JP2005054026A - 放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体およびその製造方法 - Google Patents

放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体およびその製造方法 Download PDF

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正人 仲宗根
Yukimasa Hase
行正 長谷
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Abstract

【課題】 ホルムアルデヒドの発生を顕著に抑制できるフェノール樹脂発泡体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ホルムアルデヒド系樹脂を主成分とする発泡性樹脂組成物を発泡させて発泡体を製造するに際して、(1)該樹脂組成物中に、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を配合すること、(2)前記発泡体の表面に窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を塗布すること、(3)窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を含有する面材を使用すること、の少なくとも一つ以上の手段をとることを特徴とする放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放出されるホルムアルデヒドの量が低減化されたホルムアルデヒド系樹脂発泡体およびその製造方法に関するものである。
ホルムアルデヒド系樹脂は、一般に発泡剤、硬化剤および熱等を加えることにより発泡硬化し、不融不溶の発泡体(フォーム)となる。特にフェノール樹脂を原料とする発泡体(フェノールフォーム)は、その難燃性が評価され、建築材料として幅広く使用されている。しかし、これらのホルムアルデヒド系樹脂は、原料組成中にホルムアルデヒドが含まれるため、1)樹脂原料中の未反応のホルムアルデヒドが遊離する、2)樹脂中のメタノールが酸化してホルムアルデヒドとなる、或いは3)一旦硬化した樹脂が熱等によって分解されてホルムアルデヒドが発生する、といった事情があり、建材として使用された際には、これらの放出ホルムアルデヒドが、いわゆるシックハウス症候群の原因と目され、社会的にも大きな問題となっている。
こうしたフェノールフォーム由来の建材からの放出ホルムアルデヒドを抑制・削減するために、ホルムアルデヒドとフェノールの縮合反応に於いて、できるだけホルムアルデヒドを反応させて高分子化を行い遊離ホルムアルデヒドの発生を抑制するという手段が採られている。(特許文献1)
しかしこの方法では、樹脂そのものに含まれる遊離ホルムアルデヒドは低減できるものの、樹脂を硬化させた後に発生するホルムアルデヒドを抑制することができない上に、高分子化させた樹脂は粘度が高くなる為流動性が悪く、成型の際、型への充填が十分に行われないという欠点がある。
特開2000−80247号公報
本発明は、上記の点に鑑み、ホルムアルデヒドの発生を抑制できるホルムアルデヒド系樹脂発泡体、特にフェノール樹脂発泡体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発泡体の製造工程のいずれかにおいて、特定のホルムアルデヒド捕捉機能を有する化合物を導入することで、放出ホルムアルデヒドを著しく低減した発泡体が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ホルムアルデヒド系樹脂を主成分とする発泡性樹脂組成物を発泡させて発泡体を製造するに際して、(1)該樹脂組成物中に、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を配合すること、(2)前記発泡体の表面に窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を塗布すること、(3)窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を含有する面材を使用すること、の少なくとも一つ以上の手段をとることを特徴とする放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体の製造方法及び該製造方法によって得られる発泡体に関するものである。。
当該『窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物』を以下、ホルムアルデヒド捕捉剤と称する。
本発明において、ホルムアルデヒド捕捉剤の配合量は、発泡体中の当該捕捉剤に起因する窒素原子の含有量(窒素含有量)が0.01〜10重量%ならしむる範囲の量であることを特徴とする。0.01重量%未満では捕捉効果が低くなり、F☆☆〜F☆☆☆☆(JI
S A 5908に準拠するホルムアルデヒド放散量。F☆☆…1.5mg/L以下、F☆☆☆…0.5mg/L以下、F☆☆☆☆…0.3mg/L以下)などの低放出ホルムアルデヒド発泡体にするには不十分で実用的ではない。また10重量%を超えると、樹脂の硬化反応が遅くなるので、硬化剤の酸を多量に添加する必要があり、その結果、フォームpHの低下や作業性の悪化、フォームの凹凸など表面性の低下等を惹起し、商品価値を損ねることがあるので上記の範囲とした。窒素含有量は、ホルムアルデヒド系樹脂によって異なるが、好ましくは0.1〜7重量%、より好ましくは0.4〜5.0重量%の範囲となるように用いるとよい。
