JP2010086830A - 単室型固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
単室型固体酸化物形燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010086830A JP2010086830A JP2008255727A JP2008255727A JP2010086830A JP 2010086830 A JP2010086830 A JP 2010086830A JP 2008255727 A JP2008255727 A JP 2008255727A JP 2008255727 A JP2008255727 A JP 2008255727A JP 2010086830 A JP2010086830 A JP 2010086830A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air electrode
- end side
- electrolyte
- electrode
- cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】燃料電池内で温度分布が偏った場合であっても十分な発電性能を得を課題とする。
【解決手段】支持基板2と、支持基板2上の左側に形成された上流側単セル3aと、右側に形成された下流側単セル3cと、これらの中間に形成された中間単セル3bとを備えている。各単セル3は、電解質4と、電解質4上に間隔をあけて形成された空気極5及び燃料極6とを有している。下流側に形成された空気極ほど酸素イオン・電子混合伝導性が高くなるように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】支持基板2と、支持基板2上の左側に形成された上流側単セル3aと、右側に形成された下流側単セル3cと、これらの中間に形成された中間単セル3bとを備えている。各単セル3は、電解質4と、電解質4上に間隔をあけて形成された空気極5及び燃料極6とを有している。下流側に形成された空気極ほど酸素イオン・電子混合伝導性が高くなるように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、単室型固体酸化物形燃料電池に関するものである。
燃料電池とは外部からの燃料供給と燃焼生成物の排気とを連続的に行いながら、燃料が酸化する際に発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる電気化学システムである。燃料電池の種類は電解質により分類され、電解質にイオン伝導性を持つ固体酸化物を用いたものを固体酸化物形燃料電池と呼んでいる。この固体酸化物形燃料電池は、電解質を備え、この一方面に空気極を形成し、他方面に燃料極を形成した構成となっている(例えば、特許文献1の図1)。このように構成された固体酸化物形燃料電池は、空気極に空気等の酸化剤ガスを供給し、燃料極に水素、又はメタン、エタンなどの炭化水素からなる燃料ガスを供給することで、燃料極と空気極との間で電解質を介した酸素イオン伝導が起こり、発電が行われる。このような燃料電池は、セパレータに形成された流路の一方向から上記各ガスを導入し、他方向へと排出するのが一般的である(例えば特許文献2参照)。
特開2006−190593号公報
特開2006−185753号公報
ところで、上述したような固体酸化物形燃料電池では、燃料ガス及び酸化剤ガスはその流れ方向に沿って徐々に消費され、下流側に向かうにつれて燃料中のガス成分(水素、炭化水素、酸素など)が希薄になっていく。燃料ガスや酸化剤ガスの上流側においては燃料ガスの濃度が高いために、発熱を伴う電気化学反応がより進行して温度は高いが、燃料ガスや酸化剤ガスの下流側においてはガス成分が希薄になってくるため電気化学反応は進行しづらく温度が低くなるというように、同じ燃料電池内で温度分布が偏っている。このため、例えば燃料電池の空気極材料として一般に使用されるマンガン系ペロブスカイト材料(LSM)を使用した場合、この材料は高温で良好な活性を示す反面、低温では活性が低下するため、高温下となる燃料ガス・酸化剤ガスの上流側では良好な電極活性を示すのに対し、低温下となる下流側では電極活性も低くなってしまい、全体として十分な発電性能を得ることができないといった問題があった。
そこで、本発明は、燃料電池内で温度分布が偏った場合であっても十分な発電性能を得ることのできる単室型固体酸化物形燃料電池を提供することを課題とする。
本発明に係る単室型固体酸化物形燃料電池は、上記課題を解決するためになされたものであり、支持基板と、前記支持基板上であって前記支持基板の一方端側に設置された一方端側電解質、前記一方端側電解質上に形成された一方端側燃料極、及び前記一方端側電解質上に前記一方端側燃料極と間隔をあけて形成された一方端側空気極を有する一方端側単セルと、前記支持基板上であって前記支持基板の他方端側に設置された他方端側電解質、前記他方端側電解質上に形成された他方端側燃料極、及び前記他方端側電解質上に前記他方端側燃料極と間隔をあけて形成された他方端側空気極を有する他方端側単セルと、を備え、前記他方端側空気極は、前記一方端側空気極よりも酸素イオン・電子混合伝導性が高い。
