で定義し、この値をパラメータとして位相補償層で生じる位相差とコレステリック液晶層で生じる位相差の合計の位相差FDができるだけ小さくなる条件を見出すことが現実的である。なお、位相差FDは次式(8)で示される値である。
FD=Δnc(φ)・dc/cosφ+Δn(φ)・d/cosφ …(8)
この場合、位相補償層は以下の条件式(9)を満たせば位相補償層として一定の効果が得られる。
(ncx−ncz)・dc=−(nx−nz)・d …(9)
図7は式(9)の条件を満たす場合の位相補償層とコレステリック液晶層の位相差の一例を示すグラフである。図7の横軸は光の進行角度φ(°)、縦軸は位相差(nm)を示し、図中、「位相差」と示されているのが位相補償層とコレステリック液晶層の位相差の合計、つまり、位相差FD(=Δnc(φ)・dc/cosφ+Δn(φ)・d/cosφ)を示す。また、参考のためにコレステリック液晶層単体の位相差Δn(φ)・d/cosφと位相補償層単体の位相差Δnc(φ)・dc/cosφの絶対値を併記した。
図7に例示するとおり、位相差は十数nmに減少しており、式(9)で規定する条件で位相補償層が有効に機能することがわかる。ただし、外光反射を低減するには位相差はより小さくすることが望ましい。
図8は、|(ncx−ncz)・dc|の値を(nx−nz)・dの値に対して−20%から+30%まで変化させたときの位相差FDの計算結果の一例を示す図である。横軸が光の進行角度φ(°)、縦軸が位相差(nm)を示す。なお、外気と、位相補償層や円偏光手段などの光学部材の屈折率の差を考慮すると光の進行角度φは0°〜40°程度の範囲に限定されるため、この範囲内で位相差FDの大きさを検討すればよい。
図8に例示するとおり、|(ncx−ncz)・dc|の値は|(nx−nz)・d|より小さくなると位相差FDが大きくなる。これに対し、|(ncx−ncz)・dc|の値が|(nx−nz)・d|より大きくなると位相差FDは小さくなり、|(nx−nz)・d|の1.2倍(+20%)ぐらいまでは式(9)の条件よりも位相差FDが小さくなる。位相差FDはできるだけ小さいことが外光の反射が小さく、コントラスト比が高い表示装置を実現するうえで望ましいので位相補償層は以下の条件を満足することが望ましい。
|1.2・(nx−nz)・d|≧|(ncx−ncz)・dc|≧|(nx−nz)・d|…(10)
特に、|(ncx−ncz)・dc|の値が|(nx−nz)・d|の1.1倍(+10%)〜1.15倍(+15%)の範囲では位相差FDがより小さくなるため、以下の条件とすることがより望ましい。
|1.15・(nx−nz)・d|≧|(ncx−ncz)・dc|≧|1.1・(nx−nz)・d| …(11)
この場合、コレステリック液晶層を斜めに進む光に生じる位相差は位相補償層によってほとんど相殺され、補償されるため、広い視野角にわたりよりコントラスト比が高い発光型表示装置が実現できることになる。
なお、透明基材フィルム上にコレステリック液晶層を形成したものを用いる場合は、透明基材フィルムの位相差も補償する必要がある。このようなフィルムとしてはトリアセチルセルロースが用いられることが多いが、このフィルムは面内方向には屈折率差がなく、厚さ方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも小さい光学的に負の屈折率楕円体として機能するため、位相補償層はそれを考慮して|(ncx−ncz)・dc|の値を透明基材フィルムの分だけ大きくすればよい。
このように面内方向には屈折率差がなく、厚さ方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きい光学的に正の屈折率楕円体として機能する位相補償層はホメオトロピック配向させた液晶性化合物から構成することができる。液晶性化合物としては低分子、高分子ともに用いることができるが棒状液晶性化合物であることが望ましい。また、取り扱いを容易にするため位相補償層はホメオトロピック配向状態の液晶性化合物の層を非流動化または硬化することが望ましい。このような層はホメオトロピック配向させた反応性棒状ネマチック液晶と光重合開始剤の混合物を成膜し、熱処理や紫外線照射により架橋し非流動化させることで実現できる。
なお、位相補償層と円偏光反射層の屈折率には波長依存性があるのが一般的である。したがって、上記条件は可視波長範囲の全域でほぼ成り立つことが望ましいが、少なくとも比視感度が高い波長550nm近傍で上記条件を満たすことが外光反射の増加を抑制するために重要である。
位相補償層を配置する位置は偏光板と有機発光ダイオード素子との間であればどこであっても有効である。ただし、発光型表示装置を構成する他の部材との組み合わせにおいて、最も効果的な配置位置は存在する。このため、位相補償層は発光型表示装置の構成に合わせて、最適な位置に配置することが重要である。位相補償層の配置位置による効果の違いについては後述する。
なお、面内方向には屈折率差がなく、厚さ方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きい光学的に正の屈折率楕円体として機能する位相補償層は2軸性位相差フィルムにより広視野角化した1/4波長板や偏光板と共に用いることが外光反射をより小さくし、広い視野角にわたりコントラスト比が高い発光型表示装置を実現するために重要ある。この場合、位相補償層は光学設計及び製造が容易であることから1/4波長板や偏光板とは独立に配置するとよいだろう。
ただし、本発明は、位相補償層を1/4波長板や偏光板と独立に配置することに限定するものではない。位相補償層の機能、つまり、円偏光反射層で発生する位相差の補償機能を1/4波長板や偏光板を構成する部材に兼用させることでフィルムの層数や全体の厚さを減らすようにしてもよい。この場合も位相差フィルムとしては2軸性位相差フィルムを利用することになる。
また、特別に広視野角化されていない偏光板と、一軸性位相差フィルムからなる1/4波長板を用いる場合は、位相補償層の機能として円偏光反射層で生じる位相差の補償の他に、偏光板や1/4波長板を広視野角化する機能を付加するようにしてもよい。この場合、位相補償層の位相差|(ncx−ncz)・dc|は上記条件よりも大きくなるだろう。
ところで、円偏光反射層としては、コレステリック液晶層の他に、2つの1/4波長板と、これらの間に所定の波長領域の直線偏光成分は反射し、他の成分は透過する直線偏光反射部材を積層配置したものから構成することができる。この場合、偏光板と直線偏光反射部材の間に2つの1/4波長板を配置することになるが偏光板と直線偏光反射部材の直線偏光の透過軸を一致させることで偏光板と直線偏光反射部材の間の1/4波長板は省略することができる。
つまり、有機発光ダイオード素子70側から1/4波長板、直線偏光反射部材、偏光板の順に積層すればよい。直線偏光反射部材を用いる場合は光学部材が減ることによる薄型化、低コスト化を実現するためにこのような構成とすることが望ましい。
直線偏光反射部材としては、例えば国際出願の国際公開番号:WO95/27919に記載の、複屈折性高分子フィルムを複数層積層した複屈折反射型偏光フィルムを使用することができる。この場合も直線偏光反射部材を斜めに進む光に対して位相差が発生するので、この位相差を補償するために、偏光板と有機発光ダイオード素子との間のいずれかの場所に位相補償層を備えるとよい。
なお、現状実現可能な円偏光反射層は光学的に負の屈折率楕円体として機能するが、もし円偏光反射層が光学的に正の屈折率楕円体として機能する場合は、位相補償層として光学的に負、すなわちncz<ncx=ncyである位相補償層を配置すればよいことは自明だろう。
次に本実施例の発光型表示装置の各画素の駆動について図4を参照して説明する。画素の駆動は1行目のゲート線G1からターンオン電圧を順次供給し、1フレーム期間内にm行のゲート線に対して順次この電圧(走査信号)を供給する。走査信号によってスイッチトランジスタ30がオン状態になるとデータ線から画像信号がスイッチトランジスタ30を介して蓄積容量40に書き込まれる。つまり、この駆動スキームではあるゲート線にターンオン電圧が供給されている間はそのデータ線に接続されたスイッチトランジスタ30は全て導通状態となり、それに同期してn列のデータ線にデータ電圧が供給される。
データ電圧はゲート線にターンオン電圧が供給されている間に蓄積容量40に蓄えられ、ドライバトランジスタ10のゲート電極は,スイッチトランジスタ30がオフ状態になっても、蓄積容量40により画像信号に相当する電位に1フレーム期間はほぼ保持される。蓄積容量40の電圧値はドライバトランジスタ10のゲート電圧を規定し、これによりドライバトランジスタ10を流れる電流値が制御され有機発光ダイオード素子70の発光が制御される。発光の停止は,ドライバトランジスタ10をオフ状態とすることで実現する。
つまり、発光量を制御すべき画素に対応したゲート線にターンオン電圧が印加されるのに同期して、画像情報に対応した電圧を、データ線を介して印加することで画素の発光量を制御することができる。したがって、表示部2を構成する複数の画素の発光量を画像情報に応じて制御することで所望の画像を表示することができる。なお、有機発光ダイオード素子に電流が流れてから発光が始まるまでの応答時間は通常1μs以下であるため、動きの速い画像を遅れることなく表示することができる。
次に発光薄膜層100から放射する光及び周囲環境から発光領域61に入射する光(外光)について図9を参照して説明する。図9は本発明の発光型表示装置の発光領域における断面構造図であり、本発明に係る光の動作に直接影響しない透明基板などの部材を省略した模式図である。
ここでは、以下、位相補償層800を円偏光反射層500と1/4波長板700の間に配置し、円偏光反射層500としてコレステリック液晶層を用いる場合を説明する。このため、以下、円偏光反射層の符号500をコレステリック液晶層にも使用する。
発光薄膜層100から放射する光1001は直接、あるいは反射電極300で反射した後、透明電極200側に向かい、透明電極200を透過してコレステリック液晶層500に入射する。この際、発光薄膜層100から放射する光は一般には非偏光であるため、コレステリック液晶層500に入射する光のうちコレステリック液晶層500の選択反射の波長領域に相当する一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
コレステリック液晶層500を透過する光1002のうち、選択反射の波長領域に相当する光は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。また、コレステリック液晶層500を透過する光1002のうち、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当しない光は偏光板600で約半分が吸収され、残りが透過して観察者10000側へ取り出される。
一方、コレステリック液晶層500で反射する光1003は、偏光状態を略維持したまま発光薄膜層100等を透過し、反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かうが、反射電極300での反射の際、進行方向が変わり逆回りの円偏光(右回りの円偏光)となる。このため今度はコレステリック液晶層500を透過して、1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
したがって、発光薄膜層100から放射する光のうち、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当する光の大部分は偏光板600で吸収されることなく観察者10000側に取り出されるため、明るい表示画像が得られる。
つまり、発光薄膜層100から放射する光を観察者10000側に取り出す効率(以下「光利用効率」ともいう。)を高めるにはコレステリック液晶層の選択反射の波長領域、すなわち円偏光反射層の反射の波長領域を広くすることが望ましいことになる。
次に、明るい環境下で周囲から発光型表示装置の表示部に入射する光について説明する。周囲環境から発光型表示装置に入射する外光3000は一般に無偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の1方向に偏光面を持つ直線偏光成分は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光成分は透過する。偏光板600を透過する光は1/4波長板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)に変換される。1/4波長板700を通過した光はコレステリック液晶層500を透過して、反射電極300で反射する際、その進行方向が変わり回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。
反射電極300で反射した光はコレステリック液晶層500に入射するが、その選択反射の波長領域以外の光3001はそのままコレステリック液晶層500を透過し、選択反射の波長領域に相当する光は反射する。
コレステリック液晶層500を透過する光3001は1/4波長板700を通過する際、その作用を受けて偏光板600で吸収される直線偏光に変換されて偏光板600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、コレステリック液晶層500で反射する光3002は反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かうが、反射電極300での反射の際、回転方向が逆の円偏光となり、今度はコレステリック液晶層500を透過する。コレステリック液晶層500を透過する光3002は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
つまり、発光型表示装置の表示部に入射する外光3000のうち約半分はまず偏光板600で吸収される。偏光板600を透過した光は反射電極300で反射して、コレステリック液晶層500に入射するが、このうちコレステリック液晶層500を透過する光3001は偏光板600で吸収される。このため、観察者10000側に戻る光は、コレステリック液晶層500の選択反射の波長領域に相当するわずかな光3002のみとなる。
したがって、外光の反射を低減するにはコレステリック液晶層の選択反射の波長領域、すなわち、円偏光反射層の反射の波長領域をできるだけ狭くすることが望ましい。言い換えると円偏光反射層の反射の波長領域を狭くしなければ、円偏光反射層を斜めに進む光に生じる位相差を位相補償層で補償したとしても外光の反射を低減することができない。
