JP2005059000A - 窒化ケイ素質ハニカムフィルタおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ケイ素粒子を出発原料とし、除塵や脱塵に最適な細孔径、気孔率を有する窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を提供する。
【解決手段】平均粒子直径5〜50μmの金属ケイ素粒子50〜85質量%と、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を窒素雰囲気中で熱処理することにより金属ケイ素を実質的に窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
【選択図】なし
【解決手段】平均粒子直径5〜50μmの金属ケイ素粒子50〜85質量%と、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を窒素雰囲気中で熱処理することにより金属ケイ素を実質的に窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
【選択図】なし
Description
本発明は、高温排気ガス中に含まれる粉塵等の除去に用いられるハニカムフィルタとして好適な窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法に関する。
窒化ケイ素は、耐熱性、耐食性、耐薬品性、機械的強度等に優れた特性を有しており、高温や腐食性環境下での集塵、脱塵用フィルタやディーゼルエンジンから排出される微粒子(以下、パティキュレートという)の除去用フィルタ(以下、DPFという)として期待されている。このような窒化ケイ素質フィルタの製造法は、出発原料で大別すると窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法(特許文献1〜3参照。)と金属ケイ素粒子を出発原料とする製造法(特許文献4〜6参照。)とに分けられる。金属ケイ素粒子を出発原料とし、直接窒化により窒化ケイ素とする製造法は、一般に、窒化ケイ素粒子を出発原料とする製造法に比べて原料費用が安価であるため製造原価の点で優れる特徴がある。
金属ケイ素を出発原料とする製造法の従来技術としては、細かい金属ケイ素粉末を用いた成形体を窒化処理して窒化ケイ素多孔体を得る方法が提案されている(特許文献4参照。)。しかし、開気孔率の高い多孔体を得るために成形体密度が低い金属ケイ素成形体を窒化処理する必要があり、その場合、表面や内部に微細な窒化ケイ素ファイバが生成し、平均細孔直径(以下、細孔直径を細孔径と略す)が小さな多孔体となるおそれがある。
このような問題を解決する手段として、金属ケイ素粒子と無機中空粒子からなる成形体を窒素中で熱処理することにより、平均細孔径が5〜40μmの窒化ケイ素多孔体を得る方法が提案されている(特許文献5参照。)。しかし、この方法では、無機中空粒子の材質、製造条件が適当でない場合は、窒化処理の過程で無機中空粒子が窒素と反応して高融点の含窒素化合物を形成し、中空粒子の形態のまま残存し、気孔率と平均細孔径が共に大きく、しかも細孔径の小さいものが少ない気孔分布を有する多孔体が得られないおそれがある。
また、金属ケイ素を主成分とする成形体を調製し、得られた金属ケイ素を主成分とする成形体を窒化させる前に、雰囲気制御することにより金属ケイ素の表面酸化物を除去し、その後に、窒素ガスを導入して金属ケイ素を窒化させて窒化ケイ素多孔体を得る方法が提案されている(特許文献6参照。)。しかし、この方法でも開気孔率や細孔径が充分に大きな窒化ケイ素多孔体を得ることは難しいほか、金属ケイ素の窒化処理前に雰囲気制御するため、量産性に優れた連続焼成炉が使用できないなどの生産性の点でも問題がある。
本発明は、気孔率と平均細孔径が共に大きく、しかも細孔径の小さい気孔が少ない気孔分布を有し、低圧力損失でDPFとして好適な窒化ケイ素質ハニカムフィルタとその製造法の提供を目的とする。
本発明は、平均粒子直径5〜50μmの金属ケイ素粒子50〜85質量%と、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を窒素雰囲気中で熱処理することにより金属ケイ素を実質的に窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を提供する。
