JP2005049856A - 可変分散補償器および可変分散補償方法 - Google Patents

可変分散補償器および可変分散補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で、制御が容易な可変分散補償器および可変分散補償方法を提供する。
【解決手段】 可変分散補償器201は、同一の時間遅延スペクトルの第1〜第nのリング共振器2021〜202nが直列に配置された構成となっている。これらは、共通した線状導波路203に対して、方向性結合器2061〜206nを介して、第1〜第nのリング状導波路2041〜204nが備えられている。第1〜第nのリング状導波路2041〜204nには、ヒータ2051〜205nが配置されている。これらを温度制御することで、各リング共振器2021〜202nの中心波長を制御し、導波路203に入力される光信号の分散補償を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号の分散を補償するための可変分散補償器および可変分散補償方法に関する。
情報通信の需要の拡大に伴い、伝送容量の拡大が要求されている。その要求に答えるため、光通信システムにおいては、伝送レートの上昇が図られている。伝送レートを上昇させると、光ファイバ中において、波長分散による光波形の劣化が生じてくる。波長分散とは、波長により光ファイバを伝送する光信号の速度が、異なる現象をいう。そこで、波長分散による光波形の劣化を抑制するために、分散補償ファイバ(DCF)が広く使用されている。
分散補償ファイバは、通常の光ファイバよりもコア径を狭く設計している。これにより、波長分散は負となる。それにより、分散補償ファイバの波長分散は、通常の光ファイバと逆方向の特性となる。したがって、通常の光ファイバと、この分散補償ファイバを組み合わせることで、通常の光ファイバで生じた波長分散を分散補償ファイバでキャンセルし、光波形の劣化を抑制することが可能となる。
しかしながら、分散補償ファイバは、長さあたりの負の分散量が余り大きくない。よって、長距離通信に耐えうる分散補償量を得るためには、分散補償ファイバに必要な長さは、数十km程度になる。このため、波長分散の補償を行う設備のサイズが、大きくなる、という問題がある。また、分散補償ファイバは、光信号の伝送損失が非常に大きいため、それを補う高価な光アンプを必要とする、という問題がある。また分散補償ファイバはコア径が狭いため、光信号が狭い領域に閉じ込められる。そのため、非線形相互作用が発生し、光波形の劣化が生じる、という問題もある。さらに、分散補償量を可変にできない、という問題もある。このように、分散補償ファイバは、使用上に多くの問題点がある。そこで、これらの問題点を改善する可変分散補償器の実現が、求められている。
その第1の提案として、PLC(Planar Lightwave Circuit)で形成したリング共振器による可変分散補償器がある(たとえば特許文献1参照)。ここでPLCとは、シリコンもしくは石英基板上に、石英ガラス等を堆積させて形成した石英光導波路のことを示す。また、それに光ファイバアレイを接続して光部品あるいは光回路を構成したものも含む。この第1の提案では、1段構成のリング共振器を、光ファイバの間、または光ファイバと光多重受信装置の間に配置して、光多重信号が時間遅延を受けて出力される構成となっている。この第1の提案は、光多重信号が光ファイバ内で受ける波長分散について、使用する全波長を一括で補償する試みである。
しかしながら、この第1の提案では、リング共振器を1段使用しているだけなので、分散補償可能な波長範囲が狭い、という問題がある。そのため、使用する光信号の波長数が増加し、使用する波長帯域が広がると、波長分散を補償することができない、という問題がある。
そこで、第2の提案として、リング共振器を複数用いる構成がある。図14に、複数のリング共振器が、直列接続された可変分散補償器を示す。この可変分散補償器101は、第1〜第nのリング共振器1021、1022、……、102nと、第1のリング共振器1021に光信号を入力する導波路1031と、第1〜第nのリング共振器1021、1022、……、102nを直列に接続する導波路1032、……、103nと、第nのリング共振器102nから光信号を出力する導波路103n+1とによって構成されている。第1〜第nのリング共振器1021、1022、……、102nは、同様の構成となっている。そこで、第1のリング共振器1021で代表して説明する。
第1のリング共振器1021は、導波路1031の一端と接続された2入力2出力の第1のカプラ104と、導波路1032の一端と接続された同じく2入力2出力の第2のカプラ105を備えている。第1のカプラ104の出力側と第2のカプラ105の入力側には、第1および第2のアーム106、107が半円状で途中交差して接続され、マッハツェンダ干渉計が構成されている。また、第1のカプラ104の入力側には、導波路1031の一端と半円状の第3のアーム108の一端とが接続されている。また、第2のカプラ105の出力側には、第3のアーム108の他端と導波路1032の一端とが接続されている。第2のアーム107および第3のアーム108には、第1および第2のヒータ109、110がそれぞれ配置されている。
この第1のリング共振器1021は、第1および第2のヒータ109、110を制御することで、可変分散補償を行う。すなわち、このリング共振器は、マッハツェンダ干渉計を構成するアームの一方にのみ配置された、第1のヒータ109を温度制御することで、第1と第2のアーム106、107における遅延時間差を制御している。また、このリング共振器は、第2のヒータ110を温度制御することで、共振している中心波長を制御している。
このタイプの可変分散補償器で分散補償を行うためには、リング共振器の段数nは一般に“4”程度必要になる。たとえば段数nが“4”のときを考える。第1〜第4のリング共振器1021〜1024は、それぞれの第1のヒータ109へ投入する電力を制御することによって、それぞれの分散量を異なる値に設定することができる。また、これらのリング共振器1021〜1024は、それぞれの第2のヒータ110へ投入する電力を同様に制御することによって、それぞれの共振している中心波長を異なる値に設定することができる。
図15は、図14に示す直列接続された可変分散補償器101における、分散補償の原理を示す。図15において、縦軸は光信号の遅延時間τを表わし、横軸は波長λを表わしている。一点鎖線で示す光ファイバの波長分散特性121は、光ファイバの一般的な波長分散特性を示す。この波長分散特性を補償するためには、波長分散特性121と傾きが逆の波長分散特性122を与えることが必要である。そこで、図15に示すように、各リング共振器1021〜1024の波長分散特性を合成して、波長分散特性122が形成される。このように、光ファイバの波長分散特性121に対して、逆の傾きを持つ波長分散特性122を合成して与えることで、光信号の波長分散が相殺される。
しかしながら、図14に示す第2の提案による可変分散補償器101では、リング共振器1021〜102nのそれぞれに対して、2倍の数のヒータ109、110が必要である。よって、部品点数が増え、必要とする電力量も多い。さらに、これらへ投入する電力を、個々に精密に制御する必要がある。このためには、DSP(Digital Signal Processor)やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置による特別な制御が必要となる。また、所望の分散補償量を得るためには、各ヒータの電力量を実験的に求める必要がある。この設定には、多くの時間を必要とし、可変分散補償器101の生産性を低下させる、という問題がある。
そこで、第3の提案として、ヒータの数を減らす試みを図16に示す(たとえば特許文献2参照)。図14に示す第2の提案では、第1のヒータ109を設置することで、各リング共振器1021〜102nの遅延時間を制御して、図15のように各遅延時間を異なる値にしている。それに代えて、この第3の提案の可変分散補償器111では、各リング共振器1121〜1123の結合効率κ1〜κ3を異なる値にすることで、スプリッタ/コンバイナ113、114を介して接続された各リング共振器1121〜1123の位相φ1〜φ3を異なる値にしている。それにより、各リング共振器1121〜1123の遅延時間を図15のように変えている。なお、各リング共振器1121〜1123には、共振している中心波長を制御するヒータ1151〜1153がそれぞれ1つだけ配置されている。
特開平6−224860号公報(第0036段落、図9) 特開2000−151513号公報(第0042段落、図6B)
ここで、図16に示す第3の提案による可変分散補償器111では、第2の提案に比べて、ヒータの数は減る。しかしながら、各リング共振器の設計を変えているため、それぞれに対する設計、製造、管理および検査などが異なり、煩雑になる、という問題がある。
なお、これらの従来の提案では、図15に示すように、各リング共振器の遅延時間スペクトルを基本的に等間隔に配置して、所望の分散特性のスロープを得るようにしている。
そこで本発明の目的は、より簡易な構成により波長分散補償を行う可変分散補償器および可変分散補償方法を提供することにある。
本発明の可変分散補償器では、(イ)同一の時間遅延スペクトルを有し、直列に接続される複数の共振器と、(ロ)共振器のそれぞれの共振している中心波長を制御する中心波長制御手段とを備え、(ハ)それぞれの中心波長は、中心波長制御手段によりそれぞれの予め設定された値に制御されて、共振器のそれぞれの遅延時間スペクトルが合成され、その合成遅延時間スペクトルのスロープの傾斜が制御されて、スロープの傾斜の度合いにより、分散補償量が変えられることを特徴としている。
また本発明の可変分散補償方法は、(イ)同一の時間遅延スペクトルを有し、直列に接続される複数の共振器のそれぞれの共振している中心波長を制御する第1のステップと、(ロ)共振器のそれぞれの遅延時間スペクトルを合成する第2のステップと、(ハ)その合成遅延時間スペクトルのスロープの傾斜を制御する第3のステップと、(ニ)分散補償量を変える第4のステップとを具備することを特徴としている。
このように、本発明の可変分散補償器あるいは可変分散補償方法では、複数備えられる共振器が同一の時間遅延スペクトルを有している。これらにより得られる同一の形状の遅延時間スペクトルに対して、中心波長を制御することで、合成遅延時間スペクトル(以下、合成波形と記す)のスロープの傾斜が制御されている。
よって、本発明の分散補償器あるいは可変分散補償方法は、複数の同一の形状の時間遅延スペクトルに対して、共振している中心波長を制御することで、多様な中心波長の組み合わせを生み出し、所望の合成波形を得ることを特徴としている。この合成波形を、光ファイバの波長分散を補償する波形に近似させることにより、波長分散が補償される。
また、その共振器は、リング共振器であってもよい。さらに、そのリング共振器は、線状導波路と、線状導波路に沿って配置される複数のリング状導波路と、そして線状導波路とリング状導波路のそれぞれを光学的に結合する光学的結合器とを備えている方が好ましい。さらに、そのリング状導波路のそれぞれは、同一の形状および同一のサイズであり、そして、光学的結合器のそれぞれは、同一の結合効率である方が好ましい。これにより、より簡易な構成で、共振器を形成することが可能になる。
また、光学的結合器は、方向性結合器や多モード干渉器(MMI)であってもよい。これにより、より簡易な構成で、光学的結合器を形成することが可能になる。
また、中心波長のそれぞれは、波長軸上で、密から粗になるように分布されていてもよい。さらに、中心波長のそれぞれは、波長軸上で、指数関数的に密から粗に分布されていてもよく、または、n次(nは2以上の整数)関数的に密から粗に分布されていてもよい。これにより、より傾斜の緩い分散特性を得ることが可能になる。
また、リング共振器に備えられている線状導波路、リング状導波路および光学的結合器は、石英光導波路で形成されていてもよい。その場合、中心波長制御手段は、温度制御手段であってもよい。さらに、その温度制御手段は、光学的結合器を構成する部分を除いて、リング状導波路の全域を覆っている方が好ましい。これにより、より簡易にリング共振器を製造することが可能になる。また、温度制御手段が、リング状導波路の全域を覆うことで、より消費電力を減らすことができ、リング状導波路の温度をより均一にすることができる。
また、線状導波路、リング状導波路および光学的結合器は、強誘電体光導波路で形成されていてもよい。その場合、中心波長制御手段は、電界印可制御手段であってもよい。これにより、より簡易にリング共振器を製造することが可能になる。
また、複数の共振器は、少なくとも3段以上で構成されている方がよい。これにより、より簡易に所望の分散特性を得やすくなる。
このような本発明によれば、同一の時間遅延スペクトルを有する複数の共振器を直列に接続したので、これら同一仕様の共振器を用いてこれらの時間遅延スペクトルの中心波長を制御するだけで分散補償が可能になる。したがって、構成部品等の種類の減少によって可変分散補償器の信頼性を向上させることができると共に、可変分散補償器のコストダウンを図ることができる。
また、可変分散補償器を構成する共振器の構成を基本的に同一にすることができるので、その場合には、その設計、製造、管理および検査を同一とすることができ、これらを容易に行える。よって、それぞれにかかるコストを削減することができる。さらに、制御についても同一の仕様の制御回路を用いることができ、この場合には制御動作も同一となるので、制御が容易になる。よって、これにかかるコストを削減することができる。
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
<第1の実施例>
図1は、本発明の第1の実施例における可変分散補償器の概要構成を示す。この可変分散補償器201は、第1〜第nのリング共振器2021、2022、……、202nを直列に接続した構成となっている。第1〜第nのリング共振器2021、2022、……、202nは、1本の共通した線状導波路203を備えている。この線状導波路203の左端に図示しない光ファイバから、波長分散された光信号が入力される。第1〜第nのリング共振器2021、2022、……、202nは、基本的に同じ構成となっている。ここでは、第1のリング共振器2021で代表して説明を行う。
第1のリング共振器2021は、リング状導波路2041と、これを加熱するヒータ2051を備えている。線状導波路203は、リング状導波路2041と対向する部分が近接している。近接した部分は、方向性結合器2061を構成している。第1〜第nのリング状導波路2041〜204nは、基本的に同じ形状で、基本的に同じサイズである。また、方向性結合器の結合効率も基本的に同じである。よって、第1〜第nのリング共振器2021〜202nは、基本的に同じ位相となっており、基本的に同じ遅延時間である。
ヒータ2051は、リング状導波路2041の上部に配置されている。ヒータ2051は通電されることにより、リング状導波路2041の温度を制御する。それにより、第1のリング共振器2021の遅延時間スペクトルの中心波長が、所望の値に制御される。なお、ヒータ2051は、好ましくは、図1に示すように方向性結合器2061を構成する箇所を除いて、リング状導波路2041の全域を覆っている。これにより、リング状導波路の温度を、さらに均一な温度に制御することができる。
このように本実施例の可変分散補償器201は、光学結合器に方向性結合器を用いており、従来の図14に示す可変分散補償器101と異なりマッハツェンダ干渉計は使用していない。さらに、各リング共振器は、基本的に同じ形状で、基本的に同じサイズで形成されており、基本的に同仕様となっている。よって、従来の図16に示す可変分散補償器111のように、それぞれを異なる仕様にしていない。そのため、本実施例の可変分散補償器201は、非常にシンプルな構成となっている。
ここで、設計パラメータの一例を記す。コア径は、0.1〜10μmの範囲であり、例えば5μm程度である。リング状導波路の円周の長さは、1〜16mmの範囲であり、例えば2〜3mm程度である。また、方向性結合器の結合効率は、数十パーセントであり、例えば50%程度である。共振器のFSR(Free Spectral Range)は、12.5〜200GHzの範囲であり、例えば100GHz程度である。また、共振する中心波長の温度係数は、0.01nm/℃程度である。
なお、これらの導波路の基板は、シリコンまたはガラス(石英ガラスなど)で形成されている。また、これらの導波路は、石英ガラスを基板上に堆積して形成される。コアは、石英ガラスに添加するGeなどで屈折率調整されている。また、ヒータは、薄膜ヒータで形成されており、リング状導波路の上部に蒸着または固着されている。薄膜ヒータは、好ましくは、金属で形成されており、Cr、Pt、TiNなどが用いられている。
次に、本発明の第1の実施例の可変分散補償器の光学特性について説明する。
図2は、第1のリング共振器2021の遅延時間スペクトルを表わす。この図2では縦軸が光信号の遅延時間τ、横軸が波長λを表わしている。第1のリング共振器2021の遅延時間スペクトル221は、ガウス分布に近い波形を有している。第1のリング共振器2021は、図1に示すように、ヒータ2051を1つだけ備えている。これを温度制御することで、遅延時間スペクトルの中心波長が、長波長側あるいは短波長側に移動される。
すでに説明したように、図1に示す第1〜第nのリング共振器2021〜202nは、基本的に同じ位相である。よって、第1〜第nのリング共振器2021〜202nの波形は、基本的に同じ形状である。従って、本実施例の可変分散補償器201は、複数の同じ形状の波形を、中心波長を変えて合波することで、光ファイバの分散補償特性に合致した合成遅延時間スペクトル(以下、合成波形と記す。)を作り出す。
次に、本発明の第1の実施例の可変分散補償器の動作原理について説明する。
図3〜図8を用いて、光ファイバの分散補償特性に合致した合成波形を得る考え方を、説明する。図3に示す右下がりのライン231は、図15の光ファイバの波長分散特性121を補償するために理想的な特性である。一方、図2に示す遅延時間スペクトル221の右側上部のスロープ222は、ライン231と比べて急峻である。そのため、この右側上部のスロープ222を、分散補償に利用しようとすると、急峻過ぎて実用的でない。また、分散補償可能な波長範囲223が非常に狭い。すなわち、1つの遅延時間スペクトル221を用いて、光ファイバの分散補償に必要なライン231に近似することは困難である。
そこで、図4は、図2に示す遅延時間スペクトルと同じ形状の2つの波形2211,2212を、中心波長をわずかに変えて合波した場合を示す。合波した波形は、2波合成波形241として示す。例として、図1に示す可変分散補償器201の段数nを“2”として、第1および第2のリング共振器2021,2022で可変分散補償器を構成する場合を考える。これらのヒータ2051、2052に温度差を与えると、遅延時間スペクトルの中心波長に差が生じ、第1、第2の遅延時間スペクトル2211、2212が得られる。中心波長λ1を持つ第1のリング共振器2021の遅延時間スペクトルと、中心波長λ2を持つ第2のリング共振器2022の遅延時間スペクトルを合波した2波合成波形241は、頂点付近がフラットに近くなる。また、2波合成波形241の高さは、合成前の遅延時間スペクトル2211、2212に比べて2倍程度になっている。しかしながら、右側上部のスロープ242の傾きはほとんど変わっていない。
そこで、2波合成波形の右側上部の傾斜を緩やかにする第1の試みを図5に示す。
可変分散補償器201の段数nを“3”に増やして、第3の遅延時間スペクトル2213を2波合成波形241に合成している。第3の遅延時間スペクトル2213は、図4に示す2波合成波形241の右側に重なるように、中心波長λ3の位置を定めている。第3の遅延時間スペクトル2213を合成することにより、2波合成波形241の右側上部のスロープ252の傾斜を緩やかにしている。なお、第3の遅延時間スペクトル2213の中心波長λ3が、2波合成波形241の中心波長“(λ1+λ2)/2”に対して近接し過ぎると、右側上部のスロープ252の傾斜を緩やかにすることはできない。
このように、同一形状の第1〜第3の遅延時間スペクトル2211〜2213を用いて、これらの中心波長λ1〜λ3を制御することによって、たとえば図5の破線で示す3波合成波形251を合成することができる。そして、この合成波形251の右肩のスロープの傾斜を利用することにより、光ファイバの分散補償を行うことができる。
図6は、図4で示す2波合成波形241に、新たに合成する遅延時間スペクトル2214を図5よりも長波長側に配置した場合を示す。第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4は、図5に示す第3の遅延時間スペクトル2213の中心波長λ3よりも、長波長側に設定している。このように、3番目に合成する遅延時間スペクトルを、長波長側に設定すると、これらの3波合成波形261は、その中央部分に窪み262が発生してしまう。
そこで、この窪み262を補うように、4番目の遅延時間スペクトルをさらに合成する。
図7は、図6で示す合成波形261の窪み262を補うように、4番目となる第3の遅延時間スペクトル2213を挿入したものである。これらの4波合成波形271は、2波合成波形241の中心波長“(λ1+λ2)/2”から第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4までの範囲において、緩やかな傾斜となっている。
図8は、図7に示す第1〜第4の遅延時間スペクトルの個別の波形を示す。基本的に同一形状の第1〜第4の遅延時間スペクトル2211〜2214において、それらの隣接する中心波長λ1〜λ4の波長差をΔλ12、Δλ23、Δλ34とすると、これらは次の(1)式の関係にある。
Δλ12 ≦ Δλ23 ≦ Δλ34 ……(1)
以上により、次の結論が得られる。同一形状の第1〜第4の遅延時間スペクトル2211〜2214を用い、中心波長λ1〜λ4のそれぞれを設定することにより、光ファイバの分散補償に利用できる波形が作り出せる。なお、図5の3波合成波形251よりも、図7の4波合成波形271の方が、傾斜を緩くすることができるので、より実用性が高い。
ところで、図5に示す3波合成波形251または図7に示す4波合成波形271により、光ファイバの分散補償を行うためには、光ファイバの分散特性を相殺する分散特性に設定する必要がある。図5に示す3波合成波形251を使用する場合は、中心波長λ1に対して、他の2つの中心波長λ2、λ3を微細に調整する。しかしながら、所望の分散特性が得られない場合は、図7に示す4波合成波形271を使用して、中心波長λ1に対して、他の3つの中心波長λ2、λ3、λ4を微細に調整する。
ここで調整を簡略化する手法として、一例を説明する。図8において、第1〜第3の遅延時間スペクトル2211〜2213は、第4の遅延時間スペクトル2214と比べると比較的狭い波長範囲に密集している。そこで、これらの中心波長を初めに設定する。次に、この3波合成波形に対して、残りの第4の遅延時間スペクトル2214を調整してもよい。または、第1と第2の2波合成波形と、第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長を初めに設定し、残りの第3の遅延時間スペクトル2213を調整してもよい。
図8に示すように、これらの遅延時間スペクトルの中心波長を配置する間隔は、遅延時間スペクトル2211の中心波長λ1に対して、長波長になるにつれて、拡大している。この間隔を、指数関数的やn次(nは2以上の整数)関数的に拡大することにより、合成波形の右側上部のスロープは、窪みの少ない、より平坦な線にすることができる。これにより、合成波形を図3に示す理想的な直線に近づけることができる。
なお、ここでは、4波合成波形までを説明したが、さらに波形数を増やすことで、より緩やかで平坦な傾斜を形成することができる。その場合に、中心波長の分布を指数関数的やn次(nは2以上の整数)関数的に配置することで、設定も行い易くなる。
次に、本発明の第1の実施例の可変分散補償器における制御系の構成に関して説明する。
図9は、制御系も含めた可変分散補償器の構成を表わす。この図9で図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、先の説明で使用した図も適宜使用する。
本実施例の可変分散補償器301は、第1〜第4のリング共振器2021〜2024のそれぞれに、温度検出素子3021〜3024を配置している。第1〜第4のリング共振器2021〜2024は、基本的に同一のサイズおよび形状のパターンを使用して製造されており、これらの特性は基本的に同一である。温度検出素子3021〜3024の温度検出信号線(共に2本)3031〜3034と、ヒータ2051〜2054の電力供給線(共に2本)3041〜3044とは、入出力制御回路306に接続されている。この入出力制御回路306は、データバス等のバス307を介して、CPU(中央処理装置)308、ROM(リード・オン・メモリ)309、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)310、操作部311および表示部312などに接続されている。線状導波路203の一端には、波長分散を補償すべき光ファイバ321の一端が接続されている。また、線状導波路203の他端には、波長分散を補償された後の光信号を送信する光ファイバ322の一端が接続されている。
温度検出素子3021〜3024は、サーミスタまたは白金抵抗などである。温度検出信号線3031〜3034および電力供給線3041〜3044は、導波路基板上に蒸着された配線パターンまたはリード線などである。CPU308は、可変分散補償器301の各部を制御する。ROM309は、分散補償量を制御するための条件等である制御データを格納したリード・オンリ・メモリである。その制御データは、CPU308を制御する制御プログラム、各リング共振器の遅延時間スペクトルの中心波長の配置順序、各リング共振器の中心波長の固定または可変の変更、等である。RAM310は、CPU308の制御のために一時的に必要とされる各種データを、一時的に格納するランダム・アクセス・メモリである。操作部311は、光ファイバ321より入力される光信号に対して、分散補償する指示を入力する部分である。表示部312は、操作部311に入力されたデータや特性の補償結果を表示するためのディスプレイである。たとえば、それは液晶ディスプレイなどで構成されている。
次に、本発明の第1の実施例の可変分散補償器の制御系の動作について、説明する。
図10は、本実施例の可変分散補償器による分散補償の初期設定の概要を表わす。図9に示す可変分散補償器301を新たに光ファイバ321に接続するとき、あるいは光ファイバ321の構成が異なったような場合に、初期設定が必要となる。そこで、その一例を示す。図8に示す第1〜第3の遅延時間スペクトル2211〜2213は、予め実験して3つの中心波長λ1、λ2、λ3に固定される。そして、第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4のみを変動させることで、光ファイバ321に適応する分散補償の傾斜特性が作り出される。まず、第1のリング共振器2021による第1の遅延時間スペクトル2211が、図8で示す中心波長λ1に固定される(ステップS341)。中心波長λ1の設定は、CPU308により、第1のリング共振器2021の周囲温度を温度検出素子3021で検出しながら、ヒータ2051に供給する電力を制御して行う。次に、第2と第3の遅延時間スペクトル2212,2213が、予め実験で定められた中心波長λ2、λ3に同様に固定される。第2の遅延時間スペクトル2212は、中心波長λ2に設定され(ステップS342)、第3の遅延時間スペクトル2213は中心波長λ3に設定される(ステップS343)。最後に、第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4について設定が行われる(ステップS344)。この最後の調整は、光ファイバ321の実際の波長分散特性を相殺するように制御する。このように、この例では、波長順に遅延時間スペクトルの中心波長が設定されている。
図11は、第4の遅延時間スペクトルの中心波長λ4の設定ステップのサブルーチン(図10のS344)における制御フローの詳細を示す。まず、第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4は、中心波長λ3よりもわずかに長波長側の値に設定される(ステップS361)。次に、中心波長λ3と中心波長λ4を加算した波長の平均値“(λ3+λ4)/2”に相当する試験波長が、補償すべき光ファイバ321から入力される(ステップS362)。このとき、試験波長と共に、他の基準となる波長も入力される。そして、その試験波長における分散補償後の特性が測定される(ステップS363)。測定結果は、そのときの中心波長λ4と共に、RAM310に一時記憶される(ステップS364)。
次に、中心波長λ4は、所定の微少波長Δλだけ増加される(ステップS365)。そして、中心波長λ3と中心波長λ4を加算した波長の平均値“(λ3+λ4)/2”に相当する試験波長が、補償すべき光ファイバ321から入力される(ステップS366)。このときも、試験波長と共に、他の基準となる波長が入力される。そして、その試験波長における分散補償後の特性が測定される(ステップS367)。測定結果は、そのときの中心波長λ4と共に、RAM310に一時記憶する(ステップS368)。この段階において、CPU308は、今回測定した分散補償後の特性と前回のそれを比較する。そして、中心波長λ4を長波長側に移動させたことによって、分散補償後の特性が悪化したかどうかが判別される(ステップS369)。ここで、分散補償後の特性の悪化とは、分散補償されて出力される光信号の分散補償特性の傾斜が、以前よりも大きくなることや、分散補償特性に窪みが発生したり、その窪みが大きくなることを示す。悪化していなければ(N)、ステップS365に戻って、更に中心波長λ4が所定の微少波長Δλだけ増加される。このようにして、分散補償後の特性が改善されている間は、第4の遅延時間スペクトル2214の中心波長λ4は少しずつ長波長側に移動される。
ある時点で、ステップS369の判別において、特性が悪化したと判別されたときには(Y)、RAM310に保持されていた前回の中心波長λ4に、第4の遅延時間スペクトル2214が設定される(ステップS370)。そして、処理が終了される(エンド)。もちろん、ステップS369で特性が悪化したと判別されたとき以後も、所定回数だけ中心波長λ4の増加処理を行って、総合的に中心波長λ4の最適値が決められてもよい。また、特性が前回と変わらない時点で、中心波長λ4を最適値としてもよい。
なお、分散補償する波長帯域をカバーするように、中心波長λ1と中心波長λ4を先に決定し、中心波長λ2と中心波長λ3を制御して、中間部分の分散曲線を制御するようにしてもよい。また、各リング共振器ごとの遅延時間スペクトルの中心波長が、短波長側から長波長側に次第に指数関数的に粗になるように、各リング共振器の中心波長を移動させ、その後に個々のリング共振器の中心波長を微調整してもよい。同じく、リング共振器ごとの遅延時間スペクトルの中心波長が、短波長側から長波長側に次第にn次(nは2以上の整数)関数的に粗になるように、各リング共振器の中心波長を移動させて、その後に微調整してもよい。
図12に、本実施例による4つの波形と、これらの合成波形の一例を示す。第1の曲線381は、最短の中心波長λ1の第1の遅延時間スペクトルを表わしており、第2の曲線382は、中心波長λ2の第2の遅延時間スペクトルを表わす。同様に第3の曲線383は、中心波長λ3の第3の遅延時間スペクトルを表わしており、第4の曲線384は、最長の中心波長λ4の第4の遅延時間スペクトルを表わす。第5の曲線385は、第1〜第3の曲線381〜383が合成されたものであり、第6の曲線386は第5の曲線385と第4の曲線384が合成されたものである。第6の曲線386の右側上部のスロープ387を用いることで、単独の遅延時間スペクトルよりも広い波長帯域で、緩やかな傾斜部分が得られる。この傾斜部分を用いることで、光ファイバで受けた光信号の波長分散が補償される。
このような本実施例の可変分散補償器では、各リング共振器のそれぞれを、1種類のヒータで中心波長を制御するようにしている。よって、従来の図14の構成に比べて、ヒータおよびそれを制御する回路を半減させることができる。そのため、部品点数および制御する数が減り、可変分散補償器の信頼性を向上させることができる。よって、コストダウンを図ることもできる。
また、本実施例の可変分散補償器では、各リング共振器の構成を基本的に同一にしているため、各リング共振器の設計、製造、管理および検査を同じにすることができ、これらを容易に行える。よって、それぞれにかかるコストを削減することができる。さらに、制御についても同じ仕様の制御回路を用いることができ、同様の動作で行えるため、容易に制御が行える。よって、それにかかるコストを削減することもできる。
<第2の実施例>
第1の実施例では、光信号の結合を行う光学的結合器として方向性結合器を用いたが、光信号を1本の導波路とリング状導波路の間で分配するその他の素子、あるいはカプラを用いてもよい。
図13は、光学的結合器として多モード干渉(MMI)導波路カプラを使用した可変分散補償器の要部を表わしたものである。この第2の実施例の可変分散補償器401で図9と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。可変分散補償器401は、第1〜第4のリング共振器4021〜4024を直列に接続した構成となっている。第1〜第4のリング共振器4021〜4024には、分散補償前の光ファイバ321と分散補償後の光ファイバ322を結ぶ線状導波路403が配置されている。第1〜第4のリング共振器4021〜4024はすべて同一の構成となっている。
第1のリング共振器4021は、リング状導波路4041と、これを加熱制御するヒータ2051を備えている。線状導波路403とリング状導波路4041はこれらの近接する位置で4端子の多モード干渉導波路(Multi Mode Interference,MMI)カプラ4051によって光波の分配を行うようになっている。ヒータ2051は、リング状導波路4041における多モード干渉導波路カプラ4051が形成された領域を除くほぼ全域を覆っている。ヒータ2051の通電によるリング状導波路4041の温度制御によって、第1のリング共振器4021の中心波長が所望の値に制御されるようになっている。
この第2の実施例の可変分散補償器401でも、図9に示した第1の実施例の可変分散補償器301と同様に第1〜第3のリング共振器4021〜4023を補償すべき波長の短波長側を基にして初期設定する。そして、第4のリング共振器4024による中心波長λ4を光ファイバ321の波長分散に応じて補正することになる。これにより、補償すべき全波長の範囲で光ファイバの波長分散を補正することができる。
以上説明した本発明の第2の実施例では、各リング共振器のそれぞれを、1種類のヒータで中心波長を制御するようにしている。よって、従来の図1の構成に比べて、ヒータ及びそれを制御する回路を半減させることができる。そのため、部品点数および制御する数が減り、可変分散補償器の信頼性を向上させることができる。よって、コストダウンを図ることもできる。
また、本実施例の可変分散補償器では、各リング共振器の構成を基本的に同一にしているため、各リング共振器の設計、製造、管理および検査を同じにすることができ、これらを容易に行える。よって、それぞれにかかるコストを削減することができる。さらに、制御についても同じ仕様の制御回路を用いることができ、同様の動作で行えるため、容易に制御が行える。よって、それにかかるコストを削減することもできる。
<発明の変形可能性>
なお、以上説明した第1および第2の実施例では、可変分散補償器を4段のリング共振器で構成した。しかしながら、光ファイバの波長分散および各リング共振器の特性によっては、3段のリング共振器で構成してもよいし、5段以上のリング共振器で構成してもよい。リング共振器を5段以上配置することで、より広い波長範囲またはうねり(リップル)の少ない分散補償特性を得ることができる。
また、以上説明した実施例では、可変分散補償器を構成するリング共振器は、基本的に同一サイズで、基本的に同一の形状のものであるとしたが、これらのうちいくつかは異なるサイズまたは形状にしてもよい。これにより、段数を少なくして、同等の分散補償特性を得ることが可能になる。または、同一の段数で、より広範囲またはうねり(リップル)の少ない分散補償特性を得ることが可能になる。
また、以上説明した実施例では、ヒータで加熱制御することによって、各リング共振器における遅延時間スペクトルの中心波長を制御しているが、ペルチェ素子等を使用して、加熱または冷却制御してもよい。
さらに、以上説明した実施例では、温度制御により各リング共振器における遅延時間スペクトルの中心波長を制御しているが、リチウムナイオベート等の強誘電体の光導波路を使用して、電界により遅延時間スペクトルの中心波長を制御してもよい。
本発明の第1の実施例による可変分散補償器を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施例によるリング共振器の遅延時間スペクトルを表わした特性図である。 本発明の第1の実施例による可変分散補償器全体の遅延時間スペクトルの一例を表わした特性図である。 2つの遅延時間スペクトルの中心周波数をわずかにずらして合成した合成波形を示した説明図である。 図4に示した合成波形の右肩部分の傾斜を図2に示した遅延時間スペクトルを用いて緩やかにする試みを示す説明図である。 図4で示した2波合成波形に対して図2に示した遅延時間スペクトルを長波長側により遠ざけた場合の合成波形を示す説明図である。 図6で示した合成波形の谷を補償するように第3および第4の遅延時間スペクトルを位置決めした例を示した説明図である。 図7に示した3つの波形を基となる第1〜第4の遅延時間スペクトルの個別波形で示した説明図である。 本発明の第1の実施例における可変分散補償器の構成を表わした概略構成図である。 第1の実施例における可変分散補償器による波長分散補償の初期設定の概要を表わした流れ図である。 第1の実施例で第4の遅延時間スペクトルの中心波長の制御の流れを具体的に表わした流れ図である。 第1の実施例で4つの波形とこれらの合成波形の実測値の一例を示した特性図である。 本発明の第2の実施例における可変分散補償器の構成を表わした概略構成図である。 従来提案された第2の提案による可変分散補償器の構成を示した概略構成図である。 図14に示した直列接続された可変分散補償器による分散補償の原理を示した説明図である。 従来提案された第3の提案による可変分散補償器を示す概略構成図である。
符号の説明
201、301、401 可変分散補償器
202、402 リング共振器
203、403 線状導波路
204、404 リング状導波路
205 ヒータ
308 CPU(中央処理装置)
309 ROM
321、322 光ファイバ
405 多モード干渉導波路カプラ

Claims (42)

  1. 同一の時間遅延スペクトルを有し、直列に接続される複数の共振器と、
    前記共振器のそれぞれの共振している中心波長を制御する中心波長制御手段
    とを備え、
    前記それぞれの中心波長は、前記中心波長制御手段によりそれぞれの予め設定された値に制御されて、前記共振器のそれぞれの遅延時間スペクトルが合成され、その合成遅延時間スペクトルのスロープの傾斜が制御されて、前記スロープの傾斜の度合いにより、分散補償量が変えられることを特徴とする可変分散補償器。
  2. 前記共振器がリング共振器である
    ことを特徴とする請求項1記載の可変分散補償器。
  3. 前記リング共振器は、
    線状導波路と、
    前記線状導波路に沿って配置される複数のリング状導波路と、
    前記線状導波路と前記リング状導波路のそれぞれを光学的に結合する光学的結合器
    とを具備することを特徴とする請求項2記載の可変分散補償器。
  4. 前記リング状導波路のそれぞれは、同一の形状および同一のサイズであり、前記光学的結合器のそれぞれは、同一の結合効率である
    ことを特徴とする請求項3記載の可変分散補償器。
  5. 前記光学的結合器は、方向性結合器である
    ことを特徴とする請求項3記載の可変分散補償器。
  6. 前記光学的結合器は、多モード干渉器である
    ことを特徴とする請求項3記載の可変分散補償器。
  7. 隣接する前記中心波長のそれぞれの間隔は、長波長になるにつれて、拡大されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の可変分散補償器。
  8. 隣接する前記中心波長のそれぞれの間隔は、指数関数的に拡大されている
    ことを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  9. 前記中心波長の間隔は、n次(nは2以上の整数)関数的に拡大されている
    ことを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  10. 前記リング共振器に備えられている前記線状導波路、前記リング状導波路および前記光学的結合器は、石英光導波路で形成されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の可変分散補償器。
  11. 前記中心波長制御手段は、温度制御手段である
    ことを特徴とする請求項10記載の可変分散補償器。
  12. 前記温度制御手段は、前記光学的結合器を構成する部分を除いて、前記リング状導波路の全域を覆っている
    ことを特徴とする請求項11記載の可変分散補償器。
  13. 前記温度制御手段は、ヒータである
    ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の可変分散補償器。
  14. 前記ヒータは、薄膜ヒータである
    ことを特徴とする請求項13記載の可変分散補償器。
  15. 前記薄膜ヒータは、金属が蒸着されて形成されている
    ことを特徴とする請求項14記載の可変分散補償器。
  16. 前記リング共振器に備えられている前記線状導波路、前記リング状導波路および前記光学的結合器は、強誘電体光導波路で形成されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の可変分散補償器。
  17. 前記中心波長制御手段は、電界印可制御手段である
    ことを特徴とする請求項16記載の可変分散補償器。
  18. 前記複数の共振器は、少なくとも3段以上で構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の可変分散補償器。
  19. さらに、前記中心波長制御手段へ電力を供給する電力供給線が備えられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の可変分散補償器。
  20. さらに、前記複数の共振器の中心波長を検出する中心波長検出手段が備えられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の可変分散補償器。
  21. 前記中心波長検出手段は、前記リング共振器の温度を検出する温度検出手段である
    ことを特徴とする請求項20記載の可変分散補償器。
  22. 前記温度検出手段は、サーミスタである
    ことを特徴とする請求項21記載の可変分散補償器。
  23. 前記温度検出手段は、白金抵抗である
    ことを特徴とする請求項21記載の可変分散補償器。
  24. さらに、前記温度検出手段で検出された温度情報を伝送する温度検出信号線が備えられている
    ことを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれかに記載の可変分散補償器。
  25. さらに、前記中心波長制御手段を制御する制御手段が備えられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項24のいずれかに記載の可変分散補償器。
  26. さらに、前記制御手段を制御するCPUが備えられている
    ことを特徴とする請求項25記載の可変分散補償器。
  27. さらに、入力用光ファイバと出力用光ファイバが備えられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項26のいずれかに記載の可変分散補償器。
  28. 同一の時間遅延スペクトルを有し、直列に接続される複数の共振器のそれぞれの共振している中心波長を制御する第1のステップと、
    前記共振器のそれぞれの遅延時間スペクトルを合成する第2のステップと、
    その合成遅延時間スペクトルのスロープの傾斜を制御する第3のステップと、
    分散補償量を変える第4のステップ
    とを具備することを特徴とする可変分散補償方法。
  29. 前記共振器のそれぞれの遅延時間スペクトルは、同一の形状である
    ことを特徴とする請求項28記載の可変分散補償方法。
  30. 前記共振器の遅延時間スペクトルの中心波長のそれぞれは、異なる波長に設定されている
    ことを特徴とする請求項28または請求項29に記載の可変分散補償方法。
  31. 隣接する前記中心波長のそれぞれの間隔は、長波長になるにつれて、拡大されている
    ことを特徴とする請求項30記載の可変分散補償方法。
  32. 隣接する前記中心波長のそれぞれの間隔は、指数関数的に拡大されている
    ことを特徴とする請求項31記載の可変分散補償方法。
  33. 隣接する前記中心波長のそれぞれの間隔は、波長軸上で、n次(nは2以上の整数)関数的に拡大されている
    ことを特徴とする請求項31記載の可変分散補償方法。
  34. 前記中心波長のそれぞれは、温度で制御されている
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項33のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  35. 前記中心波長のそれぞれは、電界を印可することで制御されている
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項33のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  36. 前記共振器は、少なくとも3段以上備えられている
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項35のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  37. 前記共振器は、その共振している中心波長を最も低く設定するものから波長順に制御される
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項36のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  38. 前記共振器は、その共振している中心波長を最も高く設定するものから波長順に制御される
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項36のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  39. 前記共振器は、その共振している中心波長を最も低く設定するものと最も高く設定するものが先に制御され、その後、間に設定するものが制御される
    ことを特徴とする請求項28乃至請求項36のいずれかに記載の可変分散補償方法。
  40. 前記共振器の共振している中心波長の制御において、
    中心波長をわずかに長波長に設定し、
    第1の試験波長の光信号を入力して第1の分散補償特性を測定し、
    その第1の測定結果を記憶し、
    さらに前記中心波長をわずかに長波長に設定し、
    第2の試験波長の光信号を入力して第2の分散補償特性を測定し、
    その第2の測定結果を記憶し、
    前記第1および前記第2の測定結果同士の比較を行って悪化を判断し、
    前記第2の測定結果が悪化していなかったら、さらに前記中心波長をわずかに長波長に設定する工程に戻り、前記第2の測定結果が悪化していたら、波長設定を終了する
    ことを特徴とする請求項28記載の可変分散補償方法。
  41. 前記悪化とは、前記第2の分散補償特性の傾斜が前記第1の分散補償特性の傾斜よりも大きくなることである
    ことを特徴とする請求項40記載の可変分散補償方法。
  42. 前記悪化とは、前記第2の分散補償特性の窪みが前記第1の分散補償特性の窪みよりも大きくなることである
    ことを特徴とする請求項40記載の可変分散補償方法。
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