JP2005054097A - 耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法とその耐熱性熱可塑性樹脂からなる耐熱付与材 - Google Patents

耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法とその耐熱性熱可塑性樹脂からなる耐熱付与材 Download PDF

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Abstract

【課題】組成分布が均一な不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の工業的かつ生産性の高い製造方法を提供すること。
【解決手段】芳香族ビニル単量体及び不飽和ジカルボン酸無水物の原料組成を特定の範囲に規定し、不飽和ジカルボン酸無水物を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら溶液重合させた後、その共重合体を第一級アミンまたは/及びアンモニアでイミド化し、揮発分を除去して得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法
【選択図】 なし

Description

本発明はABS樹脂に対して耐熱付与効果が極めて高く、色相が良好で、メタノール可溶分の少ない耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法とその熱可塑性樹脂とABS樹脂を混合することにより得られる、ABS樹脂に対して分散性が良好でかつ耐熱付与性能の高い耐熱付与材とそれを用いた樹脂組成物に関するものである。
従来からABS樹脂等の耐熱性を改良する目的で、マレイミド系共重合樹脂を耐熱付与材として用いる事が行われている。マレイミド系共重合樹脂を得る方法の一つとして、先ず中間原料の芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を製造し、更に第1級アミンにてイミド化して得る方法、いわゆる後イミド化法による製法が数多く提案されている。マレイミド系共重合樹脂は高価である故、少ない配合量で高耐熱化できるような耐熱付与材が求められている。後イミド化法からなるべく耐熱性の高いマレイミド系共重合樹脂を得る場合、中間体として不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を用いることが望まれている。
しかしながら、組成分布が均一な不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の工業的かつ生産性の高い製造方法についてはこれまでに殆ど検討されていなかった。また、不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を用いて得られたマレイミド系樹脂は耐熱性が高い反面、溶融粘度が高すぎるため流動性が悪くABS樹脂との混合が困難であり、単なる高耐熱化だけでは十分ではなかった。
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を製造する際、用いる芳香族ビニル単量体及び不飽和ジカルボン酸無水物の原料組成を特定の範囲に規定し、不飽和ジカルボン酸無水物を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら溶液重合させることにより初めて、不飽和ジカルボン酸無水物基含量が多く、かつ組成分布が均一な芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を工業的に生産性の高い製造方法で得ることができた。そしてその共重合体を第一級アミンまたは/及びアンモニアでイミド化し、その後、例えば脱揮押出機等で、揮発分を除去して得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法を見出した。
また、この製造方法により得られたマレイミド樹脂は色相が良好で、メタノール可溶分が少なく、更には重量平均分子量を特定範囲に規定した該マレイミド樹脂とABS樹脂とを特定の組成範囲で混合した樹脂組成物が、ABS樹脂に対して分散性が良好でかつ耐熱付与性能の極めて高い耐熱付与材として使用できる事を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら非重合性溶剤中で溶液重合させることにより得た芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体に対し、第一級アミンまたは/及びアンモニアでイミド化し、その後揮発分を除去して得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法、その製造方法から得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂、それを用いた耐熱付与材に関する。
本発明の不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多い芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体は、大部分の分子構造が芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物による交互共重合構造を有している。
芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられるが、これらの芳香族ビニル単量体は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても差し支えないが、スチレンを単独で使用する事が特に好ましい。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えばマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の無水物があり、これらの酸無水物等を使用する事ができるが、これらの中で入手が容易である点、さらに廉価であるという点からマレイン酸無水物が特に好ましい。また、これらの酸無水物は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても差し支えないが、マレイン酸無水物を単独で使用する事が特に好ましい。
