JP2005054169A - ポリフェニレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子量のポリフェニレンスルフィド(PPS)を効率よく短時間に製造する方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下でPPSを製造する方法において、少なくとも下記工程および反応時間条件により行うPPSの製造方法。工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを245℃以上272℃未満で反応させて、PPSのプレポリマーを生成する工程。工程2:272℃以上285℃未満で前記プレポリマーを反応させて高分子量PPSに転換する工程。反応時間条件:工程1の反応時間T1(分)と、工程2の反応時間T2(分)の比(T1/T2)を0.45〜4.50に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が300分以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略記する)の製造方法およびその方法により得られるPPSに関し、さらに詳しくは、高分子量PPSを効率よく短時間に製造する方法およびその方法により得られるPPSに関するものである。
PPSは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、機械的強度、電気的特性及び寸法安定性などに優れたエンジニアリングプラスチックであり、射出成形、押出成形及び圧縮成形などの様々な成形法により、各種成形品、フィルム、シート及び繊維などに成形可能であるため、電気・電子機器や自動車機器などの広範な分野において幅広く用いられている。
PPSの製造方法としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機アミド溶媒中で、硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物とp−ジクロロベンゼンなどのジハロ芳香族化合物とを反応させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では、低分子量で溶融粘度の小さいPPSしか得ることができない。このような低分子量PPSを、重合後に空気の存在下で加熱し、酸化硬化(キュアー)すればPPSの高分子量化が可能であるが、このようにして得られた硬化PPSは、機械的物性が不十分であり、しかも線状ではないため、シート、フィルム及び繊維などに成形加工することが困難であった。
近年では、重合時に線状で高分子量のPPSを得るために、上記の方法を改善した各種の製造方法が提案されている。PPSの重合方法の改善手段としては、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させるに際し、各種の重合助剤を添加する方法が代表的であり、例えば、重合助剤としてアルカリ金属カルボン酸塩を使用する方法(例えば、特許文献2参照。)、同じく芳香族カルボン酸のアルカリ土類金属塩を使用する方法(例えば、特許文献3参照。)、同じくアルカリ金属ハライドを使用する方法(例えば、特許文献4参照。)、および同じく脂肪族カルボン酸のナトリウム塩を使用する方法(例えば、特許文献5参照。)などが提案されている。
これらの方法によれば、確かに重合により、線状で高分子量のPPSを得ることができるが、高重合度なPPSをより短時間に得るためには、酢酸リチウムや安息香酸ナトリウムなどの高価な重合助剤を用いて重合を行う必要があり、また酢酸ナトリウムなどの安価な重合助剤を単純に適用したとしても、重合時間が長くなって経済的に不利であるという問題があった。
一方、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPPSを得る方法において、特定の二段階重合法を採用することが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。すなわち、この方法は、前段重合工程において、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5〜2.4モルの水が存在する状態で、180〜235℃の温度で反応させることにより、ジハロ芳香族化合物の転化率を50〜98モル%として低粘度のプレポリマーを生成させた後、後段重合工程において、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり2.5〜7モルの水が存在する状態となるように反応系に水を添加するとともに、245〜290℃の温度に昇温して、反応を継続する二段階重合法である。しかし、この方法では、反応系に存在する水分量が適切でないため、十分に高分子量のPPSを得るには、かなり長い重合時間を必要とするという問題があった。
さらに、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.5〜2.4モルの水の存在下に、アルカリ金属カルボン酸塩を0.001〜0.20モルと比較的少量存在させて重合を行う方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)が、この方法の主な目的は、粒状のPPSを析出させて収率を上げることにあり、このような少量のアルカリ金属カルボン酸塩の使用量では、高重合度のPPSを短時間で得ることは困難であった。
上記のような従来技術の欠点を鑑み、本発明者らは、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPPSを得るのに際し、水分と重合助剤のモル比を特定の範囲に調節した二段階重合の採用を提案している(特許文献8参照。)。すなわち、この方法は、200℃以上245℃未満の温度範囲内で、転化率が30〜80モル%になるように反応を行い、PPSのプレポリマーを生成させた後、次いで、245℃以上290℃未満の温度範囲内で重合助剤と系内水分のモル比[重合助剤量(モル)/水分量(モル)]を0.1〜0.7として、前記プレポリマーを高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する方法であるが、この方法においても未だ重合時間の短縮という点では不十分であった。
特公昭45−3368号公報(7〜8頁、例1) 特公昭52−12240号公報(特許請求の範囲) 特開昭59−219332号公報(特許請求の範囲) 米国特許第4,038,263号明細書(請求項1) 特開平1−161022号公報(特許請求の範囲) 特公昭63−33775号公報(特許請求の範囲) 特開平6−145355号公報(特許請求の範囲) 特開2002−265604号公報(請求項1、2)
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、高分子量のポリフェニレンスルフィドを短時間に効率よく製造する方法、およびその方法により得られるポリフェニレンスルフィドを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、重合助剤のみ、或いは水分量のみ、或いはそれら両者を特定の割合で増やしても、高重合度のポリフェニレンスルフィドを効率よく短時間に得ることは難しいが、特定量の重合助剤の存在下、反応系内の水分量を比較的少なく調節し、245℃以上の特定の温度範囲で反応を行ってポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成させた後(工程1)、285℃未満の特定の温度範囲で反応を継続するとともに(工程2)、前記工程1、工程2における反応時間を特定の割合に調節することにより、短時間で高重合度のPPSが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてポリフェニレンスルフィドを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法である。
工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上272℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
工程2:272℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
反応時間条件:前記工程1の反応時間T1(分)と、工程2の反応時間T2(分)の比(T1/T2)を0.45〜4.50に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
もしくは本発明は、有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてポリフェニレンスルフィドを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法である。
工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上255℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
工程2:275℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
反応時間条件:前記工程1の反応時間T3(分)と、工程2の反応時間T4(分)の比(T3/T4)を0.15〜1.7に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
また、本発明のポリフェニレンスルフィドの製造方法は、有機アミド溶媒中で、特定量の重合助剤の存在下に、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリフェニレンスルフィドを製造する方法において、反応終了後、反応混合物から有機アミド溶媒を蒸発または蒸留させて回収する工程、とりわけ、前記有機アミド溶媒をフラッシュ法により回収する工程を含む場合、特に有用である。
さらに本発明の製造法により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂は十分に溶融粘度が高く、また、靱性に優れることから、特に射出成形品や繊維として有用である。
また、本発明におけるポリフェニレンスルフィドの製造方法は、高粘度のポリマーを極めて短時間に重合し、生産性を向上させる点でも有用である。
本発明によれば、高分子量のPPSを効率よく短時間に製造することができる。したがって、本発明の高分子量PPSの製造方法は、工業的規模でのPPSを安全かつ経済的に製造する方法として好適である。
以下、本発明について、アルカリ金属硫化物、ジハロ芳香族化合物、分子量調節剤・分岐剤・架橋剤、重合溶媒、重合助剤、重合安定剤、重合反応、重合溶媒の回収、ポリマーの回収及び生成PPSの順に詳述する。
(1)アルカリ金属硫化物
本発明で使用されるアルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、およびこれらの2種以上の混合物を好ましいものとして挙げることができる。特に好ましいものは、硫化ナトリウムである。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物、或いは反応前に別の反応槽で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素から反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物、或いは反応前に別の反応槽で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。
本発明において、仕込みアルカリ金属硫化物の量は、脱水操作などにより反応開始前にアルカリ金属硫化物の一部損失が生じる場合には、実際の仕込み量から当該損失分を差し引いた残存量を意味するものとする。
(2)ジハロ芳香族化合物
本発明で使用されるジハロ芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼンなどのジハロベンゼン、及び1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、3,5−ジクロロ安息香酸などのハロゲン以外の置換基をも含むジハロ芳香族化合物などを挙げることができる。なかでも、p−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロベンゼンを主成分にするジハロ芳香族化合物が好ましい。特に好ましくは、p−ジクロロベンゼンを80〜100モル%含むものであり、さらに好ましくは、90〜100モル%含むものである。また、異なる2種以上のジハロ芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能である。
ジハロ芳香族化合物の使用量(仕込み量)は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、通常0.9〜2.0モル、好ましくは0.95〜1.5モル、より好ましくは1.0〜1.3モル、更に好ましくは1.01〜1.10モルの範囲であることが、高分子量のPPSを得るために望ましい。この使用割合が0.9モル未満または2.0モル超過の場合には、加工に適した高粘度(高重合度)のPPSを得ることが困難となる傾向にある。
(3)分子量調節剤・分岐剤・架橋剤
本発明においては、生成PPSの末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を併用することができる。また、分岐または架橋重合体を形成させるために、トリハロゲン以上のポリハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)、活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物およびハロゲン化芳香族ニトロ化合物などを併用することも可能である。かかるポリハロゲン化合物の具体例としては、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,4,6−トリクロロナフタレンなどを挙げることができるが、これらの中でも、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンが好ましい。かかる活性水素含有ハロゲン化芳香族化合物としては、例えばアミノ基、メルカプト基およびヒドロキシル基などの官能基を有するハロゲン化芳香族化合物を挙げることができる。具体例としては、2,5−ジクロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、2,3−ジクロロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノ−2’,4−ジクロロジフェニルエーテルなどを挙げることができる。
また前記ハロゲン化芳香族ニトロ化合物としては、例えば2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,5−ジクロロニトロベンゼン、2−ニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,5−ジクロロ−2−ニトロピリジン、2−クロロ−3,5−ジニトロピリジンなどを挙げることができる。
(4)重合溶媒
本発明においては、重合溶媒として有機アミド溶媒を使用する。かかる有機アミド溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、テトラアルキル尿素、ヘキサアルキル燐酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機アミド溶媒、及びこれらの混合物などが、反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらの中でもN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)の使用が特に好ましい。本発明における重合溶媒の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.2〜10モルの範囲が好ましく、2〜5モルの範囲がより好ましい。
(5)重合助剤
本発明においては、高重合度のPPSをより短時間で得るために重合助剤を用いる。かかる重合助剤の具体例としては、一般にPPSの重合助剤として知られているアルカリ金属カルボン酸塩及びハロゲン化リチウムなどを挙げることができる。特に好ましいものは、アルカリ金属カルボン酸塩である。
アルカリ金属カルボン酸塩は、一般式R(COOM)n (式中、Rは、炭素数1〜20を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基である。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれるアルカリ金属である。nは1〜3の整数である。)で表される化合物である。アルカリ金属カルボン酸塩は、無水、水和物または水溶液としても用いることができる。アルカリ金属カルボン酸塩の具体例としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウム、およびそれらの混合物などを挙げることができる。アルカリ金属カルボン酸塩は、有機アミド溶媒中で、有機酸と、アルカリ金属水酸化物、炭酸アルカリ金属塩及び重炭酸アルカリ金属塩よりなる群から選ばれる一種以上の化合物とを、ほぼ等化学当量ずつ添加して反応させることにより形成させてもよい。上記アルカリ金属カルボン酸塩の中でも、安価で入手し易いことから、特に酢酸ナトリウムが好ましく用いられる。
