JP2005056839A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 脆弱性を改善できるとともに、低コスト化を図ることができ、しかも高い発電出力を得ることができる固体酸化物形燃料電池を提供する。
【解決手段】 電解質3、燃料極5、及び空気極7を有する単電池セルCを2個備えた固体酸化物形燃料電池であり、単電池セルCを支持する基板と、2個の単電池セル間を接続するインターコネクタ9とを備え、各単電池セルCの電解質3は、所定間隔Sをおいて印刷によって基板1上に形成されており、燃料極5及び空気極7は電解質3の同一面上に所定間隔Lをおいて配置されている。
【選択図】 図1

Description


本発明は、固体電解質を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC)に関する。

従来より、固体酸化物形燃料電池のセルデザインとして、平板型、円筒型などが提案されている。
平板型セルは、板状の電解質の表面及び裏面に燃料極及び空気極をそれぞれ配置したものであり、こうして形成されたセルはセパレーターを介して複数個積層された状態で使用される。セパレータは各セルに供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを完全に分離する役割を果たしており、各セルとセパレーターとの間にはガスシールが施されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この平板型セルでは、セルに対して圧力をかけてガスシールを施すため、セルが振動や熱サイクルなどに対して脆弱であるなどの欠点があり、実用化に大きな課題を有している。
一方、円筒型セルは、円筒形の電解質の外周面及び内周面に燃料極及び空気極をそれぞれ配置したものであり、円筒縦縞型、円筒横縞型などが提案されている(例えば、特許文献2)。ところが、円筒型セルは、ガスシール性に優れるという利点を有する一方、平板型セルに比べて構造が複雑であるため、製造プロセスが複雑になり、製造コストが高くなるという欠点がある。
さらに、次の問題もある。平板型セル及び円筒型セルのいずれも、性能を向上させるためには電解質の薄膜化が要求され、電解質材料のオーミックな抵抗の低減が必要となるが、電解質が薄すぎると脆弱化してしまい、耐振性や耐久性が低下するという問題があった。
そのため、上述した平板型、円筒型に代わる燃料電池として、燃料極及び空気極を固体電解質からなる基板の同一面上に配置し、燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスを供給することにより発電が可能な非隔膜式固体酸化物形燃料電池が提案されている(例えば、特許文献3)。この燃料電池によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとを分離する必要がないため、セパレーター及びガスシールが不要となり、構造及び製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
また、この非隔膜式固体酸化物形燃料電池では、燃料極と空気極とが固体電解質の同一面上に近接して形成され、酸素イオンの伝導が固体電解質の主に表層付近で起こると考えられているため、平板型や円筒型のように電解質の厚みが電池の性能に直接影響することはない。したがって、電池の性能を維持したまま電解質の厚みを増すことができ、これによって脆弱性を改善することが可能となる。
特開平5−3045号公報(第1頁、第6図) 特開平5−94830号公報(第1頁、第1図) 特開平8−264195号公報(第2−3頁、第1図)
上記のように、従来の固体酸化物形燃料電池では、電解質の厚みを増すことで脆弱性を改善している。ところが、電池反応に寄与するのは電解質の表層付近であることが多いことから、このように電解質の厚みを増したとしても電池としての性能が大きく向上するわけではなく、電解質の厚みを増すことでかえって製造コストが高くなるという問題がある。
また、次のような問題もある。特許文献3の燃料電池では、一対の燃料極と空気極とを単電池セルと考えて、複数の単電池セルを電解質上に配置している。そして隣接する単電池セル間の燃料極と空気極とをインターコネクタで接続している。ところが、この構造では、隣接する単電池セル間に電解質が存在しているため、発電時にはこの電解質が酸素イオンの移動する経路となり得る。これにより、本来の単電池セルの起電力と、単電池セル間に形成される電池の起電力とが打ち消し合い、内部短絡状態となるため、燃料電池全体の起電力が下がり、電池性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、脆弱性を改善できるとともに、低コスト化を図ることができ、しかも高い発電出力を得ることができる固形酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質、燃料極、及び空気極を有する単電池セルを複数個備えた固体酸化物形燃料電池であって、上記目的を達成するためになされたものであり、前記複数の単電池セルを支持する基板とを備え、前記各単電池セルの電解質は、所定間隔をおいて前記基板上に形成されており、前記燃料極及び空気極は前記電解質の同一面上に所定間隔をおいて配置されている。