さらに、本発明においては、ホルムアルデヒド捕捉剤は20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解するものが望ましい。ホルムアルデヒド捕捉剤は粉末等の形態で固体のまま使用してもよいが、20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解するホルムアルデヒド捕捉剤を使用すると、更に捕捉効果が大きくなり、また、樹脂組成物中での沈殿や発泡成形時のロール上での増粘を抑制することが出来る。20℃の水に対する溶解度が2重量%以下のホルムアルデヒド捕捉剤でも捕捉効果はあるが、有効量を適用するためには勢い、多量の水や水以外の溶媒に溶解した状態で使用することになり、溶媒乾燥などの溶媒の揮発操作が必要となり経済的でなく、フォームの物性悪化や面材の波打ち現象を誘発する恐れもある。
本発明のホルムアルデヒド系樹脂としては、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、レゾール樹脂等、ホルムアルデヒドを用いて作られる樹脂を意味し、望ましくはフェノール樹脂若しくは変性フェノール樹脂を挙げることができる。特に、本発明のホルムアルデヒド系樹脂としては、(1)数平均分子量が190〜370、好ましくは200〜270で、(2)樹脂中の含水量が2.0〜20.0重量%、好ましくは5〜15重量%、かつ(3)フェノール類モノマーの含有量が0.5〜11.0重量%、好ましくは0.5〜9.0重量%であるフェノール樹脂を使用することが望ましい。
上記において、数平均分子量が190未満では縮合度が低く、遊離ホルムアルデヒドおよび遊離フェノールが多く作業環境の悪化を招き、370を超えると、反応が進みすぎて粘度が高くなり充填性などの作業性が劣ることがある。含水量は2.0%未満では粘度が高く実用的でなく、又20%を超えると反応が遅くpH低下や作業性悪化の原因となる。フェノール樹脂中のフェノール類モノマー含有率が0.5%未満では、反応が遅すぎて生産性が悪く、逆に11.0%を超えると硬化反応が急激で制御し難く、いずれも実用的ではない。更には、フェノール樹脂中のフェノールモノマー含有量(X重量%)とホルムアルデヒド捕捉剤に基づく窒素含有率(Y重量%)の関係が、X軸とY軸と次の
式1: Y=−0.9286X + 0.1857 及び
式2: Y=−3.6863X + 39.14
で示される2本の直線で囲まれる範囲内に入るように規定するとより効果的に放出ホルムアルデヒドを低減することができる。Y=−0.9286X + 0.1857を下回る範囲ではフェノールモノマーはほぼモル比と比例することから捕捉効果が低くホルムアルデヒド臭が強くなり実用的でない。またY=−3.6863X + 39.14より上回る窒素含有量では、硬化遅延となりフォーム化することが困難となる。
本発明の発泡体(フォーム)は、密度が10〜300kg/m3でフォームpHが2.0〜7.0のものが好適である。密度が10kg/m3 未満のフォームは、軽量でフォームのセルが脆弱となり、300kg/m3を超えるフォームは重く実用的でない。pHが2.0未満のフォームは経時的変化により脆化が起こりやすく、pHが7.0を超えると、後乾燥が必要になるなど生産性が低下し実用的でない。
本発明の放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体の製造方法における、ホルムアルデヒド捕捉剤の適用方法には、ホルムアルデヒド系樹脂を主成分とする発泡性樹脂組成物
に配合する方法の他に、フォーム及び/又は面材に該捕捉剤を適用する方法がある。面材に適用する方法に関しては、予め面材の表面またはフォームに面している面材の裏面やフォームの表側及び/又は裏側に、ホルムアルデヒド捕捉剤を塗布などの方法で処理することにより放出ホルムアルデヒドを捕捉することができる。この方法はフォームを製造するときに必要以上の酸を使用しなくてすむため発泡体の製造が易しく、フォームを硬化させるのに効果的である。ホルムアルデヒド捕捉剤は粉末状で面材及びフォームに処理することでも捕捉効果はあるが、20℃の水に2%以上の濃度に溶解できるホルムアルデヒド捕捉剤を選択し、水に溶解させて使用するとスプレーガンなど塗布装置の選択肢が多くなり、更に表面積が大きくなり捕捉効果が向上する。ホルムアルデヒド捕捉剤を含む溶液には、必要に応じてバインダー(結合剤)を加えてもよく、また、面材の下処理剤としてのプライマー等にホルムアルデヒド捕捉剤を配合して用いてもよい。
面材に適用する方法としては、一般にスプレー(噴霧)塗布が使用し易いが、フローコーター、ロールコーター、ナイフコーター、布を巻いたロール及びスポンジロールを使用したロールコーターなど接触又は非接触方法により処理し、必要により加熱乾燥により作業性を向上できる。面材としては、金属、紙、不織布、合板、突き板、ケイ酸カルシウム板、石膏板、セメント板、パーティクルボード、繊維板等の無機または有機の板およびポリエチレン、PET、PPなどのフィルムや金属系の網などが使用できる。
面材への適用方法と同様にして、成形されたフォームの表面にホルムアルデヒド捕捉剤を適用でき、連続気泡のフォームには含浸処理することもできる。
本発明によれば、ホルムアルデヒド系樹脂発泡体(断熱材)の放出ホルムアルデヒドの低減方法(捕捉方法)及び低放出ホルムアルデヒド発泡体製造方法を提供できる。
