JP2005047452A - 車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造 - Google Patents

車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウェザーストリップ取付部へのウェザーストリップの組付作業を容易に行なうことができ、しかもドアアウタパネルの成形性の向上を図ることができ、ひいてはウェザーストリップの断面形状を小さくすることができるようにする。
【解決手段】 ドアアウタパネル2に、ドアインナパネル3の側に向けて折曲げられた折曲部32と、折曲部32の先端側において屈曲されてドアインナパネル3に接合されるフランジ33とを形成し、ドアアウタパネル2の折曲部32のうちドアアウタパネル2のフランジ11に連なる部分であって、かつ、ドアインナパネル3に対して隙間Gを隔てて配置された部分をウェザーストリップ取付部34として設け、ウェザーストリップ取付部34に、ウェザーストリップ取付用ボス14を挿入するための挿入孔35を形成すると共に、挿入孔35に対応する取付孔36をドアインナパネル3に形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造に関し、さらに詳しくは、ドアアウタパネルとドアインナパネルとで構成される車両用ドアに、窓枠を形成するドアサッシュ部を設け、前記ドアサッシュ部の取付基部にウェザーストリップを取付ける車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造に関するものである。
図5は、自動車車体の側部に設けられるドア開口に開閉自在に取付けられるフロントドア(サイドドア)1を示している。このフロントドア1は、図6〜図8に示すように、ドアアウタパネル2及びドアインナパネル3を閉断面形状に接合して成るものであって、ドアパネル部4と、このドアパネル部4の上部に設けられたドアサッシュ部5とから構成され、ドアパネル部4及びドアサッシュ部5によって形成された窓枠6にウインドガラス7が昇降可能に配置されている。ところで、近年では、ドアサッシュ部5の後側のドアピラー8をドアインナパネル3のみにて構成し(すなわち、ドアアウタパネルは設けない)、ドアインナパネル3の外側にドアピラーガーニッシュ9を取付けることによってドアインナパネル3を覆い隠すようにした所謂「ヒドゥンドア」がフロントドア1として使用される場合がある。
この種のヒドゥンドア(フロントドア1)の構造にあっては、図6及び図7に示すように、ドアアウタパネル2の側端部にフランジ10を形成し、ドアアウタパネル2の本体部2aとフランジ10との間に略水平部2bを設け、ドアインナパネル3にフランジ10を重ねてそのフランジ10をドアインナパネル3にスポット溶接するようにしている。具体的には、上述のフランジ10とドアインナパネル3との間に補強パネル11を介在させてこれらの3層重ね箇所をスポット溶接S(図6参照)にて結合するようにしている。そして、ドアサッシュ部5のドアピラー8をドアインナパネル3及び補強パネル11で構成して、そのドアピラー8の外側にドアピラーガーニッシュ9を取付けることによりフロントドア1の見栄えを良くするようにしている。
一方、図6に示すように、ドアアウタパネル2のフランジ10には車両前後方向の後端側の箇所に取付穴12が設けられており、ウェザーストリップ13の一端部に組付けられたウェザーストリップ取付用ボス14を取付穴12に合わせた状態の下でタッピングスクリュー15を取付穴12に挿通してウェザーストリップ取付用ボス14にねじ込んで締付固定することにより、ウェザーストリップ13をドアサッシュ部5の取付基部16に取付けるようにしている。なお、これと同様に、ウェザーストリップ13の他端部も取付基部16の前方側のドアサッシュ部5に締付固定される。かくして、ウェザーストリップ13がドアアウタパネル13の上端の取付基部16の外側に取付けられ、ウェザーストリップ13によってドアアウタパネル2の取付基部16がスポット溶接Sの打痕すなわちスポット痕とともに覆い隠されるようになっている。なお、図8において、20は外側のウェザーストリップ13に対応して取付基部16の内側に取付けられたウェザーストリップ、21はドアインナパネル3の車室内面側に組付けられたドアトリム、22,23は補強パネルである。
