JP2005047838A - フルオロフェノール誘導体の製造方法 - Google Patents
フルオロフェノール誘導体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005047838A JP2005047838A JP2003204474A JP2003204474A JP2005047838A JP 2005047838 A JP2005047838 A JP 2005047838A JP 2003204474 A JP2003204474 A JP 2003204474A JP 2003204474 A JP2003204474 A JP 2003204474A JP 2005047838 A JP2005047838 A JP 2005047838A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- group
- fluorophenol
- represented
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 CC*(CC)c1c(*)c(*)c(c(CC=C)c(C)c(*)c2*)c2c1* Chemical compound CC*(CC)c1c(*)c(*)c(c(CC=C)c(C)c(*)c2*)c2c1* 0.000 description 2
- OULQVVVIWUIMDO-UHFFFAOYSA-N CCC(C)(CC)c1ccc(C)cc1 Chemical compound CCC(C)(CC)c1ccc(C)cc1 OULQVVVIWUIMDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- DCYHIMRBRUIKKI-UHFFFAOYSA-N O=C1C=CC=CC1(F)F Chemical compound O=C1C=CC=CC1(F)F DCYHIMRBRUIKKI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】対応するフェノール類等のフッ素化により得られたジフルオロシクロヘキサジエノン類またはそのフルオロフェノール類との混合物を、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩の水溶液で処理することによる、フルオロフェノール類の簡便で選択的、かつ安全、高収率で製造方法。
本願発明の製造方法は、簡便な操作でかつ短時間、高収率で反応が進行するため、フルオロフェノール類の製造に有用。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示材料等の電子材料や機能性材料または医農薬や香料、各種添加剤の合成中間体として有用な、フルオロフェノール誘導体の製造及び還元方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子内にフルオロフェノール骨格を含むフルオロフェノール誘導体は医農薬をはじめとして、液晶表示材料等の電子材料や機能性材料、香料、各種添加剤およびそれらの合成中間体として有用であり、製造中間体としてその重要性が増大している。
【0003】
このフルオロフェノール誘導体の製造方法として重要であるのは対応するフェノール誘導体の2位あるいは4位のフッ素化によるものである。このフッ素化は安全で取り扱いが容易なため、N−フルオロピリジニウム塩類を用いる方法(非特許文献1、2参照)が最も良く用いられている。
【0004】
しかしながら、このN−フルオロピリジニウム塩類を用いるフッ素化おいては、目的とするフルオロフェノール誘導体に加えて、さらにフッ素化が進行したジフルオロシクロヘキサジエノンも副生成するという問題点があった。
【0005】
目的とするフルオロフェノールを得るためには、フルオロフェノールとジフルオロシクロヘキサジエノンの混合物からフルオロフェノールを単離精製することが考えられるが、副生したジフルオロシクロヘキサジエノンの量に相当して収率が低下するうえに、フルオロフェノールとジフルオロシクロヘキサジエノンの分離は一般には容易でないことが多く、カラムクロマトグラフィーで分離する場合にもフルオロフェノールをエーテルあるいはエステル誘導体に変換する必要があったりして実際的ではなかった。
【0006】
従って、フルオロフェノールを選択的に得るためには、ジフルオロシクロヘキサジエノンあるいはフルオロフェノールとジフルオロシクロヘキサジエノンの混合物において、ジフルオロシクロヘキサジエノンを還元してフルオロフェノールに変換する必要がある。
【0007】
ジフルオロシクロヘキサジエノン類を還元してフルオロフェノール類に変換する方法としては、接触還元による方法(非特許文献3参照)あるいは亜鉛/塩酸系での還元による方法(特許文献1参照)が知られている。しかしながら、これらの方法はきわめて煩雑であり、フッ素化工程の後にさらに1工程の反応を必要とするため、反応工程が長くなる問題があった。また、臭素やヨウ素原子あるいは炭素−炭素多重結合やカルボニル基といった還元されやすい基を含む化合物では、実施することが困難な場合があった。
【0008】
ジフルオロシクロヘキサジエノン類の還元方法としては他に、亜ジチオン酸金属塩若しくは有機塩を用いて、ジフルオロシクロヘキサジエノン類を還元しフルオロフェノール類に変換する方法(特許文献2参照)が開示されている。この方法によると、ジフルオロシクロヘキサジエノンあるいはフルオロフェノールとジフルオロシクロヘキサジエノンの混合物をその溶液の状態で、亜ジチオン酸金属塩若しくは有機塩の溶液と混合、攪拌するだけでよく、フッ素化反応の後で通常の後処理操作の一環として組み込むことも可能であり、前記の還元方法と比較して大幅な簡便化が可能となった。
【0009】
しかしながら、亜ジチオン酸金属塩若しくは有機塩による還元反応は必ずしも速やかに進行しないことが多い。即ち室温下の攪拌だけではジフルオロシクロヘキサジエノン類が残存し、完全にフルオロフェノール類に変換するためには非常に長時間攪拌させるか、あるいは加熱下に攪拌させる必要があるなど、その操作性での問題点が解決されたわけではなかった。
【0010】
