JP2011016925A - 発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびフェノール樹脂発泡体 - Google Patents

発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびフェノール樹脂発泡体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度、特に圧縮強度と圧縮弾性率に優れたフェノール樹脂発泡体を与える発泡性フェノール樹脂成形材料、および前記特性を有するフェノール樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】上記発泡性フェノール樹脂成形材料を、液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤および酸硬化剤を含む発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料において、さらに添加剤として芳香族アミン化合物を含有させたものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびそれを用いたフェノール樹脂発泡体に関する。さらに詳しくは、本発明は、強度に優れ、圧縮弾性率が改善されたフェノール樹脂発泡体を与える発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、およびこれを発泡硬化させてなる前記特性を有するフェノール樹脂発泡体に関するものである。
従来、フェノール樹脂発泡体は、断熱性、難燃・防火性などに優れることから、断熱材として建築その他の産業分野において使用されている。
フェノール樹脂発泡体は、各種の用途に用いられるが、用途によっては、高い機械的特性のものが要求されることがあり、機械的強度に優れるフェノール樹脂発泡体として、液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤および酸硬化剤を含むと共に含窒素架橋型環式化合物を含む成形材料を用いたものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、作業性やコスト削減のために更なる薄型化や低密度化が求められており、薄型化、低密度化による機械的強度の低下を補うため、更なる高強度化が求められてきた。
特開2006−335868号公報
本発明の課題は、このような事情のもとで、機械的強度、特に圧縮強度と圧縮弾性率に優れたフェノール樹脂発泡体を与える発泡性フェノール樹脂成形材料、および前記特性を有するフェノール樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、前記の特性を有する発泡性フェノール樹脂成形材料を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤および酸硬化剤を含む発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料において、同材料にさらに添加剤として芳香族アミン化合物を含有させることが課題解決に資することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤および酸硬化剤を含む発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料において、さらに添加剤として芳香族アミン化合物を含有させたことを特徴とする発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、
(2)芳香族アミン化合物がアニリンであることを特徴とする上記(1)に記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、
(3)芳香族アミン化合物がメラミンであることを特徴とする上記(1)に記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、
(4)液状レゾール型フェノール樹脂100質量部あたり、芳香族アミン化合物0.5〜5質量部を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、
(5)さらに、可塑剤、無機フィラーおよび含窒素架橋型環式化合物から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有させたことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を発泡硬化させてなることを特徴とするフェノール樹脂発泡体を提供するものである。
本発明によれば、機械的強度、特に圧縮強度と圧縮弾性率に優れたフェノール樹脂発泡体を与える発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料、および前記特性を有するフェノール樹脂発泡体を提供することができる。
まず、本発明の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料について説明する。
本発明の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料は、液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤、酸硬化剤、芳香族アミン化合物、および所望により適宜用いられる可塑剤、無機フィラー、含窒素架橋型環式化合物を含むものである。
前記液状レゾール型フェノール樹脂は特に限定されないが、好ましくはフェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン等のフェノール類及びその変性物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類とを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ、又はトリメチルアミンやトリエチルアミン等の脂肪族アミンの存在下で反応させて得られるフェノール樹脂が用いられる。フェノール類とアルデヒド類の使用割合については特に限定されないが、通常モル比で1:1〜1:3、好ましくは、1:1.5〜1:2.5、より好ましくは1:1.8〜1:2.5、特に好ましくは、1:1.6〜1:2.1の範囲とすればよい。
前記発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、イソプロピルエーテル等のエーテル、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、イソプロピルクロリド等のハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの化合物の混合物などの有機系非反応型発泡剤を含むものが用いられる。ここで、非反応型発泡剤とは、物質それ自体が発泡条件下に揮発してフェノール樹脂を発泡させ得るものをいう。なお、前記発泡剤以外に、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガスなどの気体、あるいはこれらの混合ガスを用いることもできる。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料における前記発泡剤の含有量は、前述の液状レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、通常1〜20質量部、好ましくは5〜10質量部の範囲とすればよい。
前記整泡剤としては、例えばひまし油、ひまし油誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリシロキサン系化合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ひまし油誘導体としては、ひまし油アルキレンオキシド付加物が好ましい。ひまし油アルキレンオキシド付加物としては、ひまし油エチレンオキシド(以下、エチレンオキシドを「EO」と略記する。)付加物、ひまし油プロピレンオキシド付加物が好ましい。ひまし油アルキレンオキシド付加物においては、ひまし油1モルに対し、アルキレンオキシド、中でもEOが、好ましくは20モル超、40モル未満、中でも21〜38モル付加されているのが、ひまし油の長鎖炭化水素基を主体とする疎水性基と、所定付加モルのEO等のアルキレンオキシドによって形成された、ポリオキシエチレン基等のポリオキシアルキレン基を主体とする親水性基とが、分子内でバランス良く配置されて、良好な界面活性能が得られ、フェノール樹脂発泡体の気泡径が小さく保たれ、また気泡壁に柔軟性が付与されて、気泡壁の亀裂の発生が防止されるなどの格別の効果を奏せしめるので、好ましい。
上記ポリシロキサン系化合物としては、例えばジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体などが挙げられる。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料における前記整泡剤の含有量は、液状レゾール型フェノール樹脂100質量部当たり、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部の範囲とすればよい。この含有量が1質量部未満では、気泡が均一に小さくなり難いし、また、5質量部を超えても、生成したフェノール樹脂発泡体の吸水性が増大するとともに、製造コストが高くなる。
前記酸硬化剤としては、例えば硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が用いられる。これらの酸硬化剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料における前記酸硬化剤の含有量は、液状レゾール型フェノール樹脂100質量部当たり、好ましくは6〜25質量部、より好ましくは10〜20質量部の範囲とすればよい。この含有量が6質量部未満では、硬化が遅いため、硬化が不十分になる場合や、気泡が破壊されて連続気泡化する場合があり、また、25質量部を超えても、硬化が早くなりすぎ、発泡体内部に歪が残る場合や、成型後の収縮が大きくなる場合がある。
前記芳香族アミン化合物としては、例えばアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、1,3,5,−トリアミノベンゼン、アミノピリジン、ジアミノピリジン、トリアミノピリジン、アミノピリミジン、ジアミノピリミジン、トリアミノピリミジン、アミノトリアジン、ジアミノトリアジン、メラミン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にアニリン、メラミンが入手の容易さ、コストの面から好ましい。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料における前記芳香族アミン化合物の含有量は、液状レゾール型フェノール樹脂100質量部当たり、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の範囲とすればよい。この含有量が0.5質量部未満では十分な圧縮強度と圧縮弾性率の発泡体を得るのが困難になるし、また、5質量部を超えてもフェノール樹脂の硬化が遅くなり成型性に問題を生じるとともに、製造コストが高くなる。
本発明の成形材料に必要に応じ適宜配合し得る添加成分としては、例えば可塑剤、無機フィラー、含窒素架橋型環式化合物等が挙げられる。
可塑剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール等が好ましく挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。可塑剤はフェノール樹脂発泡体の気泡壁に柔軟性を付与し、気泡壁の経時劣化を抑制し、断熱性の長期安定性を改善するのに寄与する。フェノール樹脂発泡体の気泡壁に対して柔軟性を付与する面からは、重量平均分子量が200〜10,000、特に200〜5,000のポリエステルポリオールが好適である。
ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物、例えば二〜四価カルボン酸類から選択された多塩基カルボン酸と、二〜五価アルコール類から選択された多価アルコールとの反応生成物、中でも一般式(I)
Figure 2011016925
(式中、Aは二価カルボン酸残基であり、Rは二価アルコール残基であり、nは1または1を越える整数である。)
で表されるものが好ましく、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(I)中、残基Aを形成する好ましい二価カルボン酸としては、例えば芳香族二価カルボン酸、脂肪族二価カルボン酸又は脂環族二価カルボン酸等が挙げられ、好ましくは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等である。
上記骨格Rを形成する二価アルコールは、芳香族グリコール、脂肪族グリコール又は脂環族グリコールであり、これらは例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロペンタン−1,2−ジメタノール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロペンタン−1,4−ジメタノール、2,5−ノルボルナンジオール等である脂肪族グリコールと脂環族グリコールが特に好ましい。
本発明のフェノール樹脂発泡体のために好ましい可塑剤は、一個のエステル骨格と一個のヒドロキシル基の両方を含む分子構造を有し、前記フェノール樹脂発泡体と同様に親水的性質を有するので、前記フェノール樹脂及び前記可塑剤は互いに相溶性があり、均一な樹脂溶液を形成することができ、更には、フェノール樹脂発泡体の気泡壁に柔軟性を付与し、長時間経過後でも、気泡壁の亀裂の発生のような劣化現象が抑制され、フェノール樹脂発泡体の熱伝導度の長期安定性をもたらす。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料に可塑剤が含有される場合、該成形材料における可塑剤の含有量は、前述の液状レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、通常0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の範囲とすればよい。
また、無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、タルク、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化アンチモン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機フィラーは、酸性度が低く、かつ防火性の向上したフェノール樹脂発泡体を与えることを可能にする。発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料に無機フィラーが含有される場合、該成形材料における無機フィラーの含有量は、前述の液状レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、通常0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲とすればよい。
また、含窒素架橋型環式化合物としては、例えばキヌクリジン、ピジン、ヘキサメチレンテトラミンなどを挙げることができる。これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、効果および入手の容易さなどの点からヘキサメチレンテトラミンが好適である。この含窒素架橋型環式化合物を発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料に含有させることにより、得られるフェノール樹脂発泡体は、機械的強度および脆性が改良されると共に、腐食防止性が付与される。
発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料に含窒素架橋型環式化合物が含有される場合、該成形材料における含窒素架橋型環式化合物の含有量は、効果および経済性のバランスなどの点から、前述の液状レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、通常0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜7質量部の範囲とすればよい。
本発明の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料は、例えば、前述の液状レゾール型フェノール樹脂に、整泡剤、芳香族アミン化合物、さらには必要に応じ、無機フィラー、可塑剤、含窒素架橋型環式化合物を加えて混合し、この混合物に、発泡剤および酸硬化剤を添加したのち、この組成物をミキサーに供給し、適宜加熱または冷却し、攪拌することにより調製することができる。
次に、本発明のフェノール樹脂発泡体について説明する。
本発明のフェノール樹脂発泡体は、前述のようにして調製した本発明の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を発泡硬化させてなるものである。
このフェノール樹脂発泡体を形成させる方法としては、例えば(1)エンドレスコンベア上に流出させる成形方法、(2)スポット的に流出させて部分的に発泡させる方法、(3)モールド内で加圧発泡させる方法、(4)ある大きな空間中に投入して発泡ブロックを作る方法、(5)空洞中に圧入しながら充填発泡させる方法などが挙げられる。
好ましい方法としては、前記発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を、連続的に移動するキャリア上に吐出し、この吐出物を加熱ゾーンを経由して発泡させると共に成形して、所望のフェノール樹脂発泡体を作製する方法が挙げられる。具体的には、前記発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を、コンベヤーベルト上の面材の上に吐出し、次いでコンベヤーベルト上の成形材料の上面に面材を載せ硬化炉に入れ、硬化炉の中では上から他のコンベヤーベルトで押さえ、フェノール樹脂発泡体を所定の厚さに調整し、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、中でも60〜80℃で、2〜20分間程度の条件で発泡硬化するのがよい。硬化炉から出たフェノール樹脂発泡体は所定の長さに切断される。
前記面材としては、特に制限されず、一般的には天然繊維、ポリエステル繊維やポリエチレン繊維などの合成繊維、ガラス繊維などの無機繊維等の不織布、紙類、アルミニウム箔張不織布、金属板、金属箔などが用いられるが、ガラス繊維不織布、スパンボンド不織布、アルミニウム箔張不織布、金属板、金属箔、合板、構造用パネル、パーティクルボード、ハードボード、木質系セメント板、フレキシブル板、パーライト板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、パルプセメント板、シージングボード、ミディアムデンシティーファイバーボード、石膏ボード、ラスシート、火山性ガラス質複合板、天然石、煉瓦、タイル、ガラス成形体、軽量気泡コンクリート成形体、セメントモルタル成形体、ガラス繊維補強セメント成形体等の水硬化性セメント水和物をバインダー成分とする成形体が好適である。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この面材は、フェノール樹脂発泡体の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。また、両面に設ける場合、面材は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、後から接着剤を用いて貼り合わせて設けてもよい。
上記のようにして得られたフェノール樹脂発泡体は、次いで、乾燥等のために後硬化処理することが好ましい。後硬化処理は、適宜養生も兼ね、例えば、乾燥機にて、70〜90℃の範囲の温度で行う。後硬化処理時間は、フェノール樹脂発泡体の厚さ、後硬化処理温度などに左右され、一概に定めることはできないが、後述の所定の物性を有するフェノール樹脂発泡体が得られるように選定され、一般的には1.0〜6.0時間程度である。
また、後硬化処理温度が上記の範囲にあれば、気泡壁の損傷が抑制されると共に、膨れ、収縮、変色などが抑制された外観の良好なフェノール樹脂発泡体を得ることができる。
本発明のフェノール樹脂発泡体においては、好ましくは平均気泡径が5〜400μm、中でも50〜200μmであるのがよく、また、好ましくは発泡体の横断面積に占めるボイドの面積割合が5%以下、中でも2%以下であるのがよく、また、好ましくは密度が10kg/m以上、中でも20〜100kg/mであるのがよく、また、好ましくは圧縮弾性率が20%以下、中でも10〜18%であるのがよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られたフェノール樹脂発泡体の性能、物性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)密度
JIS A 9511により測定した。
(2)圧縮強さ
JIS A 9511により測定した。
(3)圧縮弾性率
JIS A 9511により測定した。
実施例1
液状レゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業社製 品番:PF−339)100質量部に、イオン交換水1質量部を加えて粘度を調整したものに、可塑剤としてフタル酸とジエチレングリコールをモル比1:2で反応させてなるポリエステルポリオール3質量部、整泡剤としてひまし油EO付加物(付加モル数30)3質量部、および芳香族アミン化合物としてアニリン2質量部をそれぞれ加えて混合した。
このフェノール樹脂混合物109質量部に対し、発泡剤としてノルマルペンタン8質量部を、酸硬化剤としてパラトルエンスルホン酸:キシレンスルホン酸質量比=2:1の混合物14質量部をそれぞれ加え、攪拌、混合して発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を調製した。
この成形材料をそれぞれ型枠に吐出し、これを75℃の乾燥機中で300秒加熱成形した後、成型物を型枠から取り出し、85℃の乾燥機に入れ、5時間養生させてフェノール樹脂発泡体を作製した。
このようにして得られたフェノール樹脂発泡体の性能、物性を表1に示す。
実施例2
実施例1において、芳香族アミン化合物をメラミンに変更した以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製し、発泡体を作製した。発泡体の性能、物性を表1に示す。
比較例1
実施例1において、芳香族アミン化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして成形材料を調製し、発泡体を作製した。発泡体の性能、物性を表1に示す。
Figure 2011016925
表1からわかるように、実施例の成形材料から得られたフェノール樹脂発泡体は比較例のものに比べ、機械的強度、特に圧縮強度と圧縮弾性率に優れている。
本発明の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料は、機械的強度、特に圧縮強度と圧縮弾性率に優れたフェノール樹脂発泡体を供与しうるので、産業上大いに有用である。

Claims (6)

  1. 液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、整泡剤および酸硬化剤を含む発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料において、さらに添加剤として芳香族アミン化合物を含有させたことを特徴とする発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料。
  2. 芳香族アミン化合物がアニリンであることを特徴とする請求項1記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料。
  3. 芳香族アミン化合物がメラミンであることを特徴とする請求項1記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料。
  4. 液状レゾール型フェノール樹脂100質量部当たり、芳香族アミン化合物0.5〜5質量部を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料。
  5. さらに、可塑剤、無機フィラーおよび含窒素架橋型環式化合物から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料を発泡硬化させてなることを特徴とするフェノール樹脂発泡体。
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