JP2005061380A - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005061380A
JP2005061380A JP2003296118A JP2003296118A JP2005061380A JP 2005061380 A JP2005061380 A JP 2005061380A JP 2003296118 A JP2003296118 A JP 2003296118A JP 2003296118 A JP2003296118 A JP 2003296118A JP 2005061380 A JP2005061380 A JP 2005061380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
ignition
trigger signal
polarity
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003296118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4337470B2 (ja
Inventor
Kenji Kimura
賢司 木邨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP2003296118A priority Critical patent/JP4337470B2/ja
Publication of JP2005061380A publication Critical patent/JP2005061380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4337470B2 publication Critical patent/JP4337470B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の始動性を損なうことなく、バッテリレスのコンデンサ放電式内燃機関用点火装置に機関の逆転を防止する機能を持たせる。
【解決手段】機関と同期回転する主リラクタ2r1及び補助リラクタ2r2のエッジを検出してパルスを発生するパルス信号発生器3が出力する一連のパルスをコントローラ5に与えて点火位置の制御を行わせる。パルス信号発生器の出力パルスで点火回路4にトリガ信号を与えるトリガ信号供給回路9を設け、マイクロコンピュータが起動する前にトリガ信号供給回路9から点火回路4にトリガ信号を与えて機関の始動性を向上させる。パルス信号発生器の出力パルスから機関の逆転を検出したときに点火回路へのトリガ信号の供給を阻止するトリガ信号側路スイッチ10をトリガ信号供給回路9の出力側に設けることによりパルス信号発生器の出力パルスがコントローラ5に支障なく入力されるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロコンピュータを用いて点火時期を制御するバッテリレスのコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置に関するものである。
オフロード車などの、軽量化を図ることを重視する内燃機関駆動車両においては、バッテリを搭載しないため、内燃機関に取り付けられた発電機の出力で各種の電装品を駆動している。そのため、内燃機関用点火装置においても、バッテリを用いずに、機関により駆動される発電機の出力でマイクロコンピュータを動作させて、点火時期を制御することが行われている。
また近年、内燃機関用の点火装置においては、内燃機関の高回転域での運転性能を向上させるために、点火時期の進角幅を広くとることが要求されるようになっている。更に始動装置としてリコイルスタータやキック式スタータを用いる内燃機関においては、機関の始動時にピストンが押し戻されて、いわゆるキックバックが生じるのを防止するために、点火装置に機関の逆回転を防止する機能を持たせることが要求される。内燃機関の逆回転を防止するコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置として、特許文献1に示されたものがある。
コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、特許文献1に示されているように、内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられたエキサイタコイルと、点火コイルの一次側に設けられてエキサイタコイルの正の極性の半波の出力電圧により一方の極性に充電される点火用コンデンサと、トリガ信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチと、内燃機関のクランク軸に取り付けられたロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して極性が異なる前端エッジ検出パルス及び後端エッジ検出パルスを発生するパルス信号発生器と、このパルス信号発生器の出力パルスから機関の回転情報を得て放電用スイッチへのトリガ信号の供給を制御するコントローラと、エキサイタコイルを電源としてコントローラを駆動するための一定の直流電圧を出力する電源部とを備えている。
この種の点火装置では、内燃機関の点火時期にコントローラから放電用スイッチにトリガ信号が与えられたときに、点火用コンデンサの電荷が放電用スイッチと点火コイルの一次コイルとを通して放電して点火コイルの一次コイルに急激に電流が流れるため、点火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じ、この磁束変化により、点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起する。この点火用高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火される。
コントローラは、パルス信号発生器が出力するパルスの発生間隔から機関の回転速度を演算し、演算した回転速度に対して点火時期を演算する。この点火時期は、パルス信号発生器が前端エッジ検出パルスを発生するクランク角位置を基準位置として、該基準位置から点火時期に相当するクランク角位置までクランク軸が回転するのに要する時間の形で演算される。コントローラは、パルス信号発生器が前端エッジ検出パルスを発生したことを検出したときに、点火タイマをスタートさせて演算した点火時期の計測を開始し、該点火タイマが点火時期の計測を完了したときに放電用スイッチにトリガ信号を与える。このような制御を行う点火装置においては、パルス信号が前端エッジ検出パルスを発生してから後端エッジ検出パルスを発生するまでの角度(リラクタの極弧角)が点火時期の最大進角幅となる。すなわち、パルス信号発生器が前端エッジ検出パルスを発生するクランク角位置が機関の点火位置の最大進角位置になり、パルス信号発生器が後端エッジ検出パルスを発生するクランク角位置が最小進角位置(始動時の点火位置)となる。
