JP2005051011A - トランジスタを備えた装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランジスタの信頼性を向上させる。
【解決手段】複数のトランジスタのうち少なくとも1つは、チャネル領域9、ソース領域およびドレイン領域14を有する半導体層3であって、チャネル領域9とソース領域14との間およびチャネル領域9とドレイン領域14との間に、ソース領域及びドレイン領域14の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域8を有する半導体層3と、半導体層3の上に形成された第1の絶縁層4と、第1の絶縁層4の上に設けられたゲート電極6と、ゲート電極6のそれぞれの側面を覆うサイドウォールスペーサ11と、ゲート電極6および半導体層3を覆う第2の絶縁層12とを備える。チャネル領域9はゲート電極6と重なっており、低濃度不純物領域8のそれぞれのチャネル方向のサイズは、各サイドウォールスペーサ11の厚さLsよりも大きい。
【選択図】図1
【解決手段】複数のトランジスタのうち少なくとも1つは、チャネル領域9、ソース領域およびドレイン領域14を有する半導体層3であって、チャネル領域9とソース領域14との間およびチャネル領域9とドレイン領域14との間に、ソース領域及びドレイン領域14の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域8を有する半導体層3と、半導体層3の上に形成された第1の絶縁層4と、第1の絶縁層4の上に設けられたゲート電極6と、ゲート電極6のそれぞれの側面を覆うサイドウォールスペーサ11と、ゲート電極6および半導体層3を覆う第2の絶縁層12とを備える。チャネル領域9はゲート電極6と重なっており、低濃度不純物領域8のそれぞれのチャネル方向のサイズは、各サイドウォールスペーサ11の厚さLsよりも大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数のトランジスタを備えた装置およびその製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と略すことがある)は、アクティブマトリックス型液晶表示装置(以下、単に「液晶ディスプレイ」と呼ぶ)において、画素毎に設けられるスイッチング素子として表示部に用いられるとともに、駆動回路にも用いられている。また、密着型イメージセンサ、さらにはSRAM(Static Random Access Memory)等のLSI(Large Scale Integrated Circuit)にも応用されている。
液晶ディスプレイの駆動回路を構成する薄膜トランジスタでは、オン電流が十分に大きいことが要求される。そのため、比較的短いチャネル長(1um程度)を有する薄膜トランジスタの開発が行われている。
ところで、チャネル長が短くなると、薄膜トランジスタの信頼性が問題となることから、薄膜トランジスタに低濃度不純物領域(以下、単に「LDD領域」と呼ぶ)を設ける(LDD構造)ことが多い。チャネル長が1um程度と短く、かつLDD構造を有する薄膜トランジスタを、大面積の基板上に形成する場合、特別のフォトマスクを追加することなく、LDD領域を自己整合(セルフアライメント)的に形成することが重要である。
LDD領域をセルフアライメントで形成する一般的な方法を図4に示す。
この方法では、まず、基板21の絶縁性表面22に半導体層23を形成し(図4(a))、その上に、ゲート絶縁層24および導電膜25を順次成膜する(図4(b))。この後、導電膜25およびゲート絶縁層24をパターニングすることにより、ゲート電極26を形成する(図4(c))。このゲート電極26をマスクとして、LDD領域28を形成するために、半導体層23に不純物イオン27を注入する。半導体層23のうちゲート電極26に覆われた領域(不純物イオンが注入されない領域)は、チャネル領域29となる。次いで、ゲート電極26および半導体層23を覆う第1の層間絶縁層30を形成する(図4(e))。第1の層間絶縁層30を異方性エッチングすることにより、ゲート電極26の側面にサイドウォールスペーサ31を形成する(図4(f))。このエッチングにより、ゲート絶縁層24も同時にエッチングされる。この後、ゲート電極26とサイドウォールスペーサ31とをマスクとして、高濃度不純物領域(ソース領域、ドレイン領域)34を形成するために、半導体層23に不純物イオン33を注入する(図4(f))。これにより、フォトマスクを用いずに、セルフアライメントによって、サイドウォールスペーサ31に覆われた半導体層23の領域にLDD領域28が形成される。この後、第2の絶縁層38を形成する工程、コンタクトホール形成工程、および電極39の形成工程を経て、薄膜トランジスタが完成する(図4(g))。このように、自己整合的にLDD領域を形成する方法は、TFT以外のLSIの製造にも用いられている(特許文献1、特許文献2)。
