JP2005060221A - 有機物質とフェライトとの複合材料とその製造方法 - Google Patents

有機物質とフェライトとの複合材料とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機物質とフェライトとを複合化した複合材料であって、使用条件下で安定した結合を保ち、必要に応じて結合をすることができる複合材料を提供する。
【解決手段】 有機物質にメルカプト基なとの硫黄原子を保有した官能基を保持させ、この官能基をフェライト表面に作用させることにより安定な化学結合を得ることができ、有機物質とフェライトとの複合材料を形成する。この結合は使用条件下で結合を安定に保つことができ、また必要に応じて結合を解除することができる。有機物質には例えば生理活性物質や生体物質を用いることができ、有機物質はこの複合化により磁気的に操作可能となる。この複合材料は、2価鉄イオンを有する水溶液からフェライト微粒子を生成させ、フェライト微粒子の表面が活性を有している状態で、上記官能基を持つ有機物質を結合させて製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は有機物質とフェライトとが結合した複合材料とその用途およびそれらの製造方法に関する。
通常の有機物質は磁性を持たないが、有機物質に磁性体を結合させて複合材料の形にすれば、磁性体を通じ有機物質を磁気的に操作することが可能になる。有機物質と磁性体の微粒子とを結合させ磁気的に操作できるようにした複合体は、生物学や医学などをはじめ、多くの応用分野を持つ。
生物学や医学の分野における有機物質とフェライトとを結合させた複合材料の応用の詳細は、非特許文献1:Scientific and Clinical Application of Magnetic Carriers Prenum Press, New York, (1997)に記載されている。この文献には、マイクロメータ程度のサイズのラテックス粒子に対し、粒子表面の穴にフェライトを埋め込んで粒子に磁性を付与した磁気的キャリヤ(担体)粒子などへの応用を中心とした多くの論文が掲載されている。これらの論文では、磁気的キャリヤ粒子に選択的結合性のたんぱく質や細胞などの有機物質を結合させ、その選択的な結合性と磁気分離とを利用し、たんぱく質や細胞などを分離抽出することや、薬物などの物質に磁気力を作用させて輸送することが述べられている。また、この有機物質とフェライトとを結合させた粒子を用いて核磁気共鳴における緩和を速めることによりMRI画像を鮮明化することや、フェライトが電磁波によって発熱する性質を利用し患部の局部加熱に用いることについて論じられている。これらの論文に用いられている有機物質とフェライトとの結合粒子では、有機物質とフェライトとがラテックスを介して結合されている。
また特許文献1(特開2000‐090366号公報)には、水溶液中の有機物質の存在下でフェライトを生成させることにより、有機物質とフェライトとが強く結合した結合体を得る方法が記載されている。この方法は、有機物質表面の親水性の基にフェライトをエピタキシャル的に形成させ、有機物質とフェライトとの間の直接の結合を得るものである。
また特許文献2(特表2000−507197号公報)には、核磁気共鳴における緩和を速めてMRI画像を鮮明化するための有機物質とフェライトとの結合粒子を製造する方法が記載されている。この製造方法では、アルカリを用い50℃から120℃の温度の鉄塩溶液から粒子を沈殿させ、その沈殿に対し分散安定化物質として複数のカルボキシル基を持つ脂肪族の物質を添加し粒子に結合させることにより、超常磁性を示す粒子を得ることが記載されている。この方法では、脂肪族の有機物質の持つ複数のカルボキシル基を有機物質とフェライトとの結合に用いている。
さらに特許文献3(特表2003−509034号公報)には、細胞内生体巨大分子に対し特異的に結合させ、外部磁界の作用により巨大分子を分離することのできる磁性ナノ粒子が記載されている。これは磁性粒子にデキストランなどの生体適合性の基質を結合させ、次にこれにリンカー物質を結合させ、このリンカー物質を介して核酸、ペプチド、たんぱく質またはこれらの誘導体の化合物を結合させた磁性ナノ粒子である。
また生物学や医学用途以外の一般の磁性材料の分野においても、有機物質とフェライトとを結合させた複合材料は幅広く利用されている。例えば磁石粉末を有機物質で結合し成形したボンド磁石においては、有機物質とフェライトとの結合にシランカップリンク剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤、あるいはエポキシ樹脂やポリイミドなどの樹脂が用いられている。また塗布型の磁気記録媒体においても、有機物質とフェライトとの結合に各種カップリング剤や各種のバインダ樹脂が用いられている。このほかにも、有機物質とフェライトとを結合させた複合材料にはさまざまな用途がある。
Scientific and Clinical Application of Magnetic Carriers Prenum Press, New York, (1997) 特開2000‐090366号公報 特表2000−507197号公報 特表2003−509034号公報
このように、有機物質と磁性体であるフェライトとを結合させた複合材料には多くの用途があることから、こうした複合材料における有機物質とフェライトとの結合をより安定なものにするとともに、より取り扱い易いものにすることが強く望まれてきた。例えばそれらの使用条件下においては安定した結合を保つことができる一方で、必要に応じ特定の条件下におくことにより、有機物質とフェライトとの結合を容易に解除することができることが望まれた。また有機物質とフェライトとを結合させて複合化する工程は、できるだけ簡易であることが望まれた。
本発明はこれらの要求に応えるもので、通常の使用条件下では有機物質とフェライトとの間の結合は安定であって複合材料の状態を保つ一方で、特定の条件下におくことにより有機物質とフェライトとの結合を容易に解除することができる複合材料を提供し、またこのような有機物質とフェライトとの複合材料を、簡便な工程によって製造することができる製造方法を提供するものである。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料は、有機物質がフェライトに結合して形成された有機物質とフェライトとの複合材料であって、有機物質は硫黄原子を保有した官能基を備え、有機物質の官能基がフェライト表面と化学結合することにより、有機物質とフェライトとが結合した複合体が形成されていることを特徴とする。
