JPH10221669A - 光学装置並びに波長選択フィルタ、及びこれらに用いられる温度制御方法 - Google Patents

光学装置並びに波長選択フィルタ、及びこれらに用いられる温度制御方法

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JPH10221669A
JPH10221669A JP9020856A JP2085697A JPH10221669A JP H10221669 A JPH10221669 A JP H10221669A JP 9020856 A JP9020856 A JP 9020856A JP 2085697 A JP2085697 A JP 2085697A JP H10221669 A JPH10221669 A JP H10221669A
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heating
optical
temperature difference
electrode
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JP9020856A
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Shigeo Yago
栄郎 矢後
Takemichi Kudou
剛通 工藤
Yoshihiko Watanabe
嘉彦 渡邊
Yasutaka Hasegawa
靖高 長谷川
Takashi Kurokawa
隆志 黒川
Tetsuo Yoshizawa
鐵夫 吉澤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Yazaki Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Yazaki Corp
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/12Generating the spectrum; Monochromators
    • G01J3/26Generating the spectrum; Monochromators using multiple reflection, e.g. Fabry-Perot interferometer, variable interference filters
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/02Details
    • G01J3/0286Constructional arrangements for compensating for fluctuations caused by temperature, humidity or pressure, or using cooling or temperature stabilization of parts of the device; Controlling the atmosphere inside a spectrometer, e.g. vacuum

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速な熱応答性を有する発熱機能、且つ、高
速な熱応答性及び高い測温精度を有する温度検知機能を
有する温度制御が可能となる光学装置並びに波長選択フ
ィルタ、及びこれらに用いられる温度制御方法を提供す
ること。 【解決手段】 複屈折性エタロン媒質208の制御性、
透過機能、及び電気抵抗温度特性を有する加熱電極20
4(204B)と、通電加熱制御と温度差測定制御と温
度差測定制御とを含んで構成されるフィードバック温度
制御ループを実行する温度制御手段40と、所定の共振
波長λ1を選択する波長選択電圧を屈折率制御用の加熱
電極204(204B)間の複屈折性エタロン媒質20
8に印加して選択された共振波長λ1を一定に保持する
制御を実行する駆動手段30とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子の光物性
を電磁気的に制御する光学装置及びこれに用いられる温
度制御方法に関し、特に、入射された光信号の中から所
望の波長の光信号を選択的に出射できる分光機能を有す
る波長選択フィルタ、及びこれに用いられる共振波長選
択温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の波長選択フィルタを説明
するための配置図である。
【0003】従来この種の光学装置の代表例である波長
選択フィルタ9は、エタロン媒質にTN(Twiste
d Nematic)配向構造の液晶材料を用いたファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器3と入射側光ファイバ
4Aと出射側光ファイバ4BとドライバHと温度制御回
路5とを有していた。
【0004】波長選択フィルタ9に用いられる光学素子
の代表例であるファブリ・ペロー・エタロン型共振器3
は、図5に示すように、ITO電極B、誘電体多層反射
膜C、及びラビング処理されたポリイミド配向膜Dがこ
の順番で一対の基板A,Aの各々の上に形成され、更
に、この一対の基板A,Aが球形状のスペーサF,F
(球直径=約10[μm])を介して光学的精度で正確
に平行平板に配置されることに依り、エタロンギャップ
(則ち、光路長)nd1を有するエタロン構造を実現し
ていた。
【0005】また、基板Aと入射側光ファイバ4Aとの
界面、及び基板Aと出射側光ファイバ4Bとの界面に
は、各々ARコート膜(反射防止膜)Eが設けられてい
た。
【0006】またラビング処理が行われたポリイミド
(PI)配向膜D,Dの間には、ポリイミド配向膜D,
D間でねじり角ψが光学的精度で正確に90度に配向さ
れた状態のTN液晶Gが複屈折性エタロン媒質として注
入されていた。
【0007】また入射側光ファイバ4Aは、光信号(図
5中の入射光1、波長λ)を伝播すると共に、ファブリ
・ペロー・エタロン型共振器3に共振器3の入射面に垂
直な中心軸に沿って(則ち、光学的精度で正確に中心軸
と平行に)光信号(入射光1)を入射するように配置さ
れていた。
【0008】また出射側光ファイバ4Bは、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器3から出射面(入射面と光学
的精度で正確に平行に成っている出射面)に垂直な中心
軸に沿って(則ち、光学的精度で正確に中心軸と平行
に)出射される光信号(図中の出射光2、共振波長λ1
(単位は[μm]))を受信すると共に、受信した光信
号(出射光2)を伝播するように配置されていた。
【0009】このような構成を有する波長選択フィルタ
9は、TN液晶材料の屈折率をドライバH(例えば、一
定周波数を有する交流信号源やパルス信号発生源)を用
いて制御して誘電体反射膜C,C間の共振長nd1(屈
折率と波長に依って決定される光路長)を選択すること
に依り、入射側光ファイバ4Aから垂直に入射された光
信号(入射光1)の中から所定の共振波長λ1の光信号
を選択的に出射側光ファイバに出射する温度制御方法が
用いられていた。
【0010】図6は、図5の波長選択フィルタに用いら
れる温度制御回路を説明するための配置図である。
【0011】温度制御回路5は、ファブリ・ペロー・エ
タロン型共振器3の温度を制御するための手段であっ
て、図6に示すように、ヒータ(又はペルチェ素子)1
と、温度センサ3と電圧可変電源2とを有していた。
【0012】ヒータ(又はペルチェ素子)1は、電圧可
変電源2に接続された状態でファブリ・ペロー・エタロ
ン型共振器3の表面上の光軸近傍に設けられ、電圧可変
電源2から供給された電力を用いてファブリ・ペロー・
エタロン型共振器3を加熱(又は電子冷却)する機能を
有していた。
【0013】温度センサ3は、電圧可変電源2に接続さ
れた状態でファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の加
熱箇所(又は電子冷却箇所)近傍に設けられ、ファブリ
・ペロー・エタロン型共振器3を加熱状態(又は電子冷
却状態)を検出して加熱箇所(又は電子冷却箇所)近傍
の温度のデータを電圧可変電源2に伝達する機能を有し
ていた。
【0014】電圧可変電源2は、フィードバックループ
で接続された温度センサ3からの温度のデータをモニタ
ーし、モニターした温度データに応じて、ファブリ・ペ
ロー・エタロン型共振器3の加熱箇所(又は電子冷却箇
所)近傍の温度を所望の目標温度に設定するために必要
な加熱(又は、電子冷却)のために必要な電力をヒータ
(又はペルチェ素子)1に供給する制御を実行する機能
を有していた。
【0015】このような構成を有する温度制御回路5に
用いられる温度制御方法においては、電圧可変電源2を
用いてヒータ(又はペルチェ素子)1に加熱(又は電子
冷却)するための電力を供給し、ファブリ・ペロー・エ
タロン型共振器3の加熱箇所(又は電子冷却箇所)近傍
の温度データを温度センサ3を用いて収集し、収集した
温度データに基づいて、ファブリ・ペロー・エタロン型
共振器3の加熱箇所(又は電子冷却箇所)近傍の温度を
所望の目標温度に設定するために必要な加熱(又は、電
子冷却)のために必要な電力を電圧可変電源2を用いて
ヒータ(又はペルチェ素子)1に供給するフィードバッ
クループ制御が実行されていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の波長選択フィルタ9及び温度制御方法におい
て、加熱用のヒータ(又は電子冷却用のペルチェ素子)
1の入射光1に対する透過性は不十分であるため、この
ようなヒータ(又はペルチェ素子)1をファブリ・ペロ
ー・エタロン型共振器3の光軸上に薄膜状態で密着させ
て設けることが難しく、ファブリ・ペロー・エタロン型
共振器3の所望の加熱箇所(又は電子冷却箇所)と実際
に加熱(又は電子冷却)する箇所とが空間的にずれてし
まう結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の所
望の加熱箇所(又は電子冷却箇所)と実際に加熱(又は
電子冷却)する箇所との間に熱抵抗が発生してしまい、
この熱抵抗に起因してヒータ(又は電子冷却用のペルチ
ェ素子)1の熱応答性が低下し、更にファブリ・ペロー
・エタロン型共振器3のフィードバックループ制御の応
答性に不要な時遅れが発生してしまうという技術的課題
があった。
【0017】同様の主旨で、従来の温度センサ3の入射
光1に対する透過性は不十分であるため、このような温
度センサ3をファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の
光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが難しく、フ
ァブリ・ペロー・エタロン型共振器3の所望の測定箇所
と実際に温度を測定している箇所とが空間的にずれてし
まう結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の所
望の温度測定箇所(又は電子冷却箇所)と実際に温度を
測定している箇所との間に熱抵抗が発生してしまい、こ
の熱抵抗に起因して温度センサ3の熱応答性が低下し、
更にファブリ・ペロー・エタロン型共振器3のフィード
バックループ制御の応答性に不要な時遅れが発生してし
まうという技術的課題があった。
【0018】また、従来の加熱用のヒータ(又は電子冷
却用のペルチェ素子)1は単体素子であったため、ファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器3の内部に設けること
が難しく、その結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共
振器3の所望の加熱箇所(又は電子冷却箇所)と実際に
加熱(又は電子冷却)する箇所とが空間的にずれてしま
う結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の所望
の加熱箇所(又は電子冷却箇所)と実際に加熱(又は電
子冷却)する箇所との間に熱抵抗が発生してしまい、こ
の熱抵抗に起因してヒータ(又は電子冷却用のペルチェ
素子)1の熱応答性が低下し、更にファブリ・ペロー・
エタロン型共振器3のフィードバックループ制御の応答
性に不要な時遅れが発生してしまうという技術的課題が
あった。
【0019】同様の主旨で、従来の温度センサ3は単体
素子であったため、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器3の内部に設けることが難しく、その結果、ファブリ
・ペロー・エタロン型共振器3の所望の測定箇所と実際
に温度を測定している箇所とが空間的にずれてしまう結
果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の所望の温
度測定箇所(又は電子冷却箇所)と実際に温度を測定し
ている箇所との間に熱抵抗が発生してしまい、この熱抵
抗に起因して温度センサ3の熱応答性が低下し、更にフ
ァブリ・ペロー・エタロン型共振器3のフィードバック
ループ制御の応答性に不要な時遅れが発生してしまうと
いう技術的課題があった。
【0020】また、従来の加熱用のヒータ(又は電子冷
却用のペルチェ素子)1は単体素子としてファブリ・ペ
ロー・エタロン型共振器3の表面上の光軸近傍に接触し
た状態で設けられていたため、加熱用のヒータ(又は電
子冷却用のペルチェ素子)1とファブリ・ペロー・エタ
ロン型共振器3の接触表面との間に熱抵抗が発生してし
まう結果、この熱抵抗に起因してヒータ(又は電子冷却
用のペルチェ素子)1の熱応答性が低下し、更にファブ
リ・ペロー・エタロン型共振器3のフィードバックルー
プ制御の応答性に不要な時遅れが発生してしまうという
技術的課題があった。
【0021】同様の主旨で、従来の温度センサ3は単体
素子としてファブリ・ペロー・エタロン型共振器3の表
面上の光軸近傍に接触した状態で設けられていたため、
温度センサ3とファブリ・ペロー・エタロン型共振器3
の接触表面との間に熱抵抗が発生してしまう結果、この
熱抵抗に起因して温度センサ3の熱応答性が低下し、更
にファブリ・ペロー・エタロン型共振器3のフィードバ
ックループ制御の応答性に不要な時遅れが発生してしま
うという技術的課題があった。
【0022】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題としており、特に、光学素子を構成する