一般に内燃機関においては、機関の始動時に行程変化に伴うクランク軸の回転速度変動が大きいため、機関の始動時に演算した点火時期を正確に検出することは困難である。そのため、この種の点火装置においては、パルス信号発生器がリラクタの後端側エッジを検出して後端エッジ検出パルスを発生するクランク角位置を機関の始動時の点火位置として適した位置に設定しておいて、機関の始動時には該後端エッジ検出パルスを機関の点火時期を定める信号として用い、該後端エッジ検出パルスが発生したときにコントローラから放電用スイッチにトリガ信号を与えるようにしている。
特許文献1に示された点火装置においては、内燃機関の逆転を防止する機能を持たせるために、エキサイタコイルが正の極性の半波の出力電圧を発生しているときにオン状態になってパルス信号発生器からコントローラに与えられるパルス信号を該コントローラから側路するパルス信号側路用スイッチを設けている。また同特許文献に示された点火装置では、機関の正回転時に後端エッジ検出パルス(始動時の点火時期を定めるパルス)がエキサイタコイルの出力電圧の負の半波の期間に発生し、機関の逆回転時に該後端エッジ検出パルスがエキサイタコイルの出力電圧の正の半波の期間に発生するように、エキサイタコイルの出力とパルス信号発生器の出力との位相関係が設定されている。
このように構成すると、機関の正回転時には、後端エッジ検出パルスがコントローラに支障なく入力されるため、機関の始動時に機関が正回転しているときには点火動作が支障なく行われ、機関の始動が支障なく行われる。これに対し、機関の始動時にピストンが上死点を越えることができずに押し戻されたとき(機関が逆回転しようとしたとき)には、パルス信号発生器が出力する後端エッジ検出パルスがパルス信号側路用スイッチを通してコントローラから側路されるため、コントローラは放電用スイッチにトリガ信号を与えることができなくなり、点火動作が停止させられる。
このように、特許文献1に示された点火装置では、機関が逆回転しようとしたときに点火動作を停止させることができるため、機関の始動時にピストンが上死点を越えることができずに押し戻されたときに、機関が逆回転するのを防ぐことができる。
また特許文献2に示されているように、機関と同期回転するロータに極弧角が異なる2つのリラクタを設けて、これらのリラクタのエッジを検出してパルスを発生させた場合に、一連のパルス相互間の間隔の長短の関係が機関の正回転時と逆回転時とで異なることを利用して機関の回転方向を判別して、機関の始動時に機関が正回転していると判別されたときにのみ点火動作を行わせることにより、機関の逆転を防止するようにしたものもある。
実公平3−11421号公報 特開平5−187347号公報
特許文献1に記載された点火装置によれば、機関の逆転を防止することができるが、同特許文献に示された点火装置では、エキサイタコイルの半波の期間にパルス信号発生器から前端エッジ検出パルス及び後端エッジ検出パルスを発生させていたため、前端エッジ検出パルスが発生してから後端エッジ検出パルスが発生するまでの角度を広くとることができず、点火位置の進角幅を広くとることができないという問題があった。
更に特許文献1に示された点火装置では、パルス信号発生器の出力をコントローラに入力して、該コントローラが後端エッジ検出パルスを検出したときに放電用スイッチにトリガ信号を与えるようにしていたため、機関の始動時にコントローラの電源が確立してからでないとトリガ信号を発生させることができなかった。そのため、機関の始動時に機関のクランキング速度を十分に高くすることができない場合には、点火動作を行わせることができず、機関の始動に失敗するという問題があった。
また特許文献2に示された点火装置では、機関の始動時にパルス信号発生器が出力する一連のパルスから機関の回転方向を判別して、機関が正回転していると判別された場合にのみ点火動作を行わせるようにしていたが、この点火装置によった場合には、機関が1回転しないと回転方向の判別を行うことができず、またバッテリが設けられていない場合には、マイクロコンピュータの電源が確立してからでないと回転方向の判別及び点火動作を行わせることができないため、特許文献1に示された点火装置と同様に機関の始動時に点火動作が開始されるのが遅れ、機関の始動性が悪くなるという問題があった。
本発明の目的は、機関の逆転を防止する機能を持たせて、しかも点火時期の進角幅を広くとることができるようにしたバッテリレスのコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、機関の始動時にコントローラの電源が確立する前の状態でも放電用スイッチにトリガ信号が与えられるようにして、機関の始動性を損なうことなく機関の逆転を防止する機能を持たせることができるようにしたバッテリレスのコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられたエキサイタコイルと、点火コイルの一次側に設けられてエキサイタコイルの一方の極性の半波の出力電圧により充電される点火用コンデンサと、トリガ信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチと、マイクロコンピュータを用いて放電用スイッチへのトリガ信号の供給を制御するコントローラと、エキサイタコイルを電源としてコントローラに与える電源電圧を出力する電源部とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を対象とする。