本発明に係る実施の形態を以下に示すが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、前記本発明の特徴とするところの範囲内で適宜変更できるものである。
本発明のホルムアルデヒド系樹脂において、フェノール系樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類を、必要に応じ反応触媒及び第1級アミン類の存在下で反応させて得られる、後述の硬化触媒及び/又は加熱によって硬化反応を惹起する硬化性官能基、たとえばメチロール基、ジメチレンエーテル基、ベンゾオキサジン環などを分子内に有するフェノール系樹脂及びその変性樹脂である。具体的には、例えば塩基性触媒の存在下に反応させて得られるレゾール型フェノール系樹脂、又は酸性触媒下で反応させた後、塩基性触媒下で反応させて得られるノボラックレゾール型フェノール系樹脂、又は弱酸性触媒や塩基性及び酸性触媒の組み合わせで形成される弱酸性下で反応させて得られるベンジルエーテル型フェノール系樹脂、又はフェノール類、アルデヒド類及び第1級アミン類を反応させて得られるベンゾオキサジン型フェノール系樹脂、又はこれらの樹脂の製造時ないしは製造後に任意の化合物、例えばキシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、高吸水性樹脂、尿素系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、フルフラール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、タンニン等の化合物を混合ないし反応して得られる変性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、発泡硬化性の観点から、レゾール型フェノール系樹脂及びノボラックレゾール型フェノール系樹脂が好ましい。これらの樹脂の形態としては発泡操作性及び生産性の観点から液状が好ましい。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール系樹脂の製造に用いるフェノール類としては、例えばフェノール、エチルフェノール、クレゾール、キシレノール、パラターシャリブチルフェノール、ノニルフェノール、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールF、ビスフェノールAなどが挙げら
れる。一方、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、グリオキザール、フルフラールなどが挙げられる。また、第1級アミン類としては、例えばメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンなどが挙げられる。また、反応触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシュウム、酸化マグネシュウム、アンモニア、トリエチルアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムなどの塩基性触媒や、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸亜鉛、酢酸鉛、ホウ酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの酸性触媒が挙げられる。かかる反応物や反応触媒は、それぞれ、1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このフェノール類と組み合わせて用いる他方の原料のアルデヒド類についても、特に制限はなく、従来フェノール系樹脂製造の際に慣用されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらのアルデヒド類は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール類とアルデヒド類の使用割合についても従来のフェノール系樹脂の場合と全く同じであり、フェノール類1モルに対し、アルデヒド類が通常0.5〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルの範囲で用いられ、樹脂種に応じ40℃〜還流温度の温度で0.5〜24時間反応後必要に応じ中和、濃縮して製造される。なお、反応触媒(無添加、一括添加又は分割添加)、アルデヒド類の使用(一括、分割)、反応雰囲気(空気、窒素、常圧、減圧、加圧)、反応方法(滴下、一段、二段)などの反応要領については適宜その都度目的に応じて選択される。
界面活性剤としては、シリコーン系、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド共重合体、ソルビタン、アルキルフェノール、ヒマシ油等のポリオキシアルキル付加物等を用いることができる。なお、これらの界面活性剤は各々単独で、あるいは複数混合して用いることができ、必要に応じて消泡剤、減粘剤、分散剤、湿潤剤等を添加使用することが出来る。