従って、ジフルオロシクロヘキサジエノン類を還元してフルオロフェノール類に変換するに際してより簡便な方法が望まれていた。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−11674号公報
【特許文献2】
特開2003−12584号公報
【非特許文献1】
梅本照雄、他2名,テトラへドロンレターズ(TetrahedronLett.),(英国),1986年,27巻,p.4465
【非特許文献2】
梅本照雄、他1名,ジャーナルオブオルガニックケミストリー(J.Org.Chem.),(米国),1995年,60巻,p.6563
【非特許文献3】
モイルス(J.H.H.Meurs)、他,アンゲバンテヘミー(Angew.Chem.),(ドイツ),1989年,101巻,7号,p.955
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ジフルオロシクロヘキサジエノンを還元してフルオロフェノールに変換する効率的な方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジフルオロシクロヘキサジエノン類あるいはフルオロフェノール類とジフルオロシクロヘキサジエノン類の混合物を、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩と反応させることにより、フルオロフェノール類を簡便で選択的、かつ安全、高収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、一般式(2x)
【化9】
で表される部分構造を、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩を反応させることにより、一般式(1x)
【0015】
【化10】
で表される構造に変換する還元方法及び2,2−ジフルオロシクロヘキサ−3,4−ジエノン又はその誘導体に、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩と反応させることによる2−フルオロフェノール又はその誘導体の製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、スズ塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、ニッケル塩が好ましく、ナトリウム塩及び亜鉛塩がより好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
【0017】
ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩は水溶液として使用することが好ましく、その場合、1〜50質量%の濃度で使用することが好ましく、1〜30質量%の濃度で使用することがより好ましい。
【0018】
本願発明の出発物質であるジフルオロシクロヘキサジエノン類は、出発物質の性状によっては溶媒に溶解することを要しないが、一般的には溶媒に溶解した状態で使用することが好ましい。
【0019】
溶媒としてはジフルオロシクロヘキサジエノン類を溶解し、かつ使用するヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩に対し不活性である限り特に制限はないが、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、ジメトキシメタン(DME)、ジエチルカルビトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMA)等の非プロトン系極性溶媒及びこれらの混合溶媒が好ましく使用することができ、主成分としてはジクロロメタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類またはアセトニトリル等のを非プロトン系極性溶媒を用いることが特に好ましい。
【0020】
通常、反応はジフルオロシクロヘキサジエノン類の溶液とヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩の水溶液を混合攪拌するだけでよいが、溶媒の選択によっては2相系となり、攪拌の効率が悪い場合には反応時間が長くなる場合もあるので、そうした場合には界面活性剤を共存させることも有効である。界面活性剤としては特に制限はないが、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩が好ましい。
【0021】
反応は凝固点までの冷却下から溶媒の還流温度までの温度範囲で可能であるが、通常は室温で加熱や冷却の必要なく実施される。
【0022】
使用するジフルオロシクロヘキサジエノン類は単離した状態であっても、目的とするフルオロフェノール類との混合物の状態であってもよい。通常、ジフルオロシクロヘキサジエノン類は対応するフェノール誘導体のフッ素化により、目的とするフルオロフェノール類に副生して生成することが多いので、フッ素化の後処理工程の一環として本発明の処理を実施することにより、対応するフェノール類からフルオロフェノール類を選択的に製造することができる。
【0023】
本発明の製造方法に係わるフルオロフェノール類については、対応するジフルオロシクロヘキサジエノン類が存在する限り、その構造等において特に制限はないが、一般式(1)
【化11】
【0024】
(式中、Ra、Rb、Rc、及びRdはそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜30の直鎖状、分枝状、もしくは環状部を有していてもよいアルキル基、アリール基もしくはアリールアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表すが、Ra及びRb、Rb及びRc、Rc及びRdのそれぞれが飽和または不飽和の環状構造を形成していてもよく、該アリール基及びアリールアルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子、炭素原子数1〜30の直鎖状、分枝状、もしくは環状部を有していてもよいアルキル基により置換されていてもよく、該アルキル基はその任意の1個以上の−CH2−が、酸素原子同士が直接には結合しないという条件の下で、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−または−C≡C−により置換されていてもよく、また任意の1個以上の水素原子がハロゲン原子により置換されていてもよい。)で表わされる化合物の製造が好ましく、一般式(2)