つまり、背景技術において外光の反射が増加する要因は2つあった。1つは円偏光反射層を斜めに進む光に生じる位相差に起因するもの。もう1つは円偏光反射層の反射の波長領域に起因するものである。外光の反射を抑制するためには両者を同時に解消しなければならない。
このため、外光の反射を抑制するためには円偏光反射層の反射の波長領域はできるだけ狭くする必要があるが、光利用効率を高めるためには円偏光反射層の反射の波長領域は逆に広くすることが望ましい。
本発明では外光反射の抑制と光利用効率を両立する条件として、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が前記複数の画素を構成する少なくともひとつの発光素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつその波長幅を130nm以下とする。
これはカラー表示を実現する表示装置では最低3つの原色を用いるため、ひとつの画素から観察者側へ取り出される光は可視波長範囲である約380〜約780nmの1/3以下、すなわち約130nm以下の波長幅の光であることに基づく。つまり、ひとつの画素から放射される光のうち、所望の色を実現するために必要な波長領域の波長幅は広くても130nmあればよく、円偏光反射層による反射の波長領域はこの波長領域の全て、もしくは一部を含めば、偏光板による光の吸収損失を低減し、光利用効率を効果的に高めることができる。
一方、外光の反射に対しては円偏光反射層の反射の波長領域はその波長幅が130nm以下と狭くなるため、円偏光反射層の反射の波長領域に起因する外光の反射を小さくすることができる。
このような円偏光反射層を実現する方法のひとつとしては主たる反射の波長領域が異なる円偏光反射層を各画素の色に合わせて面内で塗り分ける方法がある。つまり、赤色の発光素子の光取り出し側には赤色に相当する波長に反射の波長領域を有する円偏光反射層を、緑色の発光素子の光取り出し側には緑色に相当する波長に反射の波長領域を有する円偏光反射層を、青色の発光素子の光取り出し側には青色に相当する波長に反射の波長領域を有する円偏光反射層を配置する。このような構造は特許文献8に記載がある。
或いは、上記円偏光反射層を実現する方法として赤色、緑色、青色のうちどれかひとつの色に相当する波長に反射の波長領域を有する円偏光反射層を表示部の全面を覆うように配置する、もしくは該当する色の画素に対応する位置に合わせて配置する方法がある。
本実施例では、円偏光反射層が青色に相当する波長領域に主たる反射の波長領域を有するコレステリック液晶層であり、このコレステリック液晶層を表示部の全面を覆うように配置する。
青色に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層としては青色の発光画素の有機発ダイオード素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつ選択反射の中心波長が400〜490nm、より好ましくは420〜480nmであり、主たる反射の波長領域が510nm以下であることが望ましい。これは後述する理由から、外光の反射を最小限に抑制することと、青色として有効な光を効率良く利用して、青色の明るさ、及び色純度を向上して表示装置の光利用効率を向上し、表色範囲を拡大するためである。なお、以下では青色に相当する波長領域とは510nm以下の可視波長の範囲のことを示すこととする。
図10はこのような青色光に相当する波長に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層の分光反射率(反射スペクトル)の一例を示すものであり、コレステリック液晶層に非偏光光を入射する場合の反射率の波長依存性のグラフである。本実施例では、図10に例示するとおり、主たる反射の波長領域を波長約490nm以下とする。
図11は円偏光反射層として図10に例示したコレステリック液晶層を用いる発光型表示装置の表示部における外光の反射率(反射スペクトル)を示すグラフである。また、図12は比較のため位相補償層がない場合の表示部における外光の反射率を示すグラフである。両図とも、視野角0°、15°、30°、45°において周囲環境から表示部に入射する光の反射率の波長依存性を示す。
図11,12に示すとおり、視野角0°、15°では位相補償層の有無に関わらず、円偏光反射層の反射の波長領域に相当する波長では反射率が高くなるが、それ以外の領域はほぼ表面反射だけに抑えられる。また、反射率が高い波長は比視感度が低い波長が短い光に限定されるため、視感反射率としては表面反射の4%を含めても5%未満に抑制される。
一方、図12に示すとおり、位相補償層がない場合は、視野角が30°、45°と大きくなると、円偏光反射層の反射の波長領域以外の波長領域においても反射率が大きくなってしまう。これは上記のとおり、円偏光反射層が厚さ方向と直交する方向、すなわち面内方向には屈折率の差はないが、厚さ方向の屈折率と面内方向の屈折率が異なる屈折率楕円体として機能しているため、視野角の増加に伴い位相差を生じるためである。
これに対して、図11に示すとおり、位相補償層を備える本発明の発光型表示装置では、視野角が増加すると反射率が高い波長領域が短波長側に移動するが、それ以外の波長領域の反射率は視野角30°ではほとんど変化せず、視野角45°でやや増加する程度であり、視野角の増加にともなう外光反射の増加が十分に抑制できる。
図13は位相補償層がある場合とない場合の表示部における視感反射率の視野角依存性を示すグラフである。位相補償層がない場合は視野角の増加に伴い反射率が大きく増加する。このため明るい環境下ではコントラスト比が低下してしまう。一方、位相補償層を備える本発明の発光型表示装置の場合は視野角が増加しても反射率の増加は小さいので、明るい環境下であっても広い視野角範囲でコントラスト比が高い画像表示が実現できる。
なお、外光の反射を抑制するためには明所視の比視感度が高い光、すなわち波長520〜600nmぐらいの光の反射をできるだけ小さくすることが、人に不要な反射が小さいと感じさせるために重要である。
本実施例では特に円偏光反射層の主たる反射の波長領域を波長510nm以下、より具体的には波長490nm以下の青色に相当する比視感度が低い波長領域に限定する。このため、明所視の比視感度が高い波長520〜600nmの光の反射が抑制されて視感反射率が小さくなるので、人に不要な反射が小さいと感じさせられるという効果がある。
また、円偏光反射層としてコレステリック液晶層を用いる場合、視野角が増加すると主たる反射の波長領域は短波長側へ移動するため、外光の反射が大きくなる波長領域は短波長側へ移動する。このため円偏光反射層の主たる反射の波長領域を波長510nm以下の青色に相当する波長領域とすることで、外光の反射が大きい波長領域は視野角の増加にともない比視感度が低い紫外領域に向かって移動するため人の目に視認し難くなる。
したがって、視野角が大きくなっても外光の反射は急激に増大せず、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い画像表示が実現できる。なお、偏光板600の表面に低屈折率の膜を塗布したり、屈折率が異なる複数の膜からなる反射防止膜を形成することで表示部の表面反射を抑制するようにしてもよいことは自明であろう。
次に発光薄膜層から放射する光について再び図9を参照して説明する。発光薄膜層100から放射する光1001は上述のとおり、直接、あるいは反射電極300で反射した後、透明電極200を透過して円偏光反射層500、すなわちコレステリック液晶層500に入射する。この際、発光薄膜層100から放射する光は一般には非偏光であるため、コレステリック液晶層500に入射する光のうちコレステリック液晶層の選択反射の波長領域に対応する一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
したがって、赤色の画素と緑色の画素を構成する発光薄膜層から放射する光は大部分がコレステリック液晶層500を透過し、偏光板600で約半分が吸収され、残りは透過して観察者10000側へ取り出される。
これに対し、青色の画素を構成する発光薄膜層から放射する光はその波長領域の多くがコレステリック液晶層500の主たる選択反射の波長領域と重なる。このため、青色の画素を構成する発光薄膜層100から放射する光のうち、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当し、コレステリック液晶層を透過する光1002は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
また、青色の画素を構成する発光薄膜層100から放射する光のうち、コレステリック液晶層500で反射する光1003は、偏光状態を略維持したまま発光薄膜層100等を透過し、反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かうが、反射電極300での反射の際、進行方向が変わり逆回りの円偏光となるため、今度はコレステリック液晶層500を透過する。コレステリック液晶層500を透過した光1003は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
このため発光薄膜層100から放射する光のうち、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当する青色の光の大部分は偏光板600で吸収されることなく観察者10000側に取り出されるため青色の画素が明るくなる。
つまり、円偏光反射層であるコレステリック液晶層の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた青色に相当する光の光利用効率が高くなるため同じ消費電力であれば、より明るい表示の発光型表示装置を実現できる。或いは、同じ明るさであれば有機発光ダイオード素子に流れる電流を小さくできるので、消費電力がより小さくでき、さらに発光素子の寿命が長い発光型表示装置が実現できる。
ここで、図10に例示したとおり、コレステリック液晶層の選択反射の波長分布は一般に急峻な分布をしている。また、選択反射の波長領域は上記のとおり、これを構成する液晶のΔnと螺旋ピッチpにより有機発光ダイオード素子から放射する光の波長領域よりも狭くすることが可能である。
また、一般に光の強度が最大となる波長(以下「発光ピーク波長」という。)が同じであっても、半値幅が狭く、波長に対する強度の分布がより急峻な場合には色純度(ここでは刺激純度)が高い、鮮やかな色になる。なお、ここでは波長に対する光の強度の分布において、強度の値が半分となる波長領域の波長幅のことを半値幅ということとする。
したがって、本実施例では青色の画素から外部に取り出される光は、青色の画素を構成する有機発光ダイオード素子から放射する光よりも、刺激純度が高く、より鮮やかな青色になる。
この際、赤色の画素と緑色の画素から外部に取り出される光にはほとんど影響を与えず、青色の画素から外部に取り出される光の刺激純度が高くなるため、コレステリック液晶層を備えない場合よりも表示色範囲が広がる。
なお、青色の画素の有機発光ダイオード素子から放射する正味の光が青色として十分な色度が得られない場合、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域及び選択反射の中心波長を有機発光ダイオード素子の波長領域や発光ピーク波長よりも短波長側に設定するとより色度が改善される。
次に、斜め方向から観察する場合、つまり、視野角が大きい場合について説明する。視野角が増加すると、コレステリック液晶層に入射する光の進行角度が大きくなり選択反射の波長領域は短波長側に移動する。このため、発光薄膜層から放射し、偏光板で吸収される前にコレステリック液晶層で反射して再利用される光の波長領域も短波長側に移動する。
図14は本実施例の表示装置から観察者側へ取り出される光の強度(以下「発光強度」という。)の増加を示すグラフである。つまり、従来の円偏光板を備えるOLED表示装置と本実施例のOLED表示装置の同じ電力における発光強度の比の波長依存性を示すグラフである。
図14において、視野角0°では円偏光反射層であるコレステリック液晶層の効果により、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域で発光強度が増加する。視野角が増加するとコレステリック液晶層の選択反射の波長領域が短波長側に移動するため、発光強度が増加する波長領域も短波長側に移動する。
このため、実際に表示装置から観察者側に取り出される光強度の波長依存性(以下「発光スペクトル」ともいう。)は視野角の増加により変化して、色が変わる。
本発明はこの視野角によるコレステリック液晶層の選択反射波長の移動に起因する色の変化という課題を干渉強度の視野角依存性を利用することで補償するものである。
一般にOLED表示装置では有機発光ダイオード素子を構成する各膜の厚さが光の波長オーダー程度、またはそれ以下と薄いため、発光薄膜層を構成する発光層から放射する光は干渉の影響を受ける。また、干渉により強度が強められる波長や弱められる波長は視野角が増加すると短波長側に移動する。
本発明では視野角0°において、発光薄膜層から放射する光に対する干渉強度が極大値となる波長をλImax、円偏光反射層の主たる反射の波長領域の中心波長をλO、発光薄膜層から放射する光の発光ピーク波長λEmaxとしたとき、λImaxとλOはともに発光薄膜層から放射する光の波長領域内に存在し、なおかつλImax≠λOとする。より望ましくはλO>λEmax>λImax、もしくはλO<λEmax<λImax、を満足するようにする。
つまり、円偏光反射層の主たる反射の中心波長と、干渉強度が極大値となる波長とをずらし、円偏光反射層と干渉効果による発光強度の増加効果が得られる波長領域をより広いものとする。
発光強度の増加効果が得られる波長領域は視野角が増加すると短波長側に移動するが、発光強度の増加効果が得られる波長領域が広ければ、より広い視野角範囲において発光強度の増加効果が得られるようになる。このため表示装置から観察者側に取り出される光の強度の波長依存性、つまり発光スペクトルの視野角による変化は小さくなり、色の変化も小さくなる。
図15は上記条件を満たす本実施例の円偏光反射層(コレステリック液晶層)の反射率と干渉強度の波長依存性の一例を示すグラフであって、グラフ中の矢印は丸で囲まれたグラフの縦の目盛が左右どちらであるかを示し、右矢印は干渉強度の目盛を左矢印は反射率の目盛を指す。図15には参考のため青色の画素を構成する発光薄膜層から放射する光の発光ピーク波長を併記した。ここでは青色の画素を構成する発光薄膜層から放射する光の発光ピーク波長λEmaxが460nmであるのに対し、円偏光反射層として機能するコレステリック液晶層の選択反射の中心波長λOは約450nm、干渉強度が極大値となる波長λImaxは480nmとした。