発泡剤としては、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの低沸点の脂肪族炭化水素、イソプロピルエーテル等のエーテル、メタノール、エタノールなどのアルコール類、塩化メチレン等の塩素化脂肪族炭化水素、トリフルオロエタン(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン;HCFC−141b等)等のフッ素化合物、その他パラトルエンスルフォニルヒドラジド、4,4-オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解型発泡剤及びポリイソシアネート等の水反応型発泡剤、あるいはこれらの化合物の混合物などを用いることができる。また、フロス発泡をする際には窒素ガス、炭酸ガス、空気等の気体を発泡剤として単独又は併用することができる。
酸性硬化剤としては、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等の有機酸などを用いることができる。なお、これらの酸性硬化剤は各々単独で、あるいは複数混合して用いることができる。
本発明においては一般的な添加物、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、レゾルシン、アルキルレゾルシン、タンニン、フルフラール類等の硬化促進剤、メラミン、メラミン系樹脂、含リン系化合物、含ハロゲン化合物、水酸化アルミニウム、グラファイト等の難燃剤、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の中和剤、クレー、タルク、セピオライト、シラスバルーン、ガラスバルーン、多孔質骨材、木粉等の無機系または有機系充填材、セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維、フェノール繊維、アラミド繊維、ポリエステル、アクリル、パルプ、綿等の繊維状物及びマイカなどの板状物の補強材、その他可塑剤、着色剤などを配合することができる。
ホルムアルデヒド捕捉剤は、窒素原子に水素原子が一つ以上結合した官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、ヒドラジド基、アミノ基又はイミノ基を含む化合物、および尿素の誘導体を好適に挙げることができる。
ヒドラジド基を含む化合物としては、1つのヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、2つのヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、3つ以上のヒドラジド基を有する多価ヒドラジド化合物等を挙げることができる。
モノヒドラジド化合物とは、例えば、RCONHNH2で表される化合物であり、Rとしては、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基等のアルキル基またはフェニル基,ビフェニル基,ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また、これらのアルキル基およびアリール基の水素原子は、水酸基またはハロゲン原子等で置換されても良く、またアリール基においては、メチル基,エチル基,n−プロピル基などのアルキル基を置換基として有するものでも構わない。このようなモノヒドラジド化合物の具体例としては、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド等を挙げることができる。
ジヒドラジド化合物とは、例えば、H2NHN−X−NHNH2(Xは、−CO−または−CO−Y−CO−を示す)で表される化合物であり、Yとしては、前記したRで示される基の水素原子を結合手に代えることにより2価の基としたものを好適に挙げることができる。すなわち、Yの具体例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基等のアルキレン基またはフェニレン基,ビフェニレン基,ナフチレン基等のアリーレン基を挙げることができる。また、これらのアルキレン基およびアリーレン基の水素原子は、水酸基またはハロゲン原子等で置換されても良く、またアリーレン基においては、メチル基,エチル基,n−プロピル基などのアルキル基を置換基として有するものでも構わない。このようなジヒドラジド化合物の具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等を挙げることができる。
また、多価ヒドラジド化合物としては、クエン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド等のトリヒドラジド化合物、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド等のテトラヒドラジドを挙げることができる。また重合基を有するヒドラジド化合物をモノマー成分とするポリヒドラジド化合物であっても良く、例えば、ポリアクリル酸ヒドラジドを挙げることができる。
アミノ基またはイミノ基を含む化合物としては、尿素、サクシンイミド、フタルイミド、ジシアンジアミド、メラミン及びベンゾグアナミン等を挙げることができる。
尿素の誘導体としては、エチレン尿素、1,3−ジメチル尿素及びチオ尿素等を挙げることができる。
上記に挙げたホルムアルデヒド捕捉剤の中では、特に捕捉剤使用量に対する捕捉効果等の観点から、尿素、メラミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アンモ
ニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムが好ましい。
