JPH0870276A - 光分散補償器 - Google Patents

光分散補償器

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JPH0870276A
JPH0870276A JP6202043A JP20204394A JPH0870276A JP H0870276 A JPH0870276 A JP H0870276A JP 6202043 A JP6202043 A JP 6202043A JP 20204394 A JP20204394 A JP 20204394A JP H0870276 A JPH0870276 A JP H0870276A
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JP
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optical
dispersion
resonator
dispersion compensator
compensator
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JP6202043A
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Yasuyuki Fukashiro
康之 深代
Shigeki Kitajima
茂樹 北島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光分散補償器に複数の光共振器を用い、高次
の分散を低減して良好な分散補償効果を得る。 【構成】 1個の光分散補償器4を複数の光共振器41
で構成し、その第2反射部材反射率を、共振器1個の光
分散補償器のそれと比較し低い側に設定し、上記光共振
器を非干渉的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ伝送で光フ
ァイバの波長分散の影響が顕著になる、高速光伝送およ
び長距離光伝送に適した光分散補償器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ伝送システムにおいて、光フ
ァイバ増幅器を用いることによって、伝送路損失限界を
超える長距離伝送が可能になり、また、電子回路の高速
化によって、10Gb/sを超える高速伝送が可能にな
った。高速伝送および長距離伝送では、伝送路である光
ファイバの波長分散による信号光波形の歪みの影響が大
きくなり、伝送システムの性能を制限することになる。
【0003】光ファイバの波長分散による伝送品質の劣
化を解決する手段の一つとして、信号光中心波長におい
て分散値が0となる光ファイバが開発されている。しか
し、伝送路の全ての光ファイバの分散値を0に揃えるこ
とは、技術的にも経済的にも難しい問題であり、光ファ
イバの分散値が0でない場合でも、光伝送システム設計
が可能であることが必要である。
【0004】光ファイバの波長分散による波形歪を低減
する経済的で簡素な手段としては、光共振器を利用した
光分散補償器がある。第1の例として「特開平3−16
9131号公報」には、図7に示したようなファブリペ
ロー共振器を用いて群遅延等化を行う光受信器が記載さ
れている。光受信器3は動的に制御可能なファブリペロ
ー共振器31と光検出器32、ポスト光検出器フィルタ
33および帰還制御回路34から構成されている。ファ
ブリペロー共振器31の構成要素である2個の反射部材
311と312において、第1の反射部材311の反射
率が100%の反射型ファブリペロー共振器の場合に、
第2の反射部材312の電界強度反射率をR、光共振器
の伝搬遅延時間をTrとすると、ファブリペロー共振器
の反射出力光の群遅延時間の周波数特性Tgd(f)は
次式で表わされる。
【0005】
【数1】
【0006】ただし、fは光周波数、また共振器長を
L、2個の反射部材間の媒質の屈折率をn、真空中での
光の速度をcとすれば、伝搬遅延時間Trは、Tr=2
Ln/cで表わされる。上記光共振器の波長分散は単位
周波数あたりの群遅延時間の変化量として表わされ、周
波数に依存し次式で表わされる。
【0007】
【数2】
【0008】式(2)で表わされる光共振器の波長分散
