JP2005060556A - 樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

樹脂組成物およびそれからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 生分解性樹脂と植物性繊維材料とを主体とした、色調と機械物性の両立した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 生分解性樹脂(A)50〜95質量%と、脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)50〜5質量%とからなる樹脂組成物。好ましくは、生分解性樹脂(A)は、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、およびこれらの共重合体などのポリエステル樹脂であり、また、脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)は、ケナフ、木粉、古紙などから選ばれるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂と、脱リグニン処理を施された植物性繊維材料とからなる、色調に優れた樹脂組成物に関するものである。
一般的に、成形用の原料としてはポリプロピレン(PP)、ABS、ポリアミド(PA6、PA66)、ポリエステル(PET、PBT)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂が使用されている。しかしながら、このような樹脂から製造された成形物は成形性、機械的強度に優れているが、廃棄する際、ゴミの量を増すうえに、自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても半永久的に地中に残留する。
一方、近年、環境保全の見地からポリ乳酸をはじめとする生分解性ポリエステル樹脂が注目されている。生分解性樹脂の中でもポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどは、大量生産可能なためコストも安く、有用性が高い。さらに、ポリ乳酸はトウモロコシやサツマイモ等の植物を原料として製造可能である。
一方、植物性繊維質を充填材として用いて、環境負荷を低減する試みとして、特許文献1には、麻、ジュート、ケナフ、マニラ麻のような天然繊維を用いた繊維系補強材料が開示されている。
また、ケナフや籾殻繊維などを脱リグニン処理して漂白することは、特許文献2、3などに記載されている。
特開2002−363862号公報 特開平6−144912号公報 特開2001−288686号公報
特許文献1に記載の材料は、かならずしも色調に優れたものとは言えず、工業製品として用いるためには、この点を改良する必要があった。また、天然繊維を脱リグニン処理によって漂白することは古くから行われているが、この処理を生分解性樹脂の充填材に対して適用した例はなかった。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、生分解性樹脂と植物性繊維材料とを主体とする樹脂組成物において、色調と機械物性を両立するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生分解性ポリエステル樹脂と脱リグニン処理を施した植物性繊維材料とを特定範囲で混合した樹脂組成物が、色調と機械物性とを満足することを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)生分解性樹脂(A)50〜95質量%と、脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)50〜5質量%とからなる樹脂組成物。
(2)生分解性樹脂(A)がポリエステル樹脂であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、およびこれらの共重合体から選ばれた1種以上であることを特徴とする(2)記載の樹脂組成物。
(4)脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)が、ケナフ、木粉、古紙から選ばれた1種以上であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(5)ハンターLab表色系で表したペレットのL値が30以上である(1)記載の樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、生分解性樹脂と植物性繊維材料とを主体とした色調と機械物性を両立する樹脂組成物が得られ、各種成形体として好適に利用できる。樹脂組成物の色調が改良されることによって、成形体として利用する際に、様々な色に調色する着色性が向上し、多様な色調を有する成形品を作成することが可能となる。また、植物性繊維材料の補強材としての補強効率が向上しているので、より少ない量の補強材で同等の機械物性の成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は生分解性樹脂(A)50〜95質量%および、脱リグニン処理された植物性繊維材料(B)50〜5質量%からなり、好ましい混合範囲は、(A)/(B)=65〜95質量%/35〜5質量%、より好ましくは、(A)/(B)=80〜95質量%/20〜5質量%である。(B)の配合量が50質量%を超えると、溶融混練が困難になり操業性に劣ることとなり、結果的に熱による色調の悪化を招き、さらに、流動性の低下により、特に射出成形用途への適用が困難となる傾向がある。また、生分解性樹脂(A)の配合量が95質量%を超え、脱リグニン処理された植物性繊維材料(B)の配合量が5質量%未満であると、植物性補強材料の物性面での補強効果がほとんど発揮されないこととなる。
生分解性樹脂(A)としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)などのポリ乳酸、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等のポリエステルが挙げられ、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートが好ましく、これらの混合物や共重合体も用いることができ、ポリブチレンサクシネート/ポリ乳酸共重合体などが代表例である。
ポリ乳酸を用いる場合には、耐熱性、成形性の面からポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物または共重合体を用いることができるが、生分解性の観点からは、ポリ(L−乳酸)を主体とすることが好ましい。
