JP2005058110A - 糖化液及びその製造方法、マルトトリオース組成物及びその製造方法 - Google Patents

糖化液及びその製造方法、マルトトリオース組成物及びその製造方法 Download PDF

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雅之 平田
Yoichiro Tanaka
陽一郎 田中
Toshio Niwa
利夫 丹羽
Hideo Naito
秀雄 内藤
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Abstract

【課題】 高純度で、しかも糖化デンプン量あたり高収率なマルトトリオース組成物のクロマト分離法による製造を可能とする。
【解決手段】 1次糖化工程で G3 特異的生成アミラーゼを作用させると共に2次糖化工程でβ−アミラーゼを作用させ、及び、1次糖化工程/2次糖化工程で枝切り酵素を作用させ、固形分として G2 が36〜40wt%、 G3 が45〜60wt%、 G4 +が15wt%以下である糖化液を得る。この糖化液をクロマト分離に供してマルトトリオース組成物を得る。好ましくは、クロマト分離においてマルトトリオースの溶出画分を全て回収する。
【選択図】 なし


Description

本発明は、高純度でかつ糖化デンプン量あたり高収率なマルトトリオース組成物と、クロマト分離法によるその製造方法に関し、更に、このようなマルトトリオース組成物の製造を可能とするクロマト分離用の糖化液と、新たに開発された糖化工程によるその製造方法に関する。
近年の我が国においては、食生活文化の変化に伴い、砂糖等と比較して低甘味でサッパリとした呈味の甘味料又は食品素材が求められている。このような要求に対して、グルコースがα(1→4)結合した3糖類であるマルトトリオースが有望視されている。
即ち、マルトトリオースは砂糖やグルコースに比較して甘味が低く、キレの良い甘味特性を持つ。又、マルトトリオースは3糖類としては溶解性が良く、保湿性や保水性も優れると言う特質がある。更に、マルトトリオースには澱粉の老化防止機能やタンパク質の変性防止機能を期待できるとの報告もあり、調理加工食品等に混合する食品素材としても有望である。
このため、水飴状や粉末状等のマルトトリオース組成物やその製造方法が種々に提案されている。当然のことながら、これらの提案では、組成物におけるマルトトリオースの高純度化が指向され、そのために糖化工程での各種アミラーゼの使用法に工夫を凝らしたり、糖化液のクロマト分離によってマルトトリオースを高純度化しようとするものが多い。
特開平3−236787号公報 上記の特許文献1は、マルトトリオースを主成分とする水飴の製造方法を開示する。その具体的内容は、「澱粉の液化液に対して一次糖化工程でα−アミラーゼ(又はα−アミラーゼ及び枝切り酵素)を作用させ、更に二次糖化工程でβ−アミラーゼを作用させて、マルトトリオースを30%以上含有し、四糖類以上のオリゴ糖が30%以下、グルコースが10%以下の糖組成の糖化液を得る」ことなどを要旨としている。
特開平4−108356号公報 上記の特許文献2は、クロマト分離によって得られるマルトトリオース高含有組成物を開示する。その具体的内容は、「固形あたりマルトトリオース40〜60%、マルトース15〜35%及びその他の糖からなるマルトトリオース液を強酸性陽イオン交換樹脂によってクロマト分離して得られる、固形あたりマルトトリオース65%以上及びマルトース25%以下含有するマルトトリオース高含有組成物」などを要旨としている。
特開平11−235193号公報 上記の特許文献3は、非老化性デキストリン液を副生成物として得るマルトトリオース液の製造方法を開示する。その具体的内容は、「澱粉の液化液に分解酵素としてマルトトリオヒドロラーゼを作用させてマルトトリオース含有量が25%ds以上の糖化液を調製し、該糖化液をイオン交換クロマトグラフィーで高純度マルトトリオース液画分と非老化性デキストリン液画分とにクロマト分画して、マルトトリオース液を得る、マルトトリオース液の製造方法」などを要旨としている。
特開平11−276114号公報 上記の特許文献4は、マルトトリオースを主成分とする調理用加工食品の物性改良剤および/または物性保持剤を開示する。その具体的内容は、「調理加工食品の原材料として用いる、食品の風味を損なうことなく、澱粉の老化防止機能や蛋白質の変性防止機能を有する食品素材であって、固形分あたりマルトース15重量%以下、マルトトリオース75重量%以上からなる食品素材」などを要旨としている。
なお、本明細書の以下の記載においては、グルコースを「G1」、マルトースを「G2」、マルトトリオースを「G3」、4糖類(マルトテトラオース)以上のオリゴ糖を「G4+」のように省略表記することがある。
ところで、上記の特許文献1〜特許文献4に記載された従来技術には、種々の高純度マルトトリオース組成物が開示されている。