光学材料の光物性を電磁気的に制御して光軸上の入力光
に対して所定の処理を実行する光学装置において、所定
の波長範囲において所定の透過特性を有する抵抗体であ
って、抵抗体に通電することにより所望の発熱量を生成
すると共に、生成した発熱量を温度制御対象である光学
材料に与えるように、少なくとも光学材料の光軸を含む
周囲に光学材料に近接又は接触した状態で設けられてい
る加熱電極を少なくとも光学材料の光軸近傍に光学材料
に近接又は接触した状態で設け、更に、この加熱電極に
通電することによって所望の発熱量を発生させて加熱電
極近傍を加熱する通電加熱制御と電気抵抗温度特性に基
づいて加熱電極の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温度を
求める温度差測定制御と加熱箇所の加熱温度と目標とす
る加熱温度との温度差を算出する温度差測定制御とを含
んで構成されるフィードバック温度制御ループを実行す
る温度制御手段を設けることに依り、発熱機能を有する
加熱電極を光学素子の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で
密着させて設けることが可能となり、光学素子の所望の
加熱箇所と実際の加熱箇所との空間的なずれを解消でき
る結果、光学素子の所望の加熱箇所と実際の加熱箇所と
の間に熱抵抗が発生することを回避することができるよ
うになり、このような熱抵抗の低下に起因して高速な熱
応答性を有する発熱機能を実現することができ、更に光
学素子のフィードバックループ制御の応答性の時遅れを
解消した高速応答性を有するフィードバックループ制御
を実現できる光学装置及びこれに用いられる温度制御方
法を提供することを課題とする。
【0023】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極を光学素子の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着
させて設けることが可能となり、光学素子の所望の温度
検知箇所と実際の温度検知箇所との空間的なずれを解消
できる結果、光学素子の所望の温度検知箇所と実際の温
度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを回避するこ
とができるようになり、このような熱抵抗の低下に起因
して、高速な熱応答性及び高い測温精度を有する温度検
知機能を実現することができ、更に、光学素子のフィー
ドバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高速応
答性及び高い制御精度を有するフィードバックループ制
御を実現できる光学装置及びこれに用いられる温度制御
方法を提供することを課題とする。
【0024】また、発熱機能と温度検知機能とを有する
加熱電極を光学素子表面に代えて内部の光軸近傍又は光
軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、
光学素子の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加
熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解消できる
結果、光学素子の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実
際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生す
ることを回避することができるようになり、このような
熱抵抗の低下に起因して、高速な熱応答性を有する発熱
機能を実現することができ、且つ、高速な熱応答性及び
高い測温精度を有する温度検知機能を実現することがで
き、更に、光学素子のフィードバックループ制御の応答
性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度を有
するフィードバックループ制御を実現できる光学装置及
びこれに用いられる温度制御方法を提供することを課題
とする。
【0025】また本発明は、光物性としての複屈折性エ
タロン媒質の屈折率を電気的に制御して所定の共振波長
を選択可能なファブリ・ペロー・エタロン型共振器を光
学素子として有する光学装置である波長選択フィルタに
おいて、複屈折性エタロン媒質を挟んだ状態でエタロン
構造を形成すると共に、複屈折性エタロン媒質の屈折率
を電気的に制御するための電界を複屈折性エタロン媒質
に印加するための電極であって、所定の波長範囲におい
て所定の透過特性を有する抵抗体であって、抵抗体に通
電することにより所望の発熱量を生成すると共に、生成
した発熱量を温度制御対象である複屈折性エタロン媒質
に与えるように、少なくともファブリ・ペロー・エタロ
ン型共振器の光軸を含む周囲に複屈折性エタロン媒質に
近接又は接触した状態で設けられている加熱電極と、加
熱電極に通電することによって所望の発熱量を発生させ
て加熱電極近傍を加熱する通電加熱制御と電気抵抗温度
特性に基づいて加熱電極の電気抵抗値から加熱箇所の加
熱温度を求める温度差測定制御と加熱箇所の加熱温度と
目標とする加熱温度との温度差を算出する温度差測定制
御とを含んで構成されるフィードバック温度制御ループ
を実行する温度制御手段と、温度制御手段に加えて、所
定の共振波長を選択する波長選択電圧を屈折率制御用の
加熱電極間の複屈折性エタロン媒質に印加して選択され
た共振波長を一定に保持する制御を実行する駆動手段と
を設けることに依り、発熱機能を有する加熱電極をファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器の光軸近傍又は光軸上
に薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、ファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所と実
際の加熱箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所と実
際の加熱箇所との間に熱抵抗が発生することを回避する
ことができるようになり、このような熱抵抗の低下に起
因して高速な熱応答性を有する発熱機能を実現すること
ができ、更にファブリ・ペロー・エタロン型共振器のフ
ィードバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高
速応答性を有するフィードバックループ制御を実現でき
る波長選択フィルタ及びこれに用いられる温度制御方法
を提供することを課題とする。
【0026】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極をファブリ・ペロー・エタロン型共振器の光軸近傍
又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能と
なり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の温
度検知箇所と実際の温度検知箇所との空間的なずれを解
消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の
所望の温度検知箇所と実際の温度検知箇所との間に熱抵
抗が発生することを回避することができるようになり、
このような熱抵抗の低下に起因して、高速な熱応答性及
び高い測温精度を有する温度検知機能を実現することが
でき、更に、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器のフ
ィードバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高
速応答性及び高い制御精度を有するフィードバックルー
プ制御を実現できる波長選択フィルタ及びこれに用いら
れる温度制御方法を提供することを課題とする。
【0027】また、発熱機能と温度検知機能とを有する
加熱電極をファブリ・ペロー・エタロン型共振器表面に
代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させ
て設けることが可能となり、ファブリ・ペロー・エタロ
ン型共振器の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の
加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解消でき
る結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の
加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検
知箇所との間に熱抵抗が発生することを回避することが
できるようになり、このような熱抵抗の低下に起因し
て、高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することが
でき、且つ、高速な熱応答性及び高い測温精度を有する
温度検知機能を実現することができ、更に、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器のフィードバックループ制御
の応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御精
度を有するフィードバックループ制御を実現できる波長
選択フィルタ及びこれに用いられる温度制御方法を提供
することを課題とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光学素子20を構成する光学材料208の光物性を
電磁気的に制御して光軸上の入力光に対して所定の処理
を実行する光学装置において、温度変化に対して所定の
電気抵抗温度特性を示す抵抗体に通電することにより所
望の発熱量を生成すると共に、当該生成した発熱量を温
度制御対象である光学材料208に与える加熱電極20
4(204B)を少なくとも当該光学材料208の光軸
近傍に当該光学材料208に近接又は接触した状態で設
ける、ことを特徴とする光学装置10である。
【0029】請求項1に記載の発明に依れば、発熱機能
を有する加熱電極204(204B)を光学素子20の
光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けること
が可能となり、光学素子20の所望の加熱箇所と実際の
加熱箇所との空間的なずれを解消できる結果、光学素子
20の所望の加熱箇所と実際の加熱箇所との間に熱抵抗
が発生することを回避することができるようになり、こ
のような熱抵抗の低下に起因して高速な熱応答性を有す
る発熱機能を実現することができるようになるといった
効果を奏する。
【0030】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極204(204B)を光学素子20の光軸近傍又は
光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能とな
り、光学素子20の所望の温度検知箇所と実際の温度検
知箇所との空間的なずれを解消できる結果、光学素子2
0の所望の温度検知箇所と実際の温度検知箇所との間に
熱抵抗が発生することを回避することができるようにな
り、このような熱抵抗の低下に起因して、高速な熱応答
性及び高い測温精度を有する温度検知機能を実現するこ
とができるようになるといった効果を奏する。
【0031】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光学装置10において、前記加熱電極204(204
B)は、所定の波長範囲において所定の透過特性を有す
る抵抗体であって、当該抵抗体に通電することにより所
望の発熱量を生成すると共に、当該生成した発熱量を温
度制御対象である光学材料208に与えるように、少な
くとも当該光学材料208の光軸を含む周囲に当該光学
材料208に近接又は接触した状態で設けられている、
ことを特徴とする光学装置10である。
【0032】請求項2に記載の発明に依れば、請求項1
に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能に加え
て透過機能を同時に有することが可能な加熱電極204
(204B)を光学素子20の表面に代えて内部の光軸
近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可
能となり、光学素子20の所望の加熱箇所及び温度検知
箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なず
れを解消できる結果、光学素子20の所望の加熱箇所及
び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との
間に熱抵抗が発生することを更に的確に回避することが
できるようになり、このような熱抵抗の低下に起因し
て、更に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現するこ
とができ、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温
精度を有する高度な温度検知機能を実現することができ
るようになるといった効果を奏する。
【0033】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の光学装置10において、前記加熱電極204
(204B)は、前記光学材料208の光物性を電磁気
的に制御するための電磁界を当該光学材料208に印加
するための電極である、ことを特徴とする光学装置10
である。
【0034】請求項3に記載の発明に依れば、請求項1
又は2に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能
と透過機能とに加えて光物性の制御機能を同時に有する
ことが可能な加熱電極204(204B)を光学素子2
0の表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態
で密着させて設けることが可能となり、光学素子20の
所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び
温度検知箇所との空間的なずれを解消できる結果、光学