また、図示を省略したが、ウェザーストリップをドアパネルに取付けるための構造としては、ウェザーストリップに取付けた保持具をドアパネルに設けた取付孔を利用してドアパネルに固定するようにした構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような構造では、形状が複雑な専用の保持具を必要とするため、通常は、上述のような取付構造を採用しているのが実状である。
実開昭60−70420号公報
しかしながら、上述のような従来の取付構造にあっては、ウェザーストリップ13の取付部である取付基部16は、図7に示す如くドアアウタパネル2の本体部2aからほぼ水平方向に屈曲させてから上方側にほぼ直角状に屈曲させた形状となるように、水平部2bとこれに対してほぼ直角に屈曲されたフランジ10とを形成しなければならないので、その取付基部16の成形が難しい。すなわち、水平部2bとフランジ10との間の屈曲部αをプレス加工にてシャープな直角形状に屈曲させることは困難であり、屈曲部αは曲率半径Rが比較的大きな(すなわち、曲率が比較的小さな)湾曲面となってしまうのが実状である。このように曲率半径Rが比較的大きな湾曲面を有する取付基部16にウェザーストリップ13を取付ける場合には、ウェザーストリップ13にてドアアウタパネル2の取付基部16の全体を覆い隠すように組付けなければならない関係上、大きな寸法のウェザーストリップ13を用いる必要がある。すなわち、屈曲部αがほぼ直角状に湾曲していると、ウェザーストリップ13にて取付基部16を覆い隠すためには屈曲部αの湾曲形状部分の高さに応じた分だけウェザーストリップ13の高さH1 (図7参照)をより高くしなければならないので、ウェザーストリップ13の高さ方向の長さ(高さH1 、すなわち上下幅)が長くなってしまい、その分だけウェザーストリップ13の断面寸法も大きくなって重量が重くなってしまうという不具合がある。
この点について更に具体的に説明すると、屈曲部αがほぼ直角に近い曲げ角度であるので、屈曲部αの曲率半径Rを大きくしなければならず、屈曲部αにおいて湾曲形状から平面形状となるポイントが上方に位置することとなるため、取付穴12の位置が上方となる。取付穴12を湾曲形状部分に形成することはできないので、平面形状に成形されたフランジ10に取付穴12を形成しなければならない。すなわち、取付穴12の下側部分(取付穴12と屈曲部αとの間の部分)にも、取付穴12を形成するための平面形状部を設ける必要があるため、屈曲部αから連なる平面形状部を形成してその上側に取付穴12を形成しなければならない。そのため、高さ方向の長さが長くなり、重量の重いウェザーストリップ13を用いることとなる。
また、従来の取付構造にあっては、取付穴12に対するウェザーストリップ取付用ボス14の位置決め機構がないため、ウェザーストリップ13の組付時に前記ボス14を取付穴12に合わせる作業を行ないにくく、相互間に位置ずれを生じてしまうと前記ボス14へのタッピングスクリュー15のねじ込み作業を行うことができないといった不具合を生じる場合がある。
本発明は、このような不具合を解消すべくなされたものであって、その主な目的は、ウェザーストリップ取付部へのウェザーストリップの組付作業を容易に行なうことができ、しかもドアアウタパネルの折曲部の折曲部分とウェザーストリップ取付部との間の湾曲形状部における曲げ角度を小さくすることができるので曲率半径を小さく設定し得てドアアウタパネルの成形性の向上を図ることができ、ひいてはウェザーストリップの断面形状を小さくすることができる車両用ドアにおけるウェザーストリップ取付構造を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明では、ドアアウタパネルとドアインナパネルとで構成される車両用ドアに、窓枠を形成するドアサッシュ部を設け、前記ドアサッシュ部の取付基部にウェザーストリップを取付ける車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造において、前記ドアアウタパネルに、前記ドアインナパネルの側に向けて折曲げられた折曲部と、前記折曲部の先端側において屈曲されて前記ドアインナパネルに結合されるフランジとを形成し、前記ドアアウタパネルの折曲部のうち前記ドアアウタパネルのフランジに連なる部分であって、かつ、前記ドアインナパネルに対して隙間を隔てて配置された部分をウェザーストリップ取付部として設け、前記ウェザーストリップ取付部に、前記ウェザーストリップに組付けられるウェザーストリップ取付用ボスを挿入するための挿入孔を形成すると共に、前記挿入孔に対応する取付孔を前記ドアインナパネルに形成するようにしている。