これら単量体群の合計量を100質量部とすると、不飽和ジカルボン酸無水物基含量の多く、かつ組成分布が均一な芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を得るためには、不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら非重合性溶剤中で溶液重合させることが必要であり、本発明の特徴である。好ましくは、ポリマー中の芳香族ビニル−芳香族ビニル−芳香族ビニル三連連鎖の存在割合と芳香族ビニル−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合の和が10.0モル%以下であり、不飽和ジカルボン酸無水物−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合が90.0モル%以上であることを満足する芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を得るには、不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら非重合性溶剤中で溶液重合させることが必要である。
これら単量体群の合計量を100質量部とすると、好ましい組成は不飽和ジカルボン酸無水物46〜48質量部、芳香族ビニル単量体54〜52質量部、さらに好ましい組成は不飽和ジカルボン酸47〜48質量部、芳香族ビニル単量体53〜52質量部である。
不飽和ジカルボン酸が45質量部未満であると、重合中に芳香族ビニル単量体含量の多い、組成分布を有する芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体が生成し、イミド化後に得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の耐熱付与性能が低下する。また48質量部を超えると重合終了後の不飽和ジカルボン酸無水物の残存量が多くなり、イミド化の工程でイミド化単量体を生成し、イミド化後に得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の色相が著しく悪くなる。
また、本発明の芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体中の芳香族ビニル三連連鎖と芳香族ビニル−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合の和は10.0モル%以下が好ましく、さらに好ましくは5.0モル%以下、さらにいっそう好ましくは2.0モル%以下である。
ポリマー中の芳香族ビニル三連連鎖の存在割合と芳香族ビニル−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合の和が10.0モル%以上となると、イミド化後に得られる目的共重合体の耐熱付与性能が不十分となる場合がある。ポリマー中の芳香族ビニル−芳香族ビニル−芳香族ビニル三連連鎖の存在割合と芳香族ビニル−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合の和は、単量体の仕込み組成、仕込み方法等により制御する事ができる。また、これらの存在割合はDEPT法NMRにより求める事ができる。
本重合で使用される重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等の公知のアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種類以上を併用しても差し支えないが、従来のスチレン系樹脂の製造において常用されているもの、例えば10時間半減期温度が70〜120℃であるアゾ化合物や有機過酸化物を用いるのが好ましい。
重合開始剤の使用量は、単量体合計量100質量部とした場合、芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液中に0.1〜1.5質量部含ませることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜1.0質量部、さらにいっそう好ましくは0.1〜0.5質量部である。0.1質量部未満であると十分な重合速度が得られない場合がある。また、1.5質量部以上であると重合速度が増大し反応制御が困難になったり、目的とする共重合体の分子量が不十分となる場合がある。
本重合では、連鎖移動剤としてはn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤の使用量は、単量体合計量100質量部とした場合、不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液中には0.25〜0.8質量部含ませることが好ましい。さらに好ましくは0.35〜0.65質量部、さらにいっそう好ましくは0.45〜0.55質量部である。0.25質量部以下であると本発明の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の分子量が大きくなり、ABS樹脂との混合性が悪化する。0.8質量部以上であると本発明の共重合樹脂の十分な分子量が得られない場合がある。
本発明における共重合方法は溶液重合、塊状重合等公知の方法が採用できるが、溶液重合が好ましい。また、重合プロセスは回分式重合法、連続式重合法のいずれの方式であっても差し支えない。
使用する溶剤は非重合性であることが好ましく、非重合性溶剤の量は、単量体群100質量部に対し、100〜400質量部が好ましく、更に好ましくは100〜200質量部である。100質量部未満であると、重合により得られる重合液が高粘度となり、取り扱いが困難になる場合がある。また400質量部以上であると重合体混合物は低粘度となり取り扱いが容易にはなるが、生産性の面から十分でない場合がある。
非重合性溶剤の種類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤があり、揮発性、共重合体の溶解性等の取り扱い易さ等からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが特に好ましい。
