JP2005046200A - 内視鏡下手術システム - Google Patents
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Abstract
【課題】手術時間の短縮、術者の疲労軽減ができ、患者の負担を軽減することが可能となる内視鏡下手術システムを提供する。
【解決手段】この内視鏡下手術システムは、被検体となる術部2に挿入される内視鏡3と、デジタイザ35および画像処理部と、モニタ39を有しており、内視鏡3および術者10には、複数の反射ボールからなる反射マーカー21,22,23が取り付けられる。前記反射ボールの位置をデジタイザ35で検出することによって内視鏡3および術者10の位置,姿勢情報が画像処理部に取り込まれる。前記画像処理部において、前記位置,姿勢情報に基づき、モニタ39に表示される内視鏡撮影画像が術者の観察方向に合致するように画像処理される。
【選択図】 図1
【解決手段】この内視鏡下手術システムは、被検体となる術部2に挿入される内視鏡3と、デジタイザ35および画像処理部と、モニタ39を有しており、内視鏡3および術者10には、複数の反射ボールからなる反射マーカー21,22,23が取り付けられる。前記反射ボールの位置をデジタイザ35で検出することによって内視鏡3および術者10の位置,姿勢情報が画像処理部に取り込まれる。前記画像処理部において、前記位置,姿勢情報に基づき、モニタ39に表示される内視鏡撮影画像が術者の観察方向に合致するように画像処理される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内規鏡と処置具を用いた内視鏡下手術システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡下における外科手術においては、内視鏡により得られる観察視野をTVモニタに映し出し、この画面の術野を見ながら処置具を操作して患部の摘出等の処置が行われる。この際、術者または助手は内視鏡を手で保持し、処置を行い易い視野が得られるようにその内視鏡の保持位置の変更を適宜指示するが、術者が望む方向に内視鏡を適確に動かすにはかなりの習熟が必要であった。また、長時間に渡る手術では助手の負担が非常に大きくなり途中で交替する必要がある等の問題があった。
【0003】
そこで、従来、特許文献1に示されるスコープ保持装置が提供されている。このスコープ保持装置は、内視鏡を移動自在に保持する電動マニピュレータと処置具の移動量を検出する処置具移動検出手段とを備え、前記処置具移動検出手段で検出した移動量に応じて前記電動マニピュレータを制御駆動し、処置具の動きに内視鏡による観察画面が自動的に追随するものである。
【0004】
また、特許文献2には処置具の移動に伴い処置具の先端を画像処理によって追跡するようにした技術が示されている。
【0005】
また、特許文献3には被写体の上下方向に対する内視鏡の固有の上下方向の回転量を検出し、検出された回転量に応じて被写体の上下方向と内視鏡の固有の上下方向との関係を表示する医療用撮像装置が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4には術者の位置に応じて内視鏡の画像を回転、または、反転させて表示させる技術が示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許文献1は、特許公開公報平5−337118号である。
【0008】
【特許文献2】
特許文献2は、特許公開公報平8−164148号である。
【0009】
【特許文献3】
特許文献3は、特許公告公報平4−30290号である。
【0010】
【特許文献4】
特許文献4は、特許公開公報平7−327921号である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記内視鏡と処置具の組合せにおいては、術者と内視鏡の位置関係、内視鏡自体の回転ににより術者は処置具の先端部の動きを直感的に認識し、操作することが難しく、処置具先端部を誤った方向に操作したり、また、所望位置まで移動させるのに時間が掛かり、手術時間が長くなるなどの問題が生じていた。
【0012】
特に、脳神経外科などにおけるキーホールサージェリーにおいて、患部周辺は非常に狭いものとなっており、内視鏡および処置具の挿入によりさらに処置具を動かすことのできる空間は狭くなっている。そうした状況において、内視鏡によって処置具先端を常に追従することは、術者にとって非常に困難であった。さらには、多自由度を有する処置具(多自由度針子)の登場により術者は、内視鏡観察下において処置具先端部の動きを直感的に認識、操作することが困難となっている。
【0013】
上述のような状況において、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、画像の目転・反転及び追従といった個々の技術が示されているが、例えば、回転検出のために内視鏡に検出手段を設けるなどにより装置が大型化し、複雑化することになり、コストがアップするなどの問題点があった。さらには、処置具の使用状態、例えば、内視鏡と処置具の相対位置に応じて、わざわざ画像切り替え操作を行わなければならず、術者の負担を強いていた。
【0014】
本発明は、前記問題点に着目したものであり、術者がわざわざ画像操作を行うことなく、術者に認識しやすい画像を自動的に得ることができ、かつ、システムを小型化、低コストで実現することができる内視鏡下手術システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の内視鏡下手術システムは、術部を処置するための処置部を有する処置具と、前記術部を観察するための内視鏡と、前記内視鏡に設けられた撮像手段と、前記内視鏡と前記処置具および術者との相対的な位置を特定する位置検出手段と、前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置に基づいて画像処理する画像処理手段と、前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段とを有しており、前記処置具と内視鏡および術者の相対的な位置を検出し、その位置情報に基づいて撮像手段で得られた画像を自動的に変換し、変換された画像を前記表示手段に表示する。
【0016】
本発明の請求項2記載の内視鏡下手術システムは、請求項1記載の内視鏡下手術システムにおいて、前記画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大、および、移動のうち、少なくとも2つの処理を可能とする処理部を備え、前記処理を選択、および、組み合わせて行う。
【0017】
本発明の請求項3記載の内視鏡下手術システムは、請求項2記載の内視鏡下手術システムにおいて、前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像の回転、反転、拡大、および、移動を選択制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
まず、本発明の第1実施形態としての内視鏡下手術システムについて、図1〜6を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図2は、前記内視鏡下手術システムの画像処理部のブロック構成図である。図3,4は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートである。図5(A)〜(D)および図6は、それぞれ前記内視鏡下手術システムにおける各画像処理時の撮像画面、または、モニタ表示画面を示す図である。
【0020】
本実施形態の内視鏡下手術システムは、図1に示すように内視鏡支持具(支持手段,内視鏡保持具)8によって適宜な位置に移動可能に支持される内視鏡3と、術者10によって把持される処置具としての超音波吸引装置プローブ4と、表示手段であるモニタ39と、位置検出/画像処理部51(図2)と、入力手段である操作スイッチ群32とを有してなる。
【0021】
前記内視鏡支持具8は、手術台7に取り付けれ、水平方向であるA方向に移動可能な基台11を有しており、基台11には、支柱12が鉛直方向に沿って立設されている。支柱12の上端には基部アーム13が支柱12を中心としてB方向に回転自在に取付けられている。基部アーム13の回動端にはリンク機構15を保持する保持アーム14が水平軸中心にC方向に回転自在に取付けられている。
【0022】
前記リンク機構15は、複数のリンク16を平行に連結して構成した平行リンク機構からなり、その一端側の一対のリンク16aを介して基部アーム13に対して揺動自在に支持されている。リンク機構15の他端には前記内視鏡3を挟持して保持する装着具17が設けられている。
【0023】
前記リンク機構15の各可動連結部分は、例えば、締付けねじ18の力や連結部の摩擦力によって各調整位置に仮固定されるようになっている。従って、手で内視鏡支持具8に力を加えて回動または変形させれば、内視鏡3の位置を変えることができる。そして、その仮固定位置に締付けねじ18の締結力、あるいは、前記摩擦力によって固定的に位置させることができる。
【0024】
前記内視鏡3は、その接眼側に撮像素子であるCCD37aを内蔵するTVアダプタ37(図2)が設けられ、さらに、CCD37aの撮像方向Sに沿って延出する先端部3aを有し、その先端部には、対物レンズが保持されている。この内視鏡3の先端部3aは、患者頭部1の内部の被検体となる術部(患部)2に挿入される。
【0025】
プローブ4の先端部4aも同様に患者頭部1の内部の前記術部2に挿入される。
【0026】
前記位置検出/画像処理部51は、図2に示すように内視鏡3の接眼側に支持され、術部2の画像を撮影するTVアダプタ37と、TVアダプタ37からの撮像信号をビデオ信号に変換する画像プロセッサ38と、内視鏡撮影画像の拡大,移動,回転および反転を行う画像処理手段である画像処理装置34と、内視鏡3,プローブ4,術者10の位置,姿勢を検出する位置検出手段としての光学式3次元位置検出装置30とを有してなる。
【0027】
前記TVアダプタ37に内蔵されるCCD37aよって内視鏡3の先端部3aに配置される対物レンズを通しての被検体である術部2aの視野像が撮像される。このTVアダプタ37で得られる撮像信号は、信号ケーブル29を介して画像プロセッサ38に伝送される。画像プロセッサ38より出力される内視鏡画像データであるビデオ信号は、後述する画像処理回路33のメモリ(図示せず)に記憶される。
【0028】
前記画像処理装置34は、位置検出装置30の出力に基づき、画像プロセッサ38からの画像データを処理し、内視鏡撮影画像の拡大,移動,回転および反転等を行う処理装置であって、画像制御回路31と、画像処理回路33と、さらに、装置全体を制御する図示しない制御部(例えば、CPU)とを有してなる。