また、ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸の融点は、光学純度によってその融点が異なるが、本発明においては、成形体の機械的特性や耐熱性を考慮すると、融点を160℃以上とすることが好ましい。ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸において融点を160℃以上とするためには、D−乳酸成分の割合を約3モル%未満とすればよい。
生分解性樹脂の190℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(例えば、JIS規格K−7210(試験条件4)による値)は0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜20g/10分、さらに好ましくは0.5〜10g/10分である。メルトフローレートが50g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて成形物の機械的特性や耐熱性が劣る。メルトフローレートが0.1g/10分未満の場合は成形加工時の負荷が高くなりすぎ操業性が低下する場合がある。
生分解性のポリエステル樹脂は通常公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製造される。また、生分解性樹脂のメルトフローレートを所定の範囲に調節する方法として、メルトフローレートが大きすぎる場合は、少量の鎖長延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を用いて樹脂の分子量を増大させる方法が挙げられる。逆に、メルトフローレートが小さすぎる場合はメルトフローレートの大きなポリエステル樹脂や低分子量化合物と混合する方法が挙げられる。
(A)として用いるポリエステル樹脂には、生分解性や機械物性を損なわない範囲で、主たる構成成分以外のモノマーが共重合されていてもよい。例えば、酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、2、2´−ビフェニルジカルボン酸、4,4´−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸およびこれらの無水物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。また、ジオール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール類又はそれらのエチレンオキサイド付加体、ハイドロキノン、レゾルシノール等の芳香族ジオール等が共重合されていても構わない。さらには、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸や、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物が共重合されていても構わない。また、難燃性を付与するために有機リン化合物が共重合されていてもよい。
少量であれば、(A)成分には、他のポリエステル樹脂、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリポリエチレンテレフタレート/シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、シクロヘキシレンジメチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリ(p-ヒドロキシ安息香酸/エチレンテレフタレート)、植物由来の原料である1,3−プロパンジオールからなるポリテトラメチレンテレフタレート等が混合されていても構わない。
本発明においては、ケナフ、木粉、古紙、セルロース微粒子、おから、モミ殻、フスマ等の植物性繊維材料に対して脱リグニン処理を施したものを(B)成分として生分解性樹脂(A)と併せて用いる。これらのなかでもケナフ、木粉、古紙が好ましく、ケナフが最も好ましい。ケナフは西アフリカ原産のアオイ科フヨウ族の1年生植物で、木材パルプに代わる非木材パルプ原料として森林保護の観点から注目されている。
一般に、植物性繊維材料は、主成分であるセルロース、ヘミセルロースなどのほかに、リグニンを多量に含んでいる。たとえば、針葉樹には20〜35重量%、広葉樹には17〜28重量%、ケナフでは18重量%程度リグニンが含まれている。これらを除去して、繊維質の純度を向上させることにより、こうした植物性繊維材料を生分解樹脂に添加した場合の色調を大きく改善させることができるとともに、樹脂材料の補強材としての補強効率を顕著に向上することができる。
本発明の樹脂組成物の色調は、ペレットについて後述のハンター表色系で表現した際のL値が30以上であることが好ましく、35以上がより好ましい。L値がこの値に満たない場合、調色可能な色のバリエーションが狭くなり、また、調色に必要な着色剤の添加量を増加する必要が生じ結果的に物性が低下することがある。
脱リグニン処理としては、公知の方法を適宜用いればよいが、(1)水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液等の強アルカリ溶液による方法、(2)水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを用いて加熱する方法、(3)酸性条件下で、モリブデン酸塩と過酸化水素によって処理する方法などが挙げられる。なお、脱リグニン処理に加えてさらに漂白を施すことによりリグニンの発色を抑えることもできる。
生分解性樹脂(A)と脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)とを混合する手段は、特に限定されないが、一般的な押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(生分解性樹脂(A)の融点+5℃)〜(生分解性樹脂(A)の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は20秒〜30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となり、また高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きることがある。配合に際しては、ドライブレンドや、(B)成分を粉体フィーダーを用いて供給する方法が好ましい。
生分解性樹脂としては、結晶性を示すものであれば、融点が200℃程度以下であることが好ましく、非晶性樹脂であるならばフローテスターによる流動開始温度が170℃程度以下のものが好ましい(流動開始温度とは、樹脂の熱的性質を示す比較的汎用の指標であり、例えば、島津製作所社製CFT−500C等の装置によって測定することができる)。融点が200℃を超えたり、流動開始温度が170℃を超えるものに植物性繊維材料を混練しようとすると、熱による着色が顕著になり、本発明の目的とする色調改良効果が小さくなることがある。