有機物質が持つこれらの官能基がフェライト表面の金属原子と化学結合して形成された有機物質とフェライトとの複合体は、通常の使用条件下では安定した結合を保つことができる一方で、必要に応じ特定の条件下におくことにより、結合を容易に解除することができる。この理由として硫黄原子を保有した官能基とフェライト表面の金属原子との結合が配位結合の性質を示していることが考えられる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料において、硫黄原子を保有した官能基を備えた有機物質としては、メルカプト基(−SH基)、ジスルフィド基(−S−S−基)、スルフェニル基(−SOH基)、スルフィニル基(−SOH基)及びスルフォニル基(−SOH基)からなる群の少なくともいずれか1種の硫黄を含有した官能基を備えた有機物質を好ましく用いることができる。
また、これら硫黄原子を保有した官能基を備えた有機物質のうち、メルカプト基を備えた有機物質を特に好ましく用いることができる。上記硫黄原子を保有した官能基がメルカプト基である場合には、特に安定した強い結合が得られる。
メルカプト基がフェライト表面と反応して得られる結合は安定した強い結合であり、この結合により有機物質とフェライトとを複合化したものは、生物学的用途や医学的用途など種々の用途に適している。
メルカプト基がフェライト表面と反応して得られる結合は、多くの溶液中において非常に安定である。またこの複合材料においてフェライトはフェライト本来の強磁性もしくは超常磁性を有している。
ところが特許文献1のように、2価鉄イオンを含有した反応液をアルカリ性溶液に添加してフェライト粒子を析出させる際に、液中にメルカプト基などの硫黄原子を保有した官能基を持つ有機物質が添加されていると、この有機物質の存在がフェライトの生成に著しい悪影響を及ぼすことが本発明者らの研究により明らかになった。この場合に析出する粒子は、フェライト以外の相を多く含み飽和磁化値が小さく、フェライト本来の強磁性もしくは超常磁性を持たないことがわかった。この析出粒子について詳細に調べた結果、析出物の主な相はスピネルフェライトではなく、α−FeOOHなどの強磁性を示さない物質であることが明らかになった。
そこで本発明者らは検討を重ねた結果、メルカプト基などの硫黄原子を保有した官能基を持つ有機物質を添加していない溶液中でまずフェライト微粒子を生成させ、次に生成されたフェライト微粒子の表面が活性を有している間に、メルカプト基などの硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質を添加して結合させることにより、十分な大きさの飽和磁化値を持つフェライト微粒子と硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質とが安定に結合した本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を初めて得ることができたのである。
このようにして、本発明の有機物質とフェライトとの複合材料は、メルカプト基などの硫黄原子を保有した官能基を持つ有機物質と結合しており、しかもフェライトが強磁性または超常磁性を有することができる。またこの有機物質とフェライトとの複合材料は、飽和磁化の値として、30emu/g以上を有することができる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法は、フェライトに硫黄を含有した官能基を持つ有機物質を接触させ、前記フェライトに前記有機物質を結合させることにより、本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法した複合体とする工程を備えたことを特徴とする。
このような本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法によれば、有機物質とフェライトとの間に強固な結合を得ることができる。
本発明の上記有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法としては、アルカリ性の溶液に2価鉄イオンを含有する水溶液を添加してフェライト微粒子を生成し、このフェライト微粒子の生成によりその表面が活性を有している状態にて、このフェライト微粒子にメルカプト基、ジスルフィド基、スルフェニル基、スルフィニル基、及びスルフォニル基からなる群の少なくともいずれか1種の硫黄を含有した官能基を持つ有機物質を接触させ、このフェライト微粒子に前記有機物質を結合させることにより、有機物質とフェライト微粒子とが結合した複合体微粒子とする方法を特に好ましく用いることができる。
このような本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法によれば、フェライトに有機物質がよく結合した複合体を得ることができる。またこうして得られた有機物質とフェライトとの複合材料を洗浄し透析することによって、残留の有機物質などの複合材料の製造の際に混入した複合材料以外の成分を除去することができる。
本発明の機能性有機物磁性粒子は、硫黄原子を保有した官能基を有する機能性有機物質がこの官能基を通じてフェライトと結合して複合化され、機能性有機物粒子の磁気的操作に用いられるものである。
このような機能性有機物磁性粒子は、磁界を用いて分離が可能であることから、各種診断薬の磁気分離などに使用できる各種磁気分離担体として用いることができる。また機能性有機物として薬物を用い、薬物とフェライトとを複合化した磁性薬物は、磁気的操作を用い生体内で薬物を輸送するドラックデリバリシステム(DDS)の磁性の付与された薬物として用いることができる。
本発明のこれら機能性有機物磁性粒子は、機能性有機物質とフェライトとの結合が安定しているため、操作中に機能性有機物質とフェライトとが分離するおそれがないという優れた性質を示す。
この本発明の機能性有機物質として、例えばシステインを含有したペプチドを用いることができる。このようなペプチドは、薬理作用を保ちながら、フェライトとの間に安定した結合を形成することができる。