【0029】
前記画像制御回路31のメモリ部には、内視鏡3の光学情報として対物レンズからの距離に応じた撮像範囲に関する情報が予め記録されている。その画像制御回路31には、後述する位置検出回路36が接続され、内視鏡先端位置,姿勢情報やプローブ先端位置,姿勢情報や術者位置,姿勢情報等のデータが入力される。そして、画像制御回路31は、前記先端位置,姿勢情報と前記撮像範囲に関する情報とに基づき、内視鏡撮影画像に対して拡大,移動,回転および反転のうち少なくともなにとも2つの処理を施すための制御データを画像処理回路33に出力する。なお、画像制御回路31には、複数の操作スイッチ(入力手段)32が接続されており、表示倍率等が入力される。
【0030】
前記画像処理回路33には、画像プロセッサ38と、画像制御回路31と、さらに、術者10が観察するためのモニタ39とが接続されている。この画像処理回路33は、画像制御回路31からの制御データに基づき、画像プロセッサ38を介して取り込まれた内視鏡画像データを拡大,移動,回転および反転の少なくとも2つの処理を施し、モニタ39に対して表示画像データとして出力する。
【0031】
前記光学式3次元位置検出装置30は、デジタイザ35と、デジタイザ35の検出出力を処理する位置検出回路36と、内視鏡3の接眼側上部,プローブ6の操作側,術者10の頭部にそれぞれ取り付けられる反射マーカー21,22,23とを有してなる。
【0032】
前記デジタイザ35は、被検体である頭部1まわりの反射マーカー21,22,23に向けて測定用赤外光を照射する赤外発光部5と、赤外線カメラ6a,6bと、前記赤外発光部,赤外線カメラを支持するスタンド7を有してなる。
【0033】
前記赤外線カメラ6a、6bは、所定の高さの位置で所定の間隔で赤外発光部5の両側の水平線上に配置され、かつ、前記赤外光発光部5による赤外線の被検体の方向への照射方向と同―方向の向きに配置されている。
【0034】
前記反射マーカー21,22,23には、それぞれ少なくとも2つ以上の反射ボールが設けられている。前記各反射ボールの表面には、赤外光を反射する塗料が塗布されている。各反射マーカー21,22,23のそれぞれの反射ボールは、該反射ボールの数が異なるか、あるいは、該反射ボールによって形成される形状が異なる所定の3次元形状に配置されている。
【0035】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー21は、内視鏡3の先端3aに配置される対物レンズ(図示せず)から所定の距離離間し、さらに、CCD37aの撮像方向S(内視鏡3の先端部延出方向)と関連付けられた状態で頭部1の外部位置に着脱自在に取付けられている。
【0036】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー22は、プローブ4の上方部の頭部1外部に位置する部分であって、プローブ4の先端4aから所定距離離間した位置に着脱自在に取り付けられる。
【0037】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー23は、術者10の頭部前方に着脱自在に取り付けられる。
【0038】
反射マーカー21の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置と内視鏡先端3a(対物レンズ)の間の3次元的相対位置データ(すなわち、所定の離間位置データ)や内視鏡3の撮像方向Sの所定の3次元的姿勢データが位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。
【0039】
同様に反射マーカー22の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置とプローブ先端4aの間の3次元的相対位置データ(すなわち、所定の離間位置データ)は、位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。また、反射マーカー23の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置と術者10の間の3次元的相対位置データも位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。また、各反射マーカーの前記複数の反射ボールで形成される各所定形状データも位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。
【0040】
前記光学式3次元位置検出装置30において、デジタイザ35の赤外光発光部5から照射された赤外光は、反射マーカー21,22,23に設けられた複数の反射ボールで反射する。その反射した赤外光は、赤外線カメラ6a,6bで撮像される。赤外線カメラ6a,6bは、所定の間隔を持って設置されているため、撮像された画像に視差が生じる。その撮像された画像は、位置検出回路36で画像処理され、前記視差から各反射ボールとの距離が演算される。同時に各反射ボールの3次元的方向も位置検出回路36に取り込まれる。
【0041】
反射マーカー21,22,23の各反射ボールの位置,方向は、デジタイザ35により検出され、その検出データは、位置検出回路36に取り込まれる。位置検出回路36では、予め記録されている各反射マーカーの配置形状との相関処理を行い、各反射マーカーの位置及び姿勢が演算により求められる。さらに、演算された前記各反射マーカーの位置及び姿勢データに基づき、内視鏡3の先端3aの位置(対物レンズ位置)および内視鏡3の撮影光軸S方向(内視鏡姿勢)やプローブ4の先端43aの内視鏡先端部3aに対する相対位置,姿勢、さらに、内視鏡先端3aの位置および撮影光軸S方向に対する術者10の相対位置,姿勢が演算により特定される。
【0042】
なお、上記画像処理においては、赤外線カメラ6a,6bに対する上下方向から位置検出回路36によって術部2まわりの鉛直方向Yが算出され、特定されている。
【0043】
前記位置検出回路36は、上述したように画像制御回路31と接続されており、デジタイザ35を介して測定され、演算により求められた内規鏡3の先端部3aやプローブ4の先端4aの相対位置情報,相対姿勢(相対方向)情報、術者10の位置,姿勢情報、さらに、TVアダプタ37のCCD37aの向き(撮影方向S)の鉛直方向Yに対するズレ量情報等を画像制御回路31に出力する。
【0044】
次に、上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下システムにおける位置検出/画像処理動作を図3〜6等を用いて説明する。
図3,4は、内視鏡下システムにおける位置検出/画像処理動作のフローチャートを示す。図5(A)〜(D)は、前記画像処理動作時の撮像画面とモニタ表示画面を示す。図6は、前記画像処理動作におけるプローブ移動時の撮像画面とモニタ表示画面を示す。
【0045】
前記位置検出/画像処理においては、位置検出/画像処理部51の制御部による制御のもとで以下のステップの処理が実行される。
すなわち、ステップS01において、内視鏡3の対物レンズ(図示せず)を介して入射した術部2からの光束がTVアダプタ37のCCD37aによって撮像され、画像プロセッサ38に取り込まれてビデオ信号に変換される。前記ビデオ信号は、画像処理回路33のメモリ(記録手段,図示せず)に一時的に記録される。このとき、画像処理回路33に記録されるCCD撮像画面Z0 を図5(A)に示す。この画面Z0 は、前記TVアダプタ37のCCD37aで撮像される全撮像画面であり、撮像画面Z0 内には、内視鏡3による術部2の実際に撮影される範囲(内視鏡観察円40)の内視鏡撮影画像が示される。
【0046】
続いて、ステップS02において、位置検出回路36によりプローブ4の先端4aと内視鏡3の対物レンズ(内視鏡先端3a)の相対位置データが取得される。
【0047】
ステップS03にて、予め、画像制御回路31に記録されている内視鏡3の撮像範囲と前記相対位置から、内視鏡3のプローブ4に対する撮影範囲を演算する。ステップS04でプローブ4の先端4aが内視鏡3の撮影範囲内にあるかどうかを判断する。撮影範囲内にあれば、すなわち、図5(A)のように全撮像画面Z0 上の内視鏡観察円40内にプローブ4の先端4aが位置している状態であれば、ステップS05に進む。撮影範囲外ならば、後述するステップS14にジャンプする(図4)。この場合、ステップS14にて画像処理を行う前の内視鏡画像表示にモニタ表示状態が切り替えられる。
【0048】
ステップS05に進んだ場合、位置検出回路36より内視鏡3の先端位置と術者10との相対位置データ、および、内視鏡3の撮像方向S(観察方向)データを取得する。
【0049】
ステップS06にて、内規鏡3の撮像方向Sが術者10側に向かった方向であるかどうかを判断する。術者10に向かった方向であれば、内視鏡撮影画像が術者10と対向する方向から見た画像になっている状態であるのでステップS07に進み、画像制御回路31により画像を左右反転処理する制御信号を画像処理回路33に出力する。そして、画像処理回路33では記録されている画像を左右反転処理してステップS08に進む。図5(B)に前記左右反転処理した内視鏡観察円40内の画像を示す。
【0050】
一方、撮像方向Sが術者10に向かった方向でなければ、術者10は、内視鏡撮像方向Sと同し方向から術部2を観察していることになるので、そのままステップS08にジャンプする。ステップS08では、位置検出回路36から得られる内視鏡3の撮影画像の向きと術者10の観察状態での上下の向きとのズレ量データが画像制御回路31により取得される。
【0051】
そして、ステップS09において、前記ズレ量データに基づき、内視鏡3の撮影画像の向き(CCDの上下方向)が術者10による上下方向の認識と同じ向きであるかどうかが判断される。同じ向きであると判断されれば、そのまま何もせずステップS12にジャンプする。同じ向きでないと判断されれば、そのズレ量を補正するべくステップS10に進む。
【0052】
ステップS10では、画像制御回路31により前記ズレ量から画像の回転量が算出され、画像処理回路33に対して撮影画像を前記回転量だけ回転させる制御信号が出力される。ステップS11にて、画像処理回路33により前記制御信号に基づき、記録されている撮影画像の回転処理が行われる。この回転処理による内視鏡観察円40内の画像を図5(C)に示す。
【0053】
ステップS12では、位置検出回路36を介して得られるプローブ先端4a位置と内視鏡先端3a位置及び内視鏡観察円(撮影範囲)40から、画像処理回路33に記録されている画像上におけるプローブ先端4aの位置を示す画像座標が演算される。
【0054】