図16は上記条件におけるコレステリック液晶層の反射率と干渉強度の波長依存性の視野角による変化を示すグラフである。コレステリック液晶層の選択反射の波長領域及び干渉強度が極大値となる波長はともに視野角の増加にともない短波長側へ移動する。
この際、コレステリック液晶層の選択反射の中心波長と、干渉強度が極大値となる波長がずれているため発光薄膜層から放射する光の発光ピーク波長は視野角が変化してもコレステリック液晶層の選択反射の波長領域もしくは干渉強度が高い波長領域に含まれる。このため、広い視野角範囲において発光強度の増加効果が得られ、表示装置から観察者側に取り出される光の強度の波長依存性、つまり発光スペクトルの視野角による変化が小さくなり、色の変化も小さくなる。
本実施例では視野角が0から60°まで変化する場合、青色の画素から観察者側へ取り出される光の色の変化が、発光薄膜層から放射する光の発光ピーク波長と干渉強度の極大値とを一致させる場合に対して色度差Δxyの値で約30%小さくなる。
なお、本実施例では図1に例示するとおり、第1及び第2の下地膜11,12と、ゲート絶縁膜16と、第1及び第2の絶縁膜18,20は、画素の発光領域61に相当する部分において選択的に取り除かれ開口部を形成している。つまり、有機発光ダイオード素子70と基板6との間の膜を除去している。
一方、図17は有機発光ダイオード素子70と基板6との間に、第1及び第2の下地膜11,12と、ゲート絶縁膜16と、第1及び第2の絶縁膜18,20が存在すると想定する場合の視野角0°における発光薄膜層100から放射する光に対する干渉強度の波長依存性の一例を示すグラフであって、有機発光ダイオード素子70と基板6との間に屈折率の異なる膜が存在することで、可視波長領域において干渉強度の極大値や極小値となる波長の数が増える。
このような場合、干渉効果の視角依存性による色の変化が大きくなるため、上記のように円偏光反射層の主たる反射の中心波長と、干渉強度が極大値となる波長とをずらしても色の変化を十分に小さくできない場合がある。
したがって本実施例のとおり、少なくとも発光領域61では発光素子の発光動作に不要で発光薄膜層から放射する光の干渉に影響を与えるような膜は極力除去するか、屈折率の差が小さい膜を選択するなどして干渉効果の視角依存性による色の変化が小さくなる構成とすることが重要である。
なお、干渉効果の視角依存性が小さくなる構成とするために、発光領域の下地膜などを除去すると、そこに基板からのNaやKといったイオンの混入経路ができてしまう場合がある。したがって、少なくともスイッチ素子が形成される領域では基板からのイオンをブロックするためのイオンブロック膜を形成し、さらに、スイッチ素子は全方位に渡ってイオンブロック性の膜で囲まれることが望ましい。これは基板からのNaやKといったイオンが混入することで低温ポリシリコンTFTの閾値が変動してしまうといった問題を防ぐための処置であり、発光領域の下地膜を除去することで形成される新たなイオンの進入経路に対し、イオンが混入することを防ぐためである。
イオンブロック膜としては緻密な膜が適しており、例えばSiNxが好適である。図1に例示するとおり、本実施例ではSiNxからなる第1の下地膜11と第2の層間絶縁膜20によりスイッチ素子(図中ではドライバトランジスタ10)を全方位に渡って囲みイオンの混入を防ぐ構造とすることで、イオンの混入によるTFTの閾値電圧の変動を防ぐことができる。
なお、本実施例では発光領域に相当する領域において下地膜や層間絶縁膜を除去することで、特に大型の表示装置の場合に懸念される膜応力による基板の反りや、マイクロクラックの発生を防止することができる。
次に、発光薄膜層100から放射する光に対する位相補償層800の影響について説明する。
図18は従来の円偏光板を備えるOLED表示装置と本実施例から位相補償層800を取り除いたOLED表示装置の同じ電力における発光強度の比の波長依存性を示すグラフである。視野角0°では円偏光反射層であるコレステリック液晶層の効果により、位相補償層の有無に関わらず本実施例と同様にコレステリック液晶層の選択反射の波長領域で発光強度が増加する。また、視野角が増加するとコレステリック液晶層の選択反射の波長領域が短波長側に移動するため、発光強度が増加する波長領域も短波長側に移動する。ただし、位相補償層がないため、視野角が大きくなるにしたがい発光強度の増加の効果が小さくなり、視野角45°では発光強度の増加効果は極めて小さくなる。
これに対し、本発明の実施例では図14に例示したとおり、視野角が大きくなるにしたがい、発光強度が増加する波長領域は短波長側に移動するが、発光強度の増加効果は視野角が大きくなってもあまり低下しない。これは、発光薄膜層から放射し、偏光板で吸収される前に円偏光反射層(コレステリック液晶層)で反射して再利用される光に対しても位相補償層による補償が有効だからである。
つまり、発光薄膜層から放射し、円偏光反射層(コレステリック液晶層)で反射する光は反射電極で反射した後、コレステリック液晶層を通過するが、この際、コレステリック液晶層を斜めに通過する光には位相差が生じる。
本実施例のように位相補償層がコレステリック液晶層と偏光板の間に有る場合は、コレステリック液晶層で生じるこの位相差は位相補償層を通過する際に補償(相殺)されるため、コレステリック液晶層を通過する光の大部分は偏光板で吸収されずに外部に取り出される。一方、位相補償層が無い場合は、コレステリック液晶層を通過する光の一部は、コレステリック液晶層で生じる位相差のために偏光状態が変化して偏光板で吸収される。このため、視野角が大きくなると発光薄膜層から放射し、コレステリック液晶層で反射して再利用される光が減り、発光強度の増加効果が小さくなる。
このようにコレステリック液晶層と偏光板の間に位相補償層がある場合は、視野角が大きくなっても発光強度の増加効果は急激に減ることなく、発光強度の増加効果は短波長側に移動する。このため、条件によっては視野角の変化により色が変わることになる。この視野角による色の変化の影響を避けるためには位相補償層の配置位置をコレステリック液晶層と発光ダイオード素子の間に変えるとよい。
或いは本実施例のようにコレステリック液晶層の選択反射の波長領域を青色に相当する波長領域のみとすることでこの影響を回避するようにしてもよい。つまり、本実施例では視野角が大きくなるにつれて、発光強度の増加効果が短波長側に移動すると比視感度がより低い紫外波長領域方向への移動となるため、人の目には感知し難くなる。さらに、青色以外の緑色や赤色には何ら影響をおよぼすことがない。また、他の色とのバランスを考慮する必要はあるが、この変化は青色としては寧ろ色純度が高くなる方向への変化であり必ずしも悪い影響ではなくなる。
なお、反射電極300と円偏光反射層500との距離が大きくなると表示装置を斜めから観察した際に、発光薄膜層から放射して円偏光反射層(コレステリック液晶層)で一度反射してから外部に取り出される光と、円偏光反射層で一度も反射されずに外部に取り出される光との視差が大きくなる。この視差を小さくするという観点からは、反射電極300と円偏光反射層500との距離はできるだけ小さくすることが望ましく、その場合には位相補償層は円偏光反射層と偏光板との間に備えることが望ましくなる。
ところで、本実施例のようなボトムエミッション構造のOLED表示装置の場合、各画素の発光領域61は蓄積容量40やTFTなどのスイッチング素子や配線などと領域を分け合うことになる。このため青色の画素の発光領域61以外の領域を円偏光反射層500の主たる反射の波長領域の光の反射がない、あるいは反射が小さくなるような構造にすることで外光の反射が大幅に低減できる。
具体的には発光領域以外となる部分には図示しない反射防止膜からなる反射防止手段を形成するとよい。この反射防止膜は、円偏光反射層が反射する波長領域に相当する光の反射がない、あるいは反射が小さくなる膜であればよく、材料自体、あるいは材料に含まれる染料や顔料が光を吸収するものであってもよいし、或いは屈折率の異なる透明、もしくは半透明な膜による光の干渉効果によって円偏光反射層が反射する波長領域に相当する光の反射がない、あるいは小さい反射を実現する膜であってもよい。
あるいは新たな膜は追加せず、画素において比較的大きな領域を占める蓄積容量40や配線を反射防止手段として機能させてもよい。例えば、蓄積容量40を基板6側からポリシリコン(poly‐Si)、酸化シリコン(SiO2)、チタン‐タングステン(Ti‐W)をこの順に積層する構造で実現すると青色に相当する波長の反射率を小さくできる。
また、青色以外の赤色や緑色の光を放射する画素の発光領域において、発光薄膜層の膜構成や膜厚などを制御して干渉の効果により青色に相当する波長の反射率が小さくなるようにしてもよい。
このようにすることによって、明るい環境下において周囲環境から表示装置に入射する外光のうち、青色の画素の発光領域以外であって、反射防止手段としても機能する蓄積容量などの領域に入射する光は、円偏光反射層500の反射の波長領域に対応した青色に相当する波長の光の反射が小さくなる。このため、円偏光反射層の反射の波長領域に起因する外光の反射は小さくなり、明るい環境下でよりコントラス比の高い表示装置が実現できる。
なお、本実施例のように円偏光反射層の反射の波長領域を青色に相当する波長領域とする場合には、表示装置を構成する部材は一般に波長の短い光ほど吸収しやすいので、反射防止手段を比較的容易に実現することができ、外光の反射を低減しやすい。
次に、本発明の他の実施例について図19を参照して説明する。本実施例は位相補償層800の位置を変えたこと以外は基本的な構成は上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。本実施例は上記実施例において位相補償層800の位置を円偏光反射層500と1/4波長板700との間から、円偏光反射層500と基板6との間に変更したものであり、広い視野角範囲において色の変化をより小さくするという観点及び外光の反射をより小さくするという観点から望ましい構成である。
次に発光薄膜層100から放射する光及び発光領域61に入射する外光について図20を参照して説明する。図20は本実施例の発光領域における断面構造図であり、光の動作に直接影響しない基板などの部材を省略した模式図である。ここでは、円偏光反射層としてコレステリック液晶層を用いる場合を説明するので以下、円偏光反射層の符号500をコレステリック液晶層にも使用する。
発光薄膜層100から放射する光1001は直接、あるいは反射電極300で反射した後、透明電極200側に向かい、透明電極200及び位相補償層800を透過してコレステリック液晶層500に入射する。この際、発光薄膜層100から放射する光は一般には非偏光であるため、コレステリック液晶層500に入射する光のうちコレステリック液晶層の選択反射の波長領域に対応する一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
コレステリック液晶層500を透過する光1002のうち、選択反射の波長領域に相当する光は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。また、コレステリック液晶層500を透過する光1002のうち、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当しない光は偏光板600で約半分が吸収され、残りは透過して観察者10000側へ取り出される。
一方、コレステリック液晶層500で反射する光1003は、反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かう際、位相補償層800を2回通過する。
視野角0°及びその近傍の視野角範囲では位相補償層800を通過する光には位相差が生じない、もしくは小さな位相差しか生じない。このため反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かう光は反射電極300での反射の際、その進行方向が変わり逆回りの円偏光(右回りの円偏光)となるため、今度はコレステリック液晶層500を透過する。コレステリック液晶層500を透過する光は、1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取りされる。
これに対し、視野角が大きい場合にはコレステリック液晶層500で反射した光が反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層に入射するまでに位相補償層800を2回、斜め方向に通過するため位相差を生じる。この位相差のためコレステリック液晶層500に再入射する光は偏光状態が変わり、一部は透過するが、一部は再びコレステリック液晶層500で反射され、反射電極300での反射の際に減衰していく。
コレステリック液晶層500を透過する光は、コレステリック液晶層500を斜めに通過する際に位相差が生じる。この位相差のためにコレステリック液晶層500を透過する光は偏光状態が変わり一部が偏光板で吸収されることになる。
このため、視野角が大きくなると円偏光反射層500の反射の波長領域に起因する発光強度の増加効果が減るが、発光強度の増加効果が得られる波長領域が短波長側へ移動することによる色の変化は小さくなる。
次に、明るい環境下で周囲から発光型表示装置の表示部に入射する外光について説明する。周囲環境から発光型表示装置に入射する外光3000は一般に無偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の1方向に偏光面を持つ直線偏光は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光は透過する。偏光板600を透過する光は1/4波長板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)に変換される。1/4波長板700を通過した光は円偏光反射層500を透過して、反射電極300で反射する際、その進行方向が変わり回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。反射電極300で反射した光はコレステリック液晶層500に入射するが、その選択反射の波長領域以外の波長の光3001はそのままコレステリック液晶層500を透過し、選択反射の波長領域に相当する波長の光は反射する。