本発明においては、エキサイタコイルの出力電圧の一方の半サイクルの期間に相当する角度よりも大きい極弧角を有する主リラクタと該主リラクタよりも極弧角が小さい補助リラクタとを、内燃機関と同期回転する回転体に前記補助リラクタを主リラクタに対して前記内燃機関の正回転方向の前方側に位置をずらした状態で設けた信号発生用ロータと、主リラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の主パルス及び第2極性の主パルスを発生し、補助リラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の補助パルス及び第2極性の補助パルスを発生するパル信号発生器と、パルス信号発生器が出力する第1極性の主パルス及び補助パルスをマイクロコンピュータに入力する第1のパルス入力回路と、パルス信号発生器が出力する第2極性の主パルス及び補助パルスをマイクロコンピュータに入力する第2のパルス入力回路と、パルス信号発生器が第2極性のパルスを発生したときに電源部から放電用スイッチにトリガ信号を与える第1のトリガ信号供給回路と、オン状態にあるときに第1のトリガ信号供給回路から放電用スイッチに与えられるトリガ信号を該放電用スイッチから側路するように設けられていて、エキサイタコイルの出力電圧の波形と一定の位相関係をもってオン状態になる期間とオフ状態になる期間とを持つようにエキサイタコイルの出力により制御されるトリガ信号側路スイッチと、点火阻止指令が発生したときに第1のトリガ信号供給回路が放電用スイッチにトリガ信号を与えるのを阻止する点火阻止回路と、点火指令が発生したときに放電用スイッチにトリガ信号を与える第2のトリガ信号供給回路とが設けられる。
またコントローラに設けられるマイクロコンピュータは、第2極性の主パルスが発生するクランク角位置から第1極性の主パルスが発生するクランク角位置までの角度を最大進角幅として前記内燃機関の点火位置を演算して演算した点火位置が検出されたときに前記点火指令を発生し、パルス信号発生器が出力するパルス相互間の間隔に含まれる前記内燃機関の回転方向の情報から内燃機関が逆回転していることを検出したときに点火阻止指令を発生するようにプログラムされる。
そして、パルス信号発生器は、内燃機関が正回転しているときに第2極性の補助パルス及び第2極性の主パルスをそれぞれトリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間及びオフ状態になる期間に発生し、内燃機関が逆回転しているときには、第2極性の補助パルス及び第2極性の主パルスを共にトリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間に発生するように設けられている。
上記のように主リラクタと該主リラクタよりも極弧角が小さい補助リラクタとを設けて、パルス信号発生器がこれらのリラクタの両端のエッジを検出して極性が異なる対のパルス信号(前端エッジ検出パルス及び後端エッジ検出パルス)を発生するようにしておくと、機関の正回転時には、補助リラクタの両端のエッジで発生する対のパルスが狭い発生間隔をもって検出された後に、主リラクタの両端のエッジでそれぞれ発生する対のパルスが広い発生間隔を持って検出され、機関の逆回転時には、主リラクタの両端のエッジでそれぞれ発生する対のパルスが広い発生間隔を持って検出された後に補助リラクタの両端のエッジでそれぞれ発生する対のパルスが狭い発生間隔をもって検出されるため、各リラクタの前端エッジ及び後端エッジでそれぞれ発生する対のパルスの発生間隔を計測して、発生間隔が狭い対のパルスと発生間隔が広い対のパルスの何れが先に発生したかを見ることにより(パルス発生間隔の長短が検出される順序から)、機関の回転方向を判別することができる。
なお第1のトリガ信号供給回路は、第2極性の主パルスが与えられたときにオン状態になって電源部から放電用スイッチにトリガ信号を供給するスイッチ回路により構成できるため、マイクロコンピュータの電源が確立する前の状態でも該トリガ信号供給回路からトリガ信号を出力させることは容易にできる。
上記のように構成すると、機関の始動時には、パルス信号発生器が第2極性の主パルスを発生したときに第1のトリガ信号供給回路から放電用スイッチにトリガ信号が供給されるため、電源部の出力電圧がマイクロコンピュータを動作させる電圧に達する前の状態でも、第2極性の主パルスが発生すれば放電用スイッチにトリガ信号を供給することができる。従って、機関の始動時にクランキング速度が電源部の出力電圧を確立させる値まで上昇する前に(電源電圧がマイクロコンピュータを動作させる値に安定する前に)最初の点火動作を行わせて、機関の始動性を向上させることができる。
機関の回転速度が上昇し、電源部の出力電圧が確立した後は、マイクロコンピュータが回転方向を判定し、機関が逆転していると判定したときには、直ちに点火動作を停止させるため、機関の始動過程で外力の作用などにより機関が逆回転しようとしたときにその逆転を確実に防止することができる。
また本発明では、主リラクタの極弧角をエキサイタコイルの出力の半波の期間に相当する角度よりも大きく設定するので、第1極性の主パルスと第2極性の主パルスの発生間隔を広くして点火時期の進角幅を広くとることができ、機関の高速回転域での運転性能を高めるために点火時期の進角幅を広くすることが要求される場合にその要求に容易に応えることができる。
以上のように、本発明によれば、トリガ信号側路スイッチを動作させるために必要な信号の位相関係を損なうことなく、点火時期の最大進角幅を決めるパルスの発生間隔をエキサイタコイルの半波の期間よりも広くすることができるため、機関の逆転を防止する機能を持たせて、しかも点火時期の進角幅を広くとることができるバッテリレスのコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を得ることができる。
また本発明によれば、機関の始動時にコントローラの電源が確立する前の状態でも放電用スイッチにトリガ信号を与えることができるため、機関の始動性を向上させることができる。
図1は本発明の好ましい実施形態の構成を示した回路図で、同図において1は内燃機関により駆動される磁石式交流発電機である。発電機1は、機関のクランク軸に取りつけられたカップ状のフライホイール2の周壁部の内周に永久磁石(図示せず。)を取りつけて構成した磁石回転子と、機関のケース等に取りつけられた固定子とからなり、発電機1の固定子にはエキサイタコイルLe等の発電コイルが設けられている。エキサイタコイルLeには、図示の実線矢印方向の一方の極性の半波の電圧Ve1と、破線矢印方向の他方の半波の電圧Ve2とからなる交流電圧が機関の回転に同期して誘起する。以下一方の極性の半波の電圧Ve1を正の半波の電圧と呼び、他方の極性の半波の電圧Ve2を負の半波の電圧と呼ぶ。エキサイタコイルLeが出力する交流電圧の波形の一例を図4(A)に示した。
発電機1の磁石回転子のヨークを構成するフライホイール2の外周には、エキサイタコイルLeの出力電圧の一方の半サイクルの期間に相当する角度よりも大きい極弧角を有する主リラクタ2r1と、主リラクタ2r1よりも極弧角が小さい補助リラクタ2r2とが設けられている。これらのリラクタはフライホイールの周壁部の一部を径方向の外側に打ち出すことにより形成した突起からなっていて、補助リラクタ2r2が主リラクタ2r1に対して内燃機関の正回転方向(図示の矢印CL方向)の前方側に位置をずらした状態で設けられている。この例では、フライホイール2とリラクタ2r1及び2r2とにより信号発生用ロータが構成されている。本実施形態では、発電機1の回転子のヨーク(フライホイール)をリラクタを設ける回転体として用いているが、信号発生用ロータを構成する回転体は機関と同期回転するものであればよく、フライホイール2と別個の回転体にリラクタを形成することにより信号発生用ロータを構成してもよい。内燃機関が4サイクル機関である場合に、発電機1の回転子と別個に信号発生用ロータを設ける場合には、該ロータをカム軸に取りつけるようにしてもよい。
