JP2005060695A - コーティング剤の製造方法及びそのコーティング剤を用いたコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材によって使い分ける必要がなく、誰にでも短時間で多種多様な基材にコーティングすることができ、また基材の塗装面あたりの塗布量が少なく、さらにコーティングされた基材に長期間に渡り光沢性,防汚性,抗菌性,耐候性を有する膜を形成できるコーティング剤の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のコーティング剤の製造方法は、アルコール等の有機溶媒と非イオン性界面活性剤とを混合し混合溶液を得る溶解工程と、酸化チタン,銀を含有する平均粒径が3〜20nmのコロイド粒子が分散した無機酸化物コロイド溶液と、精製水等の水と、混合溶液と、を混合する混合工程と、を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗装面やガラス、金属、合成樹脂等の基材にコーティングするコーティング剤の製造方法及びその製造方法で得られたコーティング剤を用いたコーティング方法に関するものである。
従来、合成樹脂,ガラス等の基材又は自動車等の車輌の表面に酸化チタンを含有するコーティング剤を用いてその光触媒反応による酸化還元作用を利用することにより抗菌性,脱臭性,防汚性を付与するあるいは酸化ケイ素等を含有するコーティング剤を用いてセラミックコーティングすることにより耐磨耗性,耐傷性を有するコーティング剤及びその製造方法あるいはコーティング方法の研究開発がなされている。
(特許文献1)には「酸化チタンの光触媒作用による合成樹脂等の基材の劣化を防止するために、光触媒である酸化チタンと、アンカー機能を持つアルコールと、界面活性剤と、分散機能を持つ乳酸と、イオン精製水とを成分とするトリートメントコート剤を基体に塗布して下地処理した後、100wt%酸化チタンを成分とする酸化チタンコート剤を塗布して自然乾燥させる酸化チタン膜形成方法」が開示されている。
(特許文献2)には「酸化チタン等の親水性金属酸化物とアルカリ珪酸塩等の親水性無機非晶質物質を含むアルカリ珪酸塩水溶液とからなるコーティング剤を耐熱性を有する基材の塗布面1mあたりの塗布量が50〜1000cmで2段階の被膜形成をし、更に無機物質表面における構造の安定化のために形成された被膜を80〜500℃加熱することによって得られる親水性部材、その製造方法、およびその製造のためのコーティング剤」が開示されている。
特開2000−203839号公報 特開2003−176425号公報
(1)(特許文献1)に記載の酸化チタン膜形成方法では、光触媒である酸化チタンと、アンカー機能を持つアルコールと、界面活性剤と、分散機能を持つ乳酸と、イオン精製水とを成分とするトリートメントコート剤を基体に塗布して下地処理した後、100wt%酸化チタンを成分とする酸化チタンコート剤を塗布して自然乾燥させるため、下地処理等の作業が煩雑で多大の作業工数、時間を要するという課題を有していた。
(2)(特許文献2)に記載のコーティング剤では、酸化チタン等の親水性金属酸化物とアルカリ珪酸塩等の親水性無機非晶質物質を含むアルカリ珪酸塩水溶液とからなるコーティング剤を耐熱性を有する基材に2段階の被膜形成を経てコーティングするため、基材にコーティングするための工数及び時間を要するという課題を有していた。また、コーティング剤の塗布面1mあたりの塗布量が50〜1000cmと多量のコーティング剤を要し塗布作業が煩雑で作業時間を要し、コストがかかるという課題を有していた。更に無機物質表面における構造の安定化のために形成された被膜を80〜500℃加熱するので、省エネルギー性が欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、施工技術が簡単で、マスキングが不用で基材によって使い分ける必要が無く基材表面に均一に被膜を形成でき、また基材の細孔を微粒子の無機酸化物で埋めることでコーティングが剥れたりすることなく長期間に渡り光沢性,防汚性,抗菌性,耐候性を与え、また、基材の塗装面あたりの塗布量が少なく誰にでも短い作業時間で多種多様な基材にコーティングすることができるコーティング剤の製造方法及びそのコーティング剤を用いたコーティング方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のコーティング剤の製造方法及びそのコーティング剤を用いたコーティング方法は以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の発明は、(a)アルコール等の有機溶媒と非イオン性界面活性剤とを混合し混合溶液(イ)を得る溶解工程と、(b)前記混合溶液(イ)と、酸化チタンと銀とを含有するコロイド粒子が分散した無機酸化物コロイド溶液(ロ)と、精製水等の水(ハ)と、を混合する混合工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)アルコール等の有機溶媒と非イオン性界面活性剤とを混合し混合溶液を得る溶解工程を有するので、混合溶液と無機酸化物コロイド溶液と水とを混合する際、無機酸化物コロイド溶液をゲル化することなく混合溶液中に分散させることができる。
(2)アルコール等の有機溶媒を有しているので、基材の表面張力を弱め基材に無機酸化物コロイドを均一に分散させることができ、また基材にコーティングした際、速乾性がある。
(3)無機酸化物コロイド溶液に分散したコロイド粒子が酸化チタンを含有しているので、基材にコーティングした際、基材表面に光沢性を与えるとともに光触媒作用により有機物を分解でき、防汚性,抗菌性,耐候性,光沢性に優れる。
(4)無機酸化物コロイド溶液に分散したコロイド粒子が銀を含有しているので、基材にコーティングし乾燥させた後は、基材表面に微細な酸化銀や金属銀の状態で存在し、これに水が作用すると銀イオンとして溶け出し基材表面の抗菌作用を高めることができる。
(5)無機酸化物コロイド溶液のコロイド粒子が銀と酸化チタンとを含有しているので、酸化チタンが紫外線吸収剤としても作用し、光化学反応等によって銀イオンが金属銀の凝集体を形成したり酸化するのを防止して変色を防止できる。
ここで、有機溶媒としては、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,ブタノール,ジアセトンアルコール,エチレングリコール等のアルコール類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。特にエタノールは基材を劣化させる影響が少なく安全性の面でも優れるので好適に用いられる。
また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエステル,ポリオキシアルキレンアルキルエステル,ポリアルキレングリコールアルキルエステル,ポリオキシアルキレン多価アルコールエステルなどが挙げられる。特にポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、分散性,耐熱性,耐酸性,耐アルカリ性に優れるので好適に用いられる。
水は、水に含有する有機物や金属イオンの影響を除去するために精製水が好適に用いられる。
さらに、コーティングする基材としては、合成樹脂等の有機材料,ガラス材,金属材,陶器,木材,繊維等が挙げられる。特に自動車や住宅,車輌,航空機等の車体や機体もしくは内外装や家庭電化製品の基材の劣化防止や防汚方法として好適に用いられる。また、ガラス製や合成樹脂製で形成されたレンズや光ディスク等の記録媒体に、埃が付着したり傷が付くのを防止する手段としても用いられる。また、金属製等の成形型の表面にコーティングして、ゴム製等の成形体の脱型をスムーズにするための離型剤としても好適に用いられる。
無機酸化物コロイド溶液としては、酸化チタンと抗菌性金属成分である銀とを含有したコロイド粒子が水等の溶媒に分散されたものが用いられる。銀は、酸化物や銀イオンの状態で無機酸化物コロイド溶液中に存在し、酸化チタンと混合物又は化合物の形でコロイド粒子を形成するか、あるいは、コロイド粒子の表面に結合している。
コロイド粒子としては、無機酸化物として単一のTiOのコロイド粒子、又は、他の無機酸化物と複合酸化物を形成したコロイド粒子、あるいはこれらの混合物を用いることができる。複合酸化物を形成したコロイド粒子としては、例えば、TiO・CeO、TiO・ZrO、TiO・SiO・Al、TiO・SiO・CeO、TiO・SiO・ZrO、TiO・SiO・Fe等を用いることができる。
無機酸化物コロイド溶液は、例えば、アルカリ金属,アンモニウム又は有機塩基の珪酸塩と、アルカリ可溶のチタン化合物と、銀のアンミン錯塩水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、銀を含有する酸化チタンのコロイド粒子を生成する方法で製造することができる。また、硫酸チタン水溶液にアンモニアを添加し中和して得られる含水チタン酸のゲル又はゾルに過酸化水素を加えてチタン酸水溶液を調製し、これに銀のアンミン錯塩水溶液とシリカゾル等のケイ素化合物及び/又はジルコニウム化合物とを混合し、加熱処理して製造することができる。また、負の電荷を有する酸化チタンのコロイド粒子が分散したコロイド溶液に銀のアンミン錯塩水溶液を添加した後、該コロイド溶液を加熱処理して製造することができる。なお、銀のアンミン錯塩水溶液は、酸化銀をアンモニア水に溶解して得ることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコーティング剤の製造方法であって、無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、酸化アルミニウムと酸化ケイ素とを含有した構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)無機酸化物コロイド溶液が酸化アルミニウムを含有しているので、基材にコーティングした際、酸化アルミニウムの親水作用により基材表面の吸着水層を強固に保持し親水性を高めることができる。この結果、基材表面に形成された膜に存在する酸化銀や金属銀に水が作用し易く、銀イオンとして溶け出し基材表面の抗菌作用を高めることができる。
(2)無機酸化物コロイド溶液が酸化ケイ素を含有しているので、基材にコーティングした際、基材表面の耐傷性,耐磨耗性を高めることができる。
ここで、酸化アルミニウムや酸化ケイ素は、単一又は複合酸化物のコロイド粒子、あるいはこれらの混合物として、無機酸化物コロイド溶液に含有される。
酸化アルミニウムや酸化ケイ素の単一のコロイド粒子としては、SiO、Al等が例示される。複合酸化物のコロイド粒子としては、TiO、SiO、Alの複合酸化物、あるいは他の無機酸化物との複合酸化物のコロイド粒子が用いられ、例えば、SiO・Al、SiO・B、SiO・P、SiO・ZrO、SiO・Al、TiO、SiO・TiO・CeO、TiO・SiO・ZrO、SiO・Al・MgO、SiO・Al・CaO、SiO・TiO・Fe等を挙げることができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のコーティング剤の製造方法であって、無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、前記酸化チタンを1〜3wt%、前記銀を酸化物換算で0.01〜0.2wt%含有している構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)酸化チタンを1〜3wt%含有しているので、酸化チタンの光触媒作用による有機物等の分解により、最適な防汚性,抗菌性,耐候性を得ることができる。
(2)銀を酸化物換算で0.01〜0.2wt%含有しているので、銀イオンの抗菌作用を最適にすることができる。
ここで、無機酸化物コロイド溶液に含有される酸化チタンが1wt%より少なくなるにつれ、光触媒作用の効果である防汚性,抗菌性,耐候性が低下する傾向があるので好ましくない。また3wt%より多くなってもその効果はほとんど変わらない傾向があり省資源性に欠けるので好ましくない。
また、無機酸化物コロイド溶液に含有される銀が酸化物換算で0.01wt%より少なくなるにつれ、抗菌効果が低下する傾向があるので好ましくない。また0.2wt%より多くなるにつれ基材に塗布されたコーティング剤中の銀成分が酸化して黒色化し、基材が変色したように見える傾向があるため好ましくない。
なお、水の含有量は全体が100wt%になるように調製される。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のコーティング剤の製造方法であって、前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、前記酸化アルミニウムを0.2〜0.6wt%、前記酸化ケイ素を0.5〜2wt%含有した構成を有している。
この構成により、請求項2又は3の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)酸化アルミニウムが0.2〜0.6wt%含有されているので、酸化アルミニウムの親水作用により基材表面の吸着水層を強固に保持し親水性を最適にすることができる。
(2)酸化ケイ素が0.5〜2wt%含有されているので、基材にコーティングした際、コーティング剤の定着性が向上し、基材表面の耐傷性と耐磨耗性を最適にすることができる。
ここで、無機酸化物コロイド溶液に含有される酸化アルミニウムが0.2wt%より少なくなるにつれ、基材表面の親水性を小さくする傾向にあるので好ましくない。また0.6wt%より多くなるにつれ、基材表面に水滴が接触した際、水滴が基材表面の吸着水層に保持され撥水性が低下し、汚れ等が基材に残る傾向があるので好ましくない。
また、無機酸化物コロイド溶液に含有される酸化ケイ素が0.5wt%より少なくなるにつれ、基材表面の耐傷性や耐磨耗性が低下する傾向にあるので好ましくない。また2wt%より多くなるにつれ、基材表面に水滴が接触した際、水滴が基材表面の吸着水層に保持され撥水性が低下し、汚れ等が基材に残る傾向があるので好ましくない。
なお、水の含有量は全体が100wt%になるように調製される。
本発明の請求項5に記載の発明は、前記溶解工程(a)において、前記有機溶媒100重量部に対し、前記非イオン性界面活性剤6〜17重量部を添加し混合する構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4のうちいずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)有機溶媒100重量部に対し、非イオン性界面活性剤6〜17重量部を添加し混合するので無機酸化物コロイド溶液を最適に分散する均一分散性を得ることができる。
(2)有機溶媒100重量部に対し、非イオン性界面活性剤6〜17重量部を添加し混合するので、基材にコーティングをする際、速乾性に優れるとともに無機酸化物微粒子が均一に分散した膜を基材表面に形成することができる。
ここで、有機溶媒100重量部に対し、非イオン性界面活性剤が6重量部より少なくなるにつれ、基材にコーティングをする際、基材表面での無機酸化物微粒子の均一分散性が悪くなる傾向があるので好ましくない。また非イオン性界面活性剤が17重量部より多くなるにつれ、基材にコーティングをした際、コーティング剤が乾燥し難くなるとともに、基材表面で乾燥した界面活性剤の影響で基材表面に埃などが付着し易くなる傾向があるので好ましくない。
本発明の請求項6に記載の発明は、前記混合工程(b)において、前記混合溶液(イ)2〜16wt%、前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)2〜22wt%、前記水(ハ)62〜96wt%を混合する構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5のうちいずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)混合溶液(イ)と無機酸化物コロイド溶液(ロ)と水(ハ)とが所定の割合で混合されているので、無機酸化物コロイド溶液をゲル化させることなく最適に均一に分散させることができる。
(2)また、コロイド粒子をコーティング剤に均一に分散するので、基材にコーティングをする際、無機酸化物微粒子が均一に分散された膜を基材表面に形成することができる。
ここで、混合溶液(イ)が2wt%より少なくなるにつれ、基材にコーティングをする際、無機酸化物微粒子の分散性が悪く均一な膜が得られ難くなる傾向があるので好ましくない。また16wt%より多くなるにつれ、有機溶媒と基材の種類にもよるが、有機溶媒の影響により基材表面を劣化させ易くなり、また混合溶液と無機酸化物コロイド溶液とを混合する際に白濁が生じ易くなる傾向があるので好ましくない。
また、無機酸化物コロイド溶液(ロ)が2wt%より少なくなるにつれ、一回の塗装作業で基材表面にコーティングされる無機酸化物微粒子の量が少ないため、所望する塗装効果を得るには複数回の塗装作業を行う必要があり、塗装回数が増え塗装作業性が低下する傾向があるので好ましくない。また22wt%より多くなるにつれ、コーティングされた基材表面に無機酸化物微粒子の斑が形成され易く、これが汚れのように見えたり光沢が低下したりする傾向がみられ、また斑になった無機酸化物粒子が剥れ易くなる傾向がみられるため好ましくない。
本発明の請求項7に記載の発明は、前記コロイド粒子の平均粒径が5〜20nmである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6のうちいずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)コロイド粒子の平均粒径が5〜20nmであるので、基材にコーティングをする際、コロイド粒子の無機酸化物微粒子を基材表面のキズ等の凹部細孔に埋めるように固着できる。
(2)また、塗着された無機酸化物微粒子がクーロン力等の物理的な作用により基材表面に固着しているので、各無機酸化物の作用による効果を長期間保持できる。
ここで、コロイド粒子の平均粒径が5nmより小さくなるにつれ、コロイド粒子が凝集し易く安定なコロイド溶液が得られ難い傾向があるので好ましくない。また20nmより大きくなるにつれ、基材にコーティングをする際、基材表面のかすり傷等の浅い凹部の細孔を埋めることが困難になるとともに、基材表面に無機酸化物微粒子の斑が形成され、無機酸化物微粒子が剥れ易くなる傾向があるので好ましくない。
また、酸化チタン,銀を含有するコロイド粒子の平均粒径は5〜10nmが好ましく、酸化アルミニウム,酸化ケイ素を含有するコロイド粒子の平均粒径は10〜20nmが好ましい。基材にコーティングすると基材表面の凹部は粒径の小さい粒子が埋まり、粒径の大きい粒子がその表面を被覆する状態となるので、基材表面では酸化アルミニウムの親水性の作用や酸化ケイ素の耐磨耗性,耐傷性作用による影響が大きくなりそれらの作用を向上させることができるからである。なお、酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化ケイ素が複合酸化物を形成したコロイド粒子の場合は、平均粒径が5〜20nmのものが用いられる。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤をスプレーガン等の噴射装置や布、スポンジのいずれか一つを用いて基材に塗布する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)コーティング剤をスプレーガン等の噴射装置を用いて基材に吹付け塗布するので、多種多様な基材に短時間で広範囲にコーティングすることができる。
(2)布やスポンジを用いて合成樹脂等の基材に直接塗布するので、多種多様な基材及び腕時計や携帯電話等の小物にも容易に短時間でコーティングすることができる。
ここで、噴射装置としてはハンドスプレー,スプレーガン等が挙げられる。スプレーガンは取扱性が良く、あらゆる基材(車体等)に短時間で広範囲にコーティング剤を噴射吹付け塗布できるので好適に用いられる。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤をスプレーガン等の噴射装置を用いて塗布する場合において、その噴射口の口径が0.1〜0.7mm、好ましくは0.2〜0.5mm、噴射圧が0.5〜3kg/m、好ましくは1〜2kg/mで基材から50〜100cmの距離から噴霧する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)噴射口の口径が0.1〜0.7mm、好ましくは0.2〜0.5mmであるので、基材あたりのコーティング剤を少ない量で効率良く噴霧でき、耐久性,耐候性に最適の塗膜を形成でき、作業性、省資源性に優れる。
(2)噴射圧が0.5〜3kg/m、好ましくは1〜2kg/mであるので、特別な塗布装置を必要とせず基材に損傷を与えることなく、誰にでも容易に塗布でき、作業時間を短縮できるので作業性に優れる。
(3)基材から50〜100cmの距離から噴霧するので、基材に斑無く効率的にコーティングすることができ、省資源性に優れる。
(4)コーティング剤を少ない量,低い噴射圧で噴霧するので、コーティング施工の際、周囲にコーティング剤を散乱することなく作業環境を汚染しない。
ここで、噴射装置としてスプレーガンを用いる際、その噴射口の口径は0.1〜0.7mm、好ましくは0.2〜0.5mmが好適に用いられる。口径が0.2mmより小さくなるにつれ、塗装の際の作業時間を要し作業性が低下する傾向がみられ、0.1mmより小さくなるとその傾向が著しくなるので好ましくない。口径が0.5mmより大きくなるにつれ、コーティング剤を噴霧する際、コーティング剤が霧状になり難いため、コーティング面に斑が発生し易くなるとともにコーティング施工の作業時間を要し作業性が低下する傾向がみられ、0.7mmより大きくなるとその傾向が著しくなるので好ましくない。
また、吹付け塗布する際の噴射圧は0.5〜3kg/m、好ましくは1〜2kg/mが好適に用いられる。噴射圧が1kg/mより小さくなるにつれ、噴霧するコーティング剤の分散性が悪化し塗装の際の作業時間を要し作業性が低下する傾向がみられ、0.5kg/mより小さくなるとその傾向が著しくなるので好ましくない。噴射圧が2kg/mより大きくなるにつれ、コーティング剤の噴出量が多くコーティングに必要以上の塗布量となり省資源に欠ける傾向がみられ、3kg/mより大きくなるとその傾向が著しくなるので好ましくない。
さらに、基材からの噴霧する距離は50〜100cmが好適に用いられる。50cmより短くなるにつれ、基材に無機酸化物微粒子の斑が形成され易くなり省資源性が低下するとともにコーティング施工範囲が小さくなるため作業時間を要し作業性が低下する傾向があるので好ましくない。100cmより長くなるにつれ、基材表面に均一なコーティング塗膜が形成され難くコーティング面に斑を発生し易くなる傾向があるので好ましくない。
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤の使用量が基材の塗布面1mあたり3〜10mLである構成を有している。
この構成により、請求項8又は9の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)コーティング剤の使用量が基材の塗布面1mあたり3〜10mLであるので、短時間に少量でコーティングすることができ作業性及び省資源性に優れる。
(2)また、コーティング剤の使用量が少量なので、コーティング剤の色により基材に変色させない。
ここで、コーティング剤の使用量が基材の塗布面1mあたり3mLより小さくなるにつれ、基材にコーティングする際、基材表面に均一な塗膜が形成され難い傾向があるので好ましくない。また10mLより大きくなるにつれ、基材にコーティングをする際、基材表面に無機酸化物微粒子の斑が形成され、コーティング剤の塗布量が多くなり省資源に欠ける傾向があるので好ましくない。
以上のように、本発明によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)アルコール等の有機溶媒と非イオン性界面活性剤とを混合し混合溶液を得る溶解工程を有するので、混合溶液と無機酸化物コロイド溶液と水とを混合する際、無機酸化物コロイド溶液をゲル化することなく混合溶液中への分散性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)アルコール等の有機溶媒を有しているので、基材の表面張力を弱め基材に無機酸化物を均一に分散させることができ、また基材にコーティングした際、速乾性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(3)無機酸化物コロイド溶液に分散したコロイド粒子が酸化チタンを含有しているので、基材にコーティングした際、基材表面に光沢性を与えるとともに光触媒作用により有機物を分解でき、防汚性,抗菌性,耐候性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(4)無機酸化物コロイド溶液に分散したコロイド粒子が銀を含有しているので、基材にコーティングし乾燥させた後は、基材表面に微細な酸化銀や金属銀の状態で存在し、銀イオンによる抗菌性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(5)無機酸化物コロイド溶液のコロイド粒子が銀と酸化チタンとを含有しているので、酸化チタンが紫外線吸収剤としても作用し、光化学反応等によって銀イオンが金属銀の凝集体を形成したり酸化するのを防止して変色を防止できるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)無機酸化物コロイド溶液が酸化アルミニウムを含有しているので、基材にコーティングした際、酸化アルミニウムの親水作用により基材表面の吸着水層を強固に保持し親水性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)無機酸化物コロイド溶液が酸化ケイ素を含有しているので、基材にコーティングした際、基材表面の耐傷性,耐磨耗性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)酸化チタンの光触媒作用による有機物等の分解により、最適な防汚性,抗菌性,耐候性を得ることができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)銀を酸化物換算で0.01〜0.2wt%含有しているので、銀イオンの抗菌作用を最適にすることができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加え、
(1)酸化アルミニウムの親水作用により基材表面の吸着水層を強固に保持し親水性を最適にすることができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)基材にコーティングした際、コーティング剤の定着性が向上し、基材表面の耐傷性と耐磨耗性を最適にすることができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちいずれか1項の効果に加え、
(1)有機溶媒100重量部に対し、非イオン性界面活性剤6〜17重量部を添加し混合するので無機酸化物コロイド溶液を最適に均一分散性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)基材にコーティングをする際、速乾性に優れるとともに無機酸化物微粒子が均一に分散した膜を基材表面に形成することができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5のうちいずれか1項の効果に加え、
(1)無機酸化物コロイド溶液をゲル化させることなく最適に均一に分散させることができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)また、コロイド粒子をコーティング剤に均一に分散するので、基材にコーティングをする際、無機酸化物微粒子が均一に分散された膜を基材表面に形成することができるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちいずれか1項の効果に加え、
(1)コロイド粒子の平均粒径が5〜20nmであるので、基材にコーティングをする際、コロイド粒子の無機酸化物微粒子を基材表面のキズ等の凹部細孔に埋めるように固着でき基材表面を平滑にして光沢性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができる。
(2)塗着された無機酸化物微粒子がクーロン力等の物理的な作用により基材表面に固着しているので、各無機酸化物の作用による効果を長期間保持できるコーティング剤の製造方法を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、
(1)多種多様な基材に短時間で広範囲にコーティングすることができ作業性に優れたコーティング方法を提供することができる。
(2)多種多様な基材及び腕時計や携帯電話等の小物にも容易に短時間でコーティングすることができ汎用性に優れたコーティング方法を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の効果に加え、
(1)基材あたりのコーティング剤を少ない量で効率良く噴霧でき、耐久性,耐候性に最適の塗膜を形成でき、作業性、省資源性に優れたコーティング方法を提供することができる。
(2)特別な塗布装置を必要とせず基材に損傷を与えることなく、誰にでも容易に塗布でき、作業時間を短縮できるので作業性に優れたコーティング方法を提供することができる。
(3)基材に斑無く効率的にコーティングすることができ、作業環境を汚染することなく作業性、省資源性に優れたコーティング方法を提供することができる。
(4)コーティング剤を少ない量,低い噴射圧で噴霧するので、コーティング施工の際、周囲にコーティング剤を散乱することなく作業環境を汚染しないコーティング方法を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項8又は9の効果に加え、
(1)短時間に少量でコーティングでき、作業性及び省資源性に優れたコーティング方法を提供することができる。
(2)また、コーティング剤の使用量が少量なので、コーティング剤の色により基材に変色等の影響を与えないコーティング方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
有機溶媒のエタノール23gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)1.4gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン2wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.1wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)140gと、精製水835.6gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例1のコーティング剤1000gを得た。
(実施例2)
有機溶媒のエタノール33gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン1.7wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.1wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)140gと、精製水824gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例2のコーティング剤1000gを得た。
(実施例3)
有機溶媒のエタノール35gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)、酸化アルミニウムで構成されたコロイド粒子(平均粒径13nm)、酸化ケイ素で構成されたコロイド粒子(平均粒径15nm)を酸化チタン2.5wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.1wt%、酸化アルミニウム0.2wt%、酸化ケイ素0.7wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)120gと、精製水842gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例3のコーティング剤1000gを得た。
(実施例4)
有機溶媒のエタノール44gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)4gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)、酸化アルミニウムで構成されたコロイド粒子(平均粒径13nm)、酸化ケイ素で構成されたコロイド粒子(平均粒径15nm)を酸化チタン1.3wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.1wt%、酸化アルミニウム0.5wt%、酸化ケイ素1.8wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)130gと、精製水822gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例4のコーティング剤1000gを得た。
(実施例5)
有機溶媒のイソプロパノール70gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)8gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン2.7wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.04wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)30gと、精製水892gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例5のコーティング剤1000gを得た。
(実施例6)
有機溶媒のエタノール90gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)12gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン2.0wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.16wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)200gと、精製水698gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例6のコーティング剤1000gを得た。
(実施例7)
有機溶媒のエタノール120gをビーカーに入れ、これに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)20gを添加し、常温で撹拌し溶解させ混合溶液を得た(溶解工程)。次に、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン1.4wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.07wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)100gと、精製水760gと、をビーカーで撹拌混合し、この混合液に前記混合溶液を加えて混合し(混合工程)、実施例7のコーティング剤1000gを得た。
(比較例1)
有機溶媒のエタノール935gに、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)65gを添加し、常温で撹拌し1000gの混合溶液を得た。これを比較例1のコーティング剤とした。
(比較例2)
有機溶媒のエタノール120gと、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12〜15,三洋化成工業株式会社製)20gと、銀成分を担持した酸化チタン微粒子で構成されたコロイド粒子(平均粒径7nm)を酸化チタン1.4wt%、銀成分を酸化物(酸化銀)換算で0.07wt%となるように溶液中に分散させた無機酸化物コロイド溶液(触媒化成製)100gと、精製水760gと、をビーカーに同時に投入し、常温で撹拌して比較例2のコーティング剤1000gを得た。
以上のようにして得られた実施例1乃至7、比較例1のコーティング剤における配合量を(表1)にまとめて示す。なお、表中、B/A×100は、有機溶媒(A)100重量部に対する非イオン性界面活性剤(B)の配合量(重量部)を示している。
Figure 2005060695
実施例1乃至実施例7の製造方法によって得られたコーティング剤は、有機溶剤としてエタノールやイソプロパノールを使用したことにより、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが完全に溶解した混合溶液を得ることができ、希釈された無機酸化物コロイド溶液に混合溶液を混合することで、無機酸化物コロイド粒子をゲル化することなく分散させることができた。また、エタノールやイソプロパノールが基材の表面張力を弱める効果を有するとともに安全性に優れ、基材を劣化させる等の影響も無い。
一方、比較例2の製造方法によって得られたコーティング剤は、一部がゲル化するとともに白濁が生じ、無機酸化物コロイド粒子の均一分散性に問題があった。
以上のことから、本発明のように溶解工程と混合工程の2段工程を採ることにより、混合溶液と無機酸化物コロイド溶液と水とを混合する際、無機酸化物コロイド溶液がゲル化することなく均一分散性に優れたコーティング剤の製造方法を提供することができることが明らかになった。
(比較試験1)
実施例1乃至7のコーティング剤、比較例1のコーティング剤をスプレーガンで自動車の車体塗装面のテストピースに各々吹付け塗布し乾燥させた。このときのコーティング剤使用量は塗布面1mあたり6mLであった。これらのコーティングを行ったテストピースと、コーティングを行っていない未処理の車体塗装面のテストピースについて、耐光試験,転落角測定試験,接触角測定試験を行った。
耐光試験は、JIS K 5600(第7部:塗料の長期耐久性、第5節:耐候性)に準じた方法で行った。JIS B 7751に規定する紫外線カーボンアーク灯式耐候性試験機を光源として、各テストピース(1条件につき10枚)に光を照射し、各テストピースの光照射前(0時間)、20時間後、40時間後の色差ΔE*を、測色色差計(日本電子工業製、SPECTRO COLOR METER SE2000)を用いて測定した。
転落角測定試験は、純水40μLを各テストピース(1条件につき10枚)に滴下し、接触角測定装置(協和界面科学製、接触角計CA−DT型)にて、滴下された水滴が移動(転落)を開始するテストピースの水平面との角度(転落角)を測定した。なお、各テストピース表面の試験温度は20±0.1℃であった。
接触角測定試験は、各テストピース(1条件につき10枚)に滴下した直径2mmの純水の水滴の接触角を接触角測定装置(協和界面科学製、接触角計CA−DT型)にて測定した。なお、各テストピース表面の試験温度は20±0.1℃であった。
その結果を(表2)に示す。なお、表中の数字は、テストピース10枚の平均値である。
Figure 2005060695
(表2)に示す耐光試験の結果から、実施例1乃至7のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、比較例1のコーティング剤でコーティングしたテストピース及び未処理のテストピースと比べてΔE*値が低いため、反射率が高く光沢性に優れることが明らかになった。また、40時間の耐候性試験経過後も値の変化が小さく、光沢が維持されており耐候性に優れていることが明らかになった。また、酸化アルミニウムと酸化ケイ素のコロイド粒子を含有する実施例3、4のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、メタリック調の風合いを出すことができた。
なお、実施例5、6のコーティング剤を用いて作成したテストピースのΔE*の値が、他の実施例に比べて相対的に高いのは、実施例5では無機酸化物コロイド溶液の混合量が少ないため、テストピース表面のかすり傷等の細かな凹部細孔に埋め込まれるコロイド粒子の数が少ないため、表面に傷等が残り反射率が乏しくなったと推察している。また、実施例6では無機酸化物コロイド溶液の混合量が多いため、コロイド粒子がテストピース表面で斑になり易く、この結果反射率が低下し光沢が他の実施例に比べ乏しくなったと推察している。
転落角測定試験の結果によると、実施例1乃至7のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、比較例1及び未処理のテストピースと比べて転落角が小さく、撥水性に優れることが明らかになった。
従って、本発明の方法で得られたコーティング剤を用いてコーティングすると水滴等がコーティング面から落下し易く、撥水性に優れ防汚性に優れることが明らかになった。特に、実施例3、4の酸化アルミニウムと酸化ケイ素のコロイド粒子を含有するコーティング剤でコーティングしたテストピースの転落角は、他の実施例と比べても小さく、自動車の塗装面では防汚性に優れることが明らかになった。
接触角測定試験の結果によると、実施例1乃至7のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、未処理のテストピースと比べて接触角が小さくなった。従って、本発明の方法で得られたコーティング剤を用いてコーティングすると親水性が高くなり、基材表面に水が作用し易くなるため、無機酸化物の光触媒作用や銀イオンによる抗菌作用を高めることができるので、防汚性,抗菌性,耐候性に優れることが明らかとなった。
さらに、上記の効果が塗布面1mあたりの塗布量が6mLと少量で得られることから、従来50mL以上必要であったコーティング剤量に比べると省資源性に優れることが確認された。また、塗布面に均一に分散した銀の超微粒子によって、基材の色沢をより鮮やかにみせることがわかった。
なお、実施例7のコーティング剤でコーティングされたテストピースは、他の実施例と比べて、問題のない程度ではあるが、テストピースの表面に埃がやや付着し易くなったと感じられた。界面活性剤の配合量が増えたことによる影響ではないかと推察している。
(比較試験2)
実施例2乃至3で得たコーティング剤をスプレーガンでアクリル樹脂製の板及びガラス板に吹付け塗布を行った。このときのコーティング剤使用量は、各々の基材の塗布面1mあたり6.5mLであった。これらのコーティングを行ったテストピースと、コーティングを行っていない未処理アクリル樹脂製の板及びガラス板のテストピースについて、転落角測定試験,接触角測定試験を行った。なお、試験方法は、比較試験1で説明したものと同様である。
試験結果を(表3)に示す。
Figure 2005060695
(表2)に示す転落角測定試験及び接触角測定試験の結果によると、実施例2乃至3のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、未処理テストピースと比べて転落角が小さく撥水性に優れることが明らかになった。また、実施例2乃至3のコーティング剤でコーティングしたテストピースは、未処理テストピースと比べて接触角が小さく、親水性に優れることが明らかになった。
従って、本発明の方法で得られたコーティング剤を用いてコーティングすると、アクリル樹脂製の板やガラス板においても、水滴等がコーティング面から落ち易く防汚性に優れるとともに、親水性が高くなり無機酸化物の光触媒作用や銀イオンによる抗菌作用を得ることができるので、防汚性,抗菌性,耐候性に優れることが明らかになった。
特に、ガラス板のように基材表面の凹部が浅いものは、実施例2のコーティング剤でコーティングされた場合に、転落角、接触角が著しく小さくなることがわかった。これは、酸化チタンのコロイド粒子の粒径が、酸化アルミニウムや酸化ケイ素のコロイド粒子の粒径より小さいため、コーティング後の基材表面の凹凸が、実施例3のコーティング剤でコーティングされた基材表面より小さくなり、基材表面に滴下された水滴の抵抗になり難いためであると考えられる。
さらに、アクリル樹脂製の板やガラス板等の基材に対しても上記の効果が塗布面1mあたりの塗布量が6.5mLと少量で得られることから、従来50mL以上必要であったコーティング剤量に比べると省資源性に優れることが明らかになった。
次に、本発明で得られたコーティング剤の抗菌性について評価した実験例について説明する。
(実験例1)
実施例1の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の酸化チタンの含有量が0.4wt%になるように調製した以外は、実施例1と同様にして、実験例1のコーティング剤1000gを得た。
(実験例2)
実施例1の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の銀成分が酸化物換算で0.004wt%になるように調製した以外は、実施例1と同様にして、実験例2のコーティング剤1000gを得た。
(抗菌性の評価)
実験例1、2のコーティング剤と実施例1のコーティング剤の各々を、大きさが10×10cmのガラス板にバーコーターを用いて12μmの厚さに塗布し、乾燥させ塗膜を形成した。緑膿菌及び大腸菌を生理食塩水中に懸濁させ、その30μLを上記塗膜を形成したガラス板の表面に滴下し、28℃で24時間放置後、生菌数を測定して死滅率を求めた。死滅率(%)は、((初期生菌数)−(24時間後の生菌数))÷初期生菌数×100の計算によって求めた。
死滅率は、実施例1では緑膿菌・大腸菌とも100%、実験例1では緑膿菌が98.2%、大腸菌が100%、実験例2では緑膿菌が79.2%、大腸菌が81.3%であった。以上の結果から、実施例1のコーティング剤は、抗菌性に優れていることが明らかになった。なお、無機酸化物コロイド溶液中の酸化チタンの量を1〜3wt%の範囲で変え、銀の量を酸化物換算で0.01〜0.2wt%の範囲で変えたコーティング剤を作成し抗菌性の評価を行ってみたところ、いずれも高い死滅率を示した。
また、実験例1、2のコーティング剤と実施例1のコーティング剤の各々を、家庭の浴室の壁面及び食肉工場の壁面に、スポンジで各々1×1mの範囲に塗布し乾燥させた後、3ヶ月間放置した。その間も浴室は通常通り使用し、食肉工場は稼働した。3ヶ月後、実験例1、実験例2のコーティング剤を塗布した壁面にはわずかにカビが発生したのに対し、実施例1のコーティング剤を塗布した壁面には、カビは発生しなかった。
無機酸化物コロイド溶液中の酸化チタンの量を1〜3wt%の範囲で変え、銀の量を酸化物換算で0.01〜0.2wt%の範囲で変えたコーティング剤を作成し、同様の評価を実施したが、同様の結果であった。以上の結果からも、本発明で製造されたコーティング剤は、抗菌性に優れていることが明らかである。
次に、本発明で得られたコーティング剤の酸化アルミニウムと酸化ケイ素の効果について評価した実験例について説明する。
(実験例3)
実施例3の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の酸化アルミニウムの含有量が0.1wt%になるように調製した以外は、実施例3と同様にして、実験例3のコーティング剤1000gを得た。
(実験例4)
実施例3の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の酸化アルミニウムの含有量が0.7wt%になるように調製した以外は、実施例3と同様にして、実験例4のコーティング剤1000gを得た。
(実験例5)
実施例3の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の酸化ケイ素の含有量が0.4wt%になるように調製した以外は、実施例3と同様にして、実験例5のコーティング剤1000gを得た。
(実験例6)
実施例3の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液の酸化ケイ素の含有量が2.5wt%になるように調製した以外は、実施例3と同様にして、実験例6のコーティング剤1000gを得た。
実験例3〜6のコーティング剤を、比較試験1と同様にスプレーガンで自動車の車体塗装面のテストピースに各々吹付け塗布を行い乾燥させ、各テストピースについて転落角測定試験,接触角測定試験を行った。
その結果、実験例3では、酸化アルミニウムが含有された効果を示さず、転落角・接触角とも実施例1や実施例2とほぼ同様の値であった。実験例4では、転落角が未処理(コーティングしていないテストピース)の値に近づき撥水性が低下した。実験例5では、コーティングされたテストピースの表面を乾いた布で強く擦ってみたところ、細かな傷が付いたようにみえ耐傷性が低下しているように思われた。実験例6では、実験例4では、転落角が未処理(コーティングしていないテストピース)の値に近づき撥水性が低下した。
なお、無機酸化物コロイド溶液中の酸化アルミニウムの量を0.2〜0.6wt%の範囲で変え、酸化ケイ素の量を0.5〜2wt%の範囲で変えたコーティング剤を作成し、同様の評価を行ってみたところ、いずれも適度の親水性と高い撥水性を示した。
次に、本発明で得られたコーティング剤の有機溶媒と非イオン性界面活性剤の配合量を評価した例について説明する。
(実験例7)
実施例1の配合のコーティング剤において、混合溶液の界面活性剤(B)を1g、有機溶媒(A)を23.4gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例7のコーティング剤1000gを得た。この場合のB/A×100の値は4.3であった。
(実験例8)
実施例1の配合のコーティング剤において、混合溶液の界面活性剤(B)を3.8g、有機溶媒(A)を20.6gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例7のコーティング剤1000gを得た。この場合のB/A×100の値は18.4であった。
実験例7、8のコーティング剤を、比較試験1と同様にスプレーガンで自動車の車体塗装面のテストピースに各々吹付け塗布を行い乾燥させた。
その結果、実験例7では、テストピースの表面の塗膜に斑がみられ、コロイド粒子の均一分散性が低下したと推察された。また、実施例1、実験例7、実験例8のコーティング剤を塗布したテストピースを屋外にしばらく放置したところ、実験例8のテストピースの表面に埃や塵が多く付着した。なお、混合溶液の有機溶媒100重量部に対し非イオン性界面活性剤6〜17重量部に変えたコーティング剤を作成したところ、いずれもコロイド粒子の分散性に優れ埃等も付着し難いことが確認された。
以上のことから、本実施例のコーティング剤によれば、コロイド粒子の均一分散性に優れ、さらに埃や塵等の付着も防止できることが明らかになった。
次に、本発明で得られたコーティング剤の混合溶液と無機酸化物コロイド溶液の配合量を評価した実験例について説明する。
(実験例9)
実施例1の配合のコーティング剤において、混合溶液の界面活性剤(B)を0.8g、有機溶媒(A)を13.2gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例9のコーティング剤1000gを得た。混合溶液の総量は14gになったが、B/A×100の値は、実施例1と同じ6.1であった。また、実施例1の配合より混合溶液の量が減った分は、精製水の量を増やして調整した。
(実験例10)
実施例1の配合のコーティング剤において、混合溶液の界面活性剤(B)を10g、有機溶媒(A)を160gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例10のコーティング剤1000gを得た。この場合のB/A×100の値は、実施例1とほぼ同じ6.3であった。また、実施例1の配合より混合溶液の量が増えた分は、精製水の量を減らして調整した。
(実験例11)
実施例1の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液を14gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例11のコーティング剤1000gを得た。なお、実施例1の配合より無機酸化物コロイド溶液の量が減った分は、精製水の量を増やして調整した。
(実験例12)
実施例1の配合のコーティング剤において、無機酸化物コロイド溶液を230gにした以外は、実施例1と同様にして、実験例11のコーティング剤1000gを得た。なお、実施例1の配合より無機酸化物コロイド溶液の量が減った分は、精製水の量を増やして調整した。
実験例9〜12のコーティング剤を、比較試験1と同様にスプレーガンで自動車の車体塗装面のテストピースに各々吹付け塗布を行い乾燥させた。
その結果、実験例9では、テストピースの表面の塗膜に斑がみられ、コロイド粒子の均一分散性が低下したと推察された。実験例10のコーティング剤では有機溶剤臭が強く作業性に欠ける問題があった。実験例11では、コーティングされたテストピースの表面のかすり傷が、実施例1のコーティング剤が塗布されたテストピースと比べ若干残っているようにみえ、測色式差計のΔE*の値も実施例1のテストピースと比べて、高い値が測定された。これは、実験例11のコーティング剤は、無機酸化物コロイド溶液の量が少ないため、かすり傷を埋める無機酸化物微粒子の量が不足したためであると推察している。
実験例12では、テストピースの表面の塗膜に斑がみられ、測色式差計のΔE*の値も実施例1のテストピースと比べて、高い値が測定された。これは、実験例12のコーティング剤は、無機酸化物コロイド溶液の量が多いため、無機酸化物微粒子が斑になり反射率が低下したものと推察している。
以上のことから、本実施例のコーティング剤によれば、無機酸化物微粒子の均一分散性に優れ、さらに光沢性にも優れていることが明らかになった。
本発明は、塗装面やガラス、金属、合成樹脂等の基材にコーティングするコーティング剤の製造方法及びその製造方法で得られたコーティング剤を用いたコーティング方法に関し、多種多様な基材に対してコーティングすることができるので、例えば自動車車体等いくつかの部材の組み合わせがあっても、マスキング等をすることなくそのままコーティングができ、長期間安定してコーティングの効果が得られるコーティング剤を容易に製造できるコーティング剤の製造方法を提供することができる。また、基材の塗布面あたりの塗布量が少なく容易に短時間でコーティング施工ができるので、経済性、作業性に優れたコーティング方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. (a)アルコール等の有機溶媒と非イオン性界面活性剤とを混合し混合溶液(イ)を得る溶解工程と、(b)前記混合溶液(イ)と、酸化チタンと銀とを含有するコロイド粒子が分散した無機酸化物コロイド溶液(ロ)と、精製水等の水(ハ)と、を混合する混合工程と、を備えていることを特徴とするコーティング剤の製造方法。
  2. 前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、酸化アルミニウムと酸化ケイ素とを含有していることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤の製造方法。
  3. 前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、前記酸化チタンを1〜3wt%、前記銀を酸化物換算で0.01〜0.2wt%含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング剤の製造方法。
  4. 前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)が、前記酸化アルミニウムを0.2〜0.6wt%、前記酸化ケイ素を0.5〜2wt%含有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のコーティング剤の製造方法。
  5. 前記溶解工程(a)において、前記有機溶媒100重量部に対し、前記非イオン性界面活性剤6〜17重量部を添加し混合することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項のコーティング剤の製造方法。
  6. 前記混合工程(b)において、前記混合溶液(イ)2〜16wt%、前記無機酸化物コロイド溶液(ロ)2〜22wt%、前記水(ハ)62〜96wt%を混合することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のコーティング剤の製造方法。
  7. 前記コロイド粒子の平均粒径が5〜20nmであることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のコーティング剤の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤をスプレーガン等の噴射装置や布,スポンジのいずれか一つを用いて基材に塗布することを特徴とするコーティング方法。
  9. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤をスプレーガン等の噴射装置を用いて塗布する場合において、その噴射口の口径が0.1〜0.7mm、好ましくは0.2〜0.5mm、噴射圧が0.5〜3kg/m、好ましくは1〜2kg/mで基材から50〜100cmの距離から噴霧することを特徴とする請求項8に記載のコーティング方法。
  10. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の製造方法で得られたコーティング剤の使用量が前記基材の塗布面1mあたり3〜10mLであることを特徴とする請求項8又は9に記載のコーティング方法。
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