JP2005050800A - 二次電池及び二次電池を用いた電源 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高容量で急速充電特性,急速放電特性に優れた二次電池を提供する。
【解決手段】
正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極のうちいずれかは、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の充電もしくは放電反応に関与できる相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解して形成される細孔を有し、且つクラックを有することを特徴とする。
【効果】
高容量で、急速充放電特性が改善された二次電池が得られた。
【選択図】図3
高容量で急速充電特性,急速放電特性に優れた二次電池を提供する。
【解決手段】
正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極のうちいずれかは、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の充電もしくは放電反応に関与できる相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解して形成される細孔を有し、且つクラックを有することを特徴とする。
【効果】
高容量で、急速充放電特性が改善された二次電池が得られた。
【選択図】図3
Description
本発明は二次電池と二次電池を用いたシステムに係り、特に急速充電及び急速放電特性に優れた二次電池とこれを使用した電源システムに関する。
各種の小形コードレス機器の急速な普及とともに電源となる電池の需要が増大しているが、特に使い易さの点から一回の充電による機器の使用時間を長くできる高容量化の要求が高まっている。高容量化に対する消費者の要求は根強いものがある。近年、開発が急速に進められたものとしてニッケル−金属水素化物電池とリチウム二次電池がある。ニッケル−金属水素化物電池では、水素吸蔵合金を主成分とする負極が用いられる。ニッケル−金属水素化物電池は、電池電圧,放電特性などにおいてニッケル−カドミウム電池とほとんど同じで互換性を有しており、且つ電池容量が50〜100%増加することが期待できる電池として注目されている。また、リチウム二次電池は、電池電圧が高く、軽いためニッケル−金属水素化物電池と同様に高容量の電池である。
電池の使い勝手を考えるならば、いかに短時間で充電ができるかを示す急速充電特性の向上が要求される。また、電気自動車のような大電流放電を必要とする機器側から考えると、急速放電特性が重要である。鉛電池やニッケル−カドミウム電池では急速充電特性も急速放電特性もある程度満足のいく特性が得られているが、ニッケル−金属水素化物電池やリチウム二次電池では急速充電も急速放電も満足のいくものではない。
従来、ニッケル−金属水素化物電池については急速充放電特性を改善するためにいくつかの方法が考えられている。例えば、平均粒径が5ミクロン以下の超微粒子からなる水素吸蔵合金電極を用いたり(特開昭60−119079号)、結着剤を含むシート状水素吸蔵合金電極に直径30ミクロン以上の細孔を設けたり(特開昭61−153947号)、水素吸蔵合金粒子(母粒子)の表面に平均粒子径が1/10〜1/200の金属単体,ニッケル基合金,ステンレス鋼の粒子で被覆することや(特開昭64−6366号)、無定形,微晶質,長距離の構造的秩序を欠如する多結晶を組み合わせた無秩序な多成分物質からなる水素吸蔵合金を用いる(特公平4−80512号)などがある。また、リチウム電池では、集電体の表面をニッケルやチタンで被覆(特開平5−159781 号)したり、炭素材料に膨張化処理をしてクラックを発生(特開平3−134970号)させて急速充放電特性を改善している。
一般に電極は、電池反応に関与する物質の粒子を微粒子化した後、結着剤を加えてシート状に接着したり、焼結法により粒子と粒子を結合させることによって多孔質な極板を作製する。従って粒子の平均粒径を小さくすれば電池反応に関与する物質層の反応場の面積も増加する。しかし、実際には電池反応に関与する物質を微粒子化するほど粒子は電極からの脱落が多くなり、このため容量が低下したり、微粒子化する過程で電池反応に関与する物質表面に不純物による皮膜が生成し、電池反応を阻害する要因となって急速充放電特性が反って悪くなるなどの問題がある。
ここで、電池反応に関与する物質表面に孔を形成すれば反応面積向上に効果があると考えられるが、結着剤との接触部分や粒子と粒子の間隙層に細孔を形成してもその効果はない。電極に複数個の孔を設けることは、反応面積向上よりむしろ電極の電池反応に関与する物質の充填密度低下を招き、実際には容量が低下する。さらに、こうした孔の生成は粒子と粒子の間の電気的接触を低下させるため、急速充放電特性はかえって悪くなる。とどまることのないクラックの生成も同様である。
導電性の粒子を電池反応に関与する物質粒子のまわりに配置する方法,配置する粒子の形状は繊維状のものでも膜状ものでもよく、粒子の種類も導電性を阻害しないものであるならば、カーボンや金属などの他、反応触媒でもよい。しかし、このような物質な電池反応に関与する物質としての作用がない、或いは作用が低いものは添加すると容量密度を低下させるという問題も生じる。
電池反応に関与する物質の結晶構造を、無定形や微晶質,結晶性の低い多結晶を組み合わせた無秩序な多成分物質とする方法は、無秩序構造とすることで貯蔵部位と活性部位とが現れ、クラック,孔,粒界の存在のみに依存しない実質的な表面積の増大が得られる。上記のような無秩序物質は、粒界も無秩序で明確でなく、そのため充放電時の膨張収縮による応力も緩和され、亀裂や孔が生成しずらいことから、粒子と粒子の間の電気的接触を低下させることがなく、貯蔵容量は大きく、サイクル寿命も長い。しかし、急速充放電における電池反応は、表面の電荷移動反応が律速であり、物質内部に三次元的に貯蔵部位と活性部位をたくさん作っても、表面の反応面積が小さければ、電荷移動律速となり、急速充放電の速度に追いつかない。すなわち、表面での電荷移動が円滑に進む方法,表面の反応面積の増大を考えなければならない。
集電体に被覆する方法はその手段はさまざまであるが、集電体と電池反応に関与する物質との接触抵抗を小さくするために行われる。しかし、実際には集電体と電池反応に関与する物質との接触抵抗よりも電極内部の抵抗、例えば、粒子と粒子の間の接触抵抗や、粒子と電解液との間の界面の反応抵抗の方がはるかに大きい。
材料の膨張化処理はクラック形成を容易にするため、表面の反応面積の増大には有効である。しかし、格子体積が膨張することにより、充放電の可逆性が損なわれたり、放電容量が低下するなどの欠点が生じる。
このように、電池の急速充放電特性を改善するのに有効な方法は見出されていない。
本発明は二次電池の急速充放電特性を改善し、広い用途に用いられる二次電池と二次電池を用いた電源システムを提供することを目的とする。
本発明は、出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能な二次電池を提供する。
本発明の二次電池は、正極或いは負極が、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有する電極からなることを特徴とする。
該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有し、且つクラックを有することを特徴とする。
また、前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有することを特徴とする。
該粒子は、前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有し、且つ充電生成物或いは放電生成物の生成により形成されるクラックを有することを特徴とする。
前記相のうち少なくとも2相が単独では異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。充電容量もしくは放電容量のそれぞれの大きさは問題ではない。2相の充電容量もしくは放電容量を比較してその値が異なっていることが応力破壊を招き、すなわちクラックの形成に必要である。
前記相のうち少なくとも2相が充電もしくは放電反応において異なる膨張率もしくは収縮率を示す物質であることを特徴とする。膨張率もしくは収縮率のそれぞれの大きさは問題ではない。2相の膨張率もしくは収縮率を比較してその値が異なっていることが応力破壊を招き、すなわちクラックの形成に必要なのである。膨張率もしくは収縮率はX線回折測定結果より求めた格子定数の増加或いは減少から格子体積の膨張率或いは収縮率を求めることができる。
該粒子は、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。クラックは充電もしくは放電反応に関与しない相や内部に存在する溶解或いは蒸発しきれずに残った相をピン止めにし、それ以上クラックが広がることがない。従って、クラックが進行し、深い亀裂から空洞を生成して、電気的接触が断たれることはない。しかし、充電もしくは放電反応に関与する相が2相以上存在し、それぞれの相の充電容量或いは放電容量が異なることや、膨張率が異なること、細孔が存在することなど、クラックの発生源は極めて多くあり、短いクラックが多数生じて、表面の反応面積を増大させることができる。さらに本発明の粒子は充電もしくは放電反応に関与する相と相との間の境界が明確である。従って、クラックはこの境界に沿っても形成することができる。
該粒子は、クラックが、電池の充電反応,放電反応、これらに類似の反応,電解液,酸,アルカリ,酸化剤,還元剤のうち少なくとも一つとの反応、およびこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの手段で形成されることを特徴とする。類似の反応とは、ニッケル−金属水素化物二次電池の水素吸蔵合金で言えば、例えば、気相中の水素と水素を吸蔵放出できる温度及び圧力で反応させることである。或いは、液相中で水素ガスの発生を伴う反応を使って、合金に水素を吸蔵させる反応である。リチウム二次電池で言えば、例えば、リチウムと熱力学的に反応させることである。電解液との反応とは、ニッケル−金属水素化物二次電池の水素吸蔵合金で言えば、ニッケル−金属水素化物二次電池で一般に用いられている電解液と合金の腐食或いは酸化反応である。リチウム二次電池で言えば、負極或いは正極表面における電解液の分解反応、または、負極或いは正極中の不純物や、活性サイト、例えばラジカルと電解液との反応である。
前記細孔は、前記電解液と接触する前記粒子表面に存在することを特徴とする。本細孔は電池反応に寄与するものであるので、少なくとも電解液と接触する前記粒子表面に存在していればよい。
本発明の電池の電極を構成する、充放電反応に関与する物質粒子は、該粒子表面は細孔を有し、該細孔表面の組成は該細孔周囲の前記粒子表面の組成と異なることを特徴とする。該粒子はいわゆる一次粒子である。粒子を集合させることにより粒子間で形成される細孔などとは異なり、溶解或いは蒸発した相に存在する元素や溶解などによる相と他の相の粒界に存在する元素などにより、溶解などによってできた細孔の表面には、活性な皮膜を有することができる。
前記粒子は複数の相から構成され、前記細孔は相のうち少なくとも一種の相が溶解或いは蒸発されてなり、前記細孔表面には少なくとも一種の遷移金属もしくは貴金属を有することを特徴とする。例えば、遷移金属或いは貴金属の酸化物,水酸化物,炭酸塩,キレート錯体,異種の金属との固溶体の皮膜の状態である。
前記粒子が合金からなる場合は、少なくとも2種以上の元素を含有する合金であり、該合金は第1の相と該第1の相に析出した少なくとも一つの第2の相を有し、該第2の相のうち少なくとも1相が溶解或いは蒸発してなる細孔を有するものである。該第2の相のうち少なくとも1相が単独では該第1の相とは異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。さらに、前記粒子にクラックが形成されることを特徴とする。
前記粒子の主成分がカーボンからなる場合は、少なくとも1種以上の相を有するカーボンであり、該カーボン表面には前記相のうち少なくとも1相が溶解もしくは蒸発してなる細孔を有することを特徴とする。前記細孔は、電解液と接することのできる面のみに存在し、電解液と接することのできない粒子内部では細孔が存在しないようにしてもよい。前記粒子がカーボンと添加成分からなる場合は、前記一つ以上の相は、添加成分又は添加成分とカーボンとの化合物からなるものであってもよい。前記相のうち少なくとも1相が単独では該カーボンとは異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。また、前記粒子にクラックが形成されることを特徴とする。
前記粒子が酸化物或いは硫化物からなる場合は少なくとも2種類以上の元素を含有する酸化物或いは硫化物であり、これらの化合物は第1の相と該第1の相に析出した少なくとも1種の第2相を有し、該第2相のうち少なくとも1つの相が溶解或いは蒸発してなる細孔を有することを特徴とする。該第2の相のうち少なくとも1相が単独では該第1の相とは異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。前記粒子にクラックが形成されることを特徴とする。
前記粒子は平均粒径が2ミリメーター以下の粒子よりなり、該粒子の平均粒径の2分の1以下150分の1以上の平均径の細孔を有することを特徴とする。本粒径はいわゆる一次粒子である。本発明の充放電反応に関与する物質は粒径が2ミリメーター以下、好ましくは20ナノメーター以上500マイクロメーター以下の粒子であり、結着剤を用いて粒子を接着するか,機械的に圧粉するか,熱的に焼結するか,化学的に凝集させるかのいずれかの方法で多孔質電極とする。前記粒子が2ミリメーターよりも大きいと、本発明の細孔を設けても特性改善の顕著な効果は認められない。好ましくは20ナノメーター以上500マイクロメーター以下の活物質粒子で本発明の効果が認められる。
該細孔の平均径は粒子の平均粒径の2分の1以下150分の1以上、好ましくは5分の1以下50分の1以上である。該細孔の平均径が粒子の平均粒径の2分の1よりも大きいと電解液の保持力が低下し、保液量が減少して反応場の面積が減少する。また、150分の1よりも小さいと気泡が抜けにくいために電解液が保持されず反応場の面積が減少する。
前記粒子は前記細孔の占める表面積が粒子表面積の0.15% から80%範囲であることを特徴とする。
前記粒子に存在する該細孔は前記粒子の表面積の0.15% 以上80%以下、好ましくは10%以上50%以下の細孔面積を占める。0.15% より小さい場合には特性改善の効果は小さく、80%より大きい場合には前記粒子の充填密度が低下するため容量密度が低下する。
前記粒子は前記細孔の占める割合は、粒子体積の0.2 体積%から60体積%の範囲であることを特徴とする。