予め、術者10が操作スイッチ(入力手段)32を操作することによって設定された表示倍率が画像制御回路31に記憶されていることから、続くステップS13において、画像制御回路31よりプローブ先端4aの位置を示す画像座標を指定する制御信号と、前記画像座標におけるプローブ先端4a位置を中心として前記設定された表示倍率に基づいて画像を拡大する制御信号とが画像処理回路33に出力される。画像処理回路33は、記録されている画像を前述した制御信号に基づき拡大表示する所定表示範囲の画像データを生成する。
【0055】
ステップS14にてモニタ39に対して該画像データが出力される。このときの拡大処理したモニタ表示画像Z1 を図5(D)に示す。図中、内視鏡観察円40内の破線四角は、プローブ先端を中心とした拡大表示される範囲40aを示す。モニタ表示後は、再びステップS01に示される画像プロセッサ38からの映像信号を取得する処理に戻る。
【0056】
なお、上述した位置検出/画像処理動作中にプローブ先端4aが動かされた場合は、図6に示すようにプローブ先端4aを追跡し、その移動に合わせて表示画像が切り換えられる。すなわち、内視鏡観察円40内の実線によって示される四角で示す範囲40aは、処理開始時に観察していた部分であり、そこで、破線で示す範囲40bにプローブ先端4aが移動すると、その移動位置がデジタイザ35を介して検出され、画像制御回路31の制御により前記移動位置の範囲40bの画像が表示画像Z1 ′としてモニタ26に表示される。
【0057】
以上、説明したように本第1実施形態の内視鏡下手術システムによれば、術者10の相対位置も内視鏡3,プローブ4の位置とともに検出されるので、術者10が術部2に対して移動した場合でも、その移動に応じて自動的に術者10にとって観察し易いモニタ表示画像が得られる。
【0058】
また、本実施形態のシステムによれば、処置具のプローブ4が術剖2から遠ざけられ、内視鏡3の撮像範囲から外れると自動的に画像処理を行う前の内視鏡撮影画像に切り替わるので、内視鏡3の移動が行い易くなる。さらに、内視鏡3が内視鏡支持具8によって支持されているので、術者10は両手を使用して手術を遂行することができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態の内視鏡下手術システムについて、図7〜10を用いて説明する。
図7は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図8は、前記内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。図9,10は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートである。
【0060】
本実施形態の内視鏡下手術システムにおいては、図7に示すように反射マーカー24が患者の頭部1に着脱自在に固定されており、術者10には反射マーカーを取り付けない。
【0061】
また、本実施形態のシステムにおける位置検出/画像処理部52は、3次元位置検出装置30Aと画像処理装置34Aとを有してなり、前記3次元位置検出装置30Aの位置検出回路36には、操作スイッチ群(入力手段)41が接続されている。また、画像処理装置34Aにはキャラクタジェネレータ42が内蔵され、画像制御回路31及び画像処理回路33に接続されている。本実施形態の内視鏡下手術システムのその他の構成は、前記第1の実施形態のシステムと同様とする。従って、同一の構成要素には、同一の符号を付して、以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0062】
前記光学式3次元位置検出装置30Aにおいて、患者頭部1に取り付けられた反射マーカー24は、前記第1実施形態に示された他の反射マーカーと同様にその位置及び姿勢がデジタイザ35,位置検出回路36により検出される。
【0063】
また、前記第1の実施形態ではデジタイザ35の赤外線カメラ6a,6bに対する上下方向から位置検出回路36で鉛直方向が設定されていたが、本実施形態の場合は、そのような鉛直方向の設定は行わなず、患者頭部1に固定された反射マーカー24を用いて鉛直方向が設定される。すなわち、反射マーカー24が頭部1に取り付けられた時点で、内視鏡3を対物レンズが下になるようにして鉛直方向にセットする。この状態で操作スイッチ群(入力手段)41を操作すると、3次元位置検出装置30Aによって反射マーカー21と反射マーカー24の相対位置が検出される。その相対位置情報に基づいて検出回路36に反射マーカー24を基準とする鉛直方向Yが記録される。
【0064】
さらに、本実施形態の場合は、術者10が作業する位置を内視鏡3の先端部3aで示した状態に保って操作スイッチ群(入力手段)41を操作することによって、患者頭部1の反射マーカー24を基準にした術者10の位置が位置検出回路36に記録される。
【0065】
次に、上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理動作を図9,10のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
前記位置検出/画像処理では、位置検出/画像処理部52の制御部による制御のもとで以下のステップの処理が実行される。
【0067】
スタート後のステップS21,22の処理は、前記第1実施形態におけるステップS01,02の処理と同様の処理である。
【0068】
続くステップS23,24の処理は、前記第1実施形態におけるステップS05,06の処理に対応するが術者10の位置は、患者頭部1の反射マーカー24を基準にして記録された位置データに基づいて特定される。
【0069】
ステップS24における判断で内視鏡3の観察方向Sが術者10に向かった方向であると判断された場合、ステップS25に進むが、そのステップS25おいて、キャラクタジェネレータ42に対して画像を左右反転する内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は、前記制御信号に基づき、画像左右反転を示すキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0070】
一方、ステップS24における判断で術者に向かった方向でないと判断された場合、そのまま、ステップS27に進む。ステップS27,28では、前記第1の実施形態の場合のステップS08,09と同様の処理が行われる。
【0071】
ステップS28において、内視鏡3で撮像した画像の上下、すなわち、CCDの上下方向と術者による上下方向の認識が一致しているかどうかの判断がなされ、一致している場合、そのまま何もせずステップS32に進む。一致していなければ、ステップS29に進む。
【0072】
ステップS29では、キャラクタジェネレータ42に画像回転させる内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は前記制御信号に基づき、前記メッセージのキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0073】
続いて、ステップS30,S31では、前記第1の実施形態におけるステップS10,11と同様の処理が行われる。さらに、ステップS32,S33に進み、前記第1の実施形態におけるステップS03,04と同様の処理が行われる。
【0074】
ステップS33において、プローブ4の先端4aが内視鏡3の撮影範囲内にあるかどうかを判断し、撮影範囲内にあれば、ステップS34に進む。撮影範囲内になければ、ステップS37にジャンプする。
【0075】
ステップS34においては、キャラクタジェネレータ42に画像を拡大する内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は、前記制御信号に基づき、前記メッセージのキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は、画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0076】
ステップS35,36では、前記第1の実施形態におけるステップS12,13と同様の処理が行われる。
【0077】
続いて、ステップS37に進み、画像データがモニタ39に出力される。モニタ39には、拡大処理したプローブ先端周りの範囲40aの表示画像Z1 (図5(D))が表示されるとともに前記画像反転処理,画像回転処理,画像拡大処理等が行われた場合には、その内容を示すメッセージが表示される。
【0078】
上述した本第2の実施形態の内視鏡下手術システムによれば、プローブ先端4aが内視鏡観察像に存在しないときでも、内視鏡画像が術者10を基準とした画像に補正され、処置具などの挿入作業が行いやすくなる。また、術者10は反射マーカーをつける必要がないので煩わしさがなくなる。
【0079】
さらに、本システムによれば、観察方向の上下方向(鉛直方向)が頭部1や手術台7に取り付けた反射マーカーを基準とするので、デジタイザ35を水平に設置する必要がなく、デジタイザ本来の設置の自由度を生かすことができ、狭い手術室を有効に使用することができる。また、画像反転などが行われた場合には観察像とともにモニタ39にその内容のメッセージが表示されるため、画像がどのような状態で変換されたかを確認することができる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施形態の内視鏡下手術システムについて、図11〜13を用いて説明する。
図11は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図12(A),(B)は、本実施形態の内視鏡下手術システムに適用される多自由度鉗子の外科用処置具を示す図であって、図12(A)は、側面図を示し、図12(B)は、図12(A)のE矢視図である。図13は、前記内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【0081】
本実施形態の内視鏡下手術システムは、前記第2実施形態のシステムに適用される処置具のプローブ4に替えて多自由度鉗子である外科用処置具が適用され、その外科用処置具の支持部の所定の位置に反射マーカーが着脱可能に設けられ、かつ、該外科用処置具のスライダ部にスライダの移動位置を検出するためのポテンショメーターが組み込まれている。そして、本実施形態における位置検出/画像処理部53の位置検出回路36には前記ポテンショメーターが接続され、外科用処置具の処置部の相対位置検出が行われる。また、前記反射マーカーを介して外科用処置具の位置姿勢の検出がなされる。
【0082】
本実施形態の内視鏡下手術システムの他の構成は、前記第2の実施形態のシステムの構成と同様であるので、その同様の構成要素に対して同一の符号を付して、以下、異なる部分の構成及び作用について説明する。
