JP2005054819A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のトロイダル型無段変速機は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつこのパワーローラ11の回転を許容するスラスト軸受24と、このスラスト軸受24に潤滑油を供給するための油路51,52,55,57とを備え、油路の途中には、パワーローラ11の回転に伴う遠心力によって油路中を流れる潤滑油とこれに混入された異物とを分離する遠心分離部Sが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機として利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図3および図4に略示するようなトロイダル型無段変速機が従来から知られている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に第1のディスクである入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、第2のディスクである出力側ディスク4を固定している。
トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。
【0003】
すなわち、各トラニオン6,6は、後述する図5および図6に示すように、支持板部7の長手方向(図6の左右方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、後述するパワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
【0004】
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部が支持されている。そして、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部の周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部と先端部は、互いに偏心している。
【0005】
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
【0006】
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15,15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図3および図4の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図3および図4の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15,15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
【0007】
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
【0008】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図3に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
【0009】
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図4に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
【0010】
さらに、図5および図6は、より具体化された従来のトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2および出力側ディスク4はそれぞれ、円管状の入力軸18の周囲に、ニードル軸受19,19を介して、回転自在に支持されている。また、ローディングカム式の押圧装置12を構成するためのカム板13は、入力軸18の端部(図5の左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部20によって入力側ディスク2から離れる方向への移動が阻止されている。また、出力側ディスク4には出力歯車21がキー22,22により結合されており、これら出力側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転するようになっている。
【0011】
図6に明確に示すように、一対のトラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対の支持板23,23に対して揺動自在および軸方向(図5の表裏方向、図6の左右方向)に変位自在に支持されている。そして、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。
この場合、各変位軸9の基端部9aは、円孔10の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
【0012】
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側および出力側の両ディスク2,4の回転方向に対して同方向(図6で左右逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0013】
また、各パワーローラ11,11の大端面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の大端面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(転動体)26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の大端面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0014】
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。
【0015】
さらに、各トラニオン6,6の一端部(図6の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29が結合されており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。
【0016】
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸18の回転は、押圧装置12を介して、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、さらにこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車21より取り出される。
【0017】