図1において3は、信号発生用ロータのリラクタに対向する磁極部を有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルLsと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えたパルス信号発生器で、このパルス信号発生器は、各リラクタの回転方向の両端のエッジを検出してその信号コイルLsから極性が異なるパルスを発生する。図示のパルス信号発生器3は、主リラクタ2r1の回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の主パルスPm1及び第2極性の主パルスPm2を発生し、補助リラクタ2r2の回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の補助パルスPa1及び第2極性の補助パルスPa2を発生する。ここでは、パルス信号発生器が発生する第1極性のパルスPm1,Pa1を負極性のパルスとし、第2極性のパルスPm2,Pa2を正極性のパルスとする。上記信号発生用ロータとパルス信号発生器3とにより、パルス信号発生装置が構成されている。内燃機関が正回転しているときにパルス信号発生器3が出力するパルスの波形を図2(B)に概略的に示した。
図1において4はコンデンサ放電式の点火回路で、この点火回路は、一端が共通接続された一次コイルw1及び二次コイルw2を有する点火コイルIGと、点火コイルIGの一次側に設けられてエキサイタコイルLeの一方の極性の半波の出力電圧により充電される点火用コンデンサCiと、トリガ信号Stが与えられたときに導通して点火用コンデンサCiに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとしてのサイリスタTh1とを備えている。
図示の例では、点火コイルの一次コイルw1の一端に点火用コンデンサCiの一端が接続され、該点火用コンデンサの他端と接地間にサイリスタTh1がそのカソードを接地側に向けて接続されている。点火用コンデンサCiの他端はまたカソードを該点火用コンデンサ側に向けたダイオードD1を通してエキサイタコイルLeの一端に接続され、点火用コンデンサCiの一端と接地間にカソードを接地側に向けたダイオードD2が接続されている。また点火コイルの二次コイルw2の他端は、図示しない機関の気筒に取りつけられた点火プラグPLの非接地側端子に接続されている。エキサイタコイルLeの一端と接地間及び他端と接地間にはそれぞれアノードを接地側に向けた電流帰還用ダイオードD3及びD4が接続されている。
また5はマイクロコンピュータを備えて、点火回路のサイリスタ(放電用スイッチ)Th1へのトリガ信号の供給を制御するコントローラ、6はエキサイタコイルLeを電源としてコントローラ5及び後記する各回路に与える電源電圧を出力する電源部、7はパルス信号発生器3が出力する負極性(第1極性)の主パルスPm1及び補助パルスPa1をコントローラのマイクロコンピュータのポートA1に入力する第1のパルス入力回路、8はパルス信号発生器3が出力する正極性(第2極性)の主パルスPm2及び補助パルスPa2をマイクロコンピュータのポートA2に入力する第2のパルス入力回路で、マイクロコンピュータはパルス信号発生器3から第1及び第2のパルス入力回路7及び8を通して入力される信号から機関の回転情報(回転方向、回転速度、クランク角度などの情報)を取得する。
コントローラ5に設けられるマイクロコンピュータは、正極性の主パルスPm2が発生するクランク角位置から負極性の主パルスPm1が発生するクランク角位置までの角度を最大進角幅として内燃機関の点火位置を演算して演算した点火位置が検出されたときにポートB1から点火指令を発生し、パルス信号発生器が出力するパルス相互間の間隔に含まれる前記内燃機関の回転方向の情報から内燃機関が逆回転していることを検出したときにポートB2から点火阻止指令を発生するようにプログラムされている。
また9はパルス信号発生器3が正極性のパルスを発生したときに電源部6からサイリスタ(放電用スイッチ)Th1にトリガ信号Stを与える第1のトリガ信号供給回路、10は、オン状態にあるときに第1のトリガ信号供給回路9からサイリスタTh1に与えられるトリガ信号を該サイリスタから側路するように設けられていて、エキサイタコイルの出力電圧の波形と一定の位相関係をもってオン状態になる期間とオフ状態になる期間とを持つようにエキサイタコイルの出力により制御されるトリガ信号側路スイッチ、11はマイクロコンピュータがポートB2から点火阻止指令を発生したときに第1のトリガ信号供給回路9がサイリスタTh1にトリガ信号を与えるのを阻止する点火阻止回路、12はマイクロコンピュータがポートB1から点火指令を発生したときにサイリスタTh1にトリガ信号を与える第2のトリガ信号供給回路である。
電源部6は、ダイオードD5と、コンデンサC1と、サイリスタTh2と、ツェナーダイオードZD1と、抵抗器R1ないしR3とを備えた電源回路6aと、電源回路6aから出力される直流電圧を入力として一定の直流電圧を出力するレギュレータ6bと、レギュレータ6bの出力端子間に接続された電源コンデンサC2とからなっている。電源回路6aにおいては、エキサイタコイルLeの負の半波の出力電圧Ve2によりダイオードD5とダイオードD3とを通してコンデンサC1が図示の極性に充電される。コンデンサC1の両端の電圧が設定値を超えると、ツェナーダイオードZD1が導通してサイリスタTh2にトリガ信号を与えるため、該サイリスタTh2が導通状態になってエキサイタコイルの負の半波の電圧を短絡し、コンデンサC1の充電を停止させる。従って、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧が設定値を超えているときには、コンデンサC1の両端に設定値に等しい電圧が得られる。レギュレータ6bはコンデンサC1の両端の電圧を入力として、電源コンデンサC2の両端にマイクロコンピュータを駆動するのに適した大きさの一定の直流電圧を生じさせる。この直流電圧は、マイクロコンピュータの電源端子t1,t2間に電源電圧として印加される。
第1のパルス入力回路7は、トランジスタTR1と、ダイオードD7と、コンデンサC3と、抵抗器R4ないしR7とからなっていて、パルス信号発生器3が負極性(第1極性)のパルスPa1,Pm1を発生したときにダイオードD6の両端に生じる順方向電圧降下によりトランジスタTR1のベースエミッタ間を逆バイアスして該トランジスタTR1をオン状態からオフ状態にすることにより、図2(C)に示すように、LレベルらHレベルに立ち上がるパルス信号Pa1´,Pm1´をマイクロコンピュータに入力する。
第2のパルス入力回路8は、トランジスタTR2と、ダイオードD8と、コンデンサC4と、抵抗器R8ないしR11とからなっていて、パルス信号発生器3が正極性(第2極性)のパルスPa2,Pm2を発生している間だけトランジスタTR2をオン状態にすることにより、マイクロコンピュータに図2(C)に示すようにHレベルからLレベルに立ち下がる波形のパルスPa2´,Pm2´を入力する。
第1のトリガ信号供給回路9は、トランジスタTR3と、ダイオードD9と、抵抗器R12及びR13とからなっていて、パルス信号発生器3が正極性のパルスを発生して、第2のパルス入力回路8のトランジスタTR1がオン状態になったときに、トランジスタTR3がオン状態になって、電源部6からトランジスタTR3のエミッタ及びコレクタを通してサイリスタ(放電用スイッチ)Th1にトリガ信号Stを与える。
トリガ信号側路スイッチ10は、エミッタが接地され、コレクタがダイオードD9を通してサイリスタTh1のゲートに接続されたNPNトランジスタTR4と、トランジスタTR4のベースエミッタ間及びベースと電源部6の出力端子間にそれぞれ接続された抵抗器R14及びR15と、トランジスタTR4のベースとエキサイタコイルLeの一端との間に接続されたダイオードD10とからなっている。このトリガ信号側路スイッチにおいては、エキサイタコイルLeが正の半波の出力電圧を発生しているとき、及びエキサイタコイルの負の半波において電源回路6aのサイリスタTh2がオン状態になるまでの間トランジスタTR4のベースエミッタ間の電圧Vbeが、図2(A)に示すようにHレベルに保たれるため、トランジスタTR4がオン状態になり、第1のトリガ信号供給回路9からサイリスタTh1に与えられるトリガ信号Stを該サイリスタから側路する。エキサイタコイルの出力電圧の負の半波の電圧が設定値を超えてサイリスタTh2がオン状態になると、エキサイタコイルLeがサイリスタTh2とダイオードD3とを通して短絡されるため、トランジスタTR4のベースエミッタ間の電圧VbeはLレベルに低下し、トランジスタTR4が遮断状態になる。トランジスタTR4が遮断状態にあるときには、第1のトリガ信号供給回路9から出力されるトリガ信号がトランジスタTR4を通して側路されることがないため、トリガ信号供給回路9から出力されるトリガ信号はサイリスタTh1に与えられる。
点火阻止回路11は、PNPトランジスタTR5と、抵抗器R16ないしR18とからなっていて、マイクロコンピュータがポートB2の電位をLレベルにして点火阻止指令を発生したときにトランジスタTR5をオン状態にすることにより、トランジスタTR3を強制的にオフ状態にして、第1のトリガ信号供給回路9がサイリスタTh1にトリガ信号を与えるのを阻止する。
第2のトリガ信号供給回路12は、トランジスタTR6と、ダイオードD11と、抵抗器R19ないしR22とからなっていて、マイクロコンピュータがポートB1の電位をLレベルにして該ポートB1から点火指令を発生したときにトランジスタTR6がオン状態になってサイリスタTh1にトリガ信号を与える。
パルス信号発生器は、内燃機関が正回転しているときに、負極性(第2極性)の補助パルス及び正極性(第2極性)の主パルスをそれぞれトリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間及びオフ状態になる期間に発生し、内燃機関が逆回転しているときには、負極性の補助パルス及び正極性の主パルスを共にトリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間に発生するように設けられている。
図1に示した点火装置において、上記のようにパルス信号発生器を設けるには、機関の正回転時に、図2(A),(B)に示したように、トリガ信号側路スイッチ9を構成するトランジスタTR3のベースエミッタ間の電圧VbeがHレベルにあるとき(トリガ信号側路スイッチが導通し得る状態にあるとき)及び該電圧VbeがLレベルにあるとき(トリガ信号側路スイッチが導通し得ない状態にあるとき)にそれぞれ正極性(第2極性)の補助パルスPa2及び正極性の主パルスPm2が発生し、機関の逆回転時には、図3(A),(B)に示したように、トリガ信号側路スイッチ9を構成するトランジスタTR3のベースエミッタ間の電圧VbeがHレベルにあるときに正極性(第2極性)の補助パルスPa2及び正極性の主パルスPm2が発生するように、パルス信号発生器の配設位置を設定する。
本実施形態では、図4(B)に示したように、補助リラクタの極弧角が17°、主リラクタの極弧角が60°に設定され、補助リラクタの回転方向の前端側エッジから主リラクタの回転方向の前端側エッジまでの角度が90°に設定されるとともに、機関の正回転時にエキサイタコイルの出力電圧が負の半波から正の半波に移行する際に生じる零点付近で負極性(第1極性)の補助パルスが発生するように、パルス信号発生器が設けられている。なお本実施形態では、発電機1の磁石回転子が8極に構成されていて、エキサイタコイルの出力電圧の半波の期間に相当するクランク角が45°になっている。
図1に示した点火装置において、機関を始動するため、機関のクランク軸を回転させると、エキサイタコイルLeが交流電圧を出力し、パルス信号発生器3がパルス信号を発生する。エキサイタコイルLeが正の半波の電圧Ve1を出力すると、エキサイタコイルLeからダイオードD1,D2及びD4を通して点火用コンデンサCiが図示の極性に充電される。
機関の始動時には最初発電機の出力電圧が電源部6の出力電圧の設定値Vccを超え期間が短いため、コンデンサC1の両端の電圧Vc1は、図2(E)に示したように、エキサイタコイルの負の半波の電圧により充電される間上昇して設定値Vccを超え、エキサイタコイルの負の半波の電圧のピークが過ぎて充電が停止すると所定の割合で低下していき、エキサイタコイルの次の負の半波の電圧により充電されると再度上昇していく波形を示す。
コンデンサC1の両端の電圧が設定値Vccよりも低くなっているときには、図2(F)に示すようにマイクロコンピュータのリセット信号ResがLレベルになるため、マイクロコンピュータはリセットされる。この状態ではマイクロコンピュータが演算を行うことができないため、マイクロコンピュータによる点火位置の制御は行われない。
