JP2005054144A - 光学ディスク基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、青色レーザーに対応する高密度記録媒体の基板にも使用可能な、流動性に優れた低複屈折ポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物90〜5モル%と、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物10〜95モル%とを、ポリカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板。
【化1】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20のアリールオキシ基である。また、Xは炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基または炭素数6〜20のアリーレン基である。)
【化2】
(式中、Yは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20のシクロアルキレン基である。)
【解決手段】 一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物90〜5モル%と、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物10〜95モル%とを、ポリカーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板。
【化1】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数6〜20のアリールオキシ基である。また、Xは炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基または炭素数6〜20のアリーレン基である。)
【化2】
(式中、Yは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜20のシクロアルキレン基である。)
Description
本発明は、特定の構造を有する低複屈折ポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板に関する。
現在、CD基板あるいはDVD基板等の光学ディスクの基板には、安価で透明性、耐熱性、機械特性、低吸水性および寸法安定性に優れた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)からなるポリカーボネート樹脂が広く用いられている。CDやDVDには、読み取り専用、一回のみ記録可能でその後読み取り専用、繰り返し記録および消去可能といった、いくつもの種類のディスクが存在する。基本的な読み取り方式は、いずれもレーザーを基板を通して記録層に照射し、その反射光を検出して情報を読みとる方法による。この時、レーザーは照射光および反射光とも基板内部を透過するので、基板の複屈折が大きいと、反射光の偏光方向が光学系でセットされた偏光面からずれてしまうため、検出光量が少なくなり信号の読み取り精度が低下する。信号の読み取り精度の低下は、読み取りエラーの増大につながるため、基板の複屈折は小さいほど好ましい。しかしながら、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂は、固有複屈折率が大きく、成形により配向し易く、しかも光弾性係数が大きいため成形体の複屈折も大きい。よって、樹脂自体の分子量を低くして流動性を高め、更には成形条件を厳しく制御することによって基板の複屈折を可能な限り低く制御し、現行の赤色レーザー対応のCDあるいはDVDの基板用途へ使用可能となっている。
しかしながら、近年、記録層を高密度化し、波長の短い青色レーザーによって情報の読み取りおよび書き込みを行う方式が具体化している。このような高密度記録媒体においては、例えば、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂からなる基板では、その複屈折に起因する読み取り精度の低下が許容範囲を超えるためもはや対応することができない。よって、固有複屈折率、配向分布関数および光弾性係数が小さく、分子構造上本質的に低複屈折である材料が必要とされている。そのため、現在に至るまで、光学ディスク基板用途に様々な低複屈折透明樹脂の開発が行われてきたが、低複屈折性と優れた物性バランスを有する樹脂は未だ見出されていない。
例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、該ポリカーボネート樹脂は光弾性係数は低いものの、ガラス転移温度が高く流動性が悪いため、ディスク基板のような0.6mm厚あるいは1.2mm厚といった薄板に射出成形するのは極めて困難であり、ディスク基板用途に使用するのは事実上不可能である。
例えば、芳香環にアルキル基等の側鎖を有するビスフェノール類からなるポリカーボネート樹脂からなる光学機器用素材がある(例えば、特許文献2、3参照)。該ポリカーボネート樹脂は光弾性係数が低いが、本発明者らの検討によると、光学ディスク基板に成形した場合の面内複屈折は大きく、青色レーザーに対応するレベルではない。
例えば、芳香族ポリカーボネートとスチレン系とのグラフト共重合体から成形される光学用成型品がある(例えば、特許文献4参照)。該共重合体は、事実上複屈折がなく、光弾性係数も低い。しかし、本発明者らの検討によると、該グラフト共重合体は脆いため該光学用成型品も脆く、1.2mm厚のディスク基板に成形すると、輸送中の衝撃等で割れる場合があり、光学ディスク基板への使用は実用上困難である。
例えば、水素化ビスフェノール類からなる全脂肪族ポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板がある(例えば、特許文献5)。該光学ディスク基板は極めて低複屈折であるが、本発明者らの検討によると、該ポリカーボネート樹脂は耐熱性および流動性が極めて悪く、ディスク基板に成形するのが極めて困難である。しかも、分解ガスが大量に発生するため、スタンパーの汚れがひどく、光学ディスク基板として使用するのは実用上困難である。
特開平6−25398号公報
特開昭61−255929号公報
特開平04−04222号公報
特開平03−024107号公報
特開平1−247195号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、青色レーザーに対応する高密度記録媒体の基板にも使用可能な、流動性に優れた低複屈折ポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板を提供することにある
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物90〜5モル%と、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物10〜95モル%とを、カーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板により上記課題を解決しうることを見出し本発明に到達した。
本発明により、従来広く使用されてきたビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂からなるディスク基板より大幅に複屈折の小さいディスク基板を得ることが出来る。該基板は、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂からなる基板では対応できない、高い低複屈折性を要求される分野でも使用可能である。例えば、青色レーザー対応DVD基板に使用することができ大変有用である。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂を誘導する一般式(1)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン等が例示される。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂を誘導する一般式(2)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロペンタン−1,3−ジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等が例示される。
本発明に関わるポリカーボネート樹脂の製造方法について述べる。ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを塩基性化合物触媒存在下反応させる公知の溶融重縮合法が好適に用いられる。
カーボネート結合を誘導させる化合物である炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げらる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜1.20モルの比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.98〜1.10モルの比率である。
塩基性化合物触媒としては、特にアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、含窒素化合物等があげられる。
このような化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの塩、アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類、プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が用いられる。
これらの触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で、好ましくは10−7〜10−4モルの比率で用いられる。
本発明にかかわる溶融重縮合法は、前記の原料、および触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段行程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高めてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には1mmHg以下の減圧下、0.5〜5時間、200〜350℃の温度で重縮合反応を行う。このような反応は、連続式で行っても良くまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
本発明にかかわるポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、安息香酸ブチル等のエステル類、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、亜リン酸、リン酸、ホスホン酸等のリン酸類、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn−プロピル、亜リン酸ジn−ブチル、亜リン酸ジn−ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチル等の亜リン酸エステル類、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチル等のリン酸エステル類、ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルホスホン酸ジエチル等のホスホン酸エステル類、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、ホウ酸、フェニルホウ酸等のホウ酸類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良く、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物とを、カーボネート結合してなるポリカーボネート樹脂である。全ジヒドロキシ化合物中に占める一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の割合は90〜5モル%であることが好ましい。より好ましくは75〜35モル%である。一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の使用量が5モル%より小さくなると、ポリカーボネート樹脂の複屈折が大きくなるため好ましくない。90モル%より多いと、流動性が悪くなり溶融状態で射出成形しにくくなるため好ましくない。
また、本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の好ましいポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、20,000〜300,000であり、より好ましくは35,000〜120,000である。Mwが20,000より小さいと、光学ディスク基板が脆くなるため好ましくない。Mwが300,000より大きいと、溶融粘度が高くなるため製造後の樹脂の抜き取りが困難になり、更には流動性が悪くなり溶融状態で射出成形しにくくなるため好ましくない。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂はランダム、ブロックおよび交互共重合構造を含むものである。
また、本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の好ましいガラス転移温度(Tg)は95〜155℃であり、より好ましくは110〜150℃である。Tgが95℃より低いと、使用温度範囲が狭くなるため好ましくない。また、155℃を越えると射出成形を行う際の成形条件が厳しくなるため好ましくない。
さらに本発明に使用するポリカーボネート樹脂には、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、結晶核剤、強化剤、染料、帯電防止剤あるいは抗菌剤等を添加することが好適に実施される。
本発明の光学ディスク基板は、該ポリカーボネート樹脂を射出成形機あるいは射出圧縮成形機によりディスク形状に射出成形することによって得ることができる。例えば、CD向けには直径12cm×厚さ1.2mm、DVD向けには直径12cm×厚さ0.6mmで、DVDは一般的に貼り合わせて用いられる。基板にピットを転写する場合には、射出成形時に専用のスタンパーが用いられる。該光学ディスク基板に誘電体あるいは色素および/または金属蒸着膜を設けて記録層とする。なお、ディスクをホコリよけのケースと一体型にしない場合や貼り合わせない場合には、記録層上部にさらに保護層が設けられる。保護層には紫外線硬化型樹脂もしくは熱硬化型樹脂が用いられる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何らの制限を受けるものではない。
なお、実施例中の測定値は以下の方法あるいは装置を用いて測定した。
1)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
2)ガラス転移温度(Tg):示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定した。
3)射出成形機:住友重機械工業(株)製DISK3を用いた。
4)面内複屈折:オーク社製ADR−130Nを用いた。
なお、実施例中の測定値は以下の方法あるいは装置を用いて測定した。
1)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw):GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから算出した。
2)ガラス転移温度(Tg):示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定した。
3)射出成形機:住友重機械工業(株)製DISK3を用いた。
4)面内複屈折:オーク社製ADR−130Nを用いた。
実施例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン10.11kg(23.05モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール4.524kg(23.05モル)、ジフェニルカーボネート10.25kg(47.83モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=72,300、Tg=130℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=71,500であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度115℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン10.11kg(23.05モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール4.524kg(23.05モル)、ジフェニルカーボネート10.25kg(47.83モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で10分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=72,300、Tg=130℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=71,500であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度115℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
実施例2
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン14.15kg(32.27モル)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール1.995kg(13.83モル)、ジフェニルカーボネート10.07kg(47.02モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で30分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=69,100、Tg=134℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=68,600であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度120℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン14.15kg(32.27モル)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール1.995kg(13.83モル)、ジフェニルカーボネート10.07kg(47.02モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で30分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=69,100、Tg=134℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=68,600であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度120℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
実施例3
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン8.088kg(18.44モル)、ペンタシクロペンタデカンジメタノール7.257kg(27.66モル)、ジフェニルカーボネート10.25kg(47.83モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で13分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=70,800、Tg=145℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=70,000であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度130℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン8.088kg(18.44モル)、ペンタシクロペンタデカンジメタノール7.257kg(27.66モル)、ジフェニルカーボネート10.25kg(47.83モル)、および炭酸水素ナトリウム0.01321g(1.572×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気760Torrの下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。
その後、15分かけて減圧度を150Torrに調整し、215℃、150Torrの条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、150Torrで10分間保持した。その後、10分かけて120Torrに調整し、240℃、120Torrで70分間保持した。その後、10分かけて100Torrに調整し、240℃、100Torrで10分間保持した。更に40分かけて1Torr以下とし、240℃、1Torr以下の条件下で13分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。得られたポリカーボネート樹脂のMw=70,800、Tg=145℃であった。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、亜リン酸ジエチルを樹脂中の炭酸水素ナトリウムの10倍モル、グリセリンモノステアレートを樹脂に対して300ppmを添加して押し出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。このペレットのMw=70,000であった。
該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度130℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
比較例1
ビスフェノールAからなるディスク基板グレードのポリカーボネート樹脂として、ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用い、該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度130℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
ビスフェノールAからなるディスク基板グレードのポリカーボネート樹脂として、ユーピロンH−4000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用い、該ペレットを100℃で24時間真空乾燥した後、シリンダー温度320℃、金型温度130℃で射出成形し外径120mm、厚さ1.2mm、中心に内径15mmの空孔を有するディスク基板を得た。該基板の面内複屈折測定値および光弾性係数を表に示す。
Claims (3)
- 一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物90〜5モル%と、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物10〜95モル%とを、カーボネート結合させてなるポリカーボネート樹脂からなる光学ディスク基板。
- 一般式(2)で表される化合物がトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールまたはペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれることを特徴とする請求項1記載の光学ディスク基板。
- 一般式(1)で表される化合物において、R1およびR2が水素原子、Xがエチレン基である請求項1記載の光学ディスク基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003288908A JP2005054144A (ja) | 2003-08-07 | 2003-08-07 | 光学ディスク基板 |
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JP (1) | JP2005054144A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070392A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂共重合体 |
JP2007152825A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd | 光記録媒体の製造方法 |
-
2003
- 2003-08-07 JP JP2003288908A patent/JP2005054144A/ja active Pending
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