コレステリック液晶層500を透過する光3001は1/4波長板700の作用を受けて偏光板600で吸収される直線偏光となり、偏光板600で吸収されるため観察者10000側には取り出されない。なお、コレステリック液晶層500を透過する光3001については視野角が大きい場合であっても、コレステリック液晶層500を透過する際に生じる位相差が位相補償層800により補償されるため、大部分が偏光板で吸収されるため観察者10000側には取り出されない。
一方、コレステリック液晶層500で反射する光3002は反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かう際、位相補償層800を2回通過する。
視野角0°及びその近傍の視野角範囲では位相補償層800を通過する光には位相差が生じない、もしくは小さな位相差しか生じない。このため反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500に向かう光は反射電極300での反射の際、回転方向が逆の円偏光となり今度はその大部分がコレステリック液晶層500を透過する。コレステリック液晶層500を透過する光3002は1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して外部に取り出される。
これに対し、視野角が大きい場合にはコレステリック液晶層500で反射した光が反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層に入射するまでに位相補償層800を2回、斜めに通過する際に位相差を生じる。この位相差のためコレステリック液晶層500に再入射する光は偏光状態が変わり、一部は透過するが、一部は再びコレステリック液晶層500で反射され、反射電極300での反射で減衰していく。
コレステリック液晶層500を透過する光は、コレステリック液晶層500を斜めに通過する際に位相差が生じる。この位相差のためにコレステリック液晶層500を透過する光は偏光状態が変わり一部が偏光板600で吸収される。
このため、本実施例では視野角が大きくなるとコレステリック液晶層の選択反射の波長領域の光であっても外光の反射が小さくなるという効果が得られる。
つまり、本実施例では位相補償層800をコレステリック液晶層500と有機発光ダイオード素子70との間に配置することで、広い視野角範囲において、コレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射と、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域を起因とする外光反射を抑制できる。このため、広い視野角範囲において明るい環境下であってもコントラスト比が高い発光型表示装置を実現できるという効果がある。
次に本発明の他の実施例を図21及び図22を参照して説明するが、上記実施例と同じ部分には同じ符号をつけて詳細な説明は省略する。図21は本発明の発光型表示装置の断面構造を示す1画素付近の模式断面図である。また、図22も本発明の発光型表示装置の一部断面を示す模式断面図であり、発光薄膜層が赤色の光を放射する発光薄膜層100R、緑色の光を放射する発光薄膜層100G、青色の光を放射する発光薄膜層100Bに塗り分けられている状態を示す。
本実施例は有機発光ダイオード素子70が形成される基板6とは反対方向から光を取り出す、所謂トップエミッション型のOLED表示装置である。このため有機発光ダイオード素子70を構成する反射電極300がドライバトランジスタ10と接続される。また、反射電極300を陰極として機能させる場合にはドライバトランジスタ10としてNチャネル型のTFTを用いる。
この場合、発光薄膜層100(および100R,100G,100B)から放射する光はスイッチ素子を形成するゲート絶縁膜16や、第1及び第2の層間絶縁膜18,20や、第1および第2の下地膜11,12には直接入射しない。このためこれらの膜は発光薄膜層から放射する光に対する干渉には影響を与えないので、上記実施例のようにこれらの膜を発光領域において除去する必要はない。
発光領域61の周囲部には反射電極300の周囲を覆うように第3の絶縁膜21が形成される。この第3の絶縁膜21は円偏光反射層500の主たる反射の波長領域に相当する光の反射がない、あるいは反射が小さい材料を選択することが望ましい。つまり、第3の絶縁膜21は少なくとも円偏光反射層500の主たる反射の波長領域に相当する光に対して反射防止手段として機能するものとすることが望ましい。
例えば、露光光として紫外線などの波長の短い光を用いてフォトリソグラフィ法によりパターンを形成できる感光性樹脂材料は、一般に青色に相当する波長の短い光を吸収するので、これらの材料を第3の絶縁膜21の材料として用いることができる。また、感光性樹脂材料に光吸収性の顔料や染料を分散したものを第3の絶縁膜21の材料として用いてもよい。第3の絶縁膜21はフォトリソグラフィ法或いは印刷法により形成すればよい。
反射電極300の上には赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する発光層を含む発光薄膜層100(図22では100R,100G,100B)が所定の配置で塗り分けられる。発光薄膜層は前記の構成及び材料から選択することができる。発光薄膜層100R,100G,100Bの塗りわけは低分子系の場合は公知のシャドウマスクによる真空蒸着有機膜のパターニング成膜技術(例えばS.Miyaguchi,et al.:"Organic LED Fullcolor Passive-matrix Display",Journal of the SID,7,3,pp221-226(1999)に記載)を用いることができる。この工程の際、第3の絶縁膜21はシャドウマスクの突き当て部材として使用することができる。
また、発光薄膜層をポリマー系の材料で構成する場合は公知のインクジェットパターニング技術(例えば、T.Shimoda,et al.:"Multicolor Pixel Patterning of Light-Emitting Polymers by Ink-Jet Printing",SID 99 DIGEST,376(1999)に記載)を用いることができる。この工程の際、第3の絶縁膜21は画素領域を分離する土手として機能させることができる。
発光薄膜層100の上には透明電極200が全面的に形成され、図示しない電流供給線と接続される。透明電極200の上には必要に応じて透明な絶縁材料からなるの保護膜80を形成するとよい。保護膜80は透明電極200を保護すると同時にこの上に配置する部材の積層を容易にするためのものである。
また、保護膜80は発光薄膜層100から放射される光の波長において、屈折率が透明電極200よりも低く、空気よりも高いことが望ましい。一般に透明電極の屈折率は約1.9〜2.3程度と高い。このため透明電極200の直上部に気体があると屈折率差が大きくなり透明電極と気体の界面での反射が大きくなる。この場合、干渉強度の波長依存性は大きくなり干渉強度の視野角依存性により、視野角に対する色の変化が大きくなってしまう。
したがって、透明電極200の上には屈折率が気体と透明電極の間の屈折率、具体的には1.4〜1.7ぐらいの透明な保護膜80を設けて、界面の反射を小さくし、干渉強度の波長依存性を小さくすることが、視野角に対する色の変化を小さくするために望ましい。
保護膜80としては、酸化シリコンなどの可視光に対して透明な無機材料を用いるとよい。あるいは、透明なアクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド系樹脂等の有機材料を用いればよい。これらの有機材料はスピンコート法などで成膜することでその表面が比較的容易に平坦化できる。
保護膜80の上方には光学的に等方で可視光に対して透明なガスバリア性を有する透明封止板90が配置される。透明封止板90には一方の面に円偏光反射層500と位相補償層800が配置され、他方の面に1/4波長板700と偏光板600が配置される。透明封止板90は円偏光反射層500が形成された面が基板6の発光薄膜層形成面と対向するように配置する。
透明封止板90としてはガラス板や、ガスバリア処理を施した高分子フィルム、薄いガラス板と樹脂フィルムを積層したものなどを用いることができる。高分子フィルムとしてはキャスティング法により成膜したポリカーボネートフィルムや、トリアセチルセルロースフィルム等のポリマーフィルム、或いは射出成形により形成した脂環式アクリル樹脂等の光学的に等方なプラスチックシートやプラスチックフィルムなどを用いることができる。なお、高分子フィルムや樹脂板を用いる場合は、ガスバリア層を形成するなどのガスバリア処理を施すか、厚さ数十μm程度のガラスを貼り合わせてガスバリア性を持たせることが必要である。
円偏光反射層500は上記実施例と同様、青色に相当する波長領域に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層を用いることができる。透明封止板90にコレステリック液晶層からなる円偏光反射層500を形成する方法としては、例えば透明封止板90の上にポリイミドなどの配向膜を成膜して配向処理した上にコレステリック液晶と光重合開始剤の混合物を成膜し、さらにコレステリック液晶の選択反射の波長領域をその温度依存性を利用して所望の状態としたのちに、紫外線照射により架橋して非流動化することで実現できる。
本発明はこの方法に限定されるものではなく、所望の選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層を形成できるのであればどんな方法でもよい。例えば、予めトリアセチルセルロースフィルムなどの透明基材フィルムに所望の選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層を形成したものを、透明な接着剤を介して透明封止板90に貼り付けるようにしてもよい。
本発明に係る光学部材は透明電極200側から円偏光反射層500、1/4波長板700、偏光板600の順に並び、位相補償層800は偏光板600と透明電極200との間のいずれかの位置に配置すればよい。位相補償層800は上記説明のとおり、その配置位置により、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に相当する光の振る舞いが変わる。
本実施例では位相補償層800を円偏光反射層500であるコレステリック液晶層と透明電極200との間に配置する場合を説明する。
透明封止板90の円偏光反射層500が形成された面とは逆の面には1/4波長板700及び偏光板600が配置される。1/4波長板700及び偏光板600は上記実施例と同様であり、それぞれアクリル系の透明接着剤により接着される。
透明封止板90と基板6は表示装置の表示部の周囲に位置する部分に枠状に塗布したビーズやロッドなどのスペーサー材料を混入した接着性のあるシール剤により密閉封止する。この際、位相補償層800と円偏光反射層500は透明封止板90の周縁部は避けて表示部に相当する領域、あるいは位置合わせのマージンを大きくとるために表示部よりもやや大きめの領域のみに形成して、透明封止板90が直接シール剤に接するようにすることが重要である。これはシール剤と透明封止板との間に位相補償層や円偏光反射層があるとそこから外気が進入し、有機発光ダイオード素子の寿命が短くなることを防ぐためである。
なお、透明封止板90と基板6との間隙、つまり、位相補償層800と保護膜80との間隙81には窒素ガスなどの不活性な気体を封入するとよい。あるいは、透明粘着材などの透明体により間隙81に気体が入らないように全面を密着してもよいが、このときには間隙81は各界面での屈折率差が小さくなるように屈折率1.4〜1.7程度の透明体で満たすとよい。このように透明封止板90と基板6との間隙81を透明体で満たす場合は保護膜80を省略してもよく、透明電極200と間隙81との界面や、間隙81と位相補償層800との界面での反射は間隙81が気体で満たされる場合より小さくなり、これら界面での反射による干渉強度への影響は小さくなる
また、透明封止板90を用いる代わりに、透明電極200の上にガスバリア性のある無機の透明材料を成膜する、あるいは無機の透明材料と有機の透明材料を交互に繰り返し成膜してガスバリア性を持たせることで封止するようにしてもよい。
この場合は本発明に係る光学部材が透明電極200側から円偏光反射層500、1/4波長板700、偏光板600の順に並び、位相補償層800が偏光板600と透明電極200との間のいずれかの位置に配置されるのであれば、ガスバリア性を持たせるための無機の透明材料や有機の透明材料との位置関係は限定されない。
ただし、この場合はガスバリア性を持たせるための無機の透明材料や有機の透明材料は光学的に等方であることが必要である。あるいは、位相補償層800、円偏光反射層500、1/4波長板700及び偏光板600の全て、あるいはいずれかに十分なガスバリア性能が得られるような処理を施すのであれば、透明封止板90をなくしてもよい。
本実施例においても上記実施例と同様の効果が得られる。つまり、位相補償層800をコレステリック液晶層500と透明電極200との間に配置することで、広い視野角範囲において、コレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射と、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域を起因とする外光反射が抑制できる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置を実現できるなどの効果が得られる。
また、本実施例では上記のとおり、各画素の発光領域の周囲に設ける第3の絶縁膜21を円偏光反射層500の主たる反射の波長領域の光の反射率が小さくなるようにする。この場合、明るい環境下で周囲環境から表示部に入射する外光のうち、第3の絶縁膜21に入射する光はほとんど観察者側へは取り出されない。これは、第3の絶縁膜21に入射する外光のうち、円偏光反射層500の反射の波長領域に対応する波長の光の反射は小さくなり、円偏光反射層500の反射の波長領域以外の光は反射しても偏光板600に吸収されるためである。したがって、明るい環境下でのコントラス比がより高い表示画像が得られる発光型表示装置を実現することができる。
さらに、第3の絶縁膜21は発光薄膜層100から放射して円偏光反射層で反射する光が、別の画素へ漏れることを防ぐため、混色やぼやけを防止する効果がある。特に第3の絶縁膜21として黒色の顔料を含む材料を用いる場合には、各画素が第3の絶縁膜21により光学的に分離されるため混色やぼやけのない高品位な表示が得られる。
