JP2005047846A - 3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法 - Google Patents

3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 含水NaSHをアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と反応させる工程を経て得られるNaSHと、式(1)で示される3−ハロプロピルアルコキシシランとを反応させる式(2)で示される3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
X(CH23SiRn(OR13-n (1)
HS(CH23SiRn(OR13-n (2)
(XはCl、Br又はI、Rは同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の一価炭化水素基、R1は同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜2の整数を表わす)
【効果】 本発明の製造方法によれば、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを高収率で得ることができ、加えて安全技術面、毒物学的な面、臭気の面及びその腐食性においても、非常に問題の大きな硫化水素ガスを全く使用しないか、もしくは必要最小限の使用のみで製造可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シランカップリング剤、変性シリコーンの原料及びプラスチックの改質剤等として有用な3−メルカプトプロピル基を含有する3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法に関する。
3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランもしくは3−メルカプトプロピルモノアルキルジアルコキシシランは、一般にシランカップリング剤として知られており、ガラス・金属・珪石といった無機質材料と汎用の各種合成樹脂等の有機質材料とを化学的に強固に結合できる接着剤として様々な分野で使用されている。適用できる汎用の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルといった熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂といった熱硬化性樹脂及びウレタンラバー、ポリサルファイド、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ニトリルラバー、S架橋のエチレンプロピレンモノマー(EPM)等といったエラストマーやゴム等、非常に広範囲にわたる。特に上記アルコキシシランで化学的に処理されたシリカ、クレー又はタルク等を硫黄加硫系のエラストマー(S架橋のEPM等)に添加した場合には、エラストマーの諸物性を大きく改良することが知られている。また、タイヤ等への応用ではシリカの分散性や強度の向上に有用である。
3−メルカプトプロピル基を含有する3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法は、従来から以下のような方法が知られているが、それぞれに固有の問題点があり、早急な対策が望まれていた。
1)3−メルカプトプロピルアルコキシシランを含むメルカプトアルキルアルコキシシランの製法として、ハロアルキルアルコキシシランとチオ尿素とのアンモニア存在条件における反応による方法が知られている(特公昭50−7587号公報、独国特許発明第3346910号明細書、特公平4−16476号公報(特許文献1〜3))。しかし、これらの方法においては、副生物として非常に嵩張る性質のグアニジン塩酸塩が生成するという問題があり、また廃棄処理も困難である。ろ過性については、種々の溶剤を使用することにより、改良もされているが、DMFといった極性溶剤は高価なだけでなく、高沸点のために目的物との分離も容易でなく、分離に要するエネルギーは製造コストの高騰を引き起こすという問題があった。また、トリクロロエチレンといった溶媒は近年環境に対する問題や人体に対する毒性の問題が非常に大きい。
2)アミン類の存在において、ハロアルキルアルコキシシランと硫化水素ガスを反応させる方法(特公昭60−2312号公報:特許文献4)も知られている。しかし、1MPa以上の高圧条件が必要であり、アミン類や有毒の硫化水素ガスの取扱上の問題、設備対応の問題及び安全性の問題があった。
3)ナトリウムメトキシド(市販品もしくは金属ナトリウムとメタノールを反応させて調製したもの)と硫化水素ガスを反応させた後、3−ハロプロピルアルコキシシランを反応させる方法も知られている(英国特許第1102251号明細書、特開平4−261188号公報、特開平8−291184号公報、特開平8−291185号公報(特許文献5〜8))。なお、特開平8−291185号公報では、その他にもNa2Sと硫化水素ガスを反応させて系内でNaSHを調製後に、3−ハロプロピルアルコキシシランを反応させる方法も合わせて記載されている。
ここで、上記の方法を本質的に考えれば、結局何らかの方法で調製されたNaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとを反応させるということに帰結するわけであるが、これらの方法においてはいずれにも種々の問題があった。
例えば、原料の1つとされる無水Na2Sは一般的に市販されておらず、それを工業的に安価に入手するためには困難を有するし、また仮に入手できたとしても、無水Na2Sは空気中の酸素・炭酸ガス等によっても劣化を受ける性質があるため、反応器内に仕込む際の実質的に回避できない空気との接触によって、純度が劣化して目的物の収率が低下してしまうおそれもある。更に、市販の含水Na2Sを何らかの方法によって脱水する方法を取るにしても、その手間が新たに掛かるだけでなく、NaSHを得るには更にもう一段の合成工程(硫化水素ガスとの反応)が必要であるため、非常に煩雑である。
また、ナトリウムメトキシドから調製するにしても、ナトリウムメトキシドは長期の貯蔵安定性が低いという不安があるし、反応器内で金属ナトリウムと硫化水素ガスからナトリウムメトキシドを調製するにしても、極めて厳密に水分との接触を避けなければならないことから、取り扱いが非常に困難な金属ナトリウムを使用しなければならないという問題がある。
また、上記の方法のいずれも、硫化水素ガスを大量に使用しなくてはならず、安全技術面、毒物学的な面、臭気の面においてや、更にその腐食性についても問題が大きいガスであるため、取り扱いが非常に困難であるだけでなく、種々の設備における安全対策等に大きな負担が必要であった。また、一般の企業にとっては、硫化水素ガスは比較的高額の購入原料であり、それを大量に使用する方法は製造コストの高騰につながるといった問題やボンベの搬出入においても人手を要するといった問題があった。
なお、含水NaSHから直接反応に使用し得る形態NaSHを調製する方法、即ち含水NaSHの脱水方法については、含水NaSHを一般的に減圧条件で加熱したり、不活性ガス流通条件で加熱する方法が従来より知られている(特開平6−258503号公報、特開平6−258502号公報、特開平6−256005号公報、特開平6−256003号公報(特許文献9〜12))。
しかし、いずれの方法も脱水時の加熱によって溶融し、反応器の内壁に付着してしまうNaSHを、壁に付着しない様にするための手段(反応器から取り出しやすい形態を得るための手段)を主として提供する特殊な方法であったことから、脱水工程における温度管理や圧力管理に厳密な操作が必要という問題があった。
また、上記方法によればNaSHの粉末を工程の途中で反応器内に投入する等の現実的には操作困難かつ危険な工程を要するといった問題もあった。更に、いずれの方法も溶媒を使用しないため、反応器内部の固形化したNaSHの撹拌にはエバポレーター等の特殊な製造設備を使用せねばならず、煩雑であり、一般的ではなかった。