本重合における重合温度は好ましくは60〜150℃であり、さらに好ましくは80〜130℃である。60℃未満では十分な重合速度が得られず、重合に要する時間が長くなる事から生産性の面から好ましくない場合がある。重合温度が150℃を超えると、熱重合の割合が増加するために十分な分子量が得られない場合がある。
本重合における、芳香族ビニル単量体の重合率は97%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。本発明における重合率とは、重合に使用した単量体に対して実際に単量体が重合した割合を表しており、ガスクロマトグラフィー等により未反応単量体を定量する事により求める事ができる。97%未満であると、イミド化の工程で芳香族ビニル単量体の単独重合体が生成し、目的とする共重合樹脂に混在するために物性が悪化する場合があり、さらに目的とする共重合樹脂の収率が低下する場合があり好ましくない。芳香族ビニル単量体の重合率は重合時間、重合温度、重合開始剤量、連鎖移動剤量等により制御する事ができる。
本重合における不飽和ジカルボン酸無水物の重合率は99%以上が好ましく、99.8%以上がさらに好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物の重合率とは、重合に使用した不飽和ジカルボン酸無水物に対して実際に単量体が重合した割合を表しており、ガスクロマトグラフィー等により未反応単量体を定量する事により求める事ができる。99%未満であると、イミド化の工程でイミド化単量体を生成し、目的とする共重合樹脂の外観が著しく悪くなる場合がある。不飽和ジカルボン酸無水物の重合率は重合時間、重合温度、重合開始剤量、連鎖移動剤量等により制御する事ができる。
本重合においては、重合は6時間以内に完結する事が好ましく、5時間以内で完結する事がさらに好ましい。6時間以上であると生産性の面から好ましくない。
さらに、重合に際しては必要に応じて公知の可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤を添加しても差し支えない。
得られた芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を第一級アミンまたは/及びアンモニアによってイミド化反応を行うが、本発明におけるイミド化反応は、非重合性溶剤存在下で芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体と第一級アミンまたは/及びアンモニアとを溶液状態で反応させることである。
第1級アミンの具体例としてメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、デシルアミン等のアルキルアミン及びクロル又はブロム置換アルキルアミン、アニリン、トルイジン、ナフチルアミン等の芳香族アミンおよびクロル又はブロム置換芳香族アミンが挙げられ、これらの中でアニリン、シクロヘキシルアミンが特に好ましい。また、これらの第1級アミンは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても差し支えない。
アミンの添加量は芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の不飽和ジカルボン酸無水物基に対して好ましくは0.92〜1.1モル当量、さらに好ましくは0.95〜1.05モル当量である。0.9モル当量以下であると、目的を達せられない場合がある。また、1.1モル当量以上であると、得られる目的とする共重合樹脂中の残存する第1級アミンが多くなり好ましくない場合がある。また、イミド化に用いる第1級アミン或いはアンモニアは無水である事が好ましい。アミン中に多量に水分が含まれると、イミド化反応の際、芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体中の不飽和ジカルボン酸無水物基が加水分解しイミド化反応の支障となったり目的とする共重合樹脂の物性が悪化する場合がある。
イミド化の触媒として第3級アミンを使用する事が好ましい。使用する第3級アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N、N−ジメチルアニリン、N、N−ジエチルアニリン等が挙げられる。
第3級アミンの添加量は芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体中の不飽和ジカルボン酸無水物基に対し、0.01モル当量以上が好ましい。0.01モル当量未満であるとイミド化反応の触媒効果が不十分となりイミド化反応に長時間を要しかつイミド化反応を完結させる事が困難となる場合がある。
本発明におけるイミド化反応の温度は好ましくは80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜200℃である。80℃未満の場合には反応速度が遅く反応完結までに長時間を要し生産性の面から好ましくない場合がある。一方、250℃を越える場合には芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合樹脂の熱劣化による物性低下をきたし好ましくない場合がある。
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂は、脱揮装置付押出機を用いてイミド化反応溶液から揮発分を除去することにより得ることができる。
本発明の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の重量平均分子量は7〜12万であることが好ましい。さらに好ましくは8〜11万であり、いっそう好ましくは9〜10万である。12万を超える場合、(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂等との混合性が悪くなり、混合後に得られる組成物の物性や外観が悪化する場合がある。重量平均分子量が7万未満の場合は、得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の溶融張力が著しく低下するため、脱揮押出後にストランド及びペレットを得る際のハンドリング性が著しく悪化し、更にABS樹脂との組成物の機械的特性が悪化する場合がある。重量平均分子量は、連鎖移動剤量、重合開始剤量、重合温度等によって制御できる。