該細孔の占める割合は、粒子体積の0.2 体積%から60体積%、好ましくは1体積%から40体積%の範囲である。0.2 体積%より小さい場合には特性改善の効果は小さく、60体積%より大きい場合は活物質の充填密度が低下するため容量密度が低下する。
前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも2相の単独での充電容量もしくは放電容量が、その大きさの小さい方の充電容量もしくは放電容量に対する大きい方の充電容量もしくは放電容量の比で、1.05 以上であることを特徴とする。
前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも2相の単独での充電容量もしくは放電容量が、その大きさの小さい方の充電容量もしくは放電容量に対する大きい方の充電容量もしくは放電容量の比で、1.05 以上、好ましくは1.5から3.5の範囲である。1.05 より小さい場合にはクラックが生成されにくく、特性改善の効果は小さい。
前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも2相の充電もしくは放電反応において生じる体積膨張率もしくは収縮率が、その大きさの小さい方の膨張率もしくは収縮率に対する大きい方の膨張率もしくは収縮率の比で、1.1 以上であることを特徴とする。
前記相のうちいずれか2相の充電もしくは放電反応において生じる体積膨張率もしくは収縮率が大である相の膨張率もしくは収縮率の、小である相の膨張率もしくは収縮率に対する比が1.1以上、好ましくは1.7から4.5 の範囲である。1.1 より小さい場合にはクラックが生成されにくく、特性改善の効果は小さい。
負極が水素吸蔵合金粒子を有する場合は、該粒子はマグネシウム,ランタン,セリウム,プラセオジウム,ネオジウム,チタン,ジルコニウム,ハフニウム,ニオブ,パラジウム,イットリウム,スカンジウム,カルシウム,アルミニウム,コバルト,クロム,バナジウム,マンガン,スズ,硼素,モリブテン,タングステン,カーボン,鉛,鉄,ニッケル,カリウム,ナトリウム,リチウム、の一つ以上を含有する合金から構成され、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有することを特徴とする。
例えば、前記溶解される相は、母相のなかに分散された状態である。前記溶解される相は、アルカリに可溶な相である。本発明において溶解して形成される相には、酸,アルカリ,酸化剤,還元剤により溶解されるもの及び、反応ガスと接触して蒸発して形成されるものを含む。さらに、ガスアトマイズ法のように、微量の酸素を粒子内部および表面に含有し、溶融状態にある金属元素と酸素とが反応してガス状の酸化物に変化し、これが蒸発して粒子に細孔を形成するものも本発明に含む。上記ガス状の酸化物は冷却過程で固体の酸化物に変化し体積収縮によって粒子内部にも細孔を形成することができ、これも本発明に含む。
前記水素吸蔵合金粒子は、充電生成物或いは充放電時の副生成物の生成により、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。充電生成物とは例えば金属水素化物や水素の固溶相である。また、充放電時の副生成物とは水素吸蔵合金粒子を構成する元素の水酸化物或いは酸化物,析出物などである。
前記相のうち少なくとも2相が単独では異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
上記合金(金属間化合物)をアーク溶解または高周波溶解,粉霧法,溶湯急冷などにより作製し、溶湯をアルカリに可溶な相や充電もしくは放電反応に関与が可能な第二の相が得られる温度に徐冷または保持して作製することができる。
前記の水素吸蔵合金粒子を有する負極においては、溶解される相はアルミニウム,バナジウム,マンガン,スズ,硼素,マグネシウム,モリブデン,タングステン,ジルコニウム,カリウム,ナトリウム,リチウム,ニッケル,チタンのうち少なくとも一つを40重量%以上含有することが好ましい。前記成分の含有量が前記範囲にある相は、溶解して細孔を形成するのに適しており、良好な細孔を形成することができる。
この溶解される相は、アルカリ電解液に極めて可溶な相を形成するものである。
焼結或いは溶解、または、メカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法により混合することによっても作製することができる。合金化の度合はメカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法では回転数や時間を適正化することにより、均一化させないようにしてアルカリに溶解する相や充電もしくは放電反応に関与が可能な第二の相を偏析させて目的の負極(或いは負極を構成する粒子)を作製する。
前記細孔は前記電解液に溶解されて形成されるものでもよい。電解液は一般にニッケル水素電池に用いられているものでよい。前記細孔は、電解液と接することのできる面のみに存在し、電解液と接することのできない粒子内部では細孔が存在しないようにしてもよい。
本発明の二次電池において、前記負極は、カーボンを主成分としてなり、該カーボンは鉄,ニッケル,イオウ,硼素,モリブデン,タングステン,バナジウム,ニオブ,シリコン,スズ,リチウム,ナトリウム,カリウム,鉛,銀の少なくとも一つの単体或いは酸化物からなる少なくとも一つの相を含有し、該相の少なくとも1相が酸,アルカリ,酸化剤,還元剤の少なくとも一つにより溶解或いは蒸発して形成される細孔を有するものであることができる。前記負極は、例えばリチウム二次電池負極に適応することが好ましい。
前記負極粒子は、充電生成物或いは充放電時の副生成物の生成により、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。
前記相のうち少なくとも1相が単独では該カーボンと異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
本発明の二次電池において、前記正極或いは負極は導電性高分子からなり、或いは前記導電性高分子は鉄,ニッケル,イオウ,硼素,モリブデン,タングステン,バナジウム,ニオブ,シリコン,スズ,鉛,リチウム,ナトリウム,カリウム,銀の少なくとも一つの単体或いは酸化物からなる少なくとも一つの相を含有し、該相の少なくとも1相が酸,アルカリ,酸化剤,還元剤の少なくとも一つにより溶解或いは蒸発して形成される細孔を有することができる。前記正極或いは負極は、例えばリチウム二次電池正極或いは負極に適応することが好ましい。
前記正極或いは負極粒子は、充電生成物,放電生成物、或いは充放電時の副生成物の生成により、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。
前記相のうち少なくとも1相が単独では該導電性高分子と異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
本発明の二次電池において、前記負極はニッケル,シリコン,ゲルマニウム,マグネシウム,銅,マンガン,ニオブ,硼素,銀の少なくとも一つを有する合金から構成され、少なくとも2以上の相からなり、該相の少なくとも1相が酸,アルカリ,酸化剤,還元剤の少なくとも一つにより溶解或いは蒸発して形成される細孔を有することを特徴とする。前記負極は、例えばリチウム二次電池負極に適応することが好ましい。
前記負極粒子は、充電生成物、或いは充放電時の副生成物の生成により、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。
前記相のうち少なくとも2相が単独では異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
本発明の二次電池において、前記正極は鉛,マンガン,バナジウム,鉄,ニッケル,コバルト,銅,クロム,モリブデン,チタン,ニオブ,タンタル,ストロンチウム,ビスマス,タングステン,硼素の少なくとも一つを含有する酸化物,或いはチタン,モリブデン,鉄,タンタル、ストロンチウム,鉛,ニオブ,銅,ニッケル,バナジウム,ビスマス,マンガンの少なくとも一つを含有する硫化物、又は前記酸化物或いは硫化物とリチウムを含有する複合酸化物からなる第1相と、アルミニウム,スズ,硼素,マグネシウム,カリウム,ナトリウム、バナジウムのうち少なくとも一つの単体或いは酸化物を含む少なくとも一つの第2相とが含有されており、該第2相のうちの少なくとも一つの相が酸,アルカリ,酸化剤,還元剤により溶解して形成される細孔を有することを特徴とする。前記正極は、例えばリチウム二次電池正極に適応することが好ましい。
本発明の二次電池において、前記正極は鉛,マンガン,バナジウム,鉄,ニッケル,コバルト,銅,クロム,モリブデン,チタン,ニオブ,タンタル,ストロンチウム,ビスマス,硼素,タングステン,アルミニウム,スズ,マグネシウム,カリウム,ナトリウムの少なくとも一つを含有する酸化物、或いはチタン,モリブデン,鉄,タンタル,ストロンチウム,鉛,ニオブ,銅,ニッケル,バナジウム,ビスマス,マンガン、アルミニウム,スズ,硼素,マグネシウム,カリウム,ナトリウムの少なくとも一つを含有する硫化物、又は前記酸化物或いは硫化物とリチウムを含有する複合酸化物の少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相のうち少なくとも2相が単独では異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
前記正極粒子は、充電生成物、或いは充放電時の副生成物の生成により、前記相のうち充電もしくは放電反応に関与が可能な相の少なくとも1相の、細孔の、それらの境界の、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれた少なくとも一つの領域でクラックが生成することを特徴とする。
前記相のうち少なくとも2相が単独では異なる充電容量もしくは放電容量を示す充電もしくは放電反応に関与が可能な物質であることを特徴とする。
本発明は、正極と負極が電解液を介してなる二次電池に使用する前記正極或いは負極の製造方法において、該負極を電池反応に関与する物質粒子を集合して成形して製造する工程、少なくとも2種以上の充電もしくは放電反応に関与できる相を含有する第1の相と、該第1の相のなかに、溶解或いは蒸発して細孔を形成する第2相を存在してなり、該第2相の少なくとも一つの相を酸,アルカリ,酸化剤,還元剤のいずれかで溶解或いは蒸発して細孔を形成する工程、とを有することを特徴とする。
さらに、該正極或いは負極を電池反応に関与する物質粒子を集合して成形して製造する工程,前記電極に充電反応或いは放電反応或いはそれに類似の反応を行い、一部に充電生成物、或いは放電生成物を生成させ、クラックを形成させる工程、とを有すること特徴とする。
本発明は、正極と負極が電解液を介してなる二次電池に使用する前記電極の製造方法において、第1の相と、第1の相以外に少なくとも1種以上の充電もしくは放電反応に関与できる第2の相と溶解或いは蒸発して細孔を形成する第3の相を存在させた電池反応に関与する物質粒子を、第1の相の成分と第2の相の成分と第3の相の成分とを化合して第1の相のなかにこれらの相を分散して存在させる工程,該第1の相のなかに第2の相と第3の相とを分散して存在させたものを破砕する工程,該破砕した粒子に充電反応或いは放電反応或いはそれに類似の反応を行い、一部に充電生成物、或いは放電生成物を生成させ、クラックを形成させる工程,該クラックを有する粒子を板状に成形する工程、とを有するこを特徴とする。
前記化合する際は、メカニカルアロイング法,固相反応,液相反応,気相反応,ガスアトマイズ(第2相の析出する温度付近で噴霧するなど)による合成法を用いることができる。その際、前記粒径や第2相の大きさなどは前記規定の通りである。
または、第1の相の成分と、第1の相以外に少なくとも1種以上の充電もしくは放電反応に関与できる第2の相の成分と溶解或いは蒸発して細孔を形成する第3の相の成分とを混合し、第1の相の成分を溶融し、その後冷却して破砕して、該破砕した粒子の前記第3の相を酸,アルカリ,酸化剤,還元剤のいずれかで溶解して該粒子表面に細孔を形成して、該細孔を有する前記粒子を板状に成形することができる。もちろん前記のように反応ガスと接触して第3の相を選択的に蒸発させて細孔を形成することができる。
第1の相成分の溶湯の中に第2の相や第3の相の成分を加えて第2の相や第3の相を形成することができる。
溶解する相は、酸,アルカリ,酸化剤,還元剤のいずれかで選択的に溶解する合金,金属間化合物或いは単体の第3の相(析出相)を作製し、該相が溶解できる試薬を使って溶解して、該細孔を作製した後、電極形状(例えば板状)に成形することができる。或いは、先に電極形状成形した後、溶解させて細孔を作製することも可能である。
本発明は正極,負極、及びそれらの各部分に分布する電解液により構成される二次電池に適応できる。必要に応じて正極と負極間にセパレータを備えるものである。本発明は、特にニッケル−金属水素化物電池やリチウム電池などの密閉型二次電池に適応することが好ましい。
本発明において使用する合金は、いわゆる金属間化合物を含むものと解される。例えば、正極と水素吸蔵合金負極とが容器に収容され、電解液を有する二次電池であることができる。水素吸蔵合金負極は水素吸蔵合金粒子を集合して形成されたものであることが好ましい。正極と負極の間には、セパレータを介されたものでもよい。
水素吸蔵合金負極に本願発明を用いることにより、水素吸蔵反応の触媒作用を得ることができる。前記作用は細孔に残存する活性種(空孔,不対電子を有する活性な元素などと考えられる)により、急速充放電特性が向上し、長寿命化を図ることができる。
正極と負極とが容器に収容され、非水電解液が充填された二次電池で、アルカリ金属
(例えば、リチウム)イオンを正極や負極で挿入・放出して充放電を行うものに適応できる。
(例えば、リチウム)イオンを正極や負極で挿入・放出して充放電を行うものに適応できる。
カーボン或いは導電性高分子負極の場合では、例えばカーボンでは、六員環のエッジ部分からリチウムが挿入され、インターカレーション反応が行われる。本細孔により六員環のエッジ部分、いわゆる末端が多く存在するために、反応を進み易くすることができる。これにより、急速充放電性を向上させ、高容量化を図ることができる。
導電性高分子正極の場合では、正極の活物質は電解液中のアニオンであるので、細孔に電解液の吸液量を増加させることができ、充放電反応を円滑に進行させることができる。
金属酸化物,硫化物正極の場合では、遷移金属を添加することにより、正極中の金属と置換して欠陥を生じさせ、この欠陥にリチウムを入れることができるので、欠陥の増加はリチウムの反応サイトを増加させることができ、高容量化を図ることができる。
電池反応に関与する物質粒子の形状及び細孔の形状は球状,楕円状,円錐状,繊維状,ドーナッツ状,立方体,直方体,不定形状であることができる。
例えば、本発明は以下の電池電極に使用できる。もちろん、本発明のような細孔を形成することにより性能の向上を図ることができるものであれば、他の電池電極に適応できることはいうまでもない。