本発明の樹脂組成物は、上記(A)、(B)のほかに、さらに(メタ)アクリル酸エステル化合物を含有していてもよい。この成分により、樹脂成分が架橋され、機械的強度、耐熱性が向上するほか、寸法安定性も向上する。(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、生分解性樹脂との反応性が高くモノマーが残りにくく、毒性が比較的少なく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物が好ましい。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、またこれらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体でもよく、さらにブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の配合量は、生分解性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5質量部である。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物を配合するにあたっては、過酸化物を併用すると、架橋反応が促進されるので好ましい。過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。過酸化物の配合量は、生分解性(A)100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。20質量部を超えても使用できるが、コスト面では不利となる。なお、こうした過酸化物は、樹脂との混合の際に分解するため、たとえ配合時に使用されても、得られた樹脂組成物中には含まれていない場合がある。
(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物を併用する場合の好ましい方法として、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び/または過酸化物を媒体に溶解又は分散して混練機に注入する方法が挙げられ、操業性を格段に改良することができる。すなわち、混合ポリエステル樹脂成分と過酸化物とを溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物の溶解液又は分散液を注入したり、前記ポリエステル樹脂を溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物と過酸化物の溶解液又は分散液を注入して溶融混練することできる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物及び/または過酸化物を溶解又は分散させる媒体としては一般的なものが用いられ、特に限定されないが、使用する生分解性樹脂との相溶性に優れた可塑剤が好ましい。例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などから選ばれた1種以上の可塑剤などが挙げられる。具体的な化合物としては、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルジグリコールサクシネートなどが挙げられる。可塑剤の使用量としては、生分解性樹脂100質量部に対し30質量部以下が好ましく、0.1〜20質量部が更に好ましい。架橋剤の反応性が低い場合、可塑剤を使用量しなくてもよいが、反応性が高い場合には0.1質量部以上用いることが好ましい。なお、この媒体は、樹脂との混合時に揮発することがあるため、たとえ製造時に使用しても、得られた樹脂組成物中にはこの媒体が含まれていない場合がある。
本発明の樹脂組成物は、機械的強度や耐熱性を向上を目的として、層状珪酸塩を含有させることもできる。その配合量は生分解性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜20質量部とすることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質量部である。層状珪酸塩の具体的としては、スメクタイト、バーミキュライト、および膨潤性フッ素雲母等が挙げられる。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトが挙げられる。膨潤性フッ素雲母の例としては、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト等が挙げられ、また上記の他に、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、ケニアイト等のアルミニウムやマグネシウムを含まない層状珪酸塩を使用することもできる。これらの層状珪酸塩は、天然品でも合成品でもよい。合成品の製造方法は、溶融法、インターカレーション法、水熱法等のいずれの方法であってもよい。これらの層状珪酸塩は単独で使用しても良いが、鉱物の種類、産地、製法、粒径等が異なるものを2種類以上組み合わせて使用してもよい。
前記の層状珪酸塩は、予め有機カチオン処理しておくことが好ましい。有機カチオンとしては、1級ないし3級アミンのプロトン化によって生成するアンモニウムイオン、4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等のオニウムイオンが挙げられる。1級アミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられる。2級アミンとしては、ジオクチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジオクタデシルアミン等が挙げられる。3級アミンとしては、トリオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジドデシルモノメチルアミン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、テトラエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム等が挙げられる。さらに、ホスホニウムイオンとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドキシメチル)ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等が挙げられる。これらのうち、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等の、分子内に水酸基を1つ以上有するアンモニウムイオンで処理した層状珪酸塩は、ポリエステル樹脂、とりわけ生分解性ポリエステル樹脂との親和性が高く、層状珪酸塩の分散性が向上するため特に好ましい。これらのカチオンは単独で使用してもよいが2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、層状珪酸塩を上記有機カチオンで処理する方法としては、まず層状珪酸塩を水またはアルコール中に分散させ、ここへ上記有機カチオンを塩の形で添加して撹拌混合することにより、層状珪酸塩の無機イオンを有機オニウムイオンとイオン交換させた後、濾別・洗浄・乾燥する方法が挙げられる。