ところで本発明の発光型表示装置では反射電極300と円偏光反射層500との間隔が広くなると表示装置を斜めから観察した際に、発光薄膜層100から放射して円偏光反射層(コレステリック液晶層)500で一度反射してから外部に取り出される光と、円偏光反射層で一度も反射されずに外部に取り出される光とで視差が生じる。さらに、円偏光反射層500で反射した光が対応する画素とは別の画素の反射電極へ漏れることで解像度が低下したように見えたり、発光薄膜層100から放射し、円偏光反射層500で反射する光が第3の絶縁層21などで吸収されて観察者へ向かう光が減ってしまうなどの弊害を生じる。このため、円偏光反射層と反射電極との距離はできるだけ短いことが、画質及び光利用効率の面から望ましい。
本実施例ではトップエミッション型の構造とすることで円偏光反射層500と反射電極300との間に厚さが数百μmとなるガラス基板のような部材を必要としない。このため円偏光反射層500と反射電極300との間隔を小さくできる。
この場合、発光薄膜層100から放射して円偏光反射層500で一度反射してから外部に取り出される光と、円偏光反射層で一度も反射されずに外部に取り出される光との視差が小さくなる。また、発光薄膜層100から放射して円偏光反射層500で反射する光が第3の絶縁層21で吸収され、損失となることが減るため光利用効率が向上する。さらに発光薄膜層100から放射して円偏光反射層500で反射する光が異なる画素の反射電極へ漏れて、解像度の低下や、混色などを起すことがなくなる。このため明るく、解像度の低下がない高品位な表示画像が得られる発光型表示装置が実現できる。
なお、本実施例では有機発光ダイオード素子70が形成される基板6に対して、予め別に用意する円偏光反射層500等を後から重ね合わせる場合を述べた。これは、例えば有機発光ダイオード素子70が既に形成された基板に円偏光反射層を形成する場合には円偏光反射層であるコレステリック液晶層を形成する工程で、発光薄膜層等が劣化するなどの不具合が生じる可能性があるからである。
本実施例のように円偏光反射層500と有機発光ダイオード素子70を別々に形成すればそれぞれの工程の自由度は広がり、互いに劣化させることがないのでより高性能な表示装置を構成できる。ただし、例えば将来、耐性の高い有機材料が開発されれば円偏光反射層と有機発光ダイオード素子を同一の基板に形成するようにしてもよい。
また、本実施例では位相補償層800を透明電極200と円偏光反射層500との間に配置する場合を説明したが、位相補償層800を1/4波長板700と円偏光反射層500との間に配置するようにしてもよい。この場合、広い視野角においてコレステリック液晶層の選択反射による発光強度の増加効果が得られるようになることは上記説明のとおりである。
次に本発明のOELD表示装置の他の実施例について図23を参照して説明する。図23は本発明の表示装置の概略構成を示す一部模式断面図である。この表示装置は、円偏光反射層500を構成するコレステリック液晶層500を青色の画素を構成する発光薄膜層100Bの上にのみに選択的に配置したことと、位相補償層800を透明封止板90の観察者10000側に配置すること以外、基本的な構成は図21や図22を参照して説明した上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
図23に示すとおり、本表示装置は円偏光反射層500を構成するコレステリック液晶層500を青色の画素を構成する発光薄膜層100Bの上に選択的に配置するものである。この場合、透明封止板90の円偏光反射層500が形成される部分と円偏光反射層500が形成されない部分とで段差が生じるため、平坦化膜510を設けて段差をなくすようにしてもよい。平坦化膜510としては透明なアクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド系樹脂等の有機材料を用いることができる。これらの有機材料はスピンコート法などで成膜することでその表面が比較的容易に平坦化できる。
本実施例では上記実施例と同様に円偏光反射層500の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた青色に相当する光が効率よく利用できるため青色の画素の光利用効率が高くなる。このため同じ消費電力であればより明るい表示画像となり、同じ明るさの表示画像であれば消費電力が低減できる。さらに青色に関しては発光薄膜層から放射する内部発光色より、実際に観察者側へ取り出される外部発光色の刺激純度が向上するためより表示色範囲が広い発光型表示装置が実現できる。
また、位相補償層800を備えることで広い視野角範囲において、円偏光反射層を構成するコレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射の増大を抑制できる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置を実現できる。
本実施例では、特に、青色の画素を構成する発光薄膜層100Bに対応する位置以外の領域に円偏光反射層がないため、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域に起因する外光反射が、コレステリック液晶層が表示部全面を覆う場合の3分の1に以下に低減する。このため明るい環境下でのコントラス比がより高い発光型表示装置が実現できる。
なお、本実施例では位相補償層800を1/4波長板700と円偏光反射層500との間に配置する。この場合は広い視野角範囲において、コレステリック液晶層500の選択反射による発光強度の増加効果が得られる。
一方、周囲環境から表示部に入射する外光についてはコレステリック液晶層500の選択反射の波長領域に起因する反射は視野角が大きくなっても急激には減少せず、反射の波長領域が短波長側へ移動するが、本実施例のように円偏光反射層500の主たる反射の波長領域が青色に相当する波長領域のみの場合は、反射の波長領域は視野角が大きくなると比視感度が低い紫外領域へ移動するため人の目に感知され難くなるため問題とはならない。
本実施例では位相補償層800を1/4波長板700と円偏光反射層500との間に配置する場合を説明したが、位相補償層800を円偏光反射層500と透明電極200の間に配置してもよい。この場合は上記説明のとおり、視野角が大きくなるにつれてコレステリック液晶層の選択反射の波長領域を起因とする外光反射がより小さくなる。
次に本発明の発光型表示装置の他の実施例について説明する。図24は本発明の発光型表示装置の概略構成を示す一部模式断面図である。この発光型表示装置は、円偏光反射層500として複数の領域に塗り分けられたコレステリック液晶層を用いること以外、基本的な構成は図21や図22を参照して説明した上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
本表示装置の円偏光反射層500は青色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Bを青色の画素を構成する発光薄膜層100Bの上に配置し、緑色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Gを緑色の画素を構成する発光薄膜層100Gの上に配置し、赤色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Rを赤色の画素を構成する発光薄膜層100Rの上に配置したものである。つまり、本実施例の円偏光反射層500は画素を構成する発光薄膜層の発光色に対応して、選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を面内で塗り分けるものである。
コレステリック液晶層の選択反射の中心波長は、それぞれの色に対応する波長とする。例えば青色は440〜480nm、緑色は540〜580nm、赤色は600〜640nmの範囲から選択するとよい。また、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域は、上記のとおり、外光反射を小さくするためにその波長幅を130nm以下とすることが望ましい。
塗り分けられたコレステリック液晶層500B,500G,500Rの間には画素の非発光領域を覆う領域にブラックマトリクス500BMを形成するとよい。ブラックマトリクス500BMとしては金属クロム、酸化クロム、あるいは光吸収性の顔料を分散した感光性樹脂を用いることができる。この場合、塗り分けられたコレステリック液晶層と画素の発光領域との位置合わせマージンが大きく取れるようにブラックマトリクスの開口部は画素の発光領域より大きくすることが望ましい。
また、塗り分けられたコレステリック液晶層の表面には透明な樹脂材料からなる図示しない保護層を形成しその表面を平坦化するとよい。これはこの上に備えられる位相補償層800の配置を容易にし、段差による光学特性のばらつきを回避するためである。
なお、塗り分けられたコレステリック液晶層500R,500G,500Bは(nx−nz)・dの値が一定となるようにすることが望ましい。これは、表示部の全面を覆うように配置する一つの位相補償層800により、塗り分けられたコレステリック液晶層500R,500G,500Bの全ての位相差を補償するためである。
塗り分けられたコレステリック液晶層500R,500G,500Bの(nx−nz)・dの値を一定とするには、コレステリック液晶層500R,500G,500Bを同じ液晶材料から構成し、厚さを一致にさせればよい。あるいは、コレステリック液晶層500R,500G,500Bとしてそれぞれ異なる材料を用いる場合には塗り分けられた各コレステリック液晶層の(nx−nz)・dが一致するように調整すればよい。
本実施例の場合、特に視野角0°及びその近傍の視野角範囲では、青色だけでなく、比視感度の高い緑色や赤色の画素を構成する発光薄膜層100G,100Rから放射する光も円偏光反射層500G,500Rの作用により偏光板600で吸収される光が減って光利用効率が高くなる。このため、同じ明るさの表示画像であればより低消費電力であり、さらに有機発光ダイオード素子を流れる電流が小さくなるためより長寿命の発光表示装置が実現できる。あるいは同じ消費電力であれば、より明るい画像を表示する発光型表示装置が実現できる。
また、青色、緑色、赤色の各画素から観察者側に取り出される光は、それぞれの発光薄膜層から放射する内部発光色よりも、実際に観察者側へ取り出される外部発光色の方が刺激純度が高くなるため、発光薄膜層の材料自身が有する性能よりも表示色範囲が広い発光型表示装置が実現できる。
さらに、位相補償層800を備えることで広い視野角範囲において、円偏光反射層を構成するコレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射の増大が抑制される。
本実施例では位相補償層800を円偏光反射層500と透明電極200との間に配置するため、上記説明のとおり、視野角が大きくなるとコレステリック液晶層の選択反射の波長領域の光に起因する外光の反射が小さくなる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い表示装置が実現できる。
なお、本実施例のように、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色に相当する波長領域以外にもある場合は、位相補償層800を円偏光反射層500と透明電極200との間に配置することが望ましい。これは以下の理由による。
例えば、位相補償層800が1/4波長板700と円偏光反射層500の間に存在する場合は、発光薄膜層から放射し、円偏光反射層であるコレステリック液晶層を透過する光に生じる位相差は補償される。このため、視野角が大きくなっても発光強度の増加効果は急激には減らず、発光強度の増加効果が得られる波長領域が短波長側に移動する。
ここで、上記実施例のように円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色に相当する波長領域のみの場合は、視野角が大きくなり発光強度の増加効果が得られる波長領域が短波長側に移動しても比視感度がより低くなる紫外線領域方向への移動なので影響は小さいが、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色以外の緑色や赤色に相当する波長領域にある場合は、比視感度が高い波長における変化であるため色の変化が人の目に感知されやすい。特に、赤色の画素から取り出される光は視野角が増えるに従い比視感度がより高い波長領域の発光強度が増加することになるため色の変化や明るさの変化が人の目に感知されやすくなる。
また、位相補償層800が1/4波長板700と円偏光反射層500の間に存在する場合は、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域の光に起因する外光の反射は視野角が大きくなっても急激には減少せず、反射の波長領域が短波長側へ移動する。この場合も上記実施例のように円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色に相当する波長領域のみであれば、外光反射の波長領域は視野角が大きくなると比視感度がより低くなる紫外線領域方向へ移動するため人の目に感知され難くなるため影響は小さい。しかし、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色以外の緑色や赤色に相当する波長領域にある場合は、比視感度が高い波長における変化であるため外光の反射は人の目に感知されやすい。特に、赤色の画素では視野角が増えるに従い比視感度がより高い波長領域での反射が増加することになるため外光の反射が人の目に感知されやすくなる。このため、明るい環境下では視野角が大きくなると外光の反射が増加し、コントラスト比が低下する場合がある。
したがって、円偏光反射層の主たる反射の波長領域が青色以外の緑色や赤色に相当する波長領域にもある場合は、視野角の変化による色の変化や外光反射の増大を抑制するために、位相補償層800は円偏光反射層500と透明電極200との間に配置することが望ましい。
ただし、本発明は位相補償層800を1/4波長板700と円偏光反射層500との間に配置することを除外するものではない。この場合には、広い視野角範囲においてコレステリック液晶層の選択反射による発光強度の増加効果が得られるという効果がある。また、この場合は予め位相補償層800を1/4波長板700及び偏光板600と一体化し、フィルム状にすることができるため、一度に透明封止板90に貼り付けることが可能になり、製造時の組み立てが容易になるなどの利点がある。