【0083】
前記外科用処置具は、特開2002−291765号公報の段落番号0028〜0042に記載された外科用処置具60と同様の構成を有し、さらに、その外科用処置具60には、位置検出用ポテンショメータおよび処置具位置検出用反射マーカーが装着される。
前記外科用処置具60は、図12(A),(B)に示されるように体腔内に挿入する挿入部62を備えている。この挿入部62の先端には処置部72が設けられ、基端には操作部88が設けられている。処置部72には、第1および第2のジョ―66,68が設けられ、これらジョ―66,68は、ピン64によって開閉可能に枢支されている。また、処置部72には、これら第1および第2のジョー66,68を横向きに回転する回動機構70が設けられている。
【0084】
図12(A)の実線で示す状態から、第2のハンドル86をピン82を支点として第1のハンドル84に対して開くと、第2の連結部材96、第1の連結部材92を介して第1の駆動棒74が前方に移動する。第1の駆動棒74の移動によって、第2の連結部材126を前方に押出し、第2のジョー68が第1のジョー66に対して開く。
【0085】
また、図12(A)の実線で示す状態から、第1および第2のハンドル84,86を閉じた状態で、ピン90を支点として紙面に対して下側に回転させると、連結棒99を介して第2の駆動棒76が操作部88の後端側に移動するとともに、連結棒102を介して第3の駆動棒78が処置部72側に移動する。第2および第3の駆動棒76,78の移動によって、第3の連結部材132が回動し、処置部72が紙面に対して上側に回転する。この逆の操作も可能である。
【0086】
さらに、図12(A)の実線で示す状態から、スライダ106を第2のハンドル86に対して図12(A)の2点鎖線に示すように、第2のハンドル86の後端に向かってスライドさせると、連結棒99,102を介して第2および第3の駆動棒76,78が後側に移動する。これら第2および第3の駆動棒76,78の移動によって、第3の連結部材132が後方に牽引され、第1および第2のジョー66,68が閉じた状態で処置部72が、図12(A)の2点鎖線に示すようにピン124を支点として回転する。
【0087】
前記挿入部62の支持部80には、反射マーカー25が着脱可能に取り付けられている。その取り付け位置は、患部である頭部1に外科用処置具60を挿入したとき、頭部1のの外方に位置する部分とする。前記反射マーカー25は、後述する3次元位置検出装置30Bのデジタイザ35により検出され、外科用処置具60の位置,姿勢情報が取り込まれる。
【0088】
前記スライダ106にはポテンショメータ43が連結され、そのポテンショメータ43によりスライダ106の移動位置が検出される。前記ポテンショメータ43は、後述する3次元位置検出装置30Bの位置検出回路36と接続される。ポテンショメータ43の出力からスライダ106の位置が検出される。
【0089】
本実施形態の内視鏡下手術システムに適用される位置検出/画像処理部53は、図13に示すように前記第2の実施形態における位置検出/画像処理部52に対して3次元位置検出装置30Bのみが異なり、その他の構成は同一とする。
【0090】
前記3次元位置検出装置30Bの位置検出回路36には、上述したようにポテンショメータ43が接続される。そして、位置検出回路36には、反射マーカー25の取り付け位置とポテンショメータ43の出力値に関連付けられた処置部72の相対位置情報が予め記録されている。また、3次元位置検出装置30Bのデジタイザ35により前記反射マーカー25の位置姿勢データが他の反射マーカー21,24の位置姿勢データとともに検出され、位置検出回路36に取り込まれる。
【0091】
本実施形態のシステムにおいて、術者10が外科用処置具60のリング108をハンドル86側にスライドさせると、これに伴ってスライダ106が移動する。前記スライダ106が移動するとポテンショメータ43によって前記スライダ106の位置が読み取られ、位置検出回路36にポテンショメータ43の位置データが入力される。前記スライダ106の出力により第1,2のジョー66,68の処置具60に対する相対先端移動位置が検出される。従って、外科用処置具60のリング108の操作に連動するポテンショメータ43の相対位置情報と、反射マーカー25の位置情報とにより第1,2のジョー66,68の先端位置(処置具先端位置)が特定される。
【0092】
上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理動作は、前記図9,10に示した第2の実施形態の内視鏡下手術システムにおける処理動作のフローチャートに対して第2の実施形態でのプローブ先端4aを本実施形態での外科用処置具60の処置部72における第1,2のジョー66,68の先端と入れ替えることにより説明される。特に、本実施形態のシステムにおいては、処置部72の第1,2のジョー66,68先端位置情報が外科用処置具60のリング108の操作に連動するポテンショメータ43の出力を介して得られる点が異なっている。
【0093】
上述したように本第3の実施形態の内視鏡下手術システムによれば、前記第2の実施形態のシステムによる効果に加えて、さらに、多自由度鉗子等に代表されるように操作部に対して処置部の相対位置が変わるような処置具を用いた場合であってもその移動する処置具先端の位置を追従することが可能となる。そして、外科用処置具60のような多自由度鉗子の処置部の移動状況を示す内視鏡撮像画像が術者10側から観察される向きの画像に変換されてモニタ39に表示されるので、手術処置を容易に行うことができる。
【0094】
次に、本発明の第4の実施形態の画像処理装置について、図14(A),(B)を用いて説明する。
図14(A),(B)は、本実施形態の画像処理装置を適用した内視鏡下手術システムにおけるCCD撮像画面を示しており、図14(A)は、撮像画面に対して内視鏡観察円がずれている状態を示し、図14(B)は、撮像画面に対して内視鏡観察円のずれをなくした状態を示している。
【0095】
上述した第1〜3実施形態の内視鏡下手術システムにおいては、内視鏡によって得られる内視鏡映像の中心と、該内視鏡映像を撮像する撮像手段のCCD37aの撮像中心(撮像画面中心)が一致している必要がある。
【0096】
本実施形態の画像処理装置は、内視鏡下手術システムにおける画像処理を行い、かつ、前記内視鏡観察円のずれをなくす処理を可能とする装置であり、図2,8,13に示す画像処理装置にて画像プロセッサ38と画像処理回路33の間にCCD撮像中心と内視鏡観察中心を一致させる補正を行う補正画像処理手段である画像補正処理回路が組み込まれる。なお、前記画像処理回路33に前記ずれ補正を行うための補正回路を組み込むように構成してもよい。
【0097】
図14(A)は、前記画像補正処理前のCCD全撮像画面Z0 を示しており、CCD撮像中心45と内視鏡観察円40の撮影画像中心46とがずれている。
【0098】
前記画像補正処理回路において、内視鏡観察円40の境界を検出するべく、画像のエッジ検出が行われる。そのエッヂ検出された形状がパターンマッチングによって認識される。前記パターンマッチングによって検出された内視鏡観察円40から内視鏡観察中心46の位置が算出される。予め定義されたCCD撮像中心45と内視鏡観察中心46の差データが画像処理回路33に取り込まれる。撮影画像全体を前記差データに基づき、ずらすことによって図14(B)に示すようにCCD撮像中心45と一致して表示される新たな内視鏡観察円40′を含む撮像画面Z0 が構築される。
【0099】
本実施形態の画像処理装置によれば、前述した各実施形態の内視鏡下手術システムの相対位置検出手段等によって行われる画像処理において、撮影画像のズレが生じなくなるので、処置部の追従性の精度を向上させることができる。
【0100】
上述した各実施形態に基づいて、以下の構成が得られる。すなわち、
(付記1) 術部を処置するための処置部を有する処置具と、
前記術部を観察するための内視鏡と、
前記内視鏡に設けられた撮像手段と、
前記内視鏡と前記処置具及び術者との相対的な位置を特定する位置検出手段と、
前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置に基づいて画像処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする内視鏡下手術システム。
【0101】
(付記2) 画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大及び移動の処理のうち少なくとも2つの処理を行うことが可能な処理部を備えており、前記処理を選択及び組み合わせて行うことを特徴とする付記1記載の内視鏡下手術システム。
【0102】
(付記3) 前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像処理の回転、反転、拡大及び移動を選択制御することを特徴とする付記2記載の内視鏡下手術システム。
【0103】
(付記4) 術部を処置するための処置部を有する多自由度鉗子と、
前記術部を観察するための内視鏡と、
前記内視鏡に設けられた撮像手段と、
前記多自由度鉗子に設けられた処置部の位置検出を行う処理部位置検出手段と、
前記内視鏡と前記多自由度鉗子、術者との相対的な位置を特定する相対位置検出手段と、
前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置情報に基づいて画像を拡大、移動、回転及び反転制御する画像制御手段と、
前記画像制御手段による制御に基づき画像処理をする画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段と、
を有する内視鏡下手術システム。
【0104】
(付記5) 前記画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大及び移動のうち少なくとも2つの処理を行うことが可能な処理部を備え、前記処理を選択及び組み合わせて行うことを特徴とする付記4記載の内視鏡下手術システム。
【0105】
(付記6) 前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像の回転、反転、拡大及び移動を選択制御することを特徴とする付記5記載の内視鏡下手術システム。
【0106】
(付記7) 前記相対位置検出手段は、内視鏡に対する術者の相対位置を検出しかつ記録する手段を有することを特徴とする付記1乃至6記載の内視鏡下手術システム。
【0107】
(付記8) 前記画像処理手段は、画像拡大、移動、回転及び反転時に、画像処理内容に応じたメッセージを画像データに組み込む手段を有することを特徴とする付記1乃至7記載の内視鏡下手術システム。