これら重合助剤の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、0.32〜0.70モルの範囲であり、0.37〜0.50モルの範囲がより好ましく、0.38〜0.45モルの範囲が更に好ましい。上記の範囲未満では、高重合度化効果が不十分であり、上記の範囲を越えると、それ以上の高重合度化効果が得られないばかりか、同重合度のポリマーを得るのに要する重合時間は逆に長くなる。
これら重合助剤は、少なくとも後段重合工程(後記工程2)における反応系に含有されていればよい。したがって、その添加時期は、前段重合開始前の脱水工程の前か、前段重合開始時から後段重合途中のいずれかの時点、あるいはこれらの任意の組合せの時期であればよい。
(6)重合安定剤
本発明においては、重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、及びアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の一つに入る。
これら重合安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合安定剤は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対して、通常0.01〜0.20モル、好ましくは0.02〜0.15モル、より好ましくは0.03〜0.10モルの割合で使用する。この割合が少ないと安定化効果が不十分であり、逆に多すぎても経済的に不利益であったり、ポリマー収率が低下する傾向となる。重合安定剤の添加時期は、前段重合開始前の脱水工程の前か、前段重合開始時から後段重合途中のいずれかの時点、あるいはこれらの任意の組合わせの時期であればよい。好ましくは脱水工程の前あるいは前段重合開始時である。なお、脱水操作時にアルカリ金属硫化物の一部が分解して、硫化水素が発生する場合には、その結果生成したアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
(7)重合反応
本発明において、重合反応は下記重合反応1または重合反応2の方法で行われる。
(7−1)重合反応1
本発明において重合反応1は、有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてPPSを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするが、さらに前処理工程や後処理工程などの付加的な工程があってもよい。
工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上272℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
工程2:272℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
反応時間条件:前記工程1の反応時間T1(分)と、工程2の反応時間T2(分)の比(T1/T2)を0.45〜4.50に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
上記の工程1を開始するのに際しては、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜220℃、好ましくは100〜220℃の温度範囲で、有機アミド溶媒にアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を加える。この段階で重合助剤を加えてもよい。これらの原料の仕込み順序は、順不同であってもよく、同時であってもさしつかえない。アルカリ金属硫化物は、通常、水和物の形で使用されるが、その含有水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モルより少ない場合には、必要量を添加して補充する必要がある。アルカリ金属硫化物の含有水量が多すぎる場合には、ジハロ芳香族化合物を添加する前に、有機アミド溶媒とアルカリ金属硫化物を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去する必要がある(脱水工程)。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分を添加して補充する必要がある。
アルカリ金属硫化物としては、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物、或いは反応前に別の反応槽で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。この方法に特に制限はないが、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜150℃、好ましくは常温から100℃の温度範囲で、有機アミド溶媒にアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を加え、常圧または減圧下、少なくとも150℃以上、好ましくは180〜250℃まで昇温し、水分を留去させる方法が挙げられる(脱水工程)。この段階で重合助剤を加えてもよい。また、水分の留去を促進するためにトルエンなどを加えて反応を行ってもよい。