入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図6の下側のパワーローラ11が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ11が同図の左側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2および出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、支持板23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0018】
その結果、前述の図3および図4に示したように、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車21との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0019】
以上のように、トロイダル型無段変速機は、パワーローラ11とディスク2,4とを高圧で押し付けてトラクション力を発生させることによって動力伝達を行なうが、特にハーフトロイダル型無段変速機では、その構造上、パワーローラ11に非常に大きなスラスト力が働く。そのため、パワーローラ11を支えるスラスト軸受24,25に異物(コンタミ)が混入して噛み込んだ場合には、スラスト玉軸受24の転動体26の表面および内外輪軌道の軌道面(パワーローラ11の大端面および外輪28の内側面)に圧痕が生じ、その圧痕を起点にして剥離が発生し易くなる。これは、パワーローラ11の軸受の寿命低下を招く。
【0020】
従来、このような問題を解決するため、パワーローラのスラスト軸受24,25へ潤滑油を供給するための潤滑油路中にフィルタを設け、このフィルタによって潤滑油とこれに混入する異物とを分離することにより、パワーローラ11のスラスト軸受24,25に異物が侵入することを防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0021】
【特許文献1】
特開2002−286110号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルタを用いる場合、そのメッシュ以下の大きさの異物を除去することは不可能である。また、フィルタが目詰まりを起こした場合、パワーローラ11のスラスト軸受24,25への潤滑が不十分となり、スラスト軸受24,25の寿命の低下を引き起こす。
【0023】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、パワーローラの軸受へ供給される潤滑油とこれに混入する異物とを確実に分離して、パワーローラの軸受に異物が侵入することを防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンの中間部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンの中間部内側面との間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容するスラスト軸受と、このスラスト軸受に潤滑油を供給するための油路とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、前記油路の途中には、前記パワーローラの回転に伴う遠心力によって前記油路中を流れる潤滑油とこれに混入された異物とを分離する遠心分離部が設けられていることを特徴とする。
【0025】
この請求項1に記載の発明においては、油路内を流れる潤滑油が、途中の遠心分離部で、パワーローラの回転に伴う遠心力を受けるため、潤滑油とこれに混入された異物とを確実に分離することができる。したがって、油路を通じてパワーローラの軸受に異物が侵入することを確実に防止することができる。また、フィルタ等の別個の部材を油路中に配置する必要がないため、そのための設置スペースを確保することも不要となり、潤滑構造を簡素化できるとともに、フィルタの目詰まりによって潤滑が不十分になるといった問題も生じない。
【0026】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記パワーローラは、ラジアル軸受を介して、前記変位軸に支持され、前記遠心分離部は、前記変位軸の先端で前記ラジアル軸受により前記変位軸と前記パワーローラとの間に形成された環状空間と、この環状空間と対向する前記パワーローラの内周面に形成され且つ前記環状空間から径方向外側に延びる環状溝とによって形成されていることを特徴とする。
【0027】
この請求項2に記載の発明においては、遠心力の作用方向に長い空間、すなわち、環状空間と環状溝とによって形成される遠心分離空間によってここを流れる潤滑油に遠心力を有効且つ十分に作用させることができるとともに、前記環状空間内で遠心力を受けた異物を前記環状溝へと逃がすことができるため、潤滑油に混入された異物を潤滑経路から確実に分離して排除することができる。
【0028】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記変位軸には、前記環状空間と前記環状溝とを所定の隙間を持って閉じる閉塞部材が取り付けられ、前記環状空間内および前記環状溝内で遠心分離された異物が前記隙間を通じて外部に排出されることを特徴とする。
【0029】
この請求項3に記載の発明においては、遠心分離された異物を前記遠心分離空間から外部へと確実に排出させることができ、分離された異物が再び潤滑油中に混入するといった事態を回避することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、パワーローラの軸受部へと供給される潤滑油から異物を分離する分離形態に特徴があり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図3〜図6と同一の符号を付してその詳細な説明を省略することにする。
【0031】
図1および図2は本発明の実施の形態を示している。図1に示すように、本実施の形態のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4とを有して構成されるバリエータには、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつこのパワーローラ11の回転を許容するスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、このスラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための油路とが設けられている。
【0032】
図2に詳しく示すように、前記油路は、変位軸9の先端部9b内をその長手方向に沿って延びる第1の油孔51と、変位軸9の先端部9bの先端に位置する第1の油孔51の先端から径方向に延びる第2の油孔52とを有している。第1の油孔51は、変位軸9の先端部9bの基端面まで延びる図示しない油供給路に連通している。また、第2の油孔52は、変位軸9の先端部9bの先端側に位置し且つラジアルニードル軸受(ラジアル軸受)38により先端部9bとパワーローラ11との間に形成された環状空間55に連通している。さらに、環状空間55は、変位軸9の先端部9bとパワーローラ11との間の隙間57を通じてスラスト玉軸受24へと通じている。すなわち、本実施の形態において、スラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための前記油路は、第1の油孔51と、第2の油孔52と、環状空間55と、隙間57とによって形成されている。