この構成によれば、電解質が基板によって支持されているため、薄膜の電解質を形成しても振動や熱サイクルに対する高い耐久性を維持することができる。特に、このタイプの燃料電池では、電池反応に寄与する部分の多くが電解質の表層付近であるため、電解質を薄膜化しても電池性能に大きい影響を与えることはなく、薄膜化によってコストを低減することができる。電解質を薄膜化する方法としては、例えば印刷によって電解質を形成する方法の他、シート状の電解質を基板上に貼り付ける方法等がある。
なお、上記燃料電池においては、電極体を複数個配置されているが、インターコネクタを電池上に配置して電極体を接続してもよいし、電池上にはインターコネクタを配置せず、この電池をセットする装置側にインターコネクタを配置し、電池が装置にセットされたときに装置側のインターコネクタで電極体が接続されるようにしてもよい。
さらに、この燃料電池では、各単電池セルの電解質が所定間隔をおいて配置されているため、次のような効果も得ることができる。すなわち、上記燃料電池では、各単電池セルが分離して配置されている。したがって、従来例のように単電池セル間に電解質が存在しないため、酸素イオンの経路を断つことができ、内部短絡状態となることを防止することができる。その結果、燃料電池の起電力が低下するのを防止することができ、高い発電出力を得ることができる。
上記のような構成の単電池セルは、基板の一方面のみに配置することもできるが、基板の両面に配置することもできる。こうすることで、一枚の基板に多数の単電池セルを形成することができ、燃料電池をコンパクトにしたままで、高い発電出力を得ることができる。
また、上記燃料電池は、前記各電解質の間に配置される絶縁膜をさらに備えていることが好ましい。このようにすると、前記電解質間が絶縁されるため、従来例のように単電池セル間に燃料電池が形成されるのをより確実に防止することができ、その結果、高い発電出力を得ることができる。
また、基板は、耐熱性の観点から、セラミックス系材料で構成することが好ましい。
本発明の燃料電池によれば、脆弱性を改善できるとともに、低コスト化を図ることができ、しかも高い発電出力を得ることができる。
以下、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池の一部断面図であり、図2はこの燃料電池の概略平面図である。
図1及び図2に示すように、この燃料電池は、シート状の基板1と、その一方面上に配置された複数の単電池セルC(ここでは、2個を表示C,C)とを備えており、各単電池セルCはインターコネクタ9によって直列に接続されている。
各単電池セルCは、基板1の一方面上に配置される矩形状の電解質3と、この電解質3の同一面上に配置される一対の燃料極5及び空気極7と備えている。各単電池セルCの電解質3は、隣接する単電池セルCの電解質3と所定間隔をおいて隙間Sを形成するように配置されており、その間隔は例えば10〜5000μmとすることが好ましく、10〜500μmとすることがさらに好ましい。また、各電解質3上の燃料極5及び空気極7は帯状に形成され、所定間隔をおいて配置されている。このとき、燃料極5と空気極7との間の間隔Lは、例えば1〜5000μmとすることが好ましく、10〜500μmとすることがさらに好ましい。例えばスクリーン印刷のような一般的なパターン印刷方式で電極を形成する場合、電極のパターン崩れによって異極同士が短絡する可能性があり、間隔Lは、10μm以上とすることが好ましく、また、電極を異極同士が接触した状態で形成した後、ブラスト加工やレーザ加工などの後加工により間隔Lを形成する場合、加工精度の観点から、1μm程度の加工も可能である。
また、図2に示すように、この燃料電池において両端に配置された電極、つまり一方の単電池セルCの燃料極5、及び他方の単電池セルCの空気極7には電流を取り出すための集電部8がそれぞれ形成されている。
インターコネクタ9は、上述のように隣接する単電池セルC間を接続しており、具体的には一方の単電池セルCの空気極7と他方の単電池セルCの燃料極5とを接続している。このとき、インターコネクタ9は、電解質3上に形成されるとともに、隣接する単電池セルCの間では基板1上に配置され隙間Sを横断するように形成される。