例えば、上記の特許文献2に係る従来技術では、明細書に記載された実施例において、固形分として G3 が80.8%であるマルトトリオース高含有組成物が開示されている。このようなマルトトリオースの高純度化は、固形あたり G1 が3.8%、 G2 が28.5%、 G3 が46.8%、 G4 +が20.9%である糖化液をクロマト分離に供することにより達成された、としている。
しかしながら、本願発明者が特許文献2の実施例の記載に従って、同上組成のクロマト分離用糖化液を試作しクロマト分離装置を用いたクロマト分離に供して追試したところ、マルトトリオース画分に相当する溶出画分を全て回収すると言う通常のクロマト分離操作に従う限り、上記のような高純度化は全く達成できなかった。そしてその理由は、 G4 +に対する G3 の相対的組成比 G3 / G4 +が過少であるため、 G3 を十分に高純度化することができない点に起因することが分かった。
又、例えば上記の特許文献4に係る従来技術では、前記のように、固形あたりマルトトリオースが75重量%以上である食品素材が開示されている。明細書中に記載された実施例によれば、固形あたり G1 が2.0%、 G2 が41.0%、 G3 が47.0%、 G4 +が10.0%である糖化液をクロマト分離に供することにより、このマルトトリオースの高純度化が達成された、としている。
しかしこの場合にも、本願発明者が特許文献4の実施例の記載に従って、同上組成のクロマト分離用糖化液を試作しクロマト分離装置を用いたクロマト分離に供して追試したところ、マルトトリオース画分に相当する溶出画分は全て回収すると言う通常のクロマト分離操作に従う限り、上記のような高純度化は全く達成できなかった。そしてその理由は、 G2 に対する G3 の相対的組成比 G3 / G2
が過少であるため、 G3 を十分に高純度化することができない点に起因することが分かった。
但し、クロマト分離に関する一般常識として、マルトトリオースの溶出ピーク近傍のマルトトリオース高純度溶出画分のみを回収する場合には、上記特許文献2や特許文献4に記載のマルトトリオースの高純度化は容易に達成することができる。特許文献2や特許文献4におけるマルトトリオースの高純度化は、明細書には記載していないが、実際には溶出ピーク近傍のマルトトリオース高純度溶出画分のみを回収した結果である、と考えざるを得ない。
このような意味でのマルトトリオースの高純度化は、クロマト分離上の常識的なテクニックに過ぎない。そしてその場合には、マルトトリオースの溶出ピーク近傍の高純度溶出画分のみを回収し、溶出ピークからやや離れたマルトトリオース溶出画分(マルトトリオースが過半量を占めるが、高純度ではない溶出画分)を捨てることになる。即ち、マルトトリオースの高純度化のためにマルトトリオースの収率を犠牲にする、と言う看過できない問題を生じる。
なお、特許文献1の従来技術に係る糖化液は「クロマト分離に供してマルトトリオースの高純度化を図ることができる」とも記載され、その意味ではクロマト分離用糖化液であるが、明細書中の実施例に記載された糖化液の固形あたり組成比は G1 が7.3%、 G2 が40.4%、 G3 が41.3%、 G4 +が10.1%であり、特許文献4に記載された従来技術と同様に G3 / G2 が過少である他、高収率の点からそもそも G3 生成量の絶対値が不足している。
結局のところ、現在の技術状況においては、マルトトリオース組成物の十分な高純度化はクロマト分離法に頼らざるを得ないのであるが、上記の各特許文献に記載された従来技術では、マルトトリオースの高純度化のためにマルトトリオースの高収率を犠牲にしている。その結果、多量のマルトトリオースが無駄に捨てられ、マルトトリオース組成物のコストアップ要因にもなっている。
本願発明者の研究によれば、クロマト分離用糖化液の組成において、 G3 生成量の絶対値を大きくすること(第1条件)、組成比 G3 / G4 +を大きくすること(第2条件)、組成比 G3 / G2 を大きくすること(第3条件)、の3条件を満たすことにより、通常のクロマト分離操作を通じて、高収率でかつ高純度なマルトトリオース組成物を得ることができる。クロマト分離用糖化液における上記の3条件を、以下、「糖化液3条件」と言う。
特許文献1〜特許文献4に係る従来技術における糖化工程でのアミラーゼ使用のパターンでは、糖化液3条件を満たす糖化液を製造することができない。このため、糖化液3条件を満たす糖化液を製造できる新たな糖化工程、とりわけ糖化工程における新たなアミラーゼ使用のパターンを開発する必要がある。
そこで本発明は、このような課題を解決できるクロマト分離用糖化液と、これを製造可能な新たな糖化工程の設計を提供すること、及び、このクロマト分離用糖化液を利用して、クロマト分離においてマルトトリオース画分に相当する溶出画分を全て回収して高収率を確保したもとで、マルトトリオースが固形分あたり70%以上であるような高収率高純度のマルトトリオース組成物を得ることを、解決すべき技術的課題とする。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、液化後のデンプン質原料に対し、1次糖化工程で G3 特異的生成アミラーゼを作用させると共に2次糖化工程でβ−アミラーゼを作用させ、及び、前記1次糖化工程及び/又は2次糖化工程で枝切り酵素を作用させることにより、固形分としてマルトース( G2 )が36〜40wt%、マルトトリオース( G3 )が45〜60wt%、四糖類以上のオリゴ糖( G4 +)が15wt%以下であるクロマト分離用の糖化液を得る、糖化液の製造方法である。