ここで、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを得るための反応原料として使用するNaSHに水分が含まれていると、もう一つの原料である3−ハロプロピルアルコキシシランもしくは目的物の3−メルカプトプロピルアルコキシシランのそれぞれのアルコキシ基がその含有水分と加水分解反応するため、反応中に高沸点のシロキサンオリゴマーやシロキサンゲルが副生し、収率の低下や純度の劣化が引き起こされることである。従って、反応原料のNaSHは水分を含まない(無水状態に近い)方がより好ましい。
上記より、1)及び2)の方法はもとより、1)及び2)の方法よりはいくつかの点で改良されている3)の方法にしても、未だ問題を有しており、反応原料のNaSHを得るに際して、工業的規模で容易に入手可能かつ安価な原料の使用だけで、硫化水素ガスや金属ナトリウムに代表されるような特に有毒であったり、取り扱いが困難であるような物性の原料を極力使用せず、加えて一般的な合成設備で、穏やかな反応条件で、簡便な操作で実施でき、次いで、このNaSHを用いることにより、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを高収率に得る製造方法については、未だよい方法が知られておらず、早急な解決策の確立が望まれていた。
特公昭50−7587号公報 独国特許発明第3346910号明細書 特公平4−16476号公報 特公昭60−2312号公報 英国特許第1102251号明細書 特開平4−261188号公報 特開平8−291184号公報 特開平8−291185号公報 特開平6−258503号公報 特開平6−258502号公報 特開平6−256005号公報 特開平6−256003号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、反応原料のNaSHを得るに際して、工業的規模で容易に入手可能かつ安価な原料の使用だけで、硫化水素ガスや金属ナトリウムに代表されるような特に有毒であったり、取り扱いが困難であるような物性の原料を極力使用せず、加えて一般的な合成設備で、穏やかな反応条件で、簡便な操作で実施でき、次いで、このNaSHを用いることにより3−メルカプトプロピルアルコキシシランを高収率で得ることができ、加えて安全技術面、毒物学的な面、臭気の面及びその腐食性においても、非常に問題の大きな硫化水素ガスを全く使用しないか、もしくは必要最小限の使用のみで製造が可能な3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを、NaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応で合成する方法において、反応原料のNaSHを得るに際して、工業的規模で容易に入手可能かつ安価な原料の使用だけで、硫化水素ガスや金属ナトリウムに代表されるような特に有毒であったり、取り扱いが困難であるような物性の原料を極力使用せず、加えて一般的な合成設備で、穏やかな反応条件で、簡便な操作で実施できる方法について、鋭意検討した。その結果、これには工業的規模で容易に入手可能かつ安価な含水NaSHを、同様に容易に入手できるアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンと、一般的な合成設備、かつ穏やかな反応条件で、簡便な操作で実施できる方法によって反応させることにより、含水NaSHが含む水分をアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンと加水分解反応させ、化学的に除去することによってNaSHを脱水し、次いで3−ハロプロピルアルコキシシランと反応させることにより、3−メルカプトプロピルアルコキシシランが高収率で得られ、上記目的を達成し得ることを見出した。
加えて、NaSHの調製において、前記したような種々の問題がある硫化水素ガスを全く使用せずに済み、更に、次工程のNaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応においても、硫化水素ガスを全く使用しないかもしくは必要最小量を使用するのみで3−メルカプトプロピルアルコキシシランが製造できることを知見した。
また、NaSHの調製時(含水NaSHの水分により、アルコキシ基を有するケイ素化合物のアルコキシ基が加水分解する際)に副生するアルコール類は、次工程のNaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応において、反応溶媒として利用されるため、非常に効率的な方法であり、このため単位容積当たりの収率が高いことも知見した。
更に、上記方法により調製したNaSHを含んだ反応混合物は、工程全般を通して固化することなく、スラリー状態で取り扱うことができるため、反応混合物の撹拌において、物理的な支障が発生する可能性がないという利点を有すること、また、含水NaSHは、従来の脱水方法であれば、脱水する過程の中で融点を超えた加熱条件に晒されると溶融する場合があり、その際にその強アルカリ性溶融塩の性質のために、容器の材質がガラスライニングであるとガラス表面が傷んでしまうという問題が発生する場合があるが、本発明においてはそのような問題が発生する可能性がないという利点をも有することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、含水NaSHをアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と反応させる工程を経て得られるNaSHと、下記一般式(1)で示される3−ハロプロピルアルコキシシランとを反応させることを特徴とする下記一般式(2)で示される3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法を提供する。
X(CH23SiRn(OR13-n (1)
HS(CH23SiRn(OR13-n (2)
(式中、XはCl、Br又はIであり、Rは同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、R1は同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数を表わす。)
本発明の製造方法によれば、工業的規模で容易に入手可能かつ安価な原料の使用だけで、硫化水素ガスや金属ナトリウムに代表されるような特に有毒であったり、取り扱いが困難であるような物性の原料を使用せず、加えて一般的な合成設備で、穏やかな反応条件かつ簡便な操作で、反応原料のNaSHを得ることができ、これを用いることにより、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを高収率で得ることができ、加えて安全技術面、毒物学的な面、臭気の面及びその腐食性においても、非常に問題の大きな硫化水素ガスを全く使用しないか、もしくは必要最小限の使用のみで製造可能である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明において、NaSHの調製方法(即ち含水NaSHの脱水工程)は、含水NaSHとアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物とを混合して、含水NaSH中の水分とアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物とを反応させることにより実施される。ここでの反応の本質は、含水NaSH中の結晶水が、有機ケイ素化合物が有するアルコキシ基との加水分解反応に供されるために、水分が化学的に除去されるものである。より詳しくは、含水NaSHとアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を混合した際、下記式(5)で表される加水分解反応が起こるため、含水NaSH中の結晶水は化学的に除去される。(ここで、SiOR’は、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物中のケイ素原子結合アルコキシ基を表し、SiOHはシラノール基を表す。また、R’は一価の有機基である。)
2O+SiOR’→SiOH+R’OH (5)
なお、シラノールは引き続いて脱水縮合してシロキサンに転換するため、脱水工程における化学反応は、結果的には下記式(6)で表されることになる。(ここで、SiOSiはシロキサンを表す。R’は上記と同じ。)
2O+2SiOR’→SiOSi+2R’OH (6)
以下に、脱水工程の操作を更に詳しく説明すると、脱水工程は、十分に窒素等の不活性ガスで内部置換された反応容器に、フレーク状の含水NaSHを仕込み、次いで適量のアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を混合し、適温条件で撹拌することによって実施される。
含水NaSHは、通常フレーク状固形物で市販されており、工業的に大量に安価に入手できる原料である。なお、含水量は、一般的に市販されているもので、フレーク量に対して通常10〜40質量%、特に20〜30質量%である。本発明においては、あらかじめ水分含量がわかっていれば、アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの量を相応量に変えるだけでよく、従って含水NaSHがどのような水分含量の場合でも対応可能である。なお、上記脱水工程により調製されるNaSHの含水量は、1質量%以下、特に0.5質量%以下が好ましい。
本発明において使用されるアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物は、種々の形態のものが使用可能であり、基本的に制限はないが、好ましくはR1O−で表されるアルコキシ基(R1は炭素数1〜4のアルキル基)を有するアルコキシシラン又はシロキサンであり、より好ましくはケイ素原子にアルコキシ基が4個ないしは3個結合したアルコキシシラン、又はケイ素原子にアルコキシ基が3個ないしは2個結合した構成要素を持つシロキサンが望ましい。なお、アルコキシシラン及びアルコキシ基を有するシロキサンのいずれにおいても、ケイ素原子にアルコキシ基以外の基が結合される場合は、NaSHと反応しない性質、NaSHに影響を受けない性質及び目的物のメルカプト基とも反応しない性質のものが好ましい。このようなケイ素原子に結合したアルコキシ基以外の基として、具体的には、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基等が好ましい。
アルコキシシランとしては、下記一般式(3)
SiR2 m(OR14-m (3)
(式中、R1は上記と同じ、R2は炭素数1〜6のアルキル基等の一価炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよい。mは0又は1を表わす。)
で示されるものが好ましく、このようなアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン等が挙げられ、いずれのアルコキシシランも工業的規模で安価に入手することができる。また、これらのうち、特にはアルコキシ基を4個有する構造のものが好ましい。
本発明において、目的物のアルコキシ基がメトキシ基の場合には、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランを用いることが好ましく、エトキシ基の場合には、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシランを用いることが好ましい。その理由は、上記に例示した中では分子量が小さく、系内の水分を化学的に除去するために必要なアルコキシシランの使用量を極力少なくすることができること、水分との反応性が比較的良好であること、及び工業的に安価なため経済的にも有利なことである。なお、理論的にはアルコキシ基が1個又は2個のアルコキシシランも使用可能であるが、一般的にはアルコキシ基が4個又は3個のアルコキシシランに比べると、水分除去に必要な量が多量となり、経済的に不利になる場合がある。
また、アルコキシ基を有するシロキサンの具体例としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、オクタメトキシトリシロキサン、デカメトキシテトラシロキサン、ヘキサメトキシシクロトリシロキサン、ヘキサエトキシシクロトリシロキサン、オクタメトキシシクロテトラシロキサン、メチルペンタメトキシジシロキサン、1,1’−ジメチル−テトラメトキシジシロキサン、1,1−ジメチル−テトラメトキシジシロキサン、1,1,1−トリメチルトリメトキシシロキサン等の他に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基もしくはメチルジエトキシシリル基を構成要素として有する重量平均分子量200〜100,000、特には200〜2,000のシロキサン類等が挙げられる。
アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの使用量は、含水NaSH中の水分が、アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの有するアルコキシ基との加水分解反応によって化学量論的に完全に除去されるために要する量であることが好ましく、より好ましくは、含水NaSH中の水分に対して当量から2当量程度のアルコキシ基を有するアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの使用が望ましい。多すぎるとかえって無用の不純物を発生させる可能性があるばかりか、経済的にも不利な場合があり、少なすぎると含水NaSH中の水分が十分に除去されないおそれがあり、この場合、目的物である3−メルカプトプロピルアルコキシシランが加水分解反応して、その収量が低減することにつながるおそれがある。
本発明においては、含水NaSHとアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの加水分解反応によって副生するアルコール類と同じアルコール類を反応溶媒としてあらかじめ混合しておくと、NaSHがアルコール類に比較的良好に溶けるため、反応混合物の撹拌性及び加水分解反応の効率を向上させることができる。また、反応混合物の撹拌性向上等の目的で、上記アルコール類とは別種の有機溶媒を用いることや、これと上記アルコール類とを併用することもできるが、疎水性を上げるような炭化水素系溶媒や芳香族系溶媒は、加水分解反応による脱水工程の効率を下げる可能性がある。
脱水工程の反応溶媒としては、下記一般式(4)
1OH (4)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で示されるアルコール類が好ましく、このようなアルコール類の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられる。特に、使用するアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサン及び目的物のアルコキシ基が、いずれもメトキシ基の場合にはメチルアルコール、エトキシ基の場合にはエチルアルコールが好ましい。
反応溶媒としてのアルコール類の使用量に特に制限はないが、望ましくはアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの加水分解により副生するアルコール類との総和が、次工程の3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応工程が十分に生起し、かつ撹拌性が十分に確保できるような量であることが好ましい。具体的には、アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの加水分解により副生するアルコール類との総和で、NaSHの濃度が10〜40質量%となるような量が好ましい。40質量%を超える量では反応混合物の撹拌が難しくなる場合がある。なお、10質量%未満では単位容積当たりの収量が少なくなり、経済的に不利となる場合がある。
また、目的物である3−メルカプトプロピルアルコキシシランのアルコキシ基とは異なったアルコキシ基を有するアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサン、及び反応溶媒としてのアルコール類を使用する場合、次工程の3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応において、アルコキシ基の交換反応により、目的物の純度劣化が生じるおそれがある。このような場合、脱水工程の後に副生したアルコール類を目的物である3−メルカプトプロピルアルコキシシランのアルコキシ基に対応するアルコール類に置換する必要等が生じることから、好ましくは目的物である3−メルカプトプロピルアルコキシシランのアルコキシ基と同じアルコキシ基を有するアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサン、及び反応溶媒としてのアルコール類を選択することが望ましい。
脱水工程において、アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの添加方法としては、特に制限はないが、含水NaSH及び反応溶媒との混合物に逐時滴下してもよいし、これらと共に一括で投入してもよい。
脱水工程において、上記したアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンは、含水NaSH中の水分と加水分解反応することにより、新たに高沸点のシロキサン類に転換する。この時、アルコキシ基の数や選んだ基質によっては、微細粒状のシロキサンゲル物となって反応混合物中に析出したり、粘稠な液体のシロキサンオイルとなる。この際、目的物と沸点が近くて分離がしにくいようなシロキサン類が副生しないよう基質の選択や使用量を配慮することが好ましい。なお、副生シロキサン類が微細粒状のシロキサンゲル物になる場合は、その後の反応混合物の後処理段階で、ろ過や遠心分離等の操作によって分別することができる。また、シロキサンオイルのような高沸点の液体になる場合は、目的物の蒸留精製段階で蒸留釜液中の残留物として分別することができる。
フレーク状の含水NaSHは、反応溶媒として添加したアルコール類及びアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの加水分解反応によって副生してくるアルコール類に、部分的に溶解ないしは全溶解の状態となり、その状態のまま加水分解反応が進むにつれて次第に無水化して行く。この際、選んだアルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンの種類によっては、加水分解反応が進むにつれて、反応混合物中に副生したシロキサンゲル物が徐々に析出してくるようになる。しかし、このゲル物は微細な粒子形状をしており、大きな固まりになることはなく、該反応混合物は撹拌可能なスラリー状態となる。このため、その状態のまま次工程の3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応工程に進むことができる。なお、脱水工程の後に、ろ過操作や遠心分離等により上記シロキサンゲル物を除去しても差し支えないが、工程を簡略化するためには、シロキサンゲル物を特に除去せずに、そのまま次工程の3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応工程に進み、その工程で副生するハロゲン化ナトリウムをろ過操作や遠心分離等により除去する際に一緒に除去することが好ましい。また、更に上記ろ滓中のシロキサンゲル物とハロゲン化ナトリウムを分別する場合には、ろ滓を水洗する等の手段を講じることができる。
脱水工程の温度条件は、一般的には0〜200℃の条件で実施される。低すぎると加水分解反応が遅延して脱水効率が低下する可能性があり、高すぎるとNaSHの変質のおそれがあるばかりか、無用なエネルギー損失につながる。好ましくは10〜100℃の条件範囲が選ばれ、より好ましくは10℃から使用するアルコール類の沸点温度を上限とすることが望ましい。なお、含水NaSHと反応溶媒としてのアルコール類との混合時、アルコキシシランもしくはアルコキシ基を有するシロキサンと含水NaSHとの混合時、及び加水分解反応時には緩やかな発熱が生じる場合がある。
圧力条件は、一般的には大気圧下条件が選ばれ、大気圧下条件で必要十分であるが、必要があれば加圧条件や減圧条件で実施しても差し支えはない。反応時間は1〜200時間の中で任意に選ぶことができ、特に制限はないが、一般的には1〜10時間程度で脱水反応は完結できる。また、反応の雰囲気は、窒素やアルゴン等の不活性ガスによって十分水分や空気を排除した状態が望ましい。
本発明において、目的物の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの合成は、上記脱水工程により得られたNaSHと、下記一般式(1)で示される3−ハロプロピルアルコキシシランとを混合して反応することにより実施される。
X(CH23SiRn(OR13-n (1)
(式中、XはCl、Br又はIであり、Rは同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、R1は同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数を表わす。)
上記式(1)中、XはCl,Br又はIが例示でき、R,R1はそれぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が例示できる。
このような3−ハロプロピルアルコキシシランの具体例としては、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリn−プロポキシシラン、
3−クロロプロピルトリイソプロポキシシラン、
3−クロロプロピルトリn−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルトリsec−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルトリイソブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジn−プロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジイソプロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジn−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジsec−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルジイソブトキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジメトキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジエトキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジn−プロポキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジイソプロポキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジn−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジsec−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルエチルジイソブトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルエトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルn−プロポキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルn−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルsec−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルジメチルイソブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルメトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルエトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルn−プロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルイソプロポキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルn−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルsec−ブトキシシラン、
3−クロロプロピルメチルエチルイソブトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリn−プロポキシシラン、
3−ブロモプロピルトリイソプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルトリn−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリsec−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルトリイソブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジn−プロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジイソプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジn−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジsec−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルジイソブトキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジメトキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジエトキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジn−プロポキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジイソプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジn−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジsec−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルエチルジイソブトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルn−プロポキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルn−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルsec−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルジメチルイソブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルメトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルエトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルn−プロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルイソプロポキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルn−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルsec−ブトキシシラン、
3−ブロモプロピルメチルエチルイソブトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリn−プロポキシシラン、
3−ヨードプロピルトリイソプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルトリn−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリsec−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリイソブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジメトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジエトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジn−プロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジイソプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジn−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジsec−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルジイソブトキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジメトキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジエトキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジn−プロポキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジイソプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジn−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジsec−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルエチルジイソブトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルメトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルエトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルn−プロポキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルn−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルsec−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルジメチルイソブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルメトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルエトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルn−プロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルイソプロポキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルn−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルsec−ブトキシシラン、
3−ヨードプロピルメチルエチルイソブトキシシラン
等が例示される。
なお、原料入手のし易さやコスト等から、XはClであることが好ましい。また、シランカップリング剤としては、トリアルコキシシランタイプ、もしくはジアルコキシシランタイプが一般的に用いられる。この際、R=メチル基、R1=メチル基もしくはエチル基であることが好ましい。
なお、NaSHと上記した3−ハロプロピルアルコキシシランの使用割合は、特に限定するものではないが、一般的には、無水NaSH1モルに対して3−ハロプロピルアルコキシシランが0.8〜1.2モルであることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.0モルになるような量である。上記量より3−ハロプロピルアルコキシシランが少ないと未反応のNaSH残分が多くなり、その影響により反応混合物がアルカリ性のままだと、蒸留精製時に留出される3−メルカプトプロピルアルコキシシラン中に3−メルカプトプロピルアルコキシシランからアルコールが脱離して環状体化した成分が混入する現象がより過度に生じてしまうおそれがあるばかりでなく、副生するハロゲン化ナトリウムのろ別時にろ過性の不良が生じてしまう場合がある。一方、上記量より3−ハロプロピルアルコキシシランが多いと、反応混合物中に未反応の3−ハロプロピルアルコキシシラン残分が多くなり、それと目的物との沸点差があまりないために、蒸留精製時において分離が難しくなったり、高純度の目的物留分の収量が低下する場合がある。
NaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの混合方法は、NaSHを含有する反応混合物に、3−ハロプロピルアルコキシシランを滴下することが一般的である。ただし、NaSHを含有する反応混合物から脱水工程で副生したシロキサンゲル物を除去して溶液状態にした場合、シロキサンゲル物を含んだスラリー状態でのフィードが可能である場合、もしくは脱水工程で液状のシロキサンオイルが副生した場合は、3−ハロプロピルアルコキシシランに、NaSHを含有する反応混合物を滴下する方法を取ることもできる。なお、滴下方法は、密閉・加圧条件であれば、反応容器に圧入するものであるが、開放・大気圧条件下にて原料を全量滴下後に、反応器を密閉・加圧条件にすることも可能である。
NaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応における反応温度・圧力・時間・滴下方法については、従来公知の条件を任意に選ぶことができるが、NaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応条件をより詳しく述べると、好ましくは、反応温度(滴下時・熟成時)は50〜150℃、圧力は大気圧〜2.0MPa、反応時間は1〜100時間の範囲で任意に選択することができる。反応器は、密閉・加圧条件でも大気圧下開放条件でも構わない。ただし、反応収率を向上させるには、密閉・加圧条件がより好ましい。なお、適用する圧力条件により、使用する反応器の型式を選定する必要があり、密閉・加圧条件では相応の耐圧容器(オートクレーブ等)を用いることが好ましい。
なお、本発明におけるNaSHは、従来知られている方法と比較して、全く硫化水素ガスを使わずに調製されるものであり、3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応においても全く硫化水素ガスを使わずに、3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応を行うことができる。これは、本発明の大きなメリットである。
また、本発明においては、前記したように硫化水素ガスを全く使用せずに目的物の合成を行うことができるが、副生物を減らして収率を若干上げるためには、従来公知の方法のように、密閉・加圧条件で、NaSHを含有する反応混合物に、任意の圧力になるまで硫化水素ガスを吹き込んだ後、3−ハロプロピルアルコキシシランを滴下する方法をとることもできる。この場合でも硫化水素ガスの使用量は、従来公知の方法に比べて非常に少なく、必要最小限の量で済むというメリットがある。
本発明により得られる3−メルカプトプロピルアルコキシシランは、下記一般式(2)で示されるものである。
HS(CH23SiRn(OR13-n (2)
(式中、Rは同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、R1は同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、これらR,R1は上記と同様のものを例示することができる。nは0〜2の整数を表わす。)
このような3−メルカプトプロピルアルコキシシランとして、具体的には、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリn−プロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリn−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリsec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリイソブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジn−プロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジイソプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジn−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジsec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジイソブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジn−プロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジイソプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジn−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジsec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルエチルジイソブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルn−プロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルイソプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルn−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルsec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルジメチルイソブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルn−プロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルイソプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルn−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルsec−ブトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルエチルイソブトキシシラン
等が例示される。これらの中で、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランは、シランカップリング剤として汎用な化合物であり、工業的に重要な化合物である。
なお、NaSHと3−ハロプロピルアルコキシシランとの反応終了後は、副生するハロゲン化ナトリウムが微粒子形状の塩として反応液中に混在しているために、一般的にはろ過操作や遠心分離等によって、塩を反応液から分別する必要がある。また、塩を分別後に、アルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等から選ばれる任意の溶媒で塩を洗うことにより、目的物の回収率を向上させることができる。なお、前記したように、NaSH合成(脱水工程)でシロキサンゲル物が副生し、それを脱水工程後に分別除去していない場合は、上記のハロゲン化ナトリウムの分別の際に、一緒に分別除去することができる。更に、分別したケーキを水で洗うことにより、ハロゲン化ナトリウムを溶かしてシロキサンゲル物と分けることも可能である。
次いで、塩やシロキサンゲル物等の固形分を分別した反応液から溶媒類を留去して濃縮し、引き続き一般的な蒸留方法により、3−メルカプトプロピルアルコキシシランを高純度に精製・回収することができる。好ましくは、減圧条件における蒸留操作が望ましい。なお、蒸留操作時に、反応混合物がアルカリ性であると、目的物からアルコールが脱離して、環状体化する副反応が起こる場合があるため、塩化水素、酢酸、ギ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フタル酸等の酸類や塩化水素を発生する試剤(ハロゲン化炭化水素類、クロロシラン類、酸塩化物等)等を添加して反応液を中和する等の措置を取ることもできる。また仮に、環状体の副生によって、目的物の純度が希望とする数値よりも低くなった場合においても、目的物のアルコキシ基に対応するアルコール類の環状体量に対しての適量を目的物の蒸留留分に後から添加すれば、上記環状体が容易に目的物に再び転化するため、高純度化は支障なく実施できる。
本発明の方法を実施する雰囲気は、全工程を通して、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気が好ましい。空気中の酸素や炭酸ガスによって、NaSHは変質する性質があり、更にNaSHそのものが潮解性を有する等、吸湿し易いため、空気中の水分を取り込み易く、水分が取り込まれれば、脱水した甲斐なく目的物の収率低下につながってしまう。また、本質的に原料及び目的物のアルコキシシランは水分と反応して加水分解する性質を有するため、水分の混入は好ましくない。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
ステンレス製で、撹拌機、温度計、安全弁、圧力計、注入ノズルを装備した500mLオートクレーブを準備し、内部を十分に窒素置換した。
このオートクレーブ中に、フレーク状の含水NaSH80g(含水量約26.3%(1.16モル)、NaSH約72%(1.03モル))及びメチルアルコール112gを仕込んだ。内温はNaSHの溶解により、27℃から31℃に上昇した。次いで、テトラメトキシシラン96g(0.63モル)を常圧条件で撹拌しつつ滴下した。この際、滴下管の均圧管を通して系内を大気圧条件とし、開放部分の末端は窒素ガスでシールした。テトラメトキシシランの滴下と共に次第に内温が上昇した。約1時間かけてテトラメトキシシランを滴下したところ、反応温度は30〜40℃まで上昇した。反応液中には徐々に白色で微細粒のシロキサンゲル物が析出し、スラリー状態になってきた。滴下終了後、オートクレーブを密閉条件にして70℃に昇温し(圧力は0.06〜0.07MPa)、2時間熟成した。
次いで、70℃、0.06MPaの条件より、3−クロロプロピルトリメトキシシラン203g(1.02モル)をダイヤフラム式の定量ポンプにて、オートクレーブ内に約2時間掛けて圧入したところ、圧入量と共に次第に圧力は0.13MPaにまで上昇した。次いで、70℃のままで、17時間熟成し、反応を完結させた(3−クロロプロピルトリメトキシシランの消失を確認)。圧力は、ゆっくりと0.18MPaまで上昇した。なお、この際、反応液の組成を調べると目的物の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに対して、系内に水分が存在すれば副生するはずの3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのダイマー(ビス(3−メルカプトプロピル)テトラメトキシジシロキサン)の量は痕跡量であった。従って、本発明の方法により、含水NaSHよりテトラメトキシシランとの反応による脱水工程を経て得られたNaSHがほぼ無水状態であり、同工程による脱水が十分効果的に実施し得たことを確認することができた。その後、30℃付近まで冷却し、圧力をパージした。
更に、酢酸1.2gを添加して、反応液を中和後、副生した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物を加圧ろ過にて除去した。また、ろ別した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物は150gのメタノールで洗い、洗液もろ液に加えた。次いで、蒸留操作を行った結果、164g(収率82%)の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが得られた。
本発明の方法により、工業的に安価に入手できる含水NaSHから、工業的に安価に入手できるテトラメトキシシランを用いて穏やかで簡便な方法にて無水NaSHが得られ、全く硫化水素ガスを使用しなくても、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを製造することができた。
[実施例2]
ステンレス製で、撹拌機、温度計、安全弁、圧力計、注入ノズルを装備した500mLオートクレーブを準備し、内部を十分に窒素置換した。
このオートクレーブ中に、フレーク状の含水NaSH80g(含水量約26.3%(1.16モル)、NaSH約72%(1.03モル))及びメチルアルコール112gを仕込んだ。内温はNaSHの溶解により、27℃から31℃に上昇した。次いで、テトラメトキシシラン96g(0.63モル)を常圧条件で撹拌しつつ滴下した。この際、滴下管の均圧管を通して系内を大気圧条件とし、開放部分の末端は窒素ガスでシールした。テトラメトキシシランの滴下と共に次第に内温が上昇した。約1時間かけてテトラメトキシシランを滴下したところ、反応温度は30〜40℃まで上昇した。反応液中には徐々に白色で微細粒のシロキサンゲル物が析出し、スラリー状態になってきた。滴下終了後、オートクレーブを密閉条件にして70℃に昇温し(圧力は0.06〜0.07MPa)、2時間熟成した。
次いで、70℃、0.06MPaの条件より、3−クロロプロピルトリメトキシシラン203g(1.02モル)をダイヤフラム式の定量ポンプにて、オートクレーブ内に約2時間掛けて圧入したところ、圧入量と共に次第に圧力は0.13MPaにまで上昇した。次いで、反応温度を100℃に上昇させ(圧力は0.36〜0.37MPaになった)、その後、7時間熟成し、反応を完結させた(3−クロロプロピルトリメトキシシランの消失を確認)。圧力は、0.36〜0.37MPaであった。なお、この際、反応液の組成を調べると目的物の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに対して、系内に水分が存在すれば副生するはずの3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのダイマー(ビス(3−メルカプトプロピル)テトラメトキシジシロキサン)の量は痕跡量であった。従って、本発明の方法により、含水NaSHよりテトラメトキシシランとの反応による脱水工程を経て得られたNaSHがほぼ無水状態であり、同工程による脱水が十分効果的に実施し得たことを確認することができた。その後、30℃付近まで冷却し、圧力をパージした。
更に、コハク酸2.4gを添加して、反応液を中和後、副生した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物を加圧ろ過にて除去した。また、ろ別した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物は150gのメタノールで洗い、洗液もろ液に加えた。次いで、蒸留操作を行った結果、168g(収率84%)の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが得られた。
[実施例3]
ステンレス製で、撹拌機、温度計、安全弁、圧力計、注入ノズルを装備した500mLオートクレーブを準備し、内部を十分に窒素置換した。
このオートクレーブ中に、フレーク状の含水NaSH80g(含水量約26.3%(1.16モル)、NaSH約72%(1.03モル))及びメチルアルコール112gを仕込んだ。内温はNaSHの溶解により、27℃から32℃に上昇した。次いで、テトラメトキシシラン96g(0.63モル)を常圧条件で撹拌しつつ滴下した。この際、滴下管の均圧管を通して系内を大気圧条件とし、開放部分の末端は窒素ガスでシールした。テトラメトキシシランの滴下と共に次第に内温が上昇した。約1時間かけてテトラメトキシシランを滴下したところ、反応温度は30〜40℃まで上昇した。反応液中には徐々に白色で微細粒のシロキサンゲル物が析出し、スラリー状態になってきた。滴下終了後、オートクレーブを密閉条件にして70℃に昇温し(圧力は0.06〜0.07MPa)、2時間熟成した。
更に、オートクレーブを30℃以下に冷却後、撹拌しながら、硫化水素ガスをボンベから系内に、27℃で圧力が0.05MPaの状態になるまで微量圧入した。次いで、マントルヒーターにより70℃に昇温した(圧力は0.13MPaになった)。その後、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン186g(1.02モル)をダイヤフラム式の定量ポンプにて、オートクレーブ内に約2時間掛けて圧入したところ、圧入量と共に次第に圧力は0.20MPaにまで上昇した。次いで、100℃に昇温した後(圧力は0.37MPaになった)、4時間熟成し、反応を完結させた(3−クロロプロピルメチルジメトキシシランの消失を確認)。圧力は、ゆっくりと0.40MPaまで上昇した。なお、この際、反応液の組成を調べると目的物の3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランに対して、系内に水分が存在すれば副生するはずの3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのダイマー(ビス(3−メルカプトプロピル)ジメチルジメトキシジシロキサン)の量は痕跡量であった。従って、本発明の方法により、含水NaSHよりテトラメトキシシランとの反応による脱水工程を経て得られたNaSHがほぼ無水状態であり、同工程による脱水が十分効果的に実施し得たことを確認することができた。また、硫化水素ガスの使用は必要最小限の量で実施可能であることを確認した。その後、30℃付近まで冷却し、圧力をパージした。
次いで、酢酸1.2gを添加して、反応液を中和後、副生した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物を加圧ろ過にて除去した。また、ろ別した塩化ナトリウム及びシロキサンゲル物は150gのメタノールで洗い、洗液もろ液に加えた。次いで、蒸留操作を行った結果、164g(収率89%)の3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランが得られた。
[実施例4]
3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン186g(1.02モル)の代わりに、3−クロロプロピルトリメトキシシラン203g(1.02モル)を用いる以外は、実施例3と同様に反応を実施したところ、ほぼ同様の反応経過を経て、最後に蒸留操作を行った結果、180g(収率90%)の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが得られた。

Claims (10)

  1. 含水NaSHをアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と反応させる工程を経て得られるNaSHと、下記一般式(1)で示される3−ハロプロピルアルコキシシランとを反応させることを特徴とする下記一般式(2)で示される3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
    X(CH23SiRn(OR13-n (1)
    HS(CH23SiRn(OR13-n (2)
    (式中、XはCl、Br又はIであり、Rは同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、R1は同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜2の整数を表わす。)
  2. アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が、R1O−で表されるアルコキシ基(R1は上記と同じ)を有するアルコキシシラン又はシロキサンであることを特徴とする請求項1記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  3. アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が、下記一般式(3)で示されるアルコキシシランであることを特徴とする請求項2記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
    SiR2 m(OR14-m (3)
    (式中、R1は上記と同じ、R2は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよい。mは0又は1を表わす。)
  4. アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が、ケイ素原子にR1O−で表されるアルコキシ基(R1は上記と同じ)が2又は3個結合したシロキサンであることを特徴とする請求項2記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  5. 式(1)及び(2)中のR1がメチル基であり、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物がテトラメトキシシラン又はメチルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  6. 式(1)及び(2)中のR1がエチル基であり、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物がテトラエトキシシラン又はメチルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  7. 反応溶媒として下記一般式(4)で示されるアルコールを使用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
    1OH (4)
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)
  8. 式(1)及び(2)中のR1がメチル基であり、有機ケイ素化合物がメトキシ基を有するものであり、反応溶媒としてメチルアルコールを使用することを特徴とする請求項1記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  9. 式(1)及び(2)中のR1がエチル基であり、有機ケイ素化合物がエトキシ基を有するものであり、反応溶媒としてエチルアルコールを使用することを特徴とする請求項1記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
  10. 式(1)中のXが、Clであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の3−メルカプトプロピルアルコキシシランの製造方法。
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