【0033】
環状空間55と対向するパワーローラ11の内周面11bには、環状空間55を径方向外側に広げる(環状空間55から径方向外側に延びる)凹状の環状溝11dが形成されている。本実施の形態において、この環状溝11dは、パワーローラ11の内周面11bに段部59を形成する(パワーローラ11の小端面(前端面)11cを凹状に切り欠く)ことによって設けられており、パワーローラ11の回転に伴う遠心力によって前記油路中を流れる潤滑油とこれに混入された異物60とを分離する遠心分離空間(遠心分離部)Sを、環状空間55と共に形成している。
【0034】
また、変位軸9の先端部9bには、環状空間55と環状溝11dとを所定の隙間62を持って閉じる閉塞部材としてのスペーサ58が取り付けられている。
【0035】
したがって、以上のような構成において、変位軸9の先端部9bの基端面から第1の油孔51内に導入された潤滑油は、図中に矢印で示すように、第2の油孔52へと流れ、環状空間55内に達する。この時、環状空間55内に達した潤滑油には、パワーローラ11の回転およびこれに伴うラジアルニードル軸受38の回転によって遠心力が作用する。したがって、異物60が潤滑油に混入されている場合、この潤滑油よりも比重の重い異物60は、環状空間55内で遠心力を受けつつ、その遠心力によって環状溝11dへと吹き飛ばされ、スペーサ58とパワーローラ11の小端面11cとの間に形成された隙間62を通じて外部へと排出される。その後、異物60が排除された純粋な潤滑油は、変位軸9の先端部9bとパワーローラ11との間の隙間57を通じて、スラスト玉軸受24へと流れる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態のトロイダル型無段変速機のバリエータは、スラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための油路を備えるとともに、この油路の途中に、パワーローラ11の回転に伴う遠心力によって油路中を流れる潤滑油とこれに混入された異物とを分離する遠心分離部(遠心分離空間)Sを備えている。
【0037】
このような構成によれば、油路内を流れる潤滑油が、途中の遠心分離部Sで、パワーローラ11の回転に伴う遠心力を受けるため、潤滑油とこれに混入された異物とを確実に分離することができる。したがって、油路を通じてパワーローラ11のスラスト玉軸受24に異物60が侵入することを確実に防止することができる。また、フィルタ等の別個の部材を油路中に配置する必要がないため、そのための設置スペースを確保することも不要となり、潤滑構造を簡素化できるとともに、フィルタの目詰まりによって潤滑が不十分になるといった問題も生じない。
【0038】
また、本実施の形態において、遠心分離部Sは、変位軸9の先端でラジアルニードル軸受38により変位軸9とパワーローラ11との間に形成された環状空間55と、この環状空間55と対向するパワーローラ11の内周面11bに形成され且つ環状空間55から径方向外側に延びる環状溝11dとによって形成されている。
【0039】
したがって、このような構成によれば、遠心力の作用方向に長い空間、すなわち、環状空間55と環状溝11dとによって形成される遠心分離空間Sによってここを流れる潤滑油に遠心力を有効且つ十分に作用させることができるとともに、環状空間55内で遠心力を受けた異物60を環状溝11dへと逃がすことができるため、潤滑油に混入された異物60を潤滑経路から確実に分離して排除することができる。
【0040】
また、本実施の形態において、変位軸9には、環状空間55と環状溝11dとを所定の隙間62を持って閉じる閉塞部材としてのスペーサ58が取り付けられ、環状空間55内および環状溝11d内で遠心分離された異物60が隙間62を通じて外部に排出されるようになっている。したがって、遠心分離された異物60を遠心分離空間Sから外部へと確実に排出させることができ、分離された異物60が再び潤滑油中に混入するといった事態を回避することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、発明によれば、油路内を流れる潤滑油が、途中の遠心分離部で、パワーローラの回転に伴う遠心力を受けるため、潤滑油とこれに混入された異物とを確実に分離することができる。したがって、油路を通じてパワーローラのスラスト軸受に異物が侵入することを確実に防止することができる。また、フィルタ等の別個の部材を油路中に配置する必要がないため、そのための設置スペースを確保することも不要となり、潤滑構造を簡素化できるとともに、フィルタの目詰まりによって潤滑が不十分になるといった問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の要部の断面図である。
【図2】図1のZ部の拡大断面図である
【図3】従来から知られているの基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。
【図5】従来の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図6】図5のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
9 変位軸
11 パワーローラ
11b 内周面
11d 環状溝
24 スラスト玉軸受(スラスト軸受)
38 ラジアルニードル軸受(ラジアル軸受)
51 第1の油孔(油路)
52 第2の油孔(油路)
55 環状空間(油路)
57 隙間(油路)
58 スペーサ(閉塞部材)
62 隙間
S 遠心分離部
Claims (3)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンの中間部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンの中間部内側面との間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容するスラスト軸受と、このスラスト軸受に潤滑油を供給するための油路とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、
前記油路の途中には、前記パワーローラの回転に伴う遠心力によって前記油路中を流れる潤滑油とこれに混入された異物とを分離する遠心分離部が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記パワーローラは、ラジアル軸受を介して、前記変位軸に支持され、
前記遠心分離部は、前記変位軸の先端で前記ラジアル軸受により前記変位軸と前記パワーローラとの間に形成された環状空間と、この環状空間と対向する前記パワーローラの内周面に形成され且つ前記環状空間から径方向外側に延びる環状溝とによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 - 前記変位軸には、前記環状空間と前記環状溝とを所定の隙間を持って閉じる閉塞部材が取り付けられ、前記環状空間内および前記環状溝内で遠心分離された異物が前記隙間を通じて外部に排出されることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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