【0108】
(付記9) 前記相対位置検出装置は、鉛直方向を記録・演算することを特徴とする付記1乃至8記載の内視鏡下手術システム。
【0109】
(付記10) 前記内視鏡は、内視鏡保持装置によって把持されたことを特徴とする付記1乃至9記載の内視鏡下手術システム。
【0110】
(付記11) 前記画像処理手段は、撮像手段と内視鏡観察中心を―致させるための補正画像処理手段を有することを特徴とする付記1乃至10記載の内視鏡下手術システム。
【0111】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、術者の処置具の操作に応じて、最適な画像が表示されるので、手術時間の短縮が可能となり、さらに、術者の疲労軽減ができ、患者の負担も軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図2】前記図1の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図3】前記図1の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの一部である。
【図4】前記図1の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの他の一部である。
【図5】前記図1の内視鏡下手術システムにおける画像処理時の撮像画面、または、モニタ表示画面を示す図であって、図5(A)は、変換処理前の撮像画面を示す。図5(B)は、反転処理後の撮像画面を示す。図5(C)は、回転処理後の撮像画面を示す。図(D)は、内視鏡観察円(撮影範囲)の画像と拡大表示画面とを示す。
【図6】前記図1の内視鏡下手術システムにおける画像処理時のプローブ移動状態の撮像画面とモニタ表示画面を示す。
【図7】本発明の第2の実施形態の実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図8】前記図7の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図9】前記図7の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの一部である。
【図10】図9,10は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの他の一部である。
【図11】本発明の第3の実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図12】前記図11の実施形態の内視鏡下手術システムに適用される多自由度鉗子の外科用処置具を示す図であって、図12(A)は、側面図を示し、図12(B)は、図12(A)のE矢視図である。
【図13】前記図11の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態の画像処理装置を適用した内視鏡下手術システムにおける撮像画面を示し、図14(A)が撮像画面に対して内視鏡観察円がずれている状態を示し、図14(B)が撮像画面に対して内視鏡観察円のずれをなくした状態を示している。
【符号の説明】
3 …内視鏡
4 …プローブ(処置具)
21,22,23,24,25
…反射マーカー(位置検出手段)
31 …画像制御回路(画像処理手段)
33 …画像処理回路(画像処理手段)
35 …デジタイザ(位置検出手段)
37a…CCD(撮像手段)
39 …モニタ(表示手段)
40 …内視鏡観察円(内視鏡による撮像範囲)
【発明の属する技術分野】
本発明は、内規鏡と処置具を用いた内視鏡下手術システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡下における外科手術においては、内視鏡により得られる観察視野をTVモニタに映し出し、この画面の術野を見ながら処置具を操作して患部の摘出等の処置が行われる。この際、術者または助手は内視鏡を手で保持し、処置を行い易い視野が得られるようにその内視鏡の保持位置の変更を適宜指示するが、術者が望む方向に内視鏡を適確に動かすにはかなりの習熟が必要であった。また、長時間に渡る手術では助手の負担が非常に大きくなり途中で交替する必要がある等の問題があった。
【0003】
そこで、従来、特許文献1に示されるスコープ保持装置が提供されている。このスコープ保持装置は、内視鏡を移動自在に保持する電動マニピュレータと処置具の移動量を検出する処置具移動検出手段とを備え、前記処置具移動検出手段で検出した移動量に応じて前記電動マニピュレータを制御駆動し、処置具の動きに内視鏡による観察画面が自動的に追随するものである。
【0004】
また、特許文献2には処置具の移動に伴い処置具の先端を画像処理によって追跡するようにした技術が示されている。
【0005】
また、特許文献3には被写体の上下方向に対する内視鏡の固有の上下方向の回転量を検出し、検出された回転量に応じて被写体の上下方向と内視鏡の固有の上下方向との関係を表示する医療用撮像装置が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4には術者の位置に応じて内視鏡の画像を回転、または、反転させて表示させる技術が示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許文献1は、特許公開公報平5−337118号である。
【0008】
【特許文献2】
特許文献2は、特許公開公報平8−164148号である。
【0009】
【特許文献3】
特許文献3は、特許公告公報平4−30290号である。
【0010】
【特許文献4】
特許文献4は、特許公開公報平7−327921号である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記内視鏡と処置具の組合せにおいては、術者と内視鏡の位置関係、内視鏡自体の回転ににより術者は処置具の先端部の動きを直感的に認識し、操作することが難しく、処置具先端部を誤った方向に操作したり、また、所望位置まで移動させるのに時間が掛かり、手術時間が長くなるなどの問題が生じていた。
【0012】
特に、脳神経外科などにおけるキーホールサージェリーにおいて、患部周辺は非常に狭いものとなっており、内視鏡および処置具の挿入によりさらに処置具を動かすことのできる空間は狭くなっている。そうした状況において、内視鏡によって処置具先端を常に追従することは、術者にとって非常に困難であった。さらには、多自由度を有する処置具(多自由度針子)の登場により術者は、内視鏡観察下において処置具先端部の動きを直感的に認識、操作することが困難となっている。
【0013】
上述のような状況において、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、画像の目転・反転及び追従といった個々の技術が示されているが、例えば、回転検出のために内視鏡に検出手段を設けるなどにより装置が大型化し、複雑化することになり、コストがアップするなどの問題点があった。さらには、処置具の使用状態、例えば、内視鏡と処置具の相対位置に応じて、わざわざ画像切り替え操作を行わなければならず、術者の負担を強いていた。
【0014】
本発明は、前記問題点に着目したものであり、術者がわざわざ画像操作を行うことなく、術者に認識しやすい画像を自動的に得ることができ、かつ、システムを小型化、低コストで実現することができる内視鏡下手術システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の内視鏡下手術システムは、術部を処置するための処置部を有する処置具と、前記術部を観察するための内視鏡と、前記内視鏡に設けられた撮像手段と、前記内視鏡と前記処置具および術者との相対的な位置を特定する位置検出手段と、前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置に基づいて画像処理する画像処理手段と、前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段とを有しており、前記処置具と内視鏡および術者の相対的な位置を検出し、その位置情報に基づいて撮像手段で得られた画像を自動的に変換し、変換された画像を前記表示手段に表示する。
【0016】
本発明の請求項2記載の内視鏡下手術システムは、請求項1記載の内視鏡下手術システムにおいて、前記画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大、および、移動のうち、少なくとも2つの処理を可能とする処理部を備え、前記処理を選択、および、組み合わせて行う。
【0017】
本発明の請求項3記載の内視鏡下手術システムは、請求項2記載の内視鏡下手術システムにおいて、前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像の回転、反転、拡大、および、移動を選択制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
まず、本発明の第1実施形態としての内視鏡下手術システムについて、図1〜6を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図2は、前記内視鏡下手術システムの画像処理部のブロック構成図である。図3,4は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートである。図5(A)〜(D)および図6は、それぞれ前記内視鏡下手術システムにおける各画像処理時の撮像画面、または、モニタ表示画面を示す図である。
【0020】
本実施形態の内視鏡下手術システムは、図1に示すように内視鏡支持具(支持手段,内視鏡保持具)8によって適宜な位置に移動可能に支持される内視鏡3と、術者10によって把持される処置具としての超音波吸引装置プローブ4と、表示手段であるモニタ39と、位置検出/画像処理部51(図2)と、入力手段である操作スイッチ群32とを有してなる。
【0021】
前記内視鏡支持具8は、手術台7に取り付けれ、水平方向であるA方向に移動可能な基台11を有しており、基台11には、支柱12が鉛直方向に沿って立設されている。支柱12の上端には基部アーム13が支柱12を中心としてB方向に回転自在に取付けられている。基部アーム13の回動端にはリンク機構15を保持する保持アーム14が水平軸中心にC方向に回転自在に取付けられている。
【0022】
前記リンク機構15は、複数のリンク16を平行に連結して構成した平行リンク機構からなり、その一端側の一対のリンク16aを介して基部アーム13に対して揺動自在に支持されている。リンク機構15の他端には前記内視鏡3を挟持して保持する装着具17が設けられている。
【0023】