【0025】
【化12】
(式中、Ra、Rb、Rc、及びRdは一般式(1)におけると同じ意味を表す。)で表されるジフルオロシクロヘキサジエノン誘導体にヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩と反応させることにより得ることができる。
【0026】
一般式(1)において、そのRa、Rb、Rc、及びRdの選択により、非常に多種の化合物を包含するが、一般式(1a)
【化13】
で表される1−フルオロ−2−ナフトール誘導体を一般式(2a)
【0027】
【化14】
で表される化合物より製造することが好ましく。
【0028】
一般式(1a)及び(2a)において、R1〜R6はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキシル基を表し、これらの基中で任意の1個以上の水素原子はフッ素原子により置換されていてもよいが、R1〜R2及びR4〜R6は水素原子又はフッ素原子が好ましく、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基が好ましい。
【0029】
mは0〜2の整数を表し、m>0の場合にAは1,4−シクロへキシレン基あるいは1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表す。
【0030】
Mは単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−(CH2)4−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表すが、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−又は−OCF2−が好ましい。m=2の場合にはA及びMは複数存在するが、これらは同一であっても異なっていてもよい。
【0031】
又、一般式(1b)
【化15】
で表される2−フルオロフェノール誘導体を一般式(2b)
【0032】
【化16】
で表される化合物から製造することも好ましい。
【0033】
一般式(1b)及び(2b)において、R3、R5、R6、及びR7はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキシル基を表し、これらの基中で任意の1個以上の水素原子はフッ素原子により置換されていてもよいが、R5、R6、及びR7は水素原子あるいはフッ素原子が好ましく、R3は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、及び炭素原子数1〜10のアルコキシル基が好ましい。
m、A及びMについては一般式(1b)及び(2b)の場合と同様である。
【0034】
本発明に基づき、一般式(3)
【化17】
(式中、Ra、Rb、Rc、及びRdは一般式(1)におけると同じ意味を表す。)で表されるフェノール類から、各種親電子的フッ素化剤あるいはフッ素化方法によりフッ素化し、次いで得られた一般式(2)のジフルオロシクロヘキサジエノン類あるいは(2)と一般式(1)のフルオロナフトール類との混合物に対して、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩で処理することにより目的とする一般式(1)のフルオロフェノール類を選択的に製造することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1) 1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールの合成
温度計、メカニカルスターラー、冷却管を備えた500mL反応容器に、7,8−ジフルオロ−2−ナフトール(この化合物は2,3−ジフルオロフェニル酢酸クロリドを塩化アルミニウム存在下にエチレンと反応させ、得られたテトラロン誘導体を臭素で酸化(芳香化)し、次いで一部付加した臭素を接触還元により脱臭素化することにより合成した)20g及びアセトニトリル100mLを加え、窒素雰囲気下、加熱還流させた。N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)(商品名:MEC−31)の41gを5回に分けて20分おきに加え、添加終了後も30分加熱還流を続けた。室温まで冷却後、水150mLにあけ、2時間攪拌した。減圧下に大部分のアセトニトリルを溜去し、ジクロロメタン200mL及び10%塩酸100mLを加え、攪拌した。有機層を分取し、水次いで飽和食塩水で洗滌した。このジクロロメタン溶液の一部を濃縮し分析したところ、1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールは9%でシクロヘキサジエノン体である1,1,7,8−テトラフルオロ−1,2−ジヒドロナフタレン−2−オンが91%であった。このジクロロメタン溶液にヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム2水塩(商品名:スーパーライトC)76gの水230mL溶液を加え、室温で4時間攪拌した。有機層を分取後、水次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去して、1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールの淡黄色結晶21.4gを得た。この結晶中に1,1,7,8−テトラフルオロ−1,2−ジヒドロナフタレン−2−オンは含まれていなかった。
【0037】
(比較例1)
実施例1において、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム2水塩に換えて、亜ジチオン酸ナトリウムを用いた他は全く同様にして1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールを合成した。同様にして1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールの淡黄色結晶20.5gを得たが、この結晶中には1,1,7,8−テトラフルオロ−1,2−ジヒドロナフタレン−2−オンが18%含有されていた。