更にその中でも20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解することの出来る尿素、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドがホルムアルデヒドの捕捉に効果がある。各窒素含有化の溶解性に対する実用的な濃度は、尿素は2〜50%、コハク酸ジヒドラジドは2〜20%、アジピン酸ジヒドラジドは2〜8%で使用すると捕捉が効果的である。
メラミン粉末は20℃の水に対する溶解度が2%未満であるため捕捉効果は低い。従って60〜80℃の温度で溶解してホルムアルデヒドを捕捉させたほうが効果的である。
酒石酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどは20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解するがホルムアルデヒドの捕捉後に発生する酸が弱く酸性硬化型フェノール樹脂発泡体には不向きである。アンモニアは20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解するがホルムアルデヒドの捕捉効果はあるがアルカリ性を呈するため、酸性硬化には不適当である。硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等は20℃の水に2重量%以上の濃度に溶解し、ホルムアルデヒドの捕捉効果もあるが、発生する無機酸がフェノール樹脂発泡体の脆性及びフォームpHに影響を与えるため、その使用には十分注意を払わなければならない。
また、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有するホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒド系熱硬化性樹脂の全重量に対して窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物に起因する窒素含有量が0.01重量%〜10重量%含有されるのが好ましく、特に好ましくは0.1重量%〜5重量%である。0.01重量%より低いとホルムアルデヒド放散の抑制効果が小さく、10重量%より高いとフェノール樹脂発泡体の硬化遅延を引き起こし、故に硬化剤部数を多く必要とし、フォームpHが極端に低下しセル強度が弱くなる傾向にある。ホルムアルデヒド捕捉剤は、複数種を混合して使用してもよい。
なお、ホルムアルデヒド捕捉剤は粉末添加できるが、適当な溶媒に溶かして使用することもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
フェノール4451g(47.35モル)、41.5重量%ホルマリン水溶液5135g(70.96モル)を還流管、攪拌機付き反応缶中に仕込み、攪拌を開始する。触媒として25%水酸化ナトリウム水溶液を添加後85℃まで昇温させ、同温度で70分間反応させた後、シュウ酸を添加してpHを6.3に調整し、減圧下に脱水率29.0重量%まで脱水濃縮してモル比(ホルムアルデヒド/フェノール)が1.50の液状フェノール系レゾール樹脂組成物6800gを得た。次いで、該組成物100重量部に対して水酸化アルミニウム30重量部、クレー30重量部、シリコーン系整泡剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)1.5重量部を添加してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)上記(1)のフェノール系レゾール樹脂組成物100重量部に対して尿素を窒素含有率0.51%相当仕込みこれをフェノール系レゾール樹脂とする。
(3)1000mlディスポカップに、予め20℃に温調した上記(2)のフェノール系レゾール樹脂600重量部、予め20℃に温調したHCFC−141b 24重量部、予め20℃に温調した67%フェノールスルホン酸84重量部を仕込み、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製ミキサー)で5000rpmで30秒間混合したのち、ただち
にディスポカップを60°の角度で10秒間傾けて予め70℃に温調した50g/m2のクラフト紙をフォームの上下に位置するように配置してあるアルミ製モールド(容積:300mm×300mm×50mm)に均一になるように注入した後、蓋を閉め4箇所を固定して、70℃で10分間乾燥後脱型しフェノール樹脂発泡体を作成した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量の測定をJIS A‐5908に従がい、その他の物性はJIS A‐9511に準拠して測定した。
実施例2
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
フェノール917g、41.5重量%ホルマリン水溶液1200gを還流管、攪拌機付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として25%水酸化カリウム水溶液を添加後85℃まで昇温させ、同温度で70分間反応させた後、50%パラトルエンスルホン酸を添加してpHを5.0に調整し、減圧下に脱水率37.0重量%まで脱水濃縮してモル比1.70の液状フェノール系レゾール樹脂組成物1330gを得た。次いで、該組成物100重量部に対してシリコーン系整泡剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)1.5重量部を添加してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)上記(1)のフェノール系レゾール樹脂組成物100重量部に対して捕捉剤(アジピン酸ジヒドラジド:尿素=1:1)の10重量%水溶液を窒素含有率0.45%になるように添加しフェノール系レゾール樹脂組成物を調製した。
(3)1000mlディスポカップに、予め30℃に温調した上記(2)のフェノール系レゾール樹脂600重量部、予め30℃に温調したn‐ヘキサン 36重量部、予め30℃に温調した67%フェノールスルホン酸90重量部を仕込み、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製ミキサー)で5000rpmで30秒間混合したのち、ただちにディスポカップを60°の角度で10秒間傾けて予め70℃に温調したアルミ製モールド(容積:300mm×300mm×50mm)に均一になるように注入した後、蓋を閉めた後、4箇所を固定し、70℃で10分間乾燥後脱型しフェノール樹脂発泡体を作成した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量およびその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
実施例3
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
フェノール3080g、41.5重量%ホルマリン水溶液3785gを還流管、攪拌機付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として20%水酸化カリウム水溶液を添加後85℃まで昇温させ、同温度で70分間反応させた後、50%硫酸を添加してpHを4.5に調整し、減圧下に脱水率33.0重量%まで脱水濃縮してモル比1.60の液状フェノール系レゾール樹脂組成物4600gを得た。次いで、該組成物100重量部に対して水酸化アルミニウム90重量部、シリコーン系整泡剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)0.5重量部、炭酸バリウム5重量部を添加してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)上記(1)のフェノール系レゾール樹脂組成物100重量部に対して水に2%以上の濃度に溶解するホルムアルデヒド捕捉剤としてコハク酸ジヒドラジドを粉末で窒素含有率0.6%になるように添加しフェノール系レゾール樹脂組成物を調製した。
(3)1000mlディスポカップに、予め20℃に温調した上記(2)のフェノール系レゾール樹脂600重量部、予め20℃に温調したHCFC−141b 27重量部、予め20℃に温調した67%フェノールスルホン酸72重量部を仕込み、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製ミキサー)で5000rpmで30秒間混合したのち、ただちにディスポカップを60°の角度で10秒間傾けて予め70℃に温調した120g/m2の炭カル紙をフォームの上下に位置するように配置してあるアルミ製モールド(容積:300mm×300mm×50mm)に均一になるように注入した後、蓋を閉めて4箇所を
固定し、70℃で10分間乾燥後脱型しフェノール樹脂発泡体を作成した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量およびその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
実施例4
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
フェノール2637g、41.5重量%ホルマリン水溶液2639gを還流管、攪拌機付き反応缶中に仕込み、 攪拌を開始する。触媒として亜硫酸水素ナトリウムを添加後85℃まで昇温させ、同温度で70分間反応させた後、硫酸を添加してpHを4.5に調整し、減圧下に脱水率35.0重量%まで脱水濃縮してモル比1.30の液状フェノール系レゾール樹脂組成物3430gを得た。次いで、該組成物100重量部に対して水酸化アルミニウム50重量部、クレー30重量部、シリコーン系整泡剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)1.0重量部を添加してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)ホルムアルデヒド捕捉剤として反応終了後、70℃でメラミン粉末を10g投入し溶解後冷却中和した。更に脱水終了後アジピン酸ジヒドラジドを10g添加した。フォーム側に接触する面材に20%尿素水溶液をエアーガンによりスプレー塗布し、窒素原子含有率が2.32%になるように添加してフェノール系レゾール樹脂組成物を調製した。
(3)1000mlディスポカップに、予め20℃に温調した上記(2)のフェノール系レゾール樹脂600重量部、予め20℃に温調したシクロペンタン 24重量部、予め20℃に温調した67%フェノールスルホン酸78重量部を仕込み、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製ミキサー)で5000rpmで30秒間混合したのち、ただちにディスポカップを60°の角度で10秒間傾けて予め70℃に温調した厚さ0.5mmの亜鉛鋼板をフォームの上下に位置するように配置してあるアルミ製モールド(容積:300mm×300mm×50mm)に均一になるように注入した後、蓋を閉めて4箇所を固定し、70℃で10分間乾燥後脱型しフェノール樹脂発泡体を作成した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量およびその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
実施例5
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
実施例3に準拠してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)面材のフォーム側に接する両面に15%コハク酸ジヒドラジドを窒素原子含有率が1.44%になるようにスポンジロールにて塗布し70℃の熱風循環乾燥機により水分を除去した。
(3)1000mlディスポカップに、予め20℃に温調した上記(2)のフェノール系レゾール樹脂600重量部、予め20℃に温調したシクロペンタン 6重量部、予め20℃に温調した67%フェノールスルホン酸48重量部を仕込み、ホモディスパー(商品名、特殊機化工業社製ミキサー)で5000rpmで30秒間混合したのち、ただちにディスポカップを60°の角度で10秒間傾けて予め70℃に温調した120g/m2の炭カル紙をフォームの上下に位置するように配置してあるアルミ製モールド(容積:300mm×300mm×50mm)に均一になるように注入した後、蓋を閉めて、70℃で10分間乾燥後脱型しフェノール樹脂発泡体を作成した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量およびその他の物性の測定を実施例1に準拠して行った。
実施例6
(1)フェノール系レゾール樹脂組成物の調製
フェノール2454g、41.5重量%ホルマリン水溶液2454gを還流管、攪拌機付き反応缶中に仕込み、攪拌を開始する。触媒として20%水酸化カリウム水溶液を添加後
85℃まで昇温させ、同温度で70分間反応させた後、50%硫酸を添加してpHを4.5に調整し、減圧下に脱水率33.0重量%まで脱水濃縮してモル比1.30の液状フェノール系レゾール樹脂組成物3300gを得た。次いで、該組成物100重量部に対して水酸化アルミニウム120重量部、シリコーン系整泡剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)1.5重量部、炭酸カルシウム5重量部を添加してフェノール系レゾール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)尿素/コハク酸ジヒドラジド=2/1の15%水溶液を脱水直後に窒素含有率0.4%になるように添加した。坪量25g/m2の薄葉紙と厚さ12μmのアルミ箔をラミネートしたフィルムのフォーム側に接する面にフローコーターにより上記捕捉剤を塗布し、80℃の乾燥機で1分乾燥し窒素含有率の合計が2.5%になるように調整した。
(3)フェノール樹脂発泡体の作成方法はシクロペンタン 7.8重量部、67%フェノールスルホン酸90重量部、面材は(2)で処理したフィルムとし、他は実施例5に準拠した。
(4)成形した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量及びその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
実施例7
(1)比較例1と同様にして得た厚さ50mmのフェノールフォーム(密度:110kg/m3、pH:4.5)に、両面材として厚さ9mm、比重0.9のケイ酸カルシウム板を使用し、フォームの表裏側に面材を接着した室内の間仕切り板を作成した。
(2)面材の接着にあたり、フェノールフォームの表側及び裏側に尿素/アジピン酸ジヒドラジド=4/1の20%の捕捉剤水溶液をスプレーにより窒素含有量が3.2%になるように塗布し、70℃熱風循環乾燥機で3分乾燥した後、ケイ酸カルシウム板をレゾルシノール樹脂接着剤を用いて冷圧接着した。
(3)製造した面材付き発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量及びその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
実施例8
(1)厚さ25mmのフェノールフォーム(密度:30kg/m3、pH:4.8)に両面材として厚さ12mmの突き板貼り化粧合板を使用し、フォームの表裏側に面材を接着し室内の間仕切り板を作成した。
(2)面材の接着にあたり、フェノールフォームの両面及び面材の両面に15%コハク酸ジヒドラジド水溶液をスプレーにより塗布した。該フォームの窒素含有量は4.2%であった。
(3)製造した面材付き発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量及びその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
比較例1
(1)フェノール樹脂組成物の調製
実施例1の配合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)が2.0、触媒として水酸化ナトリウムと25%アンモニア水を併用し、中和剤として30%パラトルエンスルホン酸水溶液を用いた以外は、実施例1に準拠して合成し、整泡剤等を加えてフェノール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)上記フェノール樹脂組成物原液は、ホルムアルデヒド捕捉剤を加えることなく、発泡・硬化させた。
(3)及び(4)の発泡工程及び物性測定等は実施例1に準拠して実施した。
