JP2005053465A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両に設けられたシート12を構成する背もたれ部15の内部にサイドエアバッグ装置17を内蔵する。サイドエアバッグ装置17を構成するエアバッグ18がインフレータ19から噴射されるガスによって車両の進行方向前方へ膨張展開された状態において、乗員Pの腕の肘部Peと対応する部位のエアバッグ18の車幅方向の厚さ寸法を規制するための厚み規制部22を形成する。
そして、前記肘部Peが膨張展開されたエアバッグ18によって車幅方向内側へ過度に押圧されるのを防止して、乗員の肘部の回動による胸部の圧迫を無くして胸部の適正な保護を図る。
【選択図】 図1
Description
この構成によれば、円形状をなす厚み規制部の周縁を通ってエアバッグの先端部へと流入するガスの流れが円滑化しやすい。さらには、膨張部内のガスが厚み規制部に対して均一な張力を及ぼしやすくなる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、幅狭膨張部の膨張展開を迅速に行い、その屈曲を防止して、乗員の保護をさらに適正に行うことができる。
図1は車両のシートの側面を示し、図2は図1の2−2線に沿った断面を示す。図2に示すように車両のボディの底部11には乗員Pが着座するためのシート12が装設されている。このシート12は前記ボディの底部11に対して前後位置調節機構13を介して車両の進行方向の位置調節可能に装着された着座部14と、この着座部14の後端部に装着された背もたれ部15とにより構成されている。この背もたれ部15にはサイドエアバッグ装置17が装着されている。
図4に示すように、本実施形態のサイドエアバッグ装置17は、例えば防炎加工が施された織布等からなる一対の基布18a,18bが縫製されて袋状に形成されたエアバッグ18と、このエアバッグ18の基端部によって包蔵されたガス発生源としてのインフレータ19と、前記エアバッグ18及びインフレータ19を収容するケース20とから構成される。前記ケース20は、図1に示すように車両のシート12の背もたれ部15のフレーム(図示略)に取り付けられるとともに、同背もたれ部15のボディの側壁部としてのサイドドア16側の端部に埋設されている。前記サイドドア16には、同ドアに車両の側方から加えられる衝撃を検知するセンサ(図示略)が設けられている。このセンサは、制御回路(図示略)を介して前記インフレータ19に接続されている。
このエアバッグ18は、図1及び図4に示す側面形状で膨張展開するものが、折り畳まれた状態で上記ケース20内に収容されている。このエアバッグ18は、前記シート12に着座する乗員Pと、サイドドア16との間に形成された空間に対し車両進行方向の前方に向かって膨張展開するようになっている。
(1)このサイドエアバッグ装置17によれば、エアバッグ18が図1〜図3に示すようにサイドドア16と乗員Pとの間に膨張展開された状態において、乗員Pの肘部Peと対応するようにエアバッグ18に対し厚み規制部22を形成した。このため、エアバッグ18の展開状態において厚み規制部22に肘部Peが対応して肘部Peの過度な車幅方向内側への押圧動作を解消することができ、肘部Peによって乗員Pの胸部が過度に圧迫されるのを回避でき、乗員Pの保護を適正に行うことができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ 図5に示すようにシート12の着座部14にサイドエアバッグ装置17を設けてもよい。このとき、上記実施形態のサイドエアバッグ装置17の後端部(基端部)が着座部14に配置されるように構成するとよい。また、図示しないが、ボディの側壁部にサイドエアバッグ装置17を設けたりすることもできる。これらの構成においても、乗員Pの腕の肘部Peを過度に押圧することがないので、胸部の保護を適正に行うことができる。
・ 図7に示すように、厚み規制部22を2つに分割して円形状の外側厚み規制部22Aと、同じく円形状の下側厚み規制部22Bとの間にガスの通路29を形成するようにしてもよい。この場合にはガス噴射ノズル19aから噴射された主たるガス流方向Bが上側厚み規制部22Aに衝突しても、前記ガスの通路29からガスが幅狭膨張部27側に回り込み易くなり、膨張展開動作が円滑に行われる。又、円形状の外側及び下側厚み規制部22A,22Bの大きさと間隔を変更することにより厚み規制部22の厚み寸法の調整を容易に行うことができる。
・ 図8に示すように、インフレータ19のガス噴射ノズル19aからの主たるガス流方向Bが上側厚み規制部22Aの直上を指向するようにしてもよい。この場合には、図7に示す変形例と比較してガスの幅狭膨張部27への回り込みがより迅速に行われ、幅狭膨張部27の膨張展開動作がより確実に行われる。
・ 図6〜図11の変形例に示すサイドエアバッグ装置17は、車両のシート12の背もたれ部15の車外側の側縁部に取り付けられ、車両の進行方向前方に向かって膨張展開するように構成されているが、これら図6〜図11に示す構成のサイドエアバッグ装置17を、例えば図5の変形例に示されるようにシート12の着座部14に設けてもよい。このとき、エアバッグ18の基端部及びインフレータ19はシート12の着座部14の車外側の側縁部に設けられ、上方に向かって膨張展開するように構成される。さらにこのとき、インフレータ19のガス噴射ノズル19aから噴射される主たるガス流方向は上方となり、厚み規制部22はその主たるガス流方向よりも車両の進行方向の前方又は後方にオフセットされている。これらのように構成した場合でも、ガス噴射ノズル19aから噴射されるガスの大半が、厚み規制部22に妨げられることなくエアバッグ18の先端部(上端部)に到達することから、エアバッグ18の展開速度を容易に高めることができる。
・ 上記実施形態において、エアバッグ18の好適な収容、及び好適な膨張展開が図られるのであれば、ケース20を省略してもよい。
・ 前記実施形態では、乗員の腰部と胸部を保護するためのエアバッグ18に具体化したが、腰部と胸部の他に肩部を保護するためのエアバッグに具体化したり、腰部、胸部、肩部及び頭部を保護するためのエアバッグに具体化したりしてもよい。
・ 前記厚み規制部は、インフレータのガス噴射ノズルから噴射される主たるガス流方向よりも下方又は上方にオフセットされていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエアバッグ装置。前記厚み規制部は、インフレータのガス噴射ノズルから噴射される主たるガス流方向よりも前方又は後方にオフセットされていることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
・ 前記膨張部は、乗員の胸部を保護する胸保護部と、乗員の腰部を保護する腰保護部と、乗員の肘部を保護する幅狭膨張部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエアバッグ装置。前記幅狭膨張部は厚み規制部と協働して乗員の肘部を保護するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ装置。
Claims (8)
- 車両のボディに所定以上の衝撃が加えられたとき、同ボディの側壁部と同ボディ内部の室内に配置されたシートに着座した乗員との間で膨張展開するエアバッグと、該エアバッグを膨張展開させるためのガス発生源とを備えるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグがガスにより膨張展開された状態において、乗員の腕の肘部と対応する位置の前記エアバッグの厚さ寸法が他の部位よりも小さくなるように規制するための厚み規制部を設け、該厚み規制部の全周にガスによる膨張部が形成されるようにしたことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記エアバッグはシートの背もたれ部の車外側の側縁部に設けられ、車両の進行方向前方に向かって前記ボディの側壁部と乗員との間の空間に膨張展開するように構成され、乗員の腰部、胸部、肩部及び頭部のうち少なくとも腰部及び胸部を保護するようになっている請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグの展開状態において、前記膨張部のうち厚み規制部よりも車両の進行方向前方及び下方に形成される幅狭膨張部は、側方から見て円弧状に、かつほぼ同じ幅に形成されている請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグはシートの着座部の車外側の側縁部に設けられ、上方に向かって前記ボディの側壁部と乗員との間の空間に膨張展開するように構成され、乗員の腰部、胸部、肩部及び頭部のうち少なくとも腰部及び胸部を保護するようになっている請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記エアバッグは、互いに対向する一対の基布からなり、前記厚み規制部は、前記両基布の間に補強布を介在させて縫製糸により縫製したものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記厚み規制部は、複数に分割され、各厚み規制部の間にはガスの通路が形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記厚み規制部は、円形状に形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記厚み規制部は、インフレータのガス噴射ノズルから噴射される主たるガス流方向よりも下方又は上方にオフセットされている請求項1〜7のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置。
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