機関が正回転しているときには、パルス信号発生器3がパルスPa1,Pa2,Pm1及びPm2を順次発生する。これらのパルスのうち、正極性のパルスPa2及びPm1が発生すると、第1のトリガ信号供給回路9のトランジスタTR3がオン状態になってトリガ信号Stを出力するが、図4に示したように、機関の正回転時に正極性の補助パルスPa2が発生したときには、トランジスタTR3のベースエミッタ間電圧VbeがHレベルにあって、該トランジスタが導通してトリガ信号供給回路から出力されるトリガ信号StをサイリスタTh1から側路するため、補助パルスPa2によってサイリスタTh1にトリガ信号が与えられることはない。
これに対し、正極性の主パルスPm2が発生して第1のトリガ信号供給回路9がトリガ信号Stを出力したときには、トランジスタTR3のベースエミッタ間電圧VbeがLレベルになっていて、該トランジスタTR3はオフ状態に保持されているため、正極性の主パルスPm2の発生時にトリガ信号供給回路9から出力されるトリガ信号St(図2G)はサイリスタTh1に与えられる。サイリスタTh1にトリガ信号が与えられると、該サイリスタTh1が導通状態になるため、点火用コンデンサCiに蓄積された電荷がサイリスタTh1と点火コイルの一次コイルw1とを通して放電する。これにより、点火コイルの一次コイルに急激に電流が流れ、その二次コイルに点火用高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じ、機関が点火される。
電源部6の出力電圧がマイクロコンピュータを動作させる電圧値Vcc(例えば5V)よりも低い状態にあるときでも第1のトリガ信号供給回路9を通してサイリスタTh1にトリガ信号を供給することができるように、トランジスタTR3を選定しておく。
上記のように、本発明においては、機関の始動操作を開始した後、マイクロコンピュータが起動する前の状態で、パルス信号発生器3の出力パルスにより第1のトリガ信号供給回路9を通してサイリスタTh1にトリガ信号を供給することができるため、始動操作を開始した後早期に(機関が1回転する前に)最初の点火を行わせて機関の始動性を向上させることができる。
機関の始動時にピストンが上死点を越えることができず、逆転しようとしたときには、図3に示したようにパルス信号発生器3が正極性のパルスPa2及びPm2を発生したときにトランジスタTR3のベースエミッタ間電圧VbeがHレベルにあって、該トランジスタがオン状態にあるため、パルスPa2及びPm2が発生したときにトリガ信号供給回路9を通して出力されるトリガ信号はすべてトランジスタTR3を通してサイリスタTh1から側路される。このように、機関の始動時に機関が逆転しようとしたときには、点火動作が行われないため、機関が逆転することはない。
機関の回転速度が低く、エキサイタコイルLeの出力電圧が低い間は、電源部6の出力電圧が設定値Vccを超える期間と設定値Vccを下回る期間とが生じ、電源電圧が設定値Vccを下回るとマイクロコンピュータのリセット信号Resが図2(F)に示すようにLレベルになる。このときマイクロコンピュータは、リセット信号ResがLレベルになっている期間リセットされた状態に保持されるため、演算を行うことができず、該マイクロコンピュータから点火指令を発生させることはできないが、前述のように、パルス信号発生器3が正極性の主パルスPm2を発生したときに第1のトリガ信号供給回路9を通してサイリスタTh1にトリガ信号が与えられて点火動作が行われるため、機関の始動は支障なく行われる。
機関が始動した後、エキサイタコイル1の出力電圧が十分に高くなると、電源部6が設定値Vccに等しい電圧を継続的に出力するようになるため、マイクロコンピュータはリセットされることがなくなり、正常な動作を開始する。本発明においては、トリガ信号側路スイッチ10が第1のトリガ信号供給回路9の出力側に設けられているため、パルス信号発生器3が出力するパルスが該トリガ信号側路回路によりマイクロコンピュータから側路されることはなく、パルス信号発生器が出力するパルスのすべてがマイクロコンピュータに入力される。
マイクロコンピュータは、パルス信号発生器3からパルス入力回路7及び8を通して入力されるパルスから得た機関の回転方向の情報を基に機関の回転方向を検出して、機関の回転方向が正方向であることを検出したときにポートB2の電位をHレベルにしてトランジスタTR5をオフ状態にし、パルス信号発生器3からパルス入力回路8とトリガ信号供給回路9とを通してサイリスタTh1にトリガ信号Stが与えられるのを許容する。マイクロコンピュータが起動した後に、何らかの原因により機関が逆転したときには、マイクロコンピュータがそのポートB2の電位をLレベルにして点火阻止回路11のトランジスタTR5をオン状態にするため、トリガ信号供給回路9のトランジスタTR3がオフ状態になり、サイリスタTh1へのトリガ信号Stの供給が阻止される。
なお図1に示したように、補助リラクタ及び主リラクタのそれぞれのエッジを検出して発生させたパルスから機関の回転方向を検出する手法は、例えば、特許文献2に示されているように既に公知であるので、その検出の手法についての詳細な説明は省略する。
マイクロコンピュータはまた、パルス信号発生器3から与えられるパルスから得た機関の回転速度等の回転情報に基づいて、負極性(第1極性)の主パルスPm1が発生してから正極性(第2極性)の主パルスPm2が発生するまでの角度を最大進角幅として、機関の点火位置(点火動作を行うクランク角位置)を演算する。この点火位置は、負極性の主パルスPm1が発生するタイミングから、点火位置に相当するタイミングまでの間に点火タイマに計測させる時間の形で演算される。
機関の回転速度Nが上昇して、進角回転速度N1に達すると、マイクロコンピュータは、ポートB2の電位をLレベルとして第1のトリガ信号供給回路9からサイリスタTh1にトリガ信号が与えられるのを禁止し、負極性の主パルスPm1が発生したときに点火位置を検出するために点火タイマに計測させる時間をセットして、その計測を開始させ、その計測が完了したときにポートB1の電位をLレベルにして第2のトリガ信号供給回路12のトランジスタTR6をオン状態にする。トランジスタTR6がオン状態になると、電源部6からトランジスタTR6と抵抗器R19とダイオードD11とを通してサイリスタTh1にトリガ信号が与えられるため、該サイリスタが導通して点火動作が行われる。マイクロコンピュータは、機関の回転速度が進角開始速度N1から進角終了速度N2(>N1)まで上昇する間機関の点火位置θiを回転速度の上昇に伴って例えば直線的に進角させ、回転速度が進角終了回転速度N2を超える領域では点火位置を最大進角位置θ2に固定する。このように点火位置を制御した場合、図6に示すような点火特性が得られる。
