JP2005060895A - ステープルファイバー、その製造方法およびこれを用いた不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、(b)メルトフローレートが1〜200g/10分、(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5であり、(d)TREFによる溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めたT25とT75との差および密度dがT75−T25≦−670×d+644の関係を満足する(A)エチレン(共)重合体を含む樹脂材料からなるステープルファイバー、その製造方法およびその不織布。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、ポリプロピレンや高密度ポリエチレンは結晶性が高いため、および収縮性を発現させるには高延伸倍率となり付随してモジュラスが高くなる。これらから得られるステープルファイバーは硬く、柔軟性が不十分であった。
しかしながら、分岐状低密度ポリエチレンやチーグラー型触媒によって得られた線状低密度ポリエチレンは、結晶性が低いため、延伸性が低く、高収縮性のステープルファイバーを得にくいという問題を有していた。また、分岐状低密度ポリエチレンやチーグラー型触媒によって得られた線状低密度ポリエチレンは、比較的分子量分布が広く、低分子量成分を多く含んでいるため、得られるステープルファイバーにべたつきがあるという問題を有していた。
(a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、
(b)メルトフローレートが1〜200g/10分、
(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、
(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を満足すること
(式1) T75−T25≦−670×d+644
(e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式2)の関係を満足すること
(式2)d<0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧−300×d+285
d≧0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧0
(f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフローレート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係を満足すること
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
(h)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが一つであること
(i)融点ピークを1ないし複数個有し、かつそのうち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を満足すること
(式5) Tml≧150×d−19
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)を満足すること
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
また、前記樹脂材料中のハロゲン濃度は、10ppm以下であることが望ましい。
また、前記(B)他のオレフィン系重合体は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種であることが望ましい。
また、本発明の不織布は、上記ステープルファイバーからなる不織布である。
また、前記樹脂材料が、(A)エチレン(共)重合体100〜20質量%と、(B)他のオレフィン系重合体0〜80質量%とを含有しているので、柔軟性と、紡糸性および延伸性とのバランスが良好となる。
前記(A)エチレン(共)重合体は、エチレンを単独重合、もしくは、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合させることにより得られるものである。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、これらα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
ここで、エチレン(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/Mn)を算出することにより求めることができる。
(式1) T75−T25≦−670×d+644
T75−T25と密度dが上記(式1)の関係を満足しない場合には、柔軟性、紡糸性、延伸性、べとつき等に難点あるものとなる虞が生じる。
TREF分析によれば、極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
(式2)d<0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧−300×d+285
d≧0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧0
T75−T25と密度dが上記(式2)の関係を満足する場合には、柔軟性、耐熱性等のバランスのとれた繊維・不織布となる。
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
好ましくは、
d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<1.0
d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<7.4×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
の関係を満足しており、さらに好ましくは、
d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<0.5
d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<5.6×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
の関係を満足している。
TREFによる溶出温度−溶出量曲線のピークが一つである(A2)エチレン(共)重合体は、柔軟性、耐熱性のバランスのよいものが得られる。
(式5) Tml≧150×d−19
融点Tm1と密度dが上記(式5)の関係を満足することにより、耐熱性の優れたものとなる。
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)の関係を満足すること
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
MTとMFRが上記(式6)の関係を満足することにより、紡糸性等の成形性が良好なものとなる。
a1:一般式Me1R1 pR2 q(OR3)rX1 4-p-q-r で表される化合物(式中Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、R2 は、2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体、X1 はハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である)
a2:一般式Me2R4 m(OR5)nX2 z-m-n で表される化合物(式中Me2 は周期律表1、2、12、13族元素、R4 およびR5 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 は周期律表13族元素の場合に限る)を示し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)
a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物
a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物および/またはホウ素化合物
上記触媒成分a1の一般式Me1R1 pR2 q(OR3)rX1 4-p-q-r で表される化合物の式中、Me1 はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、ジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R1 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。R2 は、2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体を示す。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。p、qおよびrはそれぞれ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たすを整数である。
ALSiR4-L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
これらの配位子となる化合物は単独でもよいが、複数を組み合わせて用いてもよい。また、これらを配位子として有する錯体または触媒を複数組み合わせてもよい。
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
また、ボラン化合物の具体例としては、トリス(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられ、好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
該無機物担体および/または粒子状ポリマー担体(a5)とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体として好ましいものは金属酸化物(単独酸化物または複酸化物)である。
具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3等が挙げられる。これらの中でもSiO2およびAl2O3からなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
このような塩素等のハロゲンフリーのエチレン(共)重合体を用いることにより、従来のような酸中和剤(ハロゲン吸収剤)を使用する必要がなくなり、化学的安定性、衛生性に優れる、クリーンなステープルファイバーを提供することができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン・ブテン−1共重合ゴム等が挙げられる。
本発明のステープルファイバーは、(A)エチレン(共)重合体を含む樹脂材料を紡糸し、ついで延伸することによって得られるものである。
紡糸方法としては、溶融紡糸法、エマルジョン紡糸法など、公知の方法を用いることができる。また、延伸方法としては、乾式延伸、湿式延伸、冷延伸など、公知の方法を用いることができる。
溶融紡糸法の場合、溶融樹脂温度は、通常200〜300℃である。延伸倍率は通常2〜15倍、好ましくは2〜8倍である。必要に応じて、アニール処理を施すことができる。
本発明のステープルファイバーの単糸繊度は、通常は、1〜30デニール、好ましくは1〜20デニール、より好ましくは1〜10デニールである。
また、ステープルファイバーの製造方法にあっては、その材料として、紡糸性、延伸性に優れた(A)エチレン(共)重合体を含む樹脂材料を用いているので、柔軟性に優れ、べたつきがない、高収縮性のステープルファイバーを容易に得ることができる。
本実施例における試験方法は以下の通りである。
[密度]
JIS K6922−2に準拠した。
[MFR]
JIS K6922−2に準拠した。
[Mw/Mn]
GPC(ウォータース社製150C型)を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カラムはショウデックス HT806Mを使用した。
カラムを135℃に保った状態で、カラムに試料を注入して0.1℃/分で25℃まで降温し、ポリマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カラムを下記条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー濃度を赤外検出器で検出した。(溶媒:ODCB、流速:1ml/分、昇温速度:50℃/hr、検出器:赤外分光器(波長2925cm-1)、カラム:0.8cmφ×12cmL(ガラスビーズを充填)、試料濃度:0.05質量%)
[DSCによるTmlの測定]
厚さ0.2mmのシートを熱プレスで成形し、シートから約5mgの試料を打ち抜いた。この試料を230℃で10分保持後、2℃/分にて0℃まで冷却した。その後、再び10℃/分で170℃まで昇温し、現れた最高温ピークの頂点の温度を最高ピーク温度Tmlとした。
試料0.5gを20mlのODCBに加え、135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却した。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン(登録商標)製フィルターでろ過してろ液を採取した。赤外分光器により、試料溶液であるろ液におけるメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あらかじめ作成した検量線により、ろ液中の試料濃度を算出した。この値より、25℃におけるODCB可溶分量を求めた。
溶融させたポリマーを一定速度で延伸したときの応力をストレインゲージにて測定することにより決定した。測定試料は造粒してペレットにしたものを用い、東洋精機製作所製MT測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは穴径2.09mmφ、長さ8mmであり、測定条件は樹脂温度190℃、シリンダー下降速度20mm/分、巻取り速度15m/分である。
[ハロゲン濃度]
蛍光X線法により測定し、10ppm以上の塩素が検出された場合はこれをもって分析値とした。10ppmを下回った場合は、ダイアインスツルメンツ(株)製TOX−100型塩素・硫黄分析装置にて測定し、2ppm以下については、実質的に含まないものとし、ND(non−detect)とした。
(ドラフト比:到達d)
紡糸切れ発生時の引取速度(m/min)に対するノズル口金部の樹脂吐出速度(m/min)の比あり、紡糸切れ発生引取速度(m/min)における1ホール当たりの繊度(g/9000m)で表した。
(モジュラス)
上記引張条件下で2%伸度時の強度(g/d)を求め、伸度100%時の強度(g/d)に換算した初期引張抵抗度の値。
(収縮率)
暴露条件80℃×10minにおける初期試料長さに対する収縮長さの比率(%)。
(A不織布)
フィラメントを50mm長にカットしたステープルファイバーを、155mm×215mmの網状の型内に入れ質量2gを積層(60g/m2 )し、風速5.6m/sec、加熱温度130℃、加熱時間5secの条件のもと、エアースルー式で熱融着して不織布を作製した。この不織布の融着強度、風合い等の評価結果を表2に示した。
(融着強度:g/10mm巾)
上記不織布を試料巾10mmの短冊状テープを作成し、テンシロン試験機を用いて、つかみ間隔50m/m、引張速度50mm/min.で測定した。
(風合い等)
上記不織布を触感で評価した。
◎:さらっとした肌ざわり感に富み、かつソフトでボリュームがある。
○:肌ざわり感に富む。
△:ややベタツキ感がある。
×:糸抜け、またはベタツキ、あるいはゴワゴワ感があり硬い。
(A)エチレン(共)重合体は次の方法で重合した。
[(A1)エチレン(共)重合体]
(固体触媒の調製)
電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラエトキシジルコニウム(Zr(OEt)4 )22gおよびインデン75gおよびメチルブチルシクロペンタジエン88gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を3200ml添加し2時間撹拌した。次にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース社製、#952、表面積300m2 /g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒を得た。
連続式の流動床気相重合装置を用い、重合温度65℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触媒を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンおよび水素を所定のモル比に保つように供給して重合を行い、エチレン共重合体(A11)、(A12)、(A13)および(A14)を得た。その物性を表1に示した。
[市販のチーグラー系触媒による線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)、ホモポリプロピレン(PP)]
1)高密度ポリエチレン(略号HD−1)
密度:0.958g/cm3 、MFR:20g/10分、商品名:KL882H、日本ポリオレフイン(株)製。
2)線状低密度ポリエチレン(略号LL−1)
密度:0.925g/cm3 、MFR:20g/10分、商品名:AM83NA、日本ポリオレフイン(株)製。
3)ホモポリプロピレン(略号PP)
MFR:18g/10分(230℃、2.16kg)、密度:0.90g/cm3 、商品名:PL802C、サンアロマー株式会社製。
(B1)ホモポリプロピレン(略号PP)
MFR:18g/10分(230℃、2.16kg)、密度:0.90g/cm3 、商品名:PL802C、サンアロマー株式会社製。
エチレン共重合体(A11)95質量部および(B1)ホモポリプロピレン5質量部を、二軸押出機を用いて200℃の樹脂温度で溶融混練し、樹脂材料を得た。得られた樹脂材料を、特開平5−186908号公報に記載される装置に準拠しておこなった。すなわち溶融紡糸成形機を用い下記の条件で紡糸し、さらに下記の条件で延伸して、繊度180デニール/68フィラメントの連続繊維(マルチフィラメント)を得た。このフィラメントおよびこれから得られるステープルファイバーについて評価をした結果を表2に示す。
溶融紡糸成形機:40mmφ(L/D=24)、
ノズル径:1.0mmφ、
スピンブロック温度:260℃、
冷却風温度:20℃、
引き取り速度:100m/分、
延伸温度:100〜105℃、
延伸倍率:2〜5倍。
実施例1と同様にしてマルチフィラメント、ステープルファイバーおよび不織布を得た。これらについて評価した。結果を表2に示す。
また、実施例4にて得たステープルファイバーをバインダー材として、比較例1〜3で得られたステープルファイバーに50容積%混合し、上記と同条件にて不織布を得て、これをB不織布とした。このB不織布の融着強度、風合い等の評価結果を表3に示した。
Claims (10)
- 下記(a)から(d)の要件を満足する(A)エチレン(共)重合体100〜20質量%と、(B)他のオレフィン系重合体0〜80質量%とを含む樹脂材料からなり、単糸繊度が1〜30デニールであることを特徴とするステープルファイバー。
(a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、
(b)メルトフローレートが1〜200g/10分、
(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、
(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を満足すること
(式1) T75−T25≦−670×d+644 - 前記(A)エチレン(共)重合体が、さらに下記(e)の要件を満足することを特徴とする請求項1記載のステープルファイバー。
(e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式2)の関係を満足すること
(式2)d<0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧−300×d+285
d≧0.950g/cm3 のとき
T75−T25≧0 - 前記(A)エチレン(共)重合体が、さらに下記(f)および(g)の要件を満足する(A1)エチレン(共)重合体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のステープルファイバー。
(f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフローレート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係を満足すること
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること - 前記(A)エチレン(共)重合体が、さらに下記(h)および(i)の要件を満足する(A2)エチレン(共)重合体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のステープルファイバー。
(h)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが一つであること
(i)融点ピークを1ないし複数個有し、かつそのうち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を満足すること
(式5) Tml≧150×d−19 - 前記(A2)エチレン(共)重合体が、さらに下記(j)の要件を満足することを特徴とする請求項4記載のステープルファイバー。
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)を満足すること
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3 - 前記(A)エチレン(共)重合体が、少なくとも共役二重結合を持つ有機環状化合物と周期律表4族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下に製造されたものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のステープルファイバー。
- 前記樹脂材料中のハロゲン濃度が、10ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のステープルファイバー。
- (B)他のオレフィン系重合体が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のステープルファイバー。
- 下記(a)から(d)の要件を満足する(A)エチレン(共)重合体100〜20質量%と、(B)他のオレフィン系重合体0〜80質量%とを含む樹脂材料を紡糸し、所望により延伸して単糸繊度1〜30デニールとすることを特徴とするステープルファイバーの製造方法。
(a)密度が0.86〜0.97g/cm3 、
(b)メルトフローレートが1〜200g/10分、
(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、
(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を満足すること
(式1) T75−T25≦−670×d+644 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のステープルファイバーを用いてなる不織布。
Priority Applications (1)
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JP2003293461A JP2005060895A (ja) | 2003-08-14 | 2003-08-14 | ステープルファイバー、その製造方法およびこれを用いた不織布 |
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- 2003-08-14 JP JP2003293461A patent/JP2005060895A/ja active Pending
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