ここにおいて、「 G3 特異的生成アミラーゼ」とは、マルトトリオースを特異的に生成するタイプのアミラーゼを言い、いわゆるマルトトリオヒドロラーゼもこのカテゴリーに含まれるが、通常の、デンプンのα(1→4)結合をアットランダムに切断するエンド型α−アミラーゼは含まない。
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る糖化液において、 G2 に対する G3 の相対的組成比 G3 / G2 が1.3以上であり、かつ G4 +に対する G3 の相対的組成比 G3 / G4 +が3.0以上である、糖化液の製造方法である。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、液化後のデンプン質原料に対しアミラーゼを作用させて得られるクロマト分離用の糖化液であって、マルトース、マルトトリオース及び四糖類以上のオリゴ糖が固形分として第1発明又は第2発明の組成比で含まれる、糖化液である。
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、第3発明に係る糖化液を、イオン交換樹脂を用いたクロマト分離操作によって3糖類以上と2糖類以下との2成分分離に供することにより、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して43.5wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得る、マルトトリオース組成物の製造方法である。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第4発明に係るクロマト分離操作において、3糖類以上の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収する、マルトトリオース組成物の製造方法である。
ここにおいて、「3糖類以上の画分として扱うべき溶出画分」とは、通常のクロマト分離操作において該当画分として回収されるべき溶出画分であって、3糖類以上の組成分が2糖類以下の組成分より多い溶出画分を言う。
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、第3発明に係る糖化液を、イオン交換樹脂を用いたクロマト分離操作によって4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供することにより、固形分としてマルトトリオースを75wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得る、マルトトリオース組成物の製造方法である。
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、前記第6発明に係るクロマト分離操作において、3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収する、マルトトリオース組成物の製造方法である。
ここにおいて、「3糖類の画分として扱うべき溶出画分」とは、通常のクロマト分離操作において該当画分として回収されるべき溶出画分であって、3糖類の組成分が4糖類以上の組成分より多い溶出画分、及び、3糖類の組成分が2糖類以下の組成分より多い溶出画分を言う。
(第8発明の構成)
上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、第3発明に係る糖化液を、イオン交換樹脂を用いた3糖類以上と2糖類以下との2成分分離、又は4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供し、かつその際に3糖類以上の画分又は3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全て回収して得られるマルトトリオース組成物であって、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率である、マルトトリオース組成物である。
(第1発明の効果)
第1発明においては、1次糖化工程で G3 特異的生成アミラーゼを、2次糖化工程でβ−アミラーゼを、及び、1次糖化工程と2次糖化工程の少なくとも一方で枝切り酵素を作用させるので、 G2 が36〜40wt%、 G3 が45〜60wt%、G4 +が15wt%以下であるクロマト分離用の糖化液が得られる。このような G2 、G3 及び G4 +の組成比は前記した糖化液3条件を満たすものであり、通常のクロマト分離による高収率で高純度なマルトトリオース組成物の製造を可能とする。
