JP4259066B2 - モータの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,モータ(電動機)の製造方法に関し,特に,コイルの形成方法及びコイルのモータコアへの挿入方法に関する。
【0002】
【従来技術】
モータコアとしてのステータコア又はロータコアのスロットにコイルを挿入してなるモータを製造するに当たっては,そのコイルの形成方法及びコイルのモータコアへの挿入方法が非常に重要である。
従来のコイル挿入方法は,例えば,特開2000−125522号公報,特開2000−116078号公報,特開平9−322492号公報等にも開示されているような,いわゆるインサーター工法が主流である。
【0003】
この従来のインサーター工法の一例を簡単に説明すると,リング状のステータコアを水平状に配置すると共に,その軸方向下方においてコイルも略水平状に配置する。そして,治具をコイルの下方から上記ステータコアの内部を通って上昇させると共に,治具によってコイルの内側端を引っかけて上方に移動させる。これにより,コイルは,徐々に水平状から垂直状に状態を変化させながらステータコアの内周面を撫でるように移動して,ステータコアのスロットに挿入される。
【0004】
しかしながら,上記従来のインサーター工法を用いたモータ製造方法には次のような問題がある。
即ち,従来のインサーター工法においては,上記のごとくコイルの状態を変化させながらステータコアのスロットに挿入するので,その途中においてコイルが斜めに挿入された状態が発生する。そのため,コイルの寸法は,少なくともその上下方向の長さに余裕を持たせておく必要がある。その結果,挿入が完了した際には,コイルの上端部分又は下端部分が必要以上にステータコアからはみ出した状態になってしまう。
【0005】
このコイルのはみ出しは,ステータコアにコイルを組み込んだ部品全体,ひいてはモータ全体の軸方向の寸法の大型化につながる。この問題は,コイルを挿入するモータコアがステータコアである場合だけでなくロータコアである場合も同様である。
近年,自動車における電動モータの採用,ハイブリッドシステムの採用等が積極的に検討され,モータの軸方向の短尺化が強く望まれている。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,モータコアからのコイルのはみ出し量を少なくすることができ,モータの軸方向の長さを短くすることができるモータの製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
本発明は,リング状のモータコアを有し,該モータコアの内周面に設けたスロットにコイルを挿入配置してなるモータを製造する方法において,
巻枠を有する巻き取り治具を用いて,該巻枠に電線を巻回することにより,単極コイルを形成するコイル形成工程と,
上記コイルを保持した上記巻き取り治具を上記モータコアの内部に配置すると共に,上記各単極コイルを上記巻枠から直接上記モータコアの上記スロットに移動させるコイル挿入工程とを含み,
上記コイル形成工程は,上記巻き取り治具として,ベースホルダーと,該ベースホルダーの外周面に配設された複数の上記巻枠とを有し,該巻枠が上記ベースホルダーに対して移動可能に配設された巻き取り治具を用い,
上記複数の巻枠のうち1つの巻枠を他の巻枠よりも突出するよう移動させる巻枠突出工程と,
上記突出した巻枠に電線を一方向から供給すると共に,上記巻枠の軸線又は該軸線に略平行な線を中心に上記巻き取り治具全体を回転させて上記巻枠に上記電線を巻回して単極コイルを形成する巻回工程とを含み,
上記巻枠突出工程と上記巻回工程とを隣接する巻枠に順次繰り返し行うことを特徴とするモータの製造方法にある(請求項1)。
【0008】
本発明の製造方法においては,上記コイル形成工程において,巻枠を有する巻き取り治具を用いて上記単極コイルを形成する。そして,上記コイル挿入工程においては,この巻き取り治具をモータコアの内部に配置し,単極コイルを挿入すべきスロットに対面させる。これにより,巻き取り治具から他の移載装置等に単極コイルを移すことなく,巻枠から直接上記モータコアのスロットに単極コイルを移動させることができる。
【0009】
また,上記巻き取り治具からモータコアへの直接的な移動は,上記のごとく,巻き取り治具をモータコアの内部に配置して行う。そのため,上記コイル形成工程によって予め成形するコイルにおける単極コイル形状を,モータコアに装着した際に最適な状態に合わせることができる。そのため,単極コイルのコイルのはみ出し部分であるコイルエンド部をコンパクト化することができ,ひいては,モータ全体の軸方向の長さを短くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記コイル挿入工程は,上記単極コイルを上記巻枠から上記スロットに向けて略直線的に移動させることにより行うことが好ましい(請求項2)。この場合には,単極コイルを,モータコアの内周側から外周側への略直線状の移動させるという,いわゆる直線挿入工法を実施する。これにより,さらに,予め成形する単極コイル形状を,無駄の少ない形状にすることができ,コイルのはみ出し部分であるコイルエンド部をより一層コンパクト化することができる。
【0011】
また,上記コイル形成工程においては,上記巻き取り治具として上記巻枠を複数有する巻き取り治具を用い,隣接する上記巻枠への巻き方向を交互に逆転させて電線を巻回することにより,複数の単極コイルを交互に巻き方向が異なるように連ねて設けたコイルを形成することが好ましい(請求項3)。この場合には,巻き方向が異なる単極コイルを連ねて構成してなるコイルを容易に形成することができる。
【0012】
また,上記コイル形成工程は,上記巻き取り治具として,ベースホルダーと,該ベースホルダーの外周面に配設された複数の上記巻枠とを有し,該巻枠が上記ベースホルダーに対して移動可能に配設された巻き取り治具を用い,
上記複数の巻枠のうち1つの巻枠を他の巻枠よりも突出するよう移動させる巻枠突出工程と,
上記突出した巻枠に電線を一方向から供給すると共に,上記巻枠の軸線又は該軸線に略平行な線を中心に上記巻き取り治具全体を回転させて上記巻枠に上記電線を巻回して単極コイルを形成する巻回工程とを含み,
上記巻枠突出工程と上記巻回工程とを隣接する巻枠に順次繰り返し行う
【0013】
この場合には,上記コイル形成工程において,上記ベースホルダーと巻枠とを有する独特の構成の巻き取り治具を用いる。そして,上記のごとく,巻枠突出工程,巻回工程を,上記巻枠ごとに順次行う。
ここで,上記巻回工程は,上記巻き取り治具全体を上記突出した巻枠の軸線周りに回転させて行う。そのため,上記のごとく,電線を一方向から供給することができ,従来のように電線自体を回す必要がない。それ故,電線に捩りを発生させることなく巻枠に単極コイルを形成することができる。
【0014】
また,上記巻回工程は上記巻枠突出工程の後に行う。すなわち,巻回工程を行う対象の巻枠を変更する場合には,上記巻枠突出工程を行って変更することができ,隣り合う巻枠の間に,電線供給のためのスペースを特別に設ける必要がない。それ故,得られる単極コイル間の渡り線の長さも十分に短く抑えることができる。
【0015】
また,上記巻枠は,その軸線方向に略直線状に進退可能に配設しておき,上記巻枠突出工程においては,1つの巻枠を前進させることにより他の巻枠よりも突出させることが好ましい(請求項4)。この場合には,上記巻枠の移動機構を簡単にすることができると共に突出動作を容易に行うことができる。
【0016】
なお,上記巻枠突出工程における巻枠の突出方法としては,上記のごとく直線的に巻枠をその軸方向に前進させて軸方向に突出させる方法のほか,その軸線が他の巻枠の軸線と略直交する方向に向くよう巻枠を旋回させて,他の巻枠の側方に突出させる方法等をとることもできる。即ち,上記巻枠突出工程においては,その後の巻回工程において巻き取り治具全体を回転させた際に,突出した巻枠に供給される電線が他の巻枠に干渉しない状態が得られるならば,巻枠の突出方向及び突出方法としては種々の方法を適用することができる。
【0017】
また,上記巻回工程の後には,上記単極コイルを形成した上記巻枠を後退させる巻枠後退工程を行うことが好ましい(請求項5)。この場合には,その後の他の巻枠の突出工程を容易に行うことができる。
【0018】
また,上記巻回工程は,上記巻枠ごとに順次巻き取り治具の回転方向を逆転させて行うことが好ましい(請求項6)。この場合には,巻き方向が異なる単極コイルを連ねたコイルを容易に形成することができる。
【0019】
また,上記ベースホルダーは円盤形状を呈しており,上記複数の巻枠は,上記ベースホルダーの中心点から放射状に伸びる軸線に沿って進退可能に配設されていることが好ましい(請求項7)。この場合には,上記コイル形成工程において,巻き取り治具全体を回転させる場合の回転中心を巻枠ごとに変更する場合に,上記ベースホルダーの中心点を中心に,巻き取り治具全体を少し回動させればよい。そのため,巻き取りを行う巻枠を交代させた際の回転中心の変更作業が容易となる。
【0020】
また,上記各巻枠は,上記軸線に沿って幅が広がる扇形形状を有していることが好ましい(請求項8)。この場合は,各巻枠に形成される単極コイルの形状を,上記軸線に沿って幅が広がる形状とすることができる。そのため,モータコアの内周面から装着する場合に適したコイル形状を容易に得ることができる。
【0021】
また,上記各巻枠は,巻回される単極コイルの形状を整えるための成形ブロックを着脱可能に備えていることが好ましい(請求項9)。この場合には,異なる形状の成形ブロックを使用することにより,単極コイルの形状の変更を容易に行うことができる。
【0022】
また,上記巻き取り治具は,上記巻枠のすべてを後退させた状態における該巻枠の先端が形成する外形線が,上記ベースホルダーの中心点を中心とする円形状となることが好ましい(請求項10)。この場合には,リング状のモータコアの内面側に上記巻き取り治具を配置する際に,巻き取り治具とモータコアの内面との間隙を小さくすることができ,コイルの移動をよりスムーズに行うことができる。
【0023】
また,上記各巻枠の両側には,上記ベースホルダーの外周面から延設されたセパレートプレートが配設されており,該セパレートプレートと上記巻枠との間には所定の間隔が保持されていることが好ましい(請求項11)。この場合には,巻枠に単極コイルを形成した後に巻枠を後退させた際に,上記セパレートプレートと巻枠との間の所定間隔のスペースにコイルを配置することができ,コイル形状を良好に維持した状態で巻き取り治具にコイルを保持することができる。
【0024】
また,上記コイル挿入工程は,上記モータコアの内部に配置された上記巻き取り治具に保持された上記単極コイルにコイル挿入手段を当接させ,その当接部を上記巻き取り治具から上記スロットに向かう方向に前進させることにより,上記単極コイルを上記巻枠から上記モータコアの上記スロットに移動させることが好ましい(請求項12)。この場合には,上記コイル挿入手段によってコイルが直線的に押されて,対面するモータコアのスロット内に姿勢を変えることなく押し込まれる。即ち,上記コイル挿入手段を用いることにより,コイルの直線的な移動を容易に実施することができる。
【0025】
また,上記コイル挿入手段は,上記単極コイルにおける上記スロットに挿入される部分であるコイル挿入部に当接する挿入ブレードであることが好ましい(請求項13)。この場合には,上記コイル挿入部を上記挿入ブレードによって押圧することにより,安定してコイルを移動させることができる。
【0026】
また,上記単極コイルの上記スロットへの移動と同時あるいはその後に,上記単極コイルにおける上記モータコアの外部に配置されるコイルエンド部に仮整形手段を当接させ,その当接部を上記モータコアの内周側から外周側へ前進させることにより上記コイルエンド部を押圧し変形させる仮整形工程を行うことが好ましい(請求項14)。この場合には,コイルをモータコアに装着するたびに上記仮整形手段によってコイルのはみ出し部分を外方に押圧して変形させる仮整形を容易に行うことができる。これによりはみ出し部分がモータコアの表面に近づき,はみ出し部分の軸方向の長さをさらに小さくすることができる。
【0027】
また,上記巻き取り治具の上記巻枠に仮整形用溝を設けておき,上記仮整形手段としては上記仮整形用溝に挿入可能な仮整形ブレードを用い,該仮整形ブレードを上記仮整形用溝に挿入して中心から外周に向かう方向に前進させることにより上記仮整形工程を行うことが好ましい(請求項15)。この場合には,上記仮整形用溝と上記仮整形ブレードとの組み合わせにより,装置構成を簡単にすることができる。
【0028】
また,上記コイル挿入工程と上記仮整形工程を複数回繰り返した後,上記コイルを所望形状に整えるための型面を有するフォーマーを上記モータコアに押圧することにより上記コイルを整形する本整形工程を行うことが好ましい(請求項16)。この場合には,上記フォーマーをモータコアに押圧するだけで,仮整形されたコイル全体を一度に所望形状に整形することができる。それ故,本整形工程を簡単に行うことができる。そして,この本整形によって,モータコアからはみ出しているコイル全体をモータコアに近づくように整形することができるので,より一層上記の軸方向寸法を小さくすることができる。
【0029】
また,上記フォーマーには,上記コイル挿入手段及び上記仮整形手段との干渉を防止する切り欠き部が設けられており,上記コイル挿入手段及び上記仮整形手段を前進させた状態を維持したまま上記フォーマーを上記モータコアに押圧することが好ましい(請求項17)。この場合には,上記コイル挿入手段及び仮整形手段の存在によって,コイルの本整形時にコイルを固定することができ,安定して本整形を行うことができる。また,上記仮整形完了後に連続的に本整形を行うこともできるので,さらに製造工程の合理化を図ることができる。
【0030】
また,上記モータコアは,ステータコアであることが好ましい(請求項18)。即ち,モータコアとしては,ステータコアとロータコアとがあるが,特にステータコアの場合には軸方向の長さをコンパクトにする要求が強く,本発明の作用効果が非常に有効である。
【0031】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例に係るモータの製造方法につき,図1〜図19を用いて説明する。
本例は,リング状のモータコアとしてのステータコアを有し,該モータコアの内周面に設けたスロットにコイルを挿入配置してなるモータを製造する方法である。特に本例では,コイル形成工程とコイル挿入工程について説明する。
【0032】
本例のコイル形成工程は,複数の巻枠3を放射状に設けた巻き取り治具2を用いて,隣接する上記巻枠3への巻き方向を交互に逆転させて電線を巻回することにより,複数の単極コイル90を交互に巻き方向が異なるように連ねて設けたコイル9を形成する。
【0033】
上記巻き取り治具2としては,図1〜図3に示すごとく,ベースホルダー20と,該ベースホルダー20の外周面に配設された複数の巻枠3とを有する巻き取り治具を用いる。各巻枠3はベースホルダー20に対して進退可能に配設されており,いずれか1つの巻枠3が他の巻枠よりも突出した状態が得られるよう構成されている。
【0034】
巻き取り治具2においては,図3に示すごとく,ベースホルダー20が円盤形状を呈している。すなわち,ベースホルダー20は,上下一対のリング状プレート21,22を有しており,それぞれ中央貫通穴210,220及びその周囲に複数の位置決め穴212,222を有している。この中央貫通穴210,220及びその周囲の位置決め穴212,222は,後述する回転装置4との係合位置を決定するためのものである。
【0035】
また,上下一対のリング状プレート21,22は,これらの中心から放射線状に伸びる方向に沿って配設されたセパレートプレート29を介して連結されている。本例では,内角30°のピッチで4枚のセパレートプレート29を配設し,さらに,これらに対向する位置にも内角30°ピッチで4枚のセパレートプレート29を配設した。そして,隣り合うセパレートプレート29の間に設けられた内角約30°の空間に,それぞれ巻枠3を配置した。本例では,対向する位置にそれぞれ3つの巻枠3を隣接させ,合計6つの巻枠3を設けてある。
【0036】
なお,図3に示すごとく,本例の巻き取り治具2は,円盤状の上記ベースホルダー20の外周面において空いている位置に,さらにセパレートプレート29及び巻枠3を配設することができるよう構成してあり,最大12個の巻枠3を備えることができる。
【0037】
また,巻枠3は,図3に示すごとく,ベースホルダー20の中心点から放射線状に伸びる軸線に沿って進退可能に配設されている。また,各巻枠3は,上記軸線に沿って幅が広がる扇形形状を有している。
すなわち,図3に示すごとく,各巻枠3は,上記ベースホルダー20のリング状プレート21,22に平行な面をそれぞれ表面及び裏面とすると,その表面及び裏面から見た全体形状が略扇形であると共に,その中央部に切り欠き部320を設けた枠本体部32を有する。また,枠本体部32の両側面には,段部325を設けてあり,単極コイル90を形成した場合にその位置決めがなされるようにしてある。
【0038】
また,枠本体部32の表面及び裏面には,巻回される単極コイルの形状を整えるための,成形ブロック33,34が着脱可能に配設されている。この成形ブロック33,34も略扇形を呈しており,中央部に切り欠き部330,340を有している。なお,成形ブロック33,34の枠体部32への固定は,図示していないビスのねじ込みにより行っている。
また,本例の成形ブロック33,34は,図3に示すごとく,外周側から内周側に近づくにつれて,厚みを厚くしてあり,成形される単極コイルの高さが内周側に来るほど高くなるようにしてある。
【0039】
また,図3に示すごとく,上記枠本体部32は,上記切り欠き部320からベースホルダー20に向かう軸方向に,長方形状の貫通穴329を有している。また,貫通穴329の上下には,円形状の貫通穴であるロッド穴328が設けられている。そして,巻枠3は,上記貫通穴329を通したガイドプレート31をベースホルダー20に固定することによって,ベースホルダー20に進退可能に配設される。
【0040】
より具体的には,ガイドプレート31は,図3に示すごとく,ベースホルダー20に固定される基端部315と,巻枠3の前進位置を規制するために略T字状に上下方向の寸法を大きくした先端部310とを有している。そして,このガイドプレート31の基端部315を,上記枠本体部32の切り欠き部320の底部に開口している上記貫通穴329に通し,かつ,スプリング36を装着したロッド35を枠本体部32の貫通穴329の上下に設けられたロッド穴328に通す。そして,ガイドプレート31の基端部315をベースホルダー20の上下一対のリング状プレート21,22間に挟持して固定し,また,2本のロッド35の一端をリング状プレート21,22に固定すると共に他端をガイドプレート32の先端部10に固定する。これにより,巻枠3は,ベースホルダー20の中心点から放射状に伸びる軸線に沿って進退可能に固定される。
【0041】
また,図15〜図17に示すごとく,巻枠3には,ピン頭部380を摘んで操作することによってピン先端部381を進退させることができる位置決め用ピン38を上下に有している。また,ガイドプレート31には,上記ピン先端部381と係合可能なピン穴318,319を有している。そして,図15に示すごとく,位置決めピン38のピン先端部381をピン穴318に係合させている状態においては,巻枠3が後退してベースホルダー20に近づいた状態が維持される。また,巻枠3を前進させる場合には,位置決めピン38を後退させて,そのピン先端部381とピン穴318との係合状態を解除し,巻枠3をスプリング36に抗して前進させる。そして,図17に示すごとく,再び位置決めピン38を前進させてピン先端部381をピン穴319に係合させる。これにより,巻枠3は,その軸方向に前進してベースホルダー20から離れた位置に固定させるように構成されている。
【0042】
上記のごとく配設された各巻枠3の両側には,ベースホルダー20の外周面から延設されたセパレートプレート29が存在している。そして,セパレートプレート29と巻枠3との間には,後述するコイル保持溝として機能する所定の間隔が保持されている。
【0043】
また,本例の巻き取り治具2は,上記巻枠3のすべてを後退させた状態における巻枠3の先端が形成する外形線が,ベースホルダー20の中心点を中心とする円形状となっている。すなわち,本例の巻き取り治具2は,後述するモータコアの内周面に各巻枠3を対面させて配置できる形状となっている。
【0044】
次に,本例では,上記巻き取り治具2を回転させる装置として,図1,図2に示す回転装置4を用いる。
回転装置4は,図示しない駆動軸から延設されたストレート部41と該ストレート部41にフランジ415,416を介して接続された屈曲部42とを有し,屈曲部42の先端に巻き取り治具2との接続用フランジ425を有している。
【0045】
屈曲部42は,同図に示すごとく,ストレート部41と同軸線上に伸びる第1部位421と,この第1部位から90度折れ曲がって延設された第2部位422と,さらに第2部位422から90度折れ曲がり上記ストレート部41と平行な第3部位423と,さらに第3部位423から90度折れ曲がった第4部位424とを有する。そして,第4部位424の先端に上記接続用フランジ425が配設されている。
【0046】
接続用フランジ425は,図1,図2に示すごとく,巻き取り治具2のベースホルダー20と接続した場合に,ベースホルダー20の厚み方向及び径方向の中心点が,上記ストレート部41の軸線上に来るように位置調整されている。
また,上記接続用フランジ425と,巻き取り治具2の周方向の固定位置は,巻枠3の軸線Cと回転装置4のストレート部41の回転中心C2とが一致する位置において適宜変更可能に構成されている。
【0047】
次に,上記巻き取り治具2及び回転装置4を用いて,単極コイル90を複数連ねてなるモータ用のコイル9を形成する方法について,図4〜図14を用いて説明する。なお,これらの図においては,回転装置4の記載を省略してある。
【0048】
まず,図4に示すごとく,巻き取り治具2におけるすべての巻枠3を後退させた状態で,巻き取り治具2を回転装置4に固定し,その回転中心C2(図1,図2参照)と第1の巻枠3aの軸線Cとを一致させる。
次に,この状態から,図5に示すごとく,第1の巻枠3aを他の巻枠3よりも突出するよう前進させる巻枠突出工程を行う。このとき,巻枠3aを後退位置で固定していた位置決めピン38(図15〜図17)による固定を解除して,巻枠3aをスプリング36に抗して前進させ,再び位置決めピン38によりその前進位置で固定する。
【0049】
そして,図5に示すごとく,電線99を上方の一方向から供給すると共に,その先端を巻き取り治具2に固定する。固定方法は,特別な固定装置を用いて決められた位置に固定しても良いし,巻き取り治具2の任意の位置に結びつける方法をとることもできる。本例では,後者の方法をとった。
【0050】
次に,図5,図6に示すごとく,突出した巻枠3aに電線99を一方向から供給すると共に,回転装置4を駆動して,巻枠3aの軸線Cを中心に巻き取り治具2全体を回転させる巻回工程を行う。これにより,図7に示すごとく,突出した巻枠3aに電線99が巻回されて第1の単極コイル90の形成が完了する。
【0051】
次に,図8に示すごとく,単極コイル90を形成した上記第1の巻枠3aを後退させる巻枠後退工程を行う。このとき,巻枠3aは,再び位置決めピン38(図15〜図17)を操作して,後退位置で固定する。
同図に示すごとく,巻枠3aの周囲に形成された単極コイル90は,そのループの上下に位置するコイルエンド部902を巻枠3の表裏にむき出しにし,かつ,左右に位置するコイル挿入部901をセパレートプレート29と巻枠3との間の空隙に収容した状態となる。
【0052】
次に,図9に示すごとく,単極コイル90を形成した第1の巻枠3aの隣の第2の巻枠3bを軸線Cに沿って前進させ,他の巻枠3よりも外方に突出させ,上記と同様に前進位置で固定する。
また,この巻枠突出工程の前後いずれかにおいて,巻き取り治具2と回転装置4との係合位置を変更し,回転装置4の回転中心と,第2の巻枠3bの軸線とを一致させる。
また,同図に示すごとく,第1の巻枠3aが保持する単極コイル90から繋がっている渡り線995は,第2の巻枠3bの下方に渡し,これに続く電線99を先程と同様上方の一方向から供給する。
【0053】
次に,図9,図10に示すごとく,突出した巻枠3bに電線99を一方向から供給すると共に,巻枠3bの軸線Cを中心に巻き取り治具2全体を回転させる巻回工程を行う。このときの回転方向は,第1の巻枠3aの場合と逆方向とする。これにより,図10に示すごとく,突出した巻枠3bに電線99が巻回されて,第1の単極コイル90とは巻き方向が逆の第2の単極コイル90の形成が完了する。
【0054】
次に,図11に示すごとく,単極コイル90を形成した上記第2の巻枠3bを後退させ,上記と同様に後退位置で固定させる。
同図に示すごとく,巻枠3bの周囲に形成された第2の単極コイル90も,そのループの上下に位置するコイルエンド部902を巻枠3の表裏にむき出しにし,かつ,左右に位置するコイル挿入部901をセパレートプレート29と巻枠3との間の空隙に収容した状態となる。
【0055】
次に,図12に示すごとく,第2の巻枠3bの隣の第3の巻枠3cを軸線Cに沿って前進させ,他の巻枠3よりも外方に突出させ,上記と同様に前進位置で固定する。また,この場合にも,巻枠突出工程の前後いずれかにおいて,巻き取り治具2と回転装置4との係合位置を変更し,回転装置4の回転中心C2(図1,図2)と,第3の巻枠3cの軸線Cとを一致させる。
また,同図に示すごとく,第2の巻枠3bが保持する単極コイル90から伸びる渡り線995に続く電線99を,上記と同様に上方の一方向から供給する。
【0056】
次に,図12,図13に示すごとく,突出した巻枠3cに電線99を一方向から供給すると共に,巻枠3cの軸線Cを中心に巻き取り治具2全体を回転させる巻回工程を行う。このときの回転方向は,第2の巻枠3cの場合と逆方向とする。これにより,図13に示すごとく,突出した巻枠3cに電線99が巻回されて,第2の単極コイル90と巻き方向が逆の第3の単極コイル90の形成が完了する。
【0057】
次に,図14に示すごとく,単極コイル90を形成した上記第3の巻枠3cを後退させ,上記と同様に後退位置で固定させる。
同図に示すごとく,巻枠3cの周囲に形成された第3の単極コイル90のコイル挿入部901もセパレートプレート29と巻枠3との間の空隙に収容した状態となる。
これにより,3つの単極コイル90を交互に巻き方向が逆となるように連ねたコイル9が完成する。
【0058】
次に,図14に示すごとく,上記コイル9を形成した3つの巻枠3a〜3cに対向する3つの巻枠3d〜3fに対しても,上記と同様の手順によって,3つの単極コイル90を交互に巻き方向が逆となるように連ねたコイル9を形成することができる。
【0059】
次に,上記のコイル形成工程において形成したコイルを,上記巻き取り治具2から直接的にモータコアに挿入するコイル挿入工程について説明する。
本例では,図18,図19にすごとく,リング状のモータコアとしてのステータコア81の内周面に設けたスロット810にコイル9(図14参照)を挿入配置する。なお,図18,図19では,後述する挿入ブレード734等の動きを明確化するため,コイル9(単極コイル90)の図示を省略する。
【0060】
上記ステータコア81を用いて構成するモータは三相DCブラシレスモータである。そして本例におけるステータコア81は,リング状の電磁鋼板を積層して作製したものであり,図18,図19に示すごとく,その内周面にコイルを挿入するためのスロット810を有している。
【0061】
本例では,ステータコア81に対して,合計36個の単極コイル90を配設すべく,72のスロット810を設けてある。そして,一相を担う単極コイル90は12個ずつである。本例では,実施例1に示すごとく,3個の単極コイル90を連ねたコイル9を1つの巻き取り治具2によって2組作製し,これらを同時にステータコア81に装着する。この作業を6回行うことにより,必要なすべての単極コイル90がステータコア81に装着される。
【0062】
この作業をさらに具体的に説明すると,まず,図18に示すごとく,巻き取り治具2における巻枠3とセパレートプレート29との間に形成されるコイル保持溝290がステータコア81のスロット810に対面するように,巻き取り治具2をステータコア81の内部に配置する。
【0063】
また,図18に示すごとく,巻き取り治具2の上記コイル保持溝290には挿入ブレード73を挿入する。また,巻き取り治具2における巻枠3の枠本体部32に設けた切り欠き部320とその上下の成形ブロック33,34に設けた切り欠き部330,340(図3参照)は,仮整形ブレード734を挿入するための仮整形溝295となる。
【0064】
そして,図19に示すごとく,挿入ブレード73をコイル保持溝290内において中心から外周に向かう方向に前進させると同時に,仮整形ブレード734を仮整形用溝295内において中心から外周に向かう方向に前進させる。これにより,単極コイル90は上記挿入ブレード73に押されて,コイル保持溝290から上記ステータコア81のスロット810に略直線的に移動する。また,単極コイル90におけるステータコア81からはみ出ている上下のコイルエンド部902(図14)は,上記仮整形ブレード734により押圧され外方に変形する仮整形が施される。
【0065】
このような挿入ブレード73及び仮整形ブレード734の前進動作は,6個の単極コイル90に対してすべて同時に行われ,6個の単極コイル90が同時にステータコア81のスロット810に挿入される。
【0066】
次に,本例では,上下一対のフォーマーという工具(図示略)を用いて,第2の仮整形を行う。フォーマーは,リング形状を有し,ステータコア81に対面する側に,コイルを所望形状に整えるための型面を有する。具体的には,上下の各フォーマーは,その内周部分がステータコア81に向かって突出するようなテーパ形状の型面を有する。そして,フォーマーをステータコア81に向かって前進させることにより上記コイル9を型面のテーパ形状に沿って外方へ整形するように構成されている。
【0067】
また,各フォーマーには,上記挿入ブレード73及び上記仮整形ブレード734との干渉を防止する切り欠き部が設けられている。そして,挿入ブレード73及び仮整形ブレード734を前進させた状態を維持したままフォーマーをステータコア81に押圧することができるようになっている。
【0068】
このような構造の上下一対のフォーマーを,ステータコア81に向けて上下からそれぞれ前進させ,ステータコア81に押圧する。これにより,上記のごとくステータコア81に配設されている6個の単極コイル90のステータコア81の上下からからはみ出しているコイルエンド部902がステータコア81に向かって倒れるように,第2の仮整形がなされる。
【0069】
次に,本例では,上述した実施例1に示したコイル形成装置1を用い,巻き取り治具2上にあらたに3個の単極コイル90を連ねたコイル9を2組形成する。そして,上記と同様に,巻き取り治具2から直接的にステータコア81へのコイル9の移動と仮整形及び第2の仮整形を行う。この作業を合計6回繰り返すことにより,合計36個の単極コイル90がステータコア81に装着される。そして,最後の第2の仮整形として行うフォーマーによる整形は,36個すべての単極コイル90に対して行われ,コイル全体の形を整える本整形工程となる。
【0070】
このようにして,ステータコア81には,合計36個の単極コイル90が挿入配置される。
なお,本例では,6個の単極コイルの形成から第2の仮整形までを一連の作業として行い,これを6回繰り返したが,複数組の巻き取り治具2を用いて,効率を上げることもできる。さらに,上記巻き取り治具2における巻枠3の数を6個から12個に増やして,12個の単極コイル90を一度にステータコア81へ移動させることにより工程の合理化を図ることも可能である。
【0071】
以上のように,本例では,上記巻き取り治具2及び挿入ブレード73を利用することによって,容易かつ安定的に,直線的にコイルを移動させる,いわゆる直線挿入工法を実施できる。即ち,単極コイル90の姿勢を変えることなく直線的にスロット810に挿入することができる。そのため,コイル9の上下方向の長さを必要以上に長くする必要がない。
【0072】
さらに,本例では,上記のごとく,コイル形成を行った巻枠3から直接ステータコア81へとコイルの移動を行うことができる。そして,コイルを形成した後,巻枠から他のコイル移載機へとコイルを移す必要がなく,非常に効率的にステータコアへのコイルの装着を行うことができる。これは,実施例1に詳説するごとく,巻き付け治具2の構造が上記のごとく優れた構造を有しているためである。
そして,巻き取り治具2から直接ステータコア81へコイルを挿入できるので,単極コイル90同士を繋ぐ渡り線の長さが短くてもコイルの移動を容易に実施することができる。
【0073】
実施例2
本例は,図20〜図22に示すごとく,実施例1において巻き取り治具2からステータコア81にコイルを挿入する際に使用するコイル挿入装置の一例をより詳細に示したものである。
本例のコイル挿入装置6は,図20,図21に示すごとく,底板部61に,支点641を中心に揺動可能に配設された複数の第1アーム64と,支点651を中心に揺動可能に配設された複数の第2アーム65とを設けてある。各第1アーム64は,同図に示すごとく,その上端に2枚の挿入ブレード73を有しており,一方,各第2アーム65は,その上端に2枚の仮整形ブレード734を有している。
【0074】
第1アーム64は,昇降プレート661に設けたピン663に係合可能な長穴部642を有している。また,第2アーム65も,同図に示すごとく,昇降プレート661に設けたピン664に係合可能な長穴部652を有している。
また,上記昇降プレート661は,底板部61上に配設された,シリンダ671,昇降ロッド672,ベースプレート673,連結ロッド674等と連結されており,シリンダ671によって駆動される昇降ロッド672の昇降に伴って昇降するように構成されている。
【0075】
また,上記第1アーム64及び第2アーム65に設けた長穴部642,652は,傾斜した長穴部分を有している。そして,ピン663,664の垂直方向の移動によってピン663,664と長穴部642,652との係合位置がずれることにより,第1アーム64及び第2アーム65は,支点641及び651を中心に揺動するように構成されている。なお,第1アーム64の長穴部642と第2アーム65の長穴部652の形状は若干変更してあり,第1アーム64と第2アーム65の揺動量等に違いを持たせてある。
【0076】
また,図22に示すごとく,各第1アーム64には,2枚の挿入ブレード73が平行に配設されており,2枚の挿入ブレード73が一緒に第1アーム64の揺動方向に平行に移動するように構成されている。なお,すべての第1アーム64の揺動方向は,ステータコア81の2つのスロット810間に位置するティース15の中央を通る半径方向Aに沿った方向である。
【0077】
また,同様に,各第2アーム65には,2枚の仮整形ブレード734が平行に配設されており,2枚の仮整形ブレード734が一緒に第2アーム65の揺動方向に平行に移動するように構成されている。また,すべての第2アーム65の揺動方向は,ステータコア81の2つのスロット810間に位置するティース15の中央を通る半径方向Bに沿った方向である。
【0078】
以上のような構成のコイル挿入装置6を用いることによって,上述した巻き取り治具2からステータコア81へ,直接,コイル9(単極コイル90)を直線的に移動させることを容易に実現することができる。それ故,上述した作用効果を確実に発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,コイル形成装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例1における,コイル形成装置によりコイルを形成している状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,巻き取り治具の構造を示す展開説明図。
【図4】実施例1における,巻き取り治具の巻枠をすべて後退させた状態を示す説明図。
【図5】実施例1における,巻き取り治具の第1の巻枠を前進させた状態を示す説明図。
【図6】実施例1における,巻き取り治具を第1の巻枠の軸線を中心に回転させて電線を巻回している状態を示す説明図。
【図7】実施例1における,第1の巻枠への電線の巻回が完了した状態を示す説明図。
【図8】実施例1における,第1の巻枠を後退させた状態を示す説明図。
【図9】実施例1における,巻き取り治具の第2の巻枠を前進させた状態を示す説明図。
【図10】実施例1における,巻き取り治具を第2の巻枠の軸線を中心に回転させて電線の巻回が完了した状態を示す説明図。
【図11】実施例1における,第2の巻枠を後退させた状態を示す説明図。
【図12】実施例1における,巻き取り治具の第3の巻枠を前進させた状態を示す説明図。
【図13】実施例1における,巻き取り治具を第3の巻枠の軸線を中心に回転させて電線の巻回が完了した状態を示す説明図。
【図14】実施例1における,第3の巻枠を後退させた状態を示す説明図。
【図15】実施例1における,巻枠の後退位置での固定構造を示す説明図。
【図16】実施例1における,巻枠の位置決めピンのガイドプレートへの係合を解除した状態を示す説明図。
【図17】実施例1における,巻枠の前進位置での固定構造を示す説明図。
【図18】実施例1における,巻き取り治具をステータコアの内部に配置した状態を示す説明図。
【図19】実施例1における,巻き取り治具に挿入した挿入ブレード及び仮整形ブレードを前進させた状態を示す説明図。
【図20】実施例2における,コイル挿入装置を示す斜視図。
【図21】実施例2における,コイル挿入装置における挿入ブレード及び仮整形ブレードを前進させた状態を示す説明図。
【図22】実施例2における,挿入ブレード及び仮整形ブレードの前進方向を示す説明図。
【符号の説明】
1...コイル形成装置,
2...巻き取り治具,
20...ベースホルダー,
3...巻枠,
4...回転装置,
9...コイル,
90...単極コイル,

Claims (18)

  1. リング状のモータコアを有し,該モータコアの内周面に設けたスロットにコイルを挿入配置してなるモータを製造する方法において,
    巻枠を有する巻き取り治具を用いて,該巻枠に電線を巻回することにより,単極コイルを形成するコイル形成工程と,
    上記コイルを保持した上記巻き取り治具を上記モータコアの内部に配置すると共に,上記各単極コイルを上記巻枠から直接上記モータコアの上記スロットに移動させるコイル挿入工程とを含み,
    上記コイル形成工程は,上記巻き取り治具として,ベースホルダーと,該ベースホルダーの外周面に配設された複数の上記巻枠とを有し,該巻枠が上記ベースホルダーに対して移動可能に配設された巻き取り治具を用い,
    上記複数の巻枠のうち1つの巻枠を他の巻枠よりも突出するよう移動させる巻枠突出工程と,
    上記突出した巻枠に電線を一方向から供給すると共に,上記巻枠の軸線又は該軸線に略平行な線を中心に上記巻き取り治具全体を回転させて上記巻枠に上記電線を巻回して単極コイルを形成する巻回工程とを含み,
    上記巻枠突出工程と上記巻回工程とを隣接する巻枠に順次繰り返し行うことを特徴とするモータの製造方法。
  2. 請求項1において,上記コイル挿入工程は,上記単極コイルを上記巻枠から上記スロットに向けて略直線的に移動させることにより行うことを特徴とするモータの製造方法。
  3. 請求項1又は2において,上記コイル形成工程においては,上記巻き取り治具として上記巻枠を複数有する巻き取り治具を用い,隣接する上記巻枠への巻き方向を交互に逆転させて電線を巻回することにより,複数の単極コイルを交互に巻き方向が異なるように連ねて設けたコイルを形成することを特徴とするモータの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記巻枠は,その軸線方向に略直線状に進退可能に配設しておき,上記巻枠突出工程においては,1つの巻枠を前進させることにより他の巻枠よりも突出させることを特徴とするモータの製造方法。
  5. 請求項4において,上記巻回工程の後には,上記単極コイルを形成した上記巻枠を後退させる巻枠後退工程を行うことを特徴とするモータの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記巻回工程は,上記巻枠ごとに順次巻き取り治具の回転方向を逆転させて行うことを特徴とするモータの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において,上記巻き取り治具における上記ベースホルダーは円盤形状を呈しており,上記複数の巻枠は,上記ベースホルダーの中心点から放射状に伸びる軸線に沿って進退可能に配設されていることを特徴とするモータの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において,上記巻き取り治具における上記各巻枠は,上記軸線に沿って幅が広がる扇形形状を有していることを特徴とするモータの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において,上記巻き取り治具における上記各巻枠は,巻回される単極コイルの形状を整えるための成形ブロックを着脱可能に備えていることを特徴とするモータの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において,上記巻き取り治具は,上記巻枠のすべてを後退させた状態における該巻枠の先端が形成する外形線が,上記ベースホルダーの中心点を中心とする円形状となることを特徴とするモータの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において,上記各巻枠の両側には,上記ベースホルダーの外周面から延設されたセパレートプレートが配設されており,該セパレートプレートと上記巻枠との間には所定の間隔が保持されていることを特徴とするモータの製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において,上記コイル挿入工程は, 上記モータコアの内部に配置された上記巻き取り治具に保持された上記単極コイルにコイル挿入手段を当接させ,その当接部を上記巻き取り治具から上記スロットに向かう方向に前進させることにより,上記単極コイルを上記巻枠から上記モータコアの上記スロットに移動させることを特徴とするモータの製造方法。
  13. 請求項12において,上記コイル挿入手段は,上記単極コイルにおける上記スロットに挿入される部分であるコイル挿入部に当接する挿入ブレードであることを特徴とするモータの製造方法。
  14. 請求項12又は13において,上記単極コイルの上記スロットへの移動と同時あるいはその後に,上記単極コイルにおける上記モータコアの外部に配置されるコイルエンド部に仮整形手段を当接させ,その当接部を上記モータコアの内周側から外周側へ前進させることにより上記コイルエンド部を押圧し変形させる仮整形工程を行うことを特徴とするモータの製造方法。
  15. 請求項14において,上記巻き取り治具の上記巻枠に仮整形用溝を設けておき,上記仮整形手段としては上記仮整形用溝に挿入可能な仮整形ブレードを用い,該仮整形ブレードを上記仮整形用溝に挿入して中心から外周に向かう方向に前進させることにより上記仮整形工程を行うすることを特徴とするモータの製造方法。
  16. 請求項14において,上記コイル挿入工程と上記仮整形工程を複数回繰り返した後,上記コイルを所望形状に整えるための型面を有するフォーマーを上記モータコアに押圧することにより上記コイルを整形する本整形工程を行うことを特徴とするモータの製造方法。
  17. 請求項16において,上記フォーマーには,上記コイル挿入手段及び上記仮整形手段との干渉を防止する切り欠き部が設けられており,上記コイル挿入手段及び上記仮整形手段を前進させた状態を維持したまま上記フォーマーを上記モータコアに押圧することを特徴とするモータの製造方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項において,上記モータコアは,ステータコアであることを特徴とするモータの製造方法。
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