本発明の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の黄色度は3.0未満であることが好ましい。3.0を超えるとABS樹脂との混合後の耐熱付与材の色相が著しく悪化する場合がある。
本発明の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂のメタノール可溶分は1.5質量%未満である事が好ましい。1.5質量%以上であると、ABS樹脂と混合する際の耐熱付与効果が低下する場合がある。メタノール可溶分は、重合時の連鎖移動剤量、開始剤量、及びイミド化後脱揮押出時の脱揮条件等により制御する事ができる。
本発明の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の酸価は、15mgKOH/g未満である事が好ましく、さらに好ましくは12mgKOH/g未満である。
本発明における酸価とは、(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂中の、不飽和ジカルボン酸基、カルボン酸基、およびイミド化反応の中間体のマレアミド酸基を主体とする官能基群に由来する数値を表す。15mgKOH/g以上であると、目的とする共重合体をABS樹脂等に混合して組成物を得る際、成形後の成形品外観に成形不良が見られる場合がある。本発明における酸価は、イミド化反応において不飽和ジカルボン酸基に対する第1級アミンの添加量等によって制御できる。
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂のイミド化率は好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは94モル%以上である。
本発明におけるイミド化率とは、芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体中の不飽和ジカルボン酸無水物基のイミド基への転化率を表しており、NMR等から求めることができる。イミド化率90モル%未満の共重合樹脂は目的を達せられない場合がある。イミド化率は不飽和ジカルボン酸無水物基に対する第1級アミンの添加割合、イミド化反応温度、第3級アミンの添加量等によって制御できる。
本発明における耐熱付与材は、(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂50〜80質量部とABS樹脂50〜20質量部とを混合機等を使用して樹脂同士を混合して得られる。混合方法としては単軸押出機や二軸押出機等の公知の混合機を使用する事ができる。また、これらの混合機には脱揮装置が付属しても差し支えない。用いる混合機としては二軸押出機が好ましい。
(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂が50質量部未満であると、得られる耐熱付与材の耐熱付与効果が十分でなくなる。また80質量部を超えると、得られる耐熱付与材の耐熱付与効果が高くなるが、その耐熱付与材とABS樹脂との溶融粘度差が大きくなるため、混合性が悪化する場合がある。
本発明における樹脂組成物は、(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂とを混合して得られた耐熱付与材5〜40質量部、ABS樹脂95〜60質量部とを混合機等を利用して樹脂同士を混合して得られる。混合方法としては単軸押出機や二軸押出機等の公知の混合機を使用する事ができる。また、これらの混合機には脱揮装置が付属しても差し支えない。用いる混合機としては、廉価で操作が容易な単軸押出機が好ましい。
(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂を直接混合する場合は、双方の樹脂の溶融粘度差が極めて大きいため、例えば二軸押出機のような操作の煩雑な混合機を用いなければならない。しかし、本発明のように(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂を一旦混合する事で、ABS樹脂との溶融粘度差を改善されたABS樹脂への分散性の良好な耐熱付与材が得られ、耐熱付与材とABS樹脂との混合には廉価で操作が容易な単軸押出機のような混合機を採用する事ができる。
本発明における耐熱付与材のビカット軟化温度は150〜185℃である必要がある。150℃未満であると、耐熱付与効果が十分でなく本発明の目的を達せられない。また、185℃を超える場合は耐熱付与材とABS樹脂との混合性が悪化する場合がある。
このようにして得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を用いた耐熱付与材はスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合樹脂、アクリロニリル−アクリル系ゴム−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン系ゴム−スチレン共重合樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリウレタン、及びナイロンと混合することもでき、これら樹脂への耐熱付与材として用いる事ができる。
これらの中でABS樹脂とは特に良く相溶する。また、混合時にさらに安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、ガラス等の繊維、無機充填剤、着色剤、帯電防止剤等を添加しても差し支えない。
以下本発明を参考例及び実施例によって説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
参考例:芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の製造
[参考例1]