上記のとおり、本発明の発光型表示装置では位相補償層800を配置する位置によってその表示特性が変わる。また、発光型表示装置の構成によっても位相補償層の配置位置の影響が異なる。このため、位相補償層の配置位置は発光型表示装置に要求される性能や構造に合わせて、最適な配置位置を選択するようにするとよい。
次に本発明の発光型表示装置の他の実施例について説明する。図25は本発明の表示装置の一部概略構成を示す模式断面図である。この発光型表示装置は発光薄膜層100Wの内部発光色が白色であること、カラーフィルタ900R,900G,900Bを有することなどが異なるが、基本的な構成は図24を参照して説明した上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
図25に示すとおり、本発光型表示装置は図24を参照して説明した上記実施例において、発光薄膜層を全て白色発光の発光薄膜層層100Wとし、透明封止板90と円偏光反射層500との間に、それぞれ赤色、緑色、青色に相当する光を透過するカラーフィルタ900R,900G,900Bを塗り分けたものである。また、位相補償層800は透明封止板90と1/4波長板700の間に配置する。
白色発光の発光薄膜層を実現する方法としては、発光色の異なる複数の発光層を積層する方法と、一つの発光層中に発光色が異なる色素をドーピングする方法がある。前者としては例えばTPDと、部分的にナイルレッドでドープしたAlq3と、1,2,4-トリアゾール誘導体(TAZ)を組み合わせたものがある。また、後者としてはPVKに3種類の色素、例えば1,1,4,4−テトラフェニル-1,3-ブタジエン(TPB)、クマリン6、DCM1をドープしたものがある。いずれにせよ、白色発光の発光薄膜層としては発光効率が高く、寿命の長い白色発光が得られるものを用いることが望ましい。
カラーフィルタは透明封止板90に金属クロム、酸化クロム、あるいは光吸収性の顔料を分散した感光性樹脂からなるブラックマトリクス900BMをパターン形成したのち、染色法、顔料分散法、あるいは印刷法などの公知の技術によってそれぞれ赤色、緑色、青色に相当する光が透過し、それ以外の光は吸収する部分を塗り分けることで実現する。
カラーフィルタの表面は透明な樹脂材料からなるオーバーコート層910を形成することで平坦化することが望ましい。これはこの上に形成する円偏光反射層500の作成を容易にすると同時に、表面凹凸による光学特性のばらつきを回避するためである。
オーバーコート層910の上には上記実施例と同様に円偏光反射層500として、選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を塗り分ける。この際、赤色透過のカラーフィルタ900Rに対応する位置には赤色に反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Rを、緑色透過のカラーフィルタ900Gに対応する位置には緑色に反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Gを、青色透過のカラーフィルタ900Bに対応する位置には青色に反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Bをそれぞれ塗り分ける。なお、本実施例ではカラーフィルタにブラックマトリクスを有するため、円偏光反射層にはブラックマトリクスを備えない。また、図示しないが、塗り分けられたコレステリック液晶層の表面には透明な樹脂材料からなる保護層を形成しその表面を平坦化するとよい。これは組み立て時の表面保護や段差による光学特性のばらつきを回避するためである。
カラーフィルタ900R,900G,900B、及びコレステリック液晶層からなる円偏光反射層500が形成された透明封止板90は、画素を構成する発光薄膜層100Wの位置と、塗り分けられたコレステリック液晶層及びカラーフィルタの位置が略一致するように位置合せをした上で、基板6と固定する。
つまり、赤色を表示する画素を構成する発光薄膜層に対応する位置には赤色に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500R及び赤色を透過するカラーフィルタ900Rを配置し、緑色を表示する画素を構成する発光薄膜層に対応する位置には緑色に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500G及び緑色を透過するカラーフィルタ900Gを配置し、青色を表示する画素を構成する発光薄膜層に対応する位置には青色に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500B及び青色を透過するカラーフィルタ900Bを配置する。
透明封止板90の円偏光反射層500が形成された面と、逆の面には位相補償層800、1/4波長板700及び偏光板600を配置する。
次にこの発光型表示装置の動作を説明する。発光薄膜層100Wから放射する光は直接、または反射電極300で反射した後、円偏光反射層500に入射する。円偏反射層500は各画素が表示すべき色に対応する波長に選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層が塗り分けられている。
このため、赤色を表示すべき画素の発光薄膜層100Wから放射してコレステリック液晶層500Rに入射する光は、コレステリック液晶層500Rの選択反射により、赤色に相当する波長領域であって、なおかつ一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。この際、コレステリック液晶層500Rを透過する光のうち、赤色に相当する波長範囲の光は右回りの円偏光となっており、これ以外の波長の光は非偏光である。
コレステリック液晶層500Rを透過する光は赤色カラーフィルタ900Rに入射する。赤色カラーフィルタ900Rに入射した光のうち、赤色に相当する所定の波長領域の光は赤色カラーフィルタ900Rを透過するが、それ以外の波長の光は吸収される。
コレステリック液晶層500Rの選択反射の波長領域に相当し、なおかつ赤色カラーフィルタ900Rを透過する光は、1/4波長板700の作用により円偏光から直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
また、コレステリック液晶層500Rの選択反射の波長領域以外の光であって、なおかつ赤色カラーフィルタ900Rを透過する光は偏光板600で約半分が吸収され、残りが観察者10000側へ取り出される。
一方、コレステリック液晶層500Rで反射する光は、反射電極300で反射して再びコレステリック液晶層500Rに向うが、反射電極300での反射の際、回転方向が逆の円偏光(ここでは右回りの円偏光)となるため、今度はコレステリック液晶層500Rを透過する。コレステリック液晶層500Rを透過した光は赤色カラーフィルタ900Rも透過して、1/4波長板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
つまり、赤色を表示する画素を構成する発光薄膜層100Wからで放射する白色光のうち、赤色に相当する所定の波長領域の光のみが、赤色カラーフィルタ500Rや偏光板600でほとんど吸収されることなく観察者10000側に取り出されるため、赤色を表示する画素からは明るい赤色光が得られる。
緑色、(あるいは青色)を表示する画素を構成する発光薄膜層100Wから放射する白色光に関しても同様に、緑色(あるいは青色)に相当する波長領域の光のみが、カラーフィルタ500G(あるいはカラーフィルタ500B)や、偏光板600でほとんど吸収されることなく観察者10000側に取り出されるため、緑色、(あるいは青色)を表示する画素からは明るい緑色光(あるいは青色光)が得られる。
つまり従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を有効に利用することで光利用効率が向上し、より明るい表示画像を得られる発光型表示装置が実現できる。
なお、本実施例のように位相補償層800が1/4波長板700と円偏光反射層500の間に存在する場合は、円偏光反射層500であるコレステリック液晶層を斜めに透過する光に生じる位相差は位相補償層により補償される。このため、視野角が大きくなっても発光強度の増加効果は急激には減少せず、発光強度の増加効果が得られる波長領域が短波長側に移動する。
本実施例では観察者10000側に取り出される光はカラーフィルタを通過する。カラーフィルタは透過する光の波長を限定するため、視野角の増加に伴いコレステリック液晶層による発光強度の増加効果が短波長側に移動しても色の変化を小さく抑えられる。
つまり、本実施例では位相補償層800が1/4波長板700と円偏光反射層500の間に存在し、円偏光反射層500の主たる反射の波長領域が青色以外の比視感度が高い緑色や赤色に相当する波長領域にあるにもかかわらず、カラーフィルタを備えることで視野角の変化による色の変化を小さく抑制できる。
なお、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域は、顔料や染料を使用する通常のカラーフィルタの透過波長領域よりも狭く、波長に対する反射率の分布を急峻にできる。このため発光薄膜層から放射し、コレステリック液晶層で反射して再利用される光は、単に発光薄膜層から放射してカラーフィルタを透過する光よりも半値幅が狭く、より急峻な波長分布となる。
このため、本実施例では従来の白色発光の有機発光ダイオード素子にカラーフィルタを組み合わせた発光型表示装置に比べて、コレステリック液晶層で反射して再利用される光分だけ、赤色、緑色、青色の各色の色純度が高く、表示色範囲が広い発光型表示装置を実現することができる。
一方、明るい環境下で周囲環境から表示部に入射する外光は、偏光板600を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板600を透過する光は、1/4波長板700を透過する際、その作用を受けて円偏光となり、カラーフィルタを通過する際、少なくともその2/3の波長領域の光が吸収される。
カラーフィルタ及び円偏光反射層500を透過した光は反射電極300で反射し、円偏光反射層500に入射する。円偏光反射層500に入射する光のうち、円偏光反射層500の反射の波長領域に相当する光は反射して、それ以外の波長領域の光は透過する。円偏光反射層500を透過する光は1/4波長板700を通過する際、その作用を受けて直線偏光となり、偏光板600に吸収されるため、観察者10000側には取り出されない。
一方、円偏光反射層500で反射する光は再び反射電極300で反射して、今度は円偏光反射層500を透過し、カラーフィルタ、偏光板600等を通過して観察者10000側へ取り出される。この光はわずかであるため、外光の反射は小さく抑えられる。
つまり、明るい環境下であっても外光の大部分が偏光板やカラーフィルタに吸収されるため、暗表示が暗くなりコントラスト比が高い発光型表示装置が実現できる。
また、円偏光反射層500を構成するコレステリック液晶層を斜めに通過する光に生じる位相差は位相補償層800によって補償されるため、視野角の増大に伴いコレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射の増大は抑制される。
本実施例のように位相補償層800を1/4波長板700と円偏光反射層500の間に配置する場合は、コレステリック液晶層の選択反射の波長領域の光に起因する外光の反射は視野角が大きくなっても急激には減少せず、反射の波長領域が短波長側へ移動する。本実施例では観察者10000側に取り出される光は必ずカラーフィルタを通過する。このため、視野角の増加に伴い外光の反射の波長領域が短波長側へ移動すると、反射光の一部はカラーフィルタで吸収されるようになるため、外光の反射が抑制される。
したがって、本実施例の発光型表示装置では位相補償層とカラーフィルタを備えることで広い視野角範囲において外光の反射が抑制できるため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い表示画像を実現できる。
また、本実施例では予め位相補償層800を1/4波長板700及び偏光板600と一体化し、フィルム状にすることができるため、一度に透明封止板90に貼り付けることが可能になり、製造時の組み立てが容易になる。
なお、本発明の発光型表示装置は位相補償層とカラーフィルタと円偏光反射層の位置関係を本実施例に限定するものではない。例えば、位相補償層800は円偏光反射層500と透明電極200の間に配置してもよい。この場合は、円偏光反射層の反射の波長領域に起因する外光の反射や、発光強度の増加効果は視野角が大きくなると減少する。このため、視野角が大きくなると外光反射が減り、明るい環境下ではコントラスト比が高くなる。また、視野角の変化による色の変化が小さくなる。
或いは、カラーフィルタと円偏光反射層の順序を変えてもよい。つまり、発光薄膜層側から、カラーフィルタ、円偏光反射層の順に配置してもよい。この場合は円偏光反射層で反射して、再利用される光がカラーフィルタを2回通過することになるためカラーフィルタでの光の損失が増えるが、その分、所望の色に対して不要な波長の光がより吸収されるため色純度は向上する。
また、本実施例では円偏光反射層として選択反射の波長領域が異なるコレステリック液晶層を面内で塗り分ける場合を説明したが、本発明の発光型表示装置はこれに限定されるものではない。例えば、円偏光反射層は塗り分けず、青色、緑色、赤色のいずれか1色に主たる反射の波長領域を有する円偏光反射層で表示部を全面的に覆うようにしてもよい。この場合は、円偏光反射層の主たる反射の波長領域に相当する1色に対して、明るさの向上、色純度の向上などの効果が得られる。
この場合は、特に円偏光反射層の主たる反射の波長領域を青色に相当する波長とすることで、図21と図22を参照して説明した上記実施例と同様の理由から外光の反射がより小さくなり、明るい環境下でのコントラスト比がより高い発光型表示装置が実現できる。