以上のように構成された単室型固体酸化物形燃料電池は、支持基板の一方端側に一方端側単セルが設置され、支持基板の他方端側には他方端側単セルが設置されている。支持基板の一方端側から導入し、支持基板の他方端側から排出するように酸化剤ガス及び燃料ガスからなる混合ガスを供給すると、高温領域に一方端側単セルが配置され、低温領域には他方端側単セルが配置されることとなる。他方端側単セルの空気極である他方端側空気極は一方端側空気極よりも酸素イオン・電子混合伝導性が高いため、低温下において良好な発電性能を発揮することができる。このため、全体として上記構成による単室型固体酸化物形燃料電池は温度分布が偏った場合であっても良好な発電性能を発揮することができる。
上記単室型固体酸化物形燃料電池は種々の構成をとることができるが、例えば、上記一方端側空気極は、ペロブスカイト型構造を有する(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(Pr,Sr)FeO2、及び(Pr,Sr)MnO2からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これら材料によって形成された一方端側空気極は高温領域において良好な発電性能を発揮することができる。
また、上記他方端側空気極は、(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3、及び(La,Sr)(Co,Fe)O3からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。この材料により形成された他方端側空気極は、低温領域においても良好な発電性能を発揮することができる。
また、上記支持基板上であって一方端側電解質と他方端側電解質との間に設置された中間電解質、前記中間電解質上に形成された中間燃料極、及び中間電解質上に中間燃料極と間隔をあけて形成された中間空気極、を有する中間単セルをさらに備え、中間空気極の材料は、一方端側空気極の材料と他方端側空気極の材料とを混合させたものとすることが好ましい。単室型固体酸化物形燃料電池の長さが長く、ガスの上流側から下流側までの距離が長くなる場合は、その中間領域が、高温領域と低温領域の中間の温度となるため、その中間領域に、中間単セルを設置し、その中間単セルの空気極である中間空気極の材料を、一方端側空気極と他方端側空気極との材料を混合させた材料を使用した中間空気極を配置することで、より単室型固体酸化物形燃料電池の発電性能を良好とすることができる。
また、上記中間単セルを複数備え、一方端側単セルに近い中間単セルの中間空気極ほど前記一方端側空気極の材料の割合を高くすることが好ましい。このように段階的に中間単セルを設置することで、各中間単セルの空気極を各温度領域に適した中間空気極とすることができ、より単室型固体酸化物形燃料電池の発電性能を良好とすることができる。
また、上記一方端側単セル及び他方端側単セルの少なくとも一方は複数備わっていることが好ましい。これにより、より高い発電出力を得ることができる。
また、上記各単セルの空気極及び燃料極からなる電極体を他の単セルの電極体と電気的に接続するインターコネクタをさらに備えていてもよい。
また、上記他方端側空気極は、一方端側空気極に電解質材料を添加していることが好ましい。この場合、好ましくは、他方端側空気極の、一方端側空気極と電解質材料との重量比を9:1〜7:3とすることが好ましい。
また、上記一方端側及び他方端側電解質は、サマリウム又はガドリニウムをドープしたセリア系酸化物、ストロンチウム又はマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、及びスカンジウム又はイットリウムを含むジルコニア系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明によれば、燃料電池内で温度分布が偏った場合であっても十分な発電性能を得ることのできる単室型固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
以下、本発明に係る単室型固体酸化物形燃料電池の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は単室型固体酸化物形燃料電池の平面図、図2は図1のA−A線断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池1は、平板上の支持基板2を備えており、この支持基板2の上面に単セル3が3つ間隔をおいて形成されている。各単セル3は、支持基板2の上面に形成された電解質4と、電解質4上に形成された空気極5と、電解質4上であって空気極5と間隔をおいて形成された燃料極6とを備えている。なお、単セル3は、図1及び図2の左側から、上流側単セル3a、中間単セル3b、下流側単セル3cの順に形成されている。また、上流側単セル3aを構成するのは、上流側電解質4a、上流側空気極5a、及び上流側燃料極6aであり、中間単セル3bは、中間電解質4b、中間空気極5b、及び中間燃料極6bであり、下流側単セル3cは、下流側電解質4c、下流側空気極5c、及び下流側燃料極6cである。
続いて、上記単室型固体酸化物形燃料電池1を構成する材料について説明する。
支持基板2は、電解質4との密着性に優れた材料で形成されることが好ましく、具体的には、アルミナ系材料、シリカ系材料、チタン系材料等のセラミックス系材料を好ましく用いることができる。特に、1000℃以上の耐熱性に優れたセラミックス系材料を用いることが好ましい。なお、支持基板2の厚みは、50μm以上にすることが好ましい。
電解質4、空気極5及び燃料極6は、セラミックス粉末材料により形成することができる。このとき用いられる粉末の平均粒径は、好ましくは10nm〜100μmであり、さらに好ましくは50nm〜50μmであり、特に好ましくは100nm〜10μmである。なお、平均粒径は、例えば、JISZ8901にしたがって計測することができる。
電解質4の材料としては、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知のものを使用することができ、例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物(GDC)、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物(YSZ)などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。
燃料極6は、例えば、金属触媒と酸化物イオン導電体からなるセラミックス粉末材料との混合物を用いることができる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等の還元性雰囲気中で安定で、水素酸化活性を有する材料を用いることができる。また、酸化物イオン導電体としては、蛍石型構造又はペロブスカイト型構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ペロブスカイト型構造を有するものとしてはストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。上記材料の中では、酸化物イオン導電体とニッケルとの混合物で、燃料極6を形成することが好ましい。なお、酸化物イオン導電体からなるセラミックス材料とニッケルとの混合形態は、物理的な混合形態であってもよいし、ニッケルへの粉末修飾またはセラミックス材料へのニッケル修飾などの形態であってもよい。また、上述したセラミックス材料は、1種類を単独で、或いは2種類以上を混合して使用することができる。また、燃料極6は、金属触媒を単体で用いて構成することもできる。なお、燃料極6は、上流側燃料極6a、中間燃料極6b、下流側燃料極6cとあるが、全て同じ材料を使用してもよい。
空気極5を形成するセラミックス粉末材料としては、上流側空気極5a、中間空気極5b、下流側空気極5cによってそれぞれ異なり、下流側の空気極ほど酸素イオン・電子混合導電性が高くなっている。
まず、上流側空気極5aの材料としては、好ましくはペロブスカイト型構造を有する(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(Pr,Sr)FeO2、(Pr,Sr)MnO2が挙げられ、少なくともこれらの内一つからなる。
また、下流側空気極5cの材料としては、好ましくは(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3、(La,Sr)(Co,Fe)O3が挙げられ、少なくともこれらの内一つからなる。
また下流側空気極3cに、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知であるサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物(GDC)、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物(YSZ)などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を添加させることで、電解質との密着性を向上させ、かつ酸素イオン導電パスが増長することにより、性能の向上が可能である。この場合好ましくは、下流側空気極3cの、上流側空気極材料と電解質材料との重量比を9:1〜7:3にするのが望ましい。
そして、中間空気極5bは、上述した上流側空気極5aと下流側空気極5cの材料を混合した材料を用いる。この混合割合は、上流側空気極5a:下流側空気極5c=99wt%:1wt%〜1wt%:99wt%とすることが好ましい。
上記電解質4,空気極5及び燃料極6は、上述した材料を主成分として、さらにバインダー樹脂、有機溶媒などが適量加えられることにより形成される。より詳細には、上記主成分とバインダー樹脂との混合において、上記主成分が50〜95重量%となるように、バインダー樹脂等を加えることが好ましい。そして、空気極5及び燃料極6の膜厚は5〜100μmとなるように形成するが、20〜50μmとすることが好ましい。
以上のように構成された固体酸化物形燃料電池1の製造方法は、公知の製造方法を用いることができるが、その一例について説明すると、まず上述した材料からなる支持基板2を準備する。そして、まず電解質ペーストをスクリーン印刷法により塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥・焼結して電解質4a、4b、4cを形成する。次に各電解質4の上面に、上述した材料からなる燃料極ペーストをスクリーン印刷法により塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥・焼結し、燃料極6a〜6cを形成する。同様に、上流側電解質4aの上面には上流側空気極ペーストを、中間電解質4bの上面には中間空気極ペーストを、下流側電解質4cの上面には下流側空気極ペーストをスクリーン印刷法により各燃料極6と間隔をあけて塗布した後、所定の時間及び温度で乾燥・焼結し、上流側空気極5a、中間空気極5b、下流側空気極5cを同時に形成する。以上により、上述した固体酸化物形燃料電池1が完成する。
次に、上記のように構成された固体酸化物形燃料電池1の発電方法について図3を参照しつつ説明すると、酸素などからなる酸化剤ガスとH2やメタンやエタンなどの炭化水素系ガスからなる燃料ガスとの混合ガスを単室型固体酸化物形燃料電池1に供給する。なお、混合ガスは、図3の左側を上流側、右側を下流側とし、図3の左側から右側へと流される。これにより、単室型固体酸化物形燃料電池1に供給された混合ガスは、上流側単セル3a、中間単セル3b、下流側単セル3cの順に、各空気極5及び燃料極6と接触する。以上により、各空気極5と燃料極6との間で電解質4の主に表面付近で酸素イオン伝導が起こり発電が行われる。
以上、本実施形態によれば、酸化剤ガス及び燃料ガスの混合ガスの上流側には上流側空気極5aが配置されており、下流側には下流側空気極5cが配置されている。そして、酸化剤ガス及び燃料ガスの混合ガスの上流側は混合ガスの濃度が高いために電気化学反応が進行しやすく高温となっており、これとは反対に酸化剤ガス及び燃料ガスの下流側は混合ガスの濃度が希薄であるために電気化学反応が進行しづらく低温となっている。このように高温下となる領域には上流側空気極5aが配置されているが、この上流側空気極5aの上述した材料は高温下で良好な発電性能を発揮させる。また、低温下となる領域には下流側空気極5cが配置されているが、この下流側空気極5cの上述した材料は低温下で良好な発電性能を発揮させる。以上のように、各温度域には、その温度域に適した材料からなる空気極5を配置しているため、固体酸化物形燃料電池1は全体として良好な発電性能を発揮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、単セル3は、上流側単セル3a、中間単セル3b、下流側単セル3cの3つから構成されているが、この中間単セル3bを省略して上流側単セル3a及び下流側単セル3cの2つだけとすることもできる。
また、上記実施形態では、中間単セルbを1つのみとしているが、中間単セル3bを2つ以上形成することもできる。この場合は、上流側単セル3aに近い中間単セル3bの中間空気極5bほど、上流側空気極5aの材料の割合を増やすことが好ましい。
また、上記実施形態では、各ペーストの塗布にスクリーン印刷法を用いているが、これに限定されるものではなく、ドクターブレード法、スプレーコート法、スピンコート法、リソグラフィー法、電気泳動法、ロールコート法、グラビアロ−ルコ−ト法、ディスペンサーコート法、CVD,EVD,スパッタリング法、転写法等の印刷方法等、その他一般的な印刷法を用いることができる。また、印刷後の後工程として、CIP(静水圧プレス)、HIP(熱間静水圧プレス)、ホットプレス、その他の一般的なプレス工程を用いることができる。
また、図4に示すように、各単セル3の空気極5及び燃料極6からなる電極体Eを他の単セル3の電極体Eとインターコネクタ7によって電気的に接続することができる。
また、図5に示すように、上流側単セル3aや下流側単セル3cを複数形成してもよい。
(実施例1)
図6に示すような、単室型固体酸化物形燃料電池1を作製した。具体的には、まず、支持基板2として、厚み2mm、混合ガス流れ方向(図6左右方向)の長さが300mm、幅1400mmのAl2O3基板を使用した。この支持基板2上に、イットリウム安定化ジルコニア(0.2YO1.5−0.8ZrO2:YSZ)を主成分とする厚み500μmの板状の電解質4を図6の左右方向に3枚、上下方向に14枚の計42枚を接着して、図6の左側から順に、上流側電解質4aを14枚、中間電解質4bを14枚及び下流側電解質4cを14枚形成した。この接着剤には、高融点ガラスにセルロース系バインダーを混合したペーストを用い、粘度は5×105mPa・sとした。この上流側電解質4aと中間電解質4bとの間隙、及び中間電解質4bと下流側電解質4cとの間隙は、ともに10mmである。また、各電解質4は混合ガスの流れ方向の長さが90mm、幅が90mmである。