攪拌機を備えたオートクレーブ中に無水マレイン酸45.0質量部、メチルエチルケトン11.2質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.3質量部を仕込み、系内を窒素ガスで十分置換した後、温度を92℃に昇温した。別容器に調製したスチレン55.0質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15質量部をメチルエチルケトン126質量部に溶解した溶液を均一な添加速度で4時間30分かけて添加した。添加後116℃に昇温し、更に30分反応させて、芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を得た。粘調な樹脂液の一部をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーにより未反応の単量体の定量を行い、単量体の重合率を算出した。スチレンの重合率は98.2%であり、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例2]
スチレンを53.5質量部、無水マレイン酸を46.5質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は98.6%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例3]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例4]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.4質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例5]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.46質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例6]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.27質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例7]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.78質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例8]
攪拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン60質量部、メチルエチルケトン11.2質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.3質量部を仕込み、系内を窒素ガスで十分置換した後、温度を92℃に昇温した。別容器に調整した無水マレイン酸40質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15部をメチルエチルケトン126質量部に溶解した溶液を均一な添加速度で5時間かけて添加した。添加後116℃に昇温し、更に1時間反応させて、芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体を得た。粘調な樹脂液の一部をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーにより未反応の単量体の定量を行い、単量体の重合率を算出した。スチレンの重合率は97.4%であり、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例9]
スチレンを58質量部、無水マレイン酸を42質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は95.6%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例10]
スチレンを50質量部、無水マレイン酸を50質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は93.0%であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例11]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.08質量部に変更した以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は96.2%、無水マレイン酸の重合率は98.3%であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例12]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.2質量部にした以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
[参考例13]
スチレンを52.5質量部、無水マレイン酸を47.5質量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.85質量部にした以外は参考例1と同様の方法により、重合、未反応単量体の定量を実施した。スチレンの重合率は99.2%、無水マレイン酸の重合率は99.8%以上であった。三連連鎖分布の測定は後記に示す方法により行った。重合方法を表1に、その結果を表2に示した。
Figure 2005054097
Figure 2005054097
参考例1で得られた共重合体を用い、無水マレイン酸基に対して0.97モル当量のアニリン及び無水マレイン酸基に対して0.014モル当量のトリエチルアミンを仕込んだ。そして155℃で5時間反応を行った。イミド化反応液を脱揮押出機に投入し、揮発分を除去してペレット状の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表3に示した。
参考例2で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表3に示した。
参考例3で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表3に示した。
参考例4で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表3に示した。
参考例5で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表4に示した。