さらに本発明の磁気共鳴診断像の増感剤は、有機物質がフェライトに結合して形成された有機物質とフェライトとの複合材料であって、前記有機物質は硫黄原子を保有した官能基を備え、前記有機物質の前記官能基が前記フェライト表面と化学結合することにより、前記有機物質と前記フェライトとが結合した複合体が形成され、磁気共鳴診断像の増感に用いるものである。
このような本発明の磁気共鳴診断像の増感剤は、有機物質とフェライトとの結合が安定しているため、生体内で使用した場合に、有機物質とフェライトとが分離するおそれがないという優れた性質を示す。
本発明によれば、硫黄原子を保有した官能基を持つ有機物質とフェライトとが、この官能基とフェライトの表面との化学結合を持つことにより、安定な結合を持つ複合材料を形成する。本発明の複合材料は、多くの溶液中において安定した結合を保つ一方で、必要に応じて溶液の条件を選択することにより、この結合を解除することが可能である。本発明の有機物質とフェライトとの複合材料は、このような特性を有することから、その性質を利用した幅広い応用が可能である。
本発明の複合材料を構成する有機物質は、官能基としてメルカプト基を有するものを用いることにより、フェライトとの間に安定で強い結合を得ることができる。そのような有機物質として、例えばアミノ酸であるシステイン、アリルメルカプタン、システアミン、2−メルカプトプロピオン酸、6−アミンへキサンチオール、N−アセチルシステイン、システインエチルエステル、ジチオスレイトールなどをはじめ、数多くの有機物質を使用することができる。
また有機物質が本来はメルカプト基を有していない物質であっても、その有機物質にメルカプト基を化学的手法により導入することにより、本発明に用いる有機物質とすることができる。このようにして、本発明の複合材料を構成する有機物質は、本来メルカプト基を有している物質だけに制限されることなく、目的に応じてさまざまの有機物質を選択して用いることができる。メルカプト基以外の硫黄原子を含む官能基を化学的手法により導入した有機物質についても同様に、本発明における有機物質として用いることができる。
また本発明の複合材料を構成する有機物質には、官能基としてスルフォニル基を備えた有機物質として、システイン酸を用いることができる。このほか、メルカプト基を持つ有機物質が酸化してできるさまざまのスルフォニル基を有する有機物質を本発明の複合材料を構成する有機物質として用いることがてきる。
また同様にして、本発明の複合材料を構成する有機物質には、官能基としてメルカプト基を持つ有機物質のメルカプト基が酸化してできるスルフェニル基およびスルフィニル基を有するさまざまの有機物質を用いることができる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を構成する有機物質は、基本的に水を代表とする液相を反応場とするので、任意の溶液中に可溶なもの、もしくはコロイドとして安定に分散しているものが好ましい。反応場溶液が水であり結合させる有機物質が疎水性である場合にも、液相−液相における反応であれば結合体を得ることができる。有機物質がこのような液体の状態にできれば、この有機物質をフェライトに結合する操作や解離する操作を液体中にて行なうことができる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を構成する有機物質には、上記の硫黄原子を保有した官能基のほかに、さらに少なくとももう1個の官能基を有するものを用いることができる。
このように有機物質とフェライトとの複合材料を構成する有機物質が、フェライトと結合する硫黄原子を保有した官能基のほかに、さらに少なくとももう1個の官能基を有するとにより、この官能基を介してさまざまの機能を持つ有機物質を結合することができる。このようにフェライトに結合した有機物質を、フェライトと特定の機能を持つ有機物質とを結合するための仲介物質として用いることができる。
こうしたさまざまの機能を持つ有機物質と結合を持つための官能基としては、例えば炭素‐炭素の二重結合や三重結合のほか、−OH基、−CHO基、−NH基、−CO−基、−COOH基、−NO基、−SH基、−SOH基、‐CN基、−COX基(X:ハロゲン)、−PO−基(リン酸基)、−CO−基(エポキシ基)および−N=N−基などを挙げることができ、結合しようとする相手の有機物質に応じ、これらの基の中から選択して用いることができる。また例えばメルカプタンR−SH(Rはアルキル基)におけるアルキル基のように、複合材料を構成する有機物質が一方に硫黄原子を保有した官能基を有し、この基がフェライトと結合しているとともに、他方に疎水性の基を有していれば、この疎水基により複合材料に疎水性の有機物質を疎水結合させることができる。
また本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を構成する有機物質は、例えばメルカプト基などの硫黄原子を含む官能基を備えフェライトと結合した有機物質に、もう1つの官能基により特定の機能を持つ有機物質を結合させて構成することができる。このような特定の機能を持つ有機物質としては、例えば生理活性物質や生体物質などを挙げることができる。この構成により、特定の機能を持つ有機物質は、メルカプト基などの硫黄原子を含む官能基と少なくとももう1つの官能基を備えた有機物質により、フェライトとの間に結合を持つことができる。この構成における複合材料を構成する有機物質は、メルカプト基などの硫黄原子を含む官能基が反応してフェライト表面と結合した有機物質と生理活性物質など特定の機能を持つ有機物質とが結合した複合の有機物質となる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を構成する有機物質には、生理活性物質を用いることができる。
ここに生理活性物質とは、生体に作用し活性を示す物質であって、例えば抗原、抗体、酵素、ホルモン、生体レセプター、薬剤などのほか、各種の天然および人工合成の低分子〜高分子物質を挙げることができる。これらの物質には、必要に応じて化学的にメルカプト基など硫黄を含有した官能基を導入して保有させ、これをフェライトとの結合に用いることができる。
また本発明の有機物質とフェライトとの複合材料において、有機物質として生体分子を用いることができる。