次に、上記のように構成された燃料電池の材質について説明する。基板1は、電解質3との密着性に優れた材料で形成されることが好ましく、具体的には、SUS、またはアルミナ系材料、シリカ系材料、チタン系材料等のセラミックス系材料を好ましく用いることができる。特に、1000℃以上の耐熱性に優れたセラミックス系材料を用いることが好ましい。なお、基板1の厚みは、強度の観点から50μm以上にすることが好ましい。
電解質3の材料としては、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知のものを使用することができ、例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。
燃料極5は、例えば、金属触媒と酸化物イオン導電体からなるセラミックス粉末材料との混合物を用いることができる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等の還元性雰囲気中で安定で、水素酸化活性を有する材料を用いることができる。また、酸化物イオン導電体としては、蛍石型構造又はペロブスカイト型構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ペロブスカイト型構造を有するものとしてはストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。上記材料の中では、酸化物イオン導電体とニッケルとの混合物で、燃料極5を形成することが好ましい。なお、酸化物イオン導電体からなるセラミックス材料とニッケルとの混合形態は、物理的な混合形態であってもよいし、ニッケルへの粉末修飾などの形態であってもよい。また、上述したセラミックス材料は、1種類を単独で、或いは2種類以上を混合して使用することができる。また、燃料極5は、金属触媒を単体で用いて構成することもできる。
空気極7を形成するセラミックス粉末材料としては、例えば、ペロブスカイト型構造等を有するCo,Fe,Ni,Cr又はMn等からなる金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm,Sr)CoO,(La,Sr)MnO,(La,Sr)CoO,(La,Sr)(Fe,Co)O,(La,Sr)(Fe,Co,Ni)Oなどの酸化物が挙げられ、好ましくは、(La,Sr)MnOである。上述したセラミックス材料は、1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。
電解質3、燃料極5及び空気極7は、セラミックス粉末材料により形成することができる。このとき用いられる粉末の平均粒径は、好ましくは10nm〜100μmであり、さらに好ましくは50nm〜50μmであり、特に好ましくは100nm〜10μmである。なお、平均粒径は、例えば、JISZ8901にしたがって計測することができる。
また、インターコネクタ9及び集電部8は、Pt,Au,Ag,Ni,Cu,SUS等の導電性金属、或いは金属系材料,又はLa(Cr,Mg)O,(La,Ca)CrO,(La,Sr)CrOなどのランタン・クロマイト系等の導電性セラミックス材料によって形成することができ、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記燃料極5、及び空気極7は、上述した材料を主成分として、さらにバインダー樹脂、有機溶媒などが適量加えられることにより形成される。より詳細には、上記主成分とバインダー樹脂との混合において、上記主成分が50〜95重量%となるように、バインダー樹脂等を加えることが好ましい。また、電解質3も、上記燃料極5及び空気極7と同様に、上述した材料を主成分として、バインダー樹脂、有機溶媒などが適量加えられることにより形成されるが、上記主成分とバインダーとの混合において、上記主成分の割合が80重量%以上となるように混合されることが好ましい。さらに、インターコネクタ9も、上述した材料に上記添加物を加えることにより形成される。そして、これら空気極3、燃料極5及びインターコネクタ9の膜厚は焼結後に1μm〜500μmとなるように形成するが、10μm〜100μmとすることが好ましい。また、電解質3の膜厚は、10〜5000μmであることが好ましく、50〜2000μmであることがさらに好ましい。
上記のように構成された燃料電池は、次のように発電が行われる。まず、単電池セルCが形成された基板1の一方面上に、メタンやエタンなどの炭化水素系ガスからなる燃料ガスと空気等からなる酸化剤ガスとの混合ガスを高温の状態(例えば、400〜1000℃)で供給する。これにより、燃料極5と空気極7との間の電解質3の表層付近で、イオン伝導が起こって発電が行われる。
