JP2005051984A - コイル形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】捩りの発生がほとんどない単極コイルをいずれのコイル巻枠に対しても安定して形成できるコイル形成装置及びコイル形成方法を提供すること。
【解決手段】コイル形成装置1は、電線99をループ状に巻回してなる単極コイル90を複数連ねてなる連極コイル9を形成するものである。コイル形成装置1は、旋回中心軸C2を中心に旋回可能な旋回アーム21と、移動可能に配設されたインデックスホルダー22とを有している。インデックスホルダー22には、複数のコイル巻枠3が配設されており、各コイル巻枠3における各巻回軸C1は、互いに略平行で、旋回中心軸C2に対しても略平行である。コイル形成装置1は、インデックスホルダー22を移動させて、電線99の巻回を行うコイル巻枠3を順次旋回中心軸C2に接近させるよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ(電動機)等に用いられるコイルの形成装置に関する。
例えば、ステータコアのスロットに単極コイルを複数挿入してなるステータを有するモータを製造するに当たっては、上記単極コイルを複数連ねた連極コイルを形成する。
従来のコイル形成方法では、固定した巻枠の周りを回りながら電線(ワイヤー)を導出するワインダーを用いて、上記巻枠の周りに電線を巻回して単極コイルを形成する。例えば、特許文献1においては、電線の巻回を行う巻枠の外径を変更可能にしており、この巻枠の回りを上記ワインダーとしてのフライヤを回転させ、巻回を行った単極コイルを逐次ブレードに巻き落として、上記モータに用いる連極コイルを形成している。
特開2000−253631号公報
しかしながら、上記従来のコイル形成方法においては、上記ワインダー又はフライヤを回転させながら電線を供給するので、電線がワインダーの回転に伴って捩れながら巻枠に巻回される。そして、上記ステータコアのスロットに単極コイルを挿入する際に、この単極コイルにおける電線に捩れが生じていると、スロット中において電線が単独で移動しにくい等の理由により、このスロット中に無駄なスペースが生じるおそれがある。そのため、スロット中を単極コイルが占有するコイル占積率を向上させることが困難になる。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、捩りの発生がほとんどない単極コイルをいずれのコイル巻枠に対しても安定して形成することができるコイル形成装置を提供しようとするものである。
本発明は、電線をループ状に巻回してなる単極コイルを複数連ねてなる連極コイルを形成する装置であって、
上記単極コイルを巻回するための複数のコイル巻枠と上記単極コイル同士を結ぶ渡り線の長さを調節するための渡線調節部とを備えてなる巻き取り治具と、
該巻き取り治具全体を、上記複数のコイル巻枠のうちの上記電線の巻回を行ういずれか1つのコイル巻枠における巻回軸又は該巻回軸に略平行な軸を中心に回転させる回転装置とを有しており、
上記各コイル巻枠は、その上記巻回軸が互いに略平行になるよう配されており、
上記各コイル巻枠及び上記渡線調節部は、上記巻き取り治具において進退可能に配されていることを特徴とするコイル形成装置にある(請求項1)。
上記コイル形成装置は、上記回転装置により上記複数のコイル巻枠を配した巻き取り治具の全体を回転させて、上記電線の巻回を行って上記単極コイルを形成していくものである。また、上記コイル形成装置は、上記渡線調節部により上記単極コイル同士の間に上記渡り線を長さを調節した状態で形成するものである。
すなわち、このコイル形成装置においては、上記コイル巻枠に上記電線の巻回を行って上記単極コイルを形成する際には、上記回転装置により、この単極コイルを形成しようとするコイル巻枠における巻回軸又はこの巻回軸に略平行な軸を中心に上記巻き取り治具の全体を回転させる。そのため、従来のように、固定した巻枠の外周からワインダー等を回転させながら電線を巻回することがなく、各コイル巻枠への電線の供給方向があまり変化することがない。そのため、電線に捩りをほとんど発生させることなく、各コイル巻枠に各単極コイルを形成することができ、上記渡線調節部に渡り線を形成することができる。
それ故、上記コイル形成装置によれば、上記捩りの発生がほとんどない単極コイル及び渡り線を、いずれのコイル巻枠及び渡線調節部に対しても安定して形成することができ、捩りの発生がほとんどない連極コイルを安定して形成することができる。
さらに、上記コイル形成装置における上記各コイル巻枠及び渡線調節部は、上記巻き取り治具において進退可能に配されている。そのため、上記各コイル巻枠への上記電線の巻回は、各コイル巻枠をそれぞれ前進させた状態で行うことができる。また、上記渡線調節部への上記電線の巻付は、この渡線調節部を前進させた状態で行うことができる。そして、各コイル巻枠及び渡線調節部の進退は、形成する連極コイルの形状に応じて任意に行うことができる。
そのため、上記電線の巻回及び巻付を行うために前進させたコイル巻枠及び渡線調節部に、コイル巻枠の巻回軸に直交する方向から容易に電線を供給することができる。そのため、電線の供給が容易であると共にコイル巻枠及び渡線調節部への電線の巻回及び巻付も容易であり、上記電線の捩りの発生がほとんどない連極コイルを一層容易に形成することができる。
なお、上記各コイル巻枠及び上記渡線調節部は、各コイル巻枠における巻回軸の形成方向に進退させることができる。この場合、各コイル巻枠及び渡線調節部は、各コイル巻枠における巻回軸の形成方向に若干傾斜した方向に進退させることもできる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記連極コイルは、モータにおけるステータコア又はロータコアのスロットに挿入配置して用いることができる。また、上記モータは、種々の用途に用いるものとすることができ、例えば、電気自動車又はハイブリッドカーにおけるモータジェネレータとして用いるものとすることができる。
また、上記回転装置は、旋回中心軸を中心にして旋回可能である旋回アームを有しており、また、上記巻き取り治具は、上記旋回アームに対して移動可能に配設されたインデックスホルダーを有しており、上記複数のコイル巻枠は、その上記巻回軸が上記旋回中心軸に対して略平行に配された状態で上記インデックスホルダーに配設されており、上記コイル形成装置は、上記インデックスホルダーを移動させて、上記電線の巻回を行うコイル巻枠を順次上記旋回中心軸に接近させることができるよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記インデックスホルダーの移動により、上記各コイル巻枠及び渡線調節部は、上記電線の巻回又は巻付を行うものから順次上記旋回中心軸に接近させることができる。そのため、上記各コイル巻枠及び渡線調節部には、これらが上記旋回中心軸からあまり偏心していない状態で上記電線の巻回又は巻付を行うことができる。そのため、電線の捩りの発生がほとんどない単極コイル及び渡り線を容易に形成することができる。
また、上記インデックスホルダーは、上記旋回中心軸に対して略平行にオフセットした位置に形成した回動中心軸を中心にして、上記旋回アームに回動移動可能に配設されており、上記各コイル巻枠は、上記回動中心軸から略同一の距離に円弧状に上記インデックスホルダーに配設してあり、上記インデックスホルダーを回動移動させることによって、上記電線の巻回を行うコイル巻枠を順次上記旋回中心軸に接近させることができるよう構成することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記円弧状に配設した各コイル巻枠により、円弧状に連なる連極コイルを形成することができる。そのため、この連極コイルを円環形状のステータコア又は円形状のロータコアにおけるスロットに挿入配置することが容易になる。
また、上記インデックスホルダーは、上記回動中心軸を中心に回動移動させるだけで、上記各コイル巻枠を順次上記旋回中心軸に接近させることができる。そのため、簡単な構造のインデックスホルダーにより、上記捩りの発生がほとんどない連極コイルを容易に形成することができる。
なお、上記円弧状に配設した上記各コイル巻枠とは、仮想の円弧上に並ぶよう各コイル巻枠を配設したことをいう。
また、上記各コイル巻枠は、上記インデックスホルダーに対して上記旋回中心軸の方向に進退可能に配設してあり、上記電線の巻回を行うコイル巻枠を、残りのコイル巻枠に対して上記旋回アームから離れる前進方向に前進させ、該残りのコイル巻枠よりも突出させるよう構成することが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記突出させたコイル巻枠に対して、その巻回軸に直交する方向から容易に電線を供給することができる。そのため、電線の供給が容易であると共にコイル巻枠への電線の巻回も容易であり、上記捩りの発生がほとんどない連極コイルを一層容易に形成することができる。
また、上記各コイル巻枠は、上記インデックスホルダーに取り付けた内側巻枠部と、該内側巻枠部に対向配設した外側巻枠部とを有しており、上記外側巻枠部は、上記電線の巻回を行う際の巻回位置と、上記巻回を行った後の上記単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際の離脱位置との間で、上記内側巻枠部との間の距離を変更するよう移動可能であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記各コイル巻枠は、上記電線の巻回を行う際には、上記外側巻枠部を上記巻回位置にして、外側巻枠部と上記内側巻枠部との間の距離で決定される巻き径の単極コイルを形成することができる。
また、上記各コイル巻枠は、上記巻回後の単極コイルを離脱させる際には、上記外側巻枠部を上記離脱位置にして、外側巻枠部と内側巻枠部との間の距離を縮小させて、各単極コイルを離脱することができる。
また、上記外側巻枠部は、上記旋回アームから離れる前進方向に向けて段階的に拡径していることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記外側巻枠部を上記巻回位置にしたときには、当該コイル巻枠の外径が上記前進方向に向けて段階的に大きい状態を形成して、上記前進方向に向けて電線の巻き径が大きくなる単極コイルを形成することができる。そのため、この単極コイルからなる連極コイルをステータコア又はロータコアにおけるスロットに挿入配置する際には、この連極コイルは、挿入配置を行うスロットの開口側に上記巻き径が大きい側を位置させて、まとまりよく挿入配置することができる。
また、上記外側巻枠部を上記離脱位置にしたときには、当該コイル巻枠の外径が上記前進方向に向けて小さくなる状態を形成して、上記各単極コイルの離脱を容易に行うことができる。
また、上記各コイル巻枠は、その上記巻回軸が仮想の円弧上に並ぶよう配されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記複数のコイル巻枠において、単極コイルが仮想の円弧上に並ぶ連極コイルを形成することができ、この連極コイルをステータコア又はロータコアに配置することが容易になる。
また、上記渡線調節部は、上記複数のコイル巻枠のうちの上記電線を渡して巻回する互いに隣接するコイル巻枠同士の間に配されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、コイル巻枠と渡線調節部との間の距離を近づけることができ、渡り線をできるだけ短く形成することができる。そのため、捩りの発生がほとんどない渡り線を最適な長さに形成することができ、この渡り線により複数の単極コイルを連ねてなる連極コイルを、ステータコア又はロータコアにまとまりよく組み付けることができる。また、コイル巻枠と渡線調節部との間の距離を近づけることができるため、これらを配した巻き取り治具をコンパクトにすることもできる。
また、上記渡線調節部における上記電線の巻付を行う巻付面は、上記複数のコイル巻枠の上記電線の巻回を行う各巻回面における外周端部を通る仮想円の内側又はその近傍に配することがさらに好ましい。
この場合、上記外周端部とは、上記各コイル巻枠の巻回面において、上記仮想の円弧上に配した複数のコイル巻枠の配置中心より最も離れた部分のことをいう。また、上記渡線調節部における巻付面が上記仮想円の近傍に配されている状態とは、各渡線調節部の一部が仮想円上に位置する状態、又は各渡線調節部における各巻付面の一部が仮想円上に位置する状態のことをいう。
