JP3554672B2 - 電気子の巻線方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータの回転子に設けられた電気子にワイヤを巻き付ける電気子の巻線技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動モータには、電気子鉄心つまりアーマチュアコアと整流子つまりコンミテータとがシャフトに設けられて形成されたロータユニットと、永久磁石が設けられたステータとを有するものがある。アーマチュアは全体的に円柱形状となったアーマチュアコアを有し、このアーマチュアコアには放射方向に延びる複数のコアスロットがアーマチュアコアの一端から他端に向けて貫通して形成され、コアスロット内にワイヤを巻き付けることによりコイルが形成される。
【0003】
コイルを形成するためのワイヤの線径が細い場合には、特開平2−74141 号公報に示されるようなフライヤ巻線機によって、一対のアームを旋回させることによりコアスロット内にコイルを巻き付けることが可能であるが、フライヤ巻線機によってワイヤの線径が太いアーマチュアコイルを形成しようとすると、ワイヤが捩れてしまったりワイヤのテンションによりアーマチュアコアが変形してしまったりするために、フライヤ巻線機により線径の太いコイルを巻線することは困難である。
【0004】
線径が太いワイヤを用いてコイルを形成するには、キャピラリチューブとも言われコアスロットの数に対応した数のノズルからワイヤを繰り出して、それぞれのノズルをロータユニットの軸方向に往復動させてコアスロット内にコイルを巻き付けるようにした巻線機が使用されており、この巻線機はキャピラリ式とも言われ、たとえば、特開昭64-39248号公報に示されるものがある。
【0005】
一対のコイルは所定数のコアスロットを隔てた2つのコアスロット内に軸方向に延びるストレート部と、これらストレート部に連なり渡り線部とも言われるコイルエンド部とを有しており、一対のコイルの一端部はコンミテータの所定の係合溝に取り付けられ、他端部は一端部が取り付けられる係合溝から所定のピッチずれた位置の係合溝に取り付けられることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
キャピラリ式巻線機によるコイルエンド部の形状としては、山形状ないし角形状に成形するようにした成形巻線方式と、コイルエンド部をワイヤの折り返しのみで直接巻き付けるようにした直巻方式とがある。
【0007】
直巻方式はコイルエンド部を成形する工程を有していないので、その分だけ巻線時間を成形巻線方式に比して短くすることができるという利点があるが、コイルエンド部となる渡り線の部分がアーマチュアコアの端面に重なった状態となってしまい、コアスロット内に巻線されるコイルの数を増加させることができない。このため、コアスロットの断面積にはコイルを入り込ませる余裕があっても、コイルの巻き数が制限されることになる。
【0008】
これに対して、成形巻線方式はコイルエンド部をアーマチュアコアの端面から離すことにより、コアスロット内に挿入されるコイルの巻線数を増加させてコイル占有率を向上することができるが、成形工程が必要となり、直巻方式に比して巻線時間がかかり製造能率が低下することになる。
【0009】
本発明の目的は、コアスロットへのコイル巻き数を増加させても電気子の製造能率を向上し得るようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気子の巻線方法は、軸方向に沿って延びる複数のコアスロットが放射状に形成されてシャフトに設けられたアーマチュアコアに、複数のノズルからワイヤを繰り出してコイルを巻き付ける電気子の巻線方法であって、それぞれのワイヤを押し付けクランパにより前記シャフトに押し付けた状態のもとで、それぞれの前記ノズルを前記アーマチュアコアの一端側から他端側に移動させて第1のコアスロットにワイヤを挿入する工程と、それぞれのワイヤを押し付けクランパにより前記シャフトに押し付けた状態のもとで、それぞれの前記ノズルを前記アーマチュアの他端側から一端側に戻し移動させて前記第1のコアスロットとは相違した第2のコアスロットにワイヤを挿入する工程と、前記アーマチュアコアの端面の両側に形成されて前記第1と第2のコアスロット内のワイヤを結ぶ渡り線部を成形爪に引っ掛けて前記ノズルにより折り曲げてコイルエンド部を成形する工程とを有し、コイルの巻き始めから所定数のコイルを形成する際には前記コイルエンド部を成形し、前記所定数のコイルを形成した後には前記コイルエンド部を成形することなく前記第1のコアスロットと第2のコアスロットにワイヤを直接挿入するようにしたことを特徴とする。前記所定数のコイルを形成することにより成形された前記コイルエンド部はシャフトに向けて押し付けられることになる。

【0011】
本発明にあっては、第1回目から所定回目までの巻き付け操作にあってはコイルエンド部を成形する成形巻きを行い、所定回目以降の最終回までの巻き付け操作にあってはコイルエンド部を成形することなく直巻きを行うようにしたので、全てを成形巻きする場合に比して、コイル巻き時間を短縮して電気子の製造効率を向上させることができる。第1回目から所定回目まで成形巻きを行うので、コイルエンド部を大型化することなく、コアスロット内の巻線数を増加させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1(A) は本発明の巻線装置によって製造される電動モータのロータユニット10を示す半断面図であり、このロータユニット10はシャフト11と、これに設けられたアーマチュアコア12と、これから軸方向に離れてシャフト11に設けられたコンミテータ13とを有しており、アーマチュアコア12のコアスロットにワイヤ14を用いてコイルが巻き付けられ、アーマチュアが形成されることになる。尚、本実施の形態ではワイヤ14の線径は1〜2mm程度としてある。
【0014】
図1(B) は同図(A) のワイヤ14を取り除いた状態における1B−1B線に沿う断面図であり、全体的に円筒形状となったアーマチュアコア12は、放射状に延びて径方向外方が開口された21個のコアスロット15を有し、それぞれのコアスロット15は軸方向に延びて形成されアーマチュアコア12の両端面の間を貫通している。相互に隣接し合うコアスロット15の間は、歯部つまりコアティース16となっており、それぞれのコアティース16の径方向の先端部には円周方向両側に突出した鍔部分が設けられ、それぞれのコアティース16は断面がT字形状となっている。コアスロット15およびコアティース16は、図1(A) の下半分の部分に示されるように、一端から他端に向けて、僅かに円周方向に傾斜している。
【0015】
コンミテータ13は、図1(A) に示すように、コアスロット15の数に対応させて21個のセグメント13aからなり、それぞれのセグメント13aにはコイル18の両端部を固定するための係合溝17が形成されている。
【0016】
図2はアーマチュアコア12のコアスロット15にワイヤ14を巻き付けて形成されるコイル18のうち1回目の巻線により形成されるコイルの2対分の結線状態を示す展開図であり、たとえば、一対のコイル18Aはその一端部18aが番号1のセグメントに接続され、番号3と番号4のコアティース16の間のコアスロット15Aから、コンミテータ13に対して反対側のコイルエンド部18bを介して、番号8と番号9のコアティース16の間のコアスロット15Bを通り、コンミテータ13側のコイルエンド部18cを介してコアスロット15Aに戻って1つのループを形成する。コイルを所定の回数、たとえば、ワイヤ14を5回巻き付けてその回数のワイヤ14が巻き付けられたコイル18Aが形成され、そのコイル18Aの他端部18dは番号11のセグメントに接続されることになる。
【0017】
コイル18Aが形成されるコアスロット15Aには、コイル18Bも巻き付けられることになり、このコイル18Bの一端部18aは番号17のセグメントに接続され、他端部18dは番号6のセグメントに接続され、アーマチュアコア12の両側にはコイルエンド部18b,18cが形成される。したがって、5回巻き付けて1対のコイルを形成するようにした場合には、各々のコアスロット15には、10本のワイヤが挿通されることになる。なお、図2にあっては、2対のコイル18A,18B以外の他のコイルは省略されている。
【0018】
図3は図1に示したアーマチュアコア12にワイヤ14によりコイル18を巻き付ける巻線機の一部を示す縦断面図であり、図4は図3における4−4線に沿う断面図である。なお、図3には図4に示された21個のノズル23のうちの1つが示されており、他のノズル23も同様の構造となっている。
【0019】
図4に示すように、支持台21に水平方向の回転中心軸を中心に回転自在に取り付けられて円板形状のノズル支持部材22には、アーマチュアコア12に形成された21個のコアスロット15に対応させて、円周方向に等間隔に21個のノズル23が放射状となって設けられており、それぞれのノズル23からはワイヤ14が繰り出されるようになっている。このノズル支持部材22は図3において左右方向つまり水平方向に往復動自在となっており、ノズル支持部材22が図において左側に往動すると、ノズル23は水平方向に往動し、ノズル支持部材22が右側に復動すると、ノズル23は戻る方向に復動することになる。それぞれのノズル23はノズル支持部材22の回転中心軸に対して進退移動自在となっており、前進移動すると回転中心軸に接近し、後退移動すると回転中心軸から離反することになる。
【0020】
ノズル支持部材22の回転中心軸に一致させて、図3に示すように、シャフト11のコンミテータ13側の端部を把持するために、支持台21と相対移動可能に設けられた駆動軸24には、コレットチャック25が組み込まれている。支持台21に対向して配置された図示しない支持台には駆動軸24に対向してこれと同軸的に駆動軸26が設けられ、この駆動軸26には、シャフト11のアーマチュア側の端部を把持するために、コレットチャック27が組み込まれている。それぞれのコレットチャック25,27はそれぞれの駆動軸24,26とともに相互に軸方向に往復動自在となっており、これらのコレットチャック25,27を所定の距離だけ離反させた状態で、図示しない搬送装置によってロータユニット10をコレットチャック25,27の間に配置した後に、これらを接近させると、ロータユニット10はシャフト11の両端部で支持されることになる。
【0021】
両方の駆動軸24,26はコレットチャック25,27とともに回転自在となっており、ロータユニット10を回転させることができる。
【0022】
一方の駆動軸24の外側には、ワイヤ14の先端部を支持する環状の凹部28が形成されており、ワイヤ14の先端部をこの凹部28内に入り込ませた状態で固定するために、環状の固定リング29が軸方向に往復動自在に駆動軸24の外側に装着されている。
【0023】
駆動軸24の外側には駆動スリーブ31が軸方向に進退移動自在に装着されており、駆動軸26の外側にも駆動スリーブ32が軸方向に進退移動自在に装着されている。それぞれの駆動スリーブ31,32には、コイルエンド成形手段としての成形筒体33,34が取り付けられ、それぞれの成形筒体33,34にはコイルエンド成形用の成形爪35,36がノズル23の数に対応させて21個ずつ径方向外方に突出して設けられている。駆動スリーブ31は成形筒体33がアーマチュアコア12の外側となる前進限位置とコレットチャック25を露出させる後退限位置との間を進退移動し、駆動スリーブ32は成形筒体34がアーマチュアコア12の外側となる前進限位置とコレットチャック27を露出させる後退限位置との間を進退移動する。
【0024】
それぞれの駆動スリーブ31,32の外側には、軸方向に往復動自在に往復動スライダ37,38が装着され、それぞれの往復動スライダ37,38には、駆動軸24,26の中心軸に向けて径方向に進退移動自在に押し付けクランパ41,42が、ノズル23の数に対応させて21個ずつ設けられている。それぞれの押し付けクランパ41、42を径方向に進退移動させるために、往復動スライダ37,38には、流体圧シリンダ43,44が取り付けられている。
【0025】
ノズル23がアーマチュアコア12の図における右側のシャフト11の位置となるまで往復動スライダ37を往動させた状態で、押し付けクランパ41を前進移動させると、シャフト11に向けてワイヤ14を押し付けることになる。駆動スリーブ31を前進させた状態で押し付けクランパ41を前進移動させる際には、駆動スリーブ31と押し付けクランパ41との干渉を避けるために、駆動スリーブ31には開口部31aが形成されている。同様に、駆動スリーブ32にも開口部32aが形成されている。
【0026】
次に、図5〜図9を参照してアーマチュアコア12にワイヤ14を用いてコイル18を巻き付ける巻線方法について説明する。
【0027】
本発明にあっては、コイルの巻き始めから所定数のコイルを形成する際にはコイルエンド部を成形筒体33,34を使用して成形し、所定数のコイルを形成した後には最終回まで成形筒体33,34を使用することなく、直接コアスロット内にワイヤを挿入するように直巻きするようにしている。図示するロータユニット10にあっては、巻き始めから2回目までのコイルエンド部を成形するようにし、3回目から5回目までを直巻きしている。
【0028】
図5〜図9は、1回目のコイル巻き工程を示す図であり、2巻きまでは同様の工程が繰り返され、3巻から5巻までは一部の工程が省略される。
【0029】
まず、駆動軸24およびコレットチャック25と駆動軸26およびコレットチャック27とが所定の距離だけ相互に離れた状態のもとで、図示しない搬送装置によって図1に示すロータユニット10が両方のコレットチャック25,27の間に搬送される。この状態のもとで、両方のコレットチャック25,27によってロータユニット10は両端部で把持されて水平状態に支持される。
【0030】
それぞれのノズル23の前方が駆動軸24の外周面に形成された凹部28の位置となるように、ノズル支持部材22を軸方向に位置決めした状態のもとで、ノズル23の先端からワイヤ14を繰り出してワイヤ14の先端を凹部28内に入り込ませた後に、固定リング29を移動させることにより、ワイヤ14の先端は駆動軸24の外周部にクランプされる。
【0031】
ワイヤ14の先端のクランプが完了した状態を示すと、図3の通りであり、この状態のときには、それぞれのノズル23をロータユニット10の中心軸に沿う位置にコンミテータ13の各セグメント13aが位置することになる。したがって、図5(A) に示すように、ノズル支持部材22を図において左側に往動させると、ワイヤ14はノズル23から繰り出されながら、セグメント13aの係合溝17に入り込んで、ワイヤ14の先端がコンミテータ13の所定の位置に固定される。たとえば、図2における番号1のセグメント13aに対応してコイル18Aを巻き付けるためのノズル23は、これをノズル支持部材22により往動させることによってそのセグメント13aの係合溝17に固定されることになる。
【0032】
図5(A) に示すように、コンミテータ13のセグメント13aにワイヤ14の先端を固定した後には、ノズル23がシャフト11に向けて前進移動することにより、ワイヤ14はシャフト11の外周面に押し付けられるように折り曲げ加工される。その後、図5(B) に示すように、ノズル23を径方向外方に後退移動させながら、それぞれのノズル23から繰り出されるワイヤ14が巻き付けられる所定のコアスロット15の位置となるように、ノズル支持部材22が回転駆動されて、それぞれのノズル23はシャフト11の円周方向に沿って旋回することになる。たとえば、図2におけるコイル18Aを巻き付けるためのノズル23は、番号3と番号4のコアティース16の間のコアスロット15Aの位置にまで旋回移動する。
【0033】
この状態のもとで、図6(A)に示すように、押し付けクランパ41がシャフト11に向けて前進移動し、ワイヤ14は押し付けクランパ41とシャフト11の外周面との間でクランプされる。このようにしてワイヤ14がクランプされた状態で、それぞれのノズル23は、ノズル支持部材22を図において左側にさらに往動させることによって、コアスロット15の径方向外方の開口部に沿ってワイヤ14を繰り出しながら移動することになる。このときには、コアスロット15は円周方向に傾斜しているので、ノズル23の移動に同期させて、駆動軸24,26によりロータユニット10を回転させる。
【0034】
ノズル23がアーマチュアコア12を通過すると、図6(A) に示すように、各々のコアスロット15内にワイヤ14が挿入されることになる。たとえば、図2におけるコイル18Aを巻き付けるためのノズル23の往動によって、コアスロット15Aにワイヤ14が挿入されることになる。
【0035】
次いで、押し付けクランパ41を径方向外方に後退移動させ、さらに、駆動スリーブ31をアーマチュアコア12に向けて前進移動させた後に、図6(B) に示すように、再度、押し付けクランパ41を前進移動させて駆動スリーブ31に形成された開口部31aを貫通させて押し付けクランパ41により再度ワイヤ14をクランプする。この動作に対応させて、図7(A) に示すように、駆動スリーブ32をアーマチュアコア12に向けて前進移動させて、成形筒体34の成形爪36をノズル23よりもアーマチュアコア12側に位置させる。
【0036】
この状態のもとで、ノズル支持部材22を回転させることによってノズル23をアーマチュアコア12の円周方向に移動させると、成形爪36にワイヤ14が引っ掛けられる。その後、ノズル23を後退移動させることにより、図7(B) に示すように、ワイヤ14は成形爪36から外れてコイルエンド部が形成される。
【0037】
ワイヤ14が成形爪36から外れた後に、図8(A) に示すように、駆動スリーブ32を後退移動させ、そして、ノズル支持部材22を回転させることにより一対のコイル18を形成するための対応する他のコアスロット15の位置にノズル23を移動させた後に、ノズル23を前進移動させてワイヤ14をシャフト11の外周面に押し付けるとともに、押し付けクランパ42を前進移動させてコイルエンド部をクランプする。これにより、たとえば、図2におけるコイル18Aを巻き付けるためのノズル23は、番号8と番号9のコアティース16の間のコアスロット15Bの位置にまで移動するとともに、コイル18Aのコイルエンド部18bが成形されることになる。
【0038】
次いで、押し付けクランパ42によりワイヤを固定した状態のまま、図8(B) に示すように、ノズル23を後退移動させた後に、押し付けクランパ41を後退移動させてノズル23をシャフト11に沿って軸方向に復動させて、対応するコアスロット内にワイヤ14を挿入する。次に、押し付けクランパ42を後退させてこれをワイヤから離し、駆動スリーブ32をアーマチュアコア12に向けて前進移動させた後に、再度、押し付けクランパ42を開口部32aを通して前進移動させる。これによってワイヤ14はクランプされ、さらに、駆動スリーブ31を駆動スリーブ32に向けて前進移動させる。この状態のもとで、成形筒体33の成形爪35にワイヤ14を引っ掛けてコンミテータ側のワイヤ14が折り返された状態を示すと、図9(A) の通りである。
【0039】
この状態のもとで、ノズル23を後退移動させると、ワイヤは成形爪35から外される。外された後にノズル支持部材22を回転させて、ノズル23の往動時にワイヤが挿入されたコアスロットの位置までノズル23はノズル支持部材22により旋回移動する。この状態でノズル23を前進移動させると、ワイヤ14はシャフト11の外周面に接触するように折り曲げ加工され、コイル18のうちコンミテータ側のコイルエンド部が形成される。
【0040】
このように、ノズル支持部材22を1回往復動させることによって、相互に所定のピッチだけずれた2つのコアスロット15内にワイヤが挿入されて、コイル18のうち1回の巻線が形成される。
【0041】
1回の巻線が形成された後には、2回目の巻線を形成するために、ノズル23を後退移動させ、次いで、押し付けクランパ41を前進させてワイヤ14をクランブする。この状態を示すと、図9(B) の通りであり、この状態のもとで、ノズル支持部材22を再度往動させると、既に、図6(B) の工程でワイヤ14が挿入されたコアスロット15内に再度ワイヤが挿入されることになる。たとえば、図2におけるコイル18Aの場合には、1回目の巻線によりコアスロット15Aの位置にはワイヤが入り込んでおり、コイル18Aの2本目のワイヤが入り込むことになるが、このコアスロット15Aには、ノズル23の復動によってコイル18Bを構成するワイヤが既に挿入されている。
【0042】
図5〜図9に示す巻線工程を複数回、たとえば、2回繰り返すことによって、図1(A) に示すように、コイルエンド部が成形された2巻のコイルが、21対分同時に形成されることになる。2巻のコイルが巻き付けられた状態にあっては、ノズル23を前進させてコイルエンド部のアーマチュアコア12端部付近のストレート部分をシャフト11に向けて押し付けることによって、引き続く巻線によるコイルエンド部の巻き付けスペースが確保される。
【0043】
なお、ノズル23から繰り出してコアスロット15にワイヤ14を挿入した後には、ノズル23をシャフト11に向けて前進移動させることによりコイルエンド部を押し付けるようにしているが、これを省略して押し付けクランパ41,42のクランプ操作のみによってコイルエンド部を押し付けて引き続く巻線によるコイルエンド部の巻き付けスペースを確保するようにしても良く、1巻目にはワイヤに押し付け力を加えることなく、最後の成形巻きとなる2巻目のワイヤが巻き付けられた後に1度だけワイヤに押し付け力を加えるようにしても良い。
【0044】
残りの3巻から5巻までのコイル巻きは、ノズル23を前進させてワイヤの押し付けと、押し付けクランパ41,42によるコイルエンド部の固定と、成形筒体33,34の成形爪35,36を用いたコイルエンド部の成形とを行わない直巻きにて行う。
【0045】
したがって、それぞれのノズル23からはこれを往動させることによって第1のコアスロットにワイヤ14を挿入した後に、ノズル23を第2のコアスロットの位置まで旋回させ、次いで、ノズル23を復動することによって、第1のコアスロットに対応する第2のコアスロットにワイヤ14を挿入することにより、1巻分のコイルを形成する。図1(A) においては、成形巻きによる2巻き分のコイルエンド部が符号18Mで示され、直巻きによる3巻き分のコイルエンド部が符号18Nで示されている。
【0046】
このようにして、図1(A) に示すように、最終巻き分までのコイルが形成された後には、各々のコイル18の他端部は、ロータユニット10を巻線装置から取り外した後に所定のセグメント13aに固定される。そして、コイル18の両端部はセグメント13aに対して電着などの手段によって接合される。
【0047】
図示する巻線装置を用いた巻線操作にあっては、巻き始めから2巻分までのコイルのコイルエンド部は成形筒体33,34を用いて成形巻きを行って、シャフト11に向けてコイルエンド部のアーマチュアコア12端部付近のストレート部分をシャフト11に向けて押し付けるようにしたので、コイルエンド部の巻き付けスペースを確保することができる。そして、残りのコイルエンド部は成形巻きを行うことなく、このスペースに直巻きを行うようにしたので、コイル巻きに要する時間を短縮することができる。
【0048】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0049】
たとえば、アーマチュアコア12に形成されるコアスロット15の数は図示する場合には21個となっているが、これに限られない。また、一対のコイル18は5つのピッチ毎のコアスロット15にワイヤを入り込ませるようにしているが、このピッチ数は図示する場合に限られない。さらに、アーマチュアコア12にワイヤ14を巻き付けて形成されるコイル18の巻き数は図示する5回巻きの場合に限られず任意の巻き数とすることができる。
【0050】
【発明の効果】
コアスロットにワイヤを挿入して形成されるコイルのコイルエンド部は、コイルの第1回目から所定回数の部分については成形巻きを行い、最終巻きまでの残りのコイルのコイルエンドについては直巻を行うので、全て成形巻きによってコイル巻きを行った場合に比して、電気子の製造に要する時間が大幅に減少し、製造効率を向上させることができる。成形巻きを始めに行い、成形巻きによって得られたコイルエンド部をシャフトに向けて押し付けるようにしたので、これにより直巻によって形成されるコイルエンド部の巻き付けスペースを確保することができ、全体のコイルエンド部により形成されるコイル端末部のサイズを、巻線数を増加させても小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はロータユニットを示す半断面図であり、(B)は同図(A)における1B−1B線に沿う断面図である。
【図2】図1に示したアーマチュアの結線状態を示す展開図である。
【図3】図1に示したアーマチュアコアにコイルを巻き付ける巻線装置の一部を示す縦断面図である。
【図4】図3における4−4線に沿う断面図である。
【図5】巻線状態を示す断面図である。
【図6】巻線状態を示す断面図である。
【図7】巻線状態を示す断面図である。
【図8】巻線状態を示す断面図である。
【図9】巻線状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ロータユニット
11 シャフト
12 アーマチュアコア
13 コンミテータ
13a セグメント
14 ワイヤ
15 コアスロット
16 コアティース
17 係合溝
18 コイル
22 ノズル支持部材
23 ノズル
24 駆動軸
25 コレットチャック
26 駆動軸
27 コレットチャック
31,32 駆動スリーブ
33,34 成形筒体
35,36 成形爪
41,42 押し付けクランパ

Claims (2)

  1. 軸方向に沿って延びる複数のコアスロットが放射状に形成されてシャフトに設けられたアーマチュアコアに、複数のノズルからワイヤを繰り出してコイルを巻き付ける電気子の巻線方法であって、
    それぞれのワイヤを押し付けクランパにより前記シャフトに押し付けた状態のもとで、それぞれの前記ノズルを前記アーマチュアコアの一端側から他端側に移動させて第1のコアスロットにワイヤを挿入する工程と、
    それぞれのワイヤを押し付けクランパにより前記シャフトに押し付けた状態のもとで、それぞれの前記ノズルを前記アーマチュアの他端側から一端側に戻し移動させて前記第1のコアスロットとは相違した第2のコアスロットにワイヤを挿入する工程と、
    前記アーマチュアコアの端面の両側に形成されて前記第1と第2のコアスロット内のワイヤを結ぶ渡り線部を成形爪に引っ掛けて前記ノズルにより折り曲げてコイルエンド部を成形する工程とを有し、
    コイルの巻き始めから所定数のコイルを形成する際には前記コイルエンド部を成形し、前記所定数のコイルを形成した後には前記コイルエンド部を成形することなく前記第1のコアスロットと第2のコアスロットにワイヤを直接挿入するようにしたことを特徴とする電気子の巻線方法。
  2. 請求項1記載の電気子の巻線方法において、前記所定数のコイルを形成することにより成形された前記コイルエンド部をシャフトに向けて押し付ける工程を有することを特徴とする電気子の巻線方法。
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