JP2002121074A - 窒化ケイ素フィルタの製造法 - Google Patents

窒化ケイ素フィルタの製造法

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JP2002121074A JP2000313956A JP2000313956A JP2002121074A JP 2002121074 A JP2002121074 A JP 2002121074A JP 2000313956 A JP2000313956 A JP 2000313956A JP 2000313956 A JP2000313956 A JP 2000313956A JP 2002121074 A JP2002121074 A JP 2002121074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化ケイ素粒子を出発原料とし、高強度で、除
塵や脱塵に最適な窒化ケイ素フィルタの製造法を提供す
る。 【解決手段】平均粒子直径が1〜30μm以下である窒
化ケイ素粒子45〜85%と金属酸化物中空粒子10〜
50%と金属酸化物中実粒子0.1〜5%とを含み、か
つ前記窒化ケイ素粒子と前記金属酸化物中空粒子と前記
金属酸化物中実粒子との合量が90%以上である成形体
を窒素中で熱処理することにより窒化ケイ素フィルタを
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温排気ガス中に
含まれる粉塵等を除去するために好適な窒化ケイ素フィ
ルタの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素は、耐熱性、耐食性、耐薬品
性、強度等に優れた特性を有しており、高温や腐食性環
境下での集塵、脱塵用フィルタやディーゼルエンジンの
排ガス浄化フィルタとして期待されている。このような
窒化ケイ素フィルタの製造法がいくつか提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平6−256069には、粗
粒の窒化ケイ素粒子とガラス粒子を混合後、成形、焼成
する方法が提案されている。しかし、このような低融点
物質を結合剤として添加する方法では窒化ケイ素の持つ
耐熱性を大きく損なうおそれがある。また、特開平7−
187845、特開平8−59364には、それぞれ、
窒化ケイ素粒子と有機ケイ素化合物の混合物、窒化ケイ
素粒子とポリシラザンの混合物を出発原料とし、同様に
成形体を焼成する方法が提案されている。しかし、ポリ
シラザンのような有機ケイ素化合物は一般に高価である
ため、これらを使用する方法は、製造原価、原料の入手
しやすさなどの点で問題がある。
【0004】一方、窒化ケイ素粒子のかわりに金属ケイ
素粒子を使用し、窒化処理を行うことによって窒化ケイ
素フィルタを得る方法として、特開平1−188479
には、金属ケイ素粒子と窒化ケイ素粒子からなる混合粉
体を出発原料とし、窒化ケイ素粒子の窒化率が50%以
下の多孔体を得る方法が提案されている。しかし、この
方法では、金属ケイ素粒子の窒化率が50%以下である
ため、窒化されずに窒化ケイ素焼結体に残留する金属ケ
イ素粒子が多く、窒化ケイ素の持つ優れた耐熱性、耐食
性を損なうおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒化ケイ素
粒子を出発原料とし、しかも強度が高く、除塵、脱塵に
最適な窒化ケイ素フィルタの製造法の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子直径
が1〜30μmである窒化ケイ素粒子45〜85質量%
と、金属酸化物中空粒子10〜50質量%と、金属酸化
物中実粒子0.1〜5質量%とを含み、かつ前記窒化ケ
イ素粒子と前記金属酸化物中空粒子と前記金属酸化物中
実粒子との合量が90質量%以上である成形体を窒素中
で熱処理することにより実質的に窒化ケイ素からなる多
孔質体とする窒化ケイ素フィルタの製造法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の窒化ケイ素フィルタの製
造法(以下、本製造法という)では、金属酸化物中空粒
子10〜50質量%(以下、単に%という)と、金属酸
化物中実粒子0.1〜5%と、平均粒子直径が1〜30
μmの窒化ケイ素粒子45〜85%とを含み、かつ前記
金属酸化物中空粒子と前記金属中実粒子と前記窒化ケイ
素粒子との合量が90%以上である成形体を使用する。
【0008】金属酸化物中空粒子(以下、単に中空粒子
という)としては、熱処理時に気孔を形成するものであ
ればいずれも好適に使用されるが、本発明においては気
孔率が30%以上のものをいう。気孔率が30%未満で
あると気孔の形成能が不充分となる場合があるためであ
る。中空粒子の気孔率が40〜80%であると好まし
く、さらに好ましくは50〜70%である。
【0009】中空粒子は、Alおよび/またはSiの酸
化物を主成分とすると、成分のガス化による気孔率の上
昇、または成分の一部が固溶することによって耐酸化性
を向上させる効果があるため好ましい。中空粒子は、中
空であれば外皮に相当する部分が緻密質でもよいし、多
孔質でもよい。また、中空粒子は、外形が球状粒子であ
ると入手しやすいので好ましいが、球状粒子以外の粒子
でも中空であればよい。
【0010】中空粒子の平均粒子直径が30〜200μ
mであると、得られるフィルタの気孔率が大きく、しか
も強度も確保されるため好ましい。中空粒子の平均粒子
直径が30μm未満であると、気孔形成への寄与が低下
し、一方、平均粒子直径が200μmを超えると得られ
るフィルタの強度が不充分であるため好ましくない。
【0011】中空粒子の含有量としては、成形体中10
〜50%である。含有量が15%未満では、フィルタ機
能を果たす気孔の割合が充分でなく、一方、含有量が5
0%を超えるとフィルタの気孔率が大きくなるものの、
充分な強度が得られない。
【0012】金属酸化物中実粒子(以下、単に中実粒子
という)としては、熱処理時に窒化ケイ素粒子に対して
焼結助剤として機能するものであればいずれも好適に使
用される。本製造法に用いる中実粒子が、Al、Ca、
Sr、Ba、Y、MgおよびYbからなる群から選ばれ
る1種以上の金属の酸化物を主成分とするものである
と、気孔を形成する窒化ケイ素部分は緻密な組織とな
り、かつ形成される多孔体は高強度となるため好まし
い。
【0013】中実粒子としては、最初から酸化物粒子で
もよいが、熱分解後に酸化物粒子となるような有機金属
化合物でもよい。これら中実粒子は、平均粒子直径が1
0μm以下であると少ない添加量で効果が発揮されるた
め好ましい。成形体中の中実粒子の含有量が0.1%未
満では骨格となる窒化ケイ素マトリックスの組織が充分
に緻密化できず高強度の多孔体を得ることができない。
一方、含有量が5%を超えると熱膨張係数の上昇や著し
い多孔体の収縮を引き起こし、窒化ケイ素のもつ耐熱性
を損なったり、焼結体の変形を伴うおそれがあり好まし
くない。
【0014】本製造法に用いる窒化ケイ素粒子は、平均
粒子直径が1〜30μmである。窒化ケイ素粒子の平均
粒子直径が1μm未満であると、成形体作成中などに外
気の酸素や水分を吸着する量が増大し、窒化ケイ素粒子
が酸化されて生成する二酸化ケイ素の量が大きくなりす
ぎる。また、窒化ケイ素粒子の平均粒子直径が30μm
を超えると、マトリックスが添加剤によって緻密化が進
行しない。窒化ケイ素粒子の平均粒子直径が1〜10μ
mであるとより好ましい。窒化ケイ素粒子の純度として
は目的、用途に応じ適宜選択される。
【0015】本製造法において、中空粒子と中実粒子と
窒化ケイ素粒子との合量は、成形体中90%以上であ
る。中空粒子と中実粒子と窒化ケイ素粒子との合量が成
形体中90%未満であると所望の特性のフィルタを得る
ことができない。
【0016】本製造法において、中空粒子と中実粒子と
窒化ケイ素粒子との混合には、ボールミルやミキサなど
の一般的な混合手段が使用でき、中空粒子と中実粒子と
窒化ケイ素粒子とを含む成形体を作成する方法として
は、一軸加圧成形、押出成形、鋳込成形などの通常のセ
ラミックス成形法が適宜採用される。なお、成形に際し
て、有機バインダを加えてもよい。このような有機バイ
ンダとしては、ポリビニルアルコールまたはその変成
物、デンプンまたはその変成物、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、アクリル樹脂またはアクリル系共重合体、酢酸
ビニル樹脂または酢酸ビニル系共重合体、等の有機物を
使用できる。
【0017】前記成形体を熱処理する条件としては、窒
素雰囲気下で熱処理する。熱処理条件としては、窒素雰
囲気下で1600〜1800℃で2〜5時間保持するこ
とが好ましい。温度範囲が1600℃未満であると窒化
ケイ素粒子の焼結が進まないため好ましくなく、180
0℃を超えると窒化ケイ素粒子が分解するので好ましく
ない。保持時間が2時間未満であると粒子同士の結合が
充分に進行しないため好ましくなく、一方、5時間を超
えると、特に高温では、窒化ケイ素が分解しやすくなり
好ましくない。
【0018】熱処理時の昇温速度は、成形体の大きさ、
形状等により適宜選択されるが、脱脂工程は分解したガ
スが大量に発生するため、50〜200℃/hで行うの
が好ましい。ここで窒素雰囲気とは、実質的に窒素のみ
を含み酸素を含まない雰囲気をいうが、他の不活性気体
を含んでいてもよい。窒素分圧は50kPa以上が好ま
しい。
【0019】本製造法で得られる窒化ケイ素フィルタの
気孔率は、30〜80%であると好ましい。気孔率は、
アルキメデス法により測定する。気孔率が30%未満で
あると圧力損失が大きくなるため好ましくなく、また気
孔率が80%を超えると強度が低いため好ましくない。
【0020】本製造法で得られる窒化ケイ素フィルタの
水銀圧入法で測定された平均細孔直径は、5〜40μm
であると好ましい。平均細孔直径が5μm未満であると
フィルタ使用時の圧力損失が大きくなり好ましくない。
平均細孔直径が40μmを超えるとディーゼルパティキ
ュレートのような排気微粒子の捕捉除去がしにくくなる
ため好ましくない。
【0021】
【実施例】以下に実施例(例1、例6〜例8)と比較例
(例2〜例5、例9、例10)を示す。なお、細孔特性
は、水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス社製、商品
名:AutoSCAN−33)で測定し、熱膨張係数
は、室温から1000℃までの範囲で示差熱型熱膨張測
定機(リガク社製、商品名:TAS−100)により測
定した。
【0022】[例1]平均粒子直径5μmの窒化ケイ素
粒子68質量部に平均粒子直径75μmのアルミナ系中
実粒子(気孔率50%)30質量部、さらに平均粒子直
径2μmのMgO中空粒子2質量部を添加しエタノール
を分散媒として、ボールミル法によって30分間湿式混
合して、最後に乾燥した。
【0023】得られた混合粒子を60mm×60mmの
プレス金型に充填し、成形圧20MPaで一軸加圧成形
した。成形後、電気炉中、窒素雰囲気下で、室温から1
000℃までを100℃/hで昇温し1000℃で2時
間保持した後、1000℃から1760℃までを300
℃/hで昇温し1760℃で4時間保持して熱処理し
た。
【0024】得られた焼結体は気孔率50%、平均細孔
直径20μmであった。この多孔体についてX線により
結晶相を同定したところ窒化ケイ素のみが認められた。
多孔体の組織は、マトリックス部分は緻密化が進行して
おり、中空粒子によって形成された球状の気孔が均一に
分散しているのが認められた。この多孔体について熱膨
張係数を測定したところ、室温から1000℃までの範
囲で3.0×10-6/℃と低熱膨張であった。また、焼
結体から4mm×3mm×40mmサイズの曲げ試験片
を切り出し、スパン30mmの3点曲げ強度を室温で測
定した。荷重印加速度は、0.5mm/分とした。その
結果、曲げ強度が70MPaと高強度であった。
【0025】[例2(比較例)]例1において、窒化ケ
イ素粒子を68質量部から43質量部に、アルミナ系中
空粒子の添加量を30質量部から110質量部に変更す
る他は例1と同様にした。得られた焼結体は気孔率85
%、平均細孔直径45μmであった。多孔体の組織は、
マトリックス部分は緻密化が進行しており、中空粒子に
よって形成された球状の気孔が均一に分散しているのが
認められた。この多孔体について、例1と同様にX線回
折、熱膨張係数測定および3点曲げ強度測定を行った。
その結果、結晶相の同定としては、窒化ケイ素以外にア
ルミナのピークが認められた。また、熱膨張係数は室温
から1000℃までの範囲で5.3×10-6/℃と高熱
膨張であった。室温での3点曲げ強度は3MPaであっ
た。
【0026】[例3(比較例)]例1において、窒化ケ
イ素粒子を68質量部から62質量部に、MgO中実粒
子の添加量を2質量部から8質量部に変更する他は例1
と同様にした。得られた焼結体は気孔率20%、平均細
孔直径8μmであった。この多孔体について、例1と同
様にX線回折、熱膨張係数測定および3点曲げ強度測定
を行った。その結果、結晶相の同定としては、スピネル
(MgAl24)ピークが認められた。また、熱膨張係
数は室温から1000℃までの範囲で4.0×10-6
℃であった。室温での3点曲げ強度は250MPaであ
った。なお、得られた焼結体は、組織はマトリックス部
分は緻密化が進行しており、中空粒子によって形成され
た球状の気孔が均一に分散していたが、著しい変形が観
察された。これは、生成した液相により焼結が著しく進
行したためと思われる。
【0027】[例4(比較例)]例1において、窒化ケ
イ素粒子の平均粒子直径を5μmから50μmに変更す
る他は例1と同様にした。得られた焼結体は気孔率75
%、平均細孔直径40μmであり組織の焼結、緻密化は
全く進行していなかった。この多孔体について、例1と
同様にX線回折、熱膨張係数測定および3点曲げ強度測
定を行った。その結果、結晶相の同定としては、窒化ケ
イ素とアルミナのピークが認められた。また、熱膨張係
数は室温から1000℃までの範囲で4.0×10-6
℃と低熱膨張であった。室温での3点曲げ強度は、6M
Paと低強度であった。
【0028】[例5(比較例)]例1において、窒化ケ
イ素粒子を金属シリコンに変更する他は例1と同様にし
た。この多孔体について、例1と同様にX線回折、熱膨
張係数測定および3点曲げ強度測定を行った。その結
果、得られた焼結体は気孔率70%、平均細孔直径45
μmであった。また結晶相を同定したところ、窒化ケイ
素のピークが認められた。この多孔体について熱膨張係
数を測定したところ、室温から1000℃までの範囲で
3.1×10-6/℃と低熱膨張であった。しかし、多孔
体の組織は、多孔質な窒化ケイ素組織の内部に中空粒子
によって形成された球状の気孔が均一に分散した組織と
なっており、室温での3点曲げ強度は5MPaと低強度
であった。
【0029】[例6]平均粒子直径5μmの窒化ケイ素
粒子72質量部に、中空粒子として平均粒子直径100
μmのシリカ中空粒子(気孔率70%)35質量部、Y
23中実粒子3質量部を添加し、ミキサによって30分
間乾式混合した。得られた混合粒子を例1と同様にして
一軸加圧成形した。成形後、電気炉中、窒素雰囲気下
で、室温から500℃までを100℃/hで、500℃
から1600℃までを300℃/hで昇温し1600℃
で5時間保持して焼結した。
【0030】得られた焼結体は、気孔率60%、平均細
孔直径30μmであった。多孔体の組織は、マトリック
ス部分は緻密化が進行しており、中空粒子によって形成
された球状の気孔が均一に分散しているのが認められ
た。この多孔体についてX線により結晶相を同定したと
ころ窒化ケイ素のみが認められ、熱膨張係数を測定した
ところ、室温から1000℃までの範囲で3.1×10
-6/℃と低熱膨張であり、室温での3点曲げ強度は60
MPaと高強度であった。
【0031】[例7]平均粒子直径10μmの窒化ケイ
素粒子67質量部に、平均粒子直径45μmのムライト
系ガラス中空粒子(気孔率50%)30質量部、Yb2
3中実粒子3質量部を添加し、さらにエタノールを分
散媒として添加し、ボールミル法によって30分間湿式
混合して、最後に乾燥した。得られた混合粒子を例1と
同様に一軸加圧成形した。成形後、電気炉中、窒素雰囲
気下で、室温から1100℃までを200℃/hで昇温
し1100℃で2時間保持した後、1100℃から17
00℃までを60℃/hで昇温し1700℃で5時間保
持して熱処理した。
【0032】得られた焼結体は気孔率50%、平均細孔
直径15μmであった。多孔体の組織は、マトリックス
部分は緻密化が進行しており、中空粒子によって形成さ
れた球状の気孔が均一に分散しているのが認められた。
この多孔体について熱膨張係数を測定したところ、室温
から1000℃までの範囲で2.9×10-6/℃と低熱
膨張であり、室温での3点曲げ強度は100MPaであ
った。
【0033】[例8]平均粒子直径20μmの窒化ケイ
素粒子63質量部に対し、平均粒子直径50μmのシリ
カ−アルミナ系中空粒子(気孔率70%)35質量部、
23中実粒子2質量部を添加し、ミキサによって乾式
混合した。この混合粒子100質量部に、10質量部の
メチルセルロースと10質量部のイオン交換水を加えて
ニーダで充分混練して押出成形用坏土を作製後、押出成
形した。得られた押出成形体を温風乾燥機によって乾燥
後、電気炉中、窒素雰囲気下で、室温から800℃まで
を50℃/hで昇温し800℃で2時間保持した後、8
00℃から1700℃までを60℃/hで昇温し170
0℃で5時間保持して熱処理した。
【0034】得られた焼結体は気孔率60%、平均細孔
直径18μmであった。多孔体の組織は、マトリックス
部分は緻密化が進行しており、中空粒子によって形成さ
れた球状の気孔が均一に分散しているのが認められ、X
線により結晶相の同定を行ったところ窒化ケイ素のみが
認められた。さらにこの多孔体について熱膨張係数を測
定したところ、室温から1000℃までの範囲で2.9
×10-6/℃と低熱膨張であった。室温での3点曲げ強
度は、60MPaであった。
【0035】[例9(比較例)]平均粒子直径2μmの
窒化ケイ素粒子93質量部に、平均粒子直径2μmのY