これらの従来方法では、高濃度不純物領域を形成するためのイオン注入時に、半導体層23のうち高濃度不純物領域となる領域34に直接イオンが注入されるため、半導体層23の結晶はイオン注入によるダメージを受け、結晶性が低下する。そのため、薄膜トランジスタを形成した後に熱処理を施し、半導体層23にイオン注入された不純物イオン33を活性化させ、かつ半導体層23の結晶が受けたダメージを回復させる。しかしながら、イオン注入でダメージを受けた半導体層23の結晶性を完全に回復させることは非常に難しい。従って、上記方法で得られる薄膜トランジスタでは、高濃度不純物領域34の抵抗が非常に高くなり、その結果、トランジスタの性能が著しく低下するおそれがある。
一方、薄膜トランジスタの信頼性を向上させるためには、LDD領域をできるだけ長くする必要がある。上記の従来の方法では、第1の層間絶縁層30を厚くすれば、サイドウォールスペーサ31の厚さLsも大きくなり、LDD領域28を長くすることができる。しかし、第1の層間絶縁層30の厚さを大きくする方法では、サイドウォールスペーサ31を形成する際のエッチングにより、半導体層23までエッチングされてしまう可能性がある。
特開2001−308331号公報
特開平07−335903号公報
本発明の目的は、薄膜トランジスタを備えた装置において、高濃度不純物領域の結晶性を損なわず、かつ、サイドウォールスペーサの厚さを増大することなく、従来よりも長いLDD領域をセルフアライメントで形成することにより、薄膜トランジスタの信頼性を向上させることである。
本発明の装置は、複数のトランジスタを備えた装置であって、前記複数のトランジスタのうち少なくとも1つは、チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する半導体層であって、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有する半導体層と、前記半導体層の上に形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極のそれぞれの側面を覆うサイドウォールスペーサと、前記ゲート電極および前記半導体層を覆う第2の絶縁層とを備え、前記チャネル領域は前記ゲート電極と重なっており、前記低濃度不純物領域のそれぞれのチャネル方向のサイズは、各サイドウォールスペーサの厚さよりも大きい。
ある好ましい実施形態において、前記第2の絶縁層は、前記サイドウォールを覆って形成されている。
ある好ましい実施形態において、前記サイドウォールスペーサは、前記第2の絶縁層の一部を覆って形成されている。
ある好ましい実施形態において、前記第1の絶縁層の一部は、前記半導体層と前記サイドウォールスペーサとの間に位置する
ある好ましい実施形態において、前記低濃度不純物領域のそれぞれの前記チャネル方向のサイズは、前記各サイドウォールスペーサの前記厚さと前記第2の絶縁層の厚さとの和と略等しい。
ある好ましい実施形態において、前記低濃度不純物領域のそれぞれの前記チャネル方向のサイズは、前記各サイドウォールスペーサの前記厚さと前記第2の絶縁層の厚さとの和と略等しい。
前記各サイドウォールスペーサの前記厚さは、10nm以上2000nm以下であることが好ましい。
前記第2の絶縁層の前記厚さは、0.1nm以上1000nm以下であることが好ましい。
好ましくは、前記低濃度不純物領域はセルフアライメントにより形成されたものである。