ニッケル−水素電池の負極の充放電反応に関与する物質として下記の成分からなる水素吸蔵合金を用いることができる。本願発明の第1の相と、第1の相以外に少なくとも1種以上の充電もしくは放電反応に関与できる第2の相と溶解或いは蒸発して細孔を形成する第3の相を有する下記の合金、などを使用できる。
・マグネシウム,ランタン,セリウム,ネオジウム,プラセオジウム,チタン,ジルコニウム,ハフニウム,ニオブ,パラジウム,イットリウム,スカンジウム,カルシウムの少なくとも一つとニッケルの組み合わせた成分からなる合金。
・上記組み合わせにアルミニウム,コバルト,クロム,バナジウム,マンガン,錫,バリウム,モリブデン,タングステン,カーボン,鉛,鉄,カリウム,ナトリウム,リチウム,ほう素の少なくとも一つとの組み合わせた成分からなる合金。
例えば、下記の合金に適応できる。
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co),
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−B),
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−W),
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−Mo)
且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=1/4.5〜5.5の範囲である。
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−B),
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−W),
(La−Ce−Nd−Pr)−(Ni−Mn−Al−Co−Mo)
且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=1/4.5〜5.5の範囲である。
このうち充電もしくは放電反応に関与する第二の相はLa0.5〜2.5Co,
La0.5〜2.5Ni,La0.5〜2.5Mn,Ce0.5〜2.5Co,La0.5〜2.5Al,
Ce0.5〜2.5Niである。また、上記の元素以外にV,Fe,Ti,Nb,Ca、などを添加し、Ti0.5〜2.5Ni,Nb0.5〜2.5Ni,Ca0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
La0.5〜2.5Ni,La0.5〜2.5Mn,Ce0.5〜2.5Co,La0.5〜2.5Al,
Ce0.5〜2.5Niである。また、上記の元素以外にV,Fe,Ti,Nb,Ca、などを添加し、Ti0.5〜2.5Ni,Nb0.5〜2.5Ni,Ca0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
また、(Zr)−(Ni−V−Mn)でもよい。この(Ni−V−Mn)側にはさらにCo,Fe,Cr,Sn,B,Mo,W,Cのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有し、且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=1/1.5〜2.5の範囲である。或いは、(Zr)側にはさらにTi,Hf,Y,Nbのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有してもよい。前記組み合わせは、Co及びMo,Co及びB,Cr及びMo,Co及びW、などであってもよい。
このうち充電もしくは放電反応に関与する第二の相はZr0.5〜2.5Co,
Ti0.5〜2.5V,Zr0.5〜2.5Ni,Zr0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5V,
Ti0.5〜2.5Ni,Nb0.5〜2.5Niなどである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,
Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
Ti0.5〜2.5V,Zr0.5〜2.5Ni,Zr0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5V,
Ti0.5〜2.5Ni,Nb0.5〜2.5Niなどである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,
Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
または、(Mg)−(Ni−Al−Mn),
(Mg)−(Ni−V−Mn)
この(Ni−V−Mn),(Ni−Al−Mn)側にはさらにCo,Fe,Cr,Sn,B,Mo,W,Cのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有し、且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=2/0.5〜1.5の範囲である。或いは、(Mg)側にはさらに、Zr,Ti、Hf,Y,Nbのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有してもよい。
(Mg)−(Ni−V−Mn)
この(Ni−V−Mn),(Ni−Al−Mn)側にはさらにCo,Fe,Cr,Sn,B,Mo,W,Cのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有し、且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=2/0.5〜1.5の範囲である。或いは、(Mg)側にはさらに、Zr,Ti、Hf,Y,Nbのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有してもよい。
このうち充電もしくは放電反応に関与する第二の相はMg0.5〜2.5Co,
Mg0.5〜2.5Ni,Mg0.5〜2.5Mn,Ti0.5〜2.5Co,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5V,Ti0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5Ni
,Hf0.5〜2.5Niである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、
La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,
Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
Mg0.5〜2.5Ni,Mg0.5〜2.5Mn,Ti0.5〜2.5Co,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5V,Ti0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5Ni
,Hf0.5〜2.5Niである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、
La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,
Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
または、(Ti)−(Ni−Al−Mn),
(Ti)−(Ni−V−Mn)
この(Ni−V−Mn),(Ni−Al−Mn)側にはさらにCo,Fe,Cr,Sn,B,Mo,W,Cのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有し、且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=1/0.5〜2.5の範囲である。或いは、(Ti)側にはさらにZr,Mg,Hf,Y,Nbのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有してもよい。
(Ti)−(Ni−V−Mn)
この(Ni−V−Mn),(Ni−Al−Mn)側にはさらにCo,Fe,Cr,Sn,B,Mo,W,Cのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有し、且つ、原子比で換算して、前記( )/( )=1/0.5〜2.5の範囲である。或いは、(Ti)側にはさらにZr,Mg,Hf,Y,Nbのうち少なくとも一つ、もしくはこれらの組み合わせを有してもよい。
このうち充電もしくは放電反応に関与する第二の相はMg0.5〜2.5Co,
Mg0.5〜2.5Ni,Mg0.5〜2.5Mn,Ti0.5〜2.5Co,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5V,Ti0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5Ni,
Hf0.5〜2.5Niなどである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,
Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
Mg0.5〜2.5Ni,Mg0.5〜2.5Mn,Ti0.5〜2.5Co,Ti0.5〜2.5Fe,
Ti0.5〜2.5V,Ti0.5〜2.5Ni,Ti0.5〜2.5Mn,Zr0.5〜2.5Ni,
Hf0.5〜2.5Niなどである。また、上記の元素以外にCa,La,Ceなどを添加し、La0.2〜2.5Ni,Ce0.2〜2.5Ni,Ca0.2〜2.5NiLa0.2〜2.5Fe,
Ce0.2〜2.5Co,Ca0.2〜2.5Vなどの組み合わせを含む第二の相を析出させても良い。
水素吸蔵合金の溶解される相としては、例えば下記の成分の相を使用できる。V及び
Tiに加えて、B,C,Cr,W,Mo,Sn,Mg,K,Li、或いはNaのいずれかを有する相,Al及びMnに加えて、B,W、或いはMoのいずれかを有する相,Ni−Ti,Zr−Ni,Zr−Mn,B−Al−Co,B−Ni−Mnなどが挙げられる。
Tiに加えて、B,C,Cr,W,Mo,Sn,Mg,K,Li、或いはNaのいずれかを有する相,Al及びMnに加えて、B,W、或いはMoのいずれかを有する相,Ni−Ti,Zr−Ni,Zr−Mn,B−Al−Co,B−Ni−Mnなどが挙げられる。
リチウム電池の正極の充放電反応に寄与する物質として、下記の成分からなる化合物
(合金など)、などを用いることができる。前記溶解する相と充放電に関与する第二の相を有する下記の化合物、などを使用できる。
(合金など)、などを用いることができる。前記溶解する相と充放電に関与する第二の相を有する下記の化合物、などを使用できる。
・鉛,マンガン,バナジウム,鉄,ニッケル,コバルト,銅,クロム,ほう素,アルミニウム,マグネシウム,タングステン,モリブデン,チタン,ニオブ,タンタル,ストロンチウム,ビスマス、のうち少なくとも一つと酸素からなる化合物(合金)(いわゆる複合酸化物の状態であることができる)。
・チタン,モリブデン,鉄,タンタル,ストロンチウム,鉛,ニオブ,銅,ほう素,アルミニウム,マグネシウム,タングステン,ニッケル,バナジウム,ビスマス,マンガンのうちの少なくとも一つと硫黄とからなる化合物(いわゆる硫化物の状態であることができる)。
・上記二つの酸素を有する化合物或いは硫黄を有する化合物にリチウムを含有する化合物(合金)、いわゆる硫化物の状態であってもよい。
・導電性高分子(例えば、ポリアニリン,ポリパラフェニレン,ポリアセン,ポリピロール)。或いは、導電性高分子と、鉄,シリコン,硫黄,銅,鉛,ニッケル,バナジウム,銀,ほう素,モリブデン,タングステン,カーボン,アルミニウム,マグネシウムのうち少なくとも一つとの化合物を用いることができる。
・カーボン。或いは、前記カーボンと、鉄,シリコン,硫黄,銅,鉛,ニッケル,バナジウム,銀,ほう素,モリブデン,タングステン,アルミニウム,マグネシウムのうち少なくとも一つとの化合物を用いることができる。
前記リチウム電池の正極の充放電反応に寄与する物質は、例えば下記の組成のもののうち少なくとも一つ以上を含むものを使用できる。前記溶解する相と充放電に関与する第二の相を有する下記の化合物、などを使用できる。
LiCoOx,LiMnOx,LiNiOx,LiFeOx,LiNi0.5Co0.5Ox,
LiCo0.5Mn0.5Ox,LiNi0.5Mn0.5Ox,LiNi0.5Fe0.5Ox,
LiFe0.5Co0.5Ox,LiFe0.5Mn0.5Ox,LiMn2O2x,TiSx,MoSx,LiV3O2x、或いはCuV2O3xである。
LiCo0.5Mn0.5Ox,LiNi0.5Mn0.5Ox,LiNi0.5Fe0.5Ox,
LiFe0.5Co0.5Ox,LiFe0.5Mn0.5Ox,LiMn2O2x,TiSx,MoSx,LiV3O2x、或いはCuV2O3xである。
また、例えば、LiAl0.5Co0.5Ox,LiAl0.5Mn0.5Ox,LiMg0.5Mn0.5Ox,LiAl0.5Fe0.5Ox,LiFe0.5Mg0.5Ox,LiNi0.5Al0.5Ox である。この化合物については遷移金属成分の合計が0.8〜1.3になればよく、0.5 ずつに均等配分される必要はない。前記xは1.5〜2.5の範囲である。
リチウム電池の負極の充放電反応に寄与する物質として、下記の成分からなる化合物
(合金など)、などのうち少なくとも一つ以上を含むものを用いることができる。前記溶解する相と充放電に関与する第二の相を有する下記の化合物、などを使用できる。
(合金など)、などのうち少なくとも一つ以上を含むものを用いることができる。前記溶解する相と充放電に関与する第二の相を有する下記の化合物、などを使用できる。
・カーボン(カーボンブラック,ファーネスブラック,ピッチ系カーボン,メソフェーズ系カーボン,PAN系カーボン,グラッシーカーボン,グラファイト,非晶質カーボン、またはこれらの組み合わせた物質)。或いは、前記カーボンと鉄,シリコン,硫黄,銅,鉛,ニッケル,バナジウム,銀,ほう素,モリブデン,タングステン,アルミニウム,マグネシウムのうち少なくとも一つとの化合物を用いることもできる。
・導電性高分子(例えば、ポリアニリン,ポリアセン,ポリピロール)。或いは、前記導電性高分子と鉄,シリコン,硫黄,銅,鉛,ニッケル,バナジウム、銀,ほう素,モリブデン,タングステン,アルミニウム,マグネシウム,カーボンのうち少なくとも一つとの
化合物を用いることもできる。
化合物を用いることもできる。
・マンガン,ニッケル,銅,カルシウム,マグネシウム、のうち少なくとも一つとゲルマニウム,シリコン,錫,鉛、銀のうちの少なくとも一つとを組み合わせた合金。
具体的には、例えばSi−Ni,Ge−Si,Mg−Si,Si−Ni−Ge,Si−Ni−Mg,Si−Ni−Mn,Si−Ni−Cuなどを用いることができる。
合金からなる充放電反応に寄与する物質を作製する際は、前記成分を溶解して、時効処理や冷却(例えば除冷)速度調節により、酸やアルカリ、などに溶解する析出相(偏析相)や充放電に関与する第二の相、及びクラックを形成する。合金成分としては、所定の大きさの析出相を分散させるために添加元素を含有して、調整しても良い。前記添加元素は析出を誘発させる作用を有するものであることが好ましい。例えば、作製した合金(粒子状で存在する場合は、いわゆる一次粒子)中に前記溶解する相が分散するように形成する。
または、メカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法により混合することによっても作製することができる。合金化の度合はメカニカルアロイング法やメカニカルグラインディング法では回転数や時間を適正化することにより、均一化させないようにしてアルカリに溶解する相や充放電に関与する第二の相を偏析させて目的の負極(或いは負極を構成する粒子)を作製する。前記溶解する相は母相中に分散し、前記の大きさなどになるようにすることが好ましい。
カーボンや導電性高分子からなる充放電反応に寄与する物質を作製する際は、原料に溶解する相の成分を混合して溶融などして、前記カーボンなど(粒子状で存在する場合は、いわゆる一次粒子)中に前記溶解する相や充放電に関与する第二の相が分散するように形成することが好ましい。これは、充放電反応に寄与する物質が酸化物(複合酸化物)や硫化物(複合硫化物)の場合にも適応することもできる。
例えば、カーボンや導電性高分子と溶解する相の成分とを混合して熱処理することにより溶解する相を分散することができる。熱処理温度は300℃〜3500℃にすることが好ましい。リチウム電池の正極に使用する場合は、300℃〜数百℃程度、負極として使用する場合は、1000℃〜3500℃程度にしてカーボン化して用いることが好ましい。
例えば、酸で溶解して細孔を形成した後、さらに熱処理して電池に適する、充放電反応に関与する物質(いわゆる活物質)を得ることができる。前記溶解の代りに反応ガスと接触して蒸発させてもよい。所定の熱処理(例えば、均一化処理など)により、前記充放電反応に寄与する物質(粒子状で存在する場合は、いわゆる一次粒子)中の組成が全体として均一になるように形成されたものに対しては本発明は適応し難い。酸やアルカリなどに対し母相(第1の相)より溶解しやすい析出相や充放電に関与する第二の相が分散していることが好ましい。
このように、溶解する相や充放電に関与する第二の相は、前記のように、合金であれば析出により相を形成してもよい、また、例えば、カーボンや導電性高分子においては、カーボンや導電性高分子からなる母相(第1相)に溶解する相や充放電に関与する第二の相としての粒子を混在させてもよい。
本発明の電極は、結着剤を用いて前記粒子を接着するか,機械的に圧粉するか,熱的に焼結するか,化学的に凝集させるかのいずれかの方法で多孔質電極とすることができる。
本発明に特に適する電極は、電極中の充放電反応に寄与する物質がいわゆるインターカレーション型のものに対して適応することが好ましい。電極中の充放電反応に関与する物質の成分が充放電反応により、その表面から順次溶解するような、いわゆる溶解析出型の電極に対しては、充放電を繰り返した際に本発明の細孔の効果が十分発揮し難い。
本発明に特に適するクラック形成方法は、電池に組み立てた後に前充電或いは前放電する方法である。これにより、充電生成物、或いは放電生成物が生成し、本発明のクラックが形成される。
本願のように溶解して細孔、或いはクラックを形成をするために使用する酸,アルカリ,酸化剤,還元剤は、例えば以下のものがあげられる。本目的に使用するのであれば、これに限られないことはいうまでもない。
酸 :硝酸,フッ酸,塩酸,硫酸
アルカリ:水酸化カリウム,水酸化ナトリウム
酸化剤 :次亜塩素酸ナトリウム,次亜塩素酸カリウム,過酸化水素水
還元剤 :ホルマリン,水素化ホウ酸ナトリウム,次亜リン酸カリウム,次亜リン酸ナ
トリウム
また、蒸発させて細孔を形成させるのに使用するガスとして、ハロゲンや酸素などの反応ガスを用いることができる。例えば、F2,Cl2,Br2 などのハロゲンガスやO2 を蒸発させる相に接触させ、該相を選択的に蒸発させたり、体積変化により細孔を形成するものである。
アルカリ:水酸化カリウム,水酸化ナトリウム
酸化剤 :次亜塩素酸ナトリウム,次亜塩素酸カリウム,過酸化水素水
還元剤 :ホルマリン,水素化ホウ酸ナトリウム,次亜リン酸カリウム,次亜リン酸ナ
トリウム
また、蒸発させて細孔を形成させるのに使用するガスとして、ハロゲンや酸素などの反応ガスを用いることができる。例えば、F2,Cl2,Br2 などのハロゲンガスやO2 を蒸発させる相に接触させ、該相を選択的に蒸発させたり、体積変化により細孔を形成するものである。
本発明は、電極についてもそのまま適用できる。
本発明は、正極と負極が電解液を介してなる二次電池を使用する電源システムにおいて、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有し、且つクラックを有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池と燃料電池,太陽電池,空気電池,ナトリウム−硫黄電池のうち少なくとも一つとを混合し、該二次電池を高出力での放電時に使用することを特徴とする電源及びそのための運転制御部を備えた電源システムであることを特徴とする。
本二次電池,本電源及び電源システムは電気自動車,エレベータ,電力貯蔵用電源,非常用電源,無停電電源に用いることができる。
本二次電池を出力が580W/l以上で15分以上の放電を目的に使用するのであれば、これに限られないことはいうまでもない。
本発明により二次電池の急速充電特性及び急速放電特性が大幅に改善される。また、高容量化および長寿命化を図ることができる。
放電容量或いは充電容量が異なるか、充放電時の膨張率或いは収縮率が異なる充放電反応に関与する相が複数存在する。これに加え、溶解や蒸発により生成する細孔が存在する。これらの相は充放電時の結晶の膨張収縮により、応力破壊が進行しクラックを生じる。クラックの形成は反応面積の増大につながり、急速充電特性及び急速放電特性が大幅に改善される。
本クラックは極めて多くの発生源を有している。一つは充放電に関与する相内である。もう一つは粒界にそって発生するクラックである。そして、細孔から生じるクラックである。充放電に関与する相は放電容量或いは充電容量が異なるか、充放電時の膨張率或いは収縮率が異なる複数の相からなり、一相一相は高秩序な高結晶性の物質で形成されている。その相と相との間には明確な粒界が存在する。このように結晶性の高い相と相との間には充放電時の膨張収縮により大きな応力が蓄積する。このため、クラックの生成は容易である。しかし、このクラックは深い亀裂や空洞には至らない。すなわち、粒子内部に存在する溶解できなかった溶解相や充放電に関与しない析出相がピン止めとなり、クラックの進行を防ぐためである。
このような微細なクラックの生成は、反応面積を2倍から10倍に増加させるため、表面における電荷移動反応を円滑に進行させることができる。急速充電及び急速放電においては電荷移動反応が律速であることから、急速充電及び急速放電特性は飛躍的に改善でき、580W/lの出力で15分以上の放電が可能となる。
充放電反応に寄与する物質(粒子の場合はいわゆる一次粒子)に、酸やアルカリなどで溶解されてできた細孔がある。圧縮や粒子の成形により作製した電極において存在する、粒子同士の間に形成される細孔を設け、或いは一次粒子表面に付着物(例えば担持物など)を設け比表面積を増加させたものよりも、電極中の充放電反応に寄与する物質の充填密度を向上させることができる。これにより、より容量の向上を図ることができる。
本発明の細孔を設けた粒子はまず第一に、金属粉末や触媒粉末を添加した場合と異なり、充放電反応に関与する物質の比表面積が増大し反応場の面積が広がる。そのため急速充電及び急速放電反応が円滑に進行する。本発明の細孔を設けた粒子は充分反応に関与できる。よって電極を作製後高温処理などで単に電極表面を処理したものに比べて、電流集中などが起こり難く長寿命化を図ることができる。
本細孔には電解液が保持されるので、従来より保持される液量が多く、充放電反応を円滑に行うことができる。
また、本発明の細孔は酸やアルカリ,酸化剤,還元剤など極めて反応性の高い試薬を用いて溶解される相を溶解する。粒子間の空隙により構成される細孔と異なり、通常生じる強固な酸化被膜のような不活性膜(例えば絶縁膜)が形成され難いため、より反応性を高めることができる。細孔の周囲部表面で形成されるような通常の酸化皮膜のように強固でなく、活性の高い皮膜(例えば導電性の酸化皮膜)ができる。相が溶解されてできた細孔表面が不連続な非平衡な原子配列となり欠陥や空孔が生じ、電子的にプラス或いはマイナスに帯電した状態を形成することができ、活性を高めることに寄与していると考えられる。
溶解される相に存在する元素、或いは溶解される相と他の相との粒界に存在する元素の種類によって、短時間で溶解速度に大きな差が生じ、細孔表面の組成は処理前の組成とは異なった活性層に変化する。そのため、細孔表面での活性が高く、単なる細孔ということだけでなく、電子の空孔や正孔を持ち、或いは微細なエッチングがなされた触媒層(反応を促進させることに寄与する層),不安定層(例えば、前記帯電している層)を形成している。従って、単に毛細管現象というだけでなく、電子的な吸着によって電解液が細孔に保持され、そこで反応物質が触媒活性化されて反応速度が増加するのである。このように、本発明の細孔は多孔質電極における粒子と粒子の間にできる細孔とその反応性の面であきらかに異なる。
本発明の細孔は酸やアルカリ,酸化剤,還元剤などの試薬を用いて、溶解される相(第2相,析出相)を溶解するため、試薬が接する面で細孔が形成される。例えば、電解液と接することのできる面のみに細孔が存在して活性な反応場を形成する。従って粒子内部の閉ざされた部分に存在する溶解できなかった、溶解される相(第2相,析出相)の成分はそのまま内部に残された状態となるので、分析によりその存在を容易に確認できる。この部分は本来、溶解させるために加えているため、充放電反応に関与しない、或いは、作用や容量が小さい。そのため、できるだけ残存量を少なくするために試薬による溶解条件の適正化が重要である。確実に溶解させるためには熱酸,熱アルカリのように外部から熱を加えて確実に溶解させることが好ましい。電解液が酸またはアルカリである場合には溶解操作において溶解しきれなかった、溶解される相(第2相,析出相)が、電解液で溶解される場合、電池内で電解液と接する際に再び溶解する。従って溶解される相(第2相,析出相)の成分が電解液中に溶出し、電解液の分析によってその存在を確認できる。
溶解される相が電解液に溶解できるものである場合は、充放電反応に関与する物質粒子表面にあった細孔は、電池運転により、前記粒子が分割などの破損を生じても、そこが電解質と接触することにより新たな細孔が形成され、充放電反応を良好に維持できる。
前記溶出した成分は、積極的に他の場所に析出させるなどの作用を利用する必要はない。溶解させて細孔を形成することで本発明の効果を得ることができる。
また、電解液の成分と反応物が細孔に残留してしまうこともある。充放電の際に、電極中の、充放電反応に関与する物質が崩壊(割れ,分割なども含む)し、電解液に接する新生面が形成されても、新生面に面した前記溶解相は前記電解液と反応し、新たな細孔が形成される。
本発明により二次電池の高容量化および急速充電特性,急速放電特性が大幅に改善された。
本発明を二次電池に適用した実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2B0.03 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、これを0.01℃/minから0.5℃/minの速度で冷却し、300℃から900℃の範囲で2hほど焼鈍して得た。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面を走査型電子顕微鏡−波長分散型X線分析装置(SEM−WDX)を用いて分析したところ平均径5ミクロンのVとBとTiの偏析相が形成した。図1にその分布状態を示す。この合金を30wt%KOH水溶液で
70℃2h溶解処理し十分に水洗した後再び合金粉末をSEM−WDXを用いて分析し図2に示す。平均径5ミクロンの偏析相中のVとBが完全に溶解し、且つ細孔にTiが残り、元素による溶解速度の差から生ずる周りの相との組成の不連続性が示された。このときの細孔部の占める割合は粒子表面積の15%であり、粒子体積の5%であった。熱KOH水溶液での溶解処理以外に、塩素ガスやフッ素ガスを流して偏析相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにヒドロキシプロピルメチルセルロースを結着剤として加えて発泡ニッケル基体に充填し、ローラープレスにより所定の厚さの金属水素化物電極を得た。ニッケル極には、気孔率95%の発泡ニッケルを電極基体に用いたペースト式電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製した。図3にその構造を示す。正極及び負極を厚さ0.17mm のポリプロピレン樹脂製不織布のセパレータを介して捲回し、電池缶内に挿入した。電解液には31wt%の水酸化カリウムを含む水溶液に少量の水酸化リチウムを添加したものを用いた。電池容量は1400mAhで設計した。室温下で0.3CmA と3CmAで容量に対し150%充電,1時間の休止時間を置いた後、0.2CmA と3CmAで終止電圧の1.0V まで放電した。容量は0.3CmA充電後0.2CmA放電の放電容量と、この容量を100としたときの3CmA充電後0.2CmA 放電の容量比と0.3CmA 充電後3CmA放電の容量比を測定した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は1450mAhと高く、サイクル寿命は520回と長い。3CmA放電では95%,3CmA充電では92%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2B0.03 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、これを0.01℃/minから0.5℃/minの速度で冷却し、300℃から900℃の範囲で2hほど焼鈍して得た。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面を走査型電子顕微鏡−波長分散型X線分析装置(SEM−WDX)を用いて分析したところ平均径5ミクロンのVとBとTiの偏析相が形成した。図1にその分布状態を示す。この合金を30wt%KOH水溶液で
70℃2h溶解処理し十分に水洗した後再び合金粉末をSEM−WDXを用いて分析し図2に示す。平均径5ミクロンの偏析相中のVとBが完全に溶解し、且つ細孔にTiが残り、元素による溶解速度の差から生ずる周りの相との組成の不連続性が示された。このときの細孔部の占める割合は粒子表面積の15%であり、粒子体積の5%であった。熱KOH水溶液での溶解処理以外に、塩素ガスやフッ素ガスを流して偏析相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにヒドロキシプロピルメチルセルロースを結着剤として加えて発泡ニッケル基体に充填し、ローラープレスにより所定の厚さの金属水素化物電極を得た。ニッケル極には、気孔率95%の発泡ニッケルを電極基体に用いたペースト式電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製した。図3にその構造を示す。正極及び負極を厚さ0.17mm のポリプロピレン樹脂製不織布のセパレータを介して捲回し、電池缶内に挿入した。電解液には31wt%の水酸化カリウムを含む水溶液に少量の水酸化リチウムを添加したものを用いた。電池容量は1400mAhで設計した。室温下で0.3CmA と3CmAで容量に対し150%充電,1時間の休止時間を置いた後、0.2CmA と3CmAで終止電圧の1.0V まで放電した。容量は0.3CmA充電後0.2CmA放電の放電容量と、この容量を100としたときの3CmA充電後0.2CmA 放電の容量比と0.3CmA 充電後3CmA放電の容量比を測定した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は1450mAhと高く、サイクル寿命は520回と長い。3CmA放電では95%,3CmA充電では92%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
(比較例1)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、アルゴンガス雰囲気中で3から10h,1050℃で均一化処理した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところTiとNiの第2相は形成されたが偏析相がえられなかった。図4にその分布状態を示す。実施例1と同じ条件で溶解を試みたが図5より溶解による細孔部の出現はなかった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1410mAhと高いが、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では45%,3CmA充電では56%と容量が低かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、アルゴンガス雰囲気中で3から10h,1050℃で均一化処理した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところTiとNiの第2相は形成されたが偏析相がえられなかった。図4にその分布状態を示す。実施例1と同じ条件で溶解を試みたが図5より溶解による細孔部の出現はなかった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1410mAhと高いが、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では45%,3CmA充電では56%と容量が低かった。
(比較例2)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、比較例1と同様にして平均粒径50ミクロンの合金粒子を作製した。これにヒドロキシプロピルメチルセルロースを結着剤として加えて発泡ニッケル基体に充填しローラープレスにより所定の厚さに加圧成型した。この成型体を100ミクロンの孔を100個/cm2 の割合で両面にあけ電極とした。実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1250mAhと低く、サイクル寿命は325回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では70%と容量がやや低かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、比較例1と同様にして平均粒径50ミクロンの合金粒子を作製した。これにヒドロキシプロピルメチルセルロースを結着剤として加えて発泡ニッケル基体に充填しローラープレスにより所定の厚さに加圧成型した。この成型体を100ミクロンの孔を100個/cm2 の割合で両面にあけ電極とした。実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1250mAhと低く、サイクル寿命は325回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では70%と容量がやや低かった。
(比較例3)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、比較例1と同様にして平均粒径50ミクロの合金粒子を作製した。これに結着剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロースとラネーニッケル触媒粉末を加え、発泡ニッケル基体に充填しローラープレスにより所定の厚さに加圧成型した。実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1350mAhとやや低く、サイクル寿命は383回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では68%と容量がやや低かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、比較例1と同様にして平均粒径50ミクロの合金粒子を作製した。これに結着剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロースとラネーニッケル触媒粉末を加え、発泡ニッケル基体に充填しローラープレスにより所定の厚さに加圧成型した。実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1350mAhとやや低く、サイクル寿命は383回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では68%と容量がやや低かった。
(実施例2)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2B0.03 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、アルゴンガス雰囲気中で3から10h,800℃で均一化処理した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところ4種類の偏析相がえられた。図6にその分布状態を示す。Zr析出物,TiNi,Ti2Ni ,BとVとTiの偏析相の4種類であった。TiNi,Ti2Ni の単独での放電容量はそれぞれ150mAh/g,200mAh/gであり、母相のTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 の放電容量は330mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(TiNi)が2.2であり、(母相) /(Ti2Ni)が1.65 である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率は、TiNiが10%,Ti2Ni が18%,母相の
Ti0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 が22%であった。よって膨張率の比は、(母相)/(iNi)が2.2であり、(母相)/(Ti2Ni)が1.22 である。この合金を30wt%KOH水溶液と1wt%NaBH4 水溶液、及び5wt%CH3COOH 水溶液の混合溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した。平均径1ミクロンのBとVとTiの偏析相中、VとBが完全に溶解し、且つ細孔にTiが残り、元素による溶解速度の差から生ずる周りの相との組成の不連続性が示された。さらに、合金粒子のSEM観察をしたところ、図7に示すように粒子内に複数個の細かなクラックが観察された。このときの細孔部の占める割合は粒子表面積の5%であり、粒子体積の0.2% であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1470mAhと高く、サイクル寿命は550回と長い。3CmA放電では95%,3CmA充電では90%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2B0.03 合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、アルゴンガス雰囲気中で3から10h,800℃で均一化処理した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところ4種類の偏析相がえられた。図6にその分布状態を示す。Zr析出物,TiNi,Ti2Ni ,BとVとTiの偏析相の4種類であった。TiNi,Ti2Ni の単独での放電容量はそれぞれ150mAh/g,200mAh/gであり、母相のTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 の放電容量は330mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(TiNi)が2.2であり、(母相) /(Ti2Ni)が1.65 である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率は、TiNiが10%,Ti2Ni が18%,母相の
Ti0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 が22%であった。よって膨張率の比は、(母相)/(iNi)が2.2であり、(母相)/(Ti2Ni)が1.22 である。この合金を30wt%KOH水溶液と1wt%NaBH4 水溶液、及び5wt%CH3COOH 水溶液の混合溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した。平均径1ミクロンのBとVとTiの偏析相中、VとBが完全に溶解し、且つ細孔にTiが残り、元素による溶解速度の差から生ずる周りの相との組成の不連続性が示された。さらに、合金粒子のSEM観察をしたところ、図7に示すように粒子内に複数個の細かなクラックが観察された。このときの細孔部の占める割合は粒子表面積の5%であり、粒子体積の0.2% であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1470mAhと高く、サイクル寿命は550回と長い。3CmA放電では95%,3CmA充電では90%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
(比較例4)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、合金は
1100℃から1500℃の間で溶解し、100℃/sec の冷却速度で冷却した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところ4種類の偏析相がえられた。Zr析出物,TiとNiの偏析相,VとTiの偏析相,V析出相の4種類であった。微少部X線回折、及びTEM−EPMAよりTiとNiの偏析相、及びVとTiの偏析相はアモルファスから微結晶の極めて結晶性の低い相であることが観察された。この合金を平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。これを実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1150mAhと低く、サイクル寿命は383回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では68%と容量がやや低かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い、合金は
1100℃から1500℃の間で溶解し、100℃/sec の冷却速度で冷却した。この合金の表面をSEM−WDXを用いて分析したところ4種類の偏析相がえられた。Zr析出物,TiとNiの偏析相,VとTiの偏析相,V析出相の4種類であった。微少部X線回折、及びTEM−EPMAよりTiとNiの偏析相、及びVとTiの偏析相はアモルファスから微結晶の極めて結晶性の低い相であることが観察された。この合金を平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。これを実施例1と同様にして単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1150mAhと低く、サイクル寿命は383回と短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では68%と容量がやや低かった。
(実施例3)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い、0.01ミクロンの銅粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径
0.01〜0.05ミクロンの細孔部と銅の痕跡を確認した。熱KOH水溶液での溶解処理以外に、塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は650mAhと高く、サイクル寿命は520回と長い。3CmA放電では92%,3CmA充電では
89%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い、0.01ミクロンの銅粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径
0.01〜0.05ミクロンの細孔部と銅の痕跡を確認した。熱KOH水溶液での溶解処理以外に、塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は650mAhと高く、サイクル寿命は520回と長い。3CmA放電では92%,3CmA充電では
89%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
(比較例5)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い3000℃で5h混合しながら熱処理した。このカーボンの表面をSEM−WDXを用いて分析し、実施例2と同じ条件で溶解処理を行ったが、細孔部の出現はなかった。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は550mAhとやや低く、サイクル寿命は420回とやや短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では69%と低い。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い3000℃で5h混合しながら熱処理した。このカーボンの表面をSEM−WDXを用いて分析し、実施例2と同じ条件で溶解処理を行ったが、細孔部の出現はなかった。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は550mAhとやや低く、サイクル寿命は420回とやや短い。3CmA放電では72%,3CmA充電では69%と低い。
(実施例4)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い、0.01ミクロンの銅粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。さらに0.01ミクロンの銀粉末を0.2 重量%加えて250rpm でボールミル混合した。これを2wt%ホルマリン水溶液と5wt%アンモニア水溶液の混合溶液で60℃2h溶解処理し十分に水洗した後、SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.01〜0.05ミクロンの細孔部と銅の痕跡を、さらに銀の析出物を確認した。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は680mAhと高く、サイクル寿命は570回と長い。3CmA放電では94%,3CmA充電では91%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。電池を解体し、カーボン粒子のSEM観察をしたところ、銀粒子内に複数個の細かなクラックが観察され、X線回折の測定結果より、LiAgのピークが観察された。この時のAgの膨張率は18%であり、カーボンの膨張率は25%であった。Ag単独での放電容量は150mAh/gであり、母相のカーボンの放電容量は370mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(Ag)が2.47である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率の比は、(母相)/(Ag)が1.39である。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。黒鉛粉末は平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕したものを用い、0.01ミクロンの銅粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。さらに0.01ミクロンの銀粉末を0.2 重量%加えて250rpm でボールミル混合した。これを2wt%ホルマリン水溶液と5wt%アンモニア水溶液の混合溶液で60℃2h溶解処理し十分に水洗した後、SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.01〜0.05ミクロンの細孔部と銅の痕跡を、さらに銀の析出物を確認した。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は680mAhと高く、サイクル寿命は570回と長い。3CmA放電では94%,3CmA充電では91%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。電池を解体し、カーボン粒子のSEM観察をしたところ、銀粒子内に複数個の細かなクラックが観察され、X線回折の測定結果より、LiAgのピークが観察された。この時のAgの膨張率は18%であり、カーボンの膨張率は25%であった。Ag単独での放電容量は150mAh/gであり、母相のカーボンの放電容量は370mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(Ag)が2.47である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率の比は、(母相)/(Ag)が1.39である。
(実施例5)
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1ミクロンのAl粉末を0.2重量%添加して300℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これをKOH水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.2 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は
600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は710mAhと高く、サイクル寿命は580回と長い。3CmA放電では85%,3CmA充電では80%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1ミクロンのAl粉末を0.2重量%添加して300℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これをKOH水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.2 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は
600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は710mAhと高く、サイクル寿命は580回と長い。3CmA放電では85%,3CmA充電では80%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。
(比較例6)
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、300℃で5h混合しながら熱処理した。この表面をSEM−WDXを用いて分析し、実施例3と同じ条件で溶解処理を行ったが、細孔部の出現はなかった。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は570mAhとやや低く、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では65%,3CmA充電では57%と低い。
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、300℃で5h混合しながら熱処理した。この表面をSEM−WDXを用いて分析し、実施例3と同じ条件で溶解処理を行ったが、細孔部の出現はなかった。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さのカーボン電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は570mAhとやや低く、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では65%,3CmA充電では57%と低い。
(実施例6)
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1 ミクロンのAl粉末とV粉末を2重量%ずつ添加して370℃で15h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これを15wt%KOH水溶液で70℃1h溶解処理し十分に水洗した後、エチレンカーボネートとジメトキシエタンの混合溶媒で40℃1h処理した。SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.1 ミクロンの細孔部とAlの痕跡、さらにVの析出物、及びLiCo1-XVXO2(x=0〜0.5)の母相を確認した。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は750mAhと高く、サイクル寿命は640回と長い。3CmA放電では88%,3CmA充電では85%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。電池を解体し、粒子のSEM観察をしたところ、V析出粒子内に複数個の細かなクラックが観察され、X線回折の測定結果より、LiXVYO2 のピークが観察された。この時のV析出物の膨張率は14%であり、母相の膨張率は20%であった。LiXVYO2 単独での放電容量は50mAh/gであり、母相の放電容量は150mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(LiXVYO2)が3.0 である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率の比は、
(母相)/(LiXVYO2)が1.43である。
正極にリチウム−コバルト酸化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1 ミクロンのAl粉末とV粉末を2重量%ずつ添加して370℃で15h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の大きさの粒を得た。これを15wt%KOH水溶液で70℃1h溶解処理し十分に水洗した後、エチレンカーボネートとジメトキシエタンの混合溶媒で40℃1h処理した。SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.1 ミクロンの細孔部とAlの痕跡、さらにVの析出物、及びLiCo1-XVXO2(x=0〜0.5)の母相を確認した。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は750mAhと高く、サイクル寿命は640回と長い。3CmA放電では88%,3CmA充電では85%の容量が得られ、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。電池を解体し、粒子のSEM観察をしたところ、V析出粒子内に複数個の細かなクラックが観察され、X線回折の測定結果より、LiXVYO2 のピークが観察された。この時のV析出物の膨張率は14%であり、母相の膨張率は20%であった。LiXVYO2 単独での放電容量は50mAh/gであり、母相の放電容量は150mAh/gであった。よって放電容量比は、(母相)/(LiXVYO2)が3.0 である。また、X線回折の測定から得られた充電後の格子体積の膨張率の比は、
(母相)/(LiXVYO2)が1.43である。
(実施例7)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が10〜0.1ミクロンのBを原子比で0.1から0.01 添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は25〜0.4 ミクロン(合金の平均粒径の2分の1〜150分の1)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は1100〜920mAhと高く、サイクル寿命は680〜
500回と長い。3CmA放電では95〜75%、3CmA充電では98〜75%と高く、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。細孔部の平均径が合金の平均粒径の5分の1〜50分の1で特に容量が高かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が10〜0.1ミクロンのBを原子比で0.1から0.01 添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は25〜0.4 ミクロン(合金の平均粒径の2分の1〜150分の1)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は1100〜920mAhと高く、サイクル寿命は680〜
500回と長い。3CmA放電では95〜75%、3CmA充電では98〜75%と高く、580W/lの出力で15分以上の放電が可能であった。細孔部の平均径が合金の平均粒径の5分の1〜50分の1で特に容量が高かった。
(比較例7)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が0.05ミクロンのBを原子比で0.1添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は0.3 ミクロン以下(合金の平均粒径の150分の1より小)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は950〜910mAhと高く、サイクル寿命は520〜480回と長いが、3CmA放電では45〜65%,3CmA充電では55〜68%と低い。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が0.05ミクロンのBを原子比で0.1添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は0.3 ミクロン以下(合金の平均粒径の150分の1より小)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は950〜910mAhと高く、サイクル寿命は520〜480回と長いが、3CmA放電では45〜65%,3CmA充電では55〜68%と低い。
(比較例8)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が15ミクロンのBを原子比で0.1 添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は30ミクロン以上(合金の平均粒径の2分の1より大)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は970〜
920mAhと高く、サイクル寿命は500〜450回と長いが、3CmA放電では45〜63%,3CmA充電では66〜48%と低い。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2 合金を用い平均粒径が15ミクロンのBを原子比で0.1 添加し、実施例1と同様にして合金を作製した。合金は平均粒径が50ミクロンの粒子に粉砕した。実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の平均径は30ミクロン以上(合金の平均粒径の2分の1より大)であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図8に細孔部の平均径と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は970〜
920mAhと高く、サイクル寿命は500〜450回と長いが、3CmA放電では45〜63%,3CmA充電では66〜48%と低い。
(実施例8)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=0.01〜0.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し0.15から80%であり、粒子体積に対し0.2から60%であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA 放電の容量は1550〜1420mAhと高く、サイクル寿命は580〜430回と長い。3CmA放電では95〜75%,3CmA充電では98〜
75%と高く、細孔部の占める割合が粒子表面積に対し10から50%、もしくは粒子体積に対し1から40%で特に容量が高かった。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=0.01〜0.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し0.15から80%であり、粒子体積に対し0.2から60%であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA 放電の容量は1550〜1420mAhと高く、サイクル寿命は580〜430回と長い。3CmA放電では95〜75%,3CmA充電では98〜
75%と高く、細孔部の占める割合が粒子表面積に対し10から50%、もしくは粒子体積に対し1から40%で特に容量が高かった。
(比較例9)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=0.001〜0.005,X=1.0〜1.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し0.03% であり、粒子体積に対しては0.1% であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1400mAhと高いが、サイクル寿命は320回と短い。3CmA放電では50%,3CmA充電では55%と低い。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=0.001〜0.005,X=1.0〜1.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し0.03% であり、粒子体積に対しては0.1% であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1400mAhと高いが、サイクル寿命は320回と短い。3CmA放電では50%,3CmA充電では55%と低い。
(比較例10)
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=1.0〜1.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し90%であり、粒子体積に対しては70%であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1120mAhとやや低く、サイクル寿命は300回と短い。3CmA放電では55%,3CmA充電では60%と低い。
負極に水素吸蔵合金としてTi0.2Zr0.8Ni1.1Mn0.6V0.2Bx(X=1.0〜1.8)合金を用いて実施例1と同様にして細孔部を作製した。このとき得られた細孔部の占める割合は粒子表面積に対し90%であり、粒子体積に対しては70%であった。これを実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。図9に粒子表面積に対し細孔部断面積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を、図10に粒子体積に対する細孔部体積の占める割合と3CmA充電および3CmA放電での容量比との関係を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1120mAhとやや低く、サイクル寿命は300回と短い。3CmA放電では55%,3CmA充電では60%と低い。
(実施例9)
負極に水素吸蔵合金として表1に示す合金を用いて偏析相を形成した。偏析相中のAl,V,Mn,Sn,B,Mg,Mo,W,Zr,K,Na,Li,Ni,Tiは30重量%以上を含む。これを酸,アルカリ,酸化剤,還元剤を含む水溶液で50℃1h溶解処理し、水洗した後、実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。表1に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1510〜1400mAhと高く、サイクル寿命は550〜480回と長い。3CmA放電では95〜78%,3CmA充電では98〜88%と高い。
負極に水素吸蔵合金として表1に示す合金を用いて偏析相を形成した。偏析相中のAl,V,Mn,Sn,B,Mg,Mo,W,Zr,K,Na,Li,Ni,Tiは30重量%以上を含む。これを酸,アルカリ,酸化剤,還元剤を含む水溶液で50℃1h溶解処理し、水洗した後、実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。表1に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1510〜1400mAhと高く、サイクル寿命は550〜480回と長い。3CmA放電では95〜78%,3CmA充電では98〜88%と高い。
(実施例10)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロンの表2に示す粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の粉を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.01 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表2に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は750〜670mAhと高く、サイクル寿命は520〜480回と長い。3CmA放電では85〜82%,3CmA充電では85〜79%と容量が高い。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロンの表2に示す粉末を0.2重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明の粉を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.01 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表2に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は750〜670mAhと高く、サイクル寿命は520〜480回と長い。3CmA放電では85〜82%,3CmA充電では85〜79%と容量が高い。
(比較例11)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01 ミクロン鉄粉末を55重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.08 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は470mAhと低く、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では50〜71%,3CmA充電では55〜64%と容量が低い。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01 ミクロン鉄粉末を55重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.08 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は470mAhと低く、サイクル寿命は380回と短い。3CmA放電では50〜71%,3CmA充電では55〜64%と容量が低い。
(比較例12)
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロン鉄粉末を0.01重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.004 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は670mAhと高いが、サイクル寿命は280回と短く、3CmA放電では57〜72%,3CmA充電では55〜69%と容量が低い。
負極にカーボン材料として黒鉛粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロン鉄粉末を0.01重量%添加して3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.004 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。実施例3と同様に単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は670mAhと高いが、サイクル寿命は280回と短く、3CmA放電では57〜72%,3CmA充電では55〜69%と容量が低い。
(実施例11)
正極に導電性高分子材料としてポリアセチレン粉末を用いた。これを平均粒径が0.1ミクロン以下に粉砕し、0.05ミクロンの表3に示す粉末を0.2重量%添加して300〜500℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明大きさの粉を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.08 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は500mAhで設計した。表3に結果を示す。0.3 CmA充電後0.2CmA 放電の容量は640〜570mAhと高く、サイクル寿命は
670〜490回と長い。3CmA放電では91〜81%,3CmA充電では87〜78%の容量が得られた。
正極に導電性高分子材料としてポリアセチレン粉末を用いた。これを平均粒径が0.1ミクロン以下に粉砕し、0.05ミクロンの表3に示す粉末を0.2重量%添加して300〜500℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明大きさの粉を得た。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.08 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は500mAhで設計した。表3に結果を示す。0.3 CmA充電後0.2CmA 放電の容量は640〜570mAhと高く、サイクル寿命は
670〜490回と長い。3CmA放電では91〜81%,3CmA充電では87〜78%の容量が得られた。
(実施例12)
負極に導電性高分子材料としてポリアセン粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロンの表4に示す粉末を0.2重量%添加して1000〜3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.02 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表4に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は860〜700mAhと高く、サイクル寿命は700〜580回と長い。3CmA放電では93〜88%,3CmA充電では90〜82%の容量が得られた。
負極に導電性高分子材料としてポリアセン粉末を用いた。これを平均粒径が0.1 ミクロン以下に粉砕し、0.01ミクロンの表4に示す粉末を0.2重量%添加して1000〜3000℃で5h混合しながら熱処理した。これを硝酸水溶液で70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.02 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表4に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は860〜700mAhと高く、サイクル寿命は700〜580回と長い。3CmA放電では93〜88%,3CmA充電では90〜82%の容量が得られた。
(実施例13)
負極に表5に示す合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、これを0.01℃/minから0.5℃/minの速度で冷却し、300℃から500℃の範囲で2hほど焼鈍して得た。これを平均粒径が50ミクロン以下に粉砕し、硝酸水溶液で70℃
2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径2ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表5に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は760〜700mAhと高く、サイクル寿命は530〜480回と長い。3CmA放電では91〜85%,3CmA充電では98〜88%の容量が得られた。
負極に表5に示す合金を用いた。合金は1100℃から1500℃の間で溶解し、これを0.01℃/minから0.5℃/minの速度で冷却し、300℃から500℃の範囲で2hほど焼鈍して得た。これを平均粒径が50ミクロン以下に粉砕し、硝酸水溶液で70℃
2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径2ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えて銅箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。正極には、LiCoO2 を主成分とする電極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表5に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は760〜700mAhと高く、サイクル寿命は530〜480回と長い。3CmA放電では91〜85%,3CmA充電では98〜88%の容量が得られた。
(実施例14)
正極に表6に示す酸化物及び硫化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1 ミクロンの表6に示す粉末を0.2 重量%添加して900〜300℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明大きさの粉を得た。これを硝酸水溶液で
70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.2 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表6に結果を示す。0.3CmA充電後0.2
CmA放電の容量は770〜680mAhと高く、サイクル寿命は640〜490回と長い。3CmA放電では90〜81%,3CmA充電では85〜78%の容量が得られた。
正極に表6に示す酸化物及び硫化物を用いた。これを平均粒径が1ミクロン以下に粉砕し、0.1 ミクロンの表6に示す粉末を0.2 重量%添加して900〜300℃で5h混合しながら熱処理した。その後粉砕して本発明大きさの粉を得た。これを硝酸水溶液で
70℃2h溶解処理し十分に水洗した後SEM−WDXを用いて分析し、平均径0.2 ミクロンの細孔部を形成していることを確認した。塩素ガスやフッ素ガスを流して析出相を反応,蒸発させることによっても、同種の結果が得られた。これにフッ素系結着剤を加えてAl箔上に塗布し、ローラープレスにより所定の厚さの電極を得た。負極には、カーボン負極を用いた。これらの電極により単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。電池容量は600mAhで設計した。表6に結果を示す。0.3CmA充電後0.2
CmA放電の容量は770〜680mAhと高く、サイクル寿命は640〜490回と長い。3CmA放電では90〜81%,3CmA充電では85〜78%の容量が得られた。
(実施例15)
負極に水素吸蔵合金として表7に示す二種類の相を含有する合金を用い、Bを1wt%添加した。合金の作製方法は、溶解法,メカニカルアロイング法,メカニカルグライディング法,溶湯急冷法,粉霧法を用いて行い、650〜1100℃の熱処理を施した。これをKOH水溶液で60〜100℃,1〜50h溶解処理し、水洗した後、本発明の細孔の形成を確認した。実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。表7に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1560〜1400mAhと高く、サイクル寿命は1020〜880回と長い。3CmA放電では97〜77%,3CmA充電では98〜79%と高い。電池を解体し、電極をSEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
負極に水素吸蔵合金として表7に示す二種類の相を含有する合金を用い、Bを1wt%添加した。合金の作製方法は、溶解法,メカニカルアロイング法,メカニカルグライディング法,溶湯急冷法,粉霧法を用いて行い、650〜1100℃の熱処理を施した。これをKOH水溶液で60〜100℃,1〜50h溶解処理し、水洗した後、本発明の細孔の形成を確認した。実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。表7に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は1560〜1400mAhと高く、サイクル寿命は1020〜880回と長い。3CmA放電では97〜77%,3CmA充電では98〜79%と高い。電池を解体し、電極をSEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
(実施例16)
負極にカーボン材料として表8に示す二種類の相を含有する材料を用い、Bを1wt%添加し、500〜2600℃の熱処理を施した。これをKOH水溶液と水素化硼素ナトリウム水溶液の混合溶液で50〜100℃1〜50h溶解処理し、水洗した後、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンの混合溶液で30〜60℃1〜50h処理し、本発明の細孔の形成を確認した。実施例3と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表8に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は830〜610mAhと高く、サイクル寿命は980〜780回と長い。3CmA放電では93〜83%,3CmA充電では95〜86%と高い。電池を解体し、電極を
SEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
負極にカーボン材料として表8に示す二種類の相を含有する材料を用い、Bを1wt%添加し、500〜2600℃の熱処理を施した。これをKOH水溶液と水素化硼素ナトリウム水溶液の混合溶液で50〜100℃1〜50h溶解処理し、水洗した後、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンの混合溶液で30〜60℃1〜50h処理し、本発明の細孔の形成を確認した。実施例3と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表8に結果を示す。0.3CmA 充電後0.2CmA 放電の容量は830〜610mAhと高く、サイクル寿命は980〜780回と長い。3CmA放電では93〜83%,3CmA充電では95〜86%と高い。電池を解体し、電極を
SEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
(実施例17)
正極に酸化物及び硫化物として表9に示す二種類の相を含有する材料を用い、Bを1
wt%添加し、250〜600℃の熱処理を施した。これを酢酸水溶液で50〜100℃1〜50h溶解処理し、水洗した後、本発明の細孔の形成を確認した。実施例3と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表9に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は810〜680mAhと高く、サイクル寿命は820〜580回と長い。3CmA放電では95〜80%,3CmA充電では
98〜82%と高い。電池を解体し、電極をSEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
正極に酸化物及び硫化物として表9に示す二種類の相を含有する材料を用い、Bを1
wt%添加し、250〜600℃の熱処理を施した。これを酢酸水溶液で50〜100℃1〜50h溶解処理し、水洗した後、本発明の細孔の形成を確認した。実施例3と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型リチウム電池を作製し容量を測定した。表9に結果を示す。0.3CmA充電後0.2CmA放電の容量は810〜680mAhと高く、サイクル寿命は820〜580回と長い。3CmA放電では95〜80%,3CmA充電では
98〜82%と高い。電池を解体し、電極をSEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
(実施例18)
負極にNb0.1Zr0.9Ni1.1Mn0.6V0.2Co0.1B0.03なる組成の水素吸蔵合金を用いた。合金の作製方法は、粉霧法(ガスアトマイズ法)を用いて10〜1000ppm の酸素を混入させたArガス雰囲気中で粉霧し、650〜1100℃の熱処理を施した。これの断面をSEM観察したところ、複数個の細孔を確認し、さらに、細孔部分の組成を調べたところ、酸素とZrからなる皮膜の形成を確認した。実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA 放電の容量は1540mAhと高く、サイクル寿命は1080回と長い。3CmA放電では97%,3CmA充電では89%と高い。電池を解体し、電極を
SEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
負極にNb0.1Zr0.9Ni1.1Mn0.6V0.2Co0.1B0.03なる組成の水素吸蔵合金を用いた。合金の作製方法は、粉霧法(ガスアトマイズ法)を用いて10〜1000ppm の酸素を混入させたArガス雰囲気中で粉霧し、650〜1100℃の熱処理を施した。これの断面をSEM観察したところ、複数個の細孔を確認し、さらに、細孔部分の組成を調べたところ、酸素とZrからなる皮膜の形成を確認した。実施例1と同様にして電極を作製し、単三型の密閉型ニッケル−金属水素化物電池を作製し容量を測定した。0.3CmA充電後0.2CmA 放電の容量は1540mAhと高く、サイクル寿命は1080回と長い。3CmA放電では97%,3CmA充電では89%と高い。電池を解体し、電極を
SEM観察したところ微細なクラックが生成していることを確認した。
1…実施例1の合金のSEM写真、2…実施例1の合金の各元素の面分析、3…実施例1の合金の溶解後のSEM写真、4…実施例1の合金の溶解後の各元素の面分析、5…正極、6…負極、7…セパレータ、8…電池缶、9…比較例1の合金のSEM写真、10…比較例1の合金の各元素の面分析、11…比較例1の合金の溶解後のSEM写真、12…比較例1の合金の溶解後の各元素の面分析、13…実施例2の合金のSEM写真、14…実施例2の合金の各元素の面分析、15…実施例2の合金の溶解後のSEM写真。
Claims (8)
- 正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で
15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池。 - 正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有し、且つクラックを有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池。
- 正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池。
- 正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有し、且つ充電生成物或いは放電生成物の生成により形成されるクラックを有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池。
- 請求項1〜4の二次電池において、前記粒子は、少なくとも一つ以上の相を有するカーボンであり、該カーボン表面には前記相のうち少なくとも1相が溶解もしくは蒸発してなる細孔を有することを特徴とする二次電池。
- 請求項1〜4の二次電池において、前記粒子は少なくとも2種類以上の元素を含有する酸化物或いは硫化物であり、該酸化物或いは硫化物は第1の相と該第1の相に析出した少なくとも1種の第2相を有し、該第2相のうち少なくとも1相が溶解或いは蒸発してなる細孔を有することを特徴とする二次電池。
- 正極と負極が電解液を介してなる二次電池において、前記負極は水素吸蔵合金粒子を有し、該粒子はマグネシウム,ランタン,セリウム,プラセオジウム,ネオジウム,チタン,ジルコニウム,ハフニウム,ニオブ、パラジウム,イットリウム,スカンジウム,カルシウム,アルミニウム,コバルト,クロム,バナジウム,マンガン,スズ,硼素,モリブテン,タングステン,カーボン,鉛,鉄,ニッケル,カリウム,ナトリウム,リチウムの一つ以上を含有する合金から構成され、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が溶解或いは蒸発して形成される細孔を有することを特徴とする二次電池。
- 正極と負極が電解液を介してなる二次電池を使用する電源システムにおいて、前記正極或いは負極は、充放電反応に関与する物質粒子を含有し、該粒子は、少なくとも2以上の相からなり、且つ前記相の少なくとも1相が細孔を有し、且つクラックを有する電極からなり、二次電池の出力が580W/l以上で15分以上の放電が可能であることを特徴とする二次電池と燃料電池,太陽電池,空気電池,ナトリウム−硫黄電池のうち少なくとも一つとを混合し、該二次電池を高出力での放電時に使用することを特徴とする電源及びそのための運転制御部を備えた電源システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004204055A JP2005050800A (ja) | 1995-06-23 | 2004-07-12 | 二次電池及び二次電池を用いた電源 |
Applications Claiming Priority (2)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7299364A Division JPH0969362A (ja) | 1995-06-23 | 1995-10-25 | 二次電池及び二次電池を用いた電源 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=34276913
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2006075392A1 (ja) * | 2005-01-14 | 2008-06-12 | 三井化学株式会社 | ポリビニルアセタール樹脂ワニス、ゲル化剤、非水電解液および電気化学素子 |
JP2011142047A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電極、マグネシウムイオン2次電池、および電力システム |
KR101430405B1 (ko) | 2013-02-22 | 2014-08-14 | (주)우주일렉트로닉스 | 리튬이온전지용 음극 재료 및 그의 제조 방법 |
CN114975907A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-08-30 | 江苏理工学院 | 一种硼化钒包覆镍钴锰酸锂正极材料及其制备方法 |
-
2004
- 2004-07-12 JP JP2004204055A patent/JP2005050800A/ja not_active Abandoned
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4878290B2 (ja) * | 2005-01-14 | 2012-02-15 | 三井化学株式会社 | ポリビニルアセタール樹脂ワニス、ゲル化剤、非水電解液および電気化学素子 |
JP2011142047A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電極、マグネシウムイオン2次電池、および電力システム |
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