JPH0876159A - 特定のフィルター強度及び変動率を持った変動周波数導波フィルターを有するソリトン伝送システム - Google Patents

特定のフィルター強度及び変動率を持った変動周波数導波フィルターを有するソリトン伝送システム

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JPH0876159A
JPH0876159A JP7240435A JP24043595A JPH0876159A JP H0876159 A JPH0876159 A JP H0876159A JP 7240435 A JP7240435 A JP 7240435A JP 24043595 A JP24043595 A JP 24043595A JP H0876159 A JPH0876159 A JP H0876159A
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soliton
frequency
filter
transmission system
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JP7240435A
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Pavel V Mamyshev
ブイ.マミーシェフ ポール
Linn F Mollenauer
フレデリック モールノアー リン
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AT&T Corp
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/25Arrangements specific to fibre transmission
    • H04B10/2507Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion
    • H04B10/25077Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion using soliton propagation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のフィルター強度及び変動率を持った変
動周波数導波フィルターを有するソリトン伝送システム 【解決手段】 本発明においては、隣接する光学フィ
ルターの中心周波数と意図的に異なる、中心周波数を有
する複数の光学フィルターを含む、ソリトン伝送システ
ムが開示されている。ここで、各フィルターのフィルタ
ー強度ηは、約0.3から約0.5の間であり、0.4
が望ましい。一連の光学フィルターの中心周波数は、所
定の方法に従って、望みのシステム長に沿い、(2/2
7)1/2η以下及び0.034η+0.047η2以上の
変動率で、変化される。各光学フィルターの中心周波数
は、伝搬の方向に向かって増加する方が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波システムの
伝送媒体上の特定位置に光学フィルターが配置されてい
るソリトン伝送システムに関するものである。特に、特
定のフィルター強度及び変動率を持った変動周波数導波
フィルターを有するソリトン伝送システムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ソリトン伝送システムは、極めて大容量
の情報を長距離伝送することが、潜在的には可能である
とされている。大陸間及び大洋間システムといったよう
な、超長距離システムにおいては、ファイバーの伝送媒
体内で生じた損失を補うため、情報を搬送しているソリ
トンのパルスを伝搬するエネルギーを、光増幅器が周期
的に供給することになる。しかしながら、超長距離シス
テムの場合、残念なことに、単一チャネルでの最大情報
ビットレート(ビット伝送速度)は、2つの異なった効
果によって生じる、パルス波到達時におけるジッターの
大きさによって、決まってくる。その一つは、ゴードン
・ハウス効果であり、もう一つは音響相互作用効果であ
る。
【0003】ゴードン・ハウス効果は、伝送媒体に沿っ
て存在する、増幅器の自然放出によるノイズとソリトン
パルスの相互作用によって生じる。J.P.Gordo
nらが、この効果を、Optic Letters,V
ol.11,No.10,pp.665−7(198
6)において記述している。増幅器の自然放出によるノ
イズはソリトンパルスの振幅及び、搬送波あるいはチャ
ネルにおける周波数、の両方をランダムに変化させる。
その結果、パルス波到達時におけるジッターを生じさせ
る。パルス波のジッターは、隣接するソリトンパルスの
ために空けられた時間間隔の方へ、当該ソリトンパルス
をシフトさせる。符号間干渉としてよく知られるこの現
象の結果、受け取られる情報に誤りが生じることにな
る。
【0004】音響相互作用効果は、ソリトンパルスの電
磁場によって引き起こされる電気ひずみの結果、生じる
ものである。そのような電気ひずみは、ファイバーのコ
ア部を伝わる音響波を作りだし、それが、光ファイバー
の当該パルスに最も近い領域の屈折率を変化させる。当
該パルスが通過した後には、光ファイバーの当該領域の
屈折率は通常の状態に戻る。仮に、ソリトンパルスが、
かなり高いビットレート(1Gbit/sec、あるい
はそれ以上)で伝送されているとすれば、前のパルスの
影響が消滅するよりも前に、当該領域に、次のパルスが
到着することになることも考えられよう。このようなこ
とが、当該ソリトンパルスのピーク周波数におけるシフ
トを引き起こすのである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】ゴードン・ハウス効果及び音響相互作用効
果は、公称中心周波数が、隣接するフィルターの中心周
波数と異なっているフィルターを利用することによっ
て、削減させることが可能であることは、これまでも見
いだされてきていた。連続する、各光学フィルターの中
心周波数は、例えば、周波数増加、周波数減少、あるい
は両方の組み合わせといった所定のパターンで、上下に
変動させることが可能である。そのようなフィルター、
すなわち、その発明者等により、変動周波数導波フィル
ターと称され、参照のためにここで挙げると、U.S.