図6に示すような、単室型固体酸化物形燃料電池1を作製した。具体的には、まず、支持基板2として、厚み2mm、混合ガス流れ方向(図6左右方向)の長さが300mm、幅1400mmのAl2O3基板を使用した。この支持基板2上に、イットリウム安定化ジルコニア(0.2YO1.5−0.8ZrO2:YSZ)を主成分とする厚み500μmの板状の電解質4を図6の左右方向に3枚、上下方向に14枚の計42枚を接着して、図6の左側から順に、上流側電解質4aを14枚、中間電解質4bを14枚及び下流側電解質4cを14枚形成した。この接着剤には、高融点ガラスにセルロース系バインダーを混合したペーストを用い、粘度は5×105mPa・sとした。この上流側電解質4aと中間電解質4bとの間隙、及び中間電解質4bと下流側電解質4cとの間隙は、ともに10mmである。また、各電解質4は混合ガスの流れ方向の長さが90mm、幅が90mmである。
次に、NiO及びイットリウム安定化ジルコニア(0.2YO1.5−0.8ZrO2:YSZ)の混合粉末とセルロース系バインダー樹脂との重量比が80:20となるよう混練して燃料極ペーストを作製し、この燃料極ペーストを各電解質4上にスクリーン印刷で塗布後、130℃で10分間乾燥させた後、1450℃で1時間焼結させて各燃料極6を形成した。
続いて、La0.6Sr0.4MnO3粉末にセルロース系バインダー樹脂を重量比80:20で混練して上流側空気極ペーストを作製するとともに、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3粉末にセルロース系バインダー樹脂を重量比80:20で混練して下流側空気極ペーストを作製した。また、La0.6Sr0.4MnO3とLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3とを1:1の重量比で混合した粉末に、セルロース系バインダー樹脂を重量比80:20で混練して中間空気極ペーストを作製した。そして、スクリーン印刷によって上流側空気極ペーストを各上流側電解質4a上に、中間空気極ペーストを各中間電解質4b上に、下流側空気極ペーストを各下流側電解質4c上に塗布し、これら各空気極ペーストを130℃で10分間乾燥させた後、1200℃で1時間焼結させて上流側空気極5a、中間空気極5b、及び下流側空気極5cをそれぞれ14個ずつ形成した。そして、図6の左右方向に隣り合う単セル3をインターコネクタ7によって電気的に接続するとともに、右端及び左端においては図6の上下方向に隣り合う単セル3をインターコネクタ7によって電気的に接続した。なお、インターコネクタ7は、Auをバインダー樹脂、有機溶剤を適量加え、混練し1×103〜105mPa・sに粘度を調整しスクリーン印刷法により塗布し、130℃で10分間乾燥させた後、1000℃で1時間焼結することによって作製した。なお、各空気極5及び各燃料極6は、厚み20μm、混合ガスの流れ方向の長さが10mm、幅が80mmであり、各電解質4上の燃料極6と空気極5との間隙は500μmである。このように作製した単室型固体酸化物形燃料電池1を作動温度750℃下、燃料ガス流量90ccにおいて電流負荷(電流密度0.1A/cm2)を掛けた際のセル電圧は8.82Vであった。
(比較例1)
比較例1は、中間空気極5b、及び下流側空気極5cの材料が異なる点以外は上記実施例1と同じ固体酸化物形燃料電池である。なお、比較例1の中間空気極5b及び下流側空気極5aは、上流側空気極5aと同じ材料を使用している。このように作製した単室型固体酸化物形燃料電池を作動温度750℃下、燃料ガス流量90ccにおいて電流負荷(電流密度0.1A/cm2)を掛けた際のセル電圧は7.55Vであった。
比較例1は、中間空気極5b、及び下流側空気極5cの材料が異なる点以外は上記実施例1と同じ固体酸化物形燃料電池である。なお、比較例1の中間空気極5b及び下流側空気極5aは、上流側空気極5aと同じ材料を使用している。このように作製した単室型固体酸化物形燃料電池を作動温度750℃下、燃料ガス流量90ccにおいて電流負荷(電流密度0.1A/cm2)を掛けた際のセル電圧は7.55Vであった。
(比較例2)
比較例2は、上流側空気極5a及び中間空気極5bの材料が異なる点以外は上記実施例1と同じ固体酸化物形燃料電池である。なお、比較例2の上流側空気極5a及び中間空気極5bは、下流側空気極5cと同じ材料を使用している。このように作製した単室型固体酸化物形燃料電池を作動温度750℃下、燃料ガス流量90ccにおいて電流負荷(電流密度0.1A/cm2)を掛けた際のセル電圧は7.84Vであった。