前記リンク機構15の各可動連結部分は、例えば、締付けねじ18の力や連結部の摩擦力によって各調整位置に仮固定されるようになっている。従って、手で内視鏡支持具8に力を加えて回動または変形させれば、内視鏡3の位置を変えることができる。そして、その仮固定位置に締付けねじ18の締結力、あるいは、前記摩擦力によって固定的に位置させることができる。
【0024】
前記内視鏡3は、その接眼側に撮像素子であるCCD37aを内蔵するTVアダプタ37(図2)が設けられ、さらに、CCD37aの撮像方向Sに沿って延出する先端部3aを有し、その先端部には、対物レンズが保持されている。この内視鏡3の先端部3aは、患者頭部1の内部の被検体となる術部(患部)2に挿入される。
【0025】
プローブ4の先端部4aも同様に患者頭部1の内部の前記術部2に挿入される。
【0026】
前記位置検出/画像処理部51は、図2に示すように内視鏡3の接眼側に支持され、術部2の画像を撮影するTVアダプタ37と、TVアダプタ37からの撮像信号をビデオ信号に変換する画像プロセッサ38と、内視鏡撮影画像の拡大,移動,回転および反転を行う画像処理手段である画像処理装置34と、内視鏡3,プローブ4,術者10の位置,姿勢を検出する位置検出手段としての光学式3次元位置検出装置30とを有してなる。
【0027】
前記TVアダプタ37に内蔵されるCCD37aよって内視鏡3の先端部3aに配置される対物レンズを通しての被検体である術部2aの視野像が撮像される。このTVアダプタ37で得られる撮像信号は、信号ケーブル29を介して画像プロセッサ38に伝送される。画像プロセッサ38より出力される内視鏡画像データであるビデオ信号は、後述する画像処理回路33のメモリ(図示せず)に記憶される。
【0028】
前記画像処理装置34は、位置検出装置30の出力に基づき、画像プロセッサ38からの画像データを処理し、内視鏡撮影画像の拡大,移動,回転および反転等を行う処理装置であって、画像制御回路31と、画像処理回路33と、さらに、装置全体を制御する図示しない制御部(例えば、CPU)とを有してなる。
【0029】
前記画像制御回路31のメモリ部には、内視鏡3の光学情報として対物レンズからの距離に応じた撮像範囲に関する情報が予め記録されている。その画像制御回路31には、後述する位置検出回路36が接続され、内視鏡先端位置,姿勢情報やプローブ先端位置,姿勢情報や術者位置,姿勢情報等のデータが入力される。そして、画像制御回路31は、前記先端位置,姿勢情報と前記撮像範囲に関する情報とに基づき、内視鏡撮影画像に対して拡大,移動,回転および反転のうち少なくともなにとも2つの処理を施すための制御データを画像処理回路33に出力する。なお、画像制御回路31には、複数の操作スイッチ(入力手段)32が接続されており、表示倍率等が入力される。
【0030】
前記画像処理回路33には、画像プロセッサ38と、画像制御回路31と、さらに、術者10が観察するためのモニタ39とが接続されている。この画像処理回路33は、画像制御回路31からの制御データに基づき、画像プロセッサ38を介して取り込まれた内視鏡画像データを拡大,移動,回転および反転の少なくとも2つの処理を施し、モニタ39に対して表示画像データとして出力する。
【0031】
前記光学式3次元位置検出装置30は、デジタイザ35と、デジタイザ35の検出出力を処理する位置検出回路36と、内視鏡3の接眼側上部,プローブ6の操作側,術者10の頭部にそれぞれ取り付けられる反射マーカー21,22,23とを有してなる。
【0032】
前記デジタイザ35は、被検体である頭部1まわりの反射マーカー21,22,23に向けて測定用赤外光を照射する赤外発光部5と、赤外線カメラ6a,6bと、前記赤外発光部,赤外線カメラを支持するスタンド7を有してなる。
【0033】
前記赤外線カメラ6a、6bは、所定の高さの位置で所定の間隔で赤外発光部5の両側の水平線上に配置され、かつ、前記赤外光発光部5による赤外線の被検体の方向への照射方向と同―方向の向きに配置されている。
【0034】
前記反射マーカー21,22,23には、それぞれ少なくとも2つ以上の反射ボールが設けられている。前記各反射ボールの表面には、赤外光を反射する塗料が塗布されている。各反射マーカー21,22,23のそれぞれの反射ボールは、該反射ボールの数が異なるか、あるいは、該反射ボールによって形成される形状が異なる所定の3次元形状に配置されている。
【0035】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー21は、内視鏡3の先端3aに配置される対物レンズ(図示せず)から所定の距離離間し、さらに、CCD37aの撮像方向S(内視鏡3の先端部延出方向)と関連付けられた状態で頭部1の外部位置に着脱自在に取付けられている。
【0036】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー22は、プローブ4の上方部の頭部1外部に位置する部分であって、プローブ4の先端4aから所定距離離間した位置に着脱自在に取り付けられる。
【0037】
前記複数の反射ボールからなる反射マーカー23は、術者10の頭部前方に着脱自在に取り付けられる。
【0038】
反射マーカー21の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置と内視鏡先端3a(対物レンズ)の間の3次元的相対位置データ(すなわち、所定の離間位置データ)や内視鏡3の撮像方向Sの所定の3次元的姿勢データが位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。
【0039】
同様に反射マーカー22の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置とプローブ先端4aの間の3次元的相対位置データ(すなわち、所定の離間位置データ)は、位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。また、反射マーカー23の複数の反射ボールで形成される所定形状の配置位置と術者10の間の3次元的相対位置データも位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。また、各反射マーカーの前記複数の反射ボールで形成される各所定形状データも位置検出回路36のメモリ部(図示せず)に記録されている。
【0040】
前記光学式3次元位置検出装置30において、デジタイザ35の赤外光発光部5から照射された赤外光は、反射マーカー21,22,23に設けられた複数の反射ボールで反射する。その反射した赤外光は、赤外線カメラ6a,6bで撮像される。赤外線カメラ6a,6bは、所定の間隔を持って設置されているため、撮像された画像に視差が生じる。その撮像された画像は、位置検出回路36で画像処理され、前記視差から各反射ボールとの距離が演算される。同時に各反射ボールの3次元的方向も位置検出回路36に取り込まれる。
【0041】
反射マーカー21,22,23の各反射ボールの位置,方向は、デジタイザ35により検出され、その検出データは、位置検出回路36に取り込まれる。位置検出回路36では、予め記録されている各反射マーカーの配置形状との相関処理を行い、各反射マーカーの位置及び姿勢が演算により求められる。さらに、演算された前記各反射マーカーの位置及び姿勢データに基づき、内視鏡3の先端3aの位置(対物レンズ位置)および内視鏡3の撮影光軸S方向(内視鏡姿勢)やプローブ4の先端43aの内視鏡先端部3aに対する相対位置,姿勢、さらに、内視鏡先端3aの位置および撮影光軸S方向に対する術者10の相対位置,姿勢が演算により特定される。
【0042】
なお、上記画像処理においては、赤外線カメラ6a,6bに対する上下方向から位置検出回路36によって術部2まわりの鉛直方向Yが算出され、特定されている。
【0043】
前記位置検出回路36は、上述したように画像制御回路31と接続されており、デジタイザ35を介して測定され、演算により求められた内規鏡3の先端部3aやプローブ4の先端4aの相対位置情報,相対姿勢(相対方向)情報、術者10の位置,姿勢情報、さらに、TVアダプタ37のCCD37aの向き(撮影方向S)の鉛直方向Yに対するズレ量情報等を画像制御回路31に出力する。
【0044】
次に、上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下システムにおける位置検出/画像処理動作を図3〜6等を用いて説明する。
図3,4は、内視鏡下システムにおける位置検出/画像処理動作のフローチャートを示す。図5(A)〜(D)は、前記画像処理動作時の撮像画面とモニタ表示画面を示す。図6は、前記画像処理動作におけるプローブ移動時の撮像画面とモニタ表示画面を示す。
【0045】
前記位置検出/画像処理においては、位置検出/画像処理部51の制御部による制御のもとで以下のステップの処理が実行される。
すなわち、ステップS01において、内視鏡3の対物レンズ(図示せず)を介して入射した術部2からの光束がTVアダプタ37のCCD37aによって撮像され、画像プロセッサ38に取り込まれてビデオ信号に変換される。前記ビデオ信号は、画像処理回路33のメモリ(記録手段,図示せず)に一時的に記録される。このとき、画像処理回路33に記録されるCCD撮像画面Z0 を図5(A)に示す。この画面Z0 は、前記TVアダプタ37のCCD37aで撮像される全撮像画面であり、撮像画面Z0 内には、内視鏡3による術部2の実際に撮影される範囲(内視鏡観察円40)の内視鏡撮影画像が示される。
【0046】
続いて、ステップS02において、位置検出回路36によりプローブ4の先端4aと内視鏡3の対物レンズ(内視鏡先端3a)の相対位置データが取得される。
【0047】
ステップS03にて、予め、画像制御回路31に記録されている内視鏡3の撮像範囲と前記相対位置から、内視鏡3のプローブ4に対する撮影範囲を演算する。ステップS04でプローブ4の先端4aが内視鏡3の撮影範囲内にあるかどうかを判断する。撮影範囲内にあれば、すなわち、図5(A)のように全撮像画面Z0 上の内視鏡観察円40内にプローブ4の先端4aが位置している状態であれば、ステップS05に進む。撮影範囲外ならば、後述するステップS14にジャンプする(図4)。この場合、ステップS14にて画像処理を行う前の内視鏡画像表示にモニタ表示状態が切り替えられる。
【0048】
ステップS05に進んだ場合、位置検出回路36より内視鏡3の先端位置と術者10との相対位置データ、および、内視鏡3の撮像方向S(観察方向)データを取得する。
【0049】