このように本実施形態に係る燃料電池では、基板1によって電解質3が支持されているため、電解質3を薄膜化しても振動や熱サイクルに対する高い耐久性を維持することができる。特に、上記のようなタイプの燃料電池では、電解質3の表層付近以外の部分は電池反応にほとんど寄与していないことから、印刷によって薄膜の電解質3を形成しても性能には大きく影響しない。したがって、薄膜化によってコストの低減という効果を得ることができる。
また、複数の単電池セルC間を上記のようにインターコネクタ9で直列に接続することによって高電圧の取り出しが可能となる。
さらに、本実施形態の燃料電池では、各単電池セルの電解質が所定間隔をおいて配置されているため、次のような効果がある。すなわち、上記燃料電池では、各単電池セルが隙間を介して分離して配置され、インターコネクタによって接続されている。したがって、従来例のように単電池セル間に電解質が存在しないため、酸素イオンが単電池セル間で移動するのを防止することができ、内部短絡状態となることを防止できる。その結果、燃料電池の起電力が低下するのを防止することができ、高い発電出力を得ることができる。
次に、上述した燃料電池の製造方法の一例を、図3を参照しつつ説明する。まず、上述した電解質3、燃料極5、及び空気極7用の粉末材料を主成分として、これらそれぞれにバインダー樹脂、有機溶媒などを適量加えて混練し、電解質ペースト、燃料極ペースト、空気極ペーストをそれぞれ作製する。各ペーストの粘度は、次に説明するスクリーン印刷法に適合するように10〜10mPa・s程度であることが好ましい。同様に、インターコネクタ用ペーストも、上述した粉末材料にバインダー樹脂等の添加物を加えて作製しておく。このペーストの粘度は上述したものと同じである。
次に、スクリーン印刷法によって基板1上の複数の位置に電解質ペーストを塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥を行うことにより、所定間隔Sをおいて配置された複数の矩形状の電解質3を形成する(図3(a))。続いて、燃料極ペーストをスクリーン印刷法により各電解質3上に帯状に塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥・焼結し、燃料極5を形成する(図3(b))。これに続いて、各電解質3上の燃料極5と対向する位置それぞれに、空気極ペーストをスクリーン印刷法によって塗布し、所定時間及び温度で乾燥・焼結することにより、空気極7を形成する。こうして、複数の単電池セルCが形成される(図3(c))。最後に、複数の単電池セルCを直列に接続するように、単電池セルC間にインターコネクタ用ペーストをスクリーン印刷法によって線状に塗布し、インターコネクタ9を形成する。このとき、インターコネクタ9は、電解質3間の隙間Sを横断し基板1上を通過するように形成する。以上の工程により、図1及び図2に示すような燃料電池が完成する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、基板3の一方面にのみ電解質3、燃料極5、及び空気極7を形成しているが、基板3の他方面にこれらを形成してもよい。このときの製造方法としては、例えば基板1の一方面に電解質3、燃料極5、及び空気極7を形成する各工程において、基板1の他方面にも電解質、燃料極、及び空気極をそれぞれ同様に形成し、基板1の両面に同じ形態の電池を形成する。こうすることで、燃料電池をコンパクトにしたままで、高い発電出力を得ることができる。
また、上記実施形態では、隣接する電解質3の間に隙間を形成しているが、図4に示すように、電解質3間の隙間Sに絶縁膜10を配置することもできる。これにより、隣接する電解質3が絶縁膜10によって仕切られ、単電池セルC間の電気的な分離がより確実になる。したがって、単電池セルC間に燃料電池が形成されるのをより確実に防止することができ、高い発電出力を得ることができる。
この場合、絶縁膜10は、セラミックス系材料で形成することが好ましく、例えばアルミナ系、またはシリカ系セラミックス材料を使用することができる。また、この絶縁膜10を構成するセラミックス材料粉末の粒径は、上記電解質等と同様に、通常10nm〜100μmであり、好ましくは100nm〜10μmである。また、この絶縁膜10は、上記セラミックス材料の粉末を主成分として、バインダー樹脂、有機溶媒などを適量加えて使用される。そして、焼結後の膜厚は、電解質の膜厚と同じにすることが好ましい。
また、上述した製造方法においては、各ペーストの塗布にスクリーン印刷法を用いているが、これに限定されるものではなく、ドクターブレード法、スプレーコート法、リソグラフィー法、スピンコ−ト法、泳動電着法、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、ディスペンサーコート法、CVD,EVD,スパッタリング法、転写法等の印刷方法等、その他一般的な印刷法を用いることができる。また、印刷後の後工程として、CIP(静水圧プレス)、HIP(熱間静水圧プレス)、ホットプレス、その他一般的なプレス工程を用いることもできる。なお、電解質を印刷で形成する場合には、基板と電解質との間に、両者の熱膨張係数の中間の値を示す接着材料からなる応力緩和層を介在させることが好ましい。こうすることで、両者の膨張係数の相違から、焼結時において薄膜の電解質に割れが生じるのを防止することができる。
さらに、電解質を印刷で形成する以外にも、板状、シート状の電解質を準備し、これを接着剤等を介して基板に貼り付けることで、燃料電池を構成することもできる。この場合、単電池セルごとに所定の大きさの複数の電解質を基板に貼り付けることで燃料電池を形成することができる。或いは、電解質を張り合わせた後に、切削によって電解質を単電池セルごとに分離することもできる。
また、上述した燃料電池では、2個の単電池セルを用いた場合について示したが、これ以上の単電池セルを用いてもよいことは言うまでもなく、さらに単電池セルを直列に接続してもよいし、並列に接続してもよい。
なお、上記実施形態におけるインターコネクタは、各図面において各電極の側面に接するように説明がなされているが、インターコネクタの端部が各電極の上面に掛かるように構成されていても構わないものである。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1として図5に示す固体酸化物形燃料電池を作製する。電解質材料としてGDC(Ce0.9Gd0.11.9)粉末(0.05〜5μm、平均粒径0.5μm)を使用し、これにセルロース系バインダ−樹脂を少量混合し、95:5の重量比となる電解質ペーストを作製した。電解質ペーストの粘度は、溶剤にて希釈することでスクリーン印刷法に適した5×10mPa・s程度とした。
また、燃料極材料としてNiO粉末(0.01〜10μm、平均粒径1μm)、SDC(Ce0.8Sm0.21.9)粉末(粒径0.01〜10μm、平均粒径0.1μm)を重量比で7:3となるように混合した後、セルロース系バインダー樹脂を添加して、上記混合物の割合が80重量%となる燃料極ペーストを作製した。つまり、上記混合物と、バインダー樹脂との重量比が80:20となるようにした。燃料極ペーストの粘度は、溶剤にて希釈することでスクリーン印刷に適した5×10mPa・s程度とした。
続いて、空気極材料としてSSC(Sm0.5Sr0.5CoO)粉末(0.1〜10μm、平均粒径1μm)を使用し、セルロース系バインダー樹脂を添加して、上記粉末の割合が80%となるように空気極ペーストを作製した。つまり、SSC粉末と、バインダー樹脂との重量比が80:20になるようにした。空気極ペーストの粘度は、燃料極と同様に、溶剤にて希釈しスクリーン印刷に適した5×10mPa・s程度とした。また、基板1には、厚みが1mmで10mm角のアルミナ系基板を使用した。
また、単電池セル間を接続するインターコネクタ、及び集電体用の材料としては、Au粉末(0.1〜5μm、平均粒径2.5μm)を使用し、これにセルロース系バインダー樹脂を混合してインターコネクタ用及び集電体用ペーストを作製した。インターコネクタ用ペーストの粘度はスクリーン印刷に適した5×10mPa・sとした。
次に、基板1上に上述した電解質ペーストをスクリーン印刷法によって塗布し、複数の矩形状の電解質を形成する。このとき、9×4.2mm角の大きさの2つの電解質が、0.6mmの隙間をあけ、基板縁部からの距離が0.5mmとなるように、電解質ペーストをパターニングした。その後、130℃で15分間乾燥した後、1500℃で10時間焼結し、焼結後の厚みが200μmとなる電解質3を形成した。次に、スクリーン印刷法によって、各電解質3上に燃料極ペーストを塗布した。このとき、幅500μm、長さ7mm、塗布厚み50μmの燃料極5が各電解質3上に形成されるように、燃料極ペーストを塗布した。そして、130℃で15分間乾燥した後、1450℃で1時間焼結し、焼結後の厚みを30μmとした。続いて、上記各電解質3の同一面上に、空気極ペーストをスクリーン印刷法によって塗布した。このとき、幅500μm、長さ7mm、塗布厚み50μm、燃料極5との間隔500μmである空気極7が各電解質3上に形成されるように空気極ペーストを塗布した。そして、燃料極5と同様に、130℃で15分間乾燥した後、1200℃で1時間焼結した。焼結後の厚みは30μmとした。