層状珪酸塩を用いる場合には、生分解性樹脂への分散性を向上させるために、相溶化剤を用いてもよい。その添加量は、生分解性樹脂(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量部である。10質量部を超えると樹脂組成物の耐熱性や機械的強度が低下する場合がある。相溶化剤としては、ポリエステル樹脂、とりわけ生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩の双方と親和性があるポリアルキレンオキシド、脂肪族ポリエステル、多価アルコールエステル、多価カルボン酸エステル等の化合物が用いられる。ポリアルキレンオキシドの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの共重合体が挙げられ、末端水酸基の1つまたは2つはアルコキシ封鎖されていてもよく、モノカルボン酸またはジカルボン酸によりエステル化されていてもよい。脂肪族ポリエステルの例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)等に代表されるジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル等が挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、末端カルボキシル基がアルコールによりエステル化されていてもよく、ジオールにより水酸基置換されていてもよい。多価アルコールエステルの例としては、グリセリンと脂肪酸のエステルであるモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等のグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。多価カルボン酸エステルの例としては、クエン酸トリブチルやクエン酸トリブチルアセテート等のクエン酸エステル等が挙げられる。
上記の相溶化剤は、沸点が250℃以上のものであることが好ましい。沸点が250℃未満では成形時のガス発生や得られる成形物からのブリードアウトを起こすことがある。また数平均分子量は200〜50,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜20,000である。分子量が200未満であると成形時のガス発生や得られる成形物からのブリードアウトしやすくなり、また、成形体の機械的強度や耐熱性を損ねることがある。また、分子量が50,000を超えると、層状珪酸塩の分散性向上の効果が小さくなる傾向がある。
相溶化剤の添加方法としては、予め層状珪酸塩に直接上記化合物を含浸処理する方法、水または有機溶剤存在下で上記化合物を混合した後に濾過等により水または有機溶剤を除去する方法、ポリエステル樹脂と層状珪酸塩の溶融混錬時に添加する方法、ポリエステル樹脂の合成時に層状珪酸塩と共に添加する方法等が挙げられるが、ポリエステルとの混合に先立って、予め層状珪酸塩に混合処理しておく方法が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物に層状珪酸塩を添加した場合、その好ましい分散状態としては、層状珪酸塩の層が1枚1枚剥離した完全層間剥離型、あるいは層間に樹脂分子が挿入した層間挿入型、あるいはこれらの混合型がある。定量的には、透過型電子顕微鏡で観察される層状珪酸塩の単層あるいは積層の平均厚みが1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは1〜20nmである。あるいは、X線回折で観察される層状珪酸塩の層間距離が2.5nm以上であることが好ましく、より好ましくは3nm以上であり、さらに好ましくは4nm以上、最も好ましくは、層間距離に由来するピークが観測されないことである。このような層状珪酸塩の分散性を制御する方法としては、混練法においては、混練条件の変更、前記した相溶化剤の使用、樹脂への極性基の導入等が挙げられる。また一般に、ポリエステルの重合時に層状珪酸塩を添加すると、より分散性を高めることができる。
本発明の樹脂組成物には、機械的強度や耐熱性の向上を目的としてガラス繊維を使用してもよい。その配合量は生分解性樹脂(A)100質量部に対し、1〜50質量部とすることが好ましく、1〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。ガラス繊維は、樹脂との密着性を高めるために、表面処理を施しても良い。添加の方法としては、押出機において、ホッパーから、あるいはサイドフィーダーを用いて混練の途中から添加することができる。また、ガラス繊維をマスターバッチ加工することで、成形時にベース樹脂で希釈し、使用することもできる。
本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、結晶核材等を添加することができる。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤が使用できるが、環境を配慮した場合、非ハロゲン系難燃剤の使用が望ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃剤、水和金属化合物(水酸化アルミ、水酸化マグネシウム)、N含有化合物(メラミン系、グアニジン系)、無機系化合物(硼酸塩、Mo化合物)が挙げられる。無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等が挙げられる。無機結晶核材としては、タルク、カオリン等が挙げられ、有機結晶核材としては、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。なお、本発明のポリエステル樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されない。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法を採ることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。本発明の樹脂組成物に適した射出成形条件の一例を挙げれば、シリンダ温度をポリエステル樹脂組成物のTm(ポリエステル樹脂(A)または(B)の最高値)または流動開始温度以上、好ましくは180〜280℃、より好ましくは200〜270℃の範囲とし、また、金型温度はポリエステル樹脂組成物の(Tm−20℃)以下とするのが適当である。成形温度が低すぎると成形品にショートが発生するなど操業性が不安定になったり、過負荷に陥りやすく、逆に成形温度が高すぎるとポリエステル樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生しやすい。
本発明の樹脂組成物は、結晶化を促進させることにより、その耐熱性を高めることができる。このための方法としては、例えば、射出成形時に金型内での冷却にて結晶化を促進させる方法があり、その場合には、金型温度をポリエステル樹脂組成物の(Tg+20℃)以上、(Tm−20℃)以下で所定時間保った後、Tg以下に冷却することが好ましい。また、成形後に結晶化を促進させる方法としては、直接Tg以下に冷却した後、再度Tg以上、(Tm−20℃)以下で熱処理することが好ましい。
本発明の樹脂組成物をもちいた成形体の具体例としては、携帯電話用ストラップ部品、うちわの骨部、ボタン、ゴルフのティー、パソコン筐体部品および筐体、携帯電話筐体部品および筐体、その他OA機器筐体部品等の電化製品用樹脂部品、バンパー、インストルメントパネル、コンソールボックス、ガーニッシュ、ドアトリム、天井、フロア、エンジン周りのパネル等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。また、フィルム、シート、中空成形品などとすることもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例および比較例の樹脂組成物の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)ペレットの色調:
日本電色工業社製Σ90color measuring system を用いて、C/2光源、反射にて樹脂組成物ペレットのL,a,b値の各値を測定した。L値は明度を、a値、b値はそれぞれ、色相と彩度を示す色度を示す。aは赤方向、−aは緑方向、bは黄方向、−bは青方向の色目を示し、数値が大きいほど鮮やかに、小さくなるほどくすんだ色を表す。(ハンターLab表色系)。L値が30以上を合格とした。
(2)荷重たわみ温度(DTUL):
ISO 75に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
(3)シャルピー衝撃強さ:
ISO 179に準拠して測定した。
(4)曲げ強さおよび曲げ弾性率:
ISO 178に準拠して測定した。
(5)引張強度および破断伸度:
ISO 527に準拠して測定した。
また、実施例、比較例に用いた各種原料は次の通りである。
1.樹脂原料
(1)ポリ乳酸(PLA):
ユニチカ社製ポリ乳酸樹脂テラマックTE−4000(DTUL:58℃)、
TE−6100(DTUL:110℃)を用いた。
(2)ポリブチレンサクシネート(PBS):
三菱化学社製AZ−71TNを用いた。なお、これには少量のPLA成分が共重合されている。
上記各樹脂は、70℃×24時間真空乾燥を行ったものを使用した。
2.植物性繊維材料
なお、下記の材料は、使用にあたり、100℃×24時間熱風乾燥を行った。
(1)ケナフ
5mm程度の一定長に切断したケナフをターボミル(マツボー社製T-250)にて粉砕・ほぐして、直径20〜50μm、繊維長1〜5mmとした。
(脱リグニン処理)
上記ケナフを水酸化ナトリウム溶液を用いて加圧・加熱し、脱リグニン処理を行った。
(2)木粉
市販の昆虫(かぶと虫、くわがた虫)用くち木をターボミルを用いて粉状になるまで粉砕した。
(脱リグニン処理)
上記木粉を水酸化ナトリウム溶液を用いて加圧・加熱し、脱リグニン処理を行った。
(3)古紙
新聞紙をシュッレッダーを用いて細かく粉砕した後、水を含ませて練りこみ直径10cm程度の大きさに固め、乾燥したものを、ターボミルを用いて粉々に粉砕した。
(脱リグニン処理)
上記古紙を水酸化ナトリウム溶液を用いて加圧・加熱し、脱リグニン処理を行った。
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、TE−6100を85質量部、脱リグニン処理したケナフ15質量部を押出機の根元供給口から供給した。このとき、バレル温度200℃、スクリュー回転数130rpm、吐出15kg/hとし、ベントを効かせながら押出しを実施。そして、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、色調を測定した。また、東芝機械社製IS−100E型射出成形機を用いて一般物性測定用(ISO型)試験片を作成し、各種測定に供した。このときの成形条件を表1に示す。
実施例2〜10および比較例1〜8
生分解性樹脂と植物性繊維材料の量、種類を変えた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを射出成形して各種物性を測定した。
実施例1〜10、比較例1〜8の評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005060556
参考例として、実施例、比較例で用いた3種類の樹脂の単独での物性を表2に示す。
Figure 2005060556
実施例1〜9ではいずれも色調と物性のバランスに優れた樹脂組成物が得られた。色調においては、いずれもL値が30以上であった。また、植物性繊維材料に対して脱リグニン処理を施すことで、色調の改良と並んで補強効率も向上しており、例えば、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例4と比較例5、実施例5と比較例3、実施例6と比較例4、実施例9と比較例6、実施例10と比較例7などを対比することにより明らかである。比較例8では、脱リグニン処理を施した植物性繊維材料を用いたが、本発明の範囲を超えて多量に用いたため、混練時の剪断発熱が高くなり、焼けによる色調の悪化が生じた。また、加工性低下による生産性の悪化を引き起こした。

Claims (6)

  1. 生分解性樹脂(A)50〜95質量%と、脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)50〜5質量%とからなる樹脂組成物。
  2. 生分解性樹脂(A)がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、およびこれらの共重合体から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 脱リグニン処理を施した植物性繊維材料(B)が、ケナフ、木粉、古紙から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1記載の生樹脂組成物。
  5. ハンターLab表色系で表したペレットのL値が30以上である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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