S.N.07/904,239に記述されている、を用
いることによって、ソリトンに対しては、完全に透明な
状態を維持したままで、ノイズに対しては、実質的には
不透明な状態であるという伝送環境を作り出すことにな
る。このような伝送システムにおいては、ソリトンは特
定の周波数で進行し、伝送媒体に沿って伝搬するにつ
れ、各変動周波数導波フィルターに対応する光学フィル
ターの中心周波数によって決まる、連続的に変化する周
波数へ向かって、変動が進むのである。光ファイバーに
おけるソリトンパルスの非線形的相互作用によって、各
ソリトンパルスは、各フィルターの周波数に適合する新
たな周波数成分を作り出し、各ソリトンパルスは、進行
するソリトンパルスの周波数と実質的には異なる周波数
となる。この周波数のシフトが、ゴードン・ハウス効果
及び音響相互作用効果によって引き起こされる変化量に
打ち勝つことになるのである。
【0006】ソリトンパルスによる、新たな周波数成分
の発生は、非線形的効果の結果生じるものであることか
ら、ノイズのような線形波パルスは、変動(周波数)フ
ィルターの周波数変化に応じるのに必要な、新たな周波
数を発生させることはできない。従って、結果的に、そ
のようなパルスは、異なった周波数帯に取り残されるに
つれ、変動(周波数)フィルターの作用によって、急激
なエネルギー損失を起こすことになるのである。このよ
うなことから、フィルターの反応特性が、より強くなる
ことが可能となるにつれて、フィルターにおける更なる
損失に打ち勝つべく、増幅器の利得(ゲイン)を過度に
上げることから指数関数的に増加するノイズの不利益を
被ることなく、先行技術以上のジッターを低減させるこ
とが可能となるのである。ゴードン・ハウス効果及び音
響相互作用効果の低減は、大洋間の距離におけるソリト
ン伝送を、劇的なまでに改良するものである。
【0007】ソリトン波伝搬を維持する、ここでの光伝
送システムにおいては、効率的に伝搬されることのでき
る最大及び最小ソリトンパルスエネルギーがある。最大
エネルギー以上のエネルギーを持つソリトンパルスは、
さらに付加的なソリトン波を発生させることが可能であ
る。最小エネルギー以下のエネルギーしか持たないソリ
トンパルスは消滅してしまうことになろう。いずれの場
合においても、伝送において、誤りが導入されてしまう
ことになるであろう。光伝送システムにおいては、伝送
エネルギーについて、適度の許容誤差が備わっているこ
とが望ましいのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】フィルター強度及び変動
(周波数)フィルターの周波数の平均変化率といったよ
うな、フィルターのパラメータが、、効率的な伝搬が可
能である、最小ソリトンエネルギーに対する最大ソリト
ンエネルギーの比、に影響を及ぼしうるということは、
これまでも明らかにされていたことである。
【0009】そこで、本発明においては、特定の周波数
帯でのソリトン伝搬を維持する光波伝送システムが開示
されている。このシステムは、光ファイバーの伝送媒体
を含むものであり、さらに、当該光ファイバーの伝送媒
体に沿って、一定間隔で配置された複数の光増幅器及び
当該光ファイバーの伝送媒体に沿って、一定間隔で配置
された複数の光学フィルターを含むものである。各光学
フィルターは、各フィルターの公称中心周波数へ向け
て、ソリトンの周波数を変化させようとするために、互
いの光学フィルターの公称中心周波数と実質的に異な
る、公称中心周波数を示している。なお、各公称中心周
波数は、それぞれ特定の周波数帯にある、各光学フィル
ターは、ソリトン単位で、約0.3から約0.5の間の
フィルター強度ηを有しうると考えられ、特に、0.4
という値が望ましいといえよう。
【0010】複数の光学フィルターの中心周波数は、ソ
リトン単位で、およそ(2/27)1/2η以下及び、お
よそ0.034η+0.047η2以上の平均変化率で
変化することが望ましい。また、各光学フィルターの周
波数は、ソリトン伝搬の方向に沿って増加することが望
ましい。
【0011】本発明のもう一つの実施例においては、光
波伝送システムにおけるソリトン伝搬方法において、シ
ステムに沿った複数の位置でソリトンを増幅すること
と、さらに、フィルター強度ηが約0.3から約0.5
の間にあり、約0.4が望ましいようなフィルターによ
って、ソリトンの進行周波数とは異なった、第二の周波
数に当該ソリトンを変換するために、システムに沿った
複数の位置でソリトンをフィルタリング(濾過)するこ
と、を含む方法が開示されている。周波数の平均変化率
は、ソリトン単位で、(2/27)1/2η以下及び、約
0.034η+0.047η2以上であることが望まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明により示される内
容を含んだ、ソリトン伝送システム15の図式による表
示である。基本的なシステムは、本発明の譲受人に譲受
され、ここでも参照のため挙げた、U.S.S.N.0
7/904,239において詳細に議論されている。本
発明の詳細を論じるに先立って、ここで、この発明につ
いて、簡潔に記述する。
【0013】図1に示された、光ファイバー伝送システ
ム15は、大抵の場合、送信機(トランスミッター)2
0、受信機(レシーバー)24、及び長い光ファイバー
21のような伝送媒体を含むものである。増幅器22−
1とフィルター23−1のように、光増幅器と(光学)
フィルターの結合した対が、伝送媒体に沿って所定の間
隔で配置されることが望ましい。複数の光増幅器と(光
学)フィルターは、それぞれ、図1における構成要素2
2−1から22−N及び23−1から23−Nによって
示されている。光増幅器22−1から22−Nは、ソリ
トンの中心周波数で伝搬するパルスに利得(ゲイン)を
与えるために、エルビウム添加光ファイバーのような、
希土類元素添加光ファイバーから成る、光ポンピングを
行うセクションを適宜含んでいる。フィルター23−1
から23−Nは、参照のためにここで挙げた、U.S.
S.N.07/904,239において記述されている
ように、その各公称中心周波数が互いに異なる、変動周
波数フィルターである。フィルター23−1から23−
Nの各周波数は、増加、減少、あるいはその両方に変動
することが可能である。フィルター23−1から23−
Nの各周波数は、伝送の方向に向かって増加する方が望
ましい。本発明における、フィルター23−1から23
−Nのその他の詳細な点については、以下で議論され
る。
【0014】各増幅器と各フィルターが対で備えられる
ことが望ましいが、幾つかの増幅器が、単一のフィルタ
ーに連なって配置されることも可能である。フィルター
23−1から23−Nは、長い光ファイバー21に沿っ
て、約30から約50kmの一定間隔で配置されること
が望ましい。より長い間隔とすることも可能ではある
が、その間隔は、以下で定義する、伝送されたソリトン
パルスのソリトン単位長zcよりも短い方が望ましい。
増幅器の間隔も同様であるといえる。
【0015】光放射におけるソリトンは、送信機(トラ
ンスミッター)20により、公称中心周波数Ωの周波数
で発生する。このとき各パルスは、各パルスの周波数
が、各変動周波数フィルター23−1から23−Nによ
って変換される伝送媒体に結びついた状態にある(存在
している)。媒体を通じて伝送された後は、当該各パル
スは、受信機(レシーバー)24により検出される。発
明の範囲を限定することなしに、本発明の原理の説明を
単純化するため、単一方向の伝送が描くこととする。ア
イソレーター(図示されていない。)は、当該技術分野
において知られているように、単一方向システムでは、
増幅器22−1から22−N及びフィルター23−1か
ら23−Nの間のいかなる位置にも備えることが可能で
ある。本発明は、単一チャネルあるいは単一周波数のソ
リトン系の観点から記述されているが、本発明の示すと
ころは、複数の異なったソリトン周波数チャネルを利用
する周波数分割多重システムにも、同様に拡張されるの
である。
【0016】ソリトンパルスの生成は、パルスのパワー
(エネルギー)、パルス幅、中心周波数、ファイバーの
分散といったような、適切な進行及び伝送特性に依存す
るのである。これらの特性は、当業者にはよく知られて
いるところであり、ここではさらに議論されることはな
いであろう。ソリトン発生及び伝送に関して、背景にあ
る付加的な情報については、S.E.Millerらに
よる、OpticalFiber Telecommu
nications(AcademicPress 1
988),pp90以下及び米国特許4,406,51
6号(U.S.Patent No.4,406,51
6)も参照のこと。図2はソリトンパルスの図である。
これは、sech2(t)の式にそった形をしている。
【0017】図1に戻り、伝送媒体とは、送信機(トラ
ンスミッター)20と受信機(レシーバー)24の間の
システムの経路長に及ぶものである。大洋間あるいは大
陸間といった、ほとんどの有用なシステムにおいては、
システムの経路長は、少なくとも数千キロメートルにも
なる。そのような長距離のソリトン伝送媒体は、一般に
は、複数の長い光ファイバー21によって実現されてい
る。この光ファイバーは、できれば、周波数Ω及び変動
周波数導波フィルター23−1から23−Nの作用によ
って生じる各周波数で、ソリトン伝搬を維持するため
に、適当な群速度分散を有する単一モード光ファイバー
であることが望ましい。例えば、0.5ピコ秒毎ナノメ
ートル、毎キロメートル(ps/nm−km)の分散D
が適当である。石英系の光ファイバーは、このような応
用に適している。偏光保存性といったような異なった性
質はもちろん、異なった材料を用いたファイバーも、こ
こでの利用に考えられる。
【0018】本発明の利用のための変動周波数フィルタ
ー23−1から23−Nは、公称中心周波数のピークの
近くでは、放物線状の形状をした、フィルター反応(レ
スポンス)を示すことが望ましい。適切なフィルター2
3−1から23−Nは、ファブリー−ペローのエタロ
ン、ファイバー状のファブリー−ペローのエタロンある
いはそれに類似するものから実現されることが考えられ
よう。放物線状の形状をした反応(レスポンス)ピーク
のほかに、エタロンは、同調性、周期的くし形特性とい
った望ましい多くの特性を示す。後者の場合、波長分割
多重方式の応用例にとって魅力的な点を与えるものであ
る。
【0019】放物線状の形状をしたピークをもつフィル
ター反応(レスポンス)強度は、ピークの曲率の関数で
ある。曲率が大きくなるにつれ、その強度も大きくな
る。公称中心周波数のピーク周辺における、放物線状の
形状をした、フィルター反応(レスポンス)の、ソリト
ン単位長当たりの曲率は、フィルター強度ηと称されて
いる。ここで全ての量は、ソリトン単位である。
【0020】ファブリー−ペローのエタロンによるフィ
ルターは、参照のため、ここで挙げると、米国特許4,
861,136号(U.S.Patent No.4,
861,136)及び米国特許4,830,451号
(U.S.Patent No.4,830,45
1)、米国特許5,037,180号(U.S.Pat
ent No.5,037,180)において開示さ
れている。波長選択のため用いられる、ファブリー−ペ
ローのエタロンを利用した複数のポートを有する(複数
の開口部を有する)光学フィルターは、米国特許5,0
50,954号(U.S. Patent No.5,
050,954)において記述されている。各フィルタ
ーは、その反応曲線(レスポンス曲線)上における3d
B(デシベル)分の各点がないために、その反応曲線
(レスポンス曲線)を用いて容易に中心周波数を定義付
けることができないが、そのような3dB(デシベル)
分の各点が現れるように、より大きな任意の倍率に上げ
た、周波数反応曲線(周波数レスポンス曲線)上での、
当該3dB(デシベル)分の各点の間にある周波数であ
ると理解できよう。
【0021】波長が調整できるその他の光学フィルター
の例は、参照のため、ここで挙げると、H.Kobri
nskieらによって記述された、IEEECommu
nications Magazine、pp53−6
3(1989年10月)に記載されている。
【0022】U.S.S.N.07/904,239に
おいて示されているように、フィルター23−1から2
3−Nについて離調を起こす、距離の関数としての公称
中心周波数の平均変化率は、ソリトン単位での、所定の
最大値よりも小さな値である。仮に、最大変化率を越え
るような場合には、ソリトン周波数は、もはや各フィル
ターに対応できなくなり、結果として、当該ソリトンパ