23中実粒子5質量部と平均粒子直径1.5μmの酸化
アルミニウム中実粒子2質量部を添加した。さらに、外
掛で50質量部のイオン交換水と粒子に対して外掛で
0.1質量部のポリカルボン酸系分散剤を添加してスラ
リを作製した。スラリ中に60mm×60mm×30m
mのポリウレタン発泡樹脂体を浸漬させ、真空下で脱泡
したのち、ポリウレタン発泡樹脂体を取出し乾燥させ
た。
【0036】乾燥後、電気炉で1800℃、4時間、窒
素雰囲気下で焼結した。焼結後、得られた窒化ケイ素フ
ィルタは気孔率75%であったが、形成された平均細孔
直径は100μmと大きな気孔が形成されており、また
室温での3点曲げ強度も8MPaと低強度であった。ま
た、X線回折により結晶相の同定を行ったところ、窒化
ケイ素のピーク以外に炭化ケイ素のピークが認められ
た。
【0037】[例10(比較例)]トルエン中に、平均
粒子直径1μmの窒化ケイ素粒子100質量部とポリシ
ラザン300質量部を加えて充分撹拌してスラリを作製
した。作製したスラリを乾燥後、得られた粒子を解砕
し、さらに整粒して成形体用粒子とした。例1と同様に
一軸加圧成形した後、100MPaで静水間加圧成形
(CIP)した。成形後、室温から500℃までを6℃
/hで昇温し、500℃から1200℃までを300℃
/hで昇温し、1200℃で6時間保持した後、さらに
1200℃から1400℃までを100℃/hで昇温
し、1400℃で4時間保持して、熱処理した。
【0038】得られた焼結体は気孔率87%、平均細孔
直径35μmであった。焼結体の各所に10μm程度の
亀裂が各所に存在した。この多孔体についてX線により
結晶相の同定を行ったところ窒化ケイ素とムライトの存
在が認められた。この多孔体について室温での3点曲げ
強度を測定したところ、5MPaと低強度であった。
【0039】
【発明の効果】本製造法により、高強度で耐熱性、耐食
性および耐薬品性に優れた窒化ケイ素フィルタを容易に
製造できる。本製造法によって得られる窒化ケイ素フィ
ルタは、強度が従来のものより高く、かつディーゼルパ
ティキュレートなどの捕集に適する平均細孔直径を有
し、しかも気孔率も従来品に劣らないことから、フィル
タ、特に、強度、耐熱性、耐食性、耐久性等が要求され
るディーゼルパティキュレートフィルタとして好適であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子直径が1〜30μmである窒化ケ
    イ素粒子45〜85質量%と、金属酸化物中空粒子10
    〜50質量%と、金属酸化物中実粒子0.1〜5質量%
    とを含み、かつ前記窒化ケイ素粒子と前記金属酸化物中
    空粒子と前記金属酸化物中実粒子との合量が90質量%
    以上である成形体を窒素中で熱処理することにより実質
    的に窒化ケイ素からなる多孔質体とする窒化ケイ素フィ
    ルタの製造法。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物中空粒子の平均粒子直径が
    30〜200μmである請求項1記載の窒化ケイ素フィ
    ルタの製造法。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物中空粒子がAlおよび/ま
    たはSiの酸化物を主成分とする請求項1または2記載
    の窒化ケイ素フィルタの製造法。
  4. 【請求項4】前記金属酸化物中実粒子がAl、Ca、S
    r、Ba、Y、MgおよびYbからなる群から選ばれる
    1種以上の金属の酸化物を主成分とする請求項1、2ま
    たは3記載の窒化ケイ素フィルタの製造法。
  5. 【請求項5】前記多孔質体の気孔率が30〜80%であ
    る請求項1、2、3または4記載の窒化ケイ素フィルタ
    の製造法。
  6. 【請求項6】前記多孔質体の水銀圧入法で測定される平
    均細孔直径が5〜40μmである請求項1〜5のいずれ
    か記載の窒化ケイ素フィルタの製造法。
  7. 【請求項7】前記熱処理条件が、成形体を窒素雰囲気中
    で温度1600〜1800℃の範囲で1〜12時間保持
    して熱処理を行うものである請求項1〜6のいずれか記
    載の窒化ケイ素フィルタの製造法。
JP2000313956A 2000-10-13 2000-10-13 窒化ケイ素フィルタの製造法 Withdrawn JP2002121074A (ja)

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