別の本発明は、平均粒子直径5〜50μmの金属ケイ素粒子50〜85質量%と、平均粒子直径20〜60μmで、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を窒素雰囲気中で熱処理することにより金属ケイ素を実質的に窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法を提供する。
本製造法により、脱塵や除塵に適した窒化ケイ素質ハニカムフィルタを容易に製造できる。本発明によって得られる窒化ケイ素質ハニカムフィルタは、形状精度に優れ、強度も高く、かつパティキュレートなどの捕集に適し、しかも圧力損失の低減を可能にする平均細孔径、気孔率を有することから、フィルタ、特に、強度、耐熱性、耐食性、耐久性等が要求されるDPFとして好適である。
本発明の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法(以下、本製造法という)では、平均粒子直径(以下、粒子直径を粒径と略す)が5〜50μmである金属ケイ素粒子50〜85質量%と、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を使用する。
本製造法では、平均粒子直径(以下、粒子直径を粒径と略す)が5〜50μmである金属ケイ素粒子50〜85質量%と、平均粒径が20〜60μmで、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を使用すると好ましい。
本製造法に用いる金属ケイ素粒子は、平均粒径が5〜50μmである。金属ケイ素粒子の平均粒径が5μm未満であると、細孔直径(以下、細孔径と略す)が小さくなりすぎて、窒化ケイ素質ハニカムフィルタ(以下、ハニカムフィルタと略す)機能の低下や圧力損失(以下、圧損と略す)の増加をもたらす。また、金属ケイ素粒子の平均粒径が50μmを超えると、気孔率や細孔径は増大するが、充分な強度が得られなくなるおそれがある。金属ケイ素粒子の純度としては目的、用途に応じ適宜選択される。
本製造法において金属ケイ素粒子の含有量は、50〜85質量%である。金属ケイ素粒子の含有量が50質量%未満であるとハニカムフィルタの耐熱性、耐食性、耐薬品性、機械的強度などが所望のものより低下するおそれがあり、一方、金属ケイ素粒子の含有量が85質量%を超えると、気孔形成剤の量が少なくなりすぎ、気孔率や平均細孔径などの特性が所望の値より小さくなりすぎるおそれがある。
本製造法に用いるガラス質中空粒子(以下、単に中空粒子と略す)としては、中実でないガラス質粒子であって、熱処理時に気孔を形成し易いものであればいずれも好適に使用される。中空粒子は、中空であれば外皮に相当する部分が緻密質でもよいし、多孔質でもよい。また、中空粒子が外形が球状粒子であると入手しやすいので好ましいが、球状粒子以外の粒子でも中空であればよい。
本製造法において、中空粒子の軟化温度は400〜1000℃である。中空粒子の軟化温度が400〜1000℃であると、窒素雰囲気中で熱処理したときに酸窒化ケイ素(Si2ON2)などの含窒素化合物が形成される前に中空粒子が軟化、溶融する。そのためハニカムフィルタ内に中空粒子の形態がほとんど残留せず、気孔率と平均細孔径が共に大きく、しかも細孔径の小さいものが少ない気孔分布を有する多孔体が得られる。中空粒子の軟化温度が500〜900℃であると好ましい。中空粒子の軟化温度が600〜800℃であると特に好ましい。このような中空粒子のガラス質成分としてはソーダ石灰ホウケイ酸ガラス(SiO267質量%、B2O312質量%、Na2O6質量%、CaO13質量%)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなどが挙げられる。
中空粒子の見掛比重が0.2〜0.8であると好ましい。中空粒子の見掛比重が0.8を超えると、所望の細孔径、気孔率が得られないおそれがあるほか、配合する中空粒子の量が多くなりすぎるおそれがあり好ましくない。また、見掛比重が0.2未満であると中空粒子自体の機械的強度が小さくなり、混合や成形の過程で中空粒子が破損し、気孔形成の役割が著しく低下するおそれがある。