比較例2は、上流側空気極5a及び中間空気極5bの材料が異なる点以外は上記実施例1と同じ固体酸化物形燃料電池である。なお、比較例2の上流側空気極5a及び中間空気極5bは、下流側空気極5cと同じ材料を使用している。このように作製した単室型固体酸化物形燃料電池を作動温度750℃下、燃料ガス流量90ccにおいて電流負荷(電流密度0.1A/cm2)を掛けた際のセル電圧は7.84Vであった。
上記実施例1及び比較例1、2の結果から、上流側よりも下流側の空気極5を酸素イオン・電子混合伝導性が高い材料で形成することにより、燃料電池1の性能が向上することが分かった。
1 単室型固体酸化物形燃料電池
2 支持基板
3 単セル
3a 上流側単セル(一方端側単セル)
3b 中間単セル
3c 下流側単セル(他方端側単セル)
4 電解質
4a 上流側電解質(一方端側電解質)
4b 中間電解質
4c 下流側電解質(他方端側電解質)
5 空気極
5a 上流側空気極(一方端側空気極)
5b 中間空気極
5c 下流側空気極(他方端側空気極)
6 燃料極
6a 上流側燃料極(一方端側燃料極)
6b 中間燃料極
6c 下流側燃料極(他方端側燃料極)
2 支持基板
3 単セル
3a 上流側単セル(一方端側単セル)
3b 中間単セル
3c 下流側単セル(他方端側単セル)
4 電解質
4a 上流側電解質(一方端側電解質)
4b 中間電解質
4c 下流側電解質(他方端側電解質)
5 空気極
5a 上流側空気極(一方端側空気極)
5b 中間空気極
5c 下流側空気極(他方端側空気極)
6 燃料極
6a 上流側燃料極(一方端側燃料極)
6b 中間燃料極
6c 下流側燃料極(他方端側燃料極)
Claims (5)
- 支持基板と、
前記支持基板上であって前記支持基板の一方端側に設置された一方端側電解質、前記一方端側電解質上に形成された一方端側燃料極、及び前記一方端側電解質上に前記一方端側燃料極と間隔をあけて形成された一方端側空気極を有する一方端側単セルと、
前記支持基板上であって前記支持基板の他方端側に設置された他方端側電解質、前記他方端側電解質上に形成された他方端側燃料極、及び前記他方端側電解質上に前記他方端側燃料極と間隔をあけて形成された他方端側空気極を有する他方端側単セルと、を備え、
前記他方端側空気極は、前記一方端側空気極よりも酸素イオン・電子混合伝導性が高い、単室型固体酸化物形燃料電池。 - 前記支持基板上であって前記一方端側電解質と他方端側電解質との間に設置された中間電解質、前記中間電解質上に形成された中間燃料極、及び前記中間電解質上に前記中間燃料極と間隔をあけて形成された中間空気極、を有する中間単セルをさらに備え、
前記中間空気極の材料は、前記一方端側空気極の材料と前記他方端側空気極の材料とを混合させたものである、請求項1に記載の単室型固体酸化物系燃料電池。 - 前記中間単セルを複数備え、前記一方端側単セルに近い中間単セルの中間空気極ほど前記一方端側空気極の材料の割合が高い、請求項2に記載の単室型固体酸化物形燃料電池。
- 前記一方端側単セル及び他方端側単セルの少なくとも一方を複数備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の単室型固体酸化物形燃料電池。
- 前記各単セルの空気極及び燃料極からなる電極体を他の単セルの電極体と電気的に接続するインターコネクタをさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の単室型固体酸化物形燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008255727A JP2010086830A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 単室型固体酸化物形燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008255727A JP2010086830A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 単室型固体酸化物形燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010086830A true JP2010086830A (ja) | 2010-04-15 |
Family
ID=42250590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008255727A Pending JP2010086830A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 単室型固体酸化物形燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010086830A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021186916A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 三菱重工業株式会社 | 燃料電池モジュール及びこれを有する燃料電池システム |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008255727A patent/JP2010086830A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021186916A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 三菱重工業株式会社 | 燃料電池モジュール及びこれを有する燃料電池システム |
JP2021150025A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | 三菱重工業株式会社 | 燃料電池モジュール及びこれを有する燃料電池システム |
JP7386111B2 (ja) | 2020-03-16 | 2023-11-24 | 三菱重工業株式会社 | 燃料電池モジュール及びこれを有する燃料電池システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5365124B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2007273195A (ja) | 固体酸化物形燃料電池スタック | |
JP5176362B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池用構造体及びこれを用いた固体酸化物形燃料電池 | |
JP4606081B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2006019044A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2010086830A (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池 | |
JP5245205B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5140982B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池及びそのスタック構造 | |
JP5320947B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 | |
JP5387098B2 (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池及びそのスタック構造 | |
JP5256598B2 (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池及びそのスタック構造 | |
JP2005038848A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP4961804B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP5045024B2 (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 | |
JP5098202B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2008047380A (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池 | |
JP2008053016A (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池及びそのスタック構造 | |
JP4844040B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2008077887A (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池及びそのスタック構造 | |
JP2007048605A (ja) | 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 | |
JP2009245663A (ja) | 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 | |
JP5316153B2 (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池 | |
JP4658488B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2007273422A (ja) | 固体酸化物形燃料電池 | |
JP2008084745A (ja) | 単室型固体酸化物形燃料電池 |