比較例2
(1)フェノール樹脂組成物の調製
実施例1の配合モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)が1.5、触媒が水酸化カリ
ウム、中和剤が硫酸でpH=5.0に中和し、フェノール樹脂組成物を得た。該組成物100重量部に対して水酸化アルミニウム120重量部、炭酸バリウム6重量部を使用し、その他は実施例1に準拠してフェノール樹脂組成物の原液を調製した。
(2)該原液にはホルムルアルデヒド捕捉剤を使用せず、難燃剤を大増量にして対応した。
(3)は実施例1に準拠し、発泡剤はシクロペンタンを使用した。
(4)は実施例1に準拠して実施した。
比較例3
(1)市販の厚さ50mmのフェノールフォーム(密度:100kg/m3、pH:4.5)に両面材として厚さ9mm、比重1.2のケイ酸カルシウム板を無用剤型のエポキシ樹脂で冷圧接着を行った。
(2)ホルムアルデヒド捕捉剤は使用せず、窒素含有量は0.0%とした。
(3)製造した発泡体を室温20℃、湿度65%に5日間放置した後、ホルムアルデヒド放散量およびその他の物性を実施例1に準拠して測定した。
Figure 2005054026
Figure 2005054026
Figure 2005054026
表1、表2、表3に示すように、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物(ホルムアルデヒド捕捉剤)を添加した実施例1〜8のフェノール樹脂発泡体からのホルムアルデヒドの放散量は、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しなかった比較例1〜4のフェノ
ール樹脂発泡体と比べて大幅に減少した。

Claims (9)

  1. ホルムアルデヒド系樹脂を主成分とする発泡性樹脂組成物を発泡させて発泡体を製造するに際して、(1)該樹脂組成物中に、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を配合すること、(2)前記発泡体の表面に窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を塗布すること、(3)窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を含有する面材を使用すること、の少なくとも一つ以上の手段をとることを特徴とする放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体の製造方法。
  2. 窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を発泡体中の該化合物に起因する窒素含有量が0.01〜10重量%ならしむべく配合することを特徴とする請求項1に記載の発泡体の製造方法。
  3. 窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物が、(A)ヒドラジド化合物、及び/又は、(B)アミノ基及び/又はイミノ基を含む化合物、であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡体の製造方法。
  4. 窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物の20℃の水に対する溶解度が2重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
  5. ホルムアルデヒド系樹脂が、(1)数平均分子量が190〜370で、(2)樹脂中の含水量が2.0から20.0重量%、かつ(3)フェノールモノマーの含有量が0.5〜11.0重量%であるフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
  6. フェノール樹脂中のフェノール類モノマー含有量(X重量%)と窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物の窒素含有率(Y重量%)の関係が、(式1)Y=−0.9286X + 0.1857と(式2)Y = −3.6863X + 39.14で規定される範囲内に入ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
  7. ホルムアルデヒド系樹脂を主成分とする発泡性樹脂組成物を用いてなる発泡体であって、(1)該樹脂組成物中に、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を配合すること、(2)前記発泡体の表面に窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を塗布すること、(3)窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物を含有する面材を使用すること、の少なくとも一つ以上の手段により製造されてなる放出ホルムアルデヒドが低減化された発泡体。
  8. 密度が10〜300kg/m3かつpHが2.0〜7.0である請求項7に記載の発泡体。
  9. 発泡体中の、窒素に水素が一つ以上結合した官能基を有する化合物に起因する窒素含有量が0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の発泡体。

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