JP2005053243A - 跳上げ式折畳みシート - Google Patents

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Abstract

【課題】シート全体を折畳み状態で簡単な機構により自動的に跳ね上げでき、シート全体の跳ね上りに伴う衝撃を緩衝し、シート跳上げ時の自立保持力を持たせて跳上り状態を安定よく保つ。
【解決手段】シート全体を据付け倒しする回転によりバネ力を蓄積するシート跳上げ用のバネ10,11をベースフレーム4の枢軸に備えると共に、シート全体の跳上げ速度を規制する減速ダンパー14を片側に設置するスタンド脚部5の枢軸と連結させて備え、更に、シート全体の跳上げ姿勢を規制する弾性パッド15をシートクッション1の前部側に突出させてスタンド脚部5と当接可能に備え付ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートバックをシートクッションに折り畳んでシート全体を後部側から上方に跳上げ可能に装備する跳上げ式折畳みシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用シートはシートバックをシートクッションにリクライニング機構で折畳み可能に組み立てられていることは勿論、シートクッションの下部前後方向に取り付けられるアッパーレールをロアーレールでスライド可能に支持することによりスライドレールを備え、シートをスライドレールで車内の前後方向に移動可能に装備されている。
【0003】
その自動車用シート,殊に、ワゴン車等のリアシートにおいては荷物等の収容スペースを確保するべく、シートバックをシートクッションに折り畳んでシート全体を後部側からスライドレールと共に上方に跳上げ可能に構成することが企画されている。
【0004】
その折畳みシートを跳上げ可能に構成するには、ロアーレールの前端側を車体フロアに設置するスタンド脚部で枢着支持し、且つ、車体フロアより立ち上がるストライカを後端寄り下部に取り付けられるストライカロックでくわえ込んでロアーレールの後端側をストライカに据付け載置するスライドレールを備えると共に、ストライカをくわえ込むストライカロックの解除機構を乗員の操作により開錠作動可能に備え付ければよい。
【0005】
そのストライカロックの開錠操作後は、シート全体を折畳み状態で後部側から持ち上げれば、スタンド脚部で軸承支持するスライドレールの枢軸を支点に、スライドレールを含むシート全体を上方に立付け回転するようにできる。然し、この手作業による跳上げではシート全体が重くて重量があるから労力を要する。また、この単なる跳上げ機構のみでは立付け姿勢を安定よく保てない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート全体を折畳み状態で簡単な機構により自動的に跳ね上げられて跳上げ姿勢を安定よく保てる跳上げ式折畳みシートを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明はシート全体を折畳み状態で簡単な機構でより安定よく跳ね上げられる跳上げ式折畳みシートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る跳上げ式折畳みシートにおいては、前端側を車体フロアに設置する左右のスタンド脚部で枢着支持し、且つ、車体フロアより立ち上がる二つのストライカを後端寄り下部に装備する左右のストライカロックで各々くわえ込んで後端側をストライカに据付け載置するベースフレームを備えると共に、各ストライカをくわえ込むストライカロックの解除機構を備え、各ストライカロックによるストライカの解除により、スタンド脚部で軸承支持するベースフレームの枢軸を支点に、シート全体を折畳み状態でベースフレームと共に後部側から上方に跳上げ可能に組み立てるもので、
シート全体をストライカに据付け倒しする回転によりバネ力を蓄積するシート跳上げ用のバネを各ベースフレームの枢軸に備えると共に、シート全体の跳上げ速度を規制する減速ダンパーを片側に設置するスタンド脚部の枢軸と連結させて備え付け、更に、シート全体の跳上げ姿勢を規制する弾性パッドをシートクッションの前部側に突出させてスタンド脚部と当接可能に備え付けることにより構成されている。
【0009】
本発明の請求項2に係る跳上げ可能なスライド式折畳みシートにおいては、捩りコイルバネを片側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備えると共に、渦巻きバネを他側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備え、更に、その渦巻きバネを備えるスタンド脚部の枢軸と連結させて減速ダンパーを備え付けることにより構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して説明すると、図示実施の形態は、図1で示すようにシート設置部位のフロア面fが乗員足置き部位のフロア面fより高位に形成されたワゴン車等の車体フロアFに装備するリアシートを構成するのに適用されている。
【0011】