ここに生体分子とは、生体を構成する物質であって、例えば核酸、たんぱく質、ポリペフチド、多糖類などの高分子物質や、アミノ酸、脂肪酸、単糖類などの分子量の比較的低い物質を挙げることができる。これらの分子は必要に応じメルカプト基またはスルフォニル基で修飾した形で用いることができる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料において、フェライトは、マグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ−Fe)、およびこれらのFeの一部をLi、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、TaおよびWの少なくともいずれかで置換した置換体の組から選ばれる少なくともいずれか1種または2種以上の複合体のフェライトを用いることができる。このようにフェライトのさまざまな置換体を用いることにより、さまざまの使用目的に対し、それぞれに適した特性を持つフェライトを選択して用いることができる。
スピネルフェライトは水中で生成でき、生成直後の活性を有する表面に、有機物質が備えた官能基を化学結合させることができるなど、有機物質との複合体の形成に適した磁性物質である。
このような構成の本発明の有機物質とフェライトとの複合材料は、例えば以下に述べるようなさまざまな用途に用いることができる。
また有機物質として薬物を用い、この薬物とフェライトとを結合させることにより、磁気を用いて薬物を生体内の所定の患部まで搬送することができる。ここで薬物とフェライトとの結合は、薬物にメルカプト基などの官能基を付加し、これと磁性微粒子とを直接に結合させたものでもよいし、またメルカプト基などの官能基により磁性微粒子と結合した有機物質を介して薬物を結合させたものでもよい。
さらに磁性微粒子と有機物質との結合体は、磁気共鳴診断装置(MRI)像の鮮明化や
電磁波を用いた局部加熱に用いることができる。
これらの用途に用いられる本発明の有機物質とフェライトとの複合材料において、フェライトの平均粒子径は1〜200nmの微粒子であることが好ましい。フェライトは粒子径が小さくなるほど磁性が弱くなることから、フェライトの磁性を利用する上でフェライトの平均粒子径は1nm以上であることが好ましい。本発明の有機物質とフェライトとの複合材料を核磁気共鳴診断装置のプロトン増感剤として用いる場合には、1〜6nmの微小粒径にて高い増感作用が得られ、逆に20〜50nmの比較的大きい粒径の場合には強い陰影造影剤としての作用が得られる。他方、フェライトの平均粒子径が200nmを超えて大きくなると、粒子同士の凝集が強くなって1個ずつ独立した粒子として振舞わなくなる傾向を示し、また血管内に注入して用いる用途では、血液の流れを妨げてしまうことが懸念されるようになる。このため、フェライトの平均粒子径は100nm以下であることが好ましく、また20nm以下であることがさらに好ましい。
図1は本発明のフェライト微粒子と有機物質との結合体の製造方法の一実施形態を示す流れ図である。図1において2価鉄イオンFe2+を含有する水溶液11をアルカリ性の溶液に添加する工程12によってフェライト微粒子の懸濁液13を得る。ここでアルカリ性の溶液には、アルカリ性の緩衝溶液を用いることができる。またフェライトの生成反応に伴う水素イオンの生成によるpHの変化を打ち消すために、アルカリの添加を同時に行なう。続いてこのフェライト微粒子の懸濁液13にメルカプト基を有する有機物質を添加する工程14により、有機物質とフェライト微粒子とが結合した複合材料の懸濁液15を得る。
この有機物質とフェライト微粒子とが結合した複合材料の懸濁液15の洗浄透析の工程16を経て、有機物質とフェライト微粒子とが結合した複合材料17を得る。
2価鉄イオンを含有する反応液とアルカリ性物質とを混合してフェライトを生成する際に、液中にメルカプト基などの硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質を添加しておいた場合には、フェライト以外の強磁性もしくは超常磁性を示さない物質が主相として生成するので十分な飽和磁化を持つ物質が得られない。そこでこのような有機物質を添加せずにフェライトの微粒子の生成をまず行ない、生成されたフェライト微粒子の表面がまだ活性を有しているうちに、メルカプト基などの硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質を添加する方法により、フェライトとして十分な大きさの飽和磁化値を持つフェライト微粒子が、有機物質と安定に結合した複合材料を得ることができたのである。
フェライト微粒子を生成した後に、硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質を添加するタイミングは、フェライトと有機物質との間の強い結合を得るために、フェライト微粒子の生成から60分(1時間)以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましく、5分以内であることがさらに好ましい。このようにフェライト微粒子の生成からの時間が短いほど、有機物質とフェライトとの間にはより安定な強い結合が得られる。これはフェライト微粒子生成からの時間が短いほど、フェライト微粒子の表面の活性が大であって、この表面と硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質との間に強く安定な結合が形成されるものと考えられる。他方で十分な飽和磁化値を有する有機物質とフェライトとの複合材料を得るためには、硫黄原子を含む官能基を持つ有機物質を添加するタイミングは、0.5分以上であることが好ましく、2分以上であることがさらに好ましい。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法における2価鉄イオンを含有する水溶液としては、塩化第1鉄の水溶液のほか、硫酸第1鉄、硝酸第1鉄など各種の第1鉄塩の水溶液を用いることができる。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法においては、2価鉄イオンを有する水溶液には、3価鉄イオンを含有させ、2価鉄イオン数と3価鉄イオン数との比をほぼ1対2にすることができる。2価鉄イオンを有する水溶液に3価鉄イオンを含有させ、2価鉄イオン数と3価鉄イオン数との比をほぼ1対2にすれば、酸素を補給して2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化することなく、スビネルフェライト粒子を生成することができる。
本発明で用られるアルカリ性の溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、またはアンモニア水などの水溶液を用いることができる。これらの中でも水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの水溶液は、添加によって溶液のpHを所要の値まで容易に高めることができる点で好ましいものである。また2価鉄イオンを含有する水溶液とアルカリ性物質とを混合して反応が進む際にpH値が変化するのを緩和してフェライト微粒子の生成条件を安定に保つために緩衝剤を用いることができる。そのような緩衝剤として、例えば塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明における洗浄工程では、有機物質とフェライト微粒子とが結合して形成された複合材料が懸濁している懸濁液に磁界勾配を作用させ、この磁界勾配によって有機物質とフェライト微粒子とが結合した複合材料を磁気分離することにより、強磁性および超常磁性を持たない物質との分離が大幅に効率化でき、洗浄効率を大幅に高めることができる。また結合していない低分子物質などは、透析膜(半透膜)を用いた透析を繰り返すことにより、除去される。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法において、有機物質の保有する官能基がメルカプト基である場合には、特に安定した強い結合を得ることができる。ところがフェライト微粒子の生成に酸化剤を用いる場合には、この酸化剤が懸濁液中に残留すると、有機物質のメルカプト基を添加した際には、メルカプト基がこの酸化剤によって酸化される可能性がある。しかし3価鉄イオンをあらかじめ含有させておき、酸化剤を用いないフェライト微粒子の生成方法を用いれば、酸化剤の残留による有機物質が持つメルカプト基などの酸化の問題を回避できる。2価鉄イオンの数が上記の比率よりも多い場合には、酸化剤を用いて2価鉄イオンを一部酸化してスピネル構造の形成される量比にすればよい。酸化剤には、例えば亜硝酸ナトリウムなど各種酸化剤のほかに、水溶液中に溶存させた酸素を用いることもできる。
また本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法において、2価鉄イオンを含有する水溶液には、フェライトを構成する各種の金属イオンを含有させることにより、これらの金属イオンを含有したさまざまな特性のフェライト微粒子を生成することができる。2価鉄イオンを有する水溶液には、前記2価鉄イオンのほかに、Mg、Ca、Mn、Co、Ni、Cu、ZnおよびCdからなる組から選ばれる少なくともいずれか1種の金属イオンを含有させることができる。またこのほかの金属イオンとして、Li、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Ta、Wなどを添加することができる。
有機物質とフェライトとの複合材料を構成するフェライトの製造の際に、これら金属イオンを含有させることにより、目的に応じてフェライトの性質をさまざまに制御することができる。
本発明の機能性有機物磁性粒子について、診断薬の磁気分離担体として用いることを試みた結果、有機能性有機物とフェライトとの結合が安定しているため、各種溶液中での磁気分離を安定して行うことが可能であることがわかった。また本発明の機能性有機物磁性粒子における機能性有機物をシステインを有するペプチドとした磁性薬物は、磁気的操作により生体内で薬物を輸送するドラックデリバリシステム(DDS)に用いる磁性の付与された薬物として用いるための実験を試みた結果、安定性に優れており、この用途において好ましいものであることがわかった。
また本発明の有機物質とフェライトとの複合体において有機物質とフェライトとの結合が安定しているという性質を利用し、平均粒子径が約5nmのフェライト粒子にメルカプト基を有する糖類を結合させるとともに被覆した被覆粒子が、安定性の優れた磁気共鳴診断像の増感剤として使用できることを実験的に確かめることができた。
微粒子の生成直後にシステインを添加
純水に緩衝剤として塩化アンモニウムを溶解したpHが約8.3の緩衝溶液50mlを100mlの容器に収容した。次に0.1Mの塩化第1鉄(FeCl)溶液と0.1Mの塩化第2鉄(FeCl)溶液とを1:2の割合で混合した2価鉄イオンと3価鉄イオンとを含有する水溶液25mlをこの緩衝溶液に滴下し、同時に3.64%のアンモニア水25mlを滴下して水溶液のpHを一定に保ちながら、微粒子を水溶液中に生成させ、その懸濁液を得た。この微粒子の生成された直後に、この懸濁液に500μmolのシステインを添加し、微粒子にシステインを吸着させた。なおシステインはメルカプト基を持つアミノ酸であり、メルカプト基を備えているほか、アミノ結合の可能なカルボキシル基とアミノ基とを備えている。このようにしてシステインの吸着した微粒子について、純水を用いた洗浄を3回行なった後、純水を用いた透析を3回行ない、有機物質のシステインと微粒子との結合した複合体を得た。
同様にして、この微粒子が生成されてからシステインを添加するまでの時間を5分、10分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間および24時間と変えた各場合について、それぞれシステインを吸着した微粒子の洗浄を純水を用いて3回行なった後、純水を用いた透析を3回行なって有機物質のシステインと微粒子とが結合した複合体を得た。
このようにして得た有機物質と微粒子の結合体におけるシステインの固定化量および飽和磁化値を測定した結果を図2に示した。ここに結合体におけるシステインの固定化量は、得られた結合体からフェライトを塩酸にて溶解し、アルカリで沈殿させて除去した後の溶液について、アミノ酸量測定の常法に従って測定したものであり、また結合体の飽和磁化値は振動試料型磁力計を用いて測定したものである。なお、この図には以下に述べる比
較例の結果を同時に示してある。
[比較例1]
微粒子の生成時にシステインを存在させた場合
純水に緩衝剤として塩化アンモニウムを溶解したpHが約8.3の緩衝溶液50mlに500μmolのシステインを添加し100mlの容器に収容した。次に0.1Mの塩化第1鉄(FeCl)溶液と0.1Mの塩化第2鉄(FeCl)溶液とを1:2の割合で混合した2価鉄イオンと3価鉄イオンとを含有する水溶液25mlをこの緩衝溶液に滴下し、同時に3.64%のアンモニア水25mlを滴下して水溶液のpHを一定に保つことにより、微粒子を水溶液中に生成させその懸濁液を得た。この懸濁液の洗浄を3回行なった後、透析を3回行なって有機物質のシステインと微粒子とが結合した複合体を得た。
次に純水に緩衝剤として塩化アンモニウムを溶解したpHが約8.3の緩衝溶液50mlを100mlの容器に収容し、この緩衝溶液に0.1Mの塩化第1鉄(FeCl)溶液と0.1Mの塩化第2鉄(FeCl)溶液とを1:2の割合で混合した2価鉄イオンと3価鉄イオンとを含有する水溶液25mlを滴下し、同時に3.64%のアンモニア水25mlに500μmolのシステインを添加したものを滴下して水溶液のpHを一定に保ちながら微粒子を水溶液中に生成させ、その懸濁液を得た。この懸濁液について、上記と同条件洗浄と透析を行ない、有機物質のシステインと微粒子とが結合した複合体を得た。
こうして得た結合体のシステイン固定化量および飽和磁化値を、実施例1と同じ方法を用いて測定し、その結果を実施例1の結果と共に図2に示した。
こうして得た実施例1および比較例1の鉄化合物の有機物質と微粒子の結合体について、透過型電子顕微鏡を用いた観察を行なった。その結果、結合体はいずれも大きさが8〜10nmの微粒子であった。
図2から、システインの添加のタイミングを変化させた場合のシステインの固定化量は、微粒子生成の直後にシステインを添加した場合が最大であり、添加のタイミングがあとになるほど、固定化量が低下する傾向がみられる。しかしその低下は比較的ゆるやかであり、実施例1の範囲では35nmol/mg以上の固定化量が得られている。他方、飽和磁化値については、最初からシステインを存在させた場合およびアンモニア水と一緒にシステインを添加した場合にはその値が小さく、微粒子生成の後にシステインを添加することにより、約70emu/gのほぼ一定値が得られている。
最初からシステインを存在させた場合およびアンモニア水添加と一緒にシステインを添加した場合の固形化物について、X線回折を行なって生成相を調べた結果、生成相としてα‐FeOOHおよびγ‐FeOOHが確認された。これに対し、アンモニア水添加から5分後〜1時間後にシステインを添加した場合の固形化物について同様にX線回折を行なって生成相を調べた結果、生成相として格子定数がa=0.8379±0.0004nmのスピネルフェライト相が確認された。
システインの添加量
次に実施例1で述べた手順により、フェライト微粒子の生成から5分後にシステインを添加して結合させる場合に、液のシステイン濃度を10mMにした場合と100mMにした場合について、純水を用いた洗浄と透析を行なうことによるフェライト微粒子に含まれるシステインの量の変化を調べた。
図3はその結果を示した図であって、フェライト微粒子とシステインの結合体に含まれるシステインの量が、純水を用いた洗浄と透析により変化する様子が示されている。図3は、システイン添加の際の液濃度を10mMにした場合も100mMに増したした場合も、洗浄と透析を進めると、共にほぼ一定の値に達することを示している。この一定値がフェライト微粒子に固定化されたシステインの固定化量である。
各種の液体に対する結合の安定性
上記実施例1と同じ工程で、システインの添加時期をフェライト微粒子生成の5分後、12時間後、および24時間後と変え、洗浄および透析を終了して得た3種のシステインとフェライト微粒子との複合材料について、各種の液体を洗浄液として用い、再度の1時間の洗浄操作を行なった場合の、これらの液体を洗浄液とした洗浄操作に対するシステインとフェライト微粒子との結合の安定性について調べた。その結果を図4に示す。
図4において、洗浄液が純水の場合は、システインの添加時期をフェライト微粒子生成の5分後とした試料のシステイン量には変化がみられなかった。そこでこの場合のフェライト1mgあたりのシステイン量57nmolを、脱離がない場合のシステイン量の基準値とすることができる。
図4には、システインの添加時期をフェライト微粒子生成から5分後にして作製したシステインとフェライト微粒子との複合材料試料は、1MNaCl、8M尿素、1%SDS、DMF、DMSOおよびエチルアルコールの各種の液を洗浄液として洗浄しても、システイン量がほとんど変化しないことが示されている。これに対し、システインの添加時期をフェライト微粒子生成から12時間後にして作製した試料の場合には、上記のいずれの洗浄液を用いた場合も、洗浄に伴うシステイン量の減少がみられる。またシステインの添加時期がフェライト微粒子生成から24時間後の試料の場合は、上記のいずれの洗浄液を用いた場合にもシステイン量の減少がみられ、その減少量はシステインの添加時期を12時間後にした試料の場合よりも、さらに多くなっていることが示されている。
このことから、システインの添加時期がフェライト微粒子生成からの経過時間が短い場
合の試料ほど、これらの液体に対し、システインとフェライト微粒子との結合が安定であることがわかった。
結合の解除
次に上記実施例1と同じ工程でフェライト微粒子に対するシステインの添加を微粒子生成の5分後、12時間後、および24時間後と変え、洗浄および透析を終了した3種のシステインとフェライト微粒子との複合材料を、50%の酢酸を用いて1時間の洗浄を行なた。その結果、残留システイン量はいずれも2nmol/mgフェライト以下であり、システインのフェライト微粒子に対する結合のほとんどが解除されていることがわかった。
同様に上記実施例1と同じ工程でフェライト微粒子に対するシステインの添加を微粒子生成の5分後、12時間後、および24時間後と変え、洗浄および透析を終了した3種のシステインとフェライト微粒子との複合材料を、28%のアンモニア水を用いて1時間の洗浄を行なった。その結果、残留システイン量はいずれも0.5nmol/mgフェライト以下であり、システインのフェライト微粒子に対する結合のほとんどが解除されていることがわかった。
高アルカリ下でのシステインの結合
水40mlに1Mの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液10mlを加えて50mlとした。このアルカリ液50mlと、0.1Mの塩化第1鉄(FeCl)溶液と0.1Mの塩化第2鉄(FeCl)溶液とを1:2の割合で調合した2価鉄イオンと3価鉄イオンとを有する水溶液25mlとを混合し、フェライト微粒子を生成し、その懸濁液を得た。この液のpHは約12であった。このフェライト微粒子の生成から5分後にシステインの水溶液を添加し、フェライト微粒子に結合させた。こうして得られた結合体を有する懸濁液の洗浄と透析を行なって、有機物質とフェライト微粒子との結合体を得た。このようにした有機物質とフェライト微粒子の結合体の作製を、添加するシステインの水溶液の濃度を1mM、5mM、および20mMと変えた各場合について行ない、それぞれの結合体についてシステインの固定化量を求めた。
図5はこのようにして求めたシステイン濃度とシステインの固定化量との関係を示す図である。この図5から、システインの濃度が5mM以上であれば、システインの固定化量は飽和し、ほぼ一定値となることがわかる。この固定化量は実施例1〜9で得られた固定化量よりも大である。これは反応場の条件の相違によるものである。このように反応場の条件を変えることによって、フェライト微粒子に対するシステインの固定化量の調整ができる。
システイン関連物質の固定
上記実施例1と同じ工程によりフェライト微粒子を生成し、この微粒子生成の5分後にシスチンの添加を行ない、続いて洗浄および透析を行なって微粒子試料を得た。ここにシスチンは2個のシステインが酸化結合した形のジスルフィド基を持つ。この試料の分析を行ない、シスチンがフェライトに固定され、シスチンとフェライトとの複合体が形成されることを確認した。
また同様にして実施例1と同じ工程でフェライト微粒子を生成し、この微粒子生成の5分後に、メルカプト基とアミノ基を持つシステアミンの添加を行なった後洗浄と透析を行なった微粒子試料、およびメルカプト基とカルボキシル基を持つ2−メルカプトプロピオン酸を添加した後、洗浄と透析を行ない微粒子試料を得た。この試料を分析し、システアミンおよび2−メルカプトプロピオン酸がフェライトに固定され、フェライトとの複合体が形成されることを確認した。
アリルメルカプタンおよび2−メルカプトプロピオン酸類似物質の固定
上記実施例1と同じ工程でフェライト微粒子を生成し、微粒子生成の5分後にアリルメ
ルカプタンの添加を行なった後、洗浄および透析を行なって微粒子試料を得た。アリルメルカプタンは一方の側にメルカプト基を有し他方の側こ二重結合を有する分子構造の有機物質である。この試料についてアリルメルカプタンの固定の確認と固定化量の測定をTG−MS(熱重量分析−質量分析装置)を用いて行なった。その結果、加熱によりSO、COおよびHOが発生し、アリルメルカプタンがフェライトに固定化され複合材料が形成されることを確認した。その固定化量として300nmol/mgフェライトを得た。
同様にして一方の側にメルカプト基を有し、他方の側こは水酸基を有する分子構造の有機物質であるメルカプトエタノールもフェライトに固定化されて複合材料が形成されることがわかった。またトルエンにメルカプト基を導入したトルエンチオールについても同様である。
システイン酸の固定
上記実施例1と同じ工程でフェライト微粒子を生成し、微粒子生成の5分後にシステイン酸の添加を行なった後、洗浄および透析を行なって微粒子試料を得た。システイン酸はスルフォニル基とカルボキシル基とアミノ基とを有する。この試料の分析を行ない、フェライトにシステイン酸が固定されていることを確認した。
ペプチドの固定
純水に緩衝剤として塩化アンモニウムを溶解したpHが約8.3の緩衝溶液200μlを1.5mlの容器に収容し水中で冷却した。次に0.1Mの塩化第1鉄(FeCl)溶液と0.1Mの塩化第2鉄(FeCl)溶液とを1:2の割合で混合した2価鉄イオンと3価鉄イオンとを含有する水溶液100μlをこの緩衝溶液に滴下し、同時に3.64%のアンモニア水100μlを滴下して水溶液のpHを一定に保ちながら、微粒子を水溶液中に生成させ、その懸濁液を得た。この微粒子が生成された5分後に、この懸濁液に対し、0.1mM、0.25mM、0.5mMおよび1.0mMの各濃度に調製したペプチド溶液100μlを添加し、微粒子に各ペプチドを吸着させた。ここにペプチドはグリシン−システイン(GC)、グリシン−グリシン−システイン(GGC)、グリシン−グリシン(GG)、およびグリシン−グリシン−グリシン(GGG)の4種である。このようにしてペプチドの吸着した微粒子について、純水を用いた洗浄を1回行なった後、ペプチドと微粒子との結合した複合体を得た。
このようにして得たペプチドとフェライト微粒子の結合体におけるペプチドの固定化量を図6に示した。ここに結合体におけるペプチドの固定化量は下記の手法で見積もったものである。まず得られた結合体を塩酸で処理することによりフェライトを溶解し、またペプチドを構成アミノ酸であるシステイン、グリシンまで加水分解した。続いてその溶液をアルカリ処理し、鉄を沈殿させて除去し、残りの溶液について、そのアミノ酸含量をアミノ酸量測定の常法に従って測定し、その量からペプチドの固定化量を見積もった。
図6は、システインを含まないペプチドに対しカルボキシル基末端にシステインを含むペプチドで、より高い固定化量が得られることを示している。このことから、任意のペプチドに対し、カルボキシル基末端にシステインを付加することによって、より効率的なペプチドのフェライトへの固定化が期待できる。
本発明によれば、有機物質が強磁性もしくは超常磁性のフェライト微粒子に結合し飽和磁化が大きく結合の安定な複合材料を得ることができるので、有機物質として例えば生理活性物質や生体物質を用いることにより、生物学および医学分野において幅広い応用が可能である。また有機物質が強磁性もしくは超常磁性のフェライト微粒子に結合し飽和磁化が大きく結合の安定な複合材料は、このほかの磁気応用の各分野に応用できることから、本発明の産業上の利用可能性は大である。
本発明の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法の一実施形態を示す流れ図である。 システインの添加のタイミングとシステインの固定化量および飽和磁化との関係を示した図である。 システインの添加されたフェライト微粒子に含まれるシステイン量の洗浄による変化を示す図である。 システインとフェライト微粒子との複合材料を、各種の液体を洗浄液として用いて洗浄した場合のシステイン量の変化を示す図である。 システイン濃度とシステインの固定化量との関係を示す図である。 ペプチド濃度と固定化されたペプチドの量との関係を示す図である。
符号の説明
11…Fe2+を含有する水溶液、12…アルカリ性の溶液にFe2+を含有する水溶液を添加する工程、13…フェライト微粒子懸濁液、14…メルカプト基を有する有機物質を添加する工程、15…有機物質がフェライト微粒子に結合した複合材料の懸濁液、16…洗浄透析工程、17…有機物質がフェライト微粒子に結合した複合材料。

Claims (22)

  1. 有機物質がフェライトに結合して形成された有機物質とフェライトとの複合材料であって、前記有機物質は硫黄原子を保有した官能基を備え、前記有機物質の前記官能基が前記フェライト表面と化学結合することにより、前記有機物質と前記フェライトとが結合した複合体が形成されていることを特徴とする有機物質とフェライトとの複合材料。
  2. 前記フェライトが強磁性または超常磁性を有することを特徴とする請求項1記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  3. 飽和磁化の値が30emu/g以上であることを特徴とする請求項1記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  4. 前記硫黄原子を保有した官能基が、メルカプト基、ジスルフィド基、スルフェニル基、スルフィニル基及びスルフォニル基からなる群の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  5. 前記硫黄原子を保有した官能基が、メルカプト基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  6. 前記有機物質が、前記硫黄原子を保有した官能基のほかに、少なくとも1個の官能基を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  7. 前記有機物質が、生理活性物質であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  8. 前記有機物質は、生体分子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  9. 前記生体分子は、たんぱく質、核酸、ポリペプチド及び多糖、並びにメルカプト基またはスルフォニル基で修飾されたたんぱく質、核酸、ポリペプチド及び多糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の分子であることを特徴とする請求項8記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  10. 前記フェライトは、マグネタイト(Fe)、マグへマイト(γ−Fe)、およびこれらのFeの一部をLi、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、TaおよびWの少なくともいずれかで置換した置換体からなる組から選ばれる少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  11. 前記フェライトは、平均粒子径が1〜200nmの微粒子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料。
  12. フェライトに硫黄を含有した官能基を持つ有機物質を接触させ、前記フェライトに前記有機物質を結合させることにより、有機物質とフェライトとが結合した複合体とする工程を備えたことを特徴とする有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  13. 有機物質と結合させる前記フェライトは、アルカリ性の溶液に2価鉄イオンを含有する水溶液を添加してフェライトを生成し、生成後の前記フェライトの表面が活性を有している状態のフェライトであることを特徴とする請求項12記載の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  14. 前記硫黄を含有した官能基は、メルカプト基またはスルフォニル基の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項12または13記載の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  15. 前記表面が活性を有している状態のフェライトは、水溶液中からの生成後0.5分以上60分以内のフェライトであることを特徴とする請求項14記載の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  16. 前記2価鉄イオンを有する水溶液に3価鉄イオンを含有させ、前記2価鉄イオン数と3価鉄イオン数との比を1対2にすることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  17. 前記2価鉄イオンを有する水溶液に、前記2価鉄イオンのほかに、Mg、Ca、Mn、Co、Ni、Cu、ZnおよびCdからなる組から選ばれる少なくともいずれか1種の金属イオンを含有させることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項記載の有機物質とフェライトとの複合材料の製造方法。
  18. 硫黄原子を保有した官能基を有する機能性有機物質がこの官能基を通じてフェライトと結合して複合化され、機能性有機物質の磁気的操作に用いられる機能性有機物磁性粒子。
  19. 前記機能性有機物質がシステインまたはシステイン誘導体であることを特徴とする請求項18記載の機能性有機物磁性粒子。
  20. 前記機能性有機物質がシステインを含有したペプチドであることを特徴とする請求項18記載の機能性有機物磁性粒子。
  21. 前記請求項18〜20のいずれか1項記載の機能性有機物粒子に対し、磁気的操作を用い生体内を輸送することを特徴とするドラッグデリバリーシステム担体。
  22. 有機物質がフェライトに結合して形成された有機物質とフェライトとの複合材料であって、前記有機物質は硫黄原子を保有した官能基を備え、前記有機物質の前記官能基が前記フェライト表面と前記有機物質と前記フェライトとが結合した複合体が形成され、磁気共鳴診断像の増感に用いられる磁気共鳴診断像増感剤。
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