ステップS06にて、内規鏡3の撮像方向Sが術者10側に向かった方向であるかどうかを判断する。術者10に向かった方向であれば、内視鏡撮影画像が術者10と対向する方向から見た画像になっている状態であるのでステップS07に進み、画像制御回路31により画像を左右反転処理する制御信号を画像処理回路33に出力する。そして、画像処理回路33では記録されている画像を左右反転処理してステップS08に進む。図5(B)に前記左右反転処理した内視鏡観察円40内の画像を示す。
【0050】
一方、撮像方向Sが術者10に向かった方向でなければ、術者10は、内視鏡撮像方向Sと同し方向から術部2を観察していることになるので、そのままステップS08にジャンプする。ステップS08では、位置検出回路36から得られる内視鏡3の撮影画像の向きと術者10の観察状態での上下の向きとのズレ量データが画像制御回路31により取得される。
【0051】
そして、ステップS09において、前記ズレ量データに基づき、内視鏡3の撮影画像の向き(CCDの上下方向)が術者10による上下方向の認識と同じ向きであるかどうかが判断される。同じ向きであると判断されれば、そのまま何もせずステップS12にジャンプする。同じ向きでないと判断されれば、そのズレ量を補正するべくステップS10に進む。
【0052】
ステップS10では、画像制御回路31により前記ズレ量から画像の回転量が算出され、画像処理回路33に対して撮影画像を前記回転量だけ回転させる制御信号が出力される。ステップS11にて、画像処理回路33により前記制御信号に基づき、記録されている撮影画像の回転処理が行われる。この回転処理による内視鏡観察円40内の画像を図5(C)に示す。
【0053】
ステップS12では、位置検出回路36を介して得られるプローブ先端4a位置と内視鏡先端3a位置及び内視鏡観察円(撮影範囲)40から、画像処理回路33に記録されている画像上におけるプローブ先端4aの位置を示す画像座標が演算される。
【0054】
予め、術者10が操作スイッチ(入力手段)32を操作することによって設定された表示倍率が画像制御回路31に記憶されていることから、続くステップS13において、画像制御回路31よりプローブ先端4aの位置を示す画像座標を指定する制御信号と、前記画像座標におけるプローブ先端4a位置を中心として前記設定された表示倍率に基づいて画像を拡大する制御信号とが画像処理回路33に出力される。画像処理回路33は、記録されている画像を前述した制御信号に基づき拡大表示する所定表示範囲の画像データを生成する。
【0055】
ステップS14にてモニタ39に対して該画像データが出力される。このときの拡大処理したモニタ表示画像Z1 を図5(D)に示す。図中、内視鏡観察円40内の破線四角は、プローブ先端を中心とした拡大表示される範囲40aを示す。モニタ表示後は、再びステップS01に示される画像プロセッサ38からの映像信号を取得する処理に戻る。
【0056】
なお、上述した位置検出/画像処理動作中にプローブ先端4aが動かされた場合は、図6に示すようにプローブ先端4aを追跡し、その移動に合わせて表示画像が切り換えられる。すなわち、内視鏡観察円40内の実線によって示される四角で示す範囲40aは、処理開始時に観察していた部分であり、そこで、破線で示す範囲40bにプローブ先端4aが移動すると、その移動位置がデジタイザ35を介して検出され、画像制御回路31の制御により前記移動位置の範囲40bの画像が表示画像Z1 ′としてモニタ26に表示される。
【0057】
以上、説明したように本第1実施形態の内視鏡下手術システムによれば、術者10の相対位置も内視鏡3,プローブ4の位置とともに検出されるので、術者10が術部2に対して移動した場合でも、その移動に応じて自動的に術者10にとって観察し易いモニタ表示画像が得られる。
【0058】
また、本実施形態のシステムによれば、処置具のプローブ4が術剖2から遠ざけられ、内視鏡3の撮像範囲から外れると自動的に画像処理を行う前の内視鏡撮影画像に切り替わるので、内視鏡3の移動が行い易くなる。さらに、内視鏡3が内視鏡支持具8によって支持されているので、術者10は両手を使用して手術を遂行することができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態の内視鏡下手術システムについて、図7〜10を用いて説明する。
図7は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図8は、前記内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。図9,10は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートである。
【0060】
本実施形態の内視鏡下手術システムにおいては、図7に示すように反射マーカー24が患者の頭部1に着脱自在に固定されており、術者10には反射マーカーを取り付けない。
【0061】
また、本実施形態のシステムにおける位置検出/画像処理部52は、3次元位置検出装置30Aと画像処理装置34Aとを有してなり、前記3次元位置検出装置30Aの位置検出回路36には、操作スイッチ群(入力手段)41が接続されている。また、画像処理装置34Aにはキャラクタジェネレータ42が内蔵され、画像制御回路31及び画像処理回路33に接続されている。本実施形態の内視鏡下手術システムのその他の構成は、前記第1の実施形態のシステムと同様とする。従って、同一の構成要素には、同一の符号を付して、以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0062】
前記光学式3次元位置検出装置30Aにおいて、患者頭部1に取り付けられた反射マーカー24は、前記第1実施形態に示された他の反射マーカーと同様にその位置及び姿勢がデジタイザ35,位置検出回路36により検出される。
【0063】
また、前記第1の実施形態ではデジタイザ35の赤外線カメラ6a,6bに対する上下方向から位置検出回路36で鉛直方向が設定されていたが、本実施形態の場合は、そのような鉛直方向の設定は行わなず、患者頭部1に固定された反射マーカー24を用いて鉛直方向が設定される。すなわち、反射マーカー24が頭部1に取り付けられた時点で、内視鏡3を対物レンズが下になるようにして鉛直方向にセットする。この状態で操作スイッチ群(入力手段)41を操作すると、3次元位置検出装置30Aによって反射マーカー21と反射マーカー24の相対位置が検出される。その相対位置情報に基づいて検出回路36に反射マーカー24を基準とする鉛直方向Yが記録される。
【0064】
さらに、本実施形態の場合は、術者10が作業する位置を内視鏡3の先端部3aで示した状態に保って操作スイッチ群(入力手段)41を操作することによって、患者頭部1の反射マーカー24を基準にした術者10の位置が位置検出回路36に記録される。
【0065】
次に、上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理動作を図9,10のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
前記位置検出/画像処理では、位置検出/画像処理部52の制御部による制御のもとで以下のステップの処理が実行される。
【0067】
スタート後のステップS21,22の処理は、前記第1実施形態におけるステップS01,02の処理と同様の処理である。
【0068】
続くステップS23,24の処理は、前記第1実施形態におけるステップS05,06の処理に対応するが術者10の位置は、患者頭部1の反射マーカー24を基準にして記録された位置データに基づいて特定される。
【0069】
ステップS24における判断で内視鏡3の観察方向Sが術者10に向かった方向であると判断された場合、ステップS25に進むが、そのステップS25おいて、キャラクタジェネレータ42に対して画像を左右反転する内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は、前記制御信号に基づき、画像左右反転を示すキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0070】
一方、ステップS24における判断で術者に向かった方向でないと判断された場合、そのまま、ステップS27に進む。ステップS27,28では、前記第1の実施形態の場合のステップS08,09と同様の処理が行われる。
【0071】
ステップS28において、内視鏡3で撮像した画像の上下、すなわち、CCDの上下方向と術者による上下方向の認識が一致しているかどうかの判断がなされ、一致している場合、そのまま何もせずステップS32に進む。一致していなければ、ステップS29に進む。
【0072】
ステップS29では、キャラクタジェネレータ42に画像回転させる内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は前記制御信号に基づき、前記メッセージのキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0073】
続いて、ステップS30,S31では、前記第1の実施形態におけるステップS10,11と同様の処理が行われる。さらに、ステップS32,S33に進み、前記第1の実施形態におけるステップS03,04と同様の処理が行われる。
【0074】
ステップS33において、プローブ4の先端4aが内視鏡3の撮影範囲内にあるかどうかを判断し、撮影範囲内にあれば、ステップS34に進む。撮影範囲内になければ、ステップS37にジャンプする。
【0075】
ステップS34においては、キャラクタジェネレータ42に画像を拡大する内容のメッセージを出力するよう制御信号を出力する。キャラクタジェネレータ42は、前記制御信号に基づき、前記メッセージのキャラクタデータを画像処理回路33に出力する。画像処理回路33は、画像データに前記キャラクタデータを組み込む。
【0076】
ステップS35,36では、前記第1の実施形態におけるステップS12,13と同様の処理が行われる。
【0077】
続いて、ステップS37に進み、画像データがモニタ39に出力される。モニタ39には、拡大処理したプローブ先端周りの範囲40aの表示画像Z1 (図5(D))が表示されるとともに前記画像反転処理,画像回転処理,画像拡大処理等が行われた場合には、その内容を示すメッセージが表示される。
【0078】
上述した本第2の実施形態の内視鏡下手術システムによれば、プローブ先端4aが内視鏡観察像に存在しないときでも、内視鏡画像が術者10を基準とした画像に補正され、処置具などの挿入作業が行いやすくなる。また、術者10は反射マーカーをつける必要がないので煩わしさがなくなる。
【0079】
