JP2005048733A - 排ガス浄化装置付き熱電併給装置 - Google Patents

排ガス浄化装置付き熱電併給装置 Download PDF

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浩文 大塚
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Abstract

【課題】 熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスの浄化において、エネルギー効率が高く、窒素酸化物を除去できる熱電併給装置及び排ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】 往復動式エンジン1からの排ガスを浄化するための排ガス浄化装置を備えた熱電併給装置において、前記排ガス浄化装置を、前記エンジン1から排出される排ガスの上流側から下流側に向かって、酸化触媒を含む酸化ユニット2、排熱回収装置を含む回収ユニット3、脱硝触媒を含む脱硝ユニット4の順で配設する。この装置で、排ガスを浄化するに当っては、排ガスを350〜600℃程度で酸化触媒と接触させて炭化水素(特に非メタン炭化水素)を除去した後、排熱回収装置によって排ガスから熱エネルギーを回収し、さらにアンモニアの存在下、排ガスを180〜350℃程度で脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を除去することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスエンジンやディーゼルエンジンなどの往復動式(ピストン式)エンジンを用いると共に、これらのエンジンから排出される排ガスを清浄化するための排ガス浄化装置を備えた熱電併給装置及び排ガスの浄化方法に関する。
熱電併給装置は、燃料を用いて原動機(エンジン)を駆動し発電を行うと共に、エンジンから排出される排ガスの熱エネルギーを排熱ボイラなどを用いて蒸気や温水として回収する装置であり、エネルギーの有効利用に資するため、近年その利用が大幅に拡大している。このような熱電併給装置は、その特性上、比較的人口稠密な地域で用いられることが多いため、窒素酸化物の除去など、排ガス浄化対策を講じて運転されることが多い。
窒素酸化物の浄化には、酸化チタンで構成された担体に、酸化バナジウムなどを活性成分として担持した触媒を用い、アンモニアを還元剤として窒素酸化物を窒素に還元するアンモニア選択還元法が適用される。さらに、最近ではアンモニアに代えて、取り扱いの容易な尿素水を用いる方法が普及して適用範囲が広がっている。
一方、エンジンの排ガス中には、窒素酸化物以外にも、炭化水素、一酸化炭素、硫黄酸化物、VOC(揮発性有機化合物)、PM(粒子状物質)なども微量含まれている。その中でも、近年、VOCが臭気の原因物質として注目されている。特に、排ガス中のVOC成分においては、アルデヒドやカルボン酸などの含酸素化合物は、許容可能な閾値が低く、主たる臭気の原因物質である。これらの物質は、酸化により二酸化炭素と水に分解されるため、炭化水素よりも一般に除去は容易である。例えば、特開平9−285720号公報(特許文献1)や特開平10−309443号公報(特許文献2)に開示されているように、白金をアルミナやゼオライトに担持させた酸化触媒などを用いることにより、これらの物質を除去することができる。
窒素酸化物を除去するための触媒と、酸化触媒を併用する方法としては、例えば、特公平5−16886号公報(特許文献3)には、ガソリンやディーゼルエンジンなどの排ガスを、酸化雰囲気中、炭化水素の存在下において、酸化チタンなどの酸性を有する金属酸化物に接触させ、次いで酸化触媒に接触させる排ガスの浄化方法が開示されている。この方法は、炭化水素を還元剤とする窒素酸化物の還元反応において、未反応の過剰の炭化水素を除去できる。また、特開平5−38420号公報(特許文献4)には、ガソリンやディーゼルエンジンなどの排ガス中の窒素酸化物を、予め酸化触媒を通じて二酸化窒素に変換した後、酸化雰囲気中、炭化水素の存在下において、酸化チタンなどの酸性を有する金属酸化物に接触させる窒素酸化物の除去方法が開示されている。この文献では、100〜800℃の反応温度で、第1段階の酸化触媒と接触させる工程と、第2段階の還元触媒と接触させる工程とが連続して処理されている。