その自動車用シートは、シートクッション1と、シートクッション1より立ち上がるシートバック2並びにヘッドレスト3とを備えると共に、リクライニング機構(図示せず)をシートクッション1とシートバック2との枢軸部に備え、ヘッドレスト3を含むシートバック2を前後に傾倒可能なリクライニング式に組み立てられている。
【0012】
そのリクライニング式に加えて、シートクッション1の下部前後方向に取り付けられるアッパーレール4aと、アッパーレール4aをスライド可能に支持するロアーレール4bとから組み立てられるスライドレール4をベースフレームとして備え、シートクッション1からシートバック2のシート全体をスライドレール4で車内の前後方向に位置移動可能なスライド式シートとして装備されている。
【0013】
そのスライドレール4は、前端部がフロア面fの前部寄りに取付け設置するスタンド脚部5で枢着支持され、且つ、後端部がレール後端寄り下部に備え付けるストライカロック6でフロア面fから立ち上がるストライカ7をくわえ込むことによりストライカ7に据付け載置されるロアーレール4bをベースとして車体フロアFに敷設されている。
【0014】
その構成中、ストライカロック6はストライカ7をくわえ顎の口内に嵌め合わせると施錠作動し、後述するストライカロック解除機構の牽引ワイヤで引っ張ると開錠作動する可動爪(図示せず)を備えるもので、ロアーレール4bを含むシート全体のロック機構として取り付けられている。これに対し、ストライカ7は丸棒状の金属部材をコの字状に折り曲げたもので、コの字の両軸端をフロア面fに立付け装着することにより止め金として備え付けられている。
【0015】
そのストライカロック6には、ストライカ7のくわえ込みを開錠するストライカロックの解除機構8が備え付けられている。このストライカロックの解除機構8は、ストラップによる引張り操作でストライカロック6の可動爪を開錠作動させるようシートクッション1の下部側に備え付けると共に、ストライカロック6と牽引ワイヤ(図示せず)で連結することによりストライカロック6を開錠操作可能に取付け装備されている。
【0016】
そのストライカロック6は、図2で示す(但し、ロアーレールを主に示す。)ように左右のロアーレール4bに備え付けると共に、ストライカ7も左右に備えてシート全体をストライカ7に安定よく据付け載置できるよう装備されている。また、ストライカロック解除機構8は二つのストライカロックを同時に開錠作動できるよう各ストライカロックと二本の牽引ワイヤで連結することにより備え付けられている。
【0017】
スライドレール4には、スライドロック機構(図示せず)を開錠作動する操作レバー9がアッパーレール4aからシートクッション1の前部下方に延びるよう備え付けられている。この操作レバー9は、乗員が引上げ揺動するとスライドロックを解除し、一方、引上げを解除するとスライドロックを施錠するようスライドロック機構を作動可能に装備されている。
【0018】
そのスライド式折畳みシートにおいては、図3で示すようにシート全体をストライカに据付け倒しする回転によりバネ力を蓄積すると共に、シート跳上げ時の自立保持力を確保するバネ10,11が両側のスタンド脚部5で軸承支持する各ロアーレール4bの枢軸に夫々備え付けられている。
【0019】
そのバネ10,11のうち、片方10は捩りコイルバネとし、他方11はシート跳上げ時の自立保持力を高める渦巻きバネとして、各バネのバネ端をロアーレール4bの枢軸と、ロアーレール4bの枢軸を軸承支持するスタンド脚部5とに各々連結することにより備え付けられている。但し、捩りコイルバネ10は片方のロアーレール4に挿通する枢軸の軸線上に備え、渦巻きバネ11は他方のロアーレール4より内側に突出する枢軸の軸線上に備えることにより取り付けられている。
【0020】
その渦巻きバネ11は、図4で示すように渦巻き内側のバネ端11aをロアーレール4より内側に突出する枢軸4cの軸線上に連結し、渦巻き外側のバネ端11bを枢軸4aと平行でロアーレール4より内側に突出する支軸12の軸線上に連結することにより備え付けられている。この渦巻きバネ11は、ゴム輪状のバネカバー13で取巻き被覆されている。
【0021】
その渦巻きバネ11の装備側には、シート全体の跳上げ速度を規制する減速ダンパー14がバネ10,11で瞬発的に跳ね上がるシート全体を跳上げ途上から徐速させるよう備え付けられている。この減速ダンパー14は油圧シリンダでなり、シリンダロッドをスライドレール4の枢軸4c(図4参照)と軸端で連結すると共に、シリンダ筒をスタンド脚部5より突出する支軸12で回止め固定することにより渦巻きバネ11のバネ変形と連動するよう取り付けられている。
【0022】
そのバネ10,11、減速ダンパー14と共に、シート全体の跳上げ姿勢を規制する弾性パッド15が各スタンド脚部5と当接するようシートクッション2の前面フランジ16で前部側下部寄りに突出させて備え付けられている。このシートクッション2の弾性パッド15に相応し、両側のスタンド脚部5にはシート全体の跳上げ姿勢を調整するスペーサパッド17が設けられている。
【0023】
このように構成する跳上げ式の折り畳みシートでは、図5で示すようにシートバック2をシートクッション1の上に前倒しに折り畳んでから、ストライカロックの解除機構8をストラップにより引張り操作すると、ストライカロック6がストライカ7のくわえ込み挟持を解除すると共に、バネ10,11がバネ反力を発揮することにより、図6で示すようにシート全体が折畳み状態で後部側から上方に自動的に跳ね上がる。