には、図8に示したように、Trで決定される周期構造
を持つ周波数依存性が存在する。光信号周波数に対する
上記周期構造の位相は、式(2)中の三角関数の引数で
ある位相角2πfTr=4πfLn/cで決まる。ここ
で留意すべきことは、Lが光共振器の分散に与える影響
である。fの値が100THzのオーダーであるため、
上記位相角を2π程度変化させるためのLの変化量は極
めて小さい。したがって、式(2)の分子に単独で現わ
れるTrが光共振器の特性に与える影響とは、現実的に
は独立に位相角を調整できる。すなわち、上記光共振器
の波長分散の大きさの最大値は、第2反射部材の反射率
Rおよび共振器長Lに依存し、また上記共振器長を微調
整することで上記最大分散値をほとんど変化することな
く、上記最大値以下の任意の分散を得ることが可能であ
る。上記光共振器を用いて光ファイバの分散補償を行う
には、信号光周波数付近において、光共振器の分散が光
ファイバの分散量を打ち消すように、上記反射率、共振
器長、位相の3つのパラメータを設定すればよい。上記
反射型ファブリペロー光共振器を用いた光分散補償器
は、第1反射部材からの反射光である光出力の強度に周
波数依存性はなく、原理的には光入力電力の全べてを光
出力として取り出させる。しかし、光入力と光出力が同
一の光路を有するので、これらを分離するための経済的
な手段として光カプラを用いた場合には6dBの光電力
損失がある。上記光電力損失は、光サーキュレータを用
いることによって軽減または光増幅器を用いることによ
り回避できる。
【0009】上記反射型ファブリペロー光共振器に対
し、第1反射部材の反射率が100%より低く、上記第
1反射部材の透過光を光出力とする透過型ファブリペロ
ー光共振器も、また光分散補償器の構成要素として利用
可能である。透過型ファブリペロー光共振器は光出力強
度に周波数依存性を持つので、光入力と光出力のスペク
トル形状が異なり、分散補償後の波形歪が大きくなる。
【0010】第2の例として、「電子情報通信学会春季
大会講演論文集、第4分冊、115頁、B−874、1
993年」においては、光リング共振器を用いた光分散
補償器に関する記載がある。図9において光分散補償器
4は2入力2出力の光カプラ43と遅延光路44とから
なる光リング共振器で構成されている。上記光リング共
振器では、光入力と光出力とが別の光路を有し、かつ光
入力電力の全べてを光出力として取り出させるので、反
射型ファブリペロー共振器にあるような、光入力と光出
力とを分離するための光電力損失は原理的に存在しな
い。
【0011】ファブリペロー光共振器を用いた光分散補
償器の補償分散量の調整は、上記のように、共振器長、
反射率、位相の制御によって行われる。例えば、大きな
補償分散量をもつ光分散補償器を得るには、反射率を大
きくするか共振器長を長くし、位相を調整する必要があ
る。また、光リング共振器を用いた光分散補償器で大き
な補償分散量を得るには、光カプラの電界強度結合係数
を大きくするか遅延光路長を長くし、位相を調整する必
要がある。しかし、上記操作に対し光共振器の波長分散
の周波数依存性に起因する高次の分散が増加する。上記
第1例および第2例では、光分散補償器に光共振器1個
を用いていた。このように1個の光共振器を用いた従来
の光分散補償器では、広帯域信号に対する分散補償を行
う場合、光信号の多くの電力が存在する信号光中心周波
数付近において、光分散補償器の波長分散で伝送路の波
長分散は相殺できる。しかし、信号ビットの立上りおよ
び立下り部分に多く寄与する、信号中心周波数から離れ
た信号高周波成分に対して、光共振器の高次の分散によ
る分散補償に必要な分散値と光共振器の分散値とのずれ
が大きくなり、十分な補償効果が得られない。特に伝送
速度が10Gb/sを超える広帯域信号に対しては、分
散補償効果が著しく劣化する。特開平3−169131
号や電子情報通信学会春季大会の上記文献には、光分散
補償器の高次分散の抑制または許容量に関する記載はな
い。
【0012】また、上記光分散補償器の分散補償効果
は、光分散補償器を構成する光共振器の共振器長Lの微
小変化、つまり光信号周波数に対する光共振器の分散特
性の位相に大きく依存する。光共振器の分散補償効果の
位相依存性に関し、「電子情報通信学会春季大会講演論
文集、第4分冊114頁、B−1048、1994年」