上記のように、本発明においては、点火位置の進角幅を決定する主リラクタの極弧角をエキサイタコイルの出力電圧の半波の期間に相当する角度よりも大きく設定するため、点火位置の最大進角幅を広くとることができる。
なお点火特性は図6に示したものに限られるものではなく、機関の形式や用途に応じて適宜の点火特性を持たせるように点火位置を制御することができる。
上記の実施形態では、単気筒の内燃機関を点火する場合を例にとったが2気筒以上の多気筒内燃機関を点火するコンデンサ放電式内燃機関用点火装置にも本発明を適用することができる。多気筒内燃機関用点火装置に本発明を適用する場合には、例えば、機関の各気筒毎に点火回路4を設けるとともに、パルス信号発生器3を機関の各気筒に対応させて(気筒数分)設けて、各気筒に対応するパルス信号発生器が出力するパルス信号に基づいて各気筒の点火回路を制御するようにすればよい。
本発明の一実施形態の構成を示した回路図である。 図1の点火装置において内燃機関が正回転しているときの各部の信号波形を機関のクランク角に対して示した波形図である。 図1の点火装置において内燃機関が逆回転したときの各部の信号波形を機関のクランク角に対して示した波形図である。 図1の点火装置において内燃機関が正回転しているときにエキサイタコイルが出力する電圧とパルス信号発生器が出力するパルスとの位相関係の一例を示した波形図である。 図1の点火装置において内燃機関が逆回転したときにエキサイタコイルが出力する電圧とパルス信号発生器が出力するパルスとの位相関係の一例を示した波形図である。 本発明の実施形態の点火装置により得られる点火特性の一例を示したグラフである。
符号の説明
1 交流発電機
2 フライホイール
2r1 主リラクタ
2r2 補助リラクタ
3 パルス信号発生器
4 点火回路
5 コントローラ
6 電源部
7 第1のパルス入力回路
8 第2のパルス入力回路
9 第1のトリガ信号供給回路
10 トリガ信号側路スイッチ
11 点火阻止回路
12 第2のトリガ信号供給回路

Claims (1)

  1. 内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられたエキサイタコイルと、点火コイルの一次側に設けられて前記エキサイタコイルの一方の極性の半波の出力電圧により充電される点火用コンデンサと、トリガ信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチと、マイクロコンピュータを用いて前記放電用スイッチへのトリガ信号の供給を制御するコントローラと、前記エキサイタコイルを電源として前記コントローラに与える電源電圧を出力する電源部とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記エキサイタコイルの出力電圧の一方の半サイクルの期間に相当する角度よりも大きい極弧角を有する主リラクタと前記主リラクタよりも極弧角が小さい補助リラクタとを、前記内燃機関と同期回転する回転体に前記補助リラクタを主リラクタに対して前記内燃機関の正回転方向の前方側に位置をずらした状態で設けてなる信号発生用ロータと、前記主リラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の主パルス及び第2極性の主パルスを発生し、前記補助リラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して第1極性の補助パルス及び第2極性の補助パルスを発生するパル信号発生器と、前記パルス信号発生器が出力する第1極性の主パルス及び補助パルスを前記マイクロコンピュータに入力する第1のパルス入力回路と、前記パルス信号発生器が出力する第2極性の主パルス及び補助パルスを前記マイクロコンピュータに入力する第2のパルス入力回路と、前記パルス信号発生器が前記第2極性のパルスを発生したときに前記電源部から前記放電用スイッチにトリガ信号を与える第1のトリガ信号供給回路と、オン状態にあるときに前記第1のトリガ信号供給回路から前記放電用スイッチに与えられるトリガ信号を該放電用スイッチから側路するように設けられていて、前記エキサイタコイルの出力電圧の波形と一定の位相関係をもってオン状態になる期間とオフ状態になる期間とを持つように前記エキサイタコイルの出力により制御されるトリガ信号側路スイッチと、点火阻止指令が発生したときに前記第1のトリガ信号供給回路が前記放電用スイッチにトリガ信号を与えるのを阻止する点火阻止回路と、点火指令が発生したときに前記放電用スイッチにトリガ信号を与える第2のトリガ信号供給回路とを具備し、
    前記マイクロコンピュータは、前記第2極性の主パルスが発生するクランク角位置から第1極性の主パルスが発生するクランク角位置までの角度を最大進角幅として前記内燃機関の点火位置を演算して演算した点火位置が検出されたときに前記点火指令を発生し、前記パルス信号発生器が出力するパルス相互間の間隔に含まれる前記内燃機関の回転方向の情報から前記内燃機関が逆回転していることを検出したときに点火阻止指令を発生するようにプログラムされ、
    前記パルス信号発生器は、前記内燃機関が正回転しているときに前記第2極性の補助パルス及び第2極性の主パルスをそれぞれ前記トリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間及びオフ状態になる期間に発生し、前記内燃機関が逆回転しているときには、前記第2極性の補助パルス及び第2極性の主パルスを共に前記トリガ信号側路スイッチがオン状態になる期間に発生するように設けられていることを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
JP2003296118A 2003-08-20 2003-08-20 コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP4337470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296118A JP4337470B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296118A JP4337470B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005061380A true JP2005061380A (ja) 2005-03-10