素子20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加
熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生すること
を更に的確に回避することができるようになり、このよ
うな熱抵抗の低下に起因して、更に高速な熱応答性を有
する発熱機能を実現することができ、且つ、更に高速な
熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度な温度検知
機能を実現することができるようになるといった効果を
奏する。
【0035】更に、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(2
04B)において実現することが可能なる結果、光学装
置10を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が
要求される光通信モジュールを用いた光通信装置にモジ
ュールとして組み込んで使用することが容易となる効果
を奏する。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の光学装置10において、前記抵抗体は、透明導
電膜から構成されている薄膜構造を有する、ことを特徴
とする光学装置10である。
【0037】請求項4に記載の発明に依れば、請求項2
又は3に記載の効果に加えて、電気抵抗温度特性や透過
特性を簡便且つ再現性良く決定することができるように
なるといった効果を奏する。
【0038】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の光学装置10において、前記透明導電膜は、当該IT
O材料の透過特性における波長範囲が半導体レーザの発
振波長範囲を含むように、膜厚が設定されている、こと
を特徴とする光学装置10である。
【0039】請求項5に記載の発明に依れば、請求項4
に記載の効果と同様の効果を奏する。
【0040】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれか一項に記載の光学装置10において、前記加
熱電極204(204B)に通電することによって所望
の発熱量を発生させて当該加熱電極204(204B)
近傍を加熱する通電加熱制御と前記電気抵抗温度特性に
基づいて当該加熱電極204(204B)の電気抵抗値
から加熱箇所の加熱温度を求める温度差測定制御と前記
加熱箇所の加熱温度と目標とする加熱温度との温度差を
算出する温度差測定制御とを含んで構成されるフィード
バック温度制御ループを実行する温度制御手段40を有
し、前記温度制御手段40は、前記温度差測定制御にお
いて算出した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度
と前記目標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記
フィードバック温度制御ループを実行するように構成さ
れている、ことを特徴とする光学装置10である。
【0041】請求項6に記載の発明に依れば、請求項1
乃至5のいずれか一項に記載の効果に加えて、発熱機
能、温度検知機能、透過機能、又は光物性の制御機能を
同時に有することが可能な加熱電極204(204B)
を光学素子20の表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸
上に薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、光
学素子20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の
加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解消でき
る結果、光学素子20の所望の加熱箇所及び温度検知箇
所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が
発生することを更に的確に回避することができるように
なり、このような熱抵抗の低下に起因して、更に高速な
熱応答性を有する発熱機能を実現することができ、且
つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する
高度な温度検知機能を実現することができるようにな
り、更に、光学素子20のフィードバックループ制御の
応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度
を有するフィードバックループ制御を実現できるように
なるといった効果を奏する。
【0042】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれか一項に記載の光学装置10に用いられる温度
制御方法において、前記加熱電極204(204B)に
通電することによって所望の発熱量を発生させて当該加
熱電極204(204B)近傍を加熱する通電加熱工程
と、前記通電加熱工程に続いて、前記電気抵抗温度特性
に基づいて当該加熱電極204(204B)の電気抵抗
値から加熱箇所の加熱温度を求める温度差測定工程と、
前記温度差測定工程に続いて、前記加熱箇所の加熱温度
と目標とする加熱温度との温度差を算出する温度制御結
果評価工程と、前記温度制御結果評価工程に続いて、前
記算出した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と
前記目標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記通
電加熱工程と前記温度差測定工程と前記温度制御結果評
価工程とを含んで構成されるフィードバック温度制御ル
ープを実行するフィードバックループ温度制御工程とを
有する、ことを特徴とする温度制御方法である。
【0043】請求項7に記載の発明に依れば、通電加熱
工程と温度差測定工程と温度制御結果評価工程とを用い
てフィードバック温度制御ループを構成することに依
り、光学素子20のフィードバックループ制御の応答性
の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度を有す
るフィードバックループ制御を実現できるようになると
いった効果を奏する。
【0044】請求項8に記載の発明は、光物性としての
複屈折性エタロン媒質208の屈折率を電気的に制御し
て所定の共振波長λ1を選択可能なファブリ・ペロー・
エタロン型共振器20を光学素子20として有する光学
装置10である波長選択フィルタにおいて、温度変化に
対して所定の電気抵抗温度特性を示す抵抗体に通電する
ことにより所望の発熱量を生成すると共に、当該生成し
た発熱量を温度制御対象である前記複屈折性エタロン媒
質208に与える加熱電極204(204B)を少なく
とも前記ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の光
軸近傍に当該複屈折性エタロン媒質208に近接又は接
触した状態で設ける、ことを特徴とする波長選択フィル
タ10である。
【0045】請求項8に記載の発明に依れば、発熱機能
を有する加熱電極204(204B)をファブリ・ペロ
ー・エタロン型共振器20の光軸近傍又は光軸上に薄膜
状態で密着させて設けることが可能となり、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器20の所望の加熱箇所と実際
の加熱箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファブ
リ・ペロー・エタロン型共振器20の所望の加熱箇所と
実際の加熱箇所との間に熱抵抗が発生することを回避す
ることができるようになり、このような熱抵抗の低下に
起因して高速な熱応答性を有する発熱機能を実現するこ
とができるようになるといった効果を奏する。
【0046】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極204(204B)をファブリ・ペロー・エタロン
型共振器20の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着さ
せて設けることが可能となり、ファブリ・ペロー・エタ
ロン型共振器20の所望の温度検知箇所と実際の温度検
知箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器20の所望の温度検知箇所と
実際の温度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを回
避することができるようになり、このような熱抵抗の低
下に起因して、高速な熱応答性及び高い測温精度を有す
る温度検知機能を実現することができるようになるとい
った効果を奏する。
【0047】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の波長選択フィルタ10において、前記加熱電極204
(204B)は、所定の波長範囲において所定の透過特
性を有する抵抗体であって、当該抵抗体に通電すること
により所望の発熱量を生成すると共に、当該生成した発
熱量を温度制御対象である前記複屈折性エタロン媒質2
08に与えるように、少なくとも前記ファブリ・ペロー
・エタロン型共振器20の光軸を含む周囲に当該複屈折
性エタロン媒質208に近接又は接触した状態で設けら
れている、ことを特徴とする波長選択フィルタ10であ
る。
【0048】請求項9に記載の発明に依れば、請求項8
に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能に加え
て透過機能を同時に有することが可能な加熱電極204
(204B)をファブリ・ペロー・エタロン型共振器2
0表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で
密着させて設けることが可能となり、ファブリ・ペロー
・エタロン型共振器20の所望の加熱箇所及び温度検知
箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なず
れを解消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共
振器20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加
熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生すること
を更に的確に回避することができるようになり、このよ
うな熱抵抗の低下に起因して、更に高速な熱応答性を有
する発熱機能を実現することができ、且つ、更に高速な
熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度な温度検知
機能を実現することができるようになるといった効果を
奏する。
【0049】請求項10に記載の発明は、請求項8又は
9に記載の波長選択フィルタ10において、前記加熱電
極204(204B)は、前記複屈折性エタロン媒質2
08を挟んだ状態でエタロン構造を形成すると共に、当
該複屈折性エタロン媒質208の屈折率を電気的に制御
するための電界を当該複屈折性エタロン媒質208に印
加するための電極である、ことを特徴とする波長選択フ
ィルタ10である。
【0050】請求項10に記載の発明に依れば、請求項
8又は9に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機
能と透過特性に加えてエタロン媒質208の屈折率制御
機能を同時に有することが可能な加熱電極204(20
4B)をファブリ・ペロー・エタロン型共振器20表面
に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着さ
せて設けることが可能となり、ファブリ・ペロー・エタ
ロン型共振器20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と
実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解
消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器2
0の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所
及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを更に
的確に回避することができるようになり、このような熱
抵抗の低下に起因して、更に高速な熱応答性を有する発
熱機能を実現することができ、且つ、更に高速な熱応答
性及び更に高い測温精度を有する高度な温度検知機能を
実現することができるようになるといった効果を奏す
る。
【0051】請求項11に記載の発明は、請求項8乃至
10のいずれか一項に記載の波長選択フィルタ10にお
いて、前記加熱電極204(204B)に通電すること
によって所望の発熱量を発生させて当該加熱電極204
(204B)近傍を加熱する通電加熱制御と前記電気抵
抗温度特性に基づいて当該加熱電極204(204B)
の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温度を求める温度差測
定制御と前記加熱箇所の加熱温度と目標とする加熱温度
との温度差を算出する温度差測定制御とを含んで構成さ
れるフィードバック温度制御ループを実行する温度制御
手段40を有し、前記温度制御手段40は、前記温度差
測定制御において算出した温度差に基づいて、前記加熱
箇所加熱温度と前記目標加熱温度との温度差が最小にな
るまで、前記フィードバック温度制御ループを実行する
ように構成されている、ことを特徴とする波長選択フィ
ルタ10である。
【0052】請求項11に記載の発明に依れば、請求項
8乃至12のいずれか一項に記載の効果に加えて、発熱
機能、温度検知機能、透過機能、又はエタロン媒質20
8の屈折率制御機能を同時に有することが可能な加熱電
極204(204B)をファブリ・ペロー・エタロン型
共振器20表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄
膜状態で密着させて設けることが可能となり、ファブリ
・ペロー・エタロン型共振器20の所望の加熱箇所及び
温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空
間的なずれを解消できる結果、ファブリ・ペロー・エタ
ロン型共振器20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と
実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生
することを更に的確に回避することができるようにな
り、このような熱抵抗の低下に起因して、更に高速な熱
応答性を有する発熱機能を実現することができ、且つ、
更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度
な温度検知機能を実現することができ、更に、ファブリ
・ペロー・エタロン型共振器20のフィードバックルー
プ制御の応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い
制御精度を有するフィードバックループ制御を実現でき
るようになるといった効果を奏する。
【0053】更に、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(2
04B)において実現することが可能なる結果、波長選
択フィルタ10を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速
応答性が要求される光通信モジュールを用いた光通信装
置にモジュールとして組み込んで使用することが容易と
なる効果を奏する。
【0054】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の波長選択フィルタ10において、前記温度制御手
段40は、前記加熱電極204(204B)の電気抵抗
値を検出して抵抗値データ402aを生成する抵抗検出
部402と、前記抵抗検出部402から前記フィードバ
ックループを介して抵抗値データ402aを受けて、前
記温度差測定制御において当該受信した抵抗値データ4
02aから算出した温度差に基づいて、前記加熱箇所加
熱温度と前記目標加熱温度との温度差が最小になるま
で、前記フィードバック温度制御ループを実行する電圧
可変交流電源404とを有する、ことを特徴とする波長
選択フィルタ10である。
【0055】請求項12に記載の発明に依れば、請求項
11に記載の効果に加えて、抵抗検出部402を設ける
ことに依り、高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有
する高度な温度検知機能を実現することができるように
なるといった効果を奏する。更に、電圧可変交流電源4
04を設けることに依り、ファブリ・ペロー・エタロン
型共振器20のフィードバックループ制御の応答性の時
遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度を有するフ
ィードバックループ制御を実現できるようになるといっ
た効果を奏する。
【0056】更に、簡便な構成の温度制御手段40を用
いて、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又は光物性
の制御機能を同時に加熱電極204(204B)におい
て実現することが可能なる結果、光学装置10を、小型
・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が要求される光通
信モジュールを用いた光通信装置にモジュールとして組
み込んで使用することが容易となる効果を奏する。
【0057】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の波長選択フィルタ10において、前記抵抗検出部
402は、前記加熱電極204(204B)の電気抵抗
値及びブリッジ抵抗素子4024A,4024B,40
24Cから構成された前記ブリッジ4024と、前記ブ
リッジ4024の平衡状態の基づいて前記抵抗値データ
402aを生成するブリッジ電圧検出部4022とを有
し、前記電圧可変交流電源404は、前記ブリッジ40
24に通電することによって所望の発熱量を前記加熱電
極204(204B)に発生させて当該加熱電極204
(204B)近傍を加熱する通電加熱制御するように構
成されている、ことを特徴とする波長選択フィルタ10
である。
【0058】請求項13に記載の発明に依れば、請求項
12に記載の効果に加えて、ブリッジ4024とブリッ
ジ電圧検出部4022とを設けることに依り、加熱電極
204(204B)の電気抵抗値を高い測温精度で検出
できるようになり、その結果、高速な熱応答性及び更に
高い測温精度を有する高度な温度検知機能を実現するこ
とができるようになるといった効果を奏する。更に、電
圧可変交流電源404を設けることに依り、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器20のフィードバックループ
制御の応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制
御精度を有するフィードバックループ制御を実現できる
ようになるといった効果を奏する。
【0059】更に、簡便な構成の抵抗検出部402と電
圧可変交流電源404を用いて温度制御手段40実現す
ることに依り、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又
は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(204
B)において実現することが可能なる結果、光学装置1
0を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が要求
される光通信モジュールを用いた光通信装置にモジュー
ルとして組み込んで使用することが容易となる効果を奏
する。
【0060】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の波長選択フィルタ10において、温度制御対象の
前記複屈折性エタロン媒質208は液晶材料208であ
り、前記目標加熱温度は液晶温度範囲内で設定され、前
記温度制御手段40は、前記温度差測定制御において算
出した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記
目標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記フィー
ドバック温度制御ループを実行するように構成されてい
る、ことを特徴とする波長選択フィルタ10である。
【0061】請求項14に記載の発明に依れば、請求項
13に記載の効果に加えて、高いフィネスや低消費電力
を実現できるようになり、その結果、屈折率を電気的に
制御できる波長選択フィルタ10を容易に実現できるよ
うになる。
【0062】請求項15に記載の発明は、請求項13又
は14に記載の波長選択フィルタ10において、前記温
度制御手段40に加えて、所定の共振波長λ1を選択す
る波長選択電圧を屈折率制御用の前記加熱電極204
(204B)間の複屈折性エタロン媒質208に印加し
て当該選択された共振波長λ1を一定に保持する制御を
実行する駆動手段30を有する、ことを特徴とする波長
選択フィルタ10である。
【0063】請求項15に記載の発明に依れば、請求項
13又は14に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検
知機能と透過機能に加えてエタロン媒質208の屈折率
制御機能を加熱電極204(204B)に持たせること
に依り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20表面
に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着さ
せて設けることが可能となり、ファブリ・ペロー・エタ
ロン型共振器20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と
実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解
消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器2
0の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所
及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを更に
的確に回避することができるようになり、このような熱
抵抗の低下に起因して、更に高速な熱応答性を有する発
熱機能を実現することができ、且つ、更に高速な熱応答
性及び更に高い測温精度を有する高度な温度検知機能を
実現することができるようになるといった効果を奏す
る。
【0064】更に、簡便な構成の駆動手段30を設ける
ことに依り、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又は
光物性の制御機能を同時に加熱電極204(204B)
において実現することが可能なる結果、光学装置10
を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が要求さ
れる光通信モジュールを用いた光通信装置にモジュール
として組み込んで使用することが容易となる効果を奏す
る。
【0065】請求項16に記載の発明は、請求項8乃至
15のいずれか一項に記載の波長選択フィルタ10に用
いられる温度制御方法において、前記加熱電極204
(204B)に通電することによって所望の発熱量を発
生させて当該加熱電極204(204B)近傍を加熱す
る通電加熱工程と、前記通電加熱工程に続いて、前記電
気抵抗温度特性に基づいて当該加熱電極204(204
B)の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温度を求める温度
差測定工程と、前記温度差測定工程に続いて、前記加熱
箇所の加熱温度と目標とする加熱温度との温度差を算出
する温度制御結果評価工程と、前記温度制御結果評価工
程に続いて、前記算出した温度差に基づいて、前記加熱
箇所加熱温度と前記目標加熱温度との温度差が最小にな
るまで、前記通電加熱工程と前記温度差測定工程と前記
温度制御結果評価工程とを含んで構成されるフィードバ
ック温度制御ループを実行するフィードバックループ温
度制御工程とを有する、ことを特徴とする温度制御方法
である。
【0066】請求項16に記載の発明に依れば、請求項
8乃至15のいずれか一項に記載の効果に加えて、通電
加熱工程と温度差測定工程と温度制御結果評価工程とを
用いてフィードバック温度制御ループを構成することに
依り、波長選択フィルタ10のフィードバックループ制
御の応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御
精度を有するフィードバックループ制御を実現できるよ
うになるといった効果を奏する。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の各種
実施形態を説明する。
【0068】光学装置10は、光学フィルタ、電子式光
スイッチ、光変調器、光偏向器、位相変調器、光演算素
子、空間光変調素子、等の光学素子20を構成する光学
材料208の光物性を電磁気的に制御して光軸上の入力
光に対して所定の処理を実行する機能を有する。
【0069】光学フィルタ(例えば、ファブリ・ペロー
・エタロン型共振器)は、例えば、LiNbO3、PL
ZT、液晶等の複屈折性を有する誘電体(電気光学結
晶)一対の電極で挟んだデバイス構造を有し、光物性と
しての複屈折性複屈折性エタロン媒質208の屈折率を
電気的に制御して所定の共振波長λ1を選択可能な光学
素子20である。
【0070】電子式光スイッチは、例えば、LiNbO
3、PLZT、液晶等の誘電体(電気光学結晶)、Ga
As等の半導体結晶、Y3Fe5O12等の磁性体(磁気光
学結晶)を一対の電極で挟んだデバイス構造を有し、電
気光学効果(カー効果やポッケルス効果)、音響光学効
果、磁気光学効果等を利用して屈折率を変えたり、偏波
面を回転させたりすることに依り、光路を切り替える光
学素子20である。一対の電極で挟んだデバイス構造が
形成されることに起因して、静電容量成分が発生する。
【0071】光変調器は、例えば、LiNbO3、DK
TP,LiTaO3、液晶等の誘電体(電気光学結
晶)、GaAs等の半導体結晶、Y3Fe5O12等の磁性
体(磁気光学結晶)を一対の電極で挟んだデバイス構造
を有し、電気光学効果(カー効果やポッケルス効果)、
音響光学効果、磁気光学効果等を利用して屈折率を変え
ることに依り、入射光の位相を制御する光学素子20で
ある。一対の電極で挟んだデバイス構造が形成されるこ
とに起因して、静電容量成分が発生する。
【0072】光偏向器は、例えば、LiNbO3,Te
O2、液晶等の誘電体(電気光学結晶)を一対の電極で
挟んだデバイス構造を有し、電気光学効果(カー効果や
ポッケルス効果)、音響光学効果等を利用してブラッグ
回折等に依り、光路を切り替える光学素子20である。
一対の電極で挟んだデバイス構造が形成されることに起
因して、静電容量成分が発生する。
【0073】位相変調器は、例えば、LiNbO3、D
KTP,LiTaO3、液晶等の誘電体(電気光学結
晶)、GaAs等の半導体結晶、Y3Fe5O12等の磁性
体(磁気光学結晶)を一対の電極で挟んだデバイス構造
を有し、電気光学効果(カー効果やポッケルス効果)、
音響光学効果、磁気光学効果等を利用して屈折率を変え
ることに依り、入射光の位相を制御する光学素子20で
ある。一対の電極で挟んだデバイス構造が形成されるこ
とに起因して、静電容量成分が発生する。
【0074】光演算素子は、光論理素子、光双安定素
子、光記憶素子等がある。これらの素子は、GaAs等
の半導体結晶、液晶等の誘電体を用いて形成した多重量
子井戸(MQW)構造に一対の電極で挟んだデバイス構
造(例えば、エタロン構造)を有し、電気的非線形効
果、光学的非線形効果、電気的双安定効果、光学的双安
定効果等を利用したAND,NOT,OR,NAND,
NOR等の論理素子や光記憶素子である。電気光学的効
果を制御するための一対の電極で挟んだデバイス構造が
形成されることに起因して、静電容量成分が発生する。
【0075】光演算素子のデバイス構造としては、SE
ED(Self−Electrooptic Effe
ct Device),BILD(Bistable
Laser Diode),双安定エタロン、ロジック
エタロン、QWEST(QW Envelope St
ate Transistor)等が代表例である。
【0076】空間光変調素子(ライトバルブ)は、入射
した光に2次元的な変調を与える画像を実時間で形成す
る光学デバイスであり、例えば、LiNbO3、PLZ
T、液晶等の誘電体(電気光学結晶)、GaAs等の半
導体結晶、Y3Fe5O12等の磁性体(磁気光学結晶)を
一対の電極で挟んだデバイス構造を有し、電気光学効果
(カー効果やポッケルス効果)、音響光学効果、磁気光
学効果等を利用して光の透過率や屈折率を変えたり、偏
波面を回転させたりすることに依り、出力光の強度を制
御する光学素子20である。一対の電極で挟んだデバイ
ス構造が形成されることに起因して、静電容量成分が発
生する。
【0077】以下、本実施形態では、このような光学装
置10の代表例として、前述の光物性としての複屈折性
エタロン媒質208の屈折率を電気的に制御して所定の
共振波長λ1(単位は[nm])を選択可能なファブリ
・ペロー・エタロン型共振器20を前述の光学素子20
として有する波長選択フィルタについて説明を行う。
【0078】図1は、本発明の波長選択フィルタ10の
基本構成を説明するための配置図である。
【0079】本波長選択フィルタ10は、図1に示すよ
うに、前述の光学装置10の一形態であって、前述の光
学素子20としてのファブリ・ペロー・エタロン型共振
器20と駆動手段30と温度制御手段とを有する。
【0080】ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20
は、光物性としての複屈折性複屈折性エタロン媒質20
8の屈折率を電気的に制御して所定の共振波長λ1を選
択する機能を有する。
【0081】本波長選択フィルタ10は、入射された入
射光11aの中から所望の波長(例えば、λ1)の出射
光12a(単位は[nm])を選択的に出射できる分光
機能を有し、図1に示すように、ファブリ・ペロー・エ
タロン型共振器20とねじり角ψ(単位は[度又はラジ
アン(rad)])の電圧制御を行うための駆動手段3
0と光送信手段としての入射光側光ファイバ11と光受
信手段としての出力側光ファイバ12とを有し、複屈折
性を有する液晶材料(複屈折性エタロン媒質)208の
屈折率を制御すると共に、光路Aにおけるねじり角ψ
(単位は[度(又はrad)])を制御して、入射側光
ファイバ11から垂直に入射された入射光11a(例え
ば、約1000〜1600[nm]を中心波長とする
光)の中から所定の光路Aにおける共振波長λ1(単位
は[nm])の出射光12aを出力側光ファイバ12に
出射するように構成されている。
【0082】このような波長選択フィルタ10は、光通
信分野(特に、光ファイバ通信分野)において、波長多
重伝送システム(WDM伝送システム)を構成するのに
有効なコンポーネントである。
【0083】ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20
は、複屈折性を有する複屈折性エタロン媒質208を用
い、その屈折率を電気的に制御可能な可変波長フィルタ
である。
【0084】複屈折性エタロン媒質としては、TN配向
構造を有する液晶材料208(則ち、TN液晶材料、T
N:Twisted Nematic)やLiNbO
3,PLZT等を用いることが望ましい。
【0085】ここでTN配向構造とは、透明基板20
3,203間の液晶材料208の分子がそれぞれ90度
ねじれた関係(x軸方向,y軸方向)になるようにポリ
イミド配向膜206,206に表面処理を施すことによ
って、液晶セル内部の液晶分子がエタロン共振器20の
厚さ方向に一様にねじれて分布した構造である。
【0086】これにより、高いフィネスや低消費電力を
実現できるようになり、その結果、屈折率を電気的に制
御できる波長選択フィルタ10を容易に実現できるよう
になる。
【0087】ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20
は、図1に示すように、加熱電極204(又は加熱電極
204B)、誘電体多層反射膜205(膜厚=10[μ
m]以下)、及びラビング処理されたポリイミド(P
I)配向膜206(膜厚=1μm以下)がこの順番で一
対の基板203,203の各々の上に形成され、更に、
この一対の透明基板203,203がスペーサ207,
207を介して光学的精度(例えば、サブμm〜μmの
精度)で正確に平行平板に配置されたエタロン構造に依
り、光学的共振器20を形成する。
【0088】このような波長選択フィルタ10には、温
度変化に対して所定の電気抵抗温度特性を示す抵抗体に
通電することにより所望の発熱量を生成すると共に、生
成した発熱量を温度制御対象である複屈折性エタロン媒
質208に与える加熱電極204(204B)が、少な
くともファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の光軸
近傍に複屈折性エタロン媒質208に近接又は接触した
状態で設けれれている。
【0089】本実施形態では、温度制御対象の複屈折性
エタロン媒質208は、具体的には、TN液晶材料20
8を用いているが、特にこれに限定されるものではな
く、複屈折性を有する液晶材料、例えば、STN(Su
per Twisted Nematic)液晶等を用
いることができる。
【0090】ここで、加熱電極204(204B)は、
所定の波長範囲において所定の透過特性を有する抵抗体
であって、抵抗体に通電することにより所望の発熱量を
生成すると共に、生成した発熱量を温度制御対象である
複屈折性エタロン媒質208に与えるように、少なくと
もファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の光軸(則
ち、図1中の光路A)を含む周囲に複屈折性エタロン媒
質208に近接又は接触した状態で設けられている。
【0091】加熱電極204(204B)は、具体的に
は、1000〜1600[nm]を中心波長とする光に
対して、90%程度以上の透過率を有する透明導電膜と
してITO(インジウムと錫の酸化物)を用いた薄膜形
状の抵抗体であり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器20の光軸(光路A)中の複屈折性エタロン媒質20
8に接触した状態で設けられている。
【0092】具体的には、抵抗体は、インジウムと錫の
酸化物であるITO材料(例えば、シート抵抗=数KΩ
/□〜数MΩ/□)から構成されている薄膜構造を有す
る。
【0093】このようなITO薄膜(抵抗体)は、IT
O材料の透過特性における波長範囲が半導体レーザの発
振波長範囲を含むように、インジウムと錫との組成比及
び膜厚が設定されている。
【0094】則ち、インジウムと錫との組成比や膜厚を
設計することにより、電気抵抗温度特性や透過特性を簡
便且つ再現性良く決定することができるようになるとい
った効果を奏する。
【0095】このような発熱機能と温度検知機能に加え
て光信号透過機能を同時に有することが可能な加熱電極
204(204B)をファブリ・ペロー・エタロン型共
振器20表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に設け
ることが可能となり、ファブリ・ペロー・エタロン型共
振器20の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加
熱箇所及び温度検知箇所との空間的なずれを解消できる
結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の所望
の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度
検知箇所との間に熱抵抗が発生することを更に的確に回
避することができるようになり、このような熱抵抗の低
下に起因して、更に高速な熱応答性を有する発熱機能を
実現することができ、且つ、更に高速な熱応答性及び更
に高い測温精度を有する高度な温度検知機能を実現する
ことができるようになるといった効果を奏する。
【0096】更に、本実施形態の加熱電極204(20
4B)は、複屈折性エタロン媒質208を挟んだ状態で
エタロン構造(則ち、加熱電極204と204Bとで複
屈折性エタロン媒質208をサンドイッチした所定共振
長を有する共振構造)を形成すると共に、複屈折性エタ
ロン媒質208の屈折率を電気的に制御するための電界
を複屈折性エタロン媒質208に印加するための電極と
しても機能する。
【0097】則ち、発熱機能と温度検知機能と光信号透
過機能に加えてエタロン媒質208の屈折率制御機能を
同時に加熱電極204(204B)において実現するこ
とが可能なる結果、波長選択フィルタ10を、小型・軽
量化、高信頼性、及び高速応答性が要求される光通信モ
ジュールを用いた光通信装置にモジュールとして組み込
んで使用することが容易となる効果を奏する。
【0098】また、透明基板203と入射側光ファイバ
11との界面、及び透明基板203と出力側光ファイバ
12との界面には、各々ARコート膜(無反射コート
膜)202が設けられる。
【0099】また、ラビング処理が行われたポリイミド
配向膜(所謂、ラビング膜)206,206の間には、
ポリイミド配向膜206,206間で光路Aにおけるの
ねじり角ψ(単位は[度(又はrad)])が略90度
に配向された状態の複屈折性を有するTN液晶208が
注入されている。
【0100】このようなTN液晶を用いることにより、
高フィネス、低消費電力等の特長を有し、屈折率を電気
的に制御できる波長選択フィルタを容易に実現できるよ
うになる。
【0101】また駆動手段30は、ファブリ・ペロー・
エタロン型共振器20に接続された状態で、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器20の屈折率を電気的に制御
すると共に、所定の共振波長λ1を選択する波長選択電
圧(単位は[Vrms])を屈折率制御用の加熱電極間
204−204Bの複屈折性エタロン媒質208(例え
ば、後述するTN液晶材料)に入力端子P1,P2を印加
して選択された共振波長λ1を一定に保持する制御を実
行する機能を有する。
【0102】交流電源から出力された印加電圧の波形
は、具体的には、正弦波形又はパルス波形であることが
望ましい。
【0103】このような駆動手段30は、交流電源を制
御するためのマイクロコンピュータ(CPU、プログラ
ム記憶用のROM、演算記憶用のRAM、ペリフェラル
インタフェース等を中心にして構成されている制御手
段)によって実現することが望ましい。
【0104】なお、駆動手段30は、作業者が外部から
調整することが可能である。また、このような手動変更
に代えて、GPIB等の制御用インタフェースを備え、
PC(パソコン)からのコマンドに従って各種の調整を
自動的に変更できるように構成することも可能である。
【0105】次に、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器20の具体的な作製プロセスを説明する。
【0106】透明基板203上にスパッタリング法でS
iO2を成膜し、続いて、フォトリソグラフィによりス
ペーサ207を形成する。
【0107】スペーサ207のない部分には、第1加熱
電極(第2加熱電極)(例えば、光学損失=0.2[d
B])204(又は204B)、誘電体多層反射膜(例
えば、反射率=80〜99.9%)205、ポリイミド
(PI)配向膜206の順序に成膜し、さらにポリイミ
ド配向膜206の表面にラビング処理を施す。このよう
にして作製したもの2枚を互いに平行になるように貼り
合わせ、最後に、液晶材料(例えば、メルク社製)20
8を注入して波長選択フィルタ10を作製する。
【0108】2枚の反射膜205の平行度が悪いと、フ
ィルタの性能が低下する。そのため反射膜205の対向
部分に赤外光を照射し、そこで生じる干渉縞をモニター
しながらその干渉縞がなくなるように調節することが望
ましい。
【0109】次に、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器20の動作を説明する。
【0110】波長選択フィルタ10の選択波長(則ち、
光路Aにおける共振波長λ1)は、光路長(=厚さ×屈
折率)に比例するので、入射偏波の違いにより光路長が
大きく異なると、選択波長も大きく異なることになる。
【0111】駆動手段30の電界が液晶材料208層に
印加された場合、共振器20の内部では透明基板20
3,203の表面から離れたセル中央の液晶分子ほど、
電界の影響を大きく受け、ディレクタと電界ベクトルと
の内積が大きくなるように傾く。そして厚さ方向に一様
であったねじれは、異方性の小さくなるセル中央領域に
集中する。その結果セル内部の液晶分子は、入射側半分
でxy平面内で、出射側半分でyz平面でのみ遷移する
分布となる。このときx偏波は、セル内部の入射側半分
で異常光として伝搬しても、セル中央で偏波の主軸方位
を維持するため、出射側半分では常光として伝搬するこ
とになる。
【0112】同様の主旨で、y偏波では入射側半分で常
光、出射側半分で異常光として伝搬する。
【0113】このように入射光11aの偏波状態の種類
によらず空間的に異常光、常光の寄与を等しく受け、セ
ル内部での光路長が等しくなるとき、フィルタの光路A
における共振波長λ1は、一意に定まる。
【0114】液晶材料208層へ印加する電界をさらに
大きくすると、遷移領域が狭くなるので、異常光の感じ
る屈折率(異常光屈折率ne)を小さくでき、フィルタ
の光路Aにおける共振波長λ1が短波長側へ変化する。
【0115】以上説明したような構造と機能を有する波
長選択フィルタ10において、透過率=60〜70%、
フィネス=9.4、同調幅=14[nm](但し、印加
電圧≧3.5[Vrms])、偏波依存度=3[nm]
(但し、印加電圧≧3.5[Vrms])という良好な
結果が得られた。
【0116】図2は、図1の波長選択フィルタ10に用
いられる温度制御手段40の第1実施形態を説明するた
めの回路図である。
【0117】本温度制御手段40は、通電加熱制御と温
度差測定制御と温度差測定制御とを含んで構成されてい
るフィードバック温度制御ループを有し、温度差測定制
御において算出した温度差に基づいて、加熱箇所加熱温
度と目標加熱温度との温度差が最小になるまで、フィー
ドバック温度制御ループを実行するように構成され、フ
ァブリ・ペロー・エタロン型共振器20と入力端子P
1,P3を介して接続されている。
【0118】ここで、通電加熱制御は、加熱電極204
(204B)に通電することによって所望の発熱量を発
生させて加熱電極204(204B)の近傍を加熱する
処理である。
【0119】また、温度差測定制御は、通電加熱制御実
行後、電気抵抗温度特性に基づいて加熱電極204(2
04B)の電気抵抗値(単位は[Ω])から加熱箇所の
加熱温度(単位は[℃])を求める処理である。
【0120】また、温度差測定制御は、温度差測定制御
実行後、加熱箇所の加熱温度と目標とする加熱温度との
温度差を算出する処理である。
【0121】更に温度制御手段40は、図2に示すよう
に、抵抗検出部402と電圧可変交流電源404とを有
する。
【0122】抵抗検出部402は、加熱電極204(2
04B)の電気抵抗値を検出して抵抗値データ402a
を生成する機能を有し、ファブリ・ペロー・エタロン型
共振器20と入力端子P1,P3を介して接続されてい
る。
【0123】電圧可変交流電源404は、抵抗検出部4
02からフィードバックループを介して抵抗値データ4
02aを受けて、温度差測定制御において受信した抵抗
値データ402aから算出した温度差に基づいて、加熱
箇所加熱温度と目標加熱温度との温度差が最小になるま
で、フィードバック温度制御ループを実行する機能を有
し、抵抗検出部402に接続されている。
【0124】抵抗検出部402を設けることに依り、高
速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度な温度
検知機能を実現することができるようになるといった効
果を奏する。
【0125】更に、電圧可変交流電源404を設けるこ
とに依り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の
フィードバックループ制御の応答性の時遅れを解消した
高速応答性及び高い制御精度を有するフィードバックル
ープ制御を実現できるようになるといった効果を奏す
る。
【0126】このような温度制御手段40は、通電加熱
制御と温度差測定制御と温度差測定制御とを含んで構成
されているフィードバック温度制御ループを実行するた
めのマイクロコンピュータ(CPU、プログラム記憶用
のROM、演算記憶用のRAM、ペリフェラルインタフ
ェース等を中心にして構成されている制御手段)によっ
て実現することが望ましい。なお、温度制御手段40と
駆動手段30とは、マイクロコンピュータを共有化し
て、コンピュータ資源の有効利用を図ることも可能であ
る。
【0127】なお、駆動手段30は、作業者が外部から
調整することが可能である。また、このような手動変更
に代えて、GPIB等の制御用インタフェースを備え、
PC(パソコン)からのコマンドに従って各種の調整を
自動的に変更できるように構成することも可能である。
【0128】このような温度制御手段40は、CPU、
プログラム記憶用のROM、演算記憶用のRAM、ペリ
フェラルインタフェース等を中心にして構成されている
マイクロコンピュータによって実現することが望まし
い。
【0129】このような温度制御手段40を設けること
に依り、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又はエタ
ロン媒質208の屈折率制御機能を同時に有することが
可能な加熱電極204(204B)をファブリ・ペロー
・エタロン型共振器20表面に代えて内部の光軸近傍又
は光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能とな
り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の所望の
加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検
知箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファブリ・
ペロー・エタロン型共振器20の所望の加熱箇所及び温
度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に
熱抵抗が発生することを更に的確に回避することができ
るようになり、このような熱抵抗の低下に起因して、更
に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することがで
き、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を
有する高度な温度検知機能を実現することができ、更
に、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器20のフィー
ドバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高速応
答性及び高い制御精度を有するフィードバックループ制
御を実現できるようになるといった効果を奏する。
【0130】更に、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(2
04B)において実現することが可能なる結果、波長選
択フィルタ10を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速
応答性が要求される光通信モジュールを用いた光通信装
置にモジュールとして組み込んで使用することが容易と
なる効果を奏する。
【0131】次に、温度制御手段40の第2実施形態を
説明する。
【0132】図3は、図1の波長選択フィルタ10に用
いられる温度制御手段40の第2実施形態を説明するた
めの回路図である。なお、温度制御手段40の第1実施
形態において既に記述したものと同一の部分について
は、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0133】第2実施形態においては、抵抗検出部40
2にブリッジ4024を用いている点に特徴を有する。
【0134】則ち、抵抗検出部402は、図3に示すよ
うに、加熱電極204(204B)の電気抵抗値(単位
は[Ω])及びブリッジ抵抗素子4024A,4024
B,4024C(各々、電気抵抗値=R1,R2,R3
(単位は[Ω]))から構成されたブリッジ4024
と、ブリッジ4024の平衡状態に基づいて抵抗値デー
タ402aを生成するブリッジ電圧検出部4022とを
有している。
【0135】具体的には、抵抗検出部402は、オペア
ンプ等の差動増幅器によって実現することが望ましく、
図3に示すように、ブリッジ抵抗素子4024Bとブリ
ッジ抵抗素子4024Cの接続点−ブリッジ抵抗素子4
024Aとファブリ・ペロー・エタロン型共振器20の
入力端子P1との接続点間に接続されている。
【0136】このようなブリッジ抵抗素子4024A,
4024B,4024Cは、炭素皮膜抵抗等の簡便な電
子素子によって実現することが望ましい。
【0137】また、ブリッジ抵抗素子4024A,40
24B,4024Cの各々の抵抗値は、ここで、ブリッ
ジ抵抗素子4024A,4024B,4024Cの各々
の抵抗値は、R2,R3>>R1,R4(=加熱電極204
(204B)の抵抗値)を満足するように選択されるこ
とが望ましい。
【0138】この場合、電圧可変交流電源404は、ブ
リッジ4024に通電することによって所望の発熱量を
加熱電極204(204B)に発生させて加熱電極20
4(204B)の近傍を加熱する通電加熱制御するよう
に構成されている。
【0139】具体的には、電圧可変交流電源404は、
ブリッジ抵抗素子4024Aとブリッジ抵抗素子402
4Bの接続点−ブリッジ抵抗素子4024Cとファブリ
・ペロー・エタロン型共振器20の入力端子P3との接
続点間に接続されている。
【0140】図4は、図1の波長選択フィルタ10に用
いられる透明電極(ITO)の電気抵抗の温度特性を説
明するためのグラフである。
【0141】温度制御対象の複屈折性エタロン媒質20
8として、TN液晶材料208を用いた場合、目標加熱
温度は、図4に示すように、TN液晶の液晶温度範囲で
ある30〜50[度]以内に設定されることが望まし
い。
【0142】このとき、加熱電極204(204B)の
抵抗値R4は、シート抵抗(例えば、数KΩ/□〜数M
Ω/□)、膜厚、電極形状等によって決定される。
【0143】この場合、温度制御手段40は、温度差測
定制御において算出した温度差に基づいて、加熱箇所加
熱温度と目標加熱温度との温度差が最小になるまで、フ
ィードバック温度制御ループを実行するように構成され
ている。
【0144】これにより、高いフィネスや低消費電力を
実現できるようになり、その結果、屈折率を電気的に制
御できる波長選択フィルタ10を容易に実現できるよう
になる。
【0145】また、温度制御手段40に加えて設けられ
た駆動手段30は、所定の共振波長λ1を選択する波長
選択電圧を屈折率制御用の加熱電極204(204B)
間の複屈折性エタロン媒質208に印加して選択された
共振波長λ1を一定に保持する制御を実行する。
【0146】発熱機能と温度検知機能と透過機能に加え
て、これに依り、駆動手段30によって実行される屈折
率制御機能を加熱電極204(204B)を用いて実行
できるようになり、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(2
04B)において実現することが可能なる結果、光学装
置10を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が
要求される光通信モジュールを用いた光通信装置にモジ
ュールとして組み込んで使用することが容易となる効果
を奏する。
【0147】以上説明したように、本実施形態に依れ
ば、ブリッジ4024とブリッジ電圧検出部4022と
を設けることに依り、加熱電極204(204B)の電
気抵抗値を高い測温精度で検出できるようになり、その
結果、高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高
度な温度検知機能を実現することができるようになると
いった効果を奏する。更に、電圧可変交流電源404を
設けることに依り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器20のフィードバックループ制御の応答性の時遅れを
解消した高速応答性及び高い制御精度を有するフィード
バックループ制御を実現できるようになるといった効果
を奏する。
【0148】更に、簡便な構成の抵抗検出部402と電
圧可変交流電源404を用いて温度制御手段40実現す
ることに依り、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又
は光物性の制御機能を同時に加熱電極204(204
B)において実現することが可能なる結果、光学装置1
0を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が要求
される光通信モジュールを用いた光通信装置にモジュー
ルとして組み込んで使用することが容易となる効果を奏
する。
【0149】次に、前述の波長選択フィルタ10に用い
られる温度制御方法の実施形態を説明する。なお、前述
の実施形態において既に記述したものと同一の部分につ
いては、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0150】本温度制御方法は、通電加熱工程と温度差
測定工程と温度差測定工程と温度制御結果評価工程とフ
ィードバックループ温度制御工程とを有する。
【0151】通電加熱工程は、温度制御手段40(マイ
クロコンピュータ)が電圧可変交流電源404を制御し
て、加熱電極204(204B)に通電することによっ
て所望の発熱量を発生させて加熱電極204(204
B)の近傍を加熱する工程である。
【0152】温度差測定工程は、通電加熱工程に続い
て、温度制御手段40が抵抗検出部402及びブリッジ
電圧検出部4022を制御して、電気抵抗温度特性に基
づいて加熱電極204(204B)の電気抵抗値から加
熱箇所の加熱温度を求める工程である。
【0153】温度制御結果評価工程は、温度差測定工程
に続いて、温度制御手段40が電圧可変交流電源404
を制御して、加熱箇所の加熱温度と目標とする加熱温度
との温度差を算出する工程である。
【0154】フィードバックループ温度制御工程は、温
度制御手段40が、温度制御結果評価工程に続いて、算
出した温度差に基づいて、加熱箇所加熱温度と目標加熱
温度との温度差が最小になるまで、通電加熱工程と温度
差測定工程と温度制御結果評価工程とを含んで構成され
るフィードバック温度制御ループを実行する工程であ
る。
【0155】以上説明したように、本実施形態の温度制
御方法を前述の波長選択フィルタ10に用いてフィード
バック温度制御ループを実行することに依り、波長選択
フィルタ10のフィードバックループ制御の応答性の時
遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度を有するフ
ィードバックループ制御を実現できるようになるといっ
た効果を奏する。
【0156】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に依れば、発熱機
能を有する加熱電極を光学素子の光軸近傍又は光軸上に
薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、光学素
子の所望の加熱箇所と実際の加熱箇所との空間的なずれ
を解消できる結果、光学素子の所望の加熱箇所と実際の
加熱箇所との間に熱抵抗が発生することを回避すること
ができるようになり、このような熱抵抗の低下に起因し
て高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することがで
きるようになるといった効果を奏する。
【0157】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極を光学素子の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着
させて設けることが可能となり、光学素子の所望の温度
検知箇所と実際の温度検知箇所との空間的なずれを解消
できる結果、光学素子の所望の温度検知箇所と実際の温
度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを回避するこ
とができるようになり、このような熱抵抗の低下に起因
して、高速な熱応答性及び高い測温精度を有する温度検
知機能を実現することができるようになるといった効果
を奏する。
【0158】請求項2に記載の発明に依れば、請求項1
に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能に加え
て透過機能を同時に有することが可能な加熱電極を光学
素子の表面に代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状
態で密着させて設けることが可能となり、光学素子の所
望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温
度検知箇所との空間的なずれを解消できる結果、光学素
子の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所
及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生することを更に
的確に回避することができるようになり、このような熱
抵抗の低下に起因して、更に高速な熱応答性を有する発
熱機能を実現することができ、且つ、更に高速な熱応答
性及び更に高い測温精度を有する高度な温度検知機能を
実現することができるようになるといった効果を奏す
る。
【0159】請求項3に記載の発明に依れば、請求項1
又は2に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能
と透過機能とに加えて光物性の制御機能を同時に有する
ことが可能な加熱電極を光学素子の表面に代えて内部の
光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けること
が可能となり、光学素子の所望の加熱箇所及び温度検知
箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との空間的なず
れを解消できる結果、光学素子の所望の加熱箇所及び温
度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に
熱抵抗が発生することを更に的確に回避することができ
るようになり、このような熱抵抗の低下に起因して、更
に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することがで
き、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を
有する高度な温度検知機能を実現することができるよう
になるといった効果を奏する。
【0160】更に、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極において実
現することが可能なる結果、光学装置を、小型・軽量
化、高信頼性、及び高速応答性が要求される光通信モジ
ュールを用いた光通信装置にモジュールとして組み込ん
で使用することが容易となる効果を奏する。
【0161】請求項4に記載の発明に依れば、請求項2
又は3に記載の効果に加えて、電気抵抗温度特性や透過
特性を簡便且つ再現性良く決定することができるように
なるといった効果を奏する。
【0162】請求項5に記載の発明に依れば、請求項4
に記載の効果と同様の効果を奏する。
【0163】請求項6に記載の発明に依れば、請求項1
乃至5のいずれか一項に記載の効果に加えて、発熱機
能、温度検知機能、透過機能、又は光物性の制御機能を
同時に有することが可能な加熱電極を光学素子の表面に
代えて内部の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させ
て設けることが可能となり、光学素子の所望の加熱箇所
及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所と
の空間的なずれを解消できる結果、光学素子の所望の加
熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知
箇所との間に熱抵抗が発生することを更に的確に回避す
ることができるようになり、このような熱抵抗の低下に
起因して、更に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現
することができ、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高
い測温精度を有する高度な温度検知機能を実現すること
ができるようになり、更に、光学素子のフィードバック
ループ制御の応答性の時遅れを解消した高速応答性及び
高い制御精度を有するフィードバックループ制御を実現
できるようになるといった効果を奏する。
【0164】請求項7に記載の発明に依れば、通電加熱
工程と温度差測定工程と温度制御結果評価工程とを用い
てフィードバック温度制御ループを構成することに依
り、光学素子のフィードバックループ制御の応答性の時
遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度を有するフ
ィードバックループ制御を実現できるようになるといっ
た効果を奏する。
【0165】請求項8に記載の発明に依れば、発熱機能
を有する加熱電極をファブリ・ペロー・エタロン型共振
器の光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設ける
ことが可能となり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器の所望の加熱箇所と実際の加熱箇所との空間的なずれ
を解消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器の所望の加熱箇所と実際の加熱箇所との間に熱抵抗が
発生することを回避することができるようになり、この
ような熱抵抗の低下に起因して高速な熱応答性を有する
発熱機能を実現することができるようになるといった効
果を奏する。
【0166】同様の主旨で、温度検知機能を有する加熱
電極をファブリ・ペロー・エタロン型共振器の光軸近傍
又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能と
なり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の温
度検知箇所と実際の温度検知箇所との空間的なずれを解
消できる結果、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の
所望の温度検知箇所と実際の温度検知箇所との間に熱抵
抗が発生することを回避することができるようになり、
このような熱抵抗の低下に起因して、高速な熱応答性及
び高い測温精度を有する温度検知機能を実現することが
できるようになるといった効果を奏する。
【0167】請求項9に記載の発明に依れば、請求項8
に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機能に加え
て透過機能を同時に有することが可能な加熱電極をファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器表面に代えて内部の光
軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けることが
可能となり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所
望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温
度検知箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファブ
リ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所及び温
度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に
熱抵抗が発生することを更に的確に回避することができ
るようになり、このような熱抵抗の低下に起因して、更
に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することがで
き、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を
有する高度な温度検知機能を実現することができるよう
になるといった効果を奏する。
【0168】請求項10に記載の発明に依れば、請求項
8又は9に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検知機
能と透過特性に加えてエタロン媒質の屈折率制御機能を
同時に有することが可能な加熱電極をファブリ・ペロー
・エタロン型共振器表面に代えて内部の光軸近傍又は光
軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、
ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所
及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所と
の空間的なずれを解消できる結果、ファブリ・ペロー・
エタロン型共振器の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と
実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生
することを更に的確に回避することができるようにな
り、このような熱抵抗の低下に起因して、更に高速な熱
応答性を有する発熱機能を実現することができ、且つ、
更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度
な温度検知機能を実現することができるようになるとい
った効果を奏する。
【0169】請求項11に記載の発明に依れば、請求項
8乃至10のいずれか一項に記載の効果に加えて、発熱
機能、温度検知機能、透過機能、又はエタロン媒質の屈
折率制御機能を同時に有することが可能な加熱電極をフ
ァブリ・ペロー・エタロン型共振器表面に代えて内部の
光軸近傍又は光軸上に薄膜状態で密着させて設けること
が可能となり、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の
所望の加熱箇所及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び
温度検知箇所との空間的なずれを解消できる結果、ファ
ブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所及び
温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間
に熱抵抗が発生することを更に的確に回避することがで
きるようになり、このような熱抵抗の低下に起因して、
更に高速な熱応答性を有する発熱機能を実現することが
でき、且つ、更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度
を有する高度な温度検知機能を実現することができ、更
に、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器のフィードバ
ックループ制御の応答性の時遅れを解消した高速応答性
及び高い制御精度を有するフィードバックループ制御を
実現できるようになるといった効果を奏する。
【0170】更に、発熱機能、温度検知機能、透過機
能、又は光物性の制御機能を同時に加熱電極において実
現することが可能なる結果、波長選択フィルタを、小型
・軽量化、高信頼性、及び高速応答性が要求される光通
信モジュールを用いた光通信装置にモジュールとして組
み込んで使用することが容易となる効果を奏する。
【0171】請求項12に記載の発明に依れば、請求項
11に記載の効果に加えて、抵抗検出部を設けることに
依り、高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高
度な温度検知機能を実現することができるようになると
いった効果を奏する。更に、電圧可変交流電源を設ける
ことに依り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器のフ
ィードバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高
速応答性及び高い制御精度を有するフィードバックルー
プ制御を実現できるようになるといった効果を奏する。
【0172】更に、簡便な構成の温度制御手段を用い
て、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又は光物性の
制御機能を同時に加熱電極において実現することが可能
なる結果、光学装置を、小型・軽量化、高信頼性、及び
高速応答性が要求される光通信モジュールを用いた光通
信装置にモジュールとして組み込んで使用することが容
易となる効果を奏する。
【0173】請求項13に記載の発明に依れば、請求項
12に記載の効果に加えて、ブリッジ4024とブリッ
ジ電圧検出部とを設けることに依り、加熱電極の電気抵
抗値を高い測温精度で検出できるようになり、その結
果、高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度
な温度検知機能を実現することができるようになるとい
った効果を奏する。更に、電圧可変交流電源を設けるこ
とに依り、ファブリ・ペロー・エタロン型共振器のフィ
ードバックループ制御の応答性の時遅れを解消した高速
応答性及び高い制御精度を有するフィードバックループ
制御を実現できるようになるといった効果を奏する。
【0174】更に、簡便な構成の抵抗検出部と電圧可変
交流電源を用いて温度制御手段実現することに依り、発
熱機能、温度検知機能、透過機能、又は光物性の制御機
能を同時に加熱電極において実現することが可能なる結
果、光学装置を、小型・軽量化、高信頼性、及び高速応
答性が要求される光通信モジュールを用いた光通信装置
にモジュールとして組み込んで使用することが容易とな
る効果を奏する。
【0175】請求項14に記載の発明に依れば、請求項
13に記載の効果に加えて、高いフィネスや低消費電力
を実現できるようになり、その結果、屈折率を電気的に
制御できる波長選択フィルタを容易に実現できるように
なる。
【0176】請求項15に記載の発明に依れば、請求項
13又は14に記載の効果に加えて、発熱機能と温度検
知機能と透過機能に加えてエタロン媒質の屈折率制御機
能を加熱電極に持たせることに依り、ファブリ・ペロー
・エタロン型共振器表面に代えて内部の光軸近傍又は光
軸上に薄膜状態で密着させて設けることが可能となり、
ファブリ・ペロー・エタロン型共振器の所望の加熱箇所
及び温度検知箇所と実際の加熱箇所及び温度検知箇所と
の空間的なずれを解消できる結果、ファブリ・ペロー・
エタロン型共振器の所望の加熱箇所及び温度検知箇所と
実際の加熱箇所及び温度検知箇所との間に熱抵抗が発生
することを更に的確に回避することができるようにな
り、このような熱抵抗の低下に起因して、更に高速な熱
応答性を有する発熱機能を実現することができ、且つ、
更に高速な熱応答性及び更に高い測温精度を有する高度
な温度検知機能を実現することができるようになるとい
った効果を奏する。
【0177】更に、簡便な構成の駆動手段を設けること
に依り、発熱機能、温度検知機能、透過機能、又は光物
性の制御機能を同時に加熱電極において実現することが
可能なる結果、光学装置を、小型・軽量化、高信頼性、
及び高速応答性が要求される光通信モジュールを用いた
光通信装置にモジュールとして組み込んで使用すること
が容易となる効果を奏する。
【0178】請求項16に記載の発明に依れば、請求項
8乃至15のいずれか一項に記載の効果に加えて、通電
加熱工程と温度差測定工程と温度制御結果評価工程とを
用いてフィードバック温度制御ループを構成することに
依り、波長選択フィルタのフィードバックループ制御の
応答性の時遅れを解消した高速応答性及び高い制御精度
を有するフィードバックループ制御を実現できるように
なるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長選択フィルタの基本構成を説明す
るための配置図である。
【図2】図1の波長選択フィルタに用いられる温度制御
手段の第1実施形態を説明するための回路図である。
【図3】図1の波長選択フィルタに用いられる温度制御
手段の第2実施形態を説明するための回路図である。
【図4】図1の波長選択フィルタに用いられる加熱電極
(ITO)の電気抵抗の温度特性を説明するためのグラ
フである。
【図5】従来の波長選択フィルタを説明するための配置
図である。
【図6】従来の波長選択フィルタに用いられる温度制御
回路を説明するための配置図である。
【符号の説明】
10 光学装置(波長選択フィルタ) 11 入射側光ファイバ 11a 入射光(光信号) 12 出射側光ファイバ 12a 出射光(光信号) 20 光学素子(ファブリ・ペロー・エタロン型共振
器) 202 ARコート膜 203 透明基板 204 第1加熱電極 204B 第2加熱電極 205 反射膜 206 配向膜 207 スペーサ 208 エタロン媒質(液晶材料) 30 駆動手段 40 温度制御手段 402 抵抗検出部 4022 ブリッジ電圧検出部 4024 ブリッジ 4024A,4024B,4024C ブリッジ抵抗
素子 402a 電気抵抗値データ 404 電圧可変交流電源 nd1 光路Aにおける加熱電極間エタロンギャップ
(光路長) λ1 光路Aにおける共振波長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 嘉彦 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 長谷川 靖高 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 黒川 隆志 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 吉澤 鐵夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を構成する光学材料の光物性を
    電磁気的に制御して光軸上の入力光に対して所定の処理
    を実行する光学装置において、 温度変化に対して所定の電気抵抗温度特性を示す抵抗体
    に通電することにより所望の発熱量を生成すると共に、
    当該生成した発熱量を温度制御対象である光学材料に与
    える加熱電極を少なくとも当該光学材料の光軸近傍に当
    該光学材料に近接又は接触した状態で設ける、 ことを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱電極は、所定の波長範囲におい
    て所定の透過特性を有する抵抗体であって、当該抵抗体
    に通電することにより所望の発熱量を生成すると共に、
    当該生成した発熱量を温度制御対象である光学材料に与
    えるように、少なくとも当該光学材料の光軸を含む周囲
    に当該光学材料に近接又は接触した状態で設けられてい
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱電極は、前記光学材料の光物性
    を電磁気的に制御するための電磁界を当該光学材料に印
    加するための電極である、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 【請求項4】 前記抵抗体は、透明導電膜である、 ことを特徴とする請求項2又は3に記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 前記透明導電膜は、当該ITO材料の透
    過波長範囲が半導体レーザの発振波長範囲を含むよう
    に、膜厚が設定されている、 ことを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱電極に通電することによって所
    望の発熱量を発生させて当該加熱電極近傍を加熱する通
    電加熱制御と前記電気抵抗温度特性に基づいて当該加熱
    電極の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温度を求める温度
    差測定制御と前記加熱箇所の加熱温度と目標とする加熱
    温度との温度差を算出する温度差測定制御とを含んで構
    成されるフィードバック温度制御ループを実行する温度
    制御手段を有し、 前記温度制御手段は、前記温度差測定制御において算出
    した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記目
    標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記フィード
    バック温度制御ループを実行するように構成されてい
    る、 ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載
    の光学装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱電極に通電することによって所
    望の発熱量を発生させて当該加熱電極近傍を加熱する通
    電加熱工程と、 前記通電加熱工程に続いて、前記電気抵抗温度特性に基
    づいて当該加熱電極の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温
    度を求める温度差測定工程と、 前記温度差測定工程に続いて、前記加熱箇所の加熱温度
    と目標とする加熱温度との温度差を算出する温度制御結
    果評価工程と、 前記温度制御結果評価工程に続いて、前記算出した温度
    差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記目標加熱温
    度との温度差が最小になるまで、前記通電加熱工程と前
    記温度差測定工程と前記温度制御結果評価工程とを含ん
    で構成されるフィードバック温度制御ループを実行する
    フィードバックループ温度制御工程とを有する、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載
    の光学装置に用いられる温度制御方法。
  8. 【請求項8】 光物性としての複屈折性エタロン媒質の
    屈折率を電気的に制御して所定の共振波長を選択可能な
    ファブリ・ペロー・エタロン型共振器を光学素子として
    有する光学装置である波長選択フィルタにおいて、 温度変化に対して所定の電気抵抗温度特性を示す抵抗体
    に通電することにより所望の発熱量を生成すると共に、
    当該生成した発熱量を温度制御対象である前記複屈折性
    エタロン媒質に与える加熱電極を少なくとも前記ファブ
    リ・ペロー・エタロン型共振器の光軸近傍に当該複屈折
    性エタロン媒質に近接又は接触した状態で設ける、 ことを特徴とする波長選択フィルタ。
  9. 【請求項9】 前記加熱電極は、所定の波長範囲におい
    て所定の透過特性を有する抵抗体であって、当該抵抗体
    に通電することにより所望の発熱量を生成すると共に、
    当該生成した発熱量を温度制御対象である前記複屈折性
    エタロン媒質に与えるように、少なくとも前記ファブリ
    ・ペロー・エタロン型共振器の光軸を含む周囲に当該複
    屈折性エタロン媒質に近接又は接触した状態で設けられ
    ている、 ことを特徴とする請求項8に記載の波長選択フィルタ。
  10. 【請求項10】 前記加熱電極は、前記複屈折性エタロ
    ン媒質を挟んだ状態でエタロン構造を形成すると共に、
    当該複屈折性エタロン媒質の屈折率を電気的に制御する
    ための電界を当該複屈折性エタロン媒質に印加するため
    の電極である、 ことを特徴とする請求項8又は9に記載の波長選択フィ
    ルタ。
  11. 【請求項11】 前記加熱電極に通電することによって
    所望の発熱量を発生させて当該加熱電極近傍を加熱する
    通電加熱制御と前記電気抵抗温度特性に基づいて当該加
    熱電極の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温度を求める温
    度差測定制御と前記加熱箇所の加熱温度と目標とする加
    熱温度との温度差を算出する温度差測定制御とを含んで
    構成されるフィードバック温度制御ループを実行する温
    度制御手段を有し、 前記温度制御手段は、前記温度差測定制御において算出
    した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記目
    標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記フィード
    バック温度制御ループを実行するように構成されてい
    る、 ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記
    載の波長選択フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記温度制御手段40は、 前記加熱電極の電気抵抗値を検出して抵抗値データを生
    成する抵抗検出部と、 前記抵抗検出部から前記フィードバックループを介して
    前記抵抗値データを受けて、前記温度差測定制御におい
    て当該受信した抵抗値データから算出した温度差に基づ
    いて、前記加熱箇所加熱温度と前記目標加熱温度との温
    度差が最小になるまで、前記フィードバック温度制御ル
    ープを実行する電圧可変交流電源とを有する、 ことを特徴とする請求項11に記載の波長選択フィル
    タ。
  13. 【請求項13】 前記抵抗検出部は、前記加熱電極の電
    気抵抗値及びブリッジ抵抗素子から構成された前記ブリ
    ッジと、前記ブリッジの平衡状態の基づいて前記抵抗値
    データを生成するブリッジ電圧検出部とを有し、 前記電圧可変交流電源は、前記ブリッジに通電すること
    によって所望の発熱量を前記加熱電極に発生させて当該
    加熱電極近傍を加熱する通電加熱制御するように構成さ
    れている、 ことを特徴とする請求項12に記載の波長選択フィル
    タ。
  14. 【請求項14】 温度制御対象の前記複屈折性エタロン
    媒質は液晶材料であり、 前記目標加熱温度は液晶温度範囲内で設定され、 前記温度制御手段は、前記温度差測定制御において算出
    した温度差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記目
    標加熱温度との温度差が最小になるまで、前記フィード
    バック温度制御ループを実行するように構成されてい
    る、 ことを特徴とする請求項13に記載の波長選択フィル
    タ。
  15. 【請求項15】 前記温度制御手段に加えて、所定の共
    振波長を選択する波長選択電圧を屈折率制御用の前記加
    熱電極間の複屈折性エタロン媒質に印加して当該選択さ
    れた共振波長を一定に保持する制御を実行する駆動手段
    を有する、 ことを特徴とする請求項13又は14に記載の波長選択
    フィルタ。
  16. 【請求項16】 前記加熱電極に通電することによって
    所望の発熱量を発生させて当該加熱電極近傍を加熱する
    通電加熱工程と、 前記通電加熱工程に続いて、前記電気抵抗温度特性に基
    づいて当該加熱電極の電気抵抗値から加熱箇所の加熱温
    度を求める温度差測定工程と、 前記温度差測定工程に続いて、前記加熱箇所の加熱温度
    と目標とする加熱温度との温度差を算出する温度制御結
    果評価工程と、 前記温度制御結果評価工程に続いて、前記算出した温度
    差に基づいて、前記加熱箇所加熱温度と前記目標加熱温
    度との温度差が最小になるまで、前記通電加熱工程と前
    記温度差測定工程と前記温度制御結果評価工程とを含ん
    で構成されるフィードバック温度制御ループを実行する
    フィードバックループ温度制御工程とを有する、 ことを特徴とする請求項8乃至15のいずれか一項に記
    載の波長選択フィルタに用いられる温度制御方法。
JP9020856A 1997-02-03 1997-02-03 光学装置並びに波長選択フィルタ、及びこれらに用いられる温度制御方法 Withdrawn JPH10221669A (ja)

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