ルスは除去されることとなる。放物線状の形状をした、
フィルターのピークの反応(レスポンス)については、
例示的な最大平均変化率は、およそ(2/27)1/2η
であることが示された。
【0023】上で議論したように、ここで前提とする光
伝送システムについては、効率的に伝送されることが可
能な、最大及び最小ソリトンエネルギーが存在している
のである。最小ソリトンエネルギーから最大ソリトンエ
ネルギーに至るまで、十分に幅の広いレンジ(領域幅)
を実現することは、伝送エネルギーに対する適度の許容
誤差を持った光伝送システムを生み出す上で、重要なこ
とである。本発明は、伝送されることが可能なソリトン
エネルギーのレンジ(領域幅)を最大にする、例えばフ
ィルター強度ηのような、フィルターのパラメータを開
示している。以下でさらに説明されるように、ソリトン
単位で約0.3から約0.5のフィルター強度ηの場合
に、最小ソリトンエネルギーに対する最大ソリトンエネ
ルギーの比は、約1から約1.5以上となることが、こ
れまで見いだされてきた。従って、本発明においては、
図1の変動周波数フィルター23−1から23−Nは、
ソリトン単位で約0.3から約0.5の、望ましい値と
しては約0.4のフィルター強度ηを有する。離調を起
こす、距離の関数としての公称中心周波数の最小の平均
変化率、以下ここでは最小変動周波数率ωf´と称され
る、は、ソリトン単位で、およそ0.034η+0.0
47η2に等しいことが望ましい。
【0024】変動周波数導波フィルターの利用を説明す
る、現在までに理解されている理論的な基本について
は、参照のためここで挙げられた、U.S.S.N.0
7/904,239においてみられる。ここでは、本発
明を理解するために必要な側面についてのみ議論し、詳
述することとする。
【0025】フィルター損失及び増幅を行う構成要素か
らの補償利得(補償ゲイン)も含めて、ソリトンの伝搬
式は以下の数1である。
【数1】 ここで、α及びηは、それぞれ単位長当たりの、超過利
得(超過ゲイン)及びフィルター強度である。また、こ
こでωfとは単位長当たりの、光学フィルターの公称ピ
ーク周波数あるいは中心周波数である。各フィルターの
中心周波数ωfは、距離と共にシフトすることから、こ
こで変動率ωf´をωf´=dωf/dzと定義すること
とする。α及びηの値は連続的に分布する値(連続的な
値)であると特徴付けられるが、U.S.S.N.07
/904,239に示されているような、図1の周期的
な増幅及びフィルタリング(濾過)を行う、ひとまとま
りの構成要素12を利用することで、ひとまとまりで、
周期的な均等の量に、容易に変換される。
【0026】理論的な検討を行う際には、特に示す場合
以外は、メートル、秒、ギガヘルツ等々の実際の単位の
代わりに、それぞれ、zc、tc、ωcといった特別のソ
リトン単位を用いることが可能である。ソリトン単位長
cは、分散効果にとって特徴的な長さであり、以下の
式、数2によって、求められる。
【数2】 ここで、cとは、真空中の光の速度であり、λはソリト
ンパルスの波長、τは、ここでのソリトンの半波高全幅
値(FWHM)であり、Dは、時間/単位波長シフト/
単位長の単位で表される、光ファイバーの群遅延パラメ
ーターあるいは分散である。超長距離ソリトン伝送が行
われるような場合、zcの値は、大抵の場合は少なくと
も数百キロメートルもの長さとなる。ソリトン単位時間
cは、以下の式、数3で求められる。
【数3】 ここで、τはソリトンパルスの半波高全幅値(FWH
M)である。最後に、ソリトン単位周波数ωcは1ラジ
アンをtcで割ったものである。
【0027】ソリトン単位での周波数ωは、以下の式、
数4を用いて実際の周波数に換算される。
【数4】
【0028】ソリトン伝送システムを動作させる際にお
ける、フィルター強度ηの影響を研究するために、まず
第一に、実際の単位によるフィルター強度をソリトン単
位に変換した。ソリトン単位では、フィルター強度η
は、以下の数5のようになる。
【数5】 ここで、ηfは、実際の単位における単一のフィルター
に関するものであり、Lfは、フィルター間隔である。
鏡の反射率Rと間隙d、及びフリースペクトルレンジ
(FSR、共振ピークの周波数間隔のこと)Δf=c/
(2d)である、ファブリー−ペローのエタロンについ
ては、ηfは以下の式、数6で求められる。
【数6】
【0029】上記の各式をまとめて、zc=2πctc 2
/λ2Dを代入すると、以下の式、数7が得られる。
【数7】
【0030】dはmm、λはμm、Dはps/nm−k
m、Lfはkmの単位で表すと、先の式は以下の、数8
のように単純化されることができる。
【数8】
【0031】上の式からは、所与のフィルターについ
て、ソリトン単位でのフィルター強度ηは、光ファイバ
ーの分散D、ソリトンパルスの波長λ、フィルター間の
距離Lfと従属関係にある。フィルター強度ηは、ソリ
トンパルス幅τに独立である。従って、ソリトンの伝送
におけるフィルター強度ηを変化させることの効果は、
分散Dを変化させることにより、より簡便に解析可能と
なる。さらに分散は、所与の光ファイバーについて、ソ
リトンパルスの波長を変化させたり、あるいは、フィル
ターの間隔を変えることによって、変化させることが可
能である。
【0032】変動(周波数)フィルターの周波数の変動
率ωf´は、以下の式、数9において、実際の数値か
ら、同様に算出されることができる。
【数9】
【0033】超過利得(超過ゲイン)αもまた、以下の
式、数10において、実際の数値から、同様に算出され
ることができる。
【数10】
【0034】上記2つの式において、f´及びαRはそ
れぞれ、ωf´/2π及びαに等しく、実際の単位で表
現されている。
【0035】ソリトン単位での変動周波数の変動率ωf
´が、フィルター強度η及び超過利得(超過ゲイン)α
の両方に対して独立である一方、ソリトン単位でのフィ
ルター強度η及び超過利得(超過ゲイン)αは、相互に
従属関係にある。
【0036】フィルター強度η及び変動周波数の変動率
ωf´を変化させる効果は、実験的には、再循環してい
るループとフィルターを用いて解析されていた。参照の
ためにここで挙げると、これは、Mollenauer
らによって、OpticsLetters 19,70
4(1994)に記述されている。それぞれ約26km
の長さの3つの光ファイバーが用いられている。ゼロ分
散波長λ0は、1550.5nmで、この光ファイバー
の分散勾配は0.07ps/(nm2km)である。各
光ファイバーの間には、エルビウムが添加されたファイ
バー型(光)増幅器一つとエタロン一つが接続されてい
る。各エタロンは、鏡の間に1.5mmの空隙を有して
おり(FSR=100GHz)、反射率Rは9%であ
る。変動(周波数)フィルターの周波数の効果を得るた
めに、各エタロンは、当該空隙を調整することを目的と
して、繰り返し伝送と同調して、ピエゾ素子によりスキ
ャニングされ、フィルターの中心周波数を変化させよう
になっている。適切なエタロンは、例えば、カナダ・オ
ンタリオのJDS Fitel,Inc.から入手可能
である。変動率は、0GHz/Mmから15GHz/M
mの範囲にわたって変えられ、η(D)は、入力ソリト
ンパルスの波長を1552nmから1561nmにわた
って調整することにより、変化させられている。フィル
ター強度ηは、ループ上のエタロンの数を3ヶ所から2
ヶ所に減らすこと(それによって、Lfの平均値は26
kmから36kmに増加することになる。)によっても
また、変化させられた。超過利得(超過ゲイン)及びソ
リトンパルスエネルギーの両方の値は、エルビウムが添
加されたファイバー型(光)増幅器の調整可能なポンピ
ングのレベルによって決まるものである。
【0037】上で議論したように、光伝送システムを設
計する際には、ソリトン伝送エネルギーが安定である領
域が幅広いことが望ましい。図3は最大ソリトンエネル
ギーEmax及び最小ソリトンエネルギーEminのグ
ラフである。この間のエネルギーによって、+13GH
z/Mmの変動周波数の変動率で、上述の実験設備を用
いることで、10Mmにもわたり有意なエラー(誤り)
を生じることなしに伝送することが可能となる。ここ
で、+の符号とは、伝送の方向に沿って、周波数が増加
していくことを示している。これらの実験において、有
意なエラー(誤り)とは、10Mmにわたって、10G
bit/second(10ギガビット毎秒)のビット
レート(ビット伝送速度)で伝送した際に、1010ビッ
トに一ヶ所以下のエラーしか生じないことと考えられ
る。これは、109ビットに一ヶ所以下のエラーしか生
じないという産業規格の値よりも、より厳しいエラーレ
ート(誤り率)である。ここでは、絶対値ではなく、E
minに対するEmaxの比を考察していることから、
y軸上のエネルギーEは任意単位(a.u.)となって
いる。また、図3のグラフ上には、各波長における、上
述された光ファイバーのps/nm/kmで表した分散
Dの値、フィルター強度ηの計算値、も示されている。
フィルター強度ηは、当該ファイバーの分散Dに逆比例
している。
【0038】図3上にグラフ化されている実験結果は、
1に対してほとんど2である、Eminに対するEma
xの最大比は、本実験例では、1558nmの波長で与
えられ、その際、ソリトン単位での当該フィルター強度
ηは、約0.4であるということを示している。Emi
nに対するEmaxの最大比を与えるということから、
ソリトン単位で0.4というフィルター強度ηは、望ま
しいフィルター強度であるという事実は、本発明の示す
事項の一つであるといえる。波長λは異なった分散勾配
を有した、異なる種類の光ファイバーによって変化する
が、Eminに対するEmaxの最大比を与える、ソリ
トン単位でのηの値は、同じ値のままであると考えられ
よう。
【0039】図3はまた、フィルター強度ηが約0.8
及びそれ以上である波長(ここでは、1554nm以下
ということになる。)に対しては、エラー(誤り)なし
の伝搬を行うエネルギーの領域は存在しないということ
も示している。
【0040】異なったループ構成(FSRが100GH
zのエタロンが3ヶ所、FSRが75GHzのエタロン
が2ヶ所、100kmのループ内に配置されている。)
による同様の実験においては、Eminに対するEma
xの比の値が、フィルター強度ηに対して、本質的に同
じように依存し、従属関係にあるということを確認し
た。
【0041】図4は、上で議論した実験を元に、Emi
nに対するEmaxの比(y軸)とフィルター強度η
(x軸)を比較するものである。図4はさらに、約0.
4のフィルター強度ηが、図3に示されているように、
約1.7という最大比を与えるものであるということを
明確に示すものである。このフィルター強度の増加及び
減少の両方を行っても、当該比の急激な減少を引き起こ
すことになる。フィルター強度がより低いと、エラー
(誤り)なしの伝送のために、ジッターを十分に低減す
ることが、あまりできなくなる。フィルター強度がより
高いと、変動周波数の構成部分(フィルター)によっ
て、除去できない非ソリトン成分の発生を促進すること
になる。このような非ソリトン成分は、図7や図10に
示され、さらに以下で述べられるように、端部(テー
ル)として現れ始めるようになる。ソリトンは、小さな
端部(テール)が存在しても安定なままであるが、大き
な端部(テール)は、実験での10Gbit/secの
伝送レート(ビット伝送速度)では、次のソリトンパル
スと干渉し合うことが考えられる。非ソリトン成分の増
加が、図8にも示されているように、付加的なソリトン
の発生に発展することも考えられ、情報を伝送する何ら
かの機能を破壊することにもなる。フィルター強度ηが
0.8に近付くにつれて、EminとEmaxの間に、
本質的な差や、各伝送レート(ビット伝送速度)におい
て、安定したソリトン伝送を行えるエネルギー領域はも
はや存在しない。このようなことから、本発明において
は、変動周波数フィルターを有した、ソリトンによる光
伝送システムは、約0.4のフィルター強度を持つこと
が最も好ましいことになろう。強力で実用的なシステム
とするには、約1.5以上の比で十分であり、図4か
ら、フィルター強度の範囲としては、約0.3から約
0.5の間の値が望ましいと決定したのである。
【0042】Eminに対するEmaxの比はまた、変
動周波数の変動率と従属関係にある。図5は、上述の実
験の設備において、0.4に固定したフィルター強度η
の下で、Emax、Emin、及びEminに対するE
maxの比、の各値を、増加する変動周波数フィルター
の変動率と比較しているものである。図3におけるよう
に、ソリトンパルスのエネルギーEは、y軸の左側に、
任意単位(a.u.)で表されている。Eminに対す
るEmaxの比は、y軸の右側に表されている。変動
(周波数)フィルターの周波数の変動率は、x軸上にG
Hz/Mmの単位で表されている。これらの実験から、
1に対して約1.7である最大比は、フィルター強度η
が0.4で、変動周波数の変動率が、約+13GHz/
Mmであるときに得られるということが示された。+1
3GHz/Mm以上及び以下のいずれの変動(周波数)
フィルターの周波数の変動率に対しても、当該比は減少
する。実験の条件では、約7GHz/Mmから約15G
Hz/Mmの間の変動周波数(の変動率)で、1に対し
て約1.5以上の比が達成されている。
【0043】増幅器による超過利得(超過ゲイン)は、
ソリトン伝搬を維持する光波伝送システムにおける、重
要なもう一つのパラメータである。実際の単位における
増幅器による超過利得(超過ゲイン)の最大及び最小許
容値αRは、実際の単位での変動周波数の変動率が+1
3GHz/Mmで、ソリトン単位でのフィルター強度η
が0.4であるときに、数値的に決定された。図6は、
1.4Mm-1、1.45Mm-1、2.0Mm-1、3.5
Mm-1という利得(ゲイン)αRの値に対し、x軸のミ
リオンメートル単位(Mm)での経路長とy軸の任意単
位(a.u.)でのピーク強度のグラフである。変動周
波数フィルターを用いた、安定したソリトン伝送を行う
ためには、限られた範囲の許容超過利得(許容超過ゲイ
ン)が存在しており、これは、変動周波数の変動率ωf
´及びフィルター強度ηと従属関係にある。実際の単位
での変動周波数の変動率が+13GHz/Mmで、ソリ
トン単位でのフィルター強度ηが0.4であり、超過利
得(超過ゲイン)αRが1.4Mm-1である場合には、
ソリトンは結果的には消滅する。超過利得(超過ゲイ
ン)αRが1.45Mm-1である場合には、パルスが維
持できることになろう。超過利得(超過ゲイン)αR
2.0Mm-1であるときが、おおむね最適である。超過
利得(超過ゲイン)が2.5Mm-1及び3.5Mm-1
ある場合も、許容される。しかしながら、利得(ゲイ
ン)αRが3.5Mm-1でパルス強度が増幅される場合
には、減衰しない振動を目にすることになろう。これら
の振動は、分散波放射の発生、すなわち振動自体がフィ
ルターによりフィルタリング(濾過)され、変動するこ
とによって生じる、非ソリトン成分のためである。これ
は、図7に示されているように、端部(テール)の形成
に結びつきうるのである。仮に、超過利得がさらに増加
するような場合には、このような非ソリトン成分が、第
二のソリトンに発展することが可能となる。そして、図
8に示されているように、さらに伝搬に伴って、より多
くのソリトンに発展することになりうるのである。この
ようなパルスの分散は、超過利得(超過ゲイン)αR
上限に対応し、それ故、以下においてさらに議論される
ように、ソリトンのパルスエネルギーの上限にも対応し
ているのである。
【0044】図9は、我々の数値シュミレーションを元
にした、Mm-1単位での超過利得(超過ゲイン)αR
フィルター強度ηのグラフである。領域2は、約1.5
0Mm-1以下の超過利得(超過ゲイン)αRにより定義
される不安定領域である。領域3は、3Mm-1から3.
5Mm-1の超過利得(超過ゲイン)αRにより定義され
るもう一つの不安定領域であり、これは、フィルター強
度ηと従属関係にある。領域1においては、安定なソリ
トン伝搬が許容されている一方で、フィルター強度ηに
より、パルス及びスペクトルの形状には重要な変化があ
る。η≦0.8の場合には、パルス及びスペクトルの形
状は、ソリトンの形状に近いものである。0.8<η<
1.1の場合には、パルス及びスペクトルの形状におい
て、端部(テール)が生じてきている。図10は、2M
-1の超過利得(超過ゲイン)αRで、フィルター強度
ηが1.0の場合の端部(テール)を持ったソリトンパ
ルスを示している。領域4においては、フィルター強度
ηがさらに増加することで、結果的には、図8に示され
ているパルスに類似した付加的なソリトンの発生を伴っ
た、ソリトンパルスの不安定な伝搬が生じる。少なくと
も200ソリトン分散長の距離までの準安定な伝搬は、
領域2と領域4の間の境界上にあるパラメータで生じる
のである。
【0045】図3と図4に示された実験結果が、約0.
8のフィルター強度ηが、エラー(誤り)のないソリト
ン伝送のための、大体の最大フィルター強度ηであると
いうことを示している。図9は、0.8以上のフィルタ
ー強度ηでも、領域1において安定なソリトン伝送がな
されることを示すものである。このような差異が生じる
理由としては、実験ではソリトンパルスが10GBit
s/secのビットレート(ビット伝送速度)で伝送さ
れていることにある。従って、図7及び図10に示され
ているような、端部(テール)が、隣接するソリトンパ
ルスと干渉を起こしうることになる。これに対して、図
9は、単一のソリトンのみが考慮されている、数値シュ
ミレーションを元にしている。パルスの前後に小さな端
部(テール)を有するが、干渉し合う隣接するパルスが
存在しないソリトンパルスの場合は、まだ効率的に伝送
されうるのである。このことは、仮に伝送レート(ビッ
ト伝送速度)が、2.5から5.0GBits/sec
といったオーダーのように、十分に低い場合には、小さ
な非ソリトン成分の発生及びその結果として生じる端部
(テール)が、伝送に際して干渉しないように、十分に
間隔を開けることが可能となろうことを示している。こ
の場合には、0.8以上のフィルター強度ηを用いるこ
とが可能となるであろう。
【0046】フィルター強度の関数である、エラー(誤
り)のない伝送に対する、変動周波数の最大変動率及び
最小変動率もまた、数値的に決定された。図11におい
て、y軸はソリトン単位での変動周波数の変動率ωf´
であり、x軸はソリトン単位でのフィルター強度ηであ
る。点線Aは、U.S.S.N.07/904,239
において導かれた、エラー(誤り)のない伝送のための
(2/27)1/2ηという変動周波数の最大変動率を示
すものである。ここで、黒い四角形の点は、数値的に決
定された周波数の最大変動率であり、導かれた関係によ
く適合していることが示されている。
【0047】上で述べたように、また、エラー(誤り)
のない伝送のための、平均変動周波数の最小変動率が存
在することも見出された。図11の黒丸は、0.1から
0.8の間のフィルター強度ηにおいて、数値的に決定
された変動周波数の最小変動率である。各黒丸を結びつ
けている曲線Bは、およそ、式0.034η+0.04
7η2により、定義されることができる。
【0048】図11より、約0.1から約0.8の間の
特定のフィルター強度ηに対する変動周波数の許容範囲
を決定することが可能となる。図3及び図4において、
Eminに対するEmaxの最大比を与えることが見出
されたフィルター強度ηである、約0.4という値にお
いては、変動周波数の変動率は、ソリトン単位で、約
0.02から約0.11の間の値をとることが可能であ
る。フィルター強度の望ましい範囲の下限である、0.
3においては、平均変動周波数の変動率ωf´は、ソリ
トン単位で約0.01から約0.08の間で変化しう
る。フィルター強度の望ましい範囲の上限である、0.
5においては、平均変動周波数の変動率ωf´は、ソリ
トン単位で約0.03から約0.14の間で変化しう
る。フィルター強度ηが約0.8という値においては、
変動周波数(の変動率)ωf´は、約0.06から約
0.22の間で変化しうるのである。
【0049】変動率ωf´と超過利得(超過ゲイン)αR
は、実際の単位によるパルス幅τに従属するので、ソリ
トン単位での変動(周波数)フィルターの周波数の変動
率ωf´は、パルス幅を増加させることによって増加さ
せることが可能である。ソリトンパルスエネルギーE
は、パルス幅τに逆比例するので、パルス幅τを増加さ
せることにより、パルスのエネルギーEは減少すること
となる。従って、変動周波数の最大変動率ωf´は、当
該フィルター強度ηでエラー(誤り)なしに伝送可能な
最少エネルギーEminに対応していることになる。一
方、変動周波数の最小変動率は、最大エネルギーEma
xに対応している。Emin及びEmaxの両方とも図
3に示されているものである。比ωf´max/ωf´min
ら、Emax/Eminの、図10に示されたフィルタ
ー強度ηへの依存性が、数値的に算出可能となる。
【0050】許容可能利得(許容可能ゲイン)αR及び
ソリトンエネルギーの限定される範囲は、変動周波数
(の変動率)ωf´から、完全に理解することが可能で
ある。当該利得(当該ゲイン)αRの値が下げられる
と、ソリトン単位での変動率ωf´が、当該ソリトンが
その変動に対応できなくなる程度速くなるまで、ソリト
ンのパルス幅τは増加する。このような利得(ゲイン)
αRの下限は、ソリトン減衰定数の一つが負の値となっ
て、変動周波数の最大変動率が(2/27)1/2ηであ
る場合に、対応している。このような下限値以上にαR
が増加させられるにつれて、ソリトン伝搬は安定するよ
うになり、フィルタリング(濾過)や変動の摂動効果に
よって発生する非ソリトン成分が、効果的に除去されて
いる限りは、安定な状態が続くことになる。しかしなが
ら、αRがあまり高くなると、ソリトンパルス幅τは減
少し、ソリトンエネルギーは高くなりすぎて、さらに、
ωf´はあまりに低くなりすぎて、効果的に非ソリトン
成分を除去できなくなる。その結果、上述したような不
安定な状態が生じることとなる。このような効果が、変
動周波数の変動率ωf´の下限値及び安定なソリトン伝
搬のためのソリトンエネルギーの上限値Emaxを決定
するのである。
【0051】本発明は、単一方向の伝搬において、(周
波数)変動フィルターの周波数を増加させていくという
観点から述べられてきた。これは、望ましい実施例であ
るといえる。しかしながら、各変動周波数フィルターの
周波数が減少していくという場合であるとしても、本発
明においては、おおむね同様のフィルター強度ηが望ま
しいであろう。フィルターの周波数反応曲線(周波数レ
スポンス曲線)が理想的なガウス関数の曲線に近付くに
つれて、伝送の方向に向かって周波数が減少する変動周
波数フィルターに対して望ましいフィルター強度ηは、
伝送の方向に向かって周波数が増加する場合の、望まし
いフィルター強度ηに、より近付くことになるであろ
う。同様に、双方向(両方向)伝送システムについて
も、本発明においては、同様のフィルター強度をもって
なされることが可能である。しかしながら、双方向(両
方向)伝送システムにおいては、変動(周波数)フィル
ターの周波数が増加していく方が、多少良好な伝送が行
えることから、伝送については、周波数が減少する方向
になされるよりも、周波数が増加する方向になされる方
が、多少良好であることになろう。
【発明の効果】本発明によって、光波伝送システムを用
いたソリトン伝送により、大容量かつ超長距離伝送を実
現する際に生じる問題である、ジッターの大きさを低減
させることが可能となり、大洋間のような長距離にわた
る、高ビットレートのソリトン伝送が著しく改良され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明において、ソリトン伝搬を維持
する、例示的な光波伝送システムである。
【図2】図2は、例示的なソリトンパルスである。
【図3】図3は、分散D、フィルター強度η、及びソリ
トンエネルギーEと、図2の例示的なソリトンパルスの
ような、ソリトンパルスの波長λのグラフである。
【図4】図4は、Eminに対するEmaxの比とフィ
ルター強度のグラフである。
【図5】図5は、ソリトンエネルギーEと、MHz/M
mの単位で表現した、変動周波数の変動率f´のグラフ
である。
【図6】図6は、増幅器の様々な超過利得(超過ゲイ
ン)に対する、ピーク強度と経路長のグラフである。
【図7】図7は、端部(テール)を持つソリトンパルス
の例である。
【図8】図8は、不安定性のために、複数のソリトンが
発生している例である。
【図9】図9は、超過利得(超過ゲイン)αRとフィル
ター強度ηのグラフである。
【図10】図10は、超過利得(超過ゲイン)αRの値
が2Mm-1で、フィルター強度ηの値が1.0であると
きの、図9の領域1におけるソリトンの例である。
【図11】図11は、ソリトン単位での変動(周波数)
フィルターの周波数の変動率ωf´とフィルター強度η
のグラフである。
【符号の説明】
15 光ファイバー伝送システム 20 送信機(トランスミッター) 21 光ファイバー 22−1 増幅器(光増幅器) 22−N 増幅器(光増幅器) 23−1 フィルター(光学フィルター) 23−N フィルター(光学フィルター) 24 受信機(レシーバー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/10 Z H04B 10/02 10/18 (72)発明者 リン フレデリック モールノアー アメリカ合衆国,07722 ニュージャージ ー,コルツ ネック,カリッジ ヒル ド ライブ 11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの光ファイバー伝送媒体に沿って、
    一定間隔で配置された複数の光増幅器と、 前記光ファイバー伝送媒体に沿って、一定間隔で配置さ
    れた複数の光学フィルターとを含む特定の周波数帯にお
    いてソリトン伝搬を維持する光ファイバー伝システムに
    おいて、 前記各光学フィルターについては、各公称中心周波数へ
    向けて、ソリトンの周波数を変化させようとするため
    に、互いの前記光学フィルターの前記公称中心周波数
    は、実質的には異なった公称中心周波数を示しており、
    前記各公称中心周波数は特定の周波数帯にある、 前記光学フィルターは、ソリトン単位で約0.3から約
    0.5の間の値のフィルター強度ηを有する、ことを特
    徴とする光波伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記光学フィルターが、約0.4のフィ
    ルター強度ηを有することを特徴とする請求項1の光波
    伝送システム。
  3. 【請求項3】 前記光波伝送システムにおいて、 前記伝送システムの少なくとも一カ所以上の部位にわた
    って、前記複数の光学フィルターの中心周波数が、ソリ
    トン単位で、およそ(2/27)1/2η以下の平均変化
    率で変化する、 ことを特徴とする、請求項1の光波伝送システム。
  4. 【請求項4】 前記伝送システムの少なくとも一カ所以
    上の部位にわたって、前記複数の光学フィルターの中心
    周波数が、ソリトン単位で、およそ(2/27)1/2η
    以下の平均変化率で変化する、 ことを特徴とする、請求項2の光波伝送システム。
  5. 【請求項5】 前記複数の光学フィルターの中心周波数
    が、ソリトン単位で、およそ0.034η+0.047
    η2以上の平均変化率で変化する、 ことを特徴とする、請求項1の光波伝送システム。
  6. 【請求項6】 前記複数の光学フィルターの中心周波数
    が、ソリトン単位で、およそ0.034η+0.047
    η2以上の平均変化率で変化する、ことを特徴とする、
    請求項2の光波伝送システム。
  7. 【請求項7】 前記複数の光学フィルターの中心周波数
    が、ソリトン単位で、およそ0.034η+0.047
    η2以上の平均変化率で変化する、 ことを特徴とする、請求項3の光波伝送システム。
  8. 【請求項8】 前記複数の光学フィルターの中心周波数
    が、ソリトン単位で、およそ0.034η+0.047
    η2以上の平均変化率で変化する、ことを特徴とする、
    請求項4の光波伝送システム。
  9. 【請求項9】 一つの光ファイバー伝送媒体に沿って一
    定間隔で配置された複数の光増幅器と、前記光ファイバ
    ー伝送媒体に沿って一定間隔で配置された複数の光学フ
    ィルターとを含む前記一つの光ファイバー伝送媒体を有
    する特定の周波数帯においてソリトン伝搬を維持する光
    波伝送システムにおいて、 前記各光学フィルターについては、各公称中心周波数へ
    向けて、ソリトンの周波数を変化させようとするため
    に、互いの前記光学フィルターの前記公称中心周波数
    は、実質的には異なった公称中心周波数を示しており、
    前記各公称中心周波数は特定の周波数帯にあり、伝送の
    方向に向かって増加し、 前記光学フィルターは、ソリトン単位で約0.3から約
    0.5の間の値のフィルター強度ηを有する、ことを特
    徴とする光波伝送システム。
  10. 【請求項10】 (A)光波伝送システムに沿った複数
    の位置で、ソリトンを増幅するステップと、 (B)約0.3から約0.5のフィルター強度を有する
    フィルターによって、前記ソリトンを前記ソリトンの進
    行周波数とは異なった第二の周波数に変換するために、
    前記システムに沿った複数の位置で、ソリトンをフィル
    タリングするステップと、 を有することを特徴とする光波伝送システムでのソリト
    ンを伝搬する方法。
  11. 【請求項11】 前記フィルターが、約0.4のフィル
    ター強度を有することを特徴とする、請求項10の方
    法。
  12. 【請求項12】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ(2/27)1/2
    η以下となるように、システム長の少なくとも一カ所以
    上の部位に沿って、異なった公称中心周波数でおこなう
    ことを特徴とする、請求項10の方法。
  13. 【請求項13】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ(2/27)1/2
    η以下となるように、システム長の少なくとも一カ所以
    上の部位に沿って、異なった公称中心周波数で、実行す
    ることを特徴とする、請求項11の方法。
  14. 【請求項14】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ0.034η+
    0.047η2以上となるように、システム長の少なく
    とも一カ所以上の部位に沿って、異なった公称中心周波
    数で、実行することを特徴とする、請求項10の方法。
  15. 【請求項15】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ0.034η+
    0.047η2以上となるように、システム長の少なく
    とも一カ所以上の部位に沿って、異なった公称中心周波
    数で、実行することを特徴とする、請求項11の方法。
  16. 【請求項16】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ0.034η+
    0.047η2以上となるように、システム長の少なく
    とも一カ所以上の部位に沿って、異なった公称周波数
    で、実行することを特徴とする、請求項12の方法。
  17. 【請求項17】 前記(B)のステップは、ソリトン単
    位での、周波数平均変化率が、およそ0.034η+
    0.047η2以上となるように、システム長の少なく
    とも一カ所以上の部位に沿って、異なった公称周波数
    で、実行することを特徴とする、請求項13の方法。
  18. 【請求項18】 前記ソリトンの前記周波数が、より高
    い周波数に変換される、 ことを特徴とする、請求項11の方法。
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