上記工程1における反応系の共存水量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モル以上1.5モル未満、好ましくは0.8〜1.2モルの範囲である。上記工程1の共存水量をこのような比較的少ない範囲に規定することにより、より短時間で高重合度のPPSを得ることができる。
上記工程1の反応温度は245℃以上272℃未満であり、250℃以上265℃未満であることがより望ましい。
上記工程2における反応系の共存水分量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モル以上1.5モル未満、好ましくは0.8〜1.2モルの範囲であることが望ましい。但し、より高重合度のPPSを得る目的の場合には、これに限らず、水分を任意の量で反応系に添加しても良い。この場合、水分の添加時期は、上記工程2の開始時点、中間時点、終期のいずれであっても良いが、上記工程2の反応時間の半分より前に添加を開始する事が好ましい。
上記工程2の反応温度は272℃以上285℃未満であり、274℃以上282℃未満であることがより望ましい条件である。上記の範囲を越える反応温度では、反応系内が分解傾向となる場合があるため好ましくない。
なお、上記工程1および2における反応は、上記温度範囲内で反応温度を一定にして行っても良いし、上記温度範囲内で徐々に昇温して行っても良い。
本発明において、上記工程1の反応時間T1としては、十分な高重合度化効果を経済的に得る観点から、60〜150分の範囲が好ましく、80〜130分の範囲がより好ましい。
上記工程2の反応時間T2としては、十分な高重合度化効果を経済的に得る観点から、40〜120分の範囲が好ましく、60〜100分の範囲がより好ましい。
重合反応1において十分に高重合度化を達成するため、上記工程1の反応時間T1と工程2の反応時間T2の比(T1/T2)は、0.45〜4.50であり、0.5〜3.0の範囲がより好ましい。
さらに、本発明においては、200℃以上285℃未満の温度範囲における全反応時間が300分以下、より好ましくは250分以下であることが望ましい。それ以上、反応時間を継続しても、十分な高重合度化効果は認められないばかりか、経済的に不利になる。全反応時間の下限については、100分以上であることが好ましく、より好ましくは150分以上である。
(7−2)重合反応2
本発明において重合反応2は、有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてPPSを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするが、さらに前処理工程や後処理工程などの付加的な工程があってもよい。
工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上255℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
工程2:275℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
反応時間条件:前記工程1の反応時間T3(分)と、工程2の反応時間T4(分)の比(T3/T4)を0.15〜1.7に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
上記の工程1を開始するのに際しては、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜220℃、好ましくは100〜220℃の温度範囲で、有機アミド溶媒にアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を加える。この段階で重合助剤を加えてもよい。これらの原料の仕込み順序は、順不同であってもよく、同時であってもさしつかえない。アルカリ金属硫化物は、通常、水和物の形で使用されるが、その含有水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モルより少ない場合には、必要量を添加して補充する必要がある。アルカリ金属硫化物の含有水量が多すぎる場合には、ジハロ芳香族化合物を添加する前に、有機アミド溶媒とアルカリ金属硫化物を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去する必要がある(脱水工程)。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分を添加して補充する必要がある。
アルカリ金属硫化物としては、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物、或いは反応前に別の反応槽で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。この方法に特に制限はないが、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜150℃、好ましくは常温から100℃の温度範囲で、有機アミド溶媒にアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を加え、常圧または減圧下、少なくとも150℃以上、好ましくは180〜250℃まで昇温し、水分を留去させる方法が挙げられる(脱水工程)。この段階で重合助剤を加えてもよい。また、水分の留去を促進するためにトルエンなどを加えて反応を行ってもよい。
上記工程1における反応系の共存水量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モル以上1.5モル未満、好ましくは0.8〜1.2モルの範囲である。上記工程1の共存水量をこのような比較的少ない範囲に規定することにより、より短時間で高重合度のPPSを得ることができる。
上記工程1の反応温度は245℃以上255℃未満であり、245℃以上253℃未満であることがより望ましい。
上記工程2における反応系の共存水分量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.5モル以上1.5モル未満、好ましくは0.8〜1.2モルの範囲であることが望ましい。但し、より高重合度のPPSを得る目的の場合には、これに限らず、水分を任意の量で反応系に添加しても良い。この場合、水分の添加時期は、上記工程2の開始時点、中間時点、終期のいずれであっても良いが、上記工程2の反応時間の半分より前に添加を開始する事が好ましい。
上記工程2の反応温度は275℃以上285℃未満であり、278℃以上282℃未満であることがより望ましい条件である。上記の範囲を越える反応温度では、反応系内が分解傾向となる場合があるため好ましくない。
なお、上記工程1および2における反応は、上記温度範囲内で反応温度を一定にして行っても良いし、上記温度範囲内で徐々に昇温して行っても良い。
重合反応2において、上記工程1の反応時間T3としては、十分な高重合度化効果を経済的に得る観点から30〜100分の範囲が好ましく、50〜90分の範囲がより好ましい。
上記工程2の反応時間T4としては、十分な重合度化効果を経済的に得る観点から60〜150分の範囲が好ましく、70〜120分の範囲がより好ましい。
また、重合反応2における上記工程1の反応時間T3と工程2の反応時間T4の比(T3/T4)は、0.15〜1.7であり、0.2〜1.7の範囲であることが好ましく、0.3〜1.3の範囲がより好ましい。
さらに、本発明においては、200℃以上285℃未満の温度範囲における全反応時間が300分以下、より好ましくは250分以下であることが望ましい。それ以上、反応時間を継続しても、十分な高重合度化効果は認められないばかりか、経済的に不利になる。全反応時間の下限については、100分以上であることが好ましく、より好ましくは150分以上である。
(8)重合溶媒の回収
本発明においては、重合終了後における有機アミド溶媒の回収を、常法によって行うことができる。例えば、PPS、有機アミド溶媒、重合助剤、副生アルカリ金属ハライドを含む反応混合物から、有機アミド溶媒を直接、蒸発または蒸留することができる。あるいは冷却した前記反応混合物をそのまま、或いは水などで希釈してから濾別し、そのろ液を抽出した後に、有機アミド溶媒を蒸発または蒸留することができる。
前記、反応混合物から直接、蒸発または蒸留によって、有機アミド溶媒を回収する場合には、高温状態の重合反応物を蒸発または蒸留するか、必要に応じて重合反応混合物を加熱して蒸発または蒸留することができる。特に有機アミド溶媒および生成ポリマーの回収が容易であり、有機アミド溶媒の回収コストが低いフラッシュ法がより好ましい方法である。フラッシュ法は、一般に良く知られている既知の方法によって行うことができる。具体的には、例えば、前記重合工程2の終了後、高温状態にある反応混合物を配管を通してフラッシュ用タンクに導入し、該フラッシュタンク内で蒸発した有機アミド溶媒を有機アミド溶媒回収用のタンクに回収する。この際、有機アミド溶媒の回収率を高めるために、前記フラッシュ用タンクを熱媒等により加熱することができ、例えば、有機アミド溶媒としてNMPを使用した場合には、200℃以上、好ましくは220〜240℃の温度範囲で前記フラッシュ用タンクを加熱することが望ましい。また、有機アミド溶媒の回収率をより高めるためには、不活性気体を前記フラッシュ用タンクに流通させることもできる。前記不活性気体としては、水蒸気、窒素ガス、炭酸ガスなどが挙げられ、中でも水蒸気がコストの点で好ましい。さらに有機アミド溶媒の回収率を高めるためには、前記フラッシュ用タンクを真空或いは減圧にすることもできる。
重合溶媒をフラッシュ法により回収した場合、得られるPPSの多くは粉末状となるため、その後のポリマー回収工程において、副生アルカリ金属ハライド、PPSオリゴマー等の不純物を洗浄によって除去しにくくなるという問題がある。一方、重合終了後、特定の冷却速度で反応混合物を徐々に冷却した後、有機アミド溶媒を回収した場合、得られるPPSの多くは粒状で得られるため、副生アルカリ金属ハライド、PPSオリゴマー等の除去が容易に行える反面、前記PPSオリゴマーの除去により、ポリマー収率がフラッシュ法に比較して5〜10%低下する問題がある。本発明におけるポリフェニレンスルフィドの製造方法では、重合溶媒をフラッシュ法により回収した場合においても、高分子量のPPSを短時間に効率よく高収率で得ることができる。
(9)ポリマーの回収
本発明においては、重合反応終了後のポリマー回収を、常法によって行なうことができる。例えば、重合反応の終了後、重合溶媒である有機アミド溶媒をフラッシュ法により揮散除去してから、あるいは冷却した生成物スラリーをそのまま、あるいは水などで稀釈し濾別してから、水洗濾過を繰り返し、生成ポリマー中に残留する副生アルカリ金属ハライド、PPSオリゴマー等を除去する。また、前記ポリマーの水洗に関し、少なくとも1回以上は、120℃以上、好ましくは150℃〜200℃の温度範囲で水洗を行うことが望ましい。また、水洗後、ポリマーを濾別回収した後に、さらに洗浄水で置換すると、水洗の効率が向上する。
水洗は、バッチ式、連続式、およびこれら任意の組み合わせにより行うことができる。洗浄がバッチ式の場合、一度の洗浄に使用する水の量は、ポリマー1gに対し2〜20g、好ましくは5〜15gである。また、一度の洗浄に必要とする時間は、5〜60分、好ましくは10〜30分である。また、上記濾別・篩分後、PPSを重合溶媒と同じ有機アミド溶媒やケトン類、アルコール類などの有機溶媒で洗浄処理してもよい。PPSを酢酸、塩酸などの酸や塩化アンモニウムのような塩で処理することもできる。
本発明においては、洗浄濾過後のポリマーの乾燥を、常法によって行うことができる。乾燥方法は特に限定されないが、不活性ガス雰囲気下あるいは真空または減圧下、100℃以上の温度、好ましくは120〜180℃の温度範囲で乾燥を行うことが、より好ましい条件である。乾燥は、バッチ式、連続式或いはこれら任意の組み合わせであっても良い。
(10)生成PPS
本発明の方法により、高分子量のPPSを短時間で収率よく得ることができる。本発明の方法により得られるPPSは、直鎖状に高分子量化されているので、射出成形品のみならず、押出成形により、シート、フィルム、繊維及びパイプなどの押出成形品に成形することもできる。
本発明の方法により得られるPPSは、単独でも使用することができるが、所望により各種無機充填剤、繊維状充填剤及び各種合成樹脂などを配合して用いることができる。かかる無機充填剤の具体例としては、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などが挙げられる。繊維状充填剤の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが挙げられる。また、合成樹脂の具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。特に、PPSの柔軟性、耐衝撃性を改善することを目的として、前記合成樹脂の他に、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、エチレン・α−オレフィン系共重合体を、単独あるいはこれらを任意の割合で配合して用いることができる。前記エポキシ基含有オレフィン共重合体としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体(”g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体等のようなα−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルを必須共重合成分とするオレフィン系共重合体が好ましく挙げられる。中でも、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体が特に好ましい。前記エチレン・α−オレフィン系共重合体としては、エチレンおよび炭素数3〜20を有する少なくとも1種以上のα−オレフィンを構成成分とする共重合体が挙げられる。炭素数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
以下、実施例及び比較例により、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、物性の測定は以下の方法に準じて行なった。
(1)ポリマーの収率
脱水工程後のオートクレーブ中の硫化ナトリウムが全てPPSに転化したと仮定した重量(理論量)を基準とした。硫化ナトリウムがジハロ芳香族化合物よりも過剰に仕込まれた場合は、すべてPPSに転化することはあり得ない場合もあるが、その場合でも一応硫化ナトリウムの量を基準として考えることとする。
(2)ポリマーの溶融粘度
東洋精機社製メルトインデクサ(オリフィス長8mm、荷重5000g)を用い、315℃、滞留時間5分間の条件で測定を行ない、ポリマーのメルトフローレートを比較した。
[実施例1]
(脱水工程)
撹拌機および底部に抜き出し用のバルブを装備したオートクレーブに、47.4%水硫化ナトリウム118g(1.00モル)、96%水酸化ナトリウム42.9g(1.03モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)198g(2.00モル)、酢酸ナトリウム31.3g(0.38モル)、及びイオン交換水150gを仕込み、常圧で窒素を通じながら240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水210gおよびNMP4gを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.15モルであった。また、硫化水素の飛散量は2モル%であった。
(工程1)
次に、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)147g(1.00モル)、NMP92.1g(0.93モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、200℃から250℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、250℃で70分保持した。次いで、0.8℃/分の速度で272℃まで昇温した。
(工程2)
引き続き0.8℃/分の速度で272℃から278℃まで昇温し、78分保持した。278℃で78分経過後、オートクレーブ底部に装備した抜き出し用バルブを開放して内容物をフラッシュし、室温近傍まで急冷した。
(回収工程)
フラッシュした内容物を1.0リットルの温イオン交換水で希釈後、液体部と固形部をグラスフィルターで濾別し、得られた固形部を1.0リットルの温イオン交換水で数回洗浄、濾別した。次いで、濾別した固形部および1.2リットルのイオン交換水を攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素置換した後、195℃に昇温して30分間保持した。30分経過後、オートクレーブを90℃まで急冷し、内容物をグラスフィルターで濾別してPPSポリマー粒子を得た。これを、窒素気流下120℃で乾燥した。
得られたPPSのメルトフローレートは200g/10分であり、収率は98%であった(表1)。
[比較例1]
下記の点以外は実施例1と同様に重合、回収操作を行った。
・(工程1)における反応を、200℃から250℃までまで0.8℃/分の速度で昇温し、250℃で70分保持した後、250℃から270℃まで0.8℃/分の速度で昇温した。
・引き続き(工程2)における反応を、270℃で78分保持した後、270℃から278℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、内容物をフラッシュした。
得られたPPSのメルトフローレートは288g/10分であり、収率は98%であった(表1)。これより、(工程2)における定温反応温度を278℃とする方が、高重合度化には優れていることがわかる。
[比較例2]
(脱水工程)における酢酸ナトリウム仕込量を24.1g(0.29モル)とした以外は、実施例1と同様にして重合、回収操作を行った。
得られたPPSのメルトフローレートは355g/10分であり、収率は99%であった(表1)。これより、重合に使用する重合助剤量が少なすぎると、得られるPPSは低重合度化することがわかる。
[実施例2]
(工程1)における反応を、200℃から260℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、260℃で70分保持した後、260℃から272℃まで0.8℃/分
の速度で昇温した以外は、実施例1と同様に重合、回収操作を行った。
得られたPPSのメルトフローレートは180g/10分であり、収率は98%であった(表1)。(工程1)における定温反応温度を260℃とすると、さらに高重合度のPPSが得られやすいことがわかる。
[実施例3]
(工程1)における250℃での保持時間を50分とし、(工程2)における278℃での保持時間を98分とした以外は、実施例1と同様に重合、回収操作を行った。
得られたPPSのメルトフローレートは220g/10分であり、収率は99%であった(表1)。(工程1)における245℃以上272℃未満の反応時間T1と(工程2)における272℃以上285℃未満の反応時間T2の配分によって、得られるPPSの重合度は異なることがわかる。
[実施例4]
(工程1)における250℃での保持時間を100分とし、(工程2)における反応を、0.8℃/分の速度で272℃から275℃まで昇温し、275℃で85分保持した以外は、実施例1と同様にして重合、回収操作を行った。
得られたPPSのメルトフローレートは210g/10分であり、収率は98%であった(表1)。
[比較例3]
(脱水工程)の終了後((工程1)の始めに)、0.5モルの水を添加した以外は、実施例4と同様に重合、回収操作を行った。
得られたPPSのメルトフローレートは454g/10分であり、収率は98%であった(表1)。これより、(工程1)における水分量が多いと、高重合度のPPSは得られないことがわかる。
Figure 2005054169

Claims (5)

  1. 有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてポリフェニレンスルフィドを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法。
    工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上272℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
    工程2:272℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
    反応時間条件:前記工程1の反応時間T1(分)と、工程2の反応時間T2(分)の比(T1/T2)を0.45〜4.50に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
  2. 有機アミド溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.32〜0.70モルの重合助剤の存在下に反応させてポリフェニレンスルフィドを製造する方法において、前記の反応を少なくとも下記の工程1、2および反応時間条件により行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法。
    工程1:反応系内の含水量が仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり、0.5モル以上1.5モル未満の条件下、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを、245℃以上255℃未満の温度範囲内で反応させて、ポリフェニレンスルフィドのプレポリマーを生成する工程。
    工程2:275℃以上285℃未満の温度範囲内で、前記プレポリマーを反応させて高分子量ポリフェニレンスルフィドに転換する工程。
    反応時間条件:前記工程1の反応時間T3(分)と、工程2の反応時間T4(分)の比(T3/T4)を0.15〜1.7に調節するとともに、200℃以上285℃未満の温度にある全反応時間が、300分以下である。
  3. 前記工程2の終了後、反応混合物から有機アミド溶媒を蒸発または蒸留させて回収する工程を含む請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  4. 前記有機アミド溶媒の回収をフラッシュ法により行うことを特徴とする請求項3記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法より得られたポリフェニレンスルフィド。
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