続いて、インターコネクタ用ペーストをスクリ−ン印刷法で塗布し(幅500μm、厚み50μm)、上記単電池セルCを図1及び図2に示すように直列に接続し、電池の両端の電極に集電部8を形成した。こうして、実施例1に係る固体酸化物形燃料電池を製造した。
また、この実施例1と対比する比較例1を次のように製造した。すなわち、比較例1では、10×10mmの大きさで厚みが1mmの電解質を準備し、これを基板として用いた。そして、この電解質上に、実施例1と同様の寸法及び間隔で燃料極及び空気極を2個ずつ形成し、インターコネクタで直列に接続した。また、単電池セルが1個の比較例2も作製しておいた。
こうして製造された実施例1及び比較例1に対して、次のような評価実験を行った。すなわち、メタンと酸素との混合ガスを800℃で導入し、CH+1/2O→2H+COの反応を起こさせることで、燃料極5である酸化ニッケルを還元処理し、電流−電圧特性の評価を行った。なお、還元処理を行うには、上記混合ガスの代わりに水素ガスを導入してもよい。
その結果、単電池セルの1個の比較例2の起電力は610mVであるのに対して、単電池セルを2個有する実施例1の起電力は1190mVが得られた。一方、電極を2組有する比較例1では、900mVの起電力であった。以上の結果から、比較例1は内部短絡により、比較例2で得られる起電力の2倍とはなっていないことが分かる。これに対して、実施例1では、電解質を所定間隔をおいて配置していることから、内部短絡状態とはならず、比較例2の約2倍の起電力が得られることが分かる。
(実施例2)
実施例2では、図5に示す燃料電池において、各単電池セル間に絶縁膜を配置した。
電解質ペースト、燃料極ペースト、空気極ペ−スト、インタ−コネクタ用ペ−スト及び基板は、実施例1と同様のものを準備した。さらに、絶縁膜を形成する絶縁膜ペーストを作製した。これは、アルミナ粉末(粒径0.1〜10μm)にセルロース系バインダー樹脂を混合することで作製した。
次に、上記基板1上において両電解質3の間となる予定位置に、絶縁膜ペーストを塗布し、1800℃でこのペーストを焼結して絶縁膜10を形成した。続いて、上記実施例1と同様に、電解質3、燃料極5、及び空気極7を形成した。このとき、電解質3は、絶縁膜ペ−ストを挟むように位置決めした。最後に、実施例1と同様に、両単電池セルCをインターコネクタ9で直列に接続し、電池の両端の電極に集電部8を形成した。こうして、実施例2に係る固体酸化物形燃料電池を製造した。
この実施例2に対しても、実施例1と同様の実験を行った結果、実施例と同じ性能を示した。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の一実施形態の一部断面図である。 図1に示す燃料電池の概略平面図である。 図1に示す燃料電池の製造方法の一例を示す図である。 図1に示す燃料電池の他の例の断面図(a)及び平面図(b)である。 実施例1に係る燃料電池の平面図である。
符号の説明
1 基板
3 電解質
5 燃料極
7 空気極
9 インターコネクタ
10 絶縁膜
C 単電池セル

Claims (6)

  1. 電解質、燃料極、及び空気極を有する単電池セルを複数個備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    前記複数の単電池セルを支持する基板を備え、
    前記各単電池セルの電解質は、所定間隔をおいて前記基板上に形成されており、
    前記燃料極及び空気極は前記電解質の同一面上に所定間隔をおいて配置されている固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記複数の単電池セル間を接続するインターコネクタをさらに備えている、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記電解質は、印刷によって前記基板上に形成される、請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記複数の単電池セルは、前記基板の両面に配置されている請求項1から3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記各電解質の間に配置される絶縁膜をさらに備えている請求項1から4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記基板は、セラミックス系材料から構成されている請求項1から5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池。
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