JP4337470B2 JP4337470B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=34372130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296118A Expired - Fee Related JP4337470B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4337470B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057834A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Keihin Corp 内燃機関制御装置
US8181637B2 (en) 2007-08-29 2012-05-22 Keihin Corporation Control apparatus for internal combustion engine
JP2012172613A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Shindengen Electric Mfg Co Ltd パルス信号検出回路、内燃機関の点火装置及びパルス信号検出方法
CN104703365A (zh) * 2015-03-31 2015-06-10 深圳市美吉星集成科技有限公司 Hed灯智能型电子触发器
CN105443294A (zh) * 2015-12-22 2016-03-30 绍兴锋龙电机有限公司 一种具有防反转功能的汽油机点火器
CN111535969A (zh) * 2020-04-26 2020-08-14 江门市大长江集团有限公司 点火器时间常数确定方法、装置及系统、计算机设备

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057834A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Keihin Corp 内燃機関制御装置
US8181637B2 (en) 2007-08-29 2012-05-22 Keihin Corporation Control apparatus for internal combustion engine
JP2012172613A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Shindengen Electric Mfg Co Ltd パルス信号検出回路、内燃機関の点火装置及びパルス信号検出方法
CN104703365A (zh) * 2015-03-31 2015-06-10 深圳市美吉星集成科技有限公司 Hed灯智能型电子触发器
CN105443294A (zh) * 2015-12-22 2016-03-30 绍兴锋龙电机有限公司 一种具有防反转功能的汽油机点火器
CN111535969A (zh) * 2020-04-26 2020-08-14 江门市大长江集团有限公司 点火器时间常数确定方法、装置及系统、计算机设备
CN111535969B (zh) * 2020-04-26 2021-10-22 江门市大长江集团有限公司 点火器时间常数确定方法、装置及系统、计算机设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP4337470B2 (ja) 2009-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8056536B2 (en) Ignition device for internal combustion engine
US7931014B2 (en) Kickback preventing circuit for engine
JP4915207B2 (ja) 内燃機関用点火装置
US7472688B2 (en) Ignition device for internal combustion engine
JP4577031B2 (ja) 内燃機関用点火装置
US6889677B2 (en) Capacitor discharge ignition device for internal combustion engine
JP4337470B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2001304034A (ja) 内燃機関制御装置
JP3832287B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3329165B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP4214828B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3149755B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP4337410B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2004176625A (ja) 内燃機関用点火装置
JP4063060B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2002339847A (ja) 内燃機関用点火装置
JP3985597B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3838058B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP4367230B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3252734B2 (ja) 内燃機関点火装置
JP2006046236A (ja) 内燃機関の回転方向判定方法及び装置
JP4011535B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3125563B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP4538831B2 (ja) 内燃機関用点火装置の下限速度域における点火動作制御方法と点火動作制御装置
JP3185686B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090622

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130710

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees