JP2005060668A - 重合体被覆粒子粉末の製造方法及び、重合体被覆無機粒子 - Google Patents

重合体被覆粒子粉末の製造方法及び、重合体被覆無機粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】 スルホン酸基、アンモニウム基等の様々な官能基を有する機能性粒子粉体の、簡便かつ低コストな製造方法を提供する。
【解決手段】 核となる粒子粉体を攪拌しつつ、重合性単量体を噴霧等により接触させて該核粒子に重合性単量体を吸着させ、ついで重合性単量体を重合させる。重合性単量体として、スルホン酸基、アンモニウム基等の親水性の高い官能基を有する化合物を用いる場合には、表面処理等を行っていない粒子を、逆にスチレン等の疎水性の高い重合性単量体を用いる場合には環状シロキサン処理等により疎水化された粒子を用いると効率的に吸着が起こる。さらに、原料とした重合性単量体が目的の官能基を有していない場合には、イオン交換樹脂の製造方法に準じて官能基導入を行うなどすれば良い(例えば、スチレンを原料とした場合には、三酸化硫黄によりスルホン化できる)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、重合体により被覆された粒子からなる粉体の製造方法、及び該方法により得られる新規な重合体被覆無機酸化物粒子に関する。
シリカ等の無機酸化物粒子は、機械的強度に優れ、また化学的な安定性が高く、さらには安価に種々の形状や大きさのものが容易に入手可能な点で、液晶表示装置のスペーサー、半導体封止用樹脂や歯科用樹脂あるいは各種ゴム等の充填材、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のカラム充填材、フィルムのアンチブロッキング剤、トナー用外添剤等の様々な用途に用いられている。
無機酸化物粒子を使用する場合には、一般的には、用途や目的に応じ、無機酸化物シリカ系粒子の表面を様々な物質で被覆し、分散性や混和性を改良したり、あるいは機能性を付与したりすることが行われている。このような表面改質の代表的な手法としては、シランカップリング剤による表面処理がある。該シランカップリング剤としては、アルキル基、メルカプト基、アミノ基、第4級アンモニウム基、スルホン酸基、エポキシ基、メタアクリルオキシ基、ビニル基等の種々の官能基を持つものが提案されており(例えば、特許文献1、2参照)、多くのものが既に実用化されている。
他方、シランカップリング剤等のカップリング剤以外の処理により粒子に官能基を導入する方法も種々提案されている。例えば、無機酸化物粒子をSi−H基を有する環状シロキサンで被覆し、ついで、このSi−H基と、ビニル基を有する化合物とを白金触媒を用いて反応させることによって、ビニル基を有する化合物の持つ他の官能基が導入された粒子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
また種々の機能性を付与するために、無機酸化物粒子をビニル系の重合体で被覆して、機能性を付与する方法も種々提案されている。無機酸化物粒子をビニル系の重合体で被覆する方法としては、ビニル系の重合性単量体で被覆した後、該単量体を重合させる方法と、ビニル系重合体で直接被覆する方法に大別される。
例えば、ビニル系の重合性単量体を吸着させて粒子を被覆した後に、該単量体を重合させる方法としては、塗料等に用いる白色顔料用の粒子の製造方法として、コロイダルシリカ粒子を溶剤に分散させ、アクリル酸等のカルボン酸系のビニル系単量体で被覆、重合させ、さらにその上からメチルメタクリレート、スチレン等のビニル系単量体でさらに被覆、重合させた中空粒子が提案されている(例えば、特許文献5参照)。また、イオン交換液体クロマトグラフィー用の充填材粒子の製造方法として、溶液中に、マレイン酸等の不飽和カルボン酸と、該不飽和カルボン酸と共重合可能なポリビニル化合物(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジビニルベンゼン等)とシリカ粒子を加えて懸濁液を調整、濃縮、乾燥してシリカ表面に不飽和カルボン酸及びポリビニル化合物からなる皮膜を形成させ、さらに加熱により重合させて架橋型のイオン交換組成物を形成させる方法(例えば、特許文献6参照)、液晶表示装置のスペーサー用の被覆粒子の製造方法として、シリカ系粒子をビニル系のシランカップリング剤で処理し、ついで、これを極性溶剤中に分散させ、これに単官能ビニル系単量体を加え、これを重合させて非架橋型のビニル系重合体で被覆された粒子を得る方法(例えば、特許文献7参照)等が提案されている。
一方、重合体で直接被覆する方法としては、例えば、液晶表示装置のスペーサー用の被覆粒子の製造方法として、ビニル系の重合体を溶剤中に分散させ、これとシリカ系粒子とを混合して被覆する方法(例えば、特許文献8参照)、シリカ系粒子粉末と重合体粉末とをボールミル等で、湿式あるいは乾式で混合し、機械的応力により粒子表面に樹脂層を形成する方法(例えば、特許文献9、10)等が提案されている。
特開平6−199621号公報 特開平9−48610号公報 特開平10−267908号公報 特開平8−105874号公報 特開平3−281577号公報 特開平5−96184号公報 特開平10−226512号公報 特開平5−181144号公報 特開平9−80445号公報 特開昭63−94224号公報
シランカップリング剤は、その有するSi−X(Xはハロゲン原子、アルコキシ基等)が加水分解して生じるSi−OHが、無機酸化物粒子の表面に存在するM−OH基(Mは無機酸化物粒子を構成する金属元素)と反応することにより該粒子上に結合する。従って、シランカップリング剤の処理量は、被処理粒子の表面積及びM−OH基の量に大きく依存する。このため、無機酸化物粒子に種々の官能基を導入しようとしても、その量はさほど多くならないという問題がある。また、シランカップリング剤は無機酸化物粒子表面のM−OH基と完全に反応するわけではないため、過酷な条件下では加水分解等を起こしてしまう場合がある。
Si−H基を有する環状シロキサンで被覆した後、ビニル基を有する化合物と反応させる方法でも、導入可能な官能基の数に制限があり、さらには、該方法では用いた白金触媒の粒子からの除去が困難であるという問題を有す。
シリカ系粒子等の無機酸化物を溶剤中に分散させ、この分散液中でビニル系単量体を吸着・重合させる方法は、形成された被覆層は比較的均一なものにでき、またその厚みの制御も比較的容易なため、多量の官能基を導入できるという利点がある。しかしながら、この方法では、粒子表面以外で重合するビニル系単量体も少なくない。従って、ビニル系単量体のロスが多く、さらには、粒子表面以外で重合したビニル系単量体の重合体粒子が生じて混入してしまう場合がある。また、重合は溶剤中で行われるため、ビニル系単量体が溶剤を取り込んだ状態で重合しやすく、得られる重合体の被覆層が粗なものとなりやすい。さらに、イオン性基を有するビニル重合体で被覆した場合は、イオン反発によりその官能基密度を高めることが困難である。そしてさらに、架橋型の重合体被覆を得るためには、架橋剤を配合するなど、複数種の重合性単量体を用いる場合、これら単量体の粒子表面と溶剤に対する分配係数が異なることが多いため得られる重合体の組成比が仕込み値と異なる場合が多く、その制御にも労力を要する。特に、第4級アンモニウム塩基、スルホン酸基等の極めて親水性の高い官能基を有する架橋型重合体を得るために、これら官能基を有する重合性単量体と、架橋剤とを併用しても、架橋剤となる単量体は通常疎水性の化合物であるため、分配傾向が全く異なり、事実上、このような官能基を有する架橋型の重合体で被覆された粒子を得ることはできなかった。
予め重合させた重合体を被覆する方法では、重合体粒子の生成や仕込み値の問題が生じ難いが、溶剤へ溶解させるためには非架橋のものを用いる必要があり、架橋重合体を得るためには別途、複雑な操作が必要な場合が多く、さらには架橋度の調整もやはり困難である。他方、架橋型の重合体で直接被覆する方法では、強い機械的応力が必要であり、エネルギー的に不利であるのみならず、この応力付与の際に粒子が破砕する場合がある。
さらに、このような溶剤を用いる方法では、後工程として、ろ過、洗浄、乾燥等の工程を必要とし工業的に煩雑なだけでなく、これらの工程で粒子同士が、解砕することが困難なほど強く凝集してしまう場合が多い。
従って、厚みがあり、その密度も高い被覆層を容易に得られ、かつ、副生物も少なく、さらには、操作が簡単で工業的に製造の容易な方法の提供が求められていた。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、無機粒子を溶剤中に分散させることなく、むしろ乾式で行うことにより良好な重合体被膜を得られることを見出し、さらに検討を進めた結果、本発明を完成した。
即ち本発明は、粉体を攪拌下に重合性単量体と接触させて、該粉体を構成する粒子に該重合性単量体を吸着させる工程、及び、当該吸着した重合性単量体を重合させる工程を含むことを特徴とする重合体被覆粒子粉体の製造方法である。
また本発明は、従来の方法では製造が不可能であった重合体被覆無機酸化物粒子も提供する。
本発明の製造方法によれば、凝集体や副生物等が少なく、種々の官能基を有する粒子からなる粉体を簡便な操作で、かつ低コストで製造することができる。また、官能基を有する被覆層の厚さの制御も容易であり、シランカップリング剤により直接官能基を導入する方法よりも遥かに高濃度で官能基を有する粒子とすることができる。さらには、粒子を溶剤に分散させる方法では製造できなかった新たな粒子粉体も提供することが可能となる。
本発明の粉体の製造方法においては、核となる粒子が重合体によって被覆された構造の粒子からなる粉体が製造される。なお以下では、上記核となる粒子を核粒子と称し、該核粒子を重合体が被覆した粒子を被覆粒子と称す。また、粉体と称する場合は、これら粒子の集合体を意味する。
当該核粒子は特に限定されるものではなく、本発明の製造方法によって得られる被覆粒子粉体の用途等に応じて適宜選択すればよく、有機粒子でも無機粒子でも、あるいは有機−無機複合粒子でもよく、さらには、人工的に合成されたものでも、天然鉱物でもよい。
被覆層として存在する重合体(有機層)の物性と核粒子の物性の組み合わせにより様々な機能、物性を有する被覆粒子を得られる点で、核粒子としては無機粒子が好ましく、特に、粒子径、比表面積、細孔容積、形状等の異なる種々のものが容易に入手可能であり、また化学的安定性にも優れる点で、無機酸化物粒子が特に好ましい。
このような無機酸化物粒子としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ、鉛、鉄、亜鉛等の金属又は半金属の単独酸化物、もしくは複合酸化物が挙げられる。また、複合酸化物としては、さらにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属を含むものも好適である。これらのなかでも特に、科学的安定性に優れ、また容易に種々の性状のものが入手できる点で、ケイ素の単独酸化物、又はケイ素を構成元素として含む複合酸化物(以下、ケイ素系酸化物)が好ましい。
ケイ素系酸化物をより具体的に例示すると、石英、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカ類;シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−バリウムオキサイド、シリカ−アルミナ、シリカ−カルシア、シリカ−ストロンチウムオキサイド、シリカ−マグネシア、シリカ−チタニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−チタニア−カリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−ナトリウムオキサイド、シリカ−ジルコニア−カリウムオキサイド、シリカ−アルミナ−ナトリウムオキサイド、またはシリカ−アルミナ−カリウムオキサイド等の複合酸化物類;ケイ酸カルシウム、タルク、ゼオライト、モンモリロナイト等のケイ酸塩類が挙げられる。
核粒子の平均粒径や粒径分布は必要に応じて適宜選択すれば良く、特に制限されるものではない。各種樹脂、溶媒等への分散性等の観点から、その平均一次粒子径は0.005〜300μmであることが好ましく、0.005〜100μmであることがより好ましい。特に粒子を溶剤に分散させると凝集しやすく、本発明のほとんど凝集することがないとい効果を顕著に得られる点で0.005〜10μmの核粒子に対して本発明の製造方法は好適である。また核粒子の形状も特に制限されず、使用目的に合わせて適宜選択すればよく、球状、板状、層状、ウィスカー状あるいは不定形等、どのような形状の核粒子に対しても適用可能である。
本発明における最大の特徴は、上記核粒子を後述する重合性単量体と接触させるに際し、粉体の状態で行う点にある。重合性単量体と接触させるに際し、溶剤に分散させるなどして、懸濁液やペーストのような非粉体状態で行うと、被覆層の厚さや化学的組成の制御が困難となったり、用いる重合性単量体の種類(あるいは目的とする重合体の種類)によっては被覆層が得られない場合がある。さらには、後工程として溶剤からの粒子の分離が必要となるという問題も有する。
また、本発明においては上記核粒子を攪拌しつつ重合性単量体と接触させることも必須である。攪拌を行わないと、被覆層が不均一となってしまう。当該攪拌の方法は特に限定されるものではなく、粒子が該攪拌により浮遊する程度の状態を得られるのであれば、公知の如何なる方法でも良い。例えば、ヘンシェルミキサー等を用いて直接機械的に攪拌してもよいし、また高速気流を吹き込んで攪拌したり、外部から振動や揺動等を与える方法でも良い。直接機械的に攪拌する場合の攪拌速度は、核粒子の材質や形状、粒子径により一概には言えないが、一般的には、100〜3000rpm程度でよい。
本発明の製造方法においては、上記核粒子に重合性単量体を接触させて吸着させる。従来公知の方法と異なり、本発明では核粒子を溶剤中に分散させないため、用いる重合性単量体が溶剤に溶解したままで、ほとんど吸着しないという現象は生じないが、重合性単量体を効率良く吸着させるためには、重合性単量体の物性に応じて核粒子の表面を改質した方が好ましい場合がある。
具体的には、吸着させようとする重合性単量体(混合物である場合には、主成分である重合性単量体)が水酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基、アンモニウム基(及び存在する場合には対応する塩基)等の水中でイオン解離可能な親水性基(以下、単に親水性基とも称す)を有し、これにより水に対する溶解度が5質量%以上である化合物の場合には、一般に、核粒子として水/n−ヘキサン分散性向が水側にある粒子を用いることが好ましい。特にスルホン酸基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩基等の極めて解離しやすい強親水性基を有し、水に対する溶解度が5質量%以上かつn−ヘキサンに対する溶解度が5質量%以下の化合物である場合には、水/n−ヘキサン分散性向が水側にある粒子を用いることが、均一な重合体層を有する被覆粒子を得るために重要である。
一方、親水性基を有していないか、或いは有していても疎水性基の影響が大きなどの理由により、水に対する溶解度が5質量%未満の重合性単量体を吸着させようとする場合には、水/n−ヘキサン分散性向がヘキサン側にある粒子を用いることが好ましい。特にスチレン、(メタ)アクリル酸パーフロロアルキルエステル等の、水に対する溶解度が1質量%未満の重合性単量体を吸着させようとする場合には、水/n−ヘキサン分散性向がヘキサン側にあるのみならず、修飾疎水化度が40質量%以上(特に50〜90質量%)の粒子を核粒子とすることが好ましい。
なお上記水/n−ヘキサン分散性向は、ガラス製試験管等に水及びn−ヘキサンをほぼ等量入れ、そこへ少量の粒子粉体を加えてよく振とうして、粒子が水側とヘキサン側のどちらに分配しているかで判断できる。また、修飾疎水化度は、水−メタノールの比を変えた溶液に対する粒子粉体の浮遊割合を測定する方法によって求められる浮遊量が50%となるメタノール濃度である。
上記の核粒子と重合性単量体の親水性、疎水性物性の組み合わせは特に好ましい組み合わせを例示したに過ぎず、上記条件を満たさなければ吸着させることが不可能なことを示すわけではない。例えば、水に対する溶解度が5質量%以上でも、ヘキサンに対する溶解度がやはり5質量%程度以上ある重合性単量体(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)は、水/n−ヘキサン分散性向がヘキサン側、水側のどちらにある核粒子にでも吸着させることができる。
一般に、なんら表面処理等を行っていない無機酸化物粒子等の無機粒子は、水/n−ヘキサン分散性向が水側にある。このような無機粒子の分散性向をn−ヘキサン側にする方法は特に制限されず、公知の表面処理方法を採用すればよい。具体的には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、環状シロキサン、ヘキサアルキルジシラザン等により処理する方法が挙げられる。これらのなかでも、粒子の表面のシラノール基等の反応性基の量が少ない場合でも均一に処理され、また反応端が1〜2つしかないため、処理剤自体がゲル化して微小な粒子が混ざったり、該ゲル化によって生じる凝集塊が無機粒子表面に付着して不均一な表面となることもなく、さらに、反応性に富むため、効率よく処理された粒子となり、固定化されていない表面処理剤が溶出してくることなども少ない点で、環状シロキサン又はヘキサアルキルジシラザンにより処理することが好ましい。さらに、環状シロキサン又はヘキサアルキルジシラザンにより処理された粒子である場合には、シランカップリング剤のみで処理された粒子の場合よりも、本発明の製造方法で得られる被覆粒子の耐酸、耐アルカリ性に優れる傾向がある。
環状シロキサンのなかでも、ひずみが大きく開裂しやすいために、表面が均一に被覆された無機粒子を入手することが容易な点で、下記一般式
Figure 2005060668
(式中Rは炭素数1〜18の一価の炭化水素基、水素原子もしくは水酸基のいずれかであり、Meはメチル基であり、nは3から6の整数である)
で示される環状シロキサンで処理することが好ましい。
上記式において、Rは炭素数1〜18の炭化水素基である。当該炭化水素基は炭素数が1〜18であれば特に限定されず、公知の如何なる基でもよい。当該炭化水素基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分枝状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜6の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、オクタデシニル基等の炭素数2〜18のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、トリル基、スチリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18の置換又は非置換のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜9のアラルキル基等が挙げられる。
上記炭化水素基のなかでも、炭素数1〜3の直鎖アルキル基、フェニル基、フェネチル基又はビニル基が特に好ましい。また上記式においてnは3〜6であり、特に好ましくは3〜4である。
このような環状シロキサンを具体的に例示すると、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、トリメチルトリビニルシクロトリシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシクロトリシロキサン等が挙げられる。
また、ヘキサアルキルジシラザンで処理する場合には、下記一般式
Figure 2005060668
(上記式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、炭素数1〜18のアルキル基である。)
で示されるヘキサアルキルジシラザンが好ましい。上記式において、R〜Rとして示されるアルキル基としては、前記環状シロキサンにおけるRとして例示したものと同様の基が挙げられる。高い処理効率を得るためには、当該R〜Rとしては炭素数1〜3の直鎖アルキル基が好ましい。また、R〜Rは互いに異なっていても良いが、入手の容易さや表面処理効率の点からいずれも同一の基であることが好ましい。
特に好ましいヘキサアルキルジシラザンを具体的に例示すると、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピルジシラザン等が挙げられる。
上記環状シロキサン、ヘキサアルキルジシラザンは各々単独で用いてもよいし、異なる化合物を2種以上併用して表面処理を行っても良い。また、他の表面処理剤と併用しても構わない。
上記のような表面処理剤を用いて無機粒子を表面処理、疎水化する方法は、公知の手法に従えばよく特に限定されるものではないが、処理の際に凝集が起こり難く、また、溶剤除去等の手間が不要な点で、溶剤を用いない乾式処理による方法が好ましい。
例えば、ヘキサアルキルジシラザンによる処理を行う場合には、特許第2886037号公報、特許第2886105号公報等に記載の方法を採用すると好適である。該方法は、容器に無機粒子の粉末を導入し、容器を密閉して、200〜300℃程度の温度において、不活性ガスの雰囲気下、ヘキサメチルジシラザンを分圧25〜150kPa程度になるように導入し一定時間、好ましくは0.5〜2時間程度保持することにより行う。この時、容器内に水蒸気を分圧で30〜100kPa程度存在させ、さらには必要に応じてアンモニア等の塩基性ガスを分圧で10〜100kPa程度共存させる方法である。
また、環状シロキサンで処理する場合には、無機粒子の粉末を撹拌しつつ、そこへ液状あるいはガス状の環状シロキサンを加え、次いで、密閉された反応系で加熱する方法である。この方法をより具体的に述べると、まず、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、ヘンシェルミキサー等の高速撹拌装置で粒子を攪拌しつつ、そこへ環状シロキサン等を気体状もしくは液状で加え、密閉された反応系にて所定の温度まで加熱することにより製造できる。環状シロキサン等を粒子に加える方法は、液状あるいはガス状のいずれでもよく、さらに液状で加える場合には、滴下によっても良いし、噴霧によって加えても良い。均一に処理することが可能な点ではガス状で加えることが特に好ましい。上記加熱温度は、環状シロキサン等によって粒子表面が疎水化できる範囲であれば、特に制限されるものではないが、一般には、用いる環状シロキサンの沸点以上であることが好ましく、通常100〜300℃程度である。また、攪拌の際の攪拌速度等も特に限定されるものではなく、用いる攪拌装置等により一概には言えないが、一般的には、100〜3000rpm程度である。
このような乾式処理を採用することにより、無機粒子の表面処理工程における凝集を防止することができ、また必要に応じて、同じ反応容器内で重合体による被覆も可能となり、工業的に有利である。
本発明の製造方法では、上記のような疎水性或いは親水性の粒子に、重合性単量体を吸着させる。当該重合性単量体は目的とする被覆粒子に応じて適宜選択すればよく、特に制限されるものではないが、重合性に優れる点で、(メタ)アクリル基、スチリル基等のラジカル重合性の不飽和二重結合を有する重合性単量体(以下、ビニル系単量体)であることが好ましい。
当該ビニル系単量体を具体的に例示すると、以下のものが挙げられる。
1.イオン解離可能な親水性基を有さないビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルナフタレン等の単官能の芳香族ビニル系の単量体類;ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の多官能の芳香族ビニル化合物類等の芳香族ビニル系の単量体類。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリトリデシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、ジアセトンメタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリロレイン等の単官能の非フッ素系(メタ)アクリル系の単量体類。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリルアミド等の多官能の非フッ素系(メタ)アクリル系の単量体類。(メタ)アクリル酸トリフロロメチル、(メタ)アクリル酸ペンタフロロエチル、(メタ)アクリル酸パーフロロブチル、(メタ)アクリル酸パーフロロ2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸のパーフロロアルキルエステル類。酢酸ビニル、メチルビニルケトン、ビニルピロリドン、エチルビニルエーテル、ジビニルスルホン、フタル酸ジアリル等。
2.イオン解離可能な親水性基を有するビニル系単量体;スチレンスルホン酸及びその塩類、ビニルナフタレンスルホン酸及びその塩類、ビニルベンジルトリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の芳香族ビニル系の単量体類。(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類。(メタ)アクリル酸、マレイン酸、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル及びその塩類、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル及びその塩類、フタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類。(メタ)アクリルオキシエチルアシッドフォスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類。2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有する(メタ)アクリル系の単量体類及びこれらの塩類。(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリル系の単量体類。(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩等の第4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリル系の単量体類。ビニルホスホン酸等のホスホン酸基を有するビニル単量体及びこれらの塩類等。
本発明の製造方法においては、これら重合性単量体は、目的とする重合体被覆層に応じて単独で用いても、2種以上を併用してもよい。例えば、多官能の重合性単量体を全重合性単量体中、0.05〜100質量%用いることにより、溶剤に対して不要な架橋型の重合体を得られる。また主成分とする重合性単量体が常温、常圧下で固体の場合などには、該重合性単量体と共重合する液状の重合性単量体に溶解することも好ましい。
特に、重合性単量体の組み合わせとしては、(1)単官能の芳香族ビニル系の単量体、又は単官能の(メタ)アクリル系の単量体だけを用いる方法。これにより非架橋の重合体からなる被膜が生じる。
(2)親水性基を有さない単官能の芳香族ビニル系の単量体を主とし、多官能の単量体(好ましくは多官能の芳香族ビニル系の単量体)を全重合性単量体100質量部に対して、0.05〜40質量部(好ましくは0.1〜10質量部)の範囲で配合した重合性単量体混合物を用いる方法。(メタ)アクリル系の単量体を主として用いた場合よりも耐加水分解性などの化学的安定性に優れ、より過酷な条件でも剥離や分解の生じ難い重合体被覆層が得られる。また、この方法で得られた重合体は、後述するような手法で芳香族基にイオン解離可能な基などを導入することが容易なため、優れた化学的安定性を有し、かつイオン交換性などの機能性に優れた被覆粒子を得ることができる。
(3)親水性基を有する単官能の(メタ)アクリル系の単量体類を主とし、多官能の単量体(好ましくは多官能の(メタ)アクリル系の単量体類)を全重合性単量体100質量部に対して、0.05〜40(好ましくは0.1〜10質量部)の範囲で配合した重合性単量体混合物を用いる方法。(メタ)アクリル系の単量体類は、種々の官能基を有する化合物が工業的に安価に提供されており、このような官能基を有する重合体被覆層を有する被覆粒子の製造がより容易である。またこれにより、異なる官能基を特定の比率で有する重合体被覆層を調整することが容易であるなど、重合体層の化学構造の制御が容易である。さらには、単量体の状態で精製可能であり、官能基を導入する際に不本意な副反応が起きて不純物が混入するなどしても、該精製によってその除去が容易ある。
前記核粒子の粉体を攪拌しつつ、上記重合性単量体(若しくはその混合物)を、該核粒子と接触せしめる。重合性単量体はそれ単独で表面疎水化されたシリカ系粒子に加えても良いが、後述する重合工程を効率よく行うために、重合開始剤を加えた状態の混合物で加えることが好ましい。
用いる重合開始剤としては、用いる重合性単量体に応じて、公知の重合開始剤を適宜選択して用いればよく特に制限されることはないが、加熱により重合開始能を発現するものであることが操作がより簡便であり好ましい。例えば、重合性単量体としてビニル系単量体を採用した場合には、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物や、2,2,−アゾビスイソブチロニトリルや2,2,−アゾビス−(2,4,−ジメルバレロニトリル)等のアゾビス系重合開始剤等が好適な重合開始剤として挙げられる。これら重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.1〜20質量部、好適には0.5〜10質量部用いるのが一般的である。
また、必要に応じて、重合禁止剤や重合抑制剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤を配合したものを用いても良い。さらに、重合性単量体が固体である場合には、少量の溶剤を用いて液状のものとすることも可能である。
このような重合性単量体及び必要に応じて配合される任意成分の混合物(以下、重合性単量体混合物)を、核粒子と接触させる方法は特に制限されるものではないが、好ましくは、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、重合性単量体混合物を気体状もしくは液状で加える方法であり、より好ましくは、不活性雰囲気中で液状の重合性単量体混合物を噴霧して加える方法である。噴霧に際しては公知のスプレーノズル等が好適に使用できる。また添加速度も特に限定されず、他の種々の条件によって決定すれば良いが、一般的には、核粒子100g当たり1〜20ml/minである。これらを加える際の温度条件も特に制限されず、冷却下でも、加熱下でも良いが、あまりに高い温度では被覆前に単量体が重合してしまうため、一般には−10〜40℃程度が好ましい。また核粒子からなる粉体の攪拌条件は前記した通りである。
加える重合性単量体の量は特に制限されるものではなく、所望の被覆厚さにより適宜設定すればよい。用いる量が多いほど被覆量も多く(被覆厚さが厚く)なるが、あまりにも多いとバルク状の重合体となり、重合体中に核粒子が存在するかたちになってしまい、本発明の製造目的物である被覆粒子の粉体が得られない。さらに、重合性単量体混合物の使用量が多すぎる場合には、粒子同士の凝集が生じやすくなる傾向もある。一般的には、被覆層の平均厚さが、核粒子の直径の1/10以下、且つ1000nm以下となるように設定することが好ましい。このような厚さの被覆層とするために用いる重合性単量体の量は、核粒子の比表面積や粒子径等に依存し一概には言えないが、一般的には、粒子の比表面積1mあたり、2×10−4〜8×10−4gの重合性単量体を使用すれば、約1nm相当の厚さの被覆層が形成されるため、この値を元に粒径や比表面積に応じて適宜決定することができる。代表的な重合性単量体の使用量としては、核粒子1gあたり、0.001〜0.4gである。
また、前記したような溶剤、あるいは他の任意成分を加える場合に、この溶剤等の使用量も多すぎると粒子同士の凝集を生じやすくする。従って、加える重合性単量体、溶剤及びその他成分の全量を加えた時点でも、ペースト状や分散液の状態を形成しない、粉体の状態を維持する範囲内に収めることが好ましい。粒子同士の凝集を避けるために、一般的には、加える重合性単量体、溶剤及びその他成分の量を、核粒子からなる粉体の吸油量(重合性単量体、溶剤及びその他成分の混合物に対するもの)の3/4以下、より好ましくは1/2、さらに好ましくは1/3以下、特に好ましくは1/5以下、最も好ましくは1/10となるようにすればよい。
このようにして、重合性単量体(及びその他任意成分)を攪拌された状態の核粒子に加えることにより、この重合性単量体(及びその他任意成分)は、該核粒子に吸着される。本発明の製造方法では、ついで、該重合性単量体を重合させて重合体とし、核粒子が該重合体により被覆された状態の粒子からなる粉体とする。なお、本発明においてこの被覆とは、核粒子の最表面を覆った状態だけでなく、核粒子が重合性単量体の浸入可能な細孔を有している場合には、該細孔の壁面を覆った状態や、あるいは該細孔を埋めるように存在している状態、あるいはそれらが組み合わさった状態も含む。その理由は定かではないが、被覆前後の細孔容積の測定結果などから、本発明の製造方法によれば、重合性単量体は核粒子の有する20nm以下の細孔のうちのより径の小さい細孔内に優先的に吸着し、その後粒子全体を覆うように吸着すると思われる。即ち、核粒子が20nm以下の細孔を有する場合、始めは主に細孔内を充填するように重合性単量体が吸着し、その後、重合性単量体の量が増えると核粒子全体を覆うように吸着していく。従って、重合性単量体の使用量が少ない場合には、重合体が主に細孔内に存在する粒子からなる粉体が得られ、一方、重合性単量体の使用量を充分に多くすると粒子を核とし外殻が重合体からなる粒子表面が重合体により覆われた複合体粒子が得られる。
このようにして吸着した重合性単量体を重合させる方法としては、用いた重合性単量体の重合方法として公知の方法を採用すればよく、特に制限されるものではないが、好適な方法としては、加熱により重合を開始させる方法である。用いた重合性単量体がビニル系単量体である場合には、前記したような熱重合開始剤を用いることにより、より効率的に重合させることができる。また、当該加熱温度は、用いた重合性単量体及び重合開始剤の種類等により公知の条件を適宜設定すればよく、一般には40〜230℃、好ましくは50〜180℃程度である。
また、用いた重合性単量体がビニル系単量体である場合には、酸素による重合阻害を防止するため、これら操作は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応容器内の圧力は、特に制限されず、加圧でもよいし、常圧でもよいし、減圧でもよい。用いた重合性単量体の種類にもよるが、それらの中でも加圧が好ましい。加圧する際の圧力としては、一般的には0.01〜0.6MPa程度である。重合時間も上記したような他の条件に合わせて適宜設定すればよく、一般的には、30〜180分程度である。
上記のとおり本発明の製造方法は乾式法であるため、得られる被覆粒子はそのまま反応容器から取り出せばよく、溶剤を用いる湿式法のように得られた被覆粒子を溶剤から分離、乾燥させる必要がない。
このようにして得られる被覆粒子は、用いた重合性単量体の種類に応じて種々の物性を有したものとなる。例えば、(メタ)アクリル酸パーフロロエステルを主成分として用いた場合には、極めて優れた撥水性を有する被覆粒子とすることができる。また、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アンモニウム基等を有する重合性単量体を用いた場合には、これら官能基に由来する酸・塩基性、イオン交換性、抗菌性等を有す被覆粒子とすることができる。
一方、このような官能基を有さない重合性単量体を用いた場合には、必要に応じて上記のような官能基を導入することができる。このような官能基の導入による機能性付与として代表的には、前述したようなイオン解離可能な基の導入がある。このようなイオン解離可能な基の導入により上記のように、酸・塩基性、イオン交換性、抗菌性等を発現する。
導入されるイオン解離可能な基としては、公知のいかなるイオン解離可能な基でもその目的に応じ適宜選択すれば良く、具体的には、陽イオンを解離可能な基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、パーフルオロ3級アルコール性水酸基、ヒ酸基、セレン酸基及びこれらの塩等が挙げられ、陰イオンを解離可能な基としては、第4級又は第3級アンモニウム塩基、第3級アミン基、ピリジニウム塩基、イミダゾリウム塩基等が挙げられる。これらのなかでも、有用性が高く、また芳香族ビニル系の単量体の重合体への導入が簡単であるなど製造が容易な点で、スルホン酸基あるいはその塩、又は第4級あるいは第3級アンモニウム塩基であることが特に好ましい。
これらイオン解離可能な基の導入方法としては、例えば、イオン交換樹脂の製造方法におけるイオン交換性基の導入手法に準じて行うことができる。
例えばスチレン等の重合性単量体を用い、重合体がその構造中にベンゼン環等の芳香族炭化水素環を有する場合には、発煙硫酸、クロルスルホン酸、三酸化硫黄等と反応させる公知の方法でスルホン化等を行えばよい。メタクリル酸メチルの重合体等の酸エステル構造を持つ重合体である場合には、該エステルの加水分解を行えば酸基を導入することができる。また重合体がアミノ基を有す場合には、ハロゲン化アルキルと反応させて、或いはハロゲン化アルキル基を有す場合には、アミン化合物と反応させていずれもアンモニウム基を導入できる。さらには、エポキシ基を有す場合には、スルファニル酸、亜硫酸ナトリウム等を用いることによりスルホン化させてスルホン酸基を導入したり、あるいはアミン化合物と反応させることで、アンモニウム塩基を導入することができる。
また、その他公知の化学反応を応用して、種々のイオン交換性基を導入することが可能であるし、また、イオン交換性基以外の官能基を導入してもよい。なおこれらの官能基導入の際には、被覆している重合体が剥離等により喪失してしまわないよう、適宜その導入形態や反応条件を選択すべき必要がある。一般に、芳香族ビニル系の単量体の重合体は、エステル構造を有す(メタ)アクリレート系単量体に比して化学的に安定であり、種々の官能基の導入が容易である。
このような官能基の導入に際しては、得られる粒子の凝集を防止するため、溶剤を用いず、温度、圧力等の反応条件を適宜設定し、反応化剤をガス状で被覆粒子と接触させる方法を採用することが好ましい。例えば、上記イオン交換性基の導入において、スルホン酸基を導入する場合には、三酸化硫黄のガスと接触させる方法が好適に採用できる。同様にアンモニウム塩基を導入する場合には、用いるアミン化合物又はハロゲン化アルキルがガス状で被覆粒子と接触するよう、反応温度及び圧力等の条件を選択することが好ましい。
なおその用途にもよるが、芳香族ビニル系の単量体類を主として用いた重合体の方が、(メタ)アクリレート系単量体類を主として用いた重合体より高い化学的安定性を得られる点で好ましい。また一般的には、イオン解離可能な基を有する重合体である場合には架橋させた重合体であることが、高い耐水性を得られる点でより好ましい。
このような製造方法で得られるイオン解離可能な基を有する被覆粒子はイオン交換性を有する。即ち、イオン解離可能な基はイオン交換基として作用する。該イオン交換基の量は特に制限されるものではなく、その用途、目的に応じて適宜設定すれば良いが、一般的には、0.005〜4meq/g−被覆粒子、好ましくは0.1〜3meq/g−被覆粒子である。
上記本発明の製造方法によれば、従来公知の湿式法の応用では製造することができなかった、スルホン酸基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩基からなる群から選ばれる少なくとも何れか一つの基を有する重合体が無機粒子を被覆した、新規な被覆粒子が提供される。即ち、スルホン酸基、スルホン酸塩基あるいはアンモニウム塩基のような水溶液中でほぼ完全にイオン解離する基(強親水性基)を有する重合性単量体は、通常固体であり、また該基の影響によって強親水性であるため有機溶媒に対しては難溶である。従って、無機粒子(核粒子)を溶剤へ分散させ、これへ重合性単量体の吸着をさせようとした場合、溶剤としては水系のものが必要となる。ところが、このような強親水性基を有する重合性単量体を水系の溶剤に溶解してしまうと、該重合性単量体は溶剤に溶解した状態の方が安定なため無機粒子表面には吸着せず、よって被覆粒子を得ることができない。さらに、架橋剤となる多官能の重合性単量体を用いて、架橋型の重合体を得ようとした場合には、多官能の重合性単量体は一般的に新油性が高く、溶剤に対する溶解性向が強親水性基を有する重合性単量体と全く異なる場合が多いため、この点からも製造ができなかった。
本発明の製造方法によれば、粒子を溶剤に分散させる必要がないため、上記のような問題を生ずることなく、強親水性基を有する重合性単量体を無機粒子に吸着させることができ、これにより該基を有する重合体により被覆された被覆粒子を製造することが可能である。特に全重合性単量体中、架橋剤を1〜50質量%以上、好ましくは3〜30質量%用いた架橋型の重合体は各種溶剤に対する耐久性が良好であり、本発明の製造方法は極めて有用である。前記したようなイオン交換容量にして0.005〜4meq/g−被覆粒子、好ましくは0.1〜3meq/g−被覆粒子の強親水性基を有する被覆無機粒子は、核となっている無機粒子の機械的強度と、被覆層のイオン交換性を有する重合体層の双方の物性を併せ持つ優れた粒子であり、かつ、耐溶剤性にも優れるため、例えば、イオン交換クロマトグラフィー用の充填材、各種酸または塩基触媒反応の固相触媒、各種樹脂製品用の抗菌性充填材等として有用性が高い。
また、強親水性基を有するものに限らず、本発明の製造方法により得られる被覆粒子は、その有する重合体の種類に応じて、種々の用途に使用することができる。例えば高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等のクロマトグラフイー用の充填材;液晶のスペーサー;金属、セラミックス或いは樹脂に対するコーティング液あるいは塗料用の充填材;天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム類の充填材;樹脂成形品の充填材;歯科材料の充填材等の各種機能性充填材として、さらには化粧品、医薬品、トナー、紙質改質剤、吸着剤、水処理用、食品等の精製、触媒、バイオ及び化学プロセス用等に用いることができる。
なお上記用途例から理解されるように、本発明の製造方法は乾式で行うものであり、粉体の状態のものが得られるが、該粉体(を構成する被覆粒子)をその後、必要に応じて各種溶剤等に分散させるなどして用いることはなんら問題がない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.略称・略号:実施例及び比較例で用いた化合物の略称・略号は以下の通りである。
Figure 2005060668
2.水/n−ヘキサン分配性向
10mlの透明ガラス製サンプル瓶に水及びn−ヘキサンを各々3g入れた。そこへ評価する粒子粉体を0.6g入れ、手で激しく振った。その後、水相とn−ヘキサン相に分離するのを待ち、液の白濁状態を目視で評価した。水相(下層)が白濁している場合は、分配性向が水側、ヘキサン相(上層)が白濁している場合は、分配性向がヘキサン側にあるとした。
3.修飾疎水化度
容量110mlの透明ガラス製サンプル瓶に、粒子粉末0.5gとメタノール/水混合液100mlを入れ、シェーカーを用いて30分間撹拌し、1晩静置した後に沈降分と液部を吸引して浮遊分を残した。120℃で6時間乾燥し、浮遊分の重量を測定した。メタノール/水の比を変えて浮遊量を調べ、表面被覆シリカが50%浮遊するところのメタノール濃度を求めた。
4.平均粒子径A(平均一次粒子径)
走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは透過型電子顕微鏡(TEM)によって撮影した粒子に関し、それぞれ1000個以上2000個未満の画像を使って、高精細画像解析ソフトウェアIP−1000PC(旭エンジニアリング社製)で解析し、粒子の形状を球形に仮定し、一次粒子の平均粒子径を求めた。
5.平均粒子径B
粒子粉体をエタノールに分散して超音波をかけながら、光散乱回折式粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製:コールターLS230)により粒度分布を測定し、個数基準算術平均径D50の値を平均粒子径Bとした。
6.比表面積
比表面積測定装置(島津製作所製:フローソーブ2−2300型)を用いて、窒素ガスを吸着ガスとしBET法により求めた。
7.炭素量
粒子を被覆している炭素の量は、微量炭素分析装置(堀場製作所製EMIA−511型)を用い粒子粉体を酸素雰囲気中で1350℃に加熱して測定した。この測定により得られた炭素量を被覆粒子1g当たりに換算して示した。なお、被覆量測定のための前処理として、粒子粉末を80℃で加熱し、系内を減圧にすることによって表面の被覆に関与してない単量体及び空気中で吸着した水分等を除いた後、該粒子粉体の炭素含有量を求めた。
8.陽イオン交換容量測定
粒子粉体を、1mol/lのHCl水溶液中に分散させて10時間以上撹拌し、水素イオン型とした後、ろ過、水洗し、残渣を1mol/lのNaCl水溶液中に10時間以上撹拌してナトリウムイオン型に置換させた。続いて、ろ過して得られた溶液中に含まれる遊離した水素イオンを電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した(A:mol)。
続いて上記粒子を1mol/lのHCl水溶液中に分散させて4時間以上撹拌し、ろ過して得られた残渣をイオン交換水で十分水洗した後、60℃で5時間乾燥させその重量を測定した(W:g)。上記測定値に基づいて、陽イオン交換容量を下記式
*陽イオン交換容量=A×1000/W[mmol/g−乾燥重量]
により求めた。
9.陰イオン交換容量測定
粒子粉体を、1mol/lのHCl水溶液中に分散させて10時間以上撹拌し、塩素イオン型とした後、ろ過、水洗し、残渣を1mol/lのNaNO水溶液中に10時間以上撹拌して硝酸イオン型に置換させた。続いて、ろ過して得られた溶液中に含まれる遊離した塩素イオンを電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した(B:mol)。
続いて上記粒子を1mol/lのNaCl水溶液中に分散させて4時間以上撹拌し、ろ過して得られた残渣をイオン交換水で十分水洗した後、60℃で5時間乾燥させその重量を測定した(W:g)。上記測定値に基づいて、陰イオン交換容量を下記式
*陰イオン交換容量=B×1000/W[mmol/g−乾燥重量]
により求めた。
10.細孔容積
粒子粉体の細孔分布及び細孔容積は細孔分布測定装置(PoreMaster−60、QUANTACHROME社製)を用いて水銀圧入法より測定した。細孔容積は孔径で7−15nmにある細孔について算出した。
11.耐酸・耐アルカリ性試験
酸もしくはアルカリの耐久性試験は、500mlのフラスコ中に、表面被覆シリカ粒子10gを入れ、そこに1mol/lのHCl水溶液または1mol/lのNaOH水溶液300mlを加えて、50℃で48時間撹拌した。続いて、これをろ過、水洗して、十分な乾燥をおこなった後、炭素分析による炭素量から被覆安定性すなわち耐酸または耐アルカリ性を評価した。また、これら試験を行った粒子につきSEM又はTEM観察を行い、粒子の形状に変化が生じているか否かを確認した。
12.吸油量
粒子粉末10gに重合性単量体溶液を少量ずつ加え、練り合わせながら状態を観察し、ばらばらな分散した状態から一つのかたまりになるまでに加えた量を求めた。加えて重合性単量体溶液の量(g)を粒子粉末1gあたりに換算して求めた。
製造例1
熱分解法により製造された比表面積200m/g、平均粒子径A(平均一次粒子径)が0.016μm、平均粒子径B(平均二次粒子径)が0.07μmで表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製、商品名QS102;以下、これをQS102と称する)50gを内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら20gのD4を二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に均一に吹き付けた。窒素ガスを流通させたまま30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、275℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧し、未反応のD4を除去した。得られた粒子粉体(以下、QS102−D4と称す)の物性を表2に示す。
製造例2
50gのQS102を内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させ、20gのP4を二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に均一に吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、400℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま減圧し、未反応のP4を除去した。得られた粒子粉体(以下、QS102−P4と称する)の物性を表2に示す。
製造例3
特許第2886037号公報に記載の方法に従いQS102の表面をHMDSで処理した。即ち、50gのQS102を内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、ジメチルジクロロシランを0.2g/分、水蒸気を1.8g/分で、450℃に加熱された反応器中に窒素によって並流的に40分間気送した。処理後、未反応物や副生物は窒素でパージして乾燥した。ついで再度、窒素雰囲気に置換を行った後、反応温度200℃において、ヘキサメチルジシラザンを2g/分、水蒸気0.11g/分にて75分供給し疎水化処理を行った。反応後毎分40Lで窒素を30分間供給して脱アンモニアを行った。得られた粒子粉体(以下、QS102−HMDSと称する)の物性を表2に示す。
製造例4
50gのQS102をジューサーミキサーに入れ、浮遊状態になるように撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン(信越化学製)11gを二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け表面を均一に濡らした。その後、表面処理した粉末を1リットルセパラブルフラスコに移し、窒素気流下100℃で2時間加熱して、表面が上記アルコキシシラン化合物で処理されたシリカ粉末を得た。得られた粒子粉体(以下、QS102−TMSと称する)の物性を表2に示す。
製造例5
沈降法により製造された比表面積290m/g、平均粒子径Aが3.7μm、平均粒子径Bが5.4μmで表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製、商品名X37B;以下、これをX37Bと称する)を用いた以外は製造例1と同様にして環状シロキサン処理シリカ粒子の粉末を得た。得られた粒子粉体(以下、X37B−D4と称する)の物性を表2に示す。
製造例6
ゾル−ゲル法により製造された比表面積1m/g、平均粒子径Bが4.3μmで表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製、商品名LS−H043;以下、これをH043と称する)をHMDSにて処理した。即ち、50gのH043を内容積100mlのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら10gのHMDS及び1.5gの水を二流体ノズルにて霧状にしてシリカ粉末に均一に吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、200℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧し脱アンモニアを行った。得られた粒子粉体(以下、H043−HMDSと称す)の物性を表2に示す。
製造例7
熱溶融法により製造された比表面積2.2m/g、平均粒子径1が6.1μmで表面処理を行っていないシリカ粉末(トクヤマ社製、商品名エクセリカSE−5;以下、これをSE5と称する)50gを内容積500mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、環状シロキサンD4の20gを二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、275℃で1時間加熱した。続いて、加熱したまま減圧し、未反応の環状シロキサンを除去した。得られた粒子粉体(以下、SE5−D4と称する)の物性を表2に示す。
上記製造例1〜7で用いた原料粒子(粉体)、得られた粒子(粉体)、及び市販のシリカ粉末(トクヤマ社製、商品名エクセリカSH03;以下、これをSH03と称する)の各種物性を表2に示す。
Figure 2005060668
実施例1
50gのQS102−D4を、内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで内部ガス置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を800rpmで回転させ、クロロメチルスチレン8g、ジビニルベンゼン1g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5gの重合性単量体混合溶液を、約15秒かけて二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け、表面を濡らした。30分間撹拌した後、オートクレーブのコックを閉じて密閉し、20℃から80℃まで1時間かけて昇温し、同温度で1時間保持して単量体を重合させた。得られた粉末の物性を表3に示す。また、処理後の粒度分布パターンを、処理前の粒子(QS102−D4)のものと併せて図1に示す。なお上記重合性単量体混合溶液に対するQS102−D4の吸油量は3.3g/g−核粒子であった。
実施例2
QS102−D4に代えて、QS102−P4を用いた以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。
実施例3
QS102−D4に代えて、QS102−HMDSを用いた以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。なお上記重合性単量体混合溶液に対するQS102−HMDSの吸油量は3.1g/g−核粒子であった。
実施例4
QS102−D4に代えて、QS102−TMSを用いた以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。
実施例5
重合性単量体混合溶液の量をクロロメチルスチレン4g、ジビニルベンゼン0.5g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3gと少量にした以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。
実施例6
単量体重合のための80℃での保持時間を150分とした以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の物性を表3に示す。
実施例7
重合性単量体混合溶液をスチレン5g、ジビニルベンゼン0.6g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3gの混合溶液に代えた以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。なお該重合性単量体混合溶液に対するQS102−D4の吸油量は3.8g/g−核粒子であった。
実施例8
重合性単量体混合溶液をビニルピリジン5.5g、ジビニルベンゼン0.6g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3gの混合溶液に代えた以外は実施例1と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。
実施例9
重合性単量体混合溶液をパーフロロオクチルメタクリレート6.7g、ジビニルベンゼン0.2g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2gの混合溶液に代えた以外は実施例3と同様の処理操作を行った。得られた粉末の各種物性を表3に示す。なお該重合性単量体混合溶液に対するQS102−D4の吸油量は5g/g−核粒子であった。
Figure 2005060668
実施例10
実施例1で製造した被覆粒子50gを耐圧性ガラス容器に入れ、そこにトリメチルアミンガスを導入して系内のトリメチルアミンガス濃度を90%以上とし、さらに系内に窒素ガスを導入して0.3MPa程度に加圧して、密閉下にて撹拌しながら80℃で1時間加熱して四級アンモニウム化した。続いて、系中を減圧にして、未反応のトリメチルアミンガスを完全に除去し粉末を回収した。
実施例11〜15
被覆粒子を表4に示す各実施例で製造した粒子に変えた以外は、実施例10と同様の処理操作を行った。
実施例16
実施例7で製造した被覆粒子50gを耐圧性ポリテトラフルオロエチレン容器に移し、それに直結したフラスコ内へ固体の三酸化硫黄を入れ、気化した三酸化硫黄を窒素ガスで架橋性樹脂被覆シリカの入った容器に15分間送り込み、系内の三酸化硫黄ガス濃度を30vol%以上とし、さらに系内に窒素ガスを導入して、0.3MPa程度に加圧して、密閉下にて撹拌しながら80℃で1時間加熱してスルホン化した。続いて、系中を減圧にして、未反応の三酸化硫黄ガスを完全に除去し粉末を回収した。
上記実施例9〜16及び実施例8、9で得られた粒子粉末の比表面積、イオン交換容量、イオン交換基密度を評価した結果を表4に示す。
Figure 2005060668
比較例1
攪拌を行わなかった以外は実施例1と同様に操作を行った。処理操作終了後、容器から取り出したが、噴霧ノズルに近かった部分に脆いバルク体が生じていた。
比較例2
実施例1と同じ方法で製造した粒子粉末50gを、内容積3000mlのセパラブルフラスコに仕込み、メタノール800mlとエチレングリコール1500mlとの混合溶液に分散安定剤としてポリビニルピロリドン120gを溶解させた溶液に、表面処理したシリカを加え、撹拌した。この分散液に、2−2−アゾビスイソブチルニトリル10g、クロロメチルスチレン45g、ジビニルベンゼン56gを加え、60℃で8時間、加熱しながら重合を行った。続いて、デカンテーションにより分散液の上澄み液を除去し、シリカ粒子をろ過により回収し、ろ紙上でメタノールを繰り返し注ぎ、洗浄した。回収した粉末は、80℃の真空乾燥機で乾燥し重合体によって被覆された粒子粉末を得た。ついでこれを実施例9と同様の方法により処理した。物性を表4に示した。
実施例17
QS102−D4に代えてX37B−D4を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って重合体により被覆を行った。得られた粒子粉末の物性を表5に示す。
実施例18〜19
用いた重合性単量体混合用液の量を変えた以外は実施例17と同様にして重合体被覆を行った。重合性単量体溶液の量及び得られた粒子粉末の物性を表5に示す。また、核粒子(X37B−D4)及び実施例17で得られた粒子の結果と併せて細孔分布を図2に、粒度分布パターンを図3に示す。
Figure 2005060668
実施例20〜22
実施例17〜19で製造した粒子を用いて実施例10と同様の処理操作でトリメチルアミンと接触させ4級アンモニウム化を行った。得られた粒子の物性を表6に示す。
実施例23
重合時の温度を160℃に代えた以外は、実施例17と同様の処理操作を行い重合体被覆粒子を得た。ついで、実施例10と同様の処理操作でトリメチルアミンと接触させ4級アンモニウム基を導入した。得られた粒子の物性を表6に示す。
Figure 2005060668
実施例24
QS102−D4に代えてH043−HMDSを用い、重合性単量体混合用液として、1.25gのスチレン及び0.2gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを用いて実施例1と同様の操作を行って非架橋の重合体により被覆を行った。得られた粒子粉末の比表面積は1m/g、平均粒径Bは4.3μm、炭素量は0.0003g/g−被覆粒子であった。被覆前のSEM写真を図4、被覆後のSEM写真を図5として示す。
実施例25
QS102−D4に代えてSE5−D4を用い、重合性単量体混合用液としてスチレン1.3g、ジビニルベンゼン0.14g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.07gのものを用いた以外は実施例1と同様の操作を行って重合体により被覆を行った。得られた被覆粒子粉末の平均粒径1は6.163μm、炭素量は0.0004g/g−被覆粒子であった。ついでこの被覆粒子を用いて実施例16と同様の操作を行ってスルホン酸基を導入した。得られた粒子粉末の炭素量は0.0004g/g−被覆粒子、比表面積は1m/g、陽イオン交換容量は0.003mmol/g、イオン交換基密度は3.0×10−3mmol/mであった。
実施例26〜30
実施例10、11、13、15及び25で得た被覆粒子粉末の耐酸、耐アルカリ性を評価した。結果を表7に示す。
比較例3
50gのQS102をジューサーミキサーに入れ、浮遊状態になるように撹拌しながら、トリメトキシシリル−2−(p、m−クロロメチル)フェニルエタン(United Chemical Technologies製)23gをヘキサン5gに溶解させた溶液を二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け表面を濡らした。その後、1リットルセパラブルフラスコに移し、窒素気流下100℃で2時間加熱して、表面が上記アルコキシシラン化合物で処理された粉末を得た。ついでこれを実施例10と同様の処理操作でトリメチルアミンと接触させ4級アンモニウム化を行った。得られた粒子粉末の炭素量は0.061g/g−被覆粒子、陰イオン交換容量は0.38mmol/gであった。耐酸、耐アルカリ性の評価結果を表7に示す。
比較例4
50gのQS102をジューサーミキサーに入れ、浮遊状態になるように撹拌しながら、フェネチルトリメトキシシラン(アヅマックス製)20gをヘキサン5gに溶解させた溶液を二流体ノズルにて霧状にし、シリカ粉末に吹き付け表面を濡らした。その後、1リットルセパラブルフラスコに移し、窒素気流下100℃で2時間加熱して、表面が上記アルコキシシラン化合物で処理されたシリカ粉末を得た。ついでこれを実施例16と同様の処理操作で三酸化硫黄と接触させスルホン化を行った。得られた粒子粉末の炭素量は0.051g/g−被覆粒子、陽イオン交換容量は0.11mmol/gであった。耐酸、耐アルカリ性の評価結果を表7に示す。
Figure 2005060668
実施例31
50gのX37Bを、内容積2000mlのガラス製セパラブルフラスコに仕込んだ。内部を窒素ガスで置換した後、撹拌羽を800rpmで回転させつつ、6gのジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド塩、0.6gのエチレングリコールジメタクリレート、1.5gの水、2.6gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び0.2gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートからなる重合性単量体混合溶液を、約15秒かけて二流体ノズルにて霧状にして吹き付けた。30分間撹拌した後、20℃から90℃まで1時間かけて昇温し、同温度で1時間保持して単量体を重合させた。得られた粉末の物性を表8に示す。なお上記重合性単量体混合溶液に対するX37Bの吸油量は2.94g/g−核粒子であった。
実施例32
重合性単量体混合溶液の使用量を2倍にした以外は、実施例31と同様の処理操作を行った。得られた粉末の物性を表8に示す。
実施例33
重合性単量体混合溶液の使用量を半分にした以外は、実施例31と同様の処理操作を行った。得られた粉末の物性を表8に示す。
Figure 2005060668
実施例34
重合性単量体混合溶液を9.6gのジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド塩、1.2gのエチレングリコールジメタクリレート、2.4gの水、5.2gの2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び0.5gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートからなる溶液に変え、重合時の保持温度を80℃にした以外は実施例31と同様の処理操作を行った。ついでこれを100℃の熱水に浸漬し、1〜14日目にイオン交換容量を測定した。調製直後の各種物性、及び熱水浸漬後のイオン交換容量を表9及び図6に示す。
実施例35
重合体が非架橋型となるよう重合性単量体混合溶液にエチレングリコールジメタクリレートを配合しなかった以外は実施例34と同様の処理操作を行った。調製直後の各種物性、及び熱水浸漬後のイオン交換容量を表9及び図6に示す。
比較例5
シリカをシランカップリング剤で処理した陰イオン交換型の高速液体クロマトグラフィーから充填材を取り出し、これを用いて、調製直後及び熱水浸漬後のイオン交換容量を測定した。結果を表9及び図6に示す。
Figure 2005060668
実施例36〜42
核粒子と重合性単量体混合溶液組み合わせを表10に示すように変更した以外は実施例31と同様の処理操作を行った。得られた粉末の物性を表10に示す。なお、各々の核粒子と重合性単量体溶液の組み合わせにおける吸油量は、実施例36が2.75g、実施例37が2.75g、実施例38が3.1g、実施例39が3.3g、実施例41が0.20g、実施例42が0.35gであった。
Figure 2005060668
実施例1で被覆処理を行った粒子の、処理前後の粒度分布パターンを示す図。 製造例5で得られた粒子(X37B−D4)及び実施例17〜19で該粒子を核粒子として、重合性単量体の量を変更して被覆を行って得られた粒子の細孔分布を示す図。 製造例5で得られた粒子(X37B−D4)及び実施例17〜19で該粒子を核粒子として、重合性単量体の量を変更して被覆を行って得られた粒子の粒度分布を示す図。 製造例7で得られた粒子(H043−D4)の走査型電子顕微鏡写真。 実施例25で得られた粒子の操作型電子顕微鏡写真。 実施例34,35及び比較例5で製造した粒子のイオン交換容量の安定性を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 粉体を攪拌下に重合性単量体と接触させて、該粉体を構成する粒子に該重合性単量体を吸着させる工程、及び、当該吸着した重合性単量体を重合させる工程を含むことを特徴とする重合体被覆粒子粉体の製造方法。
  2. 粉体と重合性単量体とを接触させるに先立って、該粉体を構成する粒子を環状シロキサン及び/又はヘキサアルキルジシラザンによって表面処理することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 重合体被覆粒子粉体における重合体が親水性官能基を有する重合体である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 環状シロキサン及び/又はヘキサアルキルジシラザンにより表面処理された無機粒子の表面の少なくとも一部を、さらに重合体が被覆していることを特徴とする重合体被覆無機粒子。
  5. 無機粒子を、スルホン酸基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩基からなる群から選ばれる少なくとも何れか一つの基を有する重合体が被覆していることを特徴とする重合体被覆無機粒子。
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