【0038】
(比較例2)
比較例1において亜ジチオン酸ナトリウム水溶液による処理を加熱還流下に実施した以外は同様にして、1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトールを合成した。同様にして1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトール20.0gを得た。この結晶中には1,1,7,8−テトラフルオロ−1,2−ジヒドロナフタレン−2−オンは含まれていなかったが、実施例1や比較例1よりやや着色が強くなった。
【0039】
(実施例2) 1−フルオロ−6−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−2−ナフトールの合成
6−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−2−ナフトール11.0gをジクロロメタン50mLに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム0.8gを加え、激しく撹拌した。これに、テトラフルオロホウ酸N−フルオロピリジニウム(商品名:FP−B500)8.7gを徐々に加え、さらに5時間室温で撹拌した。水、次いで10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、過剰のフッ素化剤を分解し、稀塩酸で酸性に戻した後、有機層を分取した。水層はジクロロメタン50mLで抽出して有機層を併せ、水次いで飽和食塩水で洗滌した。これにヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム2水塩(商品名:スーパーライトC)25gの水250mL溶液を加え、室温で2時間攪拌した。有機層を分取後、水次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去して得られた粗結晶13.5gをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)で精製して、1−フルオロ−6−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−2−ナフトール白色結晶11.5gを得た。
【0040】
(実施例3) 1−フルオロ−6−ブロモ−2−ナフトールの合成
実施例1において、7,8−ジフルオロ−2−ナフトールに換えて6−ブロモ−2−ナフトール24.5gを用いた他は同様にして、1−フルオロ−6−ブロモ−2−ナフトールの淡黄色結晶25.0gを得た。
【0041】
(比較例3)
実施例3においてヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム水溶液による処理に換えて、酢酸エチル溶媒でパラジウム/炭素触媒存在下に水素圧0.4MPaで4時間還元処理を実施したところ、主生成物は1−フルオロ−2−ナフトールであり、目的の1−フルオロ−6−ブロモ−2−ナフトールは30%程度しか得られなかった。
【0042】
(実施例4) 3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの合成
実施例1において、7,8−ジフルオロ−2−ナフトールに換えて4,4’−ジヒドロキシビフェニルを用い、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)に換えて、2倍当量の1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(商品名:SELECTFLUOR)を用い、他は同様にして3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの白色結晶を得た。
【0043】
【発明の効果】
本発明は対応するジフルオロシクロヘキサジエノン類を、簡便な操作でかつ短時間、高収率でフルオロフェノール類に導く方法を提供し、これにより対応するフェノール類からフルオロフェノール類の所望の簡便で選択的、かつ安全、容易な製造を可能とした。
得られたフルオロフェノール誘導体は、液晶表示材料等の電子材料や機能性材料または医農薬や香料、各種添加剤の合成中間体として極めて有用である。
Claims (9)
- ヒドロキシメタンスルフィン酸の金属塩が、アルカリ金属または亜鉛の塩である請求項1記載の還元方法。
- ヒドロキシメタンスルフィン酸の金属塩が、ナトリウム塩である請求項2記載の還元方法。
- 2,2−ジフルオロシクロヘキサ−3,4−ジエノン又はその誘導体に、ヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩と反応させることによる2−フルオロフェノール又はその誘導体の製造方法。
- 2−フルオロフェノール誘導体が一般式(1)
- 2−フルオロフェノール誘導体が一般式(1a)
- 2−フルオロフェノール誘導体が一般式(1b)
- ヒドロキシメタンスルフィン酸の金属塩が、アルカリ金属または亜鉛の塩である請求項4〜7記載の製造方法。
- ヒドロキシメタンスルフィン酸の金属塩が、ナトリウム塩である請求項8記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204474A JP4403369B2 (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | フルオロフェノール誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204474A JP4403369B2 (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | フルオロフェノール誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047838A true JP2005047838A (ja) | 2005-02-24 |
JP4403369B2 JP4403369B2 (ja) | 2010-01-27 |