本発明の方法は、複数のトランジスタを備えた装置の製造方法であって、半導体層および前記半導体層を覆う第1の絶縁層が形成された基板を用意する工程と、前記ゲート絶縁層の上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマスクとして、半導体層に第1のドーズ量で不純物元素をドープする工程と、前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性のサイドウォールスペーサ、および前記ゲート電極および前記半導体層を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、前記ゲート電極と、前記サイドウォールスペーサと、前記第2の絶縁層のうち前記ゲート電極の前記それぞれの側面を覆う部分とをマスクとして、前記半導体層に第2のドーズ量で不純物元素をドープする工程とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記サイドウォールスペーサおよび第2の絶縁層を形成する工程は、前記ゲート電極の前記それぞれの側面と接するように、前記サイドウォールスペーサを形成する工程と、前記ゲート電極、前記サイドウォールスペーサおよび前記半導体層を覆うように、前記第2の絶縁層を形成する工程とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記サイドウォールスペーサを形成する工程は、前記ゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、異方性エッチングにより、前記絶縁膜のうち前記ゲート電極の側面と接する部分以外の部分を除去する工程とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記絶縁膜のうち前記ゲート電極の側面と接する部分以外の部分を除去する工程の際に、前記第1の絶縁層も除去される。
本発明によれば、サイドウォールスペーサの厚さを大きくすることなく、チャネル方向のサイズの大きいLDD領域をセルフアライメントにより形成できる。
また、サイドウォールスペーサを形成した後に、第2の絶縁層を形成し、第2の絶縁層を通して、半導体層に高濃度不純物領域を形成するためのイオン注入を行うため、イオン注入によって半導体層の結晶性に与えるダメージを低減できる。そのため、その後の熱処理によって半導体層のダメージが回復しやすくなり、その結果、高濃度不純物領域の抵抗を小さくすることができるので、トランジスタ性能の低下を抑制できる。
さらに、LDD領域を長くするためにサイドウォールスペーサの厚さを大きくする必要がないので、サイドウォールスペーサを形成する際のエッチングにより、半導体層までエッチングされることを防止できる。
本発明のトランジスタを有する装置は、トランジスタ性能およびオン電流を低下させることなく、セルフアライメントにより形成され、かつチャネル方向のサイズが大きいLDD領域を有しているので、信頼性が高い。
以下、図面を参照しながら、本発明によるトランジスタを備えた装置の実施形態を説明する。本明細書における「トランジスタを備えた装置」は、アクティブマトリクス基板や、液晶表示装置、有機EL表示装置、LSI等を広く含むものとする。
図1は、本実施形態における薄膜トランジスタを示している。本実施形態の装置は、複数の薄膜トランジスタを備えているが、図1には、簡単のため、単一の薄膜トランジスタのみを示している。なお、以下の図面では、同様の機能を有する部分は同じ番号を用いて示している。
図1に示す薄膜トランジスタ100では、基板1の表面に形成された絶縁層2の上に半導体層3が形成されている。半導体層3には、チャネル領域9と、チャネル領域9を挟んで設けられたLDD領域8と、チャネル領域9およびLDD領域8を挟んで設けられた高濃度不純物領域(ソースおよびドレイン領域)14とが形成されている。半導体層3のうち、チャネル領域9および各LDD領域8の一部を覆うように、ゲート絶縁層4が形成されている。ゲート絶縁層4の上には、ゲート電極6およびその両側面を覆うサイドウォールスペーサ11が設けられている。ゲート電極6、サイドウォールスペーサ11および半導体層3は、第2の絶縁層12で覆われている。各LDD領域8のチャネル方向のサイズはサイドウォールスペーサ11の厚さ(チャネル方向のサイズ)よりも大きい。各LDD領域8のチャネル方向のサイズは、例えば、サイドウォールスペーサ11の厚さLsと第2の絶縁層12の厚さLldとの和と略等しい。
次に、図2を参照して、薄膜トランジスタ100の製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、基板1上に、例えば多結晶シリコンからなる半導体膜3’を形成する。基板1は絶縁性の表面を有していればよく、例えば石英基板、ガラス基板、または絶縁性膜で被覆されたガラス基板などを用いることができる。本実施形態では、基板1として、絶縁層2で被覆されたガラス基板を用いる。半導体膜3’の材料は、多結晶シリコンに限らず、非晶質シリコン、微結晶シリコン等であってもよいし、これらの材料にゲルマニウム、ニッケル、リン、ボロン、ひ素等を添加した材料であってもよい。また、基板1として単結晶シリコンを用いた場合には半導体膜3’を形成する必要がなく、その単結晶シリコンをそのまま半導体膜として用いることができる。