なお、本実施例では発光薄膜層は全て白色の光を放射する発光薄膜層としたが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、赤色の画素には赤色の光を放射する発光薄膜層を形成し、この発光薄膜層に対応する位置に赤色に相当する反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500R及び赤色透過のカラーフィルタ900Rを配置し、緑色の画素には緑色の光を放射する発光薄膜層を形成し、この発光薄膜層に対応する位置に緑色に相当する反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500G及び緑色透過のカラーフィルタ900Gを配置し、青色の画素には青色の光を放射する発光薄膜層を形成し、この発光薄膜層に対応する位置に青色に相当する反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500B及び青色透過のカラーフィルタ900Bを配置してもよい。この場合、発光薄膜層から放射してカラーフィルタで吸収される光が小さくなるため、光利用効率が高い発光型表示装置が実現できる。
次に本発明の発光型表示装置の他の実施例について説明する。図26は本発明の発光型表示装置の一部概略構成を示す模式断面図である。この発光型表示装置は円偏光反射層500として複数のコレステリック液晶層を積層したものを用いること以外、基本的な構成は図25を参照して説明した上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
本発光型表示装置は、青色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Bと、赤色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Rと、緑色に相当する波長に主たる選択反射の波長領域を有するコレステリック液晶層500Gとを積層したものである。
このため、コレステリック液晶層の作用により赤色、緑色、青色すべての色で偏光板で吸収される光が減るため、より明るい発光型表示装置が実現できる。
本実施例では特にこれまで説明した本発明の発光型表示装置とは異なり、円偏光反射層500の主たる反射の波長領域が可視波長の全域、より望ましくは赤外領域の一部を含むことが望ましい。このような円偏光反射層は本実施例のように選択反射の波長領域が異なる複数のコレステリック液晶層を積層することで実現できる。
なお、コレステリック液晶層を複数層積層することで、円偏光反射層を斜めに通過する光に生じる位相差は大きくなるので、位相補償層800は積層したコレステリック液晶層の全層分の位相差を補償するような位相差とする。
この場合、コレステリック液晶層の選択反射による発光強度の増加効果は広い波長領域に渡って有効と成る。このためコレステリック液晶層の選択反射の波長領域が視野角の増加に伴い短波長側に移動しても、発光強度の増加効果は可視波長領域においてほとんど変化しないので、視野角の変化による色の変化は抑制される。
また、本実施例では位相補償層800を円偏光反射層500と1/4波長板700の間に配置することで、コレステリック液晶層の選択反射による発光強度の増加効果が視野角が大きくなっても持続するため、広い視野角範囲において光利用効率が高い発光型表示装置が実現できる。
つまり、本実施例では広い視野角範囲において色の変化が小さく、より明るい表示画像が得られる発光型表示装置が実現できる。
一方、明るい環境下で周囲環境から表示部に入射する外光は、偏光板600を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板600を透過する光は1/4波長板700を透過する際、その作用を受けて円偏光となり、カラーフィルタを通過する際、少なくともその2/3の波長領域の光が吸収される。
カラーフィルタ及び円偏光反射層500を透過した光は、反射電極300で反射し、さらに円偏光反射層500で反射して、再び反射電極300で反射した後、円偏光反射層500に入射する。円偏光反射層500に入射する光は今度はこれを透過し、カラーフィルタ、偏光板600等を透過して観察者10000側へ取り出される。この光は偏光板とカラーフィルタを2回通過する際の吸収により小さくなる。つまり、本実施例では円偏光反射層の主たる反射の波長領域を広くすることによる外光の反射の増大を、カラーフィルタを備えることで小さくできる。
なお、円偏光反射層を構成するコレステリック液晶層を斜めに進む光に生じる位相差は、位相補償層によって補償されるため、視野角が大きくなってもコレステリック液晶層で生じる位相差に起因する外光反射の増大は抑制される。
したがって、明るい環境下であっても外光の大部分は偏光板やカラーフィルタに吸収されるため、暗表示が暗くなりコントラスト比の高い発光型表示装置が実現できる。
なお、本発明はコレステリック液晶層の積層の順番を図面の順番に限定するものではない。また、円偏光反射層としては複数のコレステリック液晶層を積層するのではなく、螺旋ピッチが連続的に変化したコレステリック液晶層を用いてもよい。
また、本発明は位相補償層とカラーフィルタと円偏光反射層の位置関係を本実施例に限定するものではない。例えば、位相補償層800は円偏光反射層500と透明電極200の間に配置してもよい。この場合は、コレステリック液晶層(円偏光反射層)の反射の波長領域に起因する外光の反射が減少する。このため、視野角が大きくなると明るい環境下ではコントラスト比が高くなる。
また、カラーフィルタと円偏光反射層の順序を変えてもよい。つまり、発光薄膜層100W側から、カラーフィルタ、円偏光反射層500の順に配置してもよい。この場合は円偏光反射層500で反射して、再利用される光がカラーフィルタを2回通過することになるためカラーフィルタでの光の損失が増えるが、その分、所望の色に対して不要な波長の光がより吸収されることになるため色純度は向上する。
次に本発明の発光型表示装置の他の実施例を図27、図28を参照して説明する。図27は本発明の表示装置の断面構造を示す1画素付近の模式断面図である。また、図28も本発明の表示装置の一部断面を示す模式断面図である。本実施例は円偏光反射層をコレステリック液晶層ではなく、所定の波長領域の直線偏光成分は反射し、他の成分は透過する直線偏光反射部材550と1/4波長板を組み合わせて構成するものである。
このため、各光学部材は有機発光ダイオード素子70側から位相補償層850、1/4波長板700、直線偏光反射部材550、偏光板600の順に積層する。つまり、本実施例は図21と図22を参照して説明した上記実施例において、円偏光反射層500の代わりに直線偏光反射部材550を用い、1/4波長板700の位置を変えたもので上記実施例と同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
図27に示すとおり、本表示装置は透明電極200側から順に位相補償層850、1/4波長板700、直線偏光反射部材550、偏光板600を配置したものである。
直線偏光反射部材550はこれに入射する光のうち所定の波長領域の直線偏光成分は反射し、これと偏光面が直交する直線偏光成分は透過する機能を有するものである。直線偏光反射部材550の構成は種々考えられる。例えば、前記した国際出願の国際公開番号:WO95/27919に記載の異なる複屈折性高分子フィルムを交互に複数層積層した複屈折反射型偏光フィルムや、SID92 Digest p427に記載の頂角が略90度のプリズムアレイを2枚重ね、その重ね合わせ部に多層膜による偏光分離面を形成したものがある。
直線偏光反射部材としては取り扱いが容易であることから前者の複屈折反射型偏光フィルムを用いるとよい。この場合、直線偏光反射部材を斜めに進む光には位相差が発生する。この位相差は外光反射の増加の要因となる。したがって、直線偏光反射部材を斜めに進む光に生じる位相差を補償するために、偏光板600と有機発光ダイオード素子70との間のいずれかの位置に位相補償層850を設ける。
直線偏光反射部材550の反射の中心波長は400〜490nm、より好ましくは420〜480nmとし、反射の波長領域は510nm以下の範囲にすることが望ましい。これは上記実施例と同様、青色の光利用効率と色純度を向上すると同時に外光の反射を最小限に抑制するためである。
直線偏光反射部材550は偏光板600と1/4波長板700の間に配置するが、この際、直線偏光反射部材550の直線偏光の透過軸が偏光板600の直線偏光の透過軸と一致するように配置する。
次に発光薄膜層100から放射する光及び外部から発光領域61に入射する光について図29を参照して説明する。図29は本実施例の発光領域における断面構造図であり、光の動作に直接影響しない基板などの部材を省略した模式図である。
図29において、発光薄膜層100から放射する光1011は直接、あるいは反射電極300で反射した後、透明電極200側に向かい、透明電極200及び位相補償層850、1/4波長板700を透過して直線偏光反射部材550に入射する。この際、発光薄膜層100から放射し、直線偏光反射部材550に入射する光は非偏光であるため、青色に相当する波長領域の光であって偏光板600で吸収される直線偏光成分は反射し、それ以外の光は透過する。直線偏光反射部材550を透過する光1012のうち、直線偏光反射部材550の反射の波長領域に相当する光は偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出されるが、それ以外の波長の光は偏光板600で約半分が吸収されたのち観察者10000側へ取り出される。
一方、直線偏光反射部材550で反射する光1013は、1/4波長板700を通過して反射電極300へ向かうが、1/4波長板700を通過する際、その作用を受けて円偏光となり、反射電極300での反射によりその進行方向が変わり、回転方向が逆の円偏光となる。反射電極300で反射した光は、再び1/4波長板700を通過する際に、その作用を受けて今度は直線偏光反射部材550を透過する直線偏光に変換されるため、直線偏光反射部材550及び偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
本実施例においても上記実施例と同様に発光薄膜層から放射する光のうち青色に相当する波長領域の光は、偏光板でほとんど吸収されることなく観察者10000側へ取り出されるため、青色の光利用効率が向上する。このため、同じ消費電力であれば、より明るい表示画像の発光型表示装置を実現できる。あるいは、同じ明るさであれば消費電力が小さくなり、有機発光ダイオード素子70に流れる電流が小さくなるので寿命が長い発光型表示装置を実現できる。
なお、直線偏光反射部材550の反射の波長領域を、発光薄膜層から放射する光の波長領域よりも狭く設定することで、青色を表示する画素から観察者側へ取り出される光の色純度を高くすることできる。
次に、明るい環境下において、周囲環境から発光領域に入射する外光について説明する。外光3010は一般に無偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の1方向に偏光面を持つ直線偏光は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光は透過する。偏光板600を透過する直線偏光は直線偏光反射部材550も透過し、1/4波長板700の作用を受けて円偏光となり、反射電極300で反射する。
反射電極300で反射する光はその進行方向が変わり回転方向が逆の円偏光になり、再び1/4波長差板700を通過する際、偏光板600で吸収される直線偏光に変換されて直線偏光反射部材550に入射する。直線偏光反射部材550に入射する光のうち、青色に相当する波長領域の光は反射して、それ以外の波長の光は透過する。直線偏光反射部材550を透過する光3011は偏光板で600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、直線偏光反射部材550で反射する光3012は1/4波長板700を通過する際、その作用を受けて円偏光に変換され、反射電極300で反射して回転方向が逆の円偏光となり再び1/4波長板を通過する。1/4波長板700を通過する光はその作用を受けて今度は偏光板600を透過する直線偏光に変換されるため、直線偏光反射部材550及び偏光板600を透過して観察者10000側へ取り出される。
つまり、外光の反射は直線偏光反射部材550の反射の波長領域に相当するわずかな光のみである。この光は青色に相当する明所視の比視感度が低い波長領域の光であるため、視感反射率は小さくなる。したがって、本実施例においても上記実施例と同様、明るい環境下であっても外光の大部分がカットされるため黒表示が暗くなりコントラスト比の高い発光型表示装置が実現できる。
なお、視野角が大きい場合には直線偏光反射部材550を斜めに進む光に位相差が生じる。ただし、この位相差は位相補償層850により補償されるため、直線偏光反射部材550で生じる位相差に起因する外光反射の増大は抑制できる。このため、明るい環境下であっても広い視野角範囲においてコントラスト比が高い発光型表示装置を実現できる。
また、位相補償層850は本実施例のように直線偏光反射部材550と有機発光ダイオード素子70との間に配置することが望ましい。例えば、位相補償層850が偏光板600と直線偏光反射部材550との間にあると、周囲環境から表示装置に入射して偏光板を透過する光は位相補償層850を斜めに通過すると不要な位相差が生じる。このため、位相補償層850を斜めに通過する光の偏光状態が変わり、その光の一部が直線偏光反射部材550で反射して外光の反射が増えることになる。
したがって、本実施例のように、明るい環境下において外光の反射を低減するためには、位相補償層850を直線偏光反射部材550と有機発光ダイオード素子70との間に配置することが望ましい。
ところで、励起子形成において、三重項励起状態が統計理論的に生成確率が高いことから、燐光型発光材料あるいは三重項発光材料と呼ばれる発光効率の高い発光材料が期待されている。燐光型発光材料は、例えば、IrやPtを中心金属に持つ重金属錯体を用いることで実現するもので、現状では、緑色と赤色には高い発光効率が得られる材料があるが、青色に対しては緑色や赤色と同等の効率が得られる発光材料がない状態である。
このため、例えば、赤色、緑色、青色の各画素を構成する発光薄膜層に燐光型発光材料を適用して白色表示する場合を想定すると、赤色と緑色の光の強度は効率の低い青色に合わせて小さくする必要があるため、せっかく赤色と緑色の発光効率が高くても明るい白色表示が実現できない。
これに対し、図1、図19、図21、図22、図23、図27を参照して説明した上記実施例のように、青色に相当する波長領域の光利用効率を高める本発明の発光型表示装置の発光薄膜層に燐光型発光材料を適用することで、燐光型発光材料の高い発光効率を活かしてより明るい白色表示ができる発光型表示装置を実現ができる。
つまり、赤色の画素と緑色の画素では有機発光ダイオード素子の発光薄膜層に燐光型発光材料を適用し、青色の画素では有機発光ダイオード素子の発光薄膜層に蛍光型発光材料、もしくは他の色よりも効率が低い燐光型発光材料を適用する。このような構成とすることで、赤色と緑色では燐光発光型材料による高い発光効率が得られ、青色については発光効率は低いが、青色反射の円偏光反射層の作用により高い光利用効率が実現する。このため、表示装置から観察者側へ取り出される光の実効的な効率は赤色、緑色、青色のバランスがよくなり、発光効率が高い燐光型発光材料の性能を活かしたより明るい白色表示が実現ができる。
なお、本発明の実施例として、ここまでアクティブマトリクス駆動の発光型表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、薄膜トランジスタなどのスイッチング素子を設けずに本発明に係る発光素子の電極をそれぞれ垂直走査線、水平走査線に直結して駆動する単純マトリクス駆動の発光型表示装置に適用してもよい。
また、OLED表示装置のフルカラー化に関しては青色発光素子と蛍光性の色変換層(CCM:color changing medium)を組み合わせた方式(以下、CCM法)が提案されている。CCM法は青色発光層で発生した光で蛍光性の色変換用蛍光色素層を励起し、青色から緑色、赤色へ変換し3原色発光を得るものである。
本発明はこのようなフルカラー化方式においても、発光薄膜層と観察者の間の適切な位置に偏光板と、1/4波長板と、位相補償層と、円偏光反射層(あるいは直線偏光反射部材)とを配置することで実現するようにしてもよい。
本発明の発光型表示装置の一実施例の構成を示す1画素付近の模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の画素部の概略構造を示す一部透視平面図 本発明の発光型表示装置の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図 本発明の発光型表示装置の表示部に構成されるアクティブマトリクスの等価回路図 本発明に係る円偏光反射層(コレステリック液晶層)の屈折率楕円体の模式図 本発明に係る位相補償層の屈折率楕円体の模式図 本発明に係る円偏光反射層(コレステリック液晶層)と位相補償層の光の進行角度に対する位相差の一例を示すグラフ 本発明に係る円偏光反射層(コレステリック液晶層)と位相補償層の光の進行角度に対する位相差の一例を示すグラフ 本発明の発光型表示装置の発光領域における断面構造の一部を示す模式図 本発明に係るコレステリック液晶層の反射スペクトルの一例を示すグラフ 本発明の発光型表示装置の表示部における反射スペクトルの一例を示すグラフ 従来の発光型表示装置の表示部における反射スペクトルを示すグラフ 本発明の発光型表示装置の表示部における視感反射率の視野角依存性の一例を示すグラフ 従来の円偏光板を備えるOLED表示装置と本発明のOLED表示装置の発光強度の比の波長依存性を示すグラフ 本発明に係るコレステリック液晶層の反射率と干渉強度の波長依存性の一例を示すグラフ 本発明に係るコレステリック液晶層の反射率と干渉強度の波長依存性の視野角による変化を示すグラフ 有機発光ダイオード素子と透明基板の間に複数の屈折率の異なる膜が存在する場合の干渉強度の波長依存性の一例を示すグラフ 従来の円偏光板を備えるOLED表示装置と位相補償層を取り除いたOLED表示装置の発光強度の比の波長依存性の一例を示すグラフ 本発明の発光型表示装置の一実施例の構成を示す1画素付近の模式断面図 本発明の発光型表示装置の発光領域における断面構造の一部を示す模式図 本発明の発光型表示装置の一実施例の構成を示す1画素付近の模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例の構成を示す1画素付近の模式断面図 本発明の発光型表示装置の一実施例一部断面構造を示す模式断面図 本発明の発光型表示装置の発光領域における断面構造の一部を示す模式図
符号の説明
1…発光型表示装置、2…表示部、6…透明基板、40…蓄積容量、60…画素、61…発光領域、70…有機発光ダイオード素子、90…透明封止板、100…発光薄膜層、200…透明電極、300…光反射面として機能する反射電極、400…封止手段、500…円偏光反射層、500R…赤色に反射の波長領域を有する円偏光反射層(コレステリック液晶層)、500G…緑色に反射の波長領域を有する円偏光反射層(コレステリック液晶層)、500B…青色に反射の波長領域を有する円偏光反射層(コレステリック液晶層)、550…直線偏光反射部材、600…偏光板、700…1/4波長板、800…位相補償層、850…位相補償層、900R…赤色に透過の波長領域を有するカラーフィルタ、900G…緑色に透過の波長領域を有するカラーフィルタ、900B……青色に透過の波長領域を有するカラーフィルタ

Claims (23)

  1. 複数の画素を有してなる発光型表示装置であって、
    前記複数の画素は、
    反射層と、
    該反射層上に形成される第一の電極と、
    該第一の電極上に形成される発光薄膜層と、
    該発光薄膜層上に形成される第二の電極と、
    該第二の電極上に形成される円偏光反射層と、
    該円偏光反射層上に形成される1/4波長板と、
    該1/4波長板上に形成される偏光板と、を有し、かつ、
    前記第二の電極と前記偏光板との間に配置される位相補償層と、を有する発光型表示装置。
  2. 前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域は、前記画素から放射される光の波長領域の一部を含み、かつその波長幅が130nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  3. 前記円偏光反射層の厚さをd、厚さ方向の屈折率をnz、厚さ方向と直交する面内の主屈折率をnx、nyとし、
    前記位相補償層の厚さをdc、厚さ方向の屈折率をncz、厚さ方向と直交する面内の主屈折率をncx、ncyとした場合、
    実質nx=ny、ncx=ncyであり、
    さらに、厚み方向と平行な軸と光の進行方向がなす角度を光の進行角度φとし、光の進行角度φにおける前記円偏光反射層の屈折率差をΔn(φ)、位相補償層の屈折率差をΔnc(φ)としたとき、
    |Δnc(φ)・dc/cosφ|=|Δn(φ)・d/cosφ|
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  4. 前記円偏光反射層の厚さをd、厚さ方向の屈折率をnz、厚さ方向と直行する面内の主屈折率をnx、nyとし、
    前記位相補償層の厚さをdc、厚さ方向の屈折率をncz、厚さ方向と直行する面内の主屈折率をncx、ncyとした場合、
    実質nx=ny、ncx=ncyであり、かつ
    |1.2・(nx−nz)・d|≧|(ncx−ncz)・dc|≧|(nx−nz)・d|
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  5. 前記位相補償層は、前記円偏光反射層と前記1/4波長板との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  6. 前記位相補償層は、前記円偏光反射層と前記第二の電極との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  7. 前記円偏光反射層は、カイラルネマチック液晶層又はコレステリック液晶層であることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  8. 前記反射層と前記第一の電極層とが同一の材料にて兼用されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  9. 前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域が波長510nm以下の青色に相当する波長領域にあることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  10. 前記複数の画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れかであり、前記赤色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  11. 前記複数の画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れかであり、前記緑色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  12. 前記複数の画素から放射される光の色は、赤色、青色、緑色の光の何れかであり、前記赤色の光を放射する画素及び前記緑色の光を放射する画素は、燐光型発光材料を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  13. 前記複数の画素の発光領域の周辺に、前記円偏光反射層の主たる波長領域の光の反射が小さい反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  14. 前記複数の画素における前記円偏光反射層は画素毎に塗り分けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  15. 前記円偏光反射層は、前記画素から放射される光の波長に対応するよう画素毎に塗り分けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  16. 前記各画素において、円偏光反射層の厚さと厚み方向の屈折率から厚み方向に直行する面内の屈折率を引いた値との積が互いに等しいことを特徴とする請求項14に記載の発光型表示装置。
  17. 視野角0°において、前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域の中心波長をλOとし、前記発光薄膜層から放射される光の発光ピーク波長をλEmaxとし、前記発光薄膜層から放射される光に対する干渉強度が極大値となる波長をλImaxとしたとき、λImaxとλOはともに薄膜発光層から放射される光の波長領域内に存在し、なおかつλImaxとλOが異なることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  18. 視野角0°において、前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域の中心波長をλOとし、前記発光薄膜層から放射される光の発光ピーク波長をλEmaxとし、前記発光薄膜層から放射される光に対する干渉強度が極大値となる波長をλImaxとしたとき、
    λO>λEmax>λImax
    若しくは
    λO<λEmax<λImax
    の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  19. 前記各画素には、赤色を表示する画素に対応する位置に赤色透過のカラーフィルタを配置し、緑色を表示する画素に対応する位置に緑色透過のカラーフィルタを配置し、青色を表示する画素に対応する位置に青色透過のカラーフィルタを配置することを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  20. 前記円偏光反射層は反射の波長領域が可視波長領域をほぼカバーすることを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  21. 前記円偏光反射層は負の屈折率異方性を有し、
    前記位相補償層は正の屈折率異方性を有することを特徴とする請求項1に記載の発光型表示装置。
  22. マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子を有する発光型表示装置であって、前記発光素子は、発光薄膜層と、この発光薄膜層の裏面に配置する光反射面、又は光反射面としても機能する反射電極を有し、前記発光薄膜層の表面側には、入射する光を反射と透過により2種類の円偏光成分に分離する円偏光反射層と、1/4波長板と、偏光板と、をこの順に備え、
    前記発光薄膜層はこれを透過する光の偏光状態を略維持するものであり、
    前記光反射面は少なくとも垂直入射した円偏光の大部分の回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であり、
    前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域は、前記複数の画素を構成する少なくともひとつの発光素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつその波長幅が130nm以下であり、
    さらに、前記偏光板と前記発光素子の間に、面内方向には屈折率の差がなく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する位相補償層を備えることを特徴とする発光型表示装置。
  23. マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子を有する発光型表示装置であって、前記発光素子は、発光薄膜層と、この発光薄膜層の裏面に配置する光反射面、又は光反射面としても機能する反射電極を有し、前記発光薄膜層の表面側には、1/4波長板と、入射する光を反射と透過により2種類の直線偏光成分に分離する直線偏光反射部材と、偏光板と、をこの順に備え、
    前記発光薄膜層はこれを透過する光の偏光状態を略維持するものであり、
    前記光反射面は少なくとも垂直入射した円偏光の大部分の回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であり、
    前記円偏光反射層の主たる反射の波長領域は、前記複数の画素を構成する少なくともひとつの発光素子から放射する光の波長の少なくとも一部を含み、なおかつその波長幅が130nm以下であり、
    さらに、前記偏光板と前記発光素子の間に、面内方向には屈折率の差がなく、厚み方向の屈折率が面内方向の屈折率と異なる屈折率楕円体として機能する位相補償層を備えることを特徴とする発光型表示装置。
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