参考例6で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表4に示した。
参考例7で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表4に示した。
[比較例1]
参考例8で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表5に示した。
[比較例2]
参考例9で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表5に示した。
[比較例3]
参考例10で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表5に示した。
[比較例4]
参考例5で得られた共重合体を用い、無水マレイン酸基に対して0.80モル当量のアニリンを用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表5に示した。
[比較例5]
参考例11で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表6に示した。
[比較例6]
参考例12で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表6に示した。
[比較例7]
参考例13で得られた共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法により(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂を得た。また、実施例1と同様に、得られた樹脂とABS樹脂との混合および得られた耐熱付与材とABS樹脂との混合は後記した方法で実施し、結果を表6に示した。
Figure 2005054097
Figure 2005054097
Figure 2005054097
Figure 2005054097
(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂との混合
得られた(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂と一般に市販されているABS樹脂(GR−3000、電気化学工業製)を表2、表3記載の配合にて20リットルヘンシェルに投入してブレンド後、二軸押出機を用い、以下に示す条件で混合を実施し、耐熱付与材を得た。
二軸押出機による混合
押出機:TEM−35B(東芝機械社製二軸押出機、スクリュー径37mm、L/D=32)
シリンダー温度:260℃
スクリュー回転数:200rpm(回転方向は二軸同方向)
原料フィード:20kg/hr
耐熱付与材とABS樹脂との混合
得られた耐熱付与材と一般に市販されているABS樹脂(GR−3000、電気化学工業製)を表2、表3記載の配合にて20リットルヘンシェルに投入してブレンド後、単軸押出機を用い、以下に示す条件で混合を実施し、樹脂組成物をを得た。
単軸押出機による混合
押出機:VS40m/m押出機(田辺プラスチック機械製単軸押出機)
シリンダー温度:260℃
スクリュー回転数:200rpm
原料フィード:20kg/hr
なお参考例、実施例、比較例の評価は以下のように行った。
(1)芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の重合率
下記記載の測定条件で未反応の単量体の定量を行い、重合率を算出した。
装置名:Agilent6890series(Agilent社製)
カラム:キャピラリーカラム(ジメチルポリシロキサン、架橋タイプ)
温度:オーブン:50℃、注入口:200℃、検出器:250℃
検出器:FID
試料重合液0.50g、n−オクタン0.001gを秤量しメチルエチルケトンに溶解させ全体を25.0gにし、n−オクタンを内部標準として測定した。
(2)芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の三連連鎖分布の測定
本発明における芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体の三連連鎖分布の測定は以下の条件で測定した。なお、共重合体は予め揮発分を除去して精製したものを測定に用いた。
装置名:AVANCE−300(BRUKER社製)
測定核種:C13
測定方法:DEPT45とDEPT135の差スペクトル
測定温度:23℃±2℃
試料濃度:10質量部
使用溶媒:アセトン−d6
積算回数:
DEPT45・・・2万回
DEPT135・・・2万回
三連連鎖分布の解析方法:
DEPT45とDEPT135の差スペクトルよりスチレン−スチレン−無水マレイン酸三連連鎖に由来するメチレンシグナル、スチレン−スチレン−スチレン三連連鎖に由来するメチレンシグナル、及び無水マレイン酸−スチレン−無水マレイン酸三連連鎖に由来するメチレンシグナルをそれぞれ積分して、それらの積分比から三連連鎖分布を算出した。
(3)(N−置換)マレイミド−スチレン−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の組成
下記記載の測定条件でNMRを測定し、イミド基のカルボニル炭素の積分値と未反応ジカルボン酸無水物基およびイミド化反応中間体のマレアミド酸中間体のカルボニル炭素の積分値の比等から(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の組成を求めた。
装置名:AVANCE−300(BRUKER社製)
測定核種:C13
測定温度:110℃
試料濃度:10質量部
使用溶媒:DMSO−d6
積算回数:1万回
(4) 重量平均分子量
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、下記記載のGPC測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラハイドロフラン
濃度:2質量部
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、重量平均分子量はPS換算値で表した。
(5)黄色度
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の黄色度は次に示すような方法により実施した。
装置:SZ−IIシグマ80 測色色差計(日本電色社製)
温度:23℃±2℃
溶媒:テトラヒドロフラン
測定モード:透過法
(6) 酸価
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の酸価測定は、次に示すような滴定法により実施した。
先ず共重合体を溶媒に溶解し、指示薬を加えて試料溶液を作成した。そこへアルカリ溶液を滴下し、良く攪拌させて中和反応を促進させた。試料溶液が淡紫色を呈した点を終点とした。また、溶媒のみを試料としてブランク滴定を実施した。酸価(mgKOH/g)は下記式1により算出した。
酸価={アルカリ濃度(N)×(滴下量合計−ブランク値)(ml)×56.11(g/mol)}/サンプル秤量値(g) 式1

使用器具:25cm3ビュレット、100cm3共栓付三角フラスコ
温度:23℃±2℃
溶媒:メチルエチルケトン
試料溶液濃度:1質量部
アルカリ溶液:0.1N水酸化カリウムエタノール溶液(和光純薬製)
指示薬:フェノールフタレイン0.5質量部エタノール溶液
(7)メタノール可溶分
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂のメタノール可溶分は次に示すような方法により行った。
予め重量を測定した樹脂をメチルエチルケトンに溶解し、約5質量部の溶液を作成した。その溶液を大過剰のメタノールに滴下してポリマーを析出させた。析出物を濾過で回収した後、100℃で6時間乾燥させた。乾燥後の析出物の重量を測定した。重量測定は析出物の乾燥終了直後に行った。メタノール可溶分(質量部)は下記式2により算出した。
メタノール可溶分=100−{乾燥後析出物重量(g)/析出前樹脂重量(g)×100} 式2
(8) ビカット軟化温度
JIS K7206に従った。荷重50N、昇温速度50℃/hrで測定した。
(9) シャルピー衝撃強さ
JIS K7211に従った。なお、シャルピー衝撃強さはノッチタイプAを有するタイプ1試験片を用い、打撃方向はエッジワイズを採用して測定した。
(10)成形品外観
本発明における(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂とABS樹脂からなる耐熱付与材と、ABS樹脂とを混合して得られた樹脂組成物の成形品外観は、以下の条件で成形して外観評価を実施した。
装置:射出成形機(K−125−1、川口鉄工社製)
成形温度:250℃
プレート形状:9cm×5cm
評価方法:成形品の目視による評価
◎:成形不良が見られない場合。
○:成形不良が見られるが、殆ど目立たない。
△:成形不良が見られ、若干目立つ。
×:成形不良が見られ、著しく目立つ。
本発明はABS樹脂に対して耐熱付与効果が極めて高く、色相が良好で、メタノール可溶分の少ない耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法とその熱可塑性樹脂とABS樹脂を混合することにより得られる、ABS樹脂に対して分散性が良好でかつ耐熱付与性能の高い耐熱付与材とそれを用いた樹脂組成物に関するものであり、該樹脂組成物は自動車内装部品、車載用音響機器、家電・OA機器等、広範囲に使用する事ができる。また、本発明のマレイミド系樹脂は耐熱付与性能が極めて高いため、該樹脂組成物を得る際のマレイミド系樹脂の使用量を削減する事ができ、低コスト化を実現する事ができるため、極めて有用である。

Claims (7)

  1. 不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液中に芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液を分割または連続的に添加しながら非重合性溶剤中で溶液重合させることにより得た芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体に対し、第一級アミンまたは/及びアンモニアでイミド化し、その後揮発分を除去して得られる(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法。
  2. 芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物共重合体が、その共重合体中の芳香族ビニル−芳香族ビニル−芳香族ビニル三連連鎖の存在割合と芳香族ビニル−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合の和が10.0モル%以下であり、不飽和ジカルボン酸無水物−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物三連連鎖の存在割合が90.0モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部を主体とする溶液が、不飽和ジカルボン酸無水物45〜48質量部、連鎖移動剤0.25〜0.8質量部、及び非重合性溶剤から成る溶液であり、芳香族ビニル単量体55〜52質量部を主体とする溶液が、芳香族ビニル単量体55〜52質量部、重合開始剤0.1〜1.5質量部、及び非重合性溶剤から成る溶液であり、不飽和ジカルボン酸無水物及び芳香族ビニル単量体の合計量が100質量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で製造される(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂。
  5. 重量平均分子量(Mw)7〜12万、黄色度が3.0未満、メタノール可溶分が1.5質量%未満でかつ、酸価が15mgKOH/g未満であることを特徴とする請求項4記載の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂。
  6. 請求項4または5記載の(N−置換)マレイミド−芳香族ビニル−不飽和ジカルボン酸無水物系耐熱性熱可塑性樹脂50〜80質量部及びABS樹脂50〜20質量部から成る樹脂組成物であって、そのビカット軟化温度が150〜185℃であることを特徴とする耐熱付与材。
  7. 請求項6記載の耐熱付与材5〜40質量部及びABS樹脂95〜60質量部から成る樹脂組成物。
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