また、上記渡線調節部は、上記コイル巻枠に配設されており、該コイル巻枠と共に進退するよう構成されていることが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記渡線調節部は単独で進退させなくてもよく、渡線調節部を進退させるために特別な機構を設ける必要がない。そのため、簡単な構造の巻き取り治具により、上記電線の供給が容易であると共にコイル巻枠及び渡線調節部への電線の巻回及び巻付も容易であるコイル形成装置を形成することができる。
また、この場合には、上記渡線調節部を上記コイル巻枠の近くに設けることが容易であり、コイル巻枠に電線の巻回を行う際に、この巻回の妨げにならない位置に渡線調節部を容易に設けることができる。
また、上記渡線調節部は、単独で進退可能であると共にいずれかの上記コイル巻枠と同期して進退するよう構成されていることもできる(請求項10)。
この場合にも、上記電線の巻回及び巻付を行うコイル巻枠及び渡線調節部をほぼ同じタイミングで進退させることにより、上記電線の供給が容易であると共にコイル巻枠及び渡線調節部への電線の巻回及び巻付も容易であるコイル形成装置を形成することができる。
また、上記各コイル巻枠は、上記巻き取り治具に固定した固定側巻枠部と、該固定側巻枠部に対向配設した可動側巻枠部とを有しており、上記可動側巻枠部は、上記固定側巻枠部における進退方向の後退側端部の近傍に形成した回動支点部を中心にして、上記電線の巻回を行う際の巻回位置と、上記巻回を行った後の上記単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際の離脱位置との間で、上記固定側巻枠部との間の距離を変更するよう回動可能であることが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記各コイル巻枠は、上記電線の巻回を行う際には、上記可動側巻枠部を上記巻回位置にして、可動側巻枠部と上記固定側巻枠部との間の距離で決定される巻き径の単極コイルを形成することができる。
また、上記各コイル巻枠は、上記巻回後の単極コイルを離脱させる際には、上記可動側巻枠部を上記離脱位置に回動させて、可動側巻枠部と固定側巻枠部との間の距離を縮小させ、単極コイルを離脱することができる。
また、上記渡線調節部は、いずれかの上記コイル巻枠の上記可動側巻枠部における進退方向の後退側端部の近傍と、いずれかの上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍とに配されていることが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記可動側巻枠部を上記離脱位置へと回動させると同時に、上記可動側巻枠部の後退側端部の近傍に配設した渡線調節部も回動させることができる。そのため、例えば、上記仮想の円弧上に配した複数のコイル巻枠における配置中心から、上記コイル巻枠の可動側巻枠部における進退方向の後退側端部の近傍に配した渡線調節部の巻付面までの距離を、当該コイル巻枠の外周端部までの距離と同じぐらいにしても、この渡線調節部から上記巻付を行った渡り線を容易に離脱することができる。
なお、上記外周端部とは、上記各コイル巻枠の巻回面において、上記仮想の円弧上に配した複数のコイル巻枠の配置中心より最も離れた部分のことをいう。
また、上記コイル巻枠の上記可動側巻枠部における上記後退側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記巻回面における最初に上記電線の巻回を行う初回巻回面部に対向しており、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における上記前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記巻回面における最後に上記電線の巻回を行う最終回巻回面部に対向していることが好ましい(請求項13)。
この場合には、上記巻回を行う電線は、前回に巻回を行ったコイル巻枠から、これから巻回を行うコイル巻枠の可動側巻枠部における後退側端部の近傍に配された渡線調節部へと渡した後、これから巻回を行う当該コイル巻枠の巻回面における初回巻回面部に巻回を行うことができる。また、当該コイル巻枠の巻回面において、上記最終回巻回部まで上記電線の巻回を行った後には、さらに次に巻回を行うコイル巻枠の固定側巻枠部における前進側端部の近傍に配された渡線調節部へと渡すことができる。そのため、このような渡線調節部の配置により、この渡線調節部が上記コイル巻枠に電線の巻回を行う際の妨げにならず、コイル巻枠と渡線調節部との間で滑らかに電線を渡すことができる。
また、上記巻き取り治具は、上記渡線調節部を配設していないコイル巻枠と、上記渡線調節部をそれぞれ上記可動側巻枠部における上記後退側端部の近傍と上記固定側巻枠部における上記前進側端部の近傍とに配設したコイル巻枠とを、互いに隣接させて交互に配してなることが好ましい(請求項14)。
この場合には、上記複数のコイル巻枠を上記渡線調節部を配設していないコイル巻枠と、上記渡線調節部を配設したコイル巻枠とに分別して形成することにより、各コイル巻枠及び渡線調節部に電線の巻回及び巻付を行うときの進退の動作を容易にすることができる。また、この場合には、上記渡り線の長さが最適になるようコイル巻枠に対する渡線調節部の位置を容易に決定することができる。
また、上記渡線調節部の先端部には、該渡線調節部の上記巻付面を拡径させた鍔部が形成されていることが好ましい(請求項15)。
この場合には、上記鍔部により、上記渡線調節部の巻付面に巻き付けた電線が不意に外れてしまうことを容易に防止することができる。
また、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠に対して着脱可能であることが好ましい(請求項16)。
この場合には、上記巻回を行った後の単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際に、上記渡線調節部を当該コイル巻枠から取り外すことができる。そのため、渡線調節部が単極コイルを離脱する際の障害物になることがなく、単極コイルをコイル巻枠から一層容易に離脱することができる。
また、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記可動側巻枠部を上記離脱位置に回動させたときには、該回動に連動して、当該コイル巻枠内に収納されるよう構成されていることが好ましい(請求項17)。
この場合には、上記巻回を行った後の単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際に、上記可動側巻枠部を上記離脱位置へと回動させると同時に、上記固定側巻枠部の前進側端部の近傍に配設した渡線調節部を移動させて、当該コイル巻枠内に収納することができる。そのため、渡線調節部が単極コイルを離脱する際の障害物になることがなく、単極コイルをコイル巻枠から一層容易に離脱することができる。
なお、コイル巻枠内に渡線巻枠部を収納した状態とは、渡線巻枠部を、固定側巻枠部と可動側巻枠部とによって形成されるコイル巻枠の外形よりも内側に収納した状態のことをいう。
また、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、上記固定側巻枠部に対して回動可能であると共に、該回動の支点となる回動支点部と、上記可動側巻枠部に形成された被係合部に係合する係合部とを有しており、上記可動側巻枠部が上記離脱位置へと回動する際に、上記係合部が上記被係合部に係合し、上記回動支点部を中心にして回動することにより、当該コイル巻枠内に収納されるよう構成することが好ましい。
この場合には、渡線調節部の簡単な工夫により、これをコイル巻枠内に容易に収納することができる。
以下の実施例1においては、図1〜図11を用いて、巻回方向が同じである複数の単極コイルを連ねてなる連極コイルを形成するためのコイル形成装置につき説明し、電線から連極コイルを形成するコイル形成工程につき説明する。
また、以下の実施例2においては、図12〜図20を用いて、巻き取り治具とインサータ治具とを有してなるコイル形成挿入装置につき説明し、巻き取り治具に保持した連極コイルを一旦インサータ治具に移載するコイル移載工程と、インサータ治具から連極コイルをステータコアの各スロットに挿入配置するコイル挿入工程とにつき説明する。
また、以下の実施例3においては、図21〜図39を用いて、巻回方向が互いに逆である複数の単極コイルを連ねてなる連極コイルを形成するための他のコイル形成装置につき説明し、電線から連極コイルを形成する方法につき説明する。
そして、実施例1、3においては、コイル形成装置及びコイル形成方法につき説明し、実施例2においては、コイル形成挿入装置及びコイル形成挿入方法につき説明する。
また、実施例2において用いる巻き取り治具は、実施例1において用いる巻き取り治具と同じものであり、実施例2においても図1〜図11のいずれかを用いて説明をすることがある。
(実施例1)
本例のコイル形成装置1は、図1、図2に示すごとく、電線99をループ状に巻回してなる単極コイル90を複数連ねてなるモータ用のコイルである連極コイル9を形成するものである。コイル形成装置1は、架台(図示略)と、この架台に、旋回装置(図示略)に接続される旋回中心軸C2を中心にして旋回可能に配設された旋回アーム21と、巻き取り治具2とを有してなる。また、巻き取り治具2は、旋回アーム21に対して移動可能に配設されたインデックスホルダー22と、このインデックスホルダー22の外周面に配設した複数のコイル巻枠3とを有している。
また、各コイル巻枠3における上記電線99の巻回を行う各巻回軸C1は、互いに略平行であると共に上記旋回中心軸C2に対しても略平行である。そして、コイル形成装置1は、上記インデックスホルダー22を移動させて、上記電線99の巻回を行うコイル巻枠3を順次上記旋回中心軸C2に接近させることができるよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、上記インデックスホルダー22は、上記旋回中心軸C2に対して略平行にオフセットした位置に形成した回動中心軸C3を中心にして、上記旋回アーム21に回動移動可能に配設されている。また、上記各コイル巻枠3は、上記回動中心軸C3から略同一の距離に円弧状に並ぶよう上記インデックスホルダー22に配設されている。
また、上記回動中心軸C3から各コイル巻枠3における巻回軸C1までの巻枠距離L1は、上記旋回アーム21の旋回中心軸C2から上記インデックスホルダー22の回動中心軸C3までのオフセット距離L2と略同一になっている。
そして、上記インデックスホルダー22を旋回アーム21に対して、所定の角度回動させることによって、上記電線99の巻回を行うコイル巻枠3の巻回軸C1を順次上記旋回中心軸C2にほぼ合わせることができ、この状態で電線99の巻回を行うことができる。
また、上記円弧状に並ぶよう配設した各コイル巻枠3により、円弧状に連なる連極コイル9を形成することができる(図11参照)。
また、図3に示すごとく、上記各コイル巻枠3は、上記インデックスホルダー22に対して上記旋回中心軸C2の方向に進退可能に配設してある。そして、上記電線99の巻回を行うコイル巻枠3は、残りのコイル巻枠3に対して上記旋回アーム21から離れる前進方向に前進させることにより、残りのコイル巻枠3よりも突出させることができる。そのため、上記突出させたコイル巻枠3に対して、その巻回軸C1に直交する方向から容易に電線99を供給することができ、電線99の供給が容易であると共にコイル巻枠3への電線99の巻回も容易である。
また、図2に示すごとく、上記各コイル巻枠3は、上記インデックスホルダー22の外周面に円周状(放射状)に並ぶよう配設されている。本例では、各コイル巻枠3は、インデックスホルダー22の外周面に略等間隔に並ぶよう配設されている。また、本例では、単極コイル90を4つ連ねてなる連極コイル9を形成するため、コイル巻枠3は4つ配設されている。
また、図3、図4に示すごとく、各コイル巻枠3は、インデックスホルダー22に取り付けた内側巻枠部31と、この内側巻枠部31に対向配設した外側巻枠部32とを有している。外側巻枠部32は、図3に示すごとく、上記電線99の巻回を行う際の巻回位置301と、図4に示すごとく、上記巻回を行った後の単極コイル90を当該コイル巻枠3から離脱させる際の離脱位置302との間で、内側巻枠部31との間の距離を変更するよう移動可能である。また、外側巻枠部32は、上記旋回アーム21から離れる前進方向に向けて段階的に拡径している。
そして、図3に示すごとく、外側巻枠部32を巻回位置301にしたときには、当該コイル巻枠3の外径が上記前進方向に向けて段階的に大きい状態を形成することができる。そして、前進方向に向けて電線99の巻き径が大きくなる単極コイル90を形成することができ、外側巻枠部32と内側巻枠部31との間の距離で決定される正規寸法の巻き径を有する単極コイル90を形成することができる。
また、上記各単極コイル90からなる連極コイル9をステータコア81におけるスロット810に挿入配置する際には、この連極コイル9は、挿入配置を行うスロット810の開口側に上記巻き径が大きい側を位置させて、挿入配置することができる。そして、各単極コイル90がステータコア81の軸方向の両端部から突出して形成されたコイルエンド部は、上記開口側に位置する部分からステータコア81の外方に向けて移動変形させることにより、小さくすることができる。すなわち、一方側から他方側に向けて巻き径が大きくなる各単極コイル90を形成することにより、各単極コイル90の長さを必要最小限の長さに近づけて、コイルエンド部を小さくすることができる。
また、図4に示すごとく、外側巻枠部32を離脱位置302にしたときには、当該コイル巻枠3の外径が上記前進方向に向けて小さくなる状態を形成することができる。そして、外側巻枠部32と内側巻枠部31との間の距離を縮小させて、単極コイル90を容易に離脱することができる。
また、図3、図4に示すごとく、本例においては、上記各コイル巻枠3は、これにハンドル35を設けて手動で進退させて、位置決めピン34で進退位置を固定する構成とした。これ以外にも、各コイル巻枠3の進退は、シリンダー又はモータ等を用いて行うこともできる。
また、本例においては、各コイル巻枠3において、各内側巻枠部31に回動可能にカム33を配設しており、図3に示すごとく、上記巻回位置301は、カム33を各外側巻枠部32に向けて起立させたときに形成し、図4に示すごとく、上記離脱位置302は、カム33を各内側巻枠部31に向けて倒したときに形成した。これ以外にも、外側巻枠部32の巻回位置301と離脱位置302との間での移動は、シリンダー又はモータ等を用いて行うこともできる。
また、図1、図2に示すごとく、上記インデックスホルダー22において、上記各コイル巻枠3同士の間には、各単極コイル90同士の間を結ぶ渡り線995を巻き付けるための渡線調節部としての渡線巻枠41が配設されている。本例では、上記4つのコイル巻枠3同士の各間において、3つの渡線巻枠41が配設されている。そして、渡線巻枠41に電線99の巻付けを行うことにより、各コイル巻枠3に形成した単極コイル90同士の間に、規定の長さの渡り線995を形成することができる(図11参照)。
また、図1、図2に示すごとく、本例においては、一番目に電線99の巻回を行う第1のコイル巻枠3aと、最後に巻回を行う第4のコイル巻枠3dとの間には、第1のコイル巻枠3aに巻回を行う前に、上記電線99を巻回して予め所定長さのリード線996を確保しておくためのリード巻枠42が配設されている。このリード線996とは、第1のコイル巻枠3aにおいて形成する第1の単極コイル90aの巻き端部に繋がる電線99のことをいう(図11参照)。
また、本例では、リード巻枠42の断面形状は略円形状としており、電線99に折れ曲がり等を発生させることなく、安定して所定長さのリード線996を第1の単極コイル90aの巻き端部に確保することができる。
また、上記渡線巻枠41及びリード巻枠42も、上記コイル巻枠3と同様に、上記インデックスホルダー22に対して上記旋回中心軸C2の方向に進退可能であり、残りのコイル巻枠3及び渡線巻枠41に対して上記旋回アーム21から離れる前進方向に前進して、残りのコイル巻枠3及び渡線巻枠41よりも突出させることが可能である。
図1、図2に示すごとく、上記旋回アーム21は、上記旋回中心軸C2を中心にして正逆両回転方向に旋回可能である。そして、本例では、同一巻き方向に巻回された4つの単極コイル90が連なった連極コイル9を形成する。そのため、上記コイル巻枠3に巻回するときの旋回アーム21の回転方向と、上記渡線巻枠41に巻回するときの旋回アーム21の回転方向とは逆であり、上記コイル形成装置1は、正逆両回転方向に交互に回動して上記連極コイル9を形成する。
以下に、コイル巻枠3に巻回を行うときの旋回アーム21の旋回方向を正回転方向といい、渡線巻枠41及びリード巻枠42に巻回を行うときの旋回アーム21の旋回方向を逆回転方向という。
また、図示は省略するが、上記架台には、上記旋回アーム21をその旋回中心軸C2を中心に旋回させるための旋回装置が配設されている。そして、旋回中心軸C2は旋回装置に接続されている。なお、本例においては、旋回装置としては、旋回アーム21にハンドルを設けて手動で旋回させることができる構成とした。これ以外にも、旋回装置としては、電動、油圧又はエアー等を用いて作動する各種モータ又はインデックスシリンダー等を用いることもできる。
以下に、上記コイル形成装置1を用いて連極コイル9を形成するコイル形成工程につき説明する。
このコイル形成工程においては、上記コイル形成装置1を用いて、以下のインデックス工程、突出工程及び巻回工程を上記各コイル巻枠3に順次行って上記単極コイル90を形成し、この単極コイル90が連なった連極コイル9を形成する。
図1に示すごとく、上記コイル形成装置1は、上記インデックスホルダー22の原位置においては、上記リード巻枠42が上記旋回アーム21における旋回中心軸C2に最も近接した位置にある。この原位置においては、リード巻枠42における巻回軸C1が、旋回アーム21における旋回中心軸C2とほぼ合っている。
そして、前処理工程として、リード巻枠42を前進させて、これを各コイル巻枠3及び各渡線巻枠41よりも突出させる。そして、上記リード巻枠42に電線99を供給すると共に旋回アーム21を逆回転方向に旋回させて、リード巻枠42に電線99を巻回し、所定長さのリード線996を形成する。
上記電線99の供給は、上記コイル形成装置1の横方向、すなわち各コイル巻枠3、各渡線巻枠41及びリード巻枠42の電線99の巻回を行う巻回面に直交する方向から行う。
次いで、図5に示すごとく、上記インデックス工程として、インデックスホルダー22を所定角度回動させて、第1のコイル巻枠3aの巻回軸C1を上記旋回中心軸C2にほぼ合わせる。
また、上記突出工程として、第1のコイル巻枠3aを前進させて、この第1のコイル巻枠3aを突出させると共にリード巻枠42を後退させる。
そして、図6に示すごとく、上記巻回工程として、第1のコイル巻枠3aに電線99を供給すると共に旋回アーム21を正回転方向に旋回させて、第1のコイル巻枠3aに電線99を複数回巻回して第1の単極コイル90aを形成する。また、第1のコイル巻枠3aにおける外側巻枠部32は上記巻回位置301にあり、この第1のコイル巻枠3aの外径が上記前進方向に向けて段階的に大きい状態を形成している。そして、前進方向に向けて電線99の巻き径が大きくなる単極コイル90を形成することができる。
次いで、図7に示すごとく、上記インデックス工程を再び行って、インデックスホルダー22を所定角度回動させて、第1の渡線巻枠41aの巻回軸C1を上記旋回中心軸C2にほぼ合わせる。また、突出工程として、第1の渡線巻枠41aを前進させて、この第1の渡線巻枠41aを突出させると共に第1のコイル巻枠3aを後退させる。
次いで、渡線形成工程として、第1の渡線巻枠41aに電線99を供給すると共に旋回アーム21を逆回転方向に旋回させて、第1の渡線巻枠41aに電線99を巻き付けて上記渡り線995を形成する。
次いで、図8に示すごとく、上記インデックス工程を再び行って、インデックスホルダー22を所定角度回動させて、第2のコイル巻枠3bの巻回軸C1を上記旋回中心軸C2にほぼ合わせる。また、突出工程として、第2のコイル巻枠3bを前進させて、この第2のコイル巻枠3bを突出させると共に第1の渡線巻枠41aを後退させる。
そして、図9に示すごとく、上記巻回工程を再び行って、第2のコイル巻枠3bに電線99を供給すると共に旋回アーム21を正回転方向に旋回させて、第2のコイル巻枠3bに電線99を複数回巻回して第2の単極コイル90bを形成する。
以降、図10に示すごとく、上記と同様に、第2の渡線巻枠41b及び第3の渡線巻枠41cに上記インデックス工程、突出工程及び渡線形成工程を行って各渡り線995を形成し、第3のコイル巻枠3c及び第4のコイル巻枠3dに上記インデックス工程、突出工程及び巻回工程を行って第3の単極コイル90c及び第4の単極コイル90dを形成する。
そして、図11に示すごとく、第1〜第4の単極コイル90a〜dが上記各渡り線995によって連なる連極コイル9を形成する。同図は、上記第1〜第4のコイル巻枠3a〜dに各単極コイル90a〜dを形成し、各巻枠3a〜d、41a〜d、42の全体に連極コイル9を形成した状態を模式的に示す説明図である。
上記コイル形成装置1は、上記旋回アーム21により上記複数のコイル巻枠3の全体を旋回させることにより、上記旋回中心軸C2に最も接近させたコイル巻枠3に対して上記電線99の巻回を行って上記単極コイル90を形成していくものである。
そして、上記旋回アーム21を旋回させることにより、この旋回アーム21に配設したインデックスホルダー22及び複数のコイル巻枠3の全体を回転させて、電線99の巻回を行う。そのため、従来のように、固定した巻枠の外周からワインダー等を回転させながら電線99を巻回することがなく、電線99に捩りをほとんど発生させることなく各コイル巻枠3に各単極コイル90を形成することができる。
また、上記インデックスホルダー22を回動させることにより、上記電線99の巻回を行うコイル巻枠3の巻回軸C1を、順次上記旋回アーム21の旋回中心軸C2にほぼ合わせることができる。そのため、上記コイル形成装置1は、連極コイル9を形成するためにコイル巻枠3を複数有していながらも、巻回を行うコイル巻枠3が旋回中心軸C2からあまり偏心していない状態で、電線99の巻回を行うことができる。
そして、いずれかのコイル巻枠3に単極コイル90を形成した後には、上記インデックスホルダー22を回動させて、上記いずれかのコイル巻枠3に隣接する次のコイル巻枠3の巻回軸C1を上記旋回中心軸C2にほぼ合わせて、上記と同様に単極コイル90を形成することができる。
そのため、上記電線99の供給は、巻回を行うコイル巻枠3の巻回軸C1に直交するほぼ一定の方向から行うことができ、安定して各コイル巻枠3に電線99の巻回を行うことができる。それ故、上記捩りの発生がほとんどない単極コイル90を、いずれのコイル巻枠3に対しても安定して形成することができ、捩りの発生がほとんどない連極コイル9を安定して形成することができる。
(実施例2)
本例のコイル形成挿入装置5は、図13に示すごとく、電線99をループ状に巻回してなる単極コイル90を複数連ねてなる連極コイル9を形成する巻き取り治具2と、この巻き取り治具2に対向して上記連極コイル9を受け取り、この連極コイル9をステータコア81の内周面に形成した複数のスロット810に挿入配置するインサータ治具6とを有してなる。
上記巻き取り治具2は、図12に示すごとく、複数のコイル巻枠3を有しており、上記インサータ治具6は、上記各コイル巻枠3から上記各単極コイル90をそれぞれ受け取る複数のコイル受け部62を有している。
そして、コイル形成挿入装置5は、図16に示すごとく、各コイル巻枠3に各コイル受け部62を対向させて、各コイル巻枠3に巻回した各単極コイル90が連なる連極コイル9を、巻き取り治具2からインサータ治具6へと移載するよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、上記巻き取り治具2は、上記電線99を巻回して上記単極コイル90を形成するための複数のコイル巻枠3を、巻き取り治具2の中心点から略同一の距離に配してなる。また、巻き取り治具2においては、各コイル巻枠3における上記電線99の巻回を行う各巻回軸C1は、互いに略平行に配されている。
一方、図12、図13に示すごとく、上記インサータ治具6は、上記連極コイル9を上記ステータコア81の上記スロット810に向けて押し出して挿入するための押出挿入コア61を有している。また、上記複数のコイル受け部62は、押出挿入コア61の外周面に配設し、上記各コイル巻枠3から上記各単極コイル90をそれぞれ受け取るものである。
そして、図12、図14に示すごとく、コイル形成挿入装置5は、上記巻き取り治具2から上記インサータ治具6へと上記連極コイル9を移載する際には、上記各コイル巻枠3の上記巻回軸C1の方向における先端面311に上記各コイル受け部62を対向させて、上記各コイル巻枠3と上記各コイル受け部62とを連結すると共に、上記各コイル巻枠3と上記各コイル受け部62とのそれぞれが上記各単極コイル90を移載するための移載ルート60を形成するよう構成されている。
また、図3、図12に示すごとく、上記各コイル巻枠3は、その上記先端面311に上記インサータ治具6における各コイル受け部62の先端部621を嵌入するための嵌入凹部312を有している。本例では、この嵌入凹部312は、各コイル巻枠3の各内側巻枠部31の先端面311に形成してある。
また、図14に示すごとく、この嵌入凹部312は、コイル受け部62をコイル巻枠3に巻回した単極コイル90の輪内の全体に挿入配置することができる深さに形成してある。すなわち、嵌入凹部312は、各コイル巻枠3の先端面311から上記電線99の巻回を行う位置までの巻回深さよりも、各コイル巻枠3の先端面311から深く形成してある。
そして、図12、図14に示すごとく、各コイル巻枠3と各コイル受け部62との連結は、各コイル巻枠3の嵌入凹部312に各コイル受け部62の先端部621を嵌入することにより行うことができる。また、巻き取り治具2からインサータ治具6への連極コイル9の移載は、この嵌入を行った状態で行うことができる。
また、この嵌入を行ったときには、必然的に各コイル受け部62の先端部621が各コイル巻枠3における各単極コイル90の輪内に挿入配置される。
また、図12、図13に示すごとく、上記巻き取り治具2は、上記連極コイル9を上記インサータ治具6に払い出すために、上記各コイル巻枠3の内周側に進退可能に配設された払出コア23を有している。この払出コア23は、上記インサータ治具6に対向する側である前進方向(上記旋回アーム21から離れる前進方向)に前進させることにより、図16に示すごとく、各コイル受け部62に受け渡した各単極コイル90を、インサータ治具6における所定の位置まで押し出すことができる。
本例では、図18に示すごとく、上記所定の位置は、インサータ治具6から連極コイル9を上記ステータコア81のスロット810に挿入配置する際の規定位置としている。そのため、インサータ治具6に連極コイル9を移載した後には、この移載したままの状態の連極コイル9をステータコア81のスロット810に挿入配置することができる。
また、図12に示すごとく、上記インサータ治具6は、各コイル受け部62同士の間に、コイル受け部62の形成方向と略同一方向に向けて配設された複数のガイド部63を有している。このガイド部63は、図19に示すごとく、上記ステータコア81の各スロット810同士の間に位置するティース811に対面して、上記連極コイル9の各スロット810への挿入配置をガイドするものである。
また、図12に示すごとく、各ガイド部63とこの両側に隣接する各コイル受け部62との間には、それぞれ単極コイル90における電線99を挿入可能な挿入間隙64が形成されている。各単極コイル90は、それらにおける電線99を上記挿入間隙64に挿入して、各コイル受け部62に挿入配置したときには、隣接する単極コイル90における電線99と混ざらないようになっている。これにより、各単極コイル90における電線99を確実に各ステータコア81のスロット810に挿入配置することができる。
また、図20に示すごとく、上記押出挿入コア61は、上記各コイル受け部62に対して進退可能である。そして、各コイル受け部62と各ガイド部63とを、ステータコア81の内周側に対向させたときには、押出挿入コア61がステータコア81に向けて前進することにより、各コイル受け部62に保持した単極コイル90を各スロット810に挿入配置することができる。
以下に、上記実施例1に示したコイル形成工程を行って形成した連極コイル9を一旦インサータ治具6に移載するコイル移載工程と、この連極コイル9をインサータ治具6からステータコア81の各スロット810に挿入配置するコイル挿入工程とを行うコイル形成挿入方法につき説明する。
本例においても、コイル形成工程については上記実施例1と同様である。
次に、コイル形成工程を行って形成した連極コイル9を、上記巻き取り治具2から上記インサータ治具6へと移載するコイル移載工程につき説明する。
図12に示すごとく、このコイル移載工程においては、上記巻き取り治具2とインサータ治具6とを有するコイル形成挿入装置5を用いて、上記連極コイル9を巻き取り治具2からインサータ治具6に移載する。
すなわち、図13に示すごとく、コイル移載工程においては、まず、上記連極コイル9の形成を行った巻き取り治具2の全体を、上記インサータ治具6に向けて前進させる。このとき、巻き取り治具2における各コイル巻枠3においては各外側巻枠部32が上記巻回位置301にあり、各単極コイル90にはテンションが加わっている。そして、各単極コイル90は、上記巻回を行った後の状態が崩れないように維持されている。
そして、図14に示すごとく、巻き取り治具2の各コイル巻枠3における嵌入凹部312に、インサータ治具6の各コイル受け部62における先端部621を嵌入する。そして、この嵌入により、各コイル巻枠3と各コイル受け部62とが連結され、各コイル巻枠3と各コイル受け部62とにより、各単極コイル90を移載するための各移載ルート60が形成される。
また、上記嵌入のときには、各コイル受け部62の先端部621は、各コイル巻枠3における各単極コイル90の全体の輪内に挿入配置される。
次いで、図15に示すごとく、離脱工程として、各コイル巻枠3における各外側巻枠部32を上記離脱位置302に移動させる。このとき、各コイル巻枠3の外径は、上記前進方向に向けて小さくなる状態を形成して縮小する。そのため、各コイル巻枠3から各単極コイル90が離脱される。
次いで、図16に示すごとく、巻き取り治具2の払出コア23をインサータ治具6の方向に向けて前進させる。このとき、各コイル巻枠3の外周に巻回された各単極コイル90は、インサータ治具6の押出挿入コア61に当接する上記規定位置まで押し出される。
また、このとき、各移載ルート60を各単極コイル90の輪内に維持したまま、各コイル巻枠3から各コイル受け部62へと各単極コイル90を受け渡すことができる。
その後、図17に示すごとく、巻き取り治具2をインサータ治具6から離れる後退方向に後退させて、各単極コイル90が連なった連極コイル9のインサータ治具6への移載が完了する。
次に、コイル挿入工程につき説明する。
図18〜図20に示すごとく、このコイル挿入工程においては、上記インサータ治具6に保持した連極コイル9を、ステータコア81の内周面に形成した複数のスロット810に挿入配置する。
すなわち、図18、図19に示すごとく、コイル挿入工程においては、まず、インサータ治具6の各コイル受け部62を、ステータコア81の内周面側に対向配置する。このとき、ステータコア81の内周面における各スロット810同士の間における各ティース811には、上記各ガイド部63が対向配置される。
次いで、図20に示すごとく、上記押出挿入コア61を上記ステータコア81に向けて前進させる。このとき、各コイル受け部62に保持された各単極コイル90における電線99は、各スロット810に挿入配置されていく。そして、押出挿入コア61の先端が各コイル受け部62の先端を超えて前進すると、各単極コイル90が各スロット810内に挿入配置されて、連極コイル9をステータコア81に組み付けることができる。
このように、上記実施例1、2を行って、U相、V相及びW相からなる3相モータにおけるステータを製作した。また、本例では、巻き取り治具2は、4つのコイル巻枠3を有すると共に3つの渡線巻枠41を有するものとし、インサータ治具6は、コイル受け部62とガイド部63とをそれぞれ8つ有するものとした。
そして、巻き取り治具2において4つの単極コイル90が連なる連極コイル9としての4極コイルを形成し、この4極コイルをインサータ治具6に2回移載した。そして、インサータ治具6から2つの4極コイルをステータコア81に組み付けて、4極コイルを2つ連ねて8極コイルからなるU相を形成した。また、V相及びW相についても同様にして、上記組付を行って4極コイルを2つ連ねて8極コイルからなるものを形成した。
上記コイル形成挿入装置5は、上記巻き取り治具2において連極コイル9を形成し、各単極コイル90を確実に各コイル受け部62に受け渡し、連極コイル9としてインサータ治具6に移載することができるものである。
すなわち、上記巻き取り治具2は、複数のコイル巻枠3を配してなるものであり、この巻き取り治具2においては、各コイル巻枠3に単極コイル90を形成して連極コイル9を形成することができる。そのため、互いの位置関係が固定された各コイル巻枠3に各単極コイル90を形成することができ、各コイル巻枠3に巻回した単極コイル90同士の間に形成される渡り線995の長さを安定させることができる。
また、上記インサータ治具6は、各コイル巻枠3の嵌入凹部312にそれぞれ先端部621が嵌入される各コイル受け部62を有しており、各コイル巻枠3と各コイル受け部62とを連結した際には、各コイル巻枠3と各コイル受け部62とが上記各移載ルート60を形成することができる。そのため、各コイル巻枠3から各コイル受け部62に各単極コイル90を受け渡すときには、各単極コイル90は、その輪内に各移載ルート60を維持したまま、各移載ルート60に沿って確実に受け渡すことができる。
そして、各単極コイル90は、ほぼ同時にコイル受け部62に受け渡すことができる。そのため、この受渡しの際に、各単極コイル90における各電線99の巻き順が、上記巻回を行った巻き順と異なってしまうことがほとんどない。すなわち、上記一方側から他方側に向けて巻き径が大きくなる各単極コイル90は、上記インサータ治具6に移載する際に、その巻き順が変わってしまうことがなく、各電線99が整列された状態で移載することができる。
それ故、連極コイル9の形成状態をほとんど変えることなく、この連極コイル9を巻き取り治具2からインサータ治具6へと移載することができる。
(実施例3)
本例のコイル形成装置X1は、図21に示すごとく、電線X99をループ状に巻回してなる単極コイルX90を複数連ねてなり、かつ互いに隣接する単極コイルX90同士の巻回方向が逆である連極コイルX9を形成するものである。図21において、各単極コイルX90の巻回方向を矢印Gで示す。
図22〜図24に示すごとく、本例のコイル形成装置X1は、以下の巻き取り治具X2と回転装置X20とを有している。上記巻き取り治具X2は、治具ベースとしてのインデックスホルダーX22と、上記単極コイルX90を巻回するために、上記インデックスホルダーX22に配設した複数のコイル巻枠X3と、上記単極コイルX90同士を結ぶ渡り線X995の長さを調節するための渡線調節部としての渡線調節ピンX41とを有している。また、上記回転装置X20は、巻き取り治具X2の全体を、上記複数のコイル巻枠X3のうちの上記電線X99の巻回を行ういずれか1つのコイル巻枠X3における巻回軸XC1又はこの巻回軸XC1に略平行な軸を中心に回転させるものである。
また、上記各コイル巻枠X3は、その巻回軸XC1が互いに略平行であると共に仮想の円弧E1を形成する円周E1上に並ぶよう上記インデックスホルダーX22に配設されている。また、本例の渡線調節ピンX41は、上記複数のコイル巻枠X3のうちの上記電線X99を渡して巻回する互いに隣接するコイル巻枠X3同士の間に位置するよういずれかのコイル巻枠X3に配設されている。
なお、図23は、上記コイル形成装置X1に連極コイルX9を形成した状態を模式的に示す図である。
以下に、これを詳説する。
以下に、特にことわりのない限り、本例のコイル形成装置X1の構成は、上記実施例1に示したコイル形成装置1の構成と同様である。
図22、図24に示すごとく、本例の回転装置X20は、旋回中心軸XC2を中心にして旋回可能である旋回アームX21を有しており、また、上記巻き取り治具X2は、上記旋回アームX21に対して移動可能に配設された上記インデックスホルダーX22を有している。また、上記複数のコイル巻枠X3は、その巻回軸XC1が上記旋回中心軸XC2に対して略平行に配された状態でインデックスホルダーX22に配設されている。なお、上記回転装置X20は、上記実施例1における旋回装置に相当する。
そして、本例のコイル形成装置X1も上記実施例1のものと同様に、インデックスホルダーX22を移動させて、上記電線X99の巻回を行うコイル巻枠X3を順次上記旋回中心軸XC2に接近させることができるよう構成されている。
また、図23、図24に示すごとく、本例の各コイル巻枠X3は、上記インデックスホルダーX22の外周面に略等間隔に放射状に配設されている。また、各コイル巻枠X3は、その各巻回軸XC1が仮想の円周E1上に並ぶよう配設されている。また、本例の巻き取り治具X2は、単極コイルX90を4つ連ねてなる連極コイルX9を2つ形成することができるものであり、コイル巻枠X3を4つを1セットとして、2セット有している。
すなわち、図23に示すごとく、巻き取り治具X2は、連極コイルX9における一方の端部に位置する第1の単極コイルX90aを形成するための第1のコイル巻枠X3aと、連極コイルX9における中間部に位置する第2の単極コイルX90b及び第3の単極コイルX90cをそれぞれ形成するための第2のコイル巻枠X3b及び第3のコイル巻枠X3cと、連極コイルX9における他方の端部に位置する第4の単極コイルX90dを形成するための第4のコイル巻枠X3dとを1セットとして、これらを2セット有している。
また、図23に示すごとく、本例の渡線調節ピンX41は、上記第2のコイル巻枠X3bと第4のコイル巻枠X3dとに配設されており、上記第1のコイル巻枠X3aと第3のコイル巻枠X3cとには配設されていない。具体的には、第1のコイル巻枠X3aと第2のコイル巻枠X3bとの間に位置する第1の渡線調節ピンX41aと、第2のコイル巻枠X3bと第3のコイル巻枠X3cとの間に位置する第2の渡線調節ピンX41bとは、第2のコイル巻枠X3bに固定されている。また、第3のコイル巻枠X3cと第4のコイル巻枠X3dとの間に位置する第3の渡線調節ピンX41cは、第4のコイル巻枠X3dに固定されている。そして、上記第1〜第3の渡線調節ピンX41a〜cは、2セット配設されている。なお、本例の渡線調節ピンX41は、上記実施例1に示した渡線巻枠41に相当する。
また、図23に示すごとく、上記各渡線調節ピンX41における電線X99の巻付を行う各巻付面X45は、上記各コイル巻枠X3の電線X99の巻回を行う各巻回面X35における外周端部X355を通る仮想円E2の内側又はその近傍に位置している。なお、上記外周端部X355とは、上記各コイル巻枠X3の巻回面X35において、上記インデックスホルダーX22に放射状に配設した(上記仮想の円周E1上に配設した)複数のコイル巻枠X3の配置中心XC3より最も離れた部分のことをいう(図26、図28参照)。
具体的には、上記第1の渡線調節ピンX41a及び第3の渡線調節ピンX41cにおける巻付面X45は、それらの一部が上記仮想円E2の近傍に位置しており、残りの部分が上記仮想円E2の内側に位置している。すなわち、第1の渡線調節ピンX41a及び第3の渡線調節ピンX41cにおける巻付面X45は、上記仮想円E2と交錯して形成されている。また、上記第2の渡線調節ピンX41bにおける巻付面X45は、その全体が上記仮想円E2の内側に位置している。
また、図23に示すごとく、上記各コイル巻枠X3は、その各巻回軸XC1に直交する方向の断面形状が略長方形状を有している。そして、各コイル巻枠X3は、略長方形状における長辺を、上記インデックスホルダーX22の回動中心軸XC3から径方向に向けて、インデックスホルダーX22に配設されている。なお、上記仮想の円周E1上に配設してなる複数のコイル巻枠X3における配置中心XC3は、インデックスホルダーX22の回動中心軸XC3と同じである。
そして、本例では、各コイル巻枠X3に、略長方形状の単極コイルX90をそれぞれ形成することができ、上記連極コイルX9は、略長方形状の単極コイルX90の長辺部分をステータコア又はロータコアの軸方向に向けてこれらにまとまりよく組み付けることができる。
また、図23、図28に示すごとく、上記各コイル巻枠X3の各巻回面X35における上記インデックスホルダーX22の回動中心軸XC3の方向に位置する一対の角部X350には、上記電線X99を渡して巻回する互いに隣接するコイル巻枠X3同士の間に間隙X360を形成するための間隙形成面X36がそれぞれ設けられている。そして、本例のコイル形成装置X1は、隣接する単極コイルX90の巻回方向が互いに逆である連極コイルX9を形成するため、上記各渡線調節ピンX41により、上記渡り線X995は、互いに隣接する一方のコイル巻枠X3の巻回面X35における間隙形成面X36と、互いに隣接する他方のコイル巻枠X3の巻回面X35における外周端部X355との間に渡される。
具体的には、図23、図25に示すごとく、第1の渡線調節ピンX41aにより、上記渡り線X995は、第1のコイル巻枠X3aの巻回面X35における間隙形成面X36から、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における外周端部X355へと渡されている。また、第2の渡線調節ピンX41bにより、上記渡り線X995は、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における外周端部X355から、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36へと渡されている。さらに、第3の渡線調節ピンX41cにより、上記渡り線X995は、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36から、第4のコイル巻枠X3dの巻回面X35における外周端部X355へと渡されている。
そして、図23に示すごとく、渡り線X995を巻き付けるための上記渡線調節ピンX41の巻付面X45は、上記渡り線X995を上記一方のコイル巻枠X3の巻回面X35における間隙形成面X36に当接させて引き出すことができる位置に形成されている。また、上記渡り線X995は、上記他方のコイル巻枠X3よりも上記一方のコイル巻枠X3に近い位置で、一方のコイル巻枠X3の巻回面X35における間隙形成面X36から渡線調節ピンX41へと引き出されている。
具体的には、上記第2のコイル巻枠X3bに固定した第1の渡線調節ピンX41aの巻付面X45は、これに当接する渡り線X995を上記第1のコイル巻枠X3aの巻回面X35における間隙形成面X36に当接させて引き出すことができる位置に形成されている。上記第2のコイル巻枠X3bに固定した第2の渡線調節ピンX41bの巻付面X45は、これに当接する渡り線X995を上記第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36に当接させて引き出すことができる位置に形成されている。上記第4のコイル巻枠X3dに固定した第3の渡線調節ピンX41cの巻付面X45は、これに当接する渡り線X995を上記第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36に当接させて引き出すことができる位置に形成されている。
また、第1のコイル巻枠X3aの巻回面X35における間隙形成面X36から第1の渡線調節ピンX41aの巻付面X45へは、第2のコイル巻枠X3bよりも第1のコイル巻枠X3aに近い位置で渡り線X995が引き出されている。また、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36から第2の渡線調節ピンX41bの巻付面X45へは、第2のコイル巻枠X3bよりも第3のコイル巻枠X3cに近い位置で渡り線X995が引き出されている。また、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における間隙形成面X36から第3の渡線調節ピンX41cの巻付面X45へは、第4のコイル巻枠X3dよりも第3のコイル巻枠X3cに近い位置で渡り線X995が引き出されている。
上記各コイル巻枠X3の各巻回面X35に上記間隙形成面X36を設けたことにより、各コイル巻枠X3に巻回した単極コイルX90における電線X99が、互いに隣接するコイル巻枠X3に巻回した単極コイルX90における電線X99に交錯しないようにすることができる。
そして、上記渡線調節ピンX41の巻付面X45を、上記渡り線X995をいずれかのコイル巻枠X3の巻回面X35における間隙形成面X36に当接させて引き出せる位置に形成しておくことにより、上記渡り線X995が、互いに隣接するコイル巻枠X3の間隙形成面X36同士の間の間隙X360を遮ってしまうことがない。また、各コイル巻枠X3にそれぞれ単極コイルX90を形成した後でも、各コイル巻枠X3における単極コイルX90同士の間に上記間隙X360を維持することができる。
これにより、例えば、上記複数のコイル巻枠X3から、上記単極コイルX90を連ねてなる連極コイルX9を、これをステータコア又はロータコアに挿入配置するためのインサータ治具に受け渡す際に、上記間隙X360にインサータ治具のガイド部を容易に対向配置することができる。そのため、上記連極コイルX9をインサータ治具に受け渡すことが容易である。
また、図22に示すごとく、上記各コイル巻枠X3は、上記実施例1と同様に、上記巻き取り治具X2におけるインデックスホルダーX22に対して上記旋回中心軸XC2の方向に進退可能に配設してある。また、本例の巻き取り治具X2も、上記実施例1と同様に、上記複数のコイル巻枠X3のうちの上記電線X99の巻回を行ういずれか1つのコイル巻枠X3を残りのコイル巻枠X3よりも上記旋回アームX21から離れる前進方向D1に前進させ、残りのコイル巻枠X3よりも突出させた状態で電線X99の巻回を行うよう構成されている。
また、図24に示すごとく、上記第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bは、上記第2のコイル巻枠X3bに配設されており、この第2のコイル巻枠X3bと共に進退するよう構成されている。また、上記第3の渡線調節ピンX41cは、上記第4のコイル巻枠X3dに配設されており、この第4のコイル巻枠X3dと共に進退するよう構成されている。そのため、本例の各渡線調節ピンX41は単独で進退させなくてもよく、渡線調節ピンX41を進退させるための特別な機構は設けていない。
このように、上記各コイル巻枠X3及び各渡線調節ピンX41は、上記巻き取り治具X2におけるインデックスホルダーX22に対して上記旋回中心軸XC2の方向に進退可能に配設されている。
図25〜図30は、上記第1、第2の渡線調節ピンX41a、bを配設した第2のコイル巻枠X3bを示す図である。なお、上記第3の渡線調節ピンX41cを配設した第4のコイル巻枠X3dは、上記第2のコイル巻枠X3bから上記第2の渡線調節ピンX41bを除いたものと同じである。また、上記第1、第3のコイル巻枠X3a、cは、上記第2のコイル巻枠X3bから上記第1、第2の渡線調節ピンX41a、bを除いたものと同じである。
また、図25〜図30に示すごとく、上記各コイル巻枠X3は、上記巻き取り治具X2におけるインデックスホルダーX22に固定した固定側巻枠部としての内側巻枠部X31と、この内側巻枠部X31に対向配設した可動側巻枠部としての外側巻枠部X32とを有している。
そして、上記外側巻枠部X32は、上記内側巻枠部X31における進退方向の後退側端部X321の近傍に形成した回動始点部X320を中心にして、上記電線X99の巻回を行う際の巻回位置X301と(図25、図26参照)、上記巻回を行った後の上記単極コイルX90を当該コイル巻枠X3から離脱させる際の離脱位置X302(図29、図30参照)との間で、上記内側巻枠部X31との間の距離を変更するよう回動可能である。
また、図25、図27に示すごとく、上記各渡線調節ピンX41は、いずれかの上記コイル巻枠X3の外側巻枠部X32における進退方向の後退側端部X321から前進方向D1に向けて突出形成されており、また、いずれかの上記コイル巻枠X3の内側巻枠部X31における進退方向の前進側端部X311から後退方向D2に向けて突出形成されている。
具体的には、図25、図27に示すごとく、上記第1の渡線調節ピンX41aは、上記第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部X32における進退方向の後退側端部X321から前進方向D1に向けて突出形成されており、上記第2の渡線調節ピンX41bは、上記第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部X31における進退方向の前進側端部X311から後退方向D2に向けて突出形成されている。また、上記第3の渡線調節ピンX41cは、上記第4のコイル巻枠X3dの外側巻枠部X32における進退方向の後退側端部X321から前進方向D1に向けて突出形成されている。
上記各コイル巻枠X3に形成した各単極コイルX90を離脱する際に、上記第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部X32を上記離脱位置X302へと回動させたときには、上記第1の渡線調節ピンX41aも同時に回動させることができる。また、この際に、上記第4のコイル巻枠X3dの外側巻枠部X32を上記離脱位置X302へと回動させたときには、上記第3の渡線調節ピンX41cも同時に回動させることができる。
そのため、上記第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部X32に固定した第1の渡線調節ピンX41aにおける巻付面X45の一部が上記仮想円E2の近傍に位置していても、この第1の渡線調節ピンX41aから上記巻付を行った渡り線X995を容易に離脱することができる。また、上記第4のコイル巻枠X3dの外側巻枠部X32に固定した第3の渡線調節ピンX41cにおける巻付面X45の一部が上記仮想円E2の近傍に位置していても、この第3の渡線調節ピンX41cから上記巻付を行った渡り線X995を容易に離脱することができる。
また、上記第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部X31における進退方向の前進側端部X311の近傍に配された第2の渡線調節ピンX41bは、当該内側巻枠部X31に対して着脱可能である。
そして、上記巻回を行った後の単極コイルX90を第2のコイル巻枠X3bから離脱させる際に、第2の渡線調節ピンX41bを第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部X31から取り外すことができる。そのため、第2の渡線調節ピンX41bが単極コイルX90を離脱する際の障害物になることがなく、単極コイルX90を第2のコイル巻枠X3bから一層容易に離脱することができる。
また、図25、図27に示すごとく、上記第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部X32における後退側端部X321に配設された第1の渡線調節ピンX41aは、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における最初に電線X99の巻回を行う初回巻回面部X351に対向している。また、上記第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部X31における前進側端部X311に配設された第2の渡線調節ピンX41bは、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における最後に電線X99の巻回を行う最終回巻回面部X354に対向している。
そして、図23、図32、図33に示すごとく、上記第1のコイル巻枠X3aに巻回を行った電線X99は、第1のコイル巻枠X3aから、第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部X32における後退側端部X321に配設された第1の渡線調節ピンX41aへと渡した後に、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における初回巻回面部X351に巻回を行うことができる。また、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35において、上記最終回巻回面部X354まで電線X99の巻回を行った後には、第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部X31における前進側端部X311に配設された第2の渡線調節ピンX41bへと渡すことができる。そのため、このような第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bの配置により、これらが上記第2のコイル巻枠X3bに電線X99の巻回を行う際の妨げにならず、第2のコイル巻枠X3bと第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bとの間で滑らかに電線X99を渡すことができる。
また、図25、図27に示すごとく、上記第4のコイル巻枠X3dの外側巻枠部X32における後退側端部X321に配設された第3の渡線調節ピンX41cは、第4のコイル巻枠X3dの巻回面X35における最初に電線X99の巻回を行う初回巻回面部X351に対向している。
そして、図23、図35に示すごとく、上記第1の渡線調節ピンX41aと同様に、上記第3のコイル巻枠X3cに巻回を行った電線X99は、第3のコイル巻枠X3cから、第4のコイル巻枠X3dの外側巻枠部X32における後退側端部X321に配設された第3の渡線調節ピンX41cへと渡した後に、第4のコイル巻枠X3dの巻回面X35における初回巻回面部X351に巻回を行うことができる。
上記のように、第1のコイル巻枠X3a及び第3のコイル巻枠X3cは、渡線調節ピンX41を有しておらず、第2のコイル巻枠X3bと第4のコイル巻枠X3dとに渡線調節ピンX41を配設した。そして、本例の巻き取り治具X2は、渡線調節ピンX41を配設したコイル巻枠X3と、渡線調節ピンX41を配設していないコイル巻枠X3とを交互に隣接させて配設してなる。
そのため、各コイル巻枠X3及び各渡線調節ピンX41に電線X99の巻回及び巻付を行うとき、これらの進退の動作を容易にすることができる。また、第1の単極コイルX90aと第2の単極コイルX90bとの間の渡り線X995及び第2の単極コイルX90bと第3の単極コイルX90cとの間の渡り線X995の長さがそれぞれ最適になるように、第2のコイル巻枠X3bに対する第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bの位置を容易に決定することができる。また、第3の単極コイルX90cと第4の単極コイルX90dとの間の渡り線X995の長さが最適になるように、第4のコイル巻枠X3dに対する第3の渡線調節ピンX41cの位置を容易に決定することができる。
また、図25、図27に示すごとく、上記各渡線調節ピンX41の先端部には、各渡線調節ピンX41の巻付面X45を拡径させた鍔部X411が形成されている。具体的には、第1の渡線調節ピンX41aにおいては、上記前進方向D1に向けられた先端部に鍔部X411が形成されている。そして、この第1の渡線調節ピンX41aにおける鍔部X411は、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における初回に電線X99の巻回を行う初回巻回面部X351と、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における2回目に電線X99の巻回を行う2回目巻回面部X352との間の境界部の近傍に対向する位置に形成されている。
また、第2の渡線調節ピンX41bにおいては、上記後退方向D2に向けられた先端部に鍔部X411が形成されている。そして、この第2の渡線調節ピンX41bにおける鍔部X411は、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における最終回に電線X99の巻回を行う最終回巻回面部X354と、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における最終回の1つ前に電線X99の巻回を行う最終回1つ前巻回面部X353との間の境界部の近傍に対向する位置に形成されている。
本例では、各コイル巻枠X3に6ターン(6回転)電線X99の巻回を行う。そのため、最終回1つ前巻回面部X353は、5回目巻回面部X353ということになる。
上記各鍔部X411の形成により、各渡線調節ピンX41の巻付面X45に巻き付けた電線X99が不意に外れてしまうことを容易に防止することができる。
また、図23、図28に示すごとく、上記各渡線調節ピンX41における電線X99の巻付を行う巻付面X45は、上記略長方形状のコイル巻枠X3における短辺の幅Wの1/2以上の曲率半径Rを有して形成されている。すなわち、各渡線調節ピンX41の巻付面X45における曲率半径Rは、R≧W/2の関係を満たしている。そのため、各渡線調節ピンX41における巻付面X45に巻き付ける渡り線X995を、上記各コイル巻枠X3における短辺の幅Wの1/2よりも小さく屈曲変形させてしまうことがない。そのため、各渡線調節ピンX41には、これらに巻付を行った渡り線X995を屈曲変形が少ない良好な状態で保持することができる。
このように、本例の各渡線調節ピンX41は、それらの巻付面X45の曲率半径RがW/2以上に大きくなるように形成した。そして、第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bにおいて電線X99の巻付を行うのは、第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35に対向する側と反対側の外周部であり、上記W/2以上の曲率半径Rを有する巻付面X45はこの外周部に形成した。また、第3の渡線調節ピンX41cにおいて電線X99の巻付を行うのは、第4のコイル巻枠X3dの巻回面X35に対向する側と反対側の外周部であり、上記W/2以上の曲率半径Rを有する巻付面X45はこの外周部に形成した。
なお、図37〜図39に示すごとく、各渡線調節ピンX41は、断面略円形状のピンにより形成することもできる。この場合にも、第1の渡線調節ピンX41a及び第3の渡線調節ピンX41cは、上記仮想円E2上にかかるように配設し、第2の渡線調節ピンX41bは、仮想円E2の内側に配設することができる。また、この場合には、渡線調節ピンX41に巻き付けた渡り線X995を若干屈曲変形させることになるが、それ以外は上記と同様の作用効果を得ることができる。
また、図22、図23に示すごとく、本例の回転装置X20は、上記各コイル巻枠X3に電線X99の巻回を行う毎に、上記巻き取り治具X2の回転方向を変更するよう構成されている。すなわち、本例のコイル形成装置X1によって形成する連極コイルX9は、互いに隣接する単極コイルX90の巻回方向を逆にしてなるものである。そのため、上記回転装置X20は、第1のコイル巻枠X3aに巻回を行う回転方向を正回転方向F1とすると、第2のコイル巻枠X3bには第1のコイル巻枠X3aを回転させた正回転方向F1とは逆の逆回転方向F2に回転して巻回を行う。また、上記回転装置X20は、第3のコイル巻枠X3cには正回転方向F1に回転して巻回を行い、第4のコイル巻枠X3dには逆回転方向F2に回転して巻回を行う。
なお、本例においては、4つの単極コイルX90が連なった4極の連極コイルX9を形成した。これに対し、例えば、3つの単極コイルX90が連なった3極の連極コイルX9を形成する場合には、上記巻き取り治具X2は、渡線調節ピンX41を有していない第1のコイル巻枠X3aと、上記第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bを配設してなる第2のコイル巻枠X3bと、渡線調節ピンX41を有していない第3のコイル巻枠X3cとにより構成することができる。
また、例えば、5つの単極コイルX90が連なった5極の連極コイルX9を形成する場合には、上記巻き取り治具X2は、渡線調節ピンX41を有していない第1のコイル巻枠X3aと、上記第1の渡線調節ピンX41a及び第2の渡線調節ピンX41bを配設してなる第2のコイル巻枠X3bと、渡線調節ピンX41を有していない第3のコイル巻枠X3cと、上記第3の渡線調節ピンX41c及び第4の渡線調節ピンX41(第2の渡線調節ピンX41bと同様の構成のもの)を配設してなる第4のコイル巻枠X3dと、渡線調節ピンX41を有していない第5のコイル巻枠X3とより構成することができる。
以下に、上記コイル形成装置X1を用いて、互いに隣接する単極コイルX90同士の巻回方向が逆である連極コイルX9を形成する方法につき説明する。
図22に示すごとく、上記連極コイルX9の形成を行うに当たっては、上記第1のコイル巻枠X3aにおける巻回軸XC1を、上記旋回アームX21における旋回中心軸XC2にほぼ合わせておく。
そして、図31に示すごとく、1つの上記第1のコイル巻枠X3aを、上記インデックスホルダーX22に対して前進させ、残りのコイル巻枠X3よりも上記前進方向D1に突出させる。また、電線X99を上記巻き取り治具X2に供給し、この電線X99の端部を巻き取り治具X2の適当な位置に固定する。
そして、図31に示すごとく、上記旋回アームX21を旋回中心軸XC2を中心に正回転方向F1に回転させると、第1のコイル巻枠X3aは、その巻回軸XC1をほぼ中心に正回転方向F1に回転する。このとき、第1のコイル巻枠X3aの巻回軸XC1にほぼ直交する方向から電線X99の供給を行うことにより、第1のコイル巻枠X3aに電線X99が巻回される。そして、図32に示すごとく、この第1のコイル巻枠X3aに複数回電線X99の巻回を行って第1の単極コイルX90aを形成する。
次いで、図32に示すごとく、1つの上記第2のコイル巻枠X3b及び第1、第2の渡線調節ピンX41a、bを前進させ、残りのコイル巻枠X3よりも上記前進方向D1に突出させると共に、上記第1のコイル巻枠X3aを後退させる。また、上記インデックスホルダーX22をその回動中心軸XC3を中心に所定角度回動させて、上記第2のコイル巻枠X3bにおける巻回軸XC1を、上記旋回アームX21における旋回中心軸XC2にほぼ合わせる。このとき、上記第1のコイル巻枠X3aの巻回面X35における最終回巻回面部X354に巻回を行った電線X99は、第2のコイル巻枠X3bに配設した第1の渡線調節ピンX41aの巻付面X45へと渡される。
そして、図32に示すごとく、上記旋回アームX21を旋回中心軸XC2を中心に逆回転方向F2に回転させて、第2のコイル巻枠X3bを逆回転方向F2に回転させる。このとき、電線X99は、第1の渡線調節ピンX41aの巻付面X45に巻き付けられると共に第2のコイル巻枠X3bの巻回面X35における初回巻回面部X351に巻回される。
そして、図33に示すごとく、電線X99は、初回巻回面部X351から最終回巻回面部X354まで順次巻回され、最終回巻回面部X354に対向する第2の渡線調節ピンX41bの巻付面X45に巻き付けられる。こうして、第2の単極コイルX90bが形成される。
次いで、図34に示すごとく、1つの上記第3のコイル巻枠X3cを前進させ、残りのコイル巻枠X3よりも上記前進方向D1に突出させると共に、上記第2のコイル巻枠X3b及び第1、第2の渡線調節ピンX41a、bを後退させる。また、上記インデックスホルダーX22をその回動中心軸XC3を中心に所定角度回動させて、上記第3のコイル巻枠X3cにおける巻回軸XC1を、上記旋回アームX21における旋回中心軸XC2にほぼ合わせる。そして、第2の渡線調節ピンX41bの巻付面X45に巻き付けられた電線X99は、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における初回巻回面部X351へと渡される。
そして、上記旋回アームX21を旋回中心軸XC2を中心に正回転方向F1に回転させて、第2のコイル巻枠X3bを正回転方向F1に回転させる。このとき、電線X99は、第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における初回巻回面部X351から最終回巻回面部X354まで順次巻回され、第3の単極コイルX90cが形成される。
次いで、図35に示すごとく、1つの上記第4のコイル巻枠X3d及び第3の渡線調節ピンX41cを前進させ、残りのコイル巻枠X3よりも上記前進方向D1に突出させると共に、上記第3のコイル巻枠X3cを後退させる。また、上記インデックスホルダーX22をその回動中心軸XC3を中心に所定角度回動させて、上記第4のコイル巻枠X3dにおける巻回軸XC1を、上記旋回アームX21における旋回中心軸XC2にほぼ合わせる。このとき、上記第3のコイル巻枠X3cの巻回面X35における最終回巻回面部X354に巻回を行った電線X99は、第4のコイル巻枠X3dに配設した第3の渡線調節ピンX41cの巻付面X45へと渡される。
そして、上記旋回アームX21を旋回中心軸XC2を中心に逆回転方向F2に回転させて、第4のコイル巻枠X3dを逆回転方向F2に回転させる。このとき、電線X99は、第3の渡線調節ピンX41cの巻付面X45に巻き付けられると共に第4のコイル巻枠X3dの巻回面X35における初回巻回面部X351に巻回される。そして、電線X99は、初回巻回面部X351から最終回巻回面部X354まで順次巻回され、第4の単極コイルX90dが形成される。
その後、図36に示すごとく、上記第4のコイル巻枠X3d及び第3の渡線調節ピンX41cを後退させて、上記第1〜第4の単極コイルX90a〜dを連ねてなる連極コイルX9を形成することができる(図21参照)。
このように、上記連極コイルX9を形成するコイル形成方法においては、上記第1のコイル巻枠X3aに電線X99の巻回を行った後には、上記第2のコイル巻枠X3bと上記第1、第2の渡線調節ピンX41a、bとを同時に前進させることができる。そして、第2のコイル巻枠X3bに電線X99の巻回を行って第2の単極コイルX90bを形成すると共に第1、第2の渡線調節ピンX41a、bにも電線X99の巻付を行ってそれぞれ渡り線X995を形成することができる。
また、上記第3のコイル巻枠X3cに電線X99の巻回を行った後には、上記第4のコイル巻枠X3dと上記第3の渡線調節ピンX41cとを同時に前進させ、第4のコイル巻枠X3dに電線X99の巻回を行って第4の単極コイルX90dを形成すると共に第3の渡線調節ピンX41cにも電線X99の巻付を行って渡り線X995を形成することができる。そのため、上記各渡線調節ピンX41に容易に電線X99の巻付を行うことができ、各渡り線X995を形成するために要する時間を短縮させることができる。
本例においても、上記回転装置X20により、上記巻き取り治具X2の全体を回転させて上記連極コイルX9を形成した。そのため、電線X99に捩りをほとんど発生させることなく、各コイル巻枠X3に各単極コイルX90を形成することができ、各渡線調節部X41に渡り線X995を形成することができる。そして、上記コイル形成装置X1によれば、上記捩りの発生がほとんどない単極コイルX90及び渡り線X995を、いずれのコイル巻枠X3及び渡線調節ピンX41に対しても安定して形成することができ、捩りの発生がほとんどない連極コイルX9を安定して形成することができる。
さらに、本例のコイル形成装置X1においては、上記単極コイルX90同士の間に形成する渡り線X995の長さを調節するための各渡線調節ピンX41の巻付面X45は、上記各コイル巻枠X3の電線X99の巻回を行う各巻回面X35における外周端部X355を通る仮想円E2の内側又はその近傍に位置させた。そのため、第2のコイル巻枠X3bと第1、第2の渡線調節ピンX41a、bとの間の距離及び第4のコイル巻枠X3dと第3の渡線調節ピンX41cとの間の距離を近づけることもでき、各渡り線X995をできるだけ短く形成することができる。
そのため、上記巻き取り治具X2の全体の回転により、捩りの発生がほとんどない各渡り線X995を最適な長さに形成することができ、この各渡り線X995により複数の単極コイルX90を連ねてなる連極コイルX9を、ステータコア又はロータコアにまとまりよく組み付けることができる。また、第2のコイル巻枠X3bと第1、第2の渡線調節ピンX41a、bとの間の距離及び第4のコイル巻枠X3dと第3の渡線調節ピンX41cとの間の距離を近づけることができるため、これらを配設した巻き取り治具X2をコンパクトにすることもできる。
本例においても、その他は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
(実施例4)
本例は、図40〜図45に示すごとく、上記第2のコイル巻枠X3bからの単極コイルX90の離脱を容易にするために、第2のコイル巻枠X3bの内側巻枠部(固定側巻枠部)X31における進退方向の前進側端部X311の近傍に配された第2の渡線調節ピンX41bが、第2のコイル巻枠X3bの外側巻枠部(可動側巻枠部)X32を上記離脱位置X302に回動させたときに、第2のコイル巻枠X3bの内部に収納されるよう構成した例である。
すなわち、図40〜図42に示すごとく、本例の第2の渡線調節ピンX41bは、その上記巻付面X45と、回動する際の支点となる回動支点部X46と、外側巻枠部X32に形成された被係合部X326に係合する係合部X47とを有している。本例の被係合部X326は、内側巻枠部X31に対向する外側巻枠部X32の内側部分に配設された突出部X325に形成したガイド溝X326であり、本例の係合部X47は、ガイド溝X326内を摺動可能に第2の渡線調節ピンX41bに形成されたガイドピンX47である。
そして、外側巻枠部X32が上記巻回位置X301にあるときには、第2の渡線調節ピンX41bは、内側巻枠部X31の巻付面X35及び外側巻枠部X32の巻付面X35よりも突出して、渡り線X995の長さを規定長さに形成することができる。
また、図43〜図45に示すごとく、外側巻枠部X32が上記離脱位置X302へと回動する際には、内側巻枠部X31に配設された第2の渡線調節ピンX4bにおけるガイドピンX47が、外側巻枠部X32におけるガイド溝X326内を摺動する。そして、ガイドピンX47がガイド溝X326内を摺動することによって、第2の渡線調節ピンX4bは、その回動支点部X46を中心にして外側巻枠部X32の回動に伴って回動し、その巻回面X45が、第2のコイル巻枠X3bを軸方向(巻回軸XC1の方向)から見たときの外形よりも内側に移動する。すなわち、第2の渡線調節ピンX4bの巻回面X45が、内側巻枠部X31の巻付面X35と外側巻枠部X32の巻付面X35とが形成する面位置M1とほぼ同一の位置又はこの面位置M1よりも内側に移動する。
本例においては、巻回を行った後の単極コイルX90を第2のコイル巻枠X3bから離脱させる際に、外側巻枠部X32を離脱位置X302へと回動させると同時に、第2の渡線調節ピンX41bを回動させて、第2のコイル巻枠X3b内に収納することができる。そのため、第2の渡線調節ピンX4bが単極コイルX90を離脱する際の障害物になることがなく、単極コイルX90を第2のコイル巻枠X3bから一層容易に離脱することができる。
なお、第2の渡線調節ピンX41bにおける巻付面X45は、第2のコイル巻枠X3bにおける短辺の幅Wの1/2以上の曲率半径Rを有して形成されている。これに対し、図46に示すごとく、第2の渡線調節ピンX41bにおける巻付面X45は、断面略円形状に形成することもできる。
本例においても、その他は上記実施例3と同様であり、上記実施例3と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、コイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、各コイル巻枠に各単極コイルを形成して連極コイルを形成した状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の各コイル巻枠を示す説明図。 実施例1における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の各コイル巻枠を示す説明図。 実施例1における、第1のコイル巻枠の巻回軸を旋回アームの旋回中心軸にほぼ合わせ、残りのすべての巻枠よりも突出させた状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、第1のコイル巻枠に電線を巻回して単極コイルを形成している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、第1の渡線巻枠の巻回軸を旋回アームの旋回中心軸にほぼ合わせると共に残りのすべての巻枠よりも突出させ、この第1の渡線巻枠に電線を巻回している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、第2のコイル巻枠の巻回軸を旋回アームの旋回中心軸にほぼ合わせ、残りのすべての巻枠よりも突出させた状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、第2のコイル巻枠に電線を巻回して単極コイルを形成している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、すべての巻枠に電線を巻回して連極コイルを形成した状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例1における、すべての巻枠に電線を巻回して連極コイルを形成した状態を模式的に示す説明図。 実施例2における、巻き取り治具からインサータ治具へと連極コイルを移載している状態のコイル形成挿入装置を示す平面説明図。 実施例2における、連極コイルを保持する巻き取り治具をインサータ治具へと前進させている状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、巻き取り治具のコイル巻枠における嵌入凹部にインサータ治具のコイル受け部における先端部を嵌入している状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、巻き取り治具の各コイル巻枠における各外側巻枠部を離脱位置に移動させて、各コイル巻枠から各単極コイルを離脱した状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、巻き取り治具の払出コアを前進させて、連極コイルをインサータ治具における規定位置まで押し出した状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、巻き取り治具をインサータ治具から後退させた状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、インサータ治具における各コイル受け部をステータコアの内周面に対向させた状態のコイル形成挿入装置を示す説明図。 実施例2における、インサータ治具における各コイル受け部及び各ガイド部をステータコアの内周面に対向させた状態のコイル形成挿入装置を示す平面説明図。 実施例2における、連極コイルをインサータ治具からステータコアの各スロットに挿入配置した状態のコイル形成挿入装置を示す平面説明図。 実施例3における、互いに隣接する単極コイル同士の巻回方向が逆である連極コイルを示す説明図。 実施例3における、コイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、各コイル巻枠に各単極コイルを形成して連極コイルを形成した状態のコイル形成装置を模式的に示す説明図。 実施例3における、コイル形成装置を模式的に示す平面図。 実施例3における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例3における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す側面図。 実施例3における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す正面図。 実施例3における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す平面図。 実施例3における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例3における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す側面図。 実施例3における、第1のコイル巻枠に電線を巻回している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、第1の渡線調節ピンに電線を巻き付けると共に第2のコイル巻枠に電線を巻回している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、第2のコイル巻枠に電線を巻回すると共に第2の渡線調節ピンに電線を巻き付けている状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、第3のコイル巻枠に電線を巻回している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、第3の渡線調節ピンに電線を巻き付けると共に第4のコイル巻枠に電線を巻回している状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、連極コイルを形成した状態のコイル形成装置を示す斜視図。 実施例3における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の他の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例3における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の他の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例3における、他のコイル形成装置を模式的に示す平面図。 実施例4における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例4における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す側面図。 実施例4における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す平面図。 実施例4における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す斜視図。 実施例4における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す側面図。 実施例4における、外側巻枠部が離脱位置にある状態の第2のコイル巻枠を示す平面図。 実施例4における、外側巻枠部が巻回位置にある状態の他の第2のコイル巻枠を示す斜視図。
符号の説明
1、X1 コイル形成装置
2、X2 巻き取り治具
X20 回転装置
21、X21 旋回アーム
C2、XC2 旋回中心軸
22、X22 インデックスホルダー
C3、XC3 回動中心軸
23 払出コア
3、X3 コイル巻枠
C1、XC1 巻回軸
301、X301 巻回位置
302、X302 離脱位置
31、X31 内側巻枠部(固定側巻枠部)
311 先端面
312 嵌入凹部
X311 前進側端部
32、X32 外側巻枠部(可動側巻枠部)
X320 回動支点部
X321 後退側端部
X35 巻回面
X351 初回巻回面部
X354 最終回巻回面部
X355 外周端部
X36 間隙形成面
X360 間隙
41 渡線巻枠(渡線調節部)
X41 渡線調節ピン(渡線調節部)
X411 鍔部
42 リード巻枠
X45 巻付面
5 コイル形成挿入装置
6 インサータ治具
60 移載ルート
61 押出挿入コア
62 コイル受け部
621 先端部
81 ステータコア
810 スロット
9、X9 連極コイル
90、X90 単極コイル
99、X99 電線
995、X995 渡り線
996 リード線

Claims (17)

  1. 電線をループ状に巻回してなる単極コイルを複数連ねてなる連極コイルを形成する装置であって、
    上記単極コイルを巻回するための複数のコイル巻枠と上記単極コイル同士を結ぶ渡り線の長さを調節するための渡線調節部とを備えてなる巻き取り治具と、
    該巻き取り治具全体を、上記複数のコイル巻枠のうちの上記電線の巻回を行ういずれか1つのコイル巻枠における巻回軸又は該巻回軸に略平行な軸を中心に回転させる回転装置とを有しており、
    上記各コイル巻枠は、その上記巻回軸が互いに略平行になるよう配されており、
    上記各コイル巻枠及び上記渡線調節部は、上記巻き取り治具において進退可能に配されていることを特徴とするコイル形成装置。
  2. 請求項1において、上記回転装置は、旋回中心軸を中心にして旋回可能である旋回アームを有しており、また、上記巻き取り治具は、上記旋回アームに対して移動可能に配設されたインデックスホルダーを有しており、
    上記複数のコイル巻枠は、その上記巻回軸が上記旋回中心軸に対して略平行に配された状態で上記インデックスホルダーに配設されており、
    上記コイル形成装置は、上記インデックスホルダーを移動させて、上記電線の巻回を行うコイル巻枠を順次上記旋回中心軸に接近させることができるよう構成したことを特徴とするコイル形成装置。
  3. 請求項2において、上記インデックスホルダーは、上記旋回中心軸に対して略平行にオフセットした位置に形成した回動中心軸を中心にして、上記旋回アームに回動移動可能に配設されており、
    上記各コイル巻枠は、上記回動中心軸から略同一の距離に円弧状に上記インデックスホルダーに配設してあり、
    上記インデックスホルダーを回動移動させることによって、上記電線の巻回を行うコイル巻枠を順次上記旋回中心軸に接近させることができるよう構成したことを特徴とするコイル形成装置。
  4. 請求項2又は3において、上記各コイル巻枠は、上記インデックスホルダーに対して上記旋回中心軸の方向に進退可能に配設してあり、
    上記電線の巻回を行うコイル巻枠を、残りのコイル巻枠に対して上記旋回アームから離れる前進方向に前進させ、該残りのコイル巻枠よりも突出させるよう構成したことを特徴とするコイル形成装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項において、上記各コイル巻枠は、上記インデックスホルダーに取り付けた内側巻枠部と、該内側巻枠部に対向配設した外側巻枠部とを有しており、
    上記外側巻枠部は、上記電線の巻回を行う際の巻回位置と、上記巻回を行った後の上記単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際の離脱位置との間で、上記内側巻枠部との間の距離を変更するよう移動可能であることを特徴とするコイル形成装置。
  6. 請求項5において、上記外側巻枠部は、上記旋回アームから離れる前進方向に向けて段階的に拡径していることを特徴とするコイル形成装置。
  7. 請求項1又は2において、上記各コイル巻枠は、その上記巻回軸が仮想の円弧上に並ぶよう配されていることを特徴とするコイル形成装置。
  8. 請求項1、2又は7のいずれか一項において、上記渡線調節部は、上記複数のコイル巻枠のうちの上記電線を渡して巻回する互いに隣接するコイル巻枠同士の間に配されていることを特徴とするコイル形成装置。
  9. 請求項1、2、7又は8のいずれか一項において、上記渡線調節部は、上記コイル巻枠に配設されており、該コイル巻枠と共に進退するよう構成されていることを特徴とするコイル形成装置。
  10. 請求項1、2、7又は8のいずれか一項において、上記渡線調節部は、単独で進退可能であると共にいずれかの上記コイル巻枠と同期して進退するよう構成されていることを特徴とするコイル形成装置。
  11. 請求項1、2、7、8、9又は10のいずれか一項において、上記各コイル巻枠は、上記巻き取り治具に固定した固定側巻枠部と、該固定側巻枠部に対向配設した可動側巻枠部とを有しており、
    上記可動側巻枠部は、上記固定側巻枠部における進退方向の後退側端部の近傍に形成した回動支点部を中心にして、上記電線の巻回を行う際の巻回位置と、上記巻回を行った後の上記単極コイルを当該コイル巻枠から離脱させる際の離脱位置との間で、上記固定側巻枠部との間の距離を変更するよう回動可能であることを特徴とするコイル形成装置。
  12. 請求項11において、上記渡線調節部は、いずれかの上記コイル巻枠の上記可動側巻枠部における進退方向の後退側端部の近傍と、いずれかの上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍とに配されていることを特徴とするコイル形成装置。
  13. 請求項12において、上記コイル巻枠の上記可動側巻枠部における上記後退側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記巻回面における最初に上記電線の巻回を行う初回巻回面部に対向しており、
    上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における上記前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記巻回面における最後に上記電線の巻回を行う最終回巻回面部に対向していることを特徴とするコイル形成装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項において、上記巻き取り治具は、上記渡線調節部を配設していないコイル巻枠と、上記渡線調節部をそれぞれ上記可動側巻枠部における上記後退側端部の近傍と上記固定側巻枠部における上記前進側端部の近傍とに配設したコイル巻枠とを、互いに隣接させて交互に配してなることを特徴とするコイル形成装置。
  15. 請求項1、2、7、8、9、10、11、12、13又は14のいずれか一項において、上記渡線調節部の先端部には、該渡線調節部の上記巻付面を拡径させた鍔部が形成されていることを特徴とするコイル形成装置。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項において、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠に対して着脱可能であることを特徴とするコイル形成装置。
  17. 請求項12〜15のいずれか一項において、上記コイル巻枠の上記固定側巻枠部における進退方向の前進側端部の近傍に配された上記渡線調節部は、当該コイル巻枠の上記可動側巻枠部を上記離脱位置に回動させたときには、該回動に連動して、当該コイル巻枠内に収納されるよう構成されていることを特徴とするコイル形成装置。
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