には、良好な分散補償効果を得るためには、図8で示し
た特性曲線の1周期の約25分の1以下に相当する周波
数精度で、位相つまり光共振器長を制御する必要がある
ことが暗示されている。これは共振器長Lに許容される
変動量に換算すると、0.06μm以下の制御が必要と
なることを意味する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように光共振器
を用いる光分散補償器は、信号光中心周波数において十
分な分散補償を行おうとする場合、信号光中心周波数か
ら離れた高周波成分に対して、光分散補償器の高次分散
の影響で、十分な分散補償効果が得られない場合があ
る。また、上記のように光共振器を用いる光分散補償器
は、分散補償効果に対する光共振器長の微小変動の影響
が大きく、上記共振器長を高精度で制御しなければなら
ない。上記共振器長の微小変動の影響を軽減すること
は、上記共振器長制御方式や制御回路の簡素化を考える
上で重要な要素になる。
【0014】本発明の第1の目的は、光分散補償器の構
成要素である光共振器の高次の分散の影響を低減し、高
周波成分に対しても良好な分散補償効果を有する光分散
補償器を得ることである。また、本発明の第2の目的
は、光分散補償器の構成要素である光共振器の共振器長
の許容変動量を増加し、より低い制御精度で良好な分散
補償効果を有する光分散補償器を得ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、光送信器、
光ファイバ、光受信器で構成した光ファイバ伝送システ
ム中で用いる光分散補償器において、上記光送信器と上
記光受信器の間に設置した1個の光分散補償器は、N個
の光共振器を主構成要素として含み、1番目の光共振器
の入力は上記光分散補償器の入力と接続され、iを1以
上N未満の自然数としたとき、i番目の光共振器の出力
が(i+1)番目の光共振器の入力と接続され、N番目
の光共振器の出力が上記光分散補償器の出力に接続され
ることにより達成される。
【0016】また、上記光共振器が反射面を平行に位置
した1組の反射部材からなる光共振器であり、上記N個
の光共振器が干渉をおこさないように接続されているこ
とにより、または上記光共振器が2入力2出力の光カプ
ラと遅延光路とからなり、上記光カプラの第1入力およ
び第1出力がそれぞれ光共振器の入力および出力であ
り、上記光カプラの第2入力および第2出力がそれぞれ
遅延光路の出力と入力に接続されていることにより達成
される。
【0017】さらに、上記光分散補償器において、光共
振器を主構成要素として含み、信号帯域をB(GHz)
とし、伝送路の分散と光分散補償器の分散との和の大き
さの信号帯域内における平均値をδβ(ps2)とした
とき、δβ≦7.0×105/B2を満足するように、光
分散補償器の波長分散の光周波数依存性を抑制すること
により達成される。
【0018】
【作用】本発明による1個の光分散補償器は複数の光共
振器を含むように構成されており、複数の光共振器の反
射率Rnおよび共振器長Lnを、光共振器を1個だけ用
いた従来の分散補償器を構成したときの光共振器最適反
射率R1および最適共振器長L1に対して、Rn<R1
よびLn<L1を満足するように設定し、補償分散量を
複数の各光共振器に分配することができるので、それぞ
れの光共振器が担う補償分散量が、全べての補償分散量
を1個の光共振器で担う場合のN分の1程度にすること
ができる。つまり、光共振器1個で全べての補償分散量
を担う場合に比較して、N個の光共振器のそれぞれの反
射率Rをより低く、また、共振器長をより短く設定する
ことが可能になり、光共振器の高次の分散が低減され、
良好な分散補償効果を示す光分散補償器を実施できる。
また、高次の分散を低減することにより、光分散補償器
の分散量の共振器長依存性が減少し、上記光共振器長の
許容変動量が大きい光分散補償器を実現することができ
る。
【0019】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は本発明による光分散補償器の第1実施例を示
す構成図、図2は上記実施例における波長分散の周波数
依存性を示す図で、(a)は光共振器が1個の場合、
(b)は光共振器が4個の場合を示す図、図3は本発明
による光分散補償器の第2実施例を示す構成図、図4は
本発明による光分散補償器の第3実施例を示す構成図、
図5は本発明による光分散補償器を備えた光伝送システ
ムを示す第4実施例の図、図6は光分散補償器を構成す
る光共振器の共振器長の許容変動量を示す図で、(a)
は光共振器が1個の場合を示し、(b)は光共振器が2
個の場合を示す図である。まず最初に、光分散補償器の
高次の分散が分散補償効果に与える影響を定量的に示す
ために行った、伝送シミュレーションの結果を図10に
示す。強度変調された送信信号波形はチャーピングがな
い2次のスーパーガウシャンとし、32ビットのNRZ
擬似ランダムデータを用いた。伝送速度は10Gb/
s、伝送路は分散値−21.8ps2/kmで、零分散
が1.3μm帯にある通常分散ファイバとし、伝送距離
は80km、120km、150km、180km、2
00km、220kmとした。送信データはフーリエ変
換し、伝送路の分散の効果と光分散補償器の効果を周波
数領域で導入し、逆フーリエ変換した。受信器の帯域は
7GHzとした。光分散補償器を構成する光共振器は、
反射面が平行に位置する1組の反射部材で構成されたフ
ァブリペロー光共振器であり、特に2つの反射部材のう
ち、一方は反射率が100%の反射型ファブリペロー光
共振器とした。また、上記伝送距離に対応する光ファイ
バの分散を相殺できるように、光共振器のパラメータで
ある反射率と共振器長および位相を設定した。この際、
光信号中心周波数が周期構造をもつ光分散補償器におけ
る分散特性曲線の微係数が、負である領域の最適もしく
は最適に近い部分に位置するように、光分散補償器の分
散特性の位相は調整される。光分散補償器の高次の分散
を示す1つの指標として、信号帯域内での伝送路の分散
と光分散補償器の分散の和の大きさの平均値δβをつぎ
に示すように定義する。
【0020】
【数3】
【0021】ただし、βfは信号帯域内における光ファ
イバの分散、βcは光分散補償器の分散とする。式
(3)で表わされるδβは、光分散補償器の高次の分散
における性質の全てを表わすものではないが、高次の分
散が分散補償効果に与える影響を評価する上で良い指標
になる。図10は上記パラメータでのδβを横軸に、受
信後のアイパターンから求めたアイペナルティを縦軸に
とり、アイペナルティのδβ依存性を示している。補償
すべき光ファイバの総分散量が多いほど、上記パラメー
タを最適化しても、アイペナルティは劣化し、δβも大
きくなる。良好な伝送品質を実現するには、少なくとも
アイペナルティ3dBが必要であるとすれば、図10か
らδβを約7000ps2以下に抑える必要があること
がわかる。上記δβの上限値は伝送速度の2乗に反比例
することが予想される。上記同様のシミュレーションを
伝送速度40Gb/sで行ったところ、上限値は約40
0ps2であった。伝送速度BGb/sの信号の帯域が
BGHzで表わせるとすれば、結局、アイペナルティ3
dB以下での伝送を可能にするためには、光分散補償器
の高次の分散が次式を満足するように、光分散補償器を
設計する必要がある。
【0022】
【数4】
【0023】本発明によれば、上記上限値を与える伝送
距離の長尺化が可能であり、また特定の伝送距離におけ
るアイペナルティを改善することができる。
【0024】第1実施例 本発明による光分散補償器の第1実施例を示す構成図を
図1に示す。図において光分散補償器4は、光増幅器6
と、m個の同等な特性を有する光共振器41と、(m−
1)個の光アイソレータ7で構成されている。上記光共
振器41は、反射型ファブリペロー光共振器とする。本
実施例では、光路が同一である光入力と光出力とを分離
する手段として、光カプラ431を用いている。また上
記光共振器を非干渉的にm個縦続接続するために、(m
−1)個の光アイソレータ7が各光共振器間に挿入され
ている。光増幅器6は上記光カプラ431での損失を補
うために用いられる。m個の反射型ファブリペロー共振
器が非干渉的に縦続接続された場合の分散量は次式で表
わされる。
【0025】
【数5】
【0026】図2は光共振器を用いた光分散補償器の分
散の光周波数依存性を示しており、上記光分散補償器は
その分散量が光信号中心周波数で、光ファイバの分散を
ほぼ相殺するように設定されている。図2(a)は従来
のように光共振器を1個用いた光分散補償器の分散の光
周波数依存性を示している。光共振器1個では、光分散
補償器の分散が信号光中心周波数付近において伝送路の
分散を相殺するためには反射率Rを大きく設定する必要
があり、中心から離れた周波数に対しては高次の分散の
影響が大きくなり、十分な補償が行えない。図2(b)
は本発明の一例としての共振器4個で構成されている光
分散補償器の分散の光周波数依存性を示している。信号
光中心周波数付近において、複数の光共振器で光分散補
償器に必要な分散量を得ればよいので、1個の光共振器
で必要分散量を得る場合と比較して、反射率Rを小さく
設定できる。反射率Rを小さくすることは、それぞれの
光共振器の補償分散量を減少させると同時に、光分散補
償器の高次の分散を低減する効果がある。また、図2
(b)に示されるように、光分散補償器の分散特性にお
ける光ファイバの分散を過補償する領域と補償が足りな
い領域の分布が、上記分散特性の光信号周波数上の点に
関して点対称に近くなっている。図2に示した例のよう
に複数個の光共振器で構成される光分散補償器は、信号
光中心周波数から離れた周波数成分に対しても、十分な
補償効果を与える。ここで重要なことは、光分散補償器
を複数の光共振器で構成することによる効果は、単に信
号帯域における平均的な補償分散量を増加するというこ
とではなく、光分散補償器が良好な分散補償を行う際に
障害になる光共振器の高次分散を低減するということに
ある。例えば、伝送速度10Gb/sで伝送距離240
kmの分散を補償する場合に、光共振器1個で構成され
る光分散補償器と光共振器2個で構成される光分散補償
器を比較すると、δβは8200ps2から5200p
2に減少し、アイペナルティは3.7dBから2.4
dBに改善する。また、1個の光分散補償器として複数
の光共振器が1個所に集中していることから、各光共振
器の制御が簡素化できる。
【0027】第2実施例、第3実施例 第1実施例は光共振器を接続する手段として光カプラを
用いたが、光サーキュレータ8を用いた構成とすること
もでき、これを本発明の第2実施例として図3に示す。
本実施例では光分散補償器4の構成要素としてファブリ
ペロー型光共振器41を用いたが、図4に示すようにリ
ング型光共振器441を用いても可能である。また本実
施例では強度変調信号に対する本発明の効果を示した
が、周波数変調信号または位相変調信号に対しても同様
の効果が得られる。
【0028】第4実施例 つぎに、本発明による光分散補償器によって、光共振器
長の許容変動量が増加することを示すために、第4実施
例として図5に示すシステム構成で行った伝送シミュレ
ーションの結果を示す。送信波形はチャーピングがない
2次のスーパーガウシャンとし、32ビットの擬似ラン
ダムデータを用いた。伝送速度は40Gb/s、伝送距
離は60km、伝送路は分散値−2.56ps2/km
の分散シフトファイバ2とし、光分散補償器4は反射型
ファブリペロー共振器2個を含む構成にした。送信デー
タはフーリエ変換し、伝送路の分散の効果と光分散補償
器の効果を周波数領域で導入し、逆フーリエ変換した。
受信器の帯域は28GHzとした。図6に受信後のアイ
パターンから求めたアイペナルィの光共振器長変動依存
性を示す。(a)は光共振器1個で構成される光分散補
償器において、良好な分散補償が行えるように反射率R
と共振器長Lとを設定した場合の、共振器長Lの微小変
動量に対するアイペナルティの変化を示している。この
時の反射率はR=0.7、共振器長Lは約500μmで
あった。(b)は光分散補償器を光共振器2個で構成し
た場合の特性である。共振器長Lは約500μmであ
り、反射率はR=0.55に設定した。光分散補償器を
構成する光共振器の個数は最低の複数個である2個であ
っても、光共振器が1個の場合と比較し反射率を小さく
設定できるので、光分散補償器の高次の分散を低減する
効果がある。アイペナルティ0.5dB以下を達成可能
な光共振器長の許容変動量は、光共振器1個を用いた光
分散補償器と比較して6倍以上になっている。共振器を
SiO2系の材質で構成した場合には、共振器長を温度
で制御することが可能である。SiO2の線膨張率は1
℃あたり105分の1であることを考慮すると、アイペ
ナルティが0.5dB以下になるように共振器長を制御
するためには、図6(a)に示した光共振器1個の場合
には、共振器の温度を0.5℃以下の精度で安定化する
必要がある。一方、図6(b)に示す本発明による光共
振器2個で構成される光分散補償器の場合には、光共振
器を3.3℃以下の精度で安定化すればよい。
【0029】
【発明の効果】上記のように本発明による光分散補償器
は、光送信器、光ファイバ、光受信器で構成した光ファ
イバ伝送システム中で用いる光分散補償器において、上
記光送信器と上記光受信器の間に設置した1個の光分散
補償器は、N個の光共振器を主構成要素として含み、1
番目の光共振器の入力は上記光分散補償器の入力と接続
され、iを1以上N未満の自然数としたとき、i番目の
光共振器の出力が(i+1)番目の光共振器の入力と接
続され、N番目の光共振器の出力が上記光分散補償器の
出力に接続されることにより、1個の光分散補償器に課
せられる補償分散量を複数の光共振器に分配することに
よって、光共振器の高次分散の影響が少なく、良好な分
散補償効果を有する光分散補償器を実現できる効果があ
り、光共振器を用いた光分散補償器を安定に動作させる
際に必要な、光共振器長変動許容量を増加させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光分散補償器の第1実施例を示す
構成図である。
【図2】上記実施例における波長分散の周波数依存性を
示す図で、(a)は光共振器が1個の場合を示し、
(b)は光共振器が4個の場合を示す図である。
【図3】本発明による光分散補償器の第2実施例を示す
構成図である。
【図4】本発明による光分散補償器の第3実施例を示す
構成図である。
【図5】本発明による光分散補償器を備えた光伝送シス
テムを示す第4実施例の図である。
【図6】光分散補償器を構成する光共振器の共振器長の
許容変動量を示す図で、(a)は光共振器が1個の場合
を示し、(b)は光共振器が2個の場合を示す図であ
る。
【図7】従来の分散補償器を用いた光伝送システムの構
成図である。
【図8】光共振器の波長分散の周波数依存性を示す図で
ある。
【図9】従来の分散補償器を用いた光伝送システムを示
す構成図である。
【図10】光分散補償器の高次分散が補償効果に与える
影響を示す図である。
【符号の説明】
1 光送信器 2 光ファイバ 4 光分散補償器 5 光受信器 41 光共振器 43、431 光カ
プラ 44、441 遅延光路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光送信器、光ファイバ、光受信器で構成し
    た光ファイバ伝送システム中で用いる光分散補償器にお
    いて、上記光送信器と上記光受信器の間に設置した1個
    の光分散補償器は、N個の光共振器を主構成要素として
    含み、1番目の光共振器の入力は上記光分散補償器の入
    力と接続され、iを1以上N未満の自然数としたとき、
    i番目の光共振器の出力が(i+1)番目の光共振器の
    入力と接続され、N番目の光共振器の出力が上記光分散
    補償器の出力に接続されることを特徴とする光分散補償
    器。
  2. 【請求項2】上記光共振器は、反射面を平行に位置した
    1組の反射部材からなる光共振器であり、上記N個の光
    共振器が干渉をおこさないように接続されていることを
    特徴とする請求項1記載の光分散補償器。
  3. 【請求項3】上記光共振器は、2入力2出力の光カプラ
    と遅延光路とからなり、上記光カプラの第1入力および
    第1出力がそれぞれ光共振器の入力および出力であり、
    上記光カプラの第2入力および第2出力がそれぞれ遅延
    光路の出力と入力に接続されていることを特徴とする請
    求項1記載の光分散補償器。
  4. 【請求項4】光送信器、光ファイバ、光受信器で構成し
    た光ファイバ伝送システム中で用いる光分散補償器にお
    いて、光共振器を主構成要素として含み、信号帯域をB
    (GHz)とし、伝送路の分散と光分散補償器の分散と
    の和の大きさの信号帯域内における平均値をδβ(ps
    2)としたとき δβ≦7.0×105/B2 を満足するように、光分散補償器の波長分散の光周波数
    依存性を抑制したことを特徴とする光分散補償器。
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