JP2005059796A - シートベルトのアンカー取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車室内側からのアンカーボルトへの衝撃吸収力を更に向上できると共にアンカーボルトの倒れを防止できるシートベルトのアンカー取付構造を提供する
【解決手段】 センターピラー4のインナーパネル11にアンカープレート15を取り付け、このアンカープレート15のナット16にアンカーボルト17を固定してウエビング6のアンカー7を取り付けるシートベルトのアンカー取付構造において、前記アンカープレート15の中央部に前記ナット16を配置すると共に、アンカープレート15の中央部から車体前方に向かって延びる前延部15aを設け、この前延部15aにインナーパネル11への取付部21を設定したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、シートベルトのアンカー取付構造に関する。
シートベルトのアンカー取付構造としては、例えば、センターピラーのインナーパネルの裏面にアンカープレートを取り付け、このアンカープレートに固定したナットにアンカーボルトを締め付けるものがある。前記アンカープレートはセンターピラーのインナーパネルに沿うように上下に延びる部材であって、下部側がインナーパネルに溶接固定されると共に上部側に前記アンカーボルトのナットが取り付けられている。
したがって、アンカーボルトに車室内側から衝撃力が作用すると、前記アンカープレートが屈曲しながらアンカーボルトが車室外側に向かって変位して衝撃力を吸収することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2001−65532号公報
しかしながら、このようにアンカーボルトが車室外側に変位できる構造を採用した場合に、シートベルトを介してアンカーボルトの車室内側の端部に前側に向かう荷重が作用すると、アンカーボルトが挿通されているインナーパネルのアンカーボルト挿通部分を支点としてアンカーボルトには車室外側の端部に後側に向かう荷重が作用する。そのためこの荷重により前記アンカープレートが折れ曲がらないようにアンカープレートを大型化したり厚肉にして強度を高める必要があり、その結果、車体重量が増加しコストアップにつながるという問題がある。
そこで、この発明は、車室内側からのアンカーボルトへの衝撃吸収力を更に向上できると共にアンカーボルトの倒れを防止できるシートベルトのアンカー取付構造を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車体(例えば、実施形態におけるセンターピラー4)のインナーパネル(例えば、実施形態におけるインナーパネル11)にアンカープレート(例えば、実施形態におけるアンカープレート15)を取り付け、このアンカープレートの固定部(例えば、実施形態におけるナット16)にアンカー部材(例えば、実施形態におけるアンカーボルト17)を固定してシートベルト(例えば、実施形態におけるウエビング6)のアンカー(例えば、実施形態におけるアンカー7)を取り付けるシートベルトのアンカー取付構造において、前記アンカープレートの中央部に前記固定部を配置すると共に、アンカープレートの中央部から車体前方に向かって延びる前延部(例えば、実施形態における前延部15a)を設け、この前延部にインナーパネルへの取付部(例えば、実施形態における取付部21)を設定したことを特徴とする。
このように構成することで、アンカー部材に車室内側から衝撃力が作用するとアンカープレートには固定部を介して車室外側に向かう力が作用するため、アンカープレートはインナーパネルへの取付部を支点とし屈曲変形して衝撃力を吸収しながらアンカー部材の車室外側への変位を許容する。
また、シートベルトからアンカー部材の車室内側の端部に前側に向かう力が作用すると、前側に倒れようとするアンカー部材の車室外側の端部は後方に変位しようとするが、これを前記アンカープレートの前延部の取付部で阻止するため、アンカー部材の倒れを防止できる。
請求項2に記載した発明は、前記アンカープレートの前記取付部と固定部の配置部位との間に、前記前延部の車室外側への屈曲を許容する脆弱部(例えば、実施形態における孔15c)を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、アンカー部材から作用する衝撃力によりアンカープレートをスムーズに屈曲変形させることが可能となる。
請求項1に記載した発明によれば、アンカー部材に車室内側から衝撃が作用するとアンカープレートには固定部を介して車室外側に向かう力が作用するため、アンカープレートはインナーパネルへの取付部を支点とし屈曲変形して衝撃を吸収しながらアンカー部材の車室外側への変位を許容するため、衝撃力の吸収性能が高いという効果がある。
また、シートベルトからアンカー部材の車室内側の端部に前側に向かう力が作用すると、前側に倒れようとするアンカー部材の車室外側の端部は後方に変位しようとするが、これを前記アンカープレートの前延部の取付部で阻止するためアンカー部材の倒れを防止でき、したがって、シートベルトのアンカーの支持剛性を高めることができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、アンカー部材から作用する荷重によりアンカープレートをスムーズに屈曲変形させることが可能となるため、スムーズに衝撃力を吸収できる効果がある。
この発明の最良の形態である実施例を図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、運転席1のシート2にはシートベルト装置3が設けられている。シートベルト装置3はセンターピラー4(車体)の下部に取り付けられたリトラクタ5からウエビング6(シートベルト)を引き出してセンターピラー4の上部に取り付けたアンカー7のスルーリング8に挿通し、ウエビング6端に設けたタングプレート9を運転席の左側下部に設けたバックル10に装着するいわゆる3点式シートベルト装置である。
図2、図3に示すように、センターピラー4は車室内側に凸設されたハット型断面形状のインナーパネル11と、車室外側に凸設されたハット型断面形状のアウターパネル12とを前側部と後側部に設けた各フランジ部11a,11b、12a,12bを互いに接合して閉断面構造に形成された車体骨格部材である。