本製造法において、中空粒子の平均粒径は20〜60μmであると好ましい。中空粒子の平均粒径が20μm未満であると、細孔径が小さくなりすぎるおそれがあり、一方、平均粒径が60μmを超えると得られる細孔径が大きくなりすぎてハニカムフィルタの強度が低下するおそれがある。
中空粒子の含有量としては、成形体中5〜30質量%であるが、含有量が5質量%未満では、フィルタ機能を果たす気孔の割合が充分でなく、一方、含有量が30質量%を超えるとフィルタの細孔径や気孔率が大きくなるものの、充分な強度が得られない。
金属ケイ素粒子と中空粒子との配合比が、体積にして金属ケイ素粒子が40〜65体積%、中空粒子が35〜60体積%の範囲であると好ましく、前記配合比が金属ケイ素粒子が45〜55体積%、中空粒子が45〜55体積%であるとさらに好ましい。
本製造法において、前記成形体中に有機バインダを10〜20質量%含む。前記有機バインダには可塑剤、分散剤その他成形助剤を含む。なお、このような有機バインダとしては、ポリビニルアルコールまたはその変成物、デンプンまたはその変成物、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂またはアクリル系共重合体、酢酸ビニル樹脂または酢酸ビニル系共重合体等の有機物を使用でき、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を可塑剤として添加することも可能である。可塑剤その他を含む場合には、可塑剤も有機バインダの質量に含めて組成を表す。
有機バインダの成形体中の含有量は、10〜20質量%である。有機バインダの含有量が10質量%未満であると成形性、成形体の機械的強度が充分でないおそれがあり、一方、有機バインダの含有量が20質量%を超えると金属ケイ素粒子や中空粒子の含有量が少なくなりすぎ所望の多孔体を得られないおそれがある。
本製造法において、金属ケイ素粒子と中空粒子と有機バインダの混合には、ミキサやボールミルなどの一般的な混合手段が使用できる。金属ケイ素粒子と中空粒子を含むハニカム成形体を作成する方法としては、前記混合原料に水、有機溶媒、を適宜添加して混練、坏土とし押出成形等で成形する。
前記成形体を熱処理する条件としては、窒素雰囲気下で2段階の熱処理とし、金属ケイ素粒子の窒化に適した第1段および生成した窒化物である窒化ケイ素粒子の焼結に適した第2段に分けるのが好ましい。
第1段の熱処理条件としては、窒素雰囲気下で1200〜1400℃で3〜24時間保持するのが好ましい。温度が1200℃未満であると金属ケイ素粒子の窒化が起こらず、一方、温度が1400℃を超えると金属ケイ素の融点(1410℃)付近で金属ケイ素粒子が融解し、焼結体の形状を保持できないため好ましくない。温度保持時間が3時間未満であると金属ケイ素粒子の窒化が不充分となり好ましくなく、また温度保持時間が24時間を超えると窒化反応がそれ以上ほとんど進行しなくなり、運転費用がかさむため好ましくない。
第2段の熱処理条件としては、窒素雰囲気下で1500〜1800℃で1〜12時間保持することが好ましい。温度が1500℃未満であると窒化ケイ素粒子の焼結が進まないため好ましくなく、1800℃を超えると窒化ケイ素粒子が分解するので好ましくない。温度保持時間が1時間未満であると粒子同士の結合が充分に進行しないため好ましくなく、一方、12時間を超えると特に、高温では窒化ケイ素が分解しやすくなり好ましくない。なお、第1段の熱処理と第2段の熱処理は、中間で温度をいったん下げても、または温度を下げることなく連続で実施してもよい。
熱処理時の昇温速度は、成形体の大きさ、形状等により適宜選択されるが、50〜600℃/hであると窒化率、気孔径の点で好ましい。昇温過程であっても、第1段および第2段で規定する温度範囲にある場合は、その経過時間はそれぞれ第1段および第2段の保持時間に加えるものとする。
ここで窒素雰囲気とは、実質的に窒素のみを含み酸素を含まない雰囲気をいうが、他の不活性気体を含んでいてもよい。窒素分圧は50kPa以上が好ましい。
本製造法で得られる窒化ケイ素質ハニカムフィルタの水銀圧入法で測定された平均細孔径は、10〜30μmであると好ましい。平均細孔径が10μm未満であると、ハニカムフィルタに触媒等を担持させた時にハニカムフィルタの細孔径が小さくなりすぎ、使用時のハニカムフィルタの圧損が大きくなり好ましくない。平均細孔径が30μmを超えると、ハニカムフィルタに触媒等を担持させても平均細孔径が大きくなりすぎディーゼルパティキュレートのような微粒子の捕捉がしにくくなるため好ましくない。