また、本発明では、前記ウェザーストリップ取付部を、車両上下方向に対して傾斜させると共に前記ドアインナパネルの側に向けて傾斜させて配置するようにしている。
また、本発明では、前記ウェザーストリップ取付部の挿入孔を矩形状に形成するようにしている。
また、本発明では、前記ドアインナパネルに形成されたドアサッシュ部に前記ドアアウタパネルのフランジを結合すると共に、前記ドアアウタパネルと前記ドアインナパネルとの結合箇所と、前記ウェザーストリップ取付用ボスによる前記ウェザーストリップの固定箇所とを車両上下方向にほぼ沿った位置に設定するようにしている。
請求項1に記載の本発明は、ウェザーストリップに組付けたウェザーストリップ取付用ボスを挿入する挿通孔を、ネジを取付ける取付孔を形成したドアインナパネルとの間に隙間を設けたウェザーストリップ取付部に形成するようにしたものであるから、挿通孔へのウェザーストリップ取付用ボスの挿入によりウェザーストリップの位置決めを行ない得て、ウェザーストリップ取付部へのウェザーストリップの組付作業を位置ずれを生じることなく容易に行なうことができ、従ってウェザーストリップの組付作業性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の本発明は、ウェザーストリップ取付部を、車両上下方向に対して傾斜させると共にドアインナパネルに向けて傾斜させて配置するようにしたものであるから、ドアアウタパネルの折曲部の折曲部分とウェザーストリップ取付部との間の湾曲形状部(実施形態で示す湾曲形状部P)の曲率半径を小さく設定し得て湾曲形状部を小さくすることができ、これに応じてドアアウタパネルの成形性の向上を図ることができる。また、前記湾曲形状部を小さくした分だけ、前記湾曲形状部において湾曲形状から平面形状に立ち上がるポイントを、前記湾曲形状部の上側の平面と前記湾曲形状部の下側の平面とが仮想的に交差するポイントの側に寄せて(近づけて)配置することができることとなるので、ウェザーストリップ取付用の挿入孔を前記湾曲形状部の側に近づけた位置に形成することが可能となる。すなわち、ウェザーストリップ取付部を傾斜させることに伴って、ウェザーストリップの上下方向(高さ方向)の長さ(上下幅)を従来の場合よりも短くすることができ、ひいてはウェザーストリップの断面形状を小さくすることができてその重量を低減することができる。
請求項3に記載の本発明は、ウェザーストリップ取付部の挿入孔を矩形状に形成するようにしたものであるから、矩形状の挿入孔とウェザーストリップ取付用ボスとの間の位置決め作用によりウェザーストリップ取付用ボスを車両前後方向、並びに、車両上下方向の位置決めを行なうことができる。
請求項4に記載の本発明は、ドアインナパネルに形成されたドアサッシュ部にドアアウタパネルのフランジを接合すると共に、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの結合箇所と、ウェザーストリップ取付用ボスによる前記ウェザーストリップの固定箇所とを車両上下方向にほぼ沿った位置に設定するようにしたものであるから、上述の結合箇所と固定箇所とを車両前後方向に沿って設定するようにした従来の場合に比べて、ドアインナパネルに接合されるドアアウタパネルのフランジの幅を小さくすることができる。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。なお、図1〜図4において、図5〜図8と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るウェザーストリップの取付構造を備えた自動車のフロントドア(ヒドゥンドア)30を示すものである。このフロントドア30は、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3とを閉断面形状に接合することにより構成されており、窓枠6を形成するドアサッシュ部5がドアパネル部4の上部に設けられ、このドアサッシュ部5の取付基部16の側端箇所γ(ドアパネル部4に対するドアサッシュ部5の付け根箇所(図2参照))にウェザーストリップ31の一端部が取付けられるようになっている。
上述のドアアウタパネル2には、ドアインナパネル3の側に向けて折曲げられた折曲部32と、この折曲部32の先端側において屈曲(湾曲形状部Q参照)されてドアインナパネル3に接合されるフランジ33とが形成されている。なお、ここで、「折曲部32」は、湾曲状に折曲げられた折曲部分32aと、この折曲部分32aの上方及び下方にそれぞれ連なる上側部分32b及び下側部分32cとで構成されており、具体的には、ドアアウタパネル2の本体部2aとフランジ33との間の領域を構成するパネル部分である(図3参照)。そして、ドアサッシュ部5のドアピラー8とドアパネル部4のアウタアウタパネル2との会合箇所(図1において符号Xで示す箇所)においては、図2及び図3に示すように、ドアアウタパネル2の折曲部32のうちドアアウタパネル2のフランジ33に連なる部分(すなわち、フランジ33と折曲部32の折曲部分32aとの間の前記上側部分32bの上方領域)であって、かつ、ドアインナパネル3に対して隙間G(図3参照)を隔てて配置された部分がウェザーストリップ取付部34(取付基部16の一部分)として設けられている。そして、このウェザーストリップ取付部34は、車両上下方向に対して傾斜すると共にドアインナパネル3の側に向けて上方側に傾斜するように配置されている。また、図3に示すように、ウェザーストリップ取付部34と折曲部32の折曲部分32aとの間に湾曲形状部Pが形成されると共に、フランジ33と折曲部32の上側部分32bとの間に湾曲形状部Qが形成されている。
さらに、上述のウェザーストリップ取付部34には、ウェザーストリップ31に組付けられる円柱状のウェザーストリップ取付用ボス14を挿入するための挿入孔35が形成されている。なお、本実施形態においては、前記挿入孔35は縦長の矩形状に形成されている。一方、ドアインナパネル3及び補強パネル11には、図3に示すように、前記挿入孔35に一致する取付孔36が形成されている。
また、ドアインナパネル3にて形成されたドアサッシュ部5の取付基部16(ドアピラー8の基部箇所)にドアアウタパネル2のフランジ33が接合されてスポット溶接Sにて結合されるようになっている。そして、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3との結合部(スポット溶接Sの箇所)と、ウェザーストリップ取付用ボス14及びタッピングスクリュー15によるウェザーストリップ31の固定箇所(取付箇所)は、車両上下方向にほぼ沿った位置に設定されるようになっている。
ここで、ウェザーストリップ31の取付手順について述べると、次の通りである。まず、ウェザーストリップ31の一端部に設けられている溝部37にウェザーストリップ取付用ボス14の組付片14aを側方から差し込むことによりこのボス14をウェザーストリップ31に組付ける(図3参照)。次いで、ウェザーストリップ31に組付けたウェザーストリップ取付用ボス14を、傾斜しているウェザーストリップ取付部34の挿入孔35に上方から係止させてから水平方向へ挿入して、ドアインナパネル3の取付孔36に一致する位置に位置決めし、その状態の下で、タッピングスクリュー15を前記取付孔36を通してウェザーストリップ取付用ボス14にねじ込むことにより、ウェザーストリップ31の一端部をウェザーストリップ取付部34に締付固定する。なお、ウェザーストリップ31の他端部もこれと同様に取付作業を行ってその他端部を前方側のウェザーストリップ取付部(図示せず)に締付固定する。これに伴って、ウェザーストリップ31がドアアウタパネル2の取付基部16の外側箇所に取付けられる。
かくして、本実施形態においては、ドアアウタパネル2に設けられる取付基部16のウェザーストリップ取付部34に傾斜を持たせてこれを傾斜面とし、また、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3とのスポット溶接Sの箇所を前記斜面の上部箇所であってかつウェザーストリップ取付部34(ウェザーストリップ取付用ボス14とタッピングスクリュー15とによるウェザーストリップ取付箇所)のほぼ上方位置に設定するようにし、さらにウェザーストリップ31の挿入孔35を前記傾斜面において矩形状に形成した構造にしているため、次のような作用効果を奏することができる。
すなわち、従来においてはウェザーストリップ取付用ボス14と取付穴12(図6及び図7参照)との位置決めができずにウェザーストリップ組付作業を行ないにくかったが、本実施形態の取付構造によれば、ウェザーストリップ組付時に円柱形状のウェザーストリップ取付用ボス14を矩形状の挿入孔35に差し込むようにしているので、挿入孔35の上下及び左右の4つの辺部と、ボス14の外周面との係合作用により、車両前後方向並びに車両上下方向におけるウェザーストリップ31の位置決めが可能となる。そのため、ウェザーストリップ31の組付作業の際に、ウェザーストリップ取付用ボス14と挿入孔35との間の位置合わせ等の余分な手間を省くことができ、従ってウェザーストリップ取付作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
なお、本実施形態において挿通孔35を矩形状に形成するようにしているのは、次のような理由からである。まず、上述の挿通孔35をウェザーストリップ取付部34に形成するに当たってはそのウェザーストリップ取付部34の面直角方向からプレス加工を行なうようにしている。一方、傾斜している挿入孔35に水平方向から円柱状のウェザーストリップ取付用ボス14を挿入した状態の下でのウェザーストリップ取付用ボス14の前記挿通孔35の開口面での傾斜断面は、楕円形状となる。そこで、上述の挿通孔35の形状を、ウェザーストリップ取付部34に対して面直角方向から見て楕円形状(水平方向から見て円形状)にすることが考えられるが、そのような楕円形状の挿入孔35の成形が難しい(プレス加工するための型が作りにくい)。さらに、楕円形状の挿入孔35の楕円の短軸及び長軸とウェザーストリップ取付用ボス14の傾斜断面での楕円の短軸及び長軸を一致させるのは困難である。かくして、このような事情から、上述の挿通孔35を面直角方向から見て矩形(例えば、プレス加工が容易な成形縦長の長方形)に形成するようにしているのである。
また、ドアアウタパネル2とドアインナパネル3との間に隙間Gを設けてウェザーストリップ取付部34を傾斜させるようにしているので、ウェザーストリップ取付部34は、従来におけるようなほぼ水平の面部ではなく、ドアインナパネル3の側にむかうにつれて上方に傾斜する傾斜面となる。そのため、ドアアウタパネル2の折曲部32の折曲部分32aとウェザーストリップ取付部34との間の湾曲形状部Pにおける曲げ角度を小さくすることができることから、曲率半径を小さく設定することができると共に、ウェザーストリップ取付部34とフランジ33との間の湾曲形状部Qにおける曲げ角度を小さくすることができ、これに伴ってドアアウタパネル2の成形性の向上を図ることができる。さらに、曲率半径も小さく設定することが可能となり、前記湾曲形状部Pの曲率半径が小さく設定されるのに伴って、挿入孔35を湾曲形状部Pに近づけた位置に配置することが可能となり、これによりウェザーストリップ31の高さ方向の長さ(上下幅)H2 を従来の場合に比べて相対的に短くすることができ、ひいてはウェザーストリップ31の断面積を小さくすることができる。そして、ウェザーストリップ31の断面積を小さくするのに伴って、ウェザーストリップ31の重量を軽くすることができると共に、ウェザーストリップ31の製造材料の量を削減することができ、また、フロントドア30を全体的に見たときの意匠を良好にすることも可能である。
なお、本実施形態の取付構造にあっては、ドアアウタパネル2のフランジ33とドアインナパネル3とのスポット溶接Sによる打痕(スポット痕)が、取付状態のウェザーストリップ31の上方側の位置に出ることとなるが、このスポット痕は、ドアインナパネル3 に取付けられるピラーガーニッシュ9にて覆い隠されるので、意匠上の問題はない。
また、従来においては、ウェザーストリップ取付箇所とスポット溶接箇所とを車体前後
方向に沿った位置に設定するようにしていたので、図6に示す如く幅広(幅L1 )のウェザーストリップ取付面を必要としていたが、本実施形態の取付構造によれば、スポット溶接Sの箇所と挿入孔35との配置関係を車両上下方向のほぼ沿った位置に設定するようにしているので、ウェザーストリップ取付面の幅L2 (図2参照)を従来の場合よりも小さくすることができる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の実施形態においては所謂「ヒドゥンドア」に本発明を適用するようにしたが、本発明は、ピラーガーニッシュのついたサッシュドアにも適用可能である。
本発明の一実施形態に係るウェザーストリップの取付構造を備えた自動車のフロントドアを示す側面図である。 図1において符号Xで示す部分を拡大して示す分解斜視図である。 図2において矢印Mで示す方向から見た、挿通孔35を通る縦線で切った縦断面図である。 図1におけるA−A線拡大断面図である。 従来のウェザーストリップの取付構造を備えた自動車のフロントドアを示す側面図である。 図5において符号Yで示す部分を拡大して示す分解斜視図である。 図6において矢印Nで示す方向から見た、取付穴12を通る縦線で切った縦断面図である。 図5におけるB−B線拡大断面図である。
符号の説明
2 ドアアウタパネル
3 ドアインナパネル
14 ウェザーストリップ取付用ボス
15 タッピングスクリュー
16 取付基部
30 フロントドア(車両用ドア)
31 ウェザーストリップ
32 折曲部
33 フランジ
34 ウェザーストリップ取付部
35 挿入孔
36 取付孔
G 隙間
2 高さ(上下幅)
2
P,Q 湾曲形状部

Claims (4)

  1. ドアアウタパネルとドアインナパネルとで構成される車両用ドアに、窓枠を形成するドアサッシュ部を設け、前記ドアサッシュ部の取付基部にウェザーストリップを取付ける車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造において、
    前記ドアアウタパネルに、前記ドアインナパネルの側に向けて折曲げられた折曲部と、前記折曲部の先端側において屈曲されて前記ドアインナパネルに結合されるフランジとを形成し、
    前記ドアアウタパネルの折曲部のうち前記ドアアウタパネルのフランジに連なる部分であって、かつ、前記ドアインナパネルに対して隙間を隔てて配置された部分をウェザーストリップ取付部として設け、
    前記ウェザーストリップ取付部に、前記ウェザーストリップに組付けられるウェザーストリップ取付用ボスを挿入するための挿入孔を形成すると共に、前記挿入孔に対応する取付孔を前記ドアインナパネルに形成したこと、
    を特徴とする車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造。
  2. 前記ウェザーストリップ取付部を、車両上下方向に対して傾斜させると共に前記ドアインナパネルの側に向けて傾斜させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造。
  3. 前記ウェザーストリップ取付部の挿入孔を矩形状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造。
  4. 前記ドアインナパネルに形成されたドアサッシュ部に前記ドアアウタパネルのフランジを結合すると共に、前記ドアアウタパネルと前記ドアインナパネルとの結合箇所と、前記ウェザーストリップ取付用ボスによる前記ウェザーストリップの固定箇所とを車両上下方向にほぼ沿った位置に設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用ドアにおけるウェザーストリップの取付構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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