特許文献2に記載の従来技術のように、糖化工程において G3 特異的生成アミラーゼと枝切り酵素を作用させるだけで、β−アミラーゼを作用させる2次糖化工程を設定しない場合、 G2 の組成比は36wt%未満となり、そのこと自体は好ましいが、同時に G4 +の組成比が過大(例えば、20wt%以上)となるため、糖化液全体の組成比バランスが大きく崩れて糖化液3条件を満たさず、発明の目的を達成し得なくなる。
前記特許文献1や特許文献4に記載の従来技術のように、1次糖化工程において通常の( G3 特異的生成ではない)α−アミラーゼと枝切り酵素を作用させ、かつ2次糖化工程においてβ−アミラーゼを作用させた場合、 G4 +の組成比は15wt%以下となるが、 G2 の組成比が40wt%を超えて糖化液3条件を満たさず、発明の目的を達成し得なくなる。
前記特許文献3に記載の従来技術のように、糖化工程において枝切り酵素を使用せず、β−アミラーゼを作用させる2次糖化工程も設定しない場合、 G4 +の組成比が極めて過大(例えば、40wt%以上)となり、併せて、 G3 の組成比も45wt%に達しないため、糖化液3条件を満たすことができず、発明の目的を達成し得なくなる。
(第2発明の効果)
クロマト分離によって、より高収率で高純度なマルトトリオース組成物を製造するためには、クロマト分離用の糖化液における前記の糖化液3条件が求められるが、第2発明のように、 G2 、 G3 及び G4 +の組成比において G3 / G2 が1.3以上であり、 G3 / G4 +が3.0以上であると言う関係を満たすことが、特に好ましい。
(第3発明の効果)
液化後のデンプン質原料に対しアミラーゼを作用させて得られるクロマト分離用の糖化液として、第1発明又は第2発明のような G2 、 G3 及び G4 +の組成比を持つ糖化液が提供されることにより、高収率で高純度なマルトトリオース組成物の製造が可能となる。
(第4発明の効果)
第3発明の糖化液をイオン交換樹脂(例えば、強酸性陽イオン交換樹脂)を用いたクロマト分離操作によって3糖類以上と2糖類以下との2成分分離に供することにより、第4発明に規定するようなマルトトリオース70wt%以上の高純度で、かつマルトトリオースが糖化デンプン量に対して43.5wt%以上の高収率であるマルトトリオース組成物を得ることができる。
(第5発明の効果)
第4発明のクロマト分離操作においては、3糖類以上の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収しても、上記の高収率で高純度なマルトトリオース組成物を製造できる。
なお、あえて高収率を犠牲にして更に高純度のマルトトリオース組成物を製造したい場合には、3糖類以上の画分に相当する溶出画分の内、その溶出ピーク近傍の高純度溶出画分のみを回収することもできる。
(第6発明の効果)
第3発明の糖化液をイオン交換樹脂(例えば、強酸性陽イオン交換樹脂)を用いたクロマト分離操作によって4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供することにより、第6発明に規定するようなマルトトリオース75wt%以上の高純度で、かつマルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の高収率であるマルトトリオース組成物を得ることができる。
即ち、第6発明は3成分分離であり、第4発明は2成分分離であるため、技術常識の問題として、第6発明では第4発明の場合よりも更に高純度のマルトトリオース組成物を製造できるが、反面、溶出液の回収後の濃縮操作(溶出溶媒の排除)は、より面倒である。
(第7発明の効果)
第6発明のクロマト分離操作においては、3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収しても、上記の高収率で高純度なマルトトリオース組成物を製造できる。
なお、あえて高収率を犠牲にして更に高純度のマルトトリオース組成物を製造したい場合には、3糖類の画分に相当する溶出画分の内、その溶出ピーク近傍の高純度溶出画分のみを回収することもできる。
(第8発明の効果)
第8発明により、糖化液に対する通常の2成分分離又は3成分分離によって得られた、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含み、マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物が提供される。
このマルトトリオース組成物は高純度であるため、キレの良い低甘味特性や、良好な溶解性、保湿性、保水性等が十分に発揮され、しかも、澱粉の老化防止機能やタンパク質の変性防止機能においても優れる。従って、甘味料あるいは調理加工食品等に用いる食品素材として非常に有望である。
又、このマルトトリオース組成物は高収率であり、かつ通常のクロマト分離操作(別段の特殊な高収率化手段や高純度化手段を施さないクロマト分離操作)によって得られたものであるため、従来の高純度マルトトリオース組成物に比較してコスト的に有利である。
〔デンプン質原料の液化〕
糖化工程の前提として、まずデンプン質原料の液化工程を行うが、この液化工程は一般的な方法によれば良い。即ち、一般的なデンプン原料を用い、通常の液化酵素を作用させ、通常の液化条件で液化する。ジェットクッカーを使用したり、いわゆるシャワー方式等を採用することもできる。
デンプン質原料としては、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、甘薯デンプン、タピオカデンプン等の各種デンプン質原料を使用できる。液化用のデンプン質原料液においては、例えば固形分(デンプン質)25〜35wt%程度とすることができる。液化酵素の種類は限定されないが、例えば、通常のエンド型のα−アミラーゼ等を任意に選択して使用することができる。
液化工程の反応条件も限定されないが、例えば、α−アミラーゼを使用する場合において、デンプン質原料液をpH5.0〜7.0程度の範囲内に調整したもとで、105〜110°C程度の温度条件で、15〜30分間程度反応させることができる。
〔1次糖化工程〕
1次糖化工程においては、上記液化工程後のデンプン質原料に対して、 G3 特異的生成アミラーゼを作用させ、あるいは G3 特異的生成アミラーゼと枝切り酵素とを作用させる。
G3 特異的生成アミラーゼとしてはMicrobacterium imperiale、Streptomyces griseus、Bacillus subtilis 等の細菌起源のものが知られている。この酵素の市販品としては、「AMT-1.2L」(天野エンザイム社製)を例示することができる。 G3 特異的生成アミラーゼの使用量は限定されないが、例えば0.1〜1%/DS程度とすることができる。
1次糖化工程で用いる(あるいは後述のように2次糖化工程で用いる)枝切り酵素は、周知のように、原料デンプンにおけるアミロペクチンのα(1→6)結合(グルコース鎖の分岐構造部分)を切断するアミラーゼである。枝切り酵素としては、いわゆるプルラナーゼやイソアミラーゼ等を使用でき、これらの酵素の市販品としては「プルラナーゼ アマノ3」(天野エンザイム社製)、「クライスターゼPF」(大和化成社製)、Promozyme D2(Novozyme社製)等を例示することができる。1次糖化工程における枝切り酵素の使用量は限定されないが、例えば0.01〜0.3%/DS程度とすることができる。
1次糖化工程の反応条件は特に限定されず、一般的な反応条件を任意に設定すれば良いが、例えば、pH5.0〜7.0程度、特に好ましくはpH6.0程度、反応温度は55〜65°C程度、特に好ましくは60°C程度、反応時間は、酵素添加後、12〜24時間程度とすることができる。
〔2次糖化工程〕
上記の1次糖化工程に引き続いて2次糖化工程が行われ、後述する組成のクロマト分離用糖化液(マルトトリオース組成液)を得る。1次糖化工程の後、2次糖化工程の前に、1次糖化工程で用いたアミラーゼを加熱等により失活させておいても良い。2次糖化工程においては、β−アミラーゼを作用させ、あるいはβ−アミラーゼと枝切り酵素とを作用させる。
β−アミラーゼとはエキソ型アミラーゼであって、本発明においては主として糖化液における G4 +の組成比を低減させるために用いるものである。β−アミラーゼとしては、大豆、大麦、小麦、細菌等の起源のものが知られ、市販品としては、「ビオザイム M」(天野エンザイム社製)等を例示することができる。β−アミラーゼの使用量は限定されないが、例えば0.01〜0.3%/DS程度とすることができる。
2次糖化工程における枝切り酵素の使用量は限定されないが、例えば0.01〜0.3%/DS程度とすることができる。
2次糖化工程の反応条件は特に限定されず、一般的な反応条件を任意に設定すれば良いが、通常は、1次糖化工程よりも反応時間をやや長めに設定することが好ましい。反応条件として、例えば、pH5.0〜7.0程度、特に好ましくはpH6.2程度、反応温度は55〜65°C程度、特に好ましくは60°C程度、反応時間は、酵素添加後、40〜75時間程度とすることができる。
〔糖化液〕
上記の液化工程、1次糖化工程及び2次糖化工程を経て、固形分としてマルトース( G2 )が36〜40wt%、マルトトリオース( G3 )が45〜60wt%、四糖類以上のオリゴ糖( G4 +)が15wt%以下であるクロマト分離用の糖化液が得られる。通常の場合、この糖化液には、上記以外の組成分として、少量のグルコース( G1 )も含まれる。
糖化液における G1 〜 G4 +の各組成分の組成比は、液化工程、1次糖化工程及び2次糖化工程における反応条件の設定や各アミラーゼの添加量の増減等により、上記した数値の範囲内で種々に調整することができる。
そしてこのクロマト分離用の糖化液は、糖化液3条件、即ち、 G3 生成量の絶対値が大きく(第1条件)、組成比 G3 / G4 +が大きく(第2条件)、かつ、組成比 G3 / G2 が大きい(第3条件)と言う3条件を満たしているが、とりわけ、 G3 / G2 が1.3以上であり、 G3 / G4 +が3.0以上であることが、好ましい。
〔マルトトリオース組成物の製造方法〕
上記のようにして得られた糖化液(マルトトリオース組成液)は、次に、公知のイオン交換樹脂クロマト分離装置を用いて、下記の2成分分離又は3成分分離に供する。使用するクロマト分離装置の種類は限定されないが、強酸性陽イオン交換樹脂を用いた、例えばオルガノ社製の3成分分離装置や、日本練水社製の2成分分離装置等を好ましく例示することができる。
本発明におけるこれらのクロマト分離処理において重要なことは、2成分分離においても3成分分離においても、前記のようにマルトトリオース画分に相当する溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収することである。そのことによりマルトトリオースの高収率が達成され、しかも糖化液3条件を満たす本発明のクロマト分離用糖化液を用いる限り、マルトトリオースの十分な高純度化も達成される。
(2成分分離のクロマト分離操作)
2成分分離のクロマト分離操作においては、上記したクロマト分離用の糖化液を、3糖類以上と2糖類以下との2成分分離に供する。この際、糖化液における組成比 G3 / G2 が大きい(特に G3 / G2 が1.3以上である)ことが、得られるマルトトリオース画分(3糖類以上の画分)におけるマルトトリオースの高純度化に非常に有効に貢献する。
2成分分離のクロマト分離操作自体は、特別な技術的手段を施すことなく、通常のように操作すれば良い。例えば、このクロマト分離操作は、充填剤として強酸性陽イオン交換樹脂(特に望ましくはナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂)を用い、カラム温度は40〜70°C、通液速度はSV 0.01〜0.3、通液固形分はBx30〜65等と言う内容で行うことができる。
(3成分分離のクロマト分離操作)
3成分分離のクロマト分離操作においては、上記したクロマト分離用の糖化液を、4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供する。この際、糖化液における組成比 G3 / G2 が大きく(特に G3 / G2 が1.3以上であり)、かつ G3 / G4 +が大きい(特に G3 / G4 +が3.0以上である)ことが、得られるマルトトリオース画分(3糖類の画分)におけるマルトトリオースの高純度化に非常に有効に貢献する。
3成分分離のクロマト分離操作自体は、特別な技術的手段を施すことなく、通常のように操作すれば良い。例えば、このクロマト分離操作は、充填剤として強酸性陽イオン交換樹脂(特に望ましくはナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂)を用い、カラム温度は40〜70°C、通液速度はSV 0.01〜0.3、通液固形分はBx30〜65等と言う内容で行うことができる。
〔マルトトリオース組成物〕
上記のクロマト分離用糖化液に対する2成分分離又は3成分分離のクロマト分離操作を経て、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率である、マルトトリオース組成物が得られる。
より具体的には、2成分分離の場合、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して43.5wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得る。3成分分離の場合、固形分としてマルトトリオースを75wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得る。
しかも、これらのマルトトリオースの高純度化は、クロマト分離操作において、2成分分離における3糖類以上の画分、又は3成分分離における3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収したことを前提とするものである。従って、クロマト分離操作において目的画分の溶出ピーク近傍の溶出画分のみを回収した場合、マルトトリオースの収率は相対的に低下するが、更に著しいマルトトリオースの高純度化を容易に達成できる。
クロマト分離操作を通じて得られたこの種の組成物における常識として、得られたマルトトリオース組成物は溶出液により薄められているため、公知の方法による濃縮操作を行うことが好ましい。濃縮されたマルトトリオース組成物は、そのままで、いわゆる「水飴」として市場に提供することもできるし、適当な手段(例えば噴霧乾燥)により粉末化した後に市場に提供することもできる。
(実施例1)
原料としてトウモロコシデンプンを用い、常法に従って固形分(デンプン)が30wt%の液化工程用の原料液を調製し、塩酸、消石灰を用いてそのpHを6.0に調整した。この原料液に対してα−アミラーゼを0.07%/DS添加し、105°Cで20分間、デンプンの液化を行わせた。
次に、1次糖化工程として、上記液化液をpH6.0に維持して60°Cとしたもとで、この液化液に対して天野エンザイム社製の G3 特異的生成アミラーゼ(商品名「AMT 1.2L」)を0.3%/DSと、天野エンザイム社製の枝切り酵素(商品名「プルラナーゼアマノ3」)を0.045%/DSそれぞれ添加して、16時間の反応を行わせた。
次に、2次糖化工程として、pH6.0、60°Cのままで、エキソ型アミラーゼである恵比寿化学工業社製のβ−アミラーゼ(商品名「OPTIMALT BBA」)を0.05%/DS添加して、72時間の反応を行わせ、その後、塩酸を添加することにより、糖化液中の各種アミラーゼを失活させた。
こうして得られた糖化液は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。
G1 : 3.4wt%
G2 :37.2wt%
G3 :48.9wt%
G4 +:10.5wt%
上記糖化液(マルトトリオース組成液)を2分し、半分量を、日本練水社製の強酸性陽イオン交換樹脂クロマト分離装置(2成分分離装置)を用いて、3糖類以上と2糖類以下との2成分分離に供した。
このクロマト分離操作は、三菱化学(株)製のナトリウム型イオン交換樹脂〔商品名「ダイヤイオンUBK530(Na型)」〕を用い、分離カラム:770mL(φ33mm×900mmH)×4本、カラム温度60°C、通液速度:SV 0.26、通液固形分:Bx60と言う内容で行った。又、このクロマト分離において、3糖類以上の重量比が2糖類以下よりも多い溶出分画は、全て、マルトトリオース組成物として回収した。
この2成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。又、このマルトトリオース組成物において、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、45wt%の高収率であった。
G1 : 0.4wt%
G2 :13.5wt%
G3 :73.4wt%
G4 +:12.7wt%
前記糖化液(マルトトリオース組成液)の他の半分量を、オルガノ社製の強酸性陽イオン交換樹脂クロマト分離装置(3成分分離装置)を用いて、4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供した。
このクロマト分離操作は、オルガノ(株)製のナトリウム型イオン交換樹脂〔商品名「アンバーライトCR1310(Na型)」〕を用い、分離カラム:251.2mL(φ20mm×100mmH)×8本、カラム温度60°C、通液速度:SV 0.2、通液固形分:Bx63と言う内容で行った。又、このクロマト分離において、3糖類の重量比が4糖類以上よりも多い溶出分画、及び3糖類の重量比が2糖類以下よりも多い溶出分画は、全て、マルトトリオース組成物として回収した。
この3成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。又、このマルトトリオース組成物において、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、36.5wt%の高収率であった。
G1 : 1.3wt%
G2 :17.8wt%
G3 :76.0wt%
G4 +: 4.9wt%
(実施例2)
本実施例は、上記の実施例1に比較して、前記枝切り酵素を1次糖化工程ではなく2次糖化工程で添加した点以外は実施例1と全く同様に行った。
その結果、2次糖化工程後に得られた糖化液は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。
G1 : 3.1wt%
G2 :36.0wt%
G3 :47.2wt%
G4 +:13.6wt%
又、2成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであり、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、43.5wt%の高収率であった。
G1 : 0.3wt%
G2 :12.9wt%
G3 :70.9wt%
G4 +:15.9wt%
一方、3成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであり、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、35.3wt%の高収率であった。
G1 : 1.3wt%
G2 :17.8wt%
G3 :75.9wt%
G4 +: 5.0wt%
(比較例1)
前記特許文献1(特開平3−236787号公報)に記載の水飴の製造方法に従ってデンプンの糖化を行い、下記の固形分あたりの組成比を有するクロマト分離用糖化液を得た。
G1 : 7.3wt%
G2 :40.4wt%
G3 :41.3wt%
G4 +:10.1wt%
上記の糖化液(マルトトリオース組成液)を、前記した2成分分離装置を用いて、2糖類以下の画分と3糖類以上の画分との2成分分離のクロマト分離操作に供した。
このクロマト分離操作は、充填剤として三菱化学(株)製のナトリウム型イオン交換樹脂〔商品名「ダイヤイオンUBK530(Na型)」〕を用い、分離カラム:770mL(φ33mm×900mmH)×4本、カラム温度60°C、通液速度:SV 0.26、通液固形分:Bx60と言う内容で行った。又、このクロマト分離において、3糖類以上である溶出分画は、全て、マルトトリオース組成物として回収した。