本製造法で得られるハニカムフィルタの水銀圧入法で測定された気孔率は、60〜80%であると好ましい。気孔率が60%未満であると、触媒等を担持した時にハニカムフィルタの圧損が大きくなりすぎるおそれがあり好ましくなく、また気孔率が80%を超えるとハニカムフィルタの機械的強度が低くなりすぎるおそれがあり好ましくない。
また、細孔径5μm以上の細孔の細孔容積の合計が全細孔容積の合計の70%以上であると、触媒等を担持しても使用時のハニカムフィルタの圧損を小さくできる。細孔径5μm未満の細孔は、ガス流れへの寄与が少なく、圧損低減効果が少ないためである。気孔率が60〜80%で、かつ細孔径5μm以上の細孔の細孔容積の合計が全細孔容積の合計の70%以上であると、DPFとして好適であるので好ましい。気孔率が60〜80%で、かつ細孔径5μm以上の細孔の細孔容積の合計が全細孔容積の合計の80%以上であると、圧損が小さいためさらに好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
[例1〜例3]
平均粒径22μmの金属ケイ素粒子(ELKEM社製、Si純度98%)と、ソーダ石灰ホウケイ酸質ガラスからなる中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:スコッチライトグラスバブルス K46、見掛比重0.46、軟化点600℃、平均粒径40μm、同商品名:スコッチライトグラスバブルス S60、見掛比重0.6、軟化点600℃、平均粒径30μm、)と、有機バインダとしてメチルセルロースおよびグリセリン(メチルセルロース:グリセリン=12〜16:1〜2)、とを表1に示すような割合で添加し、ミキサで乾式混合した。体積比算出に際しては、金属ケイ素粒子の比重を2.35とした。
平均粒径22μmの金属ケイ素粒子(ELKEM社製、Si純度98%)と、ソーダ石灰ホウケイ酸質ガラスからなる中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:スコッチライトグラスバブルス K46、見掛比重0.46、軟化点600℃、平均粒径40μm、同商品名:スコッチライトグラスバブルス S60、見掛比重0.6、軟化点600℃、平均粒径30μm、)と、有機バインダとしてメチルセルロースおよびグリセリン(メチルセルロース:グリセリン=12〜16:1〜2)、とを表1に示すような割合で添加し、ミキサで乾式混合した。体積比算出に際しては、金属ケイ素粒子の比重を2.35とした。
この混合物100質量%に対して、50〜52質量%のイオン交換水を加えてニーダで充分混練して押出成形用坏土を作製した。得られた押出成形用坏土をハニカム成形体用金型を有する真空押出成形機により押出成形し、外形20mm×20mm×150mm、セル壁の厚さ0.25mm、セル数200セル/6.45cm2の成形体を得た。
得られたハニカム成形体を乾燥後、窒素雰囲気下で、室温から800℃まで240℃/hで昇温し800℃で1時間保持した。保持後1350℃まで120℃/hで昇温し、1350℃で3時間保持後、1750℃まで120℃/hで昇温し、1750℃で3時間保持して熱処理した。
得られたハニカム焼結体に対して水銀圧入法による細孔測定を実施した。またX線回折により結晶相の同定を行ったところ、いずれの焼結体においても窒化ケイ素のみが認められた。表中例1〜4が実施例である。なお、細孔測定は水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス社製、商品名:AUTOSCAN−33)で測定した。
また、例2については、外形145mmφ×160mm、セル壁の厚さ0.25mm、セル数200セル/6.45cm2の成形体を作製し、乾燥後、窒素雰囲気下で、室温から800℃まで240℃/hで昇温し800℃で1時間保持した。保持後1750℃まで120℃/hで昇温し、1750℃で3時間保持して熱処理した。なお、昇温の途中で、1250℃、1300℃、1350℃の各温度で3時間ずつ保持した。得られたハニカムの平均細孔径は11μm、気孔率は68%、気孔径5μm以上の割合は84%であった。このハニカムのセルを交互に目封じした後、エンジンベンチテストにかけ、400m3/hの流量で圧損を測定したところ、2.5kPaであった。