センターピラー4の前側の接合フランジ部4aと後側の接合フランジ部4bにはアウターパネル12と同様に車室外側に凸設されたハット型断面形状のスティフナ13が挟持されて設けられ、センターピラー4の強度剛性を高めるようになっている。
インナーパネル11の裏面にはセンターピラー4の後側の接合フランジ部4b内に挟持されて前側に延出する補強用のパッチプレート14が接合されていて、このパッチプレート14の前側縁はインナーパネル11裏面の平坦部11cに接合されている。
そして、前記パッチプレート14の車室外側面にアンカープレート15が取り付けられている。このアンカープレート15は、これに取り付けたナット16(固定部)にアンカーボルト17(アンカー部材)を締め付けることで前記ウエビング6のアンカー7を取り付けて、ウエビング6のアンカー7の支持剛性を確保するものである。
具体的には、図4にも示すように前記アンカープレート15の中央部の開口部16bには、例えば、プロジェクション溶接等の溶接により前記ナット16が裏側から基部フランジ16aにより取り付けられている。このナット16は後述するカラー18と共にセンターピラー4のインナーパネル11からこれを車室内側から覆うライニング19までの距離を確保することができる高さ寸法を有していて車室内側に突出する部材である。したがって、このナット16を挿通するために前記パッチプレート14及びセンターピラー4のインナーパネル11には挿通孔20が形成されている。
アンカープレート15は前記ナット16が取り付けられた中央部から車体前方に向かって延びる前延部15aを備え、この前延部15aの端末近傍に上下に2箇所インナーパネル11への取付部21が設定され、ここがスポット溶接されるようになっている。アンカープレート15の上下縁には車室外側に向かう折れ曲がり部15bが形成されている。
尚、この折れ曲がり部15bは突出寸法が大きければ大きいほど折れ曲がり難いため、アンカープレート15の折れ曲がり力のチューニングに利用できる。
そして、アンカープレート15の前記取付部21とナット16の配置部位との間に、前記前延部15aの車室外側への屈曲を容易化する脆弱部としての孔15cが形成されている。尚、この孔15cも前記折れ曲がり部15bと同様に、大きければ大きいほど折れ曲がり易くなるため、アンカープレート15の折れ曲がり力のチューニングに利用できる。
このように構成されたアンカープレート15のナット16に、アンカー7が挿通されたアンカーボルト17がカラー18を介して車室内側のライニング19の貫通孔22に挿通されて締め付け固定されている。
ここで、アンカーボルト17は頭部17a外周にフランジ17bを備えた部材で、カラー18の外周面に形成されたフランジ18aとの間でスルーリング8を備えたアンカー7の取付孔7aが抜け止めされた状態で取り付けられるものである。また、ライニング19の貫通孔22の周囲にはボス部22aが形成され、前記カラー18のフランジ18aがこのボス部22aに当接し貫通孔22を閉塞して内部が見えないようになっている。尚、前記スルーリング8にシートベルト装置3のウエビング6が挿通される。
上記実施例によれば、アンカーボルト17に車室内側から衝撃力が作用すると(図2の実線矢印に示す)アンカープレート15にはナット16を介して車室外側に向かう力が作用するため、アンカープレート15はインナーパネル11への取付部21を支点とし鎖線で示すように屈曲変形して衝撃を吸収しながらアンカーボルト17の車室外側への変位を許容することができる。したがって、衝撃吸収性能を高めることができる効果がある。
このとき、前記アンカープレート15の前記取付部21とナット16の配置部位との間に、前記前延部15aの車室外側への屈曲を容易化する脆弱部となる孔15cが形成されているため、アンカーボルト17から作用する荷重によりアンカープレート15をスムーズに屈曲変形させることが可能となり、したがって、衝撃力をスムーズに吸収できる効果がある。
また、シートベルト装置3のウエビング6からアンカーボルト17の車室内側の端部に前側に向かう力が作用すると(図2に破線矢印で示す)、前側に倒れようとするアンカーボルト17の車室外側の端部は後側に変位しようとするが、これを前記アンカープレート15の前延部15aの取付部21で阻止して、アンカープレート15にはこれを屈曲変形させる偏った力が作用しないため、アンカーボルト17の倒れを確実に防止でき、したがって、シートベルト装置3のアンカー7の支持剛性を高めることができる効果がある。
尚、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、アンカープレート15はスポット溶接によりパッチプレート14及びセンターピラー4のインナーパネル11に取り付けたが、ボルトやリベットにより固定しても良い。また、アンカー部材としてアンカーボルト17、固定部としてナット16を用いた場合を例にして説明したが、アンカー部材はボルトに限られない。また、アンカー部材を溶接により直接アンカープレート15に接合しても良い。更に、センターピラー4にアンカー7を取り付ける場合について説明したが、車体のインナーパネルならばセンターピラー4のインナーパネル11に限られるものではない。
この発明は、自動車のシートベルト装置に利用が可能である。
この発明の実施例1の車室内から見た斜視図である。 図1の2−2線に沿う断面図である。 この発明の実施例1の要部分解斜視図である。 アンカープレートの斜視図である。
符号の説明
4 センターピラー(車体)
6 ウエビング(シートベルト)
7 アンカー
11 インナーパネル
15 アンカープレート
15a 前延部
15c 孔(脆弱部)
16 ナット(固定部)
17 アンカーボルト(アンカー部材)

Claims (2)

  1. 車体のインナーパネルにアンカープレートを取り付け、このアンカープレートの固定部にアンカー部材を固定してシートベルトのアンカーを取り付けるシートベルトのアンカー取付構造において、前記アンカープレートの中央部に前記固定部を配置すると共に、アンカープレートの中央部から車体前方に向かって延びる前延部を設け、この前延部にインナーパネルへの取付部を設定したことを特徴とするシートベルトのアンカー取付構造。
  2. 前記アンカープレートの前記取付部と固定部の配置部位との間に、前記前延部の車室外側への屈曲を許容する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトのアンカー取付構造。
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