しかし、これらの方法は、いずれも、炭化水素を還元剤とする窒素酸化物の還元反応に関する方法であって、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物の還元反応ではない。また、これらの方法では、臭気成分の除去が充分でない。
特開平11−226360号公報(特許文献5)には、排ガス中の窒素酸化物を、アンモニアを還元剤として分解する方法であって、脱硝触媒の後段に、あるいは脱硝触媒と混合して、Ptなどを含む酸化触媒を用いる方法が開示されている。この方法では、酸化触媒を用いて、処理後の排ガス中に残存するアンモニア(リークアンモニア)を低減している。また、特開2000−303826号公報(特許文献6)には、ディーゼルエンジンの排ガスを脱硝触媒を用いて浄化する装置であって、排気通路の脱硝触媒より上流側に酸化触媒とフィルターとを設けた排ガス浄化装置が開示されている。この装置では、酸化触媒とフィルターとを組み合わせて、排ガス中に含まれる硫黄分による脱硝触媒の被毒を抑制している。
しかし、これらの方法や装置を用いても、往復動式エンジンの排ガスに含まれる臭気成分、特に含酸素有機化合物などのVOCを低減することはできない。
特開平9−285720号公報(特許請求の範囲、段落番号[0013]) 特開平10−309443号公報(特許請求の範囲、段落番号[0016]) 特公平5−16886号公報(特許請求の範囲、第5欄18〜25行、第6欄22〜31行、第7欄18〜23行) 特開平5−38420号公報(特許請求の範囲、段落番号[0016][0017][0023]) 特開平11−226360号公報(請求項1、段落番号[0008][0020]) 特開2000−303826号公報(請求項1、段落番号[0011][0015][0018])
従って、本発明の目的は、熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスの浄化において、エネルギー効率が高く、窒素酸化物を除去できる熱電併給装置及び排ガスの浄化方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスの浄化において、VOC成分などの臭気物質を除去できる熱電併給装置及び排ガスの浄化方法を提供することにある。
本発明者らは、実際のエンジンの排ガスに、酸化触媒と脱硝触媒とを併せて適用することを検討した結果、意外にもこれらの酸化触媒と脱硝触媒とを併用した場合、窒素酸化物の除去性能には大きな影響はないが、VOC成分については減少しないどころか増加する場合があることが判明した。さらに検討を続けたところ、酸化触媒及び/又は脱硝触媒上において、エンジンの排ガスに含まれる炭化水素からVOC成分が生成する可能性が示された。
そして、本発明者らは、これらの知見に基づいて、前記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、往復動式エンジンを有する熱電併給装置の排ガス浄化装置において、排ガスの上流側から下流側に向かって、酸化触媒を含む酸化ユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット、脱硝触媒を含む脱硝ユニットの順で配設することにより、エネルギー効率が高く、窒素酸化物を除去できることを見出した。
すなわち、本発明の熱電併給装置は、往復動式エンジンからの排ガスを浄化するための排ガス浄化装置を備えた熱電併給装置であって、前記排ガス浄化装置が、前記エンジンから排出される排ガスの上流側から下流側に向かって、酸化触媒を含む酸化ユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット、脱硝触媒を含む脱硝ユニットの順で配設されている。前記酸化触媒は、耐火性無機担体に貴金属元素が担持された触媒であってもよい。
本発明には、熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスを浄化する方法であって、前記排ガスを酸化触媒と接触させた後、排熱回収装置によって排ガスの熱エネルギーを回収し、さらに熱エネルギーが回収された排ガスを脱硝触媒と接触させる排ガスの浄化方法も含まれる。この方法において、脱硝触媒との接触において、アンモニア又はアンモニアを生成する化合物を添加してもよい。前記方法において、前記炭化水素は非メタン炭化水素であってもよい。また、前記方法において、排ガスは350〜600℃程度で酸化触媒と接触させ、180〜350℃程度で脱硝触媒と接触させてもよい。
また、本発明には、熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスを、酸化触媒を含む酸化ユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット、脱硝触媒を含む脱硝ユニットの順に流通させて、前記排ガスの臭気物質及び窒素酸化物を除去する方法も含まれる。
本発明では、熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスの浄化において、エネルギー効率が高く(経済性を損なうことなく)、窒素酸化物を除去できる。さらに、VOC成分などの臭気物質も効率よく除去できる。
本発明の熱電併給装置は、往復動式エンジンと、排ガス浄化装置とを備えている。
往復動式エンジンとしては、例えば、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどが挙げられる。エンジンの種類は、特に種別を問わないが、排ガス中の炭化水素濃度が、全炭化水素(THC)換算で、例えば、100ppm以上の排ガスを排出するエンジンを用いるのが有効である。さらに、排ガス中の臭気成分を有効に低減するという観点から、エンジンの排ガス中の炭化水素濃度は、THC換算で、例えば、100〜10000ppm、好ましくは300〜5000ppm、さらに好ましくは500〜3000ppm程度である。
排ガス浄化装置は、酸化触媒を含む酸化ユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット及び脱硝触媒を含む脱硝ユニットで構成されている。
酸化ユニットに含まれる酸化触媒は、耐火性無機担体に、貴金属元素などの活性金属が担持された酸化触媒である。
耐火性無機担体としては、例えば、セリアなどの周期表第3A族金属酸化物、アルミナなどの周期表第3B族金属酸化物、チタニアやジルコニアなどの周期表第4族金属酸化物、シリカなどの周期表第4B族金属酸化物や、ゼオライト、シリカアルミナ、シリカジルコニア、アルミナチタンなどの複合金属酸化物などが挙げられる。これらの無機担体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、通常、セリア、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカなどが使用され、ジルコニアなどの周期表第4族金属酸化物が好ましい。
貴金属元素としては、例えば、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金などの周期表第8族金属元素や、銀や金などの周期表第1B族金属元素などが挙げられる。これらの貴金属元素は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの貴金属元素のうち、周期表第8族金属元素、特にロジウム、イリジウム、パラジウム、白金が好ましい。
活性金属の担持量は、無機担体100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部程度である。活性金属の担持量は、無機担体の体積換算で、例えば、無機担体1リットル当り0.5〜20g程度であってもよい。
酸化触媒は、慣用の方法で製造することができ、例えば、活性金属化合物(硝酸塩、酢酸塩、錯塩など)を含む水溶液に、粉末状の無機担体を添加して攪拌することにより、無機担体に貴金属化合物を含浸させた後、乾燥及び焼成する含浸法などにより製造することができる。
酸化触媒の形状は、特に限定されず、例えば、粒状、板状、棒状などであってもよいが、排ガスとの接触効率の点から、ハニカム状や繊維状、特にハニカム状が好ましい。酸化触媒の形状をハニカム状とする方法としては、ハニカム状支持体(セラミック体など)に酸化触媒をコーティングする方法や、バインダー成分を使用してハニカム状に成形する方法などが挙げられる。
回収ユニットに含まれる排熱回収装置は、排ガスの保有する熱エネルギーを熱媒(水、シリコーンオイル、鉱油などの液体や気体など)によって回収し、熱源として利用する装置であれば特に限定されない。排熱回収装置としては、通常、熱媒として水を用いる排熱ボイラなどの排熱回収装置を使用できる。排熱回収装置は、熱媒を流通可能なパイプと、このパイプの周囲に排ガスを供給可能な供給ユニットとを備えており、パイプを介して熱交換により熱エネルギーを回収できる。
脱硝ユニットに含まれる脱硝触媒としては、慣用の脱硝触媒、例えば、酸化チタンを主成分とし、酸化バナジウムと、必要に応じて、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化クロム、酸化モリブデンなどの金属酸化物とを含む脱硝触媒などが使用できる。酸化チタンの結晶形態は、ルチル型であってよいが、通常、アナターゼ型である。脱硝触媒には、成形のための助剤(無機繊維など)などが含まれていてもよい。
酸化バナジウムの割合は、酸化チタン100重量部に対して、例えば、1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部程度である。
他の金属酸化物の割合は、酸化チタン100重量部に対して、例えば、0〜40重量部、好ましくは0〜20重量部、さらに好ましくは0〜10重量部程度である。
脱硝触媒の形状は、特に限定されず、例えば、粒状、板状、棒状などであってもよい。
脱硝触媒は、慣用の方法、例えば、酸化チタンに、バナジン酸塩(バナジン酸アンモニウムなど)と、必要に応じて、他の金属酸塩(タングステン酸アンモニウムなど)と、水とを加えて混練し、乾燥及び焼成する方法より得ることができる。
本発明の熱電併給装置は、前記排ガス浄化装置が、排ガスの上流側から下流側に向かって、酸化ユニット、回収ユニット、脱硝ユニットの順で配設されている。排ガス浄化装置の各ユニットをこのような順序で配設することにより、酸化触媒との接触で加熱された排ガスの熱エネルギーを排熱回収装置で効率よく回収できるとともに、排熱回収により、排ガスの温度を脱硝に適した温度に低下させ、窒素酸化物も効率よく除去できる。さらに、臭気物質の前駆体である炭化水素が脱硝触媒の前工程で除去されることにより、窒素酸化物の除去だけでなく、VOC成分などの臭気物質も効率よく除去できる。また、本発明の熱電併給装置において、往復動式エンジンから排出された排ガスが、排ガス浄化装置の各ユニットを流通するための配列形態は、縦型又は横型であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。このような装置を用いた排ガスの浄化方法について、以下に説明する。
本発明の排ガスの浄化方法においては、まず、排ガスを酸化触媒と接触することにより、炭化水素が除去される。炭化水素としては、非メタン炭化水素、例えば、エタン、プロパン、ブタンなどのC2-6アルカン(好ましくはC2-4アルカン)、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのC2-4アルケンなどを挙げることができる。これらの非メタン炭化水素は、直接の臭気物質ではないが、脱硝触媒で排ガスを処理する前に除去しないと、脱硝工程で含酸素化合物に変化し、VOC成分が発生する原因となる。排ガスには、その他、VOC成分である含酸素有機化合物、例えば、酢酸や酪酸などのカルボン酸、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒド類なども含まれる。
排ガスと酸化触媒とを接触させる温度は、例えば、350〜600℃、好ましくは380〜550℃、さらに好ましくは380〜520℃(特に450〜520℃)程度である。このような温度で酸化処理すると、炭化水素の除去性能を向上できるとともに、酸化触媒の劣化(経時的な性能低下)も抑制できる傾向がある。
酸化ユニットにおいて、空間速度は、通常、ガス時間当り20,000〜300,000h-1、好ましくは30,000〜200,000h-1、さらに好ましくは50,000〜100,000h-1程度である。また、酸化触媒の使用量は、非メタン炭化水素の除去率が、全炭化水素中、例えば、50%以上(例えば、50〜99.99%)、好ましくは70%以上(例えば、70〜99.9%)、より好ましくは80%以上(例えば、80〜99.5%)となるように調整してもよい。なお、触媒量や活性金属の担持量が多いほど性能は向上するが経済的に不利となる。
次に、酸化触媒で、炭化水素を除去された排ガスの熱エネルギーは、排熱回収装置によって、回収され、脱硝触媒による脱硝に適した温度に低減される。本発明では、酸化触媒による酸化温度と、脱硝触媒による脱硝温度との差異を利用することにより、装置全体としてのエネルギー効率高く、窒素酸化物や臭気物質を除去することが可能となる。排熱回収装置では、例えば、50℃以上(例えば、50〜500℃)、好ましくは100℃以上(例えば、100〜400℃)、さらに好ましくは150℃以上(例えば、150〜300℃)程度の熱エネルギーを排ガスから回収することができる。
そして、排熱回収装置で熱エネルギーを回収された排ガスは、脱硝触媒と接触することにより、窒素酸化物が除去される。窒素酸化物には、一酸化窒素及び二酸化窒素が含まれ、いずれも脱硝触媒により分解されて除去される。
脱硝触媒との接触においては、排ガス中の窒素酸化物の還元剤として、アンモニア又はアンモニアを生成する化合物を添加するのが好ましい。アンモニア又はアンモニア生成化合物は、脱硝触媒と協同して窒素酸化物を還元して分解する。アンモニア生成化合物としては、排ガス中で分解してアンモニアを生じる化合物であれば特に限定されず、例えば、尿素の水溶液などを使用することができる。
アンモニア又はアンモニア生成化合物の添加量は、排ガス中の窒素酸化物濃度に応じて適宜設定することができる。添加されるアンモニア又はアンモニア生成化合物の量は、例えば、排ガス中の窒素酸化物の量に対し、アンモニア換算の体積比で、例えば、0.5〜1.2、好ましくは0.6〜1.1、さらに好ましくは0.8〜1程度であってもよい。アンモニア又はアンモニア生成化合物は、通常、脱硝触媒との接触前に添加される。
排ガス(アンモニア又はアンモニア生成化合物を含む排ガスなど)と、脱硝触媒との接触温度は、例えば、180〜350℃、好ましくは200〜320℃、さらに好ましくは220〜300℃(特に220〜260℃)程度である。このような温度で処理すると、脱硝効率が高く、脱硝触媒の活性も充分に発現し易い。さらに、アンモニアやアンモニア生成化合物を添加した場合には、アンモニアの酸素による酸化が抑制される。
脱硝ユニットにおいて、空間速度は、通常、ガス時間当り5,000〜60,000h-1、好ましくは10,000〜50,000h-1、さらに好ましくは20,000〜40,000h-1程度である。
本発明の熱電併給装置は、窒素酸化物だけでなく、臭気物質も効率的に除去できるため、炭化水素などの有害成分の発生が多く、排ガスの浄化が必要な往復動式エンジン(ガスエンジン、ディーゼルエンジンなど)を用いる装置に有用である。特に、近年の電力の需要増加に伴って、人工稠密な都市部において建設が増加しているコジェネレーションシステム(ガスエンジンを利用したシステムなど)に有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
コージェライトハニカム(15cm角×5cm長さ、1平方インチ(=6.45cm2)当りのセル数200)に、白金Ptを担持したジルコニア(日本電工(株)製、商品名「N−PC」、比表面積28m2/g、Ptの担持量:ジルコニアに対して1重量%)を110gコートして酸化触媒を調製した。
アモルファス酸化チタン(和光純薬工業(株)製)100gに、バナジン酸アンモニウム(NH4VO3)10g、パラタングステン酸アンモニウム((NH4)101241・5H2O)5g、水150gを添加して湿式混練し、乾燥後、400℃で焼成して脱硝触媒を調製した。
脱硝触媒は打錠成型して粒径1〜2mmに揃えて10ml採取し、石英反応管(直径20mm)に充填した。酸化触媒は直径9.5mm、高さ17mmに切り出して、石英反応管(直径10mm)に充填した。酸化触媒の温度を500℃、脱硝触媒の温度を250℃に保ち、表1に示す組成のガス(未処理ガス)を毎分2リットル(0℃、1気圧の状態における体積)の流量で流通した。酸化触媒と脱硝触媒との間で、2%のアンモニアを含む窒素ガスを毎分15ml(0℃、1気圧の状態における体積)の流量で添加した。これは、図1に示すように、エンジン1を通過した排ガスが、酸化ユニット2に含まれる酸化触媒と接触し、回収ユニット3に含まれる排熱ボイラで熱エネルギーが回収された後、脱硝ユニット4に含まれる脱硝触媒と接触する順序で流通する排ガス浄化装置を有する熱電併給装置に対応する。
脱硝触媒出口ガスの組成は表1の通りであった。ここで、窒素酸化物は一酸化窒素と二酸化窒素の合計である。閾値が低く、臭気の原因となりやすいアルデヒドおよびカルボン酸はほぼ除去できていることが分かる。
比較例1
酸化触媒を用いない以外は実施例1と同様にして試験を行った。これは、図2に示すように、エンジン1を通過した排ガスが、回収ユニット3に含まれる排熱ボイラで熱エネルギーが回収された後、脱硝ユニット4に含まれる脱硝触媒と接触する順序で流通する排ガス浄化装置を有する熱電併給装置に対応する。
脱硝触媒出口ガスの組成は表1の通りであった。アルデヒドはほぼ除去できているものの、カルボン酸は入口濃度よりも増加していた。
比較例2
酸化触媒の温度を250℃とする以外は実施例1と同様にして試験を行った。図3に示すように、エンジン1を通過した排ガスが、回収ユニット3に含まれる排熱ボイラで熱エネルギーが回収され、酸化ユニット2に含まれる酸化触媒と接触した後、脱硝ユニット4に含まれる脱硝触媒と接触する順序で流通する排ガス浄化装置を有する熱電併給装置に対応する。
脱硝触媒出口ガスの組成は表1の通りであった。アルデヒドはほぼ除去できているものの、カルボン酸は除去できていない。
Figure 2005048733
比較例3
表1に示す組成のガスに代えて表2に示す組成のガスを用いた以外は比較例1と同様にして試験を行った。脱硝触媒出口ガスの組成は表2の通りであった。アルデヒドはほぼ除去できていると共に、カルボン酸もかなり減少し、比較例1とは対照的な結果を示した。この結果は、炭化水素からカルボン酸が生成していることを示している。
Figure 2005048733
以上の結果から、エンジン排ガスのような炭化水素を含む排ガスを脱硝触媒に通じた場合、VOC成分を低減できないのみならず、増加する場合があることが分かる。これに対し、本発明の方法では、予め非メタン炭化水素を充分に除去するため、排ガス中のVOC成分を効果的に低減することができる。
図1は実施例1で用いた本発明の熱電併給装置における排ガスの処理フローを示す概略図である。 図2は比較例1で用いた従来の熱電併給装置における排ガスの処理フローを示す概略図である。 図3は比較例2で用いた熱電併給装置における排ガスの処理フローを示す概略図である。
符号の説明
1…エンジン
2…酸化ユニット
3…回収ユニット
4…脱硝ユニット

Claims (7)

  1. 往復動式エンジンからの排ガスを浄化するための排ガス浄化装置を備えた熱電併給装置であって、前記排ガス浄化装置が、前記エンジンから排出される排ガスの上流側から下流側に向かって、酸化触媒を含む酸化ユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット、脱硝触媒を含む脱硝ユニットの順で配設されている熱電併給装置。
  2. 酸化触媒が、耐火性無機担体に貴金属元素が担持された触媒である請求項1記載の熱電併給装置。
  3. 熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスを浄化する方法であって、前記排ガスを酸化触媒と接触させた後、排熱回収装置によって排ガスの熱エネルギーを回収し、さらに熱エネルギーが回収された排ガスを脱硝触媒と接触させる排ガスの浄化方法。
  4. 脱硝触媒との接触において、アンモニア又はアンモニアを生成する化合物を添加する請求項3記載の方法。
  5. 炭化水素が非メタン炭化水素である請求項4記載の方法。
  6. 排ガスを350〜600℃で酸化触媒と接触させ、生成した排ガスの熱エネルギーを回収し、180〜350℃で脱硝触媒と接触させる請求項4記載の方法。
  7. 熱電併給装置の往復動式エンジンから排出される排ガスを、酸化触媒を含むユニット、排熱回収装置を含む回収ユニット、脱硝触媒を含む脱硝ユニットの順に流通させて、前記排ガスの臭気物質及び窒素酸化物を除去する方法。
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