[例4(比較例)]
例2において、ソーダ石灰ホウケイ酸ガラス質の中空粒子の代わりに、Al2O3成分65%、SiO2成分35%からなるガラス質の中空粒子(太平洋セメント社製、商品名:SL75、見掛比重0.65、軟化温度1200℃以上)を使用した。
例2において、ソーダ石灰ホウケイ酸ガラス質の中空粒子の代わりに、Al2O3成分65%、SiO2成分35%からなるガラス質の中空粒子(太平洋セメント社製、商品名:SL75、見掛比重0.65、軟化温度1200℃以上)を使用した。
金属ケイ素粒子と中空粒子の配合比が体積比で50:50になるように、平均粒径22μmの金属ケイ素粒子(ELKEM社製、Si純度98%)を67質量%、中空粒子を20質量%、有機バインダとしてメチルセルロースおよびグリセリンを13質量%の配合比で混合後、この混合物100質量%に対して、51質量%のイオン交換水を加えてニーダで充分混練して押出成形用坏土を作製した。得られた押出成形用坏土をハニカム成形体用金型を有する真空押出成形機により押出成形し、外形20mm×20mm×150mm、セル壁の厚さ0.25mm、セル数200セル/6.45cm2の成形体を得た。
得られたハニカム成形体を乾燥後、窒素雰囲気下で、室温から800℃まで240℃/hで昇温し800℃で1時間保持した。保持後1350℃まで120℃/hで昇温し、1350℃で3時間保持後、1750℃まで120℃/hで昇温し、1750℃で3時間保持して熱処理した。
得られたハニカムの平均細孔径は8μm、気孔率は54%、気孔径5μm以上の気孔の体積割合は55体積%であった。得られたハニカム焼結体のX線回折により結晶相の同定を行ったところ、窒化ケイ素と酸窒化ケイ素のピークが観測され、走査型電子顕微鏡にて微細組織を観察したところ、一部に中空粒子の形態が残存しているのが確認された。
本発明によって得られる窒化ケイ素質ハニカムフィルタは、形状精度に優れ、かつディーゼルパテキュレートなどの捕集に適した細孔径、気孔率を有している。しかも圧力損失を低くできることから、強度、耐熱性、耐食性、耐久性等が要求されるDPFとして好適に利用できる。
Claims (6)
- 平均粒子直径5〜50μmの金属ケイ素粒子50〜85質量%と、軟化温度400〜1000℃のガラス質中空粒子5〜30質量%と、有機バインダ10〜20質量%とを含む成形体を窒素雰囲気中で熱処理することにより金属ケイ素を実質的に窒化ケイ素とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
- 前記ガラス質中空粒子として、平均粒子直径が20〜60μmである請求項1記載のガラス質中空粒子。
- 前記ガラス質中空粒子として、見掛比重が0.2〜0.8であるガラス質中空粒子を用いる請求項1または2記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
- 前記熱処理条件が、成形体を温度1200〜1400℃の窒素雰囲気中で、3〜24時間保持して第1段階の熱処理後、さらに温度1500〜1800℃の範囲で1〜12時間保持して第2段階の熱処理を行うものである請求項1、2または3記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
- 前記金属ケイ素粒子と前記ガラス質中空粒子との体積配合比が、金属ケイ素粒子が40〜65体積%、ガラス質中空粒子が35〜60体積%である請求項1、2、3または4記載の窒化ケイ素質ハニカムフィルタの製造法。
- 水銀圧入法で測定される平均細孔直径が10〜30μm、細孔直径5μm以上の細孔の細孔容積の合計が全細孔容積の合計の70%以上で、かつ気孔率が60〜80%であることを特徴とする窒化ケイ素質ハニカムフィルタ。
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KR101372464B1 (ko) * | 2012-12-13 | 2014-03-10 | 한국과학기술원 | 다공성 질화규소 구조체 및 이의 제조방법 |
-
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