Family
ID=34263470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204474A Expired - Fee Related JP4403369B2 (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | フルオロフェノール誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4403369B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248144A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Sagami Chemical Research Institute | 2−(2,3−ジフルオロ−6−ビニルフェニル)酢酸誘導体及びその製造方法 |
JP2010248145A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Sagami Chemical Research Institute | 2−アシロキシ−1,7,8−トリフルオロナフタレン誘導体及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204474A patent/JP4403369B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248144A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Sagami Chemical Research Institute | 2−(2,3−ジフルオロ−6−ビニルフェニル)酢酸誘導体及びその製造方法 |
JP2010248145A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Sagami Chemical Research Institute | 2−アシロキシ−1,7,8−トリフルオロナフタレン誘導体及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4403369B2 (ja) | 2010-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6212212B2 (ja) | ||
JP3220986B2 (ja) | 含フッ素ジカルボニル化合物の製造方法 | |
JP4403369B2 (ja) | フルオロフェノール誘導体の製造方法 | |
JP2008222606A (ja) | エステル、カルボン酸及びアミドの製造方法 | |
JP4272271B2 (ja) | ハロゲノ−o−ヒドロキシジフェニル化合物の製造方法 | |
JP2000500480A (ja) | ペルフルオロアルキル化に使用する方法及びこの方法に使用する反応物 | |
EP1868978B1 (en) | Novel 1-bromo-4- (4'-bromophenoxy)-2-pentadecyl benzene and a process for the preparation thereof | |
JP2008013540A (ja) | 新規カルボン酸化合物、その用途及びその製造方法 | |
JPH03184938A (ja) | エチレン性ケトンの製造方法 | |
JPH08208555A (ja) | イソバニリンの製造方法 | |
JP2003335735A (ja) | パーフルオロイソプロピルアニリン類の製造方法 | |
DE60015806T2 (de) | Poly-3-cyclopropyl-3-hydroxypropionat und verfahren zu seiner herstellung und derivate daraus | |
JP4096233B2 (ja) | トリフルオロメチルフェニル安息香酸エステル誘導体の製造方法 | |
JP5195236B2 (ja) | 2−ナフトール誘導体の製造方法 | |
JP2008297234A (ja) | ブロモテトラフルオロアルカノール類の製造方法 | |
JP2004115377A (ja) | 含フッ素カルボン酸誘導体の製造方法 | |
JPH05345739A (ja) | 3,4’−ジクロロジフェニルエーテルの製造方法 | |
JP4273383B2 (ja) | 含フッ素芳香族アルコール類の製造方法 | |
JP4374987B2 (ja) | 2−ブロモシクロペンタノンの製造法 | |
JP4034889B2 (ja) | トリフルオロフェノール類の製造法 | |
JP4516831B2 (ja) | シス−ジャスモンの製造方法 | |
EP1262471A2 (de) | Fluor enthaltende Bisphenole, deren Herstellung, deren Vor- und Zwischenprodukte sowie deren Verwendung | |
JPS61161235A (ja) | 新規な置換フエニルエーテルおよびその製法 | |
EP1466884A1 (fr) | Procédé de préparation du resvératrol et ses applications | |
RU2236399C2 (ru) | Способы получения соединений орто-нитробензонитрила (варианты) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050826 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091006 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091019 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4403369 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |