JP2005048655A - 筒内噴射式内燃機関および筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関および筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 筒内噴射式内燃機関において、点火プラグ周辺に所望の混合気の層を良好に形成すると共に、ピストンの重量増加や圧縮比の低下を抑制することを目的とする。
【解決手段】 内燃機関1は、燃焼室2の内部に燃料を直接噴射するインジェクタ6や、吸気弁Vi、排気弁Ve等を有し、燃焼室2の内部でピストン10を往復移動させて動力を発生するものである。ピストン10の頂面には、複数のキャビティ12a〜12cが吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向に沿って階段状に並設されている。インジェクタ6から噴射された燃料の少なくとも一部は、キャビティ12a〜12cの少なくとも何れかで吸気弁Viに向けて跳ね返される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筒内噴射式内燃機関および筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法に関する。
インジェクタによって燃焼室内に直接燃料が噴射される筒内噴射式内燃機関では、点火プラグ周辺に所望の混合気の層を形成するために、ピストンの頂面にキャビティ(凹部)を形成するのが一般的である。そして、この種の筒内噴射式内燃機関としては、ピストンの位置が変化してもインジェクタから噴射される燃料を順次衝突させることができるように、ピストン頂面(キャビティ内)の排気弁下方の領域に複数の段部が形成されているものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−27652号公報
しかしながら、上述のように構成される従来の内燃機関では、特に成層燃焼運転を実行する際に点火プラグ周辺に所望の混合気の層を形成すべくキャビティの深さをある程度大きくしておく必要があるので、その分だけピストン重量(特にピストン上部の重量)が増加してしまい、フリクションや、ピストンスラップ等の問題を招くおそれがある。また、ピストンのキャビティを深くすると圧縮比が低下してしまい、内燃機関における熱効率が低下してしまう。更に、ピストン頂面の排気弁側の領域に複数の段部を設けても、インジェクタから噴射される燃料が排気弁側の筒内壁面に達してしまうことがあり、内燃機関を高負荷、高回転域で運転する際に、燃焼室内の混合気を均質(ホモジニアス)に保つことが困難となる。
そこで、本発明は、点火プラグ周辺に所望の混合気の層を良好に形成可能とし、かつ、ピストンの重量増加や圧縮比の低下を抑制可能とする筒内噴射式内燃機関および筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法の提供を目的とする。
本発明による内燃機関は、筒内に燃料を直接噴射するインジェクタ、吸気弁および排気弁を有し、筒内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関において、ピストンの頂面に形成されており、インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を吸気弁に向けて跳ね返すことができるキャビティを備えることを特徴とする。
この筒内噴射式内燃機関では、インジェクタによって筒内に直接噴射された燃料の少なくとも一部がピストンの頂面に形成されているキャビティにより吸気弁に向けて跳ね返される。そして、キャビティで吸気弁に向けて跳ね返された燃料は、吸気弁の周辺から横方向(側方)に拡散していくことになる。これにより、この筒内噴射式内燃機関では、キャビティを浅くしても、筒内に所望の混合気の層を良好に形成可能となり、例えば成層燃焼運転時には、点火プラグ周辺に混合気の層が周囲の空気層から分離した状態で良好に形成(成層化)されることになる。
また、キャビティによりインジェクタからの燃料の少なくとも一部を吸気弁に向けて跳ね返すことにより、インジェクタから噴射される燃料が排気弁側の筒内壁面に達してしまうようなことが確実に抑制される。従って、この内燃機関を高負荷、高回転域で運転する際には、筒内に均質(ホモジニアス)な混合気の層を確実に形成することができる。そして、この筒内噴射式内燃機関によれば、良好な性能を確保しつつ、従来のものに比べてキャビティを浅くすることが可能となるので、圧縮比の低下やピストンの重量増加を抑制することができる。
また、本発明の筒内噴射式内燃機関は、キャビティを複数有し、複数のキャビティがピストンの頂面に並設されていると好ましい。
このように、ピストンの頂面に複数のキャビティを並設しておけば、各キャビティを浅くしておいても、燃料が各キャビティと衝突する際に小さな気流の乱れが発生することになり、このような気流の乱れによって燃料の拡散を促進させることができる。そして、かかる構成によれば、内燃機関の運転時にピストンの位置が変化しても、インジェクタから噴射された燃料を複数のキャビティの何れかと衝突させることができるので、インジェクタからの燃料の少なくとも一部を確実に吸気弁に向けて跳ね返すことが可能となる。
また、インジェクタは、吸気通路の下方に配置されており、複数のキャビティは、吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向に沿って階段状に並設されていると好ましい。
更に、インジェクタは、燃料噴射口が燃焼室の上部中央に臨むように配置されており、複数のキャビティは、概ね同心円状に並設されていると好ましい。
本発明による混合気形成方法は、筒内に燃料を直接噴射するインジェクタ、吸気弁および排気弁を有し、筒内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法であって、インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部をピストンに形成されているキャビティにより吸気弁に向けて跳ね返すことを特徴とする。
上述のように、本発明によれば、点火プラグ周辺に所望の混合気の層を良好に形成可能とし、かつ、ピストンの重量増加や圧縮比の低下を抑制可能とする筒内噴射式内燃機関および筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による内燃機関を示す部分断面図である。同図に示される内燃機関1は、燃焼室2の内部でガソリン等の燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室2内でピストン10を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図1には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
また、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる4バルブエンジンとして構成されており、各燃焼室2には、吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ2つずつ設けられている。各燃焼室2の2つの吸気ポートは、それぞれ吸気通路3に接続され、各燃焼室2の2つの排気ポートは、それぞれ排気通路4に接続されている。そして、内燃機関1のシリンダヘッドCHには、各吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室2ごとに配設されている。2体の吸気弁Viおよび2体の各排気弁Veは、例えば、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。
更に、内燃機関1は、点火プラグ5およびインジェクタ6を気筒数に応じた数だけ有しており、点火プラグ5とインジェクタ6とは、燃焼室2ごとに少なくとも1体ずつ備えられている。図1に示されるように、点火プラグ5は、対応する燃焼室2の上部中央付近に臨むようにシリンダヘッドCHに装着されている。また、本実施形態では、いわゆるサイドインジェクション方式が採用されており、インジェクタ6は、図1に示されるように、燃焼室2に連なる吸気通路3の下方に位置するようにシリンダヘッドCHに装着されている。そして、各インジェクタ6は、対応する燃焼室2に対して側方から燃料を直接噴射する。
一方、ピストン10の頂面には、図1〜図3に示されるように、2体の吸気弁Viに対応するバルブリセス11iと、2体の排気弁Veに対応するバルブリセス11eとが形成されている。各バルブリセス11iおよび11eは、吸気弁Viまたは排気弁Veの弁体の外径に応じた内径を有する円形の浅い凹部として形成されている。このように、ピストン10の頂面にバルブリセス11iおよび11eを形成しておくことにより、各吸気弁Viと各排気弁Veとをオーバーラップさせても、ピストン10と各吸気弁Viおよび各排気弁Veとが干渉し合ってしまうことを防止することができる。
更に、内燃機関1では、各燃焼室2の内部にインジェクタ6から燃料が直接噴射されることを踏まえて、点火プラグ5の周辺に所望の混合気の層を形成すべく、ピストン10の頂面(バルブリセス11iおよび11eの底面)に複数のキャビティ12a,12bおよび12cが形成されている。本実施形態において、各キャビティ12a〜12cは、上方から見て概ね矩形を呈すると共に側方から見て概ね楔状を呈する凹部として形成されており、概ね平坦な底面と、底面からなだらかに立ち上がる側壁面および後壁面とを有する。そして、各キャビティ12a〜12cの最深部の深さは、バルブリセス11iおよび11eの底面からおよそ数ミリ程度とごく浅く設定されている。
また、本実施形態において、各キャビティ12a〜12cは、全体に吸気弁Vi側に寄せられた状態で、インジェクタ6から噴射されて吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向、すなわち、ピストンピン10p(図1参照)の延在方向と直交する方向(図1および図3において矢印で示される方向)に沿って階段状に並設されている。そして、各キャビティ12a〜12cの底面、側壁面および後壁面の傾斜度は、インジェクタ6から噴射された燃料の少なくとも一部が吸気弁Viに向けて跳ね返されるように(吸気弁Viの弁体裏面に燃料が衝突するように)設定されている。
上述のように構成された内燃機関1において成層燃焼運転が実行される場合、主に圧縮行程で(燃焼室2内に空気を吸入させた状態で)、インジェクタ6から燃焼室2の内部にガソリン等の燃料が直接噴射される。そして、インジェクタ6によって燃焼室2内に直接噴射された燃料の少なくとも一部は、ピストン10に形成されているキャビティ12a〜12cの少なくとも何れかにより吸気弁Vi(弁体の裏面)に向けて跳ね返される。そして、キャビティ12a〜12cの少なくとも何れかで吸気弁Viに向けて跳ね返された燃料は、吸気弁Viの周辺から横方向(側方、すなわち、ピストンピン10pの延在方向)に拡散していくことになる。これにより、内燃機関1では、各キャビティ12a〜12cを浅くしても、点火プラグ5の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。
また、キャビティ12a〜12cによりインジェクタ6からの燃料の少なくとも一部を吸気弁Viに向けて跳ね返すことにより、インジェクタ6から噴射される燃料が排気弁Ve側の筒内壁面に達してしまうようなことが確実に抑制される。従って、内燃機関1を高負荷、高回転域で運転する際には、吸気行程でインジェクタ6から燃焼室2の内部に燃料を直接噴射することにより、燃焼室2の内部に均質(ホモジニアス)な混合気の層を確実に形成可能となる。このように、内燃機関1では、各キャビティ12a〜12cを浅くしても、燃焼室2の内部に所望の混合気の層を良好に形成可能となる。そして、内燃機関1では、良好な性能を確保しつつ、従来のものに比べて各キャビティ12a〜12cを浅くすることが可能となるので、圧縮比の低下やピストン10の重量増加を抑制することができる。
更に、複数のキャビティ12a〜12cをピストン10の頂面に階段状に並設することにより、各キャビティ12a〜12cを浅くしておいても、燃料が各キャビティ12a〜12cと衝突する際に小さな気流の乱れが発生することになり、このような気流の乱れによって燃料の拡散を促進させることができる。加えて、複数のキャビティをピストン10の頂面に階段状に並設しておけば、内燃機関1の運転時にピストン10の位置が変化しても、インジェクタ6から噴射された燃料を複数のキャビティ12a〜12cの何れかと衝突させることができる。これにより、インジェクタ6からの燃料の少なくとも一部を確実に吸気弁Viに向けて跳ね返すことが可能となる。
図4は、上述の内燃機関1の出力特性と、一般的な深皿頂面型ピストンを備えた内燃機関の出力特性とを対比させたグラフである。また、図5は、上述の内燃機関1の燃費率と、一般的な深皿頂面型ピストンを備えた内燃機関の燃費率とを対比させたグラフである。図4および図5において、実線は、内燃機関1のデータを示し、破線は、比較例の内燃機関のデータを示す。図4および図5に示される評価結果からわかるように、上述の内燃機関1では、高回転域において出力の低下が抑制されると共に、高回転運転時における燃費率が低下しており、これらの結果より、内燃機関1では、高回転域において、燃焼室2内に均質な混合気の層が良好に形成されているものと推定される。このように、インジェクタ6から噴射された燃料の少なくとも一部をピストン10に形成されているキャビティ12a〜12cにより吸気弁Viに向けて跳ね返すことは、内燃機関の高負荷、高回転域における高出力化、低燃費化を図る上で極めて有効である。
図6〜図9は、上述の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。図6に示されるピストン10Aでは、キャビティ12a〜12cが上方から見て概ね扇状を呈する共に側方から見て概ね楔状を呈する凹部として形成されている。また、図7に示されるピストン10Bでは、最も吸気弁Viに近いキャビティ12aが吸気弁Vi用の2つのバルブリセス11iと干渉しないように形成されると共に、バルブリセス11iの底面に、上方から見て概ね円形のキャビティ12bが形成されている。これらのピストン10Aやピストン10Bも重量増加を抑制可能なものであり、ピストン10Aやピストン10Bを上述の内燃機関1に適用しても、圧縮比の低下を抑制すると共に、点火プラグ5の周辺に所望の混合気の層を良好に形成することが可能となる。
また、図8に示されるピストン10Cや図9に示されるピストン10Dのように、キャビティの幅w(インジェクタ6から噴射されて吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向と直交する方向における長さ、すなわち、ピストンピン10p(図1参照)の延在方向における長さ)をインジェクタ6によって噴射される燃料の噴霧幅に合わせて設定(拡大)してもよい。これにより、インジェクタ6から燃焼室2内に噴射された燃料の横方向(側方)への拡散をより効果的に促進させることができる。この場合、キャビティの幅wは、インジェクタ6による最大噴霧幅よりも多少大きめに設定されると好ましい。
なお、図8のピストン10Cは、吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向における長さが比較的小さい合計4つのキャビティ12a〜12dを有している。そして、図8のピストン10Cでは、最も吸気弁Viに近いキャビティ12aが上方から見て概ね扇状を呈するように形成されており、最も排気弁Veに近いキャビティ12dの幅がキャビティ12bおよび12cに比べて小さく設定されている。また、図9のピストン10Dでは、最も吸気弁Viに近いキャビティ12aから、上方から見て扇状を呈する凹部が吸気弁Viに向けて延設されている。これらのピストン10Cやピストン10Dも重量増加を抑制可能なものであり、ピストン10Cやピストン10Dを上述の内燃機関1に適用しても、圧縮比の低下を抑制すると共に、点火プラグ5の周辺に所望の混合気の層を良好に形成することが可能となる。
図10は、本発明による内燃機関の他の実施形態を示す部分断面図である。なお、上述の実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図10に示される内燃機関1Aも、燃焼室2の内部でガソリン等の燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室2内でピストン10Eを往復移動させることにより動力を発生するものである。内燃機関1Aも、インジェクタ6を気筒数に応じた数だけ有するが、本実施形態では、いわゆるセンターインジェクション方式が採用されており、インジェクタ6は、図10に示されるように、その燃料噴出口が燃焼室2の上部中央付近に臨むようにシリンダヘッドCHに配置されている。
そして、内燃機関1Aのピストン10Eの頂面には、キャビティ120a〜120cが複数形成されている。図10〜図12に示されるように、キャビティ120a〜120cは、何れも環状の凹部として形成されており、それぞれの中心がピストン両面の中心10oよりも排気弁Ve側にオフセットされた状態で、ピストン10Eの頂面(バルブリセス11iおよび11eの底面)に概ね同心円状に並設されている。各キャビティ120a〜120cの最深部の深さも、バルブリセス11iおよび11eの底面からおよそ数ミリ程度とごく浅く設定されている。
上述のように構成された内燃機関1Aにおいても、インジェクタ6によって燃焼室2の上部中央に直接噴射された燃料の少なくとも一部がピストン10Eに形成されているキャビティ120a〜120cの少なくとも何れかにより吸気弁Vi(弁体の裏面)に向けて跳ね返される。これにより、インジェクタ6から噴射される燃料が排気弁Ve側の筒内壁面に達してしまうようなことが確実に抑制され、キャビティ12aで吸気弁Viに向けて跳ね返された燃料は、吸気弁Viの周辺から横方向(側方、すなわち、ピストンピン10pの延在方向)に拡散していくことになる。
これにより、内燃機関1の成層燃料運転時には、点火プラグ5の近傍に燃料と空気との混合気の層を周囲の空気層と分離した状態で形成(成層化)可能となり、内燃機関1を高負荷、高回転域で運転する際には、燃焼室2の内部に均質(ホモジニアス)な混合気の層を確実に形成可能となる。このように、内燃機関1Aでは、各キャビティ120a〜120cを浅くしても、燃焼室2の内部に所望の混合気の層を良好に形成可能となる。そして、内燃機関1Aでは、良好な性能を確保しつつ、従来のものに比べて各キャビティ120a〜120cを浅くすることが可能となるので、圧縮比の低下やピストン10Eの重量増加を抑制することができる。
更に、複数のキャビティ12a〜12cをピストン10Eの頂面に階段状に並設することにより、各キャビティ12a〜12cを浅くしておいても、燃料が各キャビティ12a〜12cと衝突する際に小さな気流の乱れが発生することになり、このような気流の乱れによって燃料の拡散を促進させることができる。加えて、複数のキャビティをピストン10Eの頂面に階段状に並設しておけば、内燃機関1の運転時にピストン10Eの位置が変化しても、インジェクタ6から噴射された燃料を複数のキャビティ12a〜12cの何れかと衝突させることができる。これにより、インジェクタ6からの燃料の少なくとも一部を確実に吸気弁Viに向けて跳ね返すことが可能となる。
本発明による内燃機関の一実施形態を示す部分断面図である。 図1の内燃機関のピストンを示す斜視図である。 図2のピストンの上面図である。 本発明による内燃機関の出力特性と、一般的な深皿頂面型ピストンを備えた内燃機関の出力特性とを対比させたグラフである。 本発明による内燃機関の燃費率と、一般的な深皿頂面型ピストンを備えた内燃機関の燃費率とを対比させたグラフである。 図1の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。 図1の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。 図1の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。 図1の内燃機関に適用可能なピストンの他の例を示す斜視図である。 本発明による内燃機関の他の実施形態を示す部分断面図である。 図10の内燃機関のピストンを示す斜視図である。 図11のピストンの上面図である。
符号の説明
1,1A 内燃機関
2 燃焼室
5 点火プラグ
6 インジェクタ
10,10A,10B,10C,10D,10E ピストン
11i,11e バルブリセス
12a,12b,12c,12d,120a,120b,120c キャビティ
Vi 吸気弁
Ve 排気弁

Claims (5)

  1. 筒内に燃料を直接噴射するインジェクタ、吸気弁および排気弁を有し、前記筒内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関において、
    前記ピストンの頂面に形成されており、前記インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を前記吸気弁に向けて跳ね返すことができるキャビティを備えることを特徴とする筒内噴射式内燃機関。
  2. 前記キャビティを複数有しており、前記複数のキャビティは、前記ピストンの前記頂面に並設されていることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
  3. 前記インジェクタは、吸気通路の下方に配置されており、前記複数のキャビティは、吸気側から排気側に向かう燃料の流れ方向に沿って階段状に並設されていることを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関。
  4. 前記インジェクタは、燃料噴射口が前記燃焼室の上部中央に臨むように配置されており、前記複数のキャビティは、概ね同心円状に並設されていることを特徴とする請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関。
  5. 筒内に燃料を直接噴射するインジェクタ、吸気弁および排気弁を有し、前記筒内でピストンを往復移動させて動力を発生する筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法であって、
    前記インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を前記ピストンに形成されているキャビティにより前記吸気弁に向けて跳ね返すことを特徴とする筒内噴射式内燃機関の混合気形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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