【0024】
そのシート全体の跳上り当初は、シート全体の重量がってもバネ10,11により瞬発的に且つ円滑に跳ね上げられる。また、跳上げ途上からは減速ダンパー14により徐速させて跳ね上げでき、完全に跳ね上がると、弾性パッド15と受けパッド17と当接し、また、シート跳上げ時の自立保持力を高める渦巻きバネ11を備えることにより、シート全体の跳ね上りに伴う衝撃を緩衝できて跳上げ姿勢を安定よく立付け保持できる。
【0025】
そのシート全体は、片方を捩りコイルバネ10として太いバネ線材を大きな径のコイル状に巻線したものを備え、他方を渦巻きバネ11として減速ダンパー14とバネバランスを調整し易くしかもシート跳上げ時の自立保持力を高めるものを備えるため、シート全体の重量に相応するバネトルクを保って瞬発的に安定よく跳上げ動作することができる。
【0026】
なお、上述した実施の形態ではスライドレール4を備えることから、スタンド脚部5と枢着するベースフレームをロアーレール4bで説明したが、このスライドレールを備えないでシートクッションを直付け場合にはシートクッションのアンダーフレームをシートのベースフレームとしてスタンド脚部5と枢着することにより跳上げ式に構成できる。
【0027】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の請求項1に係る跳上げ式折畳みシートに依れば、シート全体をストライカに据付け倒しする回転によりバネ力を蓄積するシート跳上げ用のバネを各ベースフレームの枢軸に備えると共に、シート全体の跳上げ速度を規制する減速ダンパーを片側に設置するスタンド脚部の枢軸と連結させて備え、更に、シート全体の跳上げ姿勢を規制する弾性パッドをシートクッションの前部側に突出させてスタンド脚部と当接可能に備え付けることにより、重量のあるシート全体を折畳み状態で簡単な機構により自動的に跳ね上げられると共に、跳上げ途上から減速ダンパーで徐速させて安定よく跳ね上げでき、また、弾性パッドによりシート全体の跳ね上りに伴う衝撃を緩衝できて跳上げ姿勢を安定よく立付け保持可能に構成できる。
【0028】
本発明の請求項2に係る跳上げ可能なスライド式折畳みシートに依れば、捩りコイルバネを片側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備えると共に、シート跳上げ時の自立保持力を高める渦巻きバネを他側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備え、更に、渦巻きバネを備えるスタンド脚部の枢軸と連結させて減速ダンパーを備え付けることにより、減速ダンパーによるバネバランスを適度に保ち、シート全体の重量に相応するバネトルクを保って瞬発的に安定よく跳上げ動作させ、また、シート跳上げ時の自立保持力を持たせられるよう構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る跳上げ式折畳みシートを示す説明図である。
【図2】同シートを跳上げ状態で後部側から示す説明図である。
【図3】同シートの前部側を一部示す説明図である。
【図4】同シートに備え付けられる渦巻きバネの取付構造を示す説明図である。
【図5】同シートの折畳み状態を示す説明図である。
【図6】同シートの跳上げ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シートクッション
2 シートバック
3 ヘッドレスト
4 ベースフレーム(スライドレール)
5 スタンド脚部
6 ストライカロック
7 ストライカ
8 ストライカロック解除機構
10,11 シート跳上げ用バネ
14 減速ダンパー
15 弾性パッド
F 車体フロア

Claims (2)

  1. 前端側を車体フロアに設置する左右のスタンド脚部で枢着支持し、且つ、車体フロアより立ち上がる二つのストライカを後端寄り下部に装備する左右のストライカロックで各々くわえ込んで後端側をストライカに据付け載置するベースフレームを備えると共に、各ストライカをくわえ込むストライカロックの解除機構を備え、各ストライカロックによるストライカの解除により、スタンド脚部で軸承支持するベースフレームの枢軸を支点に、シート全体を折畳み状態でベースフレームと共に後部側から上方に跳上げ可能に組み立てるシートにおいて、
    シート全体をストライカに据付け倒しする回転によりバネ力を蓄積するシート跳上げ用のバネを各ベースフレームの枢軸に備えると共に、シート全体の跳上げ速度を規制する減速ダンパーを片側に設置するスタンド脚部の枢軸と連結させて備え付け、更に、シート全体の跳上げ姿勢を規制する弾性パッドをシートクッションの前部側に突出させてスタンド脚部と当接可能に備え付けたことを特徴とする跳上げ式折畳みシート。
  2. 捩りコイルバネを片側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備えると共に、渦巻きバネを他側に設置するスタンド脚部の枢軸上に備え、更に、その渦巻きバネを備えるスタンド脚部の枢軸と連結させて減速ダンパーを備え付けたことを特徴とする請求項1に記載の跳上げ式折畳みシート。
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