半導体膜3’の形成は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法やLPCVD(Low Pressure CVD)法等の公知方法で、上記材料を堆積(厚さ:例えば10nm以上200nm以下)させることによって行うことができる。例えば、多結晶シリコンからなる半導体膜3’は、LPCVD法により、580℃以上650℃以下の基板温度で基板1の上に直接形成できる。また、LPCVD法により400℃以上600℃以下の基板温度で非晶質シリコン膜を形成した後、この非晶質シリコン膜を、真空中または不活性ガス中、500℃以上650℃以下の温度で6〜48時間アニールすると、一層良好な多結晶シリコン膜が得られる。非晶質シリコン膜の形成は、プラズマCVD法により行ってもよい。この場合、原料ガスとして、例えばSiH4、Si2H6を用いる。また、非晶質シリコン膜のアニールは、ランプアニール法やレーザーアニール法で行ってもよい。
次に、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びエッチングにより半導体膜3’をパターニングすることにより島状の半導体層3を形成する。1枚の半導体膜3’から複数の島状の半導体層3が形成されるが、図では、そのうちの1つの半導体層3のみを示す。この後、半導体層3の上にゲート絶縁層4を成膜する。このゲート絶縁層4は、スパッタ法、常圧CVD法、LPCVD法、プラズマCVD法、リモートプラズマCVD法等により成膜することができる。ここでは、ゲート絶縁層4として、厚さが5nm以上150nm以下のSiO2膜を形成する。代わりに、ゲート絶縁層4は窒化シリコン膜、酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁層から形成してもよい。
次に、図2(c)に示すように、ゲート電極6を形成する。ゲート電極6は、アルミニウム、銅などの金属膜、またはこれらの合金膜、シリコン膜、タングステンやチタンなどの高融点金属とシリコンとのシリサイド膜、シリコン膜とシリサイド膜との積層膜をパターニングすることによって形成できる。本実施形態では、タングステンを用いてゲート電極6(厚さ:例えば500nm)を形成する。
この後、図2(d)に示すように、ゲート電極6に対して自己整合的に不純物イオン7を注入し、半導体層3に低濃度不純物領域8を形成する。この時、ゲート電極6下の半導体層部分には不純物が注入されないのでチャネル領域9が形成される。本実施形態では、不純物イオン7としてリンイオンを用い、エネルギー5〜100keVでドーズ量3×1013ions/cm2のリンイオンの注入を行う。代わりに、不純物イオン7として、ボロンを用いてもよい。
続いて、図2(e)に示すように、サイドウォール形成用の絶縁膜10を形成する。ここでは、厚さが50nm以上2000nm以下のSiO2膜を形成する。
次に、図2(f)に示すように、絶縁膜10とゲート絶縁層4とを異方性エッチングすることにより、ゲート電極6の側面にサイドウォールスペーサ11を形成する。サイドウォールスペーサ11におけるチャネル方向の厚さLsは、絶縁膜10の厚によって決まる。また、このときのエッチングにより、ゲート絶縁層4もエッチングされるので、ゲート絶縁層4の端部の位置と、サイドウォールスペーサ11の端部の位置とが一致する。
図2(g)に示すように、ゲート電極6、サイドウォールスペーサ11および半導体層3を覆う第2の絶縁層12を形成する。本実施形態では、厚さが5nm以上200nm以下のSiO2膜を形成する。この後、半導体層3に自己整合的に不純物イオン13を注入することにより、半導体層3に高濃度不純物領域14を形成する。この時、半導体層3のうち、ゲート電極、ゲート電極6の側面を覆うサイドウォールスペーサ11、およびサイドウォールスペーサ11の側面を覆う第2の絶縁層12と重なる部分には不純物イオン13が注入されないので、低濃度不純物領域(LDD領域)8が形成される。従って、LDD領域8の長さは、サイドウォールスペーサ11におけるチャネル方向の厚さLsおよび第2の絶縁層12のうちサイドウォールスペーサ11の側面を覆って形成された部分の厚さLldの和となる。不純物イオンの注入は、例えば、不純物イオン13としてリンイオンを用い、5〜100keVのエネルギーで、ドーズ量を5×1015ions/cm2として行う。不純物イオン13としてボロンを用いてもよい。
その後、熱処理によって、LDD領域8および高濃度不純物領域14の不純物イオンを活性化する。熱処理の方法として、炉アニール法、ランプアニール法、レーザーアニール法や自己活性法を用いることができる。
熱処理後、図2(h)に示すように、第2の絶縁層12を覆う第3の層間絶縁層17を形成する。第2の絶縁層12および第3の層間絶縁層17に、各高濃度不純物領域14にそれぞれ達するコンタクトホールを形成する。この後、コンタクトホール内部および第3の層間絶縁層17上に、ソースあるいはドレインとの配線16を形成する。これらの配線16および第3の層間絶縁層17を覆う第4の絶縁層18を形成する。
上記の製造方法によれば、サイドウォールスペーサ11の厚さLsを増大させることなく、サイドウォールスペーサ11の厚さLsよりも第2の絶縁層の厚さLldだけ長いLDD領域8を形成できるので、トランジスタの信頼性を向上できる。また、そのようなLDD領域をセルフアライメントで形成できるため、チャネル長の短い薄膜トランジスタを高い精度で製造できる。さらに、図2(g)に示すイオン注入工程では、第2の絶縁層を通して半導体層3に不純物イオン13を注入しており、半導体層3に直接不純物イオン13が注入されないので、高濃度不純物領域の結晶性のダメージを抑えることができる。そのため、その後の熱処理によって半導体層のダメージが回復しやすく、高濃度不純物領域の抵抗を小さくできるので、トランジスタの性能の大幅な低下を防止できる。
第1、2のドーズ量、絶縁膜10の厚さ(すなわち、サイドウォール11の厚さLs)、第2の絶縁層12の厚さLld、LDD領域のチャネル方向のサイズ等は上記に限定されず、TFTのチャネル長、TFTへの印加電圧、TFTから構成される電気回路の性能、TFTに要求される信頼性、TFTの製造しやすさ等を総合的に判断して適宜選択される。以下、これらの値の好適な範囲の具体例を説明する。
LDD領域を形成する際の第1のドーズ量は、TFTの信頼性を向上させるためには低い方が好ましく、例えば1×1015ions/cm2以下であることが好ましい。一方、第1のドーズ量が低すぎると、LDD領域を設けたことによる効果が得られないおそれがあるので、第1のドーズ量は例えば1×1010ions/cm2以上であることが好ましい。また、ソース、ドレイン領域を形成する際の第2のドーズ量は、ソース、ドレインの抵抗を下げ、TFTの性能を向上させるためには高い方が好ましく、例えば1×1014ions/cm2以上であることが好ましい。一方、ドーピング工程の時間を必要以上に長くしないためには、第2のドーズ量は1×1017ions/cm2以下であることが好ましい。
サイドウォール11の厚さLsは、TFTの信頼性を向上させるためには大きい方が好ましく、例えば10nm以上であることが好ましい。一方、厚さLsが大きすぎるとTFTの性能が低下するおそれがあるので、厚さLsは例えば2000nm以下が好ましい。
第2の絶縁層12の厚さLlsは、TFTの信頼性を向上させるためには大きい方が好ましく、例えば0.1nm以上であることが好ましい。厚さLlsが0.1nmより小さいと、不純物の活性化が難しくなり、TFTの信頼性が低下するおそれがあるからである。一方、Llsは例えば1000nm以下であることが好ましい。厚さLlsが大きすぎると、ソース、ドレインを形成するための不純物のドーピングが難しくなり、TFTの性能が低下するおそれがあるからである。
LDD領域のチャネル方向のサイズは、チャネル長、TFTに印加される電圧、TFTに要求される性能、TFTに要求される信頼性等によって適宜選択される。LDD領域のチャネル方向のサイズの好ましい範囲は、例えば10nm以上1000nm以下である。
本発明における薄膜トランジスタの製造方法は、上記に限定されない。例えば、ゲート電極6をパターニングする際に、ゲート絶縁層4の端部およびゲート電極6の端部の位置が一致するようにゲート絶縁層4もパターニングし、ゲート絶縁層4の側面をサイドウォールスペーサ11で覆う構成にしてもよい。あるいは、ゲート電極4やサイドウォールスペーサ11のエッチング工程の際に、ゲート絶縁層4をエッチングせず、半導体層3のうち高濃度不純物領域14となる部分の上にゲート絶縁層4を残してもよい。この場合、半導体層3に高濃度不純物領域14を形成する工程で、第2の絶縁層12およびゲート絶縁層4の両方を通して、不純物イオンを半導体層3にドープすることになる。高濃度不純物領域14を形成する工程で、不純物イオンを安定して半導体層3にドープするためには、半導体層3のうち高濃度不純物領域14となる部分を覆う絶縁層の厚さを略均一に制御できることが好ましい。ゲート絶縁層4とサイドウォールスペーサ11とを同じ材料(例えばSiO2)から形成する場合には、サイドウォールスペーサ11を形成するためのエッチング工程において、下層にあるゲート絶縁層4もエッチングされるので、半導体層3のうち高濃度不純物領域14となる部分の上にゲート絶縁層4を均一な厚さに残すことは困難である。このため、ゲート絶縁層4とサイドウォールスペーサ11とを同じ材料から形成する場合には、半導体層3のうち高濃度不純物領域14となる部分の上のゲート絶縁層4を略完全に除去することが好ましい。
また、図2に示す製造方法では、サイドウォール11を形成した後に第2の絶縁層12を形成しているが、ゲート電極6を覆う第2の絶縁層12を形成した後に第2の絶縁層12を覆う絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチングすることによって、ゲート電極6の両側にサイドウォール11を形成してもよい。この場合、第2の絶縁層12の材料と絶縁膜の材料とが大きなエッチング選択比を有するように、これらの材料を選択することが好ましい。この後、ゲート電極6、第2の絶縁層12のうちゲート電極6の側面を覆う部分(厚さLld)およびサイドウォール11(厚さLs)をマスクとして、第2の絶縁層12を通して、半導体層3に不純物イオンをドープする。これにより、半導体層3におけるゲート電極6の両側に、サイドウォール11の厚さLsよりも長いLDD領域8を形成できる。
この方法によって得られる薄膜トランジスタの構成を図3に示す。図3では、第2の絶縁層12の一部を覆って、サイドウォール11が形成されている。図3におけるLDD領域8のチャネル方向のサイズは、第2の絶縁層12の厚さLldとサイドウォール11の厚さLsとの和と等しい。この構成によっても、図1に示す薄膜トランジスタ100の構成と同様の効果が得られる。
さらに、上記実施形態における薄膜トランジスタ100は、不純物が高濃度に導入された高濃度不純物領域14をn+、不純物が低濃度に導入された低濃度不純物領域(LDD領域)8をn−とするN型薄膜トランジスタであるが、代わりにP型薄膜トランジスタであってもよい。また、不純物7、13のドーパントは任意に選択できる。さらに、絶縁膜10や、絶縁層12、17、18を構成するそれぞれの絶縁材料として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル、酸化アルミニウム等、種々の絶縁材料を用いることができ、またこれらの膜を複数組み合わせた積層構造にすることもできる。絶縁層10、12、17、18の厚さ、チャネル長L(チャネル領域9のチャネル方向のサイズ)、および半導体層3の幅W等、薄膜トランジスタの各構成要素のサイズも用途によって適宜変更することができる。
本発明によれば、従来よりも長いLDD領域をセルフアライメントで形成することにより、信頼性の高いトランジスタを備えた装置を提供できる。また、そのようなトランジスタを備えた装置を、高濃度不純物領域の結晶性を損なわず、かつ、サイドウォールスペーサの厚さを増大させることなく、製造できる。
本発明は、アクティブマトリクス基板、表示装置、LSIなどに広く適用できる。チャネル長が短くても信頼性に優れた薄膜トランジスタが得られるので、大きいオン電流が必要とされる用途(液晶ディスプレイのドライバ回路など)に本発明を適用すると、特に有利である。
1 基板
2 絶縁層
3 半導体層
4 ゲート絶縁層
6 ゲート電極
7、13 不純物イオン
8 低濃度不純物領域
9 チャネル領域
10 絶縁膜
11 サイドウォールスペーサ
12 第2の絶縁層
14 高濃度不純物領域
16 配線
17 第3の層間絶縁層
18 第4の層間絶縁層
2 絶縁層
3 半導体層
4 ゲート絶縁層
6 ゲート電極
7、13 不純物イオン
8 低濃度不純物領域
9 チャネル領域
10 絶縁膜
11 サイドウォールスペーサ
12 第2の絶縁層
14 高濃度不純物領域
16 配線
17 第3の層間絶縁層
18 第4の層間絶縁層
Claims (12)
- 複数のトランジスタを備えた装置であって、前記複数のトランジスタのうち少なくとも1つは、
チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する半導体層であって、前記チャネル領域と前記ソース領域との間および前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の不純物濃度よりも低い不純物濃度を有する低濃度不純物領域を有する半導体層と、
前記半導体層の上に形成された第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極のそれぞれの側面を覆うサイドウォールスペーサと、
前記ゲート電極および前記半導体層を覆う第2の絶縁層と
を備え、
前記チャネル領域は前記ゲート電極と重なっており、
前記低濃度不純物領域のそれぞれのチャネル方向のサイズは、各サイドウォールスペーサの厚さよりも大きい、装置。 - 前記第2の絶縁層は、前記サイドウォールを覆って形成されている、請求項1に記載の装置。
- 前記サイドウォールスペーサは、前記第2の絶縁層の一部を覆って形成されている、請求項1に記載の装置。
- 前記第1の絶縁層の一部は、前記半導体層と前記サイドウォールスペーサとの間に位置する、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
- 前記低濃度不純物領域のそれぞれの前記チャネル方向のサイズは、前記各サイドウォールスペーサの前記厚さと前記第2の絶縁層の厚さとの和と略等しい、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
- 前記各サイドウォールスペーサの前記厚さは、10nm以上2000nm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
- 前記第2の絶縁層の前記厚さは、0.1nm以上1000nm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
- 前記低濃度不純物領域はセルフアライメントにより形成されたものである、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
- 複数のトランジスタを備えた装置の製造方法であって、
半導体層および前記半導体層を覆う第1の絶縁層が形成された基板を用意する工程と、
前記ゲート絶縁層の上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして、半導体層に第1のドーズ量で不純物元素をドープする工程と、
前記ゲート電極の側面を覆う絶縁性のサイドウォールスペーサ、および前記ゲート電極および前記半導体層を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート電極と、前記サイドウォールスペーサと、前記第2の絶縁層のうち前記ゲート電極の前記それぞれの側面を覆う部分とをマスクとして、前記半導体層に第2のドーズ量で不純物元素をドープする工程と
を包含する、方法。 - 前記サイドウォールスペーサおよび第2の絶縁層を形成する工程は、
前記ゲート電極の前記それぞれの側面と接するように、前記サイドウォールスペーサを形成する工程と、
前記ゲート電極、前記サイドウォールスペーサおよび前記半導体層を覆うように、前記第2の絶縁層を形成する工程と
を含む、請求項9に記載の方法。 - 前記サイドウォールスペーサを形成する工程は、
前記ゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
異方性エッチングにより、前記絶縁膜のうち前記ゲート電極の側面と接する部分以外の部分を除去する工程と
を含む、請求項10に記載の方法。 - 前記絶縁膜のうち前記ゲート電極の側面と接する部分以外の部分を除去する工程の際に、前記第1の絶縁層も除去される、請求項11に記載の方法。
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JP2003280880A JP2005051011A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | トランジスタを備えた装置およびその製造方法 |
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