この2成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。又、このマルトトリオース組成物において、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、34.7wt%の収率であった。
G1 : 0.0wt%
G2 :19.2wt%
G3 :63.6wt%
G4 +:17.2wt%
(比較例2)
前記特許文献2(特開平4−108356号公報)の開示に従って、デンプンの糖化を行い、下記の固形分あたりの組成比を有するクロマト分離用糖化液を得た。
G1 : 3.8wt%
G2 :28.5wt%
G3 :46.8wt%
G4 +:20.9wt%
上記の糖化液(マルトトリオース組成液)を、前記した2成分分離装置を用いて、2糖類以下の画分と3糖類以上の画分との2成分分離のクロマト分離操作に供した。。
このクロマト分離操作は、充填剤として三菱化学(株)製のナトリウム型イオン交換樹脂〔商品名「ダイヤイオンUBK530(Na型)」〕を用い、分離カラム:770mL(φ33mm×900mmH)×4本、カラム温度60°C、通液速度:SV 0.26、通液固形分:Bx60と言う内容で行った。又、このクロマト分離において、3糖類以上である溶出分画は、全て、マルトトリオース組成物として回収した。
この2成分分離のクロマト分離操作により得られたマルトトリオース組成物は、固形分あたりの組成比が以下の通りであった。又、このマルトトリオース組成物において、糖化されたデンプンの総量に対するマルトトリオースの収率を計算したところ、39.3wt%の収率であった。
G1 : 0.0wt%
G2 :11.2wt%
G3 :59.4wt%
G4 +:29.4wt%
本発明は、甘味料又は食品素材等として有望な粉末状又は水飴状のマルトトリオース組成物を、高純度かつ高収率に製造することができる。

Claims (8)

  1. 液化後のデンプン質原料に対し、1次糖化工程で G3 特異的生成アミラーゼを作用させると共に2次糖化工程でβ−アミラーゼを作用させ、及び、前記1次糖化工程及び/又は2次糖化工程で枝切り酵素を作用させることにより、固形分としてマルトース( G2 )が36〜40wt%、マルトトリオース( G3 )が45〜60wt%、四糖類以上のオリゴ糖( G4 +)が15wt%以下であるクロマト分離用の糖化液を得ることを特徴とする糖化液の製造方法。
  2. 前記クロマト分離用の糖化液において、 G2 に対する G3 の相対的組成比 G3 / G2 が1.3以上であり、かつ G4 +に対する G3 の相対的組成比 G3 / G4 +が3.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の糖化液の製造方法。
  3. 液化後のデンプン質原料に対しアミラーゼを作用させて得られるクロマト分離用の糖化液であって、マルトース、マルトトリオース及び四糖類以上のオリゴ糖が固形分として請求項1又は請求項2に記載の組成比で含まれることを特徴とする糖化液。
  4. 請求項3に記載の糖化液をイオン交換樹脂を用いたクロマト分離操作によって3糖類以上と2糖類以下との2成分分離に供することにより、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して43.5wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得ることを特徴とするマルトトリオース組成物の製造方法。
  5. 前記クロマト分離操作において、3糖類以上の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収することを特徴とする請求項4に記載のマルトトリオース組成物の製造方法。
  6. 請求項3に記載の糖化液をイオン交換樹脂を用いたクロマト分離操作によって4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供することにより、固形分としてマルトトリオースを75wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率であるマルトトリオース組成物を得ることを特徴とするマルトトリオース組成物の製造方法。
  7. 前記クロマト分離操作において、3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全てマルトトリオース組成物として回収することを特徴とする請求項6に記載のマルトトリオース組成物の製造方法。
  8. 請求項3に記載の糖化液を、イオン交換樹脂を用いた3糖類以上と2糖類以下との2成分分離、又は4糖類以上と3糖類と2糖類以下との3成分分離に供し、かつその際に3糖類以上の画分又は3糖類の画分として扱うべき溶出画分を全て回収して得られるマルトトリオース組成物であって、固形分としてマルトトリオースを70wt%以上含むと共に、該マルトトリオースが糖化デンプン量に対して35.3wt%以上の収率であることを特徴とするマルトトリオース組成物。

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