さらに、本システムによれば、観察方向の上下方向(鉛直方向)が頭部1や手術台7に取り付けた反射マーカーを基準とするので、デジタイザ35を水平に設置する必要がなく、デジタイザ本来の設置の自由度を生かすことができ、狭い手術室を有効に使用することができる。また、画像反転などが行われた場合には観察像とともにモニタ39にその内容のメッセージが表示されるため、画像がどのような状態で変換されたかを確認することができる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施形態の内視鏡下手術システムについて、図11〜13を用いて説明する。
図11は、本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。図12(A),(B)は、本実施形態の内視鏡下手術システムに適用される多自由度鉗子の外科用処置具を示す図であって、図12(A)は、側面図を示し、図12(B)は、図12(A)のE矢視図である。図13は、前記内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【0081】
本実施形態の内視鏡下手術システムは、前記第2実施形態のシステムに適用される処置具のプローブ4に替えて多自由度鉗子である外科用処置具が適用され、その外科用処置具の支持部の所定の位置に反射マーカーが着脱可能に設けられ、かつ、該外科用処置具のスライダ部にスライダの移動位置を検出するためのポテンショメーターが組み込まれている。そして、本実施形態における位置検出/画像処理部53の位置検出回路36には前記ポテンショメーターが接続され、外科用処置具の処置部の相対位置検出が行われる。また、前記反射マーカーを介して外科用処置具の位置姿勢の検出がなされる。
【0082】
本実施形態の内視鏡下手術システムの他の構成は、前記第2の実施形態のシステムの構成と同様であるので、その同様の構成要素に対して同一の符号を付して、以下、異なる部分の構成及び作用について説明する。
【0083】
前記外科用処置具は、特開2002−291765号公報の段落番号0028〜0042に記載された外科用処置具60と同様の構成を有し、さらに、その外科用処置具60には、位置検出用ポテンショメータおよび処置具位置検出用反射マーカーが装着される。
前記外科用処置具60は、図12(A),(B)に示されるように体腔内に挿入する挿入部62を備えている。この挿入部62の先端には処置部72が設けられ、基端には操作部88が設けられている。処置部72には、第1および第2のジョ―66,68が設けられ、これらジョ―66,68は、ピン64によって開閉可能に枢支されている。また、処置部72には、これら第1および第2のジョー66,68を横向きに回転する回動機構70が設けられている。
【0084】
図12(A)の実線で示す状態から、第2のハンドル86をピン82を支点として第1のハンドル84に対して開くと、第2の連結部材96、第1の連結部材92を介して第1の駆動棒74が前方に移動する。第1の駆動棒74の移動によって、第2の連結部材126を前方に押出し、第2のジョー68が第1のジョー66に対して開く。
【0085】
また、図12(A)の実線で示す状態から、第1および第2のハンドル84,86を閉じた状態で、ピン90を支点として紙面に対して下側に回転させると、連結棒99を介して第2の駆動棒76が操作部88の後端側に移動するとともに、連結棒102を介して第3の駆動棒78が処置部72側に移動する。第2および第3の駆動棒76,78の移動によって、第3の連結部材132が回動し、処置部72が紙面に対して上側に回転する。この逆の操作も可能である。
【0086】
さらに、図12(A)の実線で示す状態から、スライダ106を第2のハンドル86に対して図12(A)の2点鎖線に示すように、第2のハンドル86の後端に向かってスライドさせると、連結棒99,102を介して第2および第3の駆動棒76,78が後側に移動する。これら第2および第3の駆動棒76,78の移動によって、第3の連結部材132が後方に牽引され、第1および第2のジョー66,68が閉じた状態で処置部72が、図12(A)の2点鎖線に示すようにピン124を支点として回転する。
【0087】
前記挿入部62の支持部80には、反射マーカー25が着脱可能に取り付けられている。その取り付け位置は、患部である頭部1に外科用処置具60を挿入したとき、頭部1のの外方に位置する部分とする。前記反射マーカー25は、後述する3次元位置検出装置30Bのデジタイザ35により検出され、外科用処置具60の位置,姿勢情報が取り込まれる。
【0088】
前記スライダ106にはポテンショメータ43が連結され、そのポテンショメータ43によりスライダ106の移動位置が検出される。前記ポテンショメータ43は、後述する3次元位置検出装置30Bの位置検出回路36と接続される。ポテンショメータ43の出力からスライダ106の位置が検出される。
【0089】
本実施形態の内視鏡下手術システムに適用される位置検出/画像処理部53は、図13に示すように前記第2の実施形態における位置検出/画像処理部52に対して3次元位置検出装置30Bのみが異なり、その他の構成は同一とする。
【0090】
前記3次元位置検出装置30Bの位置検出回路36には、上述したようにポテンショメータ43が接続される。そして、位置検出回路36には、反射マーカー25の取り付け位置とポテンショメータ43の出力値に関連付けられた処置部72の相対位置情報が予め記録されている。また、3次元位置検出装置30Bのデジタイザ35により前記反射マーカー25の位置姿勢データが他の反射マーカー21,24の位置姿勢データとともに検出され、位置検出回路36に取り込まれる。
【0091】
本実施形態のシステムにおいて、術者10が外科用処置具60のリング108をハンドル86側にスライドさせると、これに伴ってスライダ106が移動する。前記スライダ106が移動するとポテンショメータ43によって前記スライダ106の位置が読み取られ、位置検出回路36にポテンショメータ43の位置データが入力される。前記スライダ106の出力により第1,2のジョー66,68の処置具60に対する相対先端移動位置が検出される。従って、外科用処置具60のリング108の操作に連動するポテンショメータ43の相対位置情報と、反射マーカー25の位置情報とにより第1,2のジョー66,68の先端位置(処置具先端位置)が特定される。
【0092】
上述した構成を有する本実施形態の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理動作は、前記図9,10に示した第2の実施形態の内視鏡下手術システムにおける処理動作のフローチャートに対して第2の実施形態でのプローブ先端4aを本実施形態での外科用処置具60の処置部72における第1,2のジョー66,68の先端と入れ替えることにより説明される。特に、本実施形態のシステムにおいては、処置部72の第1,2のジョー66,68先端位置情報が外科用処置具60のリング108の操作に連動するポテンショメータ43の出力を介して得られる点が異なっている。
【0093】
上述したように本第3の実施形態の内視鏡下手術システムによれば、前記第2の実施形態のシステムによる効果に加えて、さらに、多自由度鉗子等に代表されるように操作部に対して処置部の相対位置が変わるような処置具を用いた場合であってもその移動する処置具先端の位置を追従することが可能となる。そして、外科用処置具60のような多自由度鉗子の処置部の移動状況を示す内視鏡撮像画像が術者10側から観察される向きの画像に変換されてモニタ39に表示されるので、手術処置を容易に行うことができる。
【0094】
次に、本発明の第4の実施形態の画像処理装置について、図14(A),(B)を用いて説明する。
図14(A),(B)は、本実施形態の画像処理装置を適用した内視鏡下手術システムにおけるCCD撮像画面を示しており、図14(A)は、撮像画面に対して内視鏡観察円がずれている状態を示し、図14(B)は、撮像画面に対して内視鏡観察円のずれをなくした状態を示している。
【0095】
上述した第1〜3実施形態の内視鏡下手術システムにおいては、内視鏡によって得られる内視鏡映像の中心と、該内視鏡映像を撮像する撮像手段のCCD37aの撮像中心(撮像画面中心)が一致している必要がある。
【0096】
本実施形態の画像処理装置は、内視鏡下手術システムにおける画像処理を行い、かつ、前記内視鏡観察円のずれをなくす処理を可能とする装置であり、図2,8,13に示す画像処理装置にて画像プロセッサ38と画像処理回路33の間にCCD撮像中心と内視鏡観察中心を一致させる補正を行う補正画像処理手段である画像補正処理回路が組み込まれる。なお、前記画像処理回路33に前記ずれ補正を行うための補正回路を組み込むように構成してもよい。
【0097】
図14(A)は、前記画像補正処理前のCCD全撮像画面Z0 を示しており、CCD撮像中心45と内視鏡観察円40の撮影画像中心46とがずれている。
【0098】
前記画像補正処理回路において、内視鏡観察円40の境界を検出するべく、画像のエッジ検出が行われる。そのエッヂ検出された形状がパターンマッチングによって認識される。前記パターンマッチングによって検出された内視鏡観察円40から内視鏡観察中心46の位置が算出される。予め定義されたCCD撮像中心45と内視鏡観察中心46の差データが画像処理回路33に取り込まれる。撮影画像全体を前記差データに基づき、ずらすことによって図14(B)に示すようにCCD撮像中心45と一致して表示される新たな内視鏡観察円40′を含む撮像画面Z0 が構築される。
【0099】
本実施形態の画像処理装置によれば、前述した各実施形態の内視鏡下手術システムの相対位置検出手段等によって行われる画像処理において、撮影画像のズレが生じなくなるので、処置部の追従性の精度を向上させることができる。
【0100】
上述した各実施形態に基づいて、以下の構成が得られる。すなわち、
(付記1) 術部を処置するための処置部を有する処置具と、
前記術部を観察するための内視鏡と、
前記内視鏡に設けられた撮像手段と、
前記内視鏡と前記処置具及び術者との相対的な位置を特定する位置検出手段と、
前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置に基づいて画像処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする内視鏡下手術システム。
【0101】
(付記2) 画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大及び移動の処理のうち少なくとも2つの処理を行うことが可能な処理部を備えており、前記処理を選択及び組み合わせて行うことを特徴とする付記1記載の内視鏡下手術システム。
【0102】
(付記3) 前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像処理の回転、反転、拡大及び移動を選択制御することを特徴とする付記2記載の内視鏡下手術システム。
【0103】
(付記4) 術部を処置するための処置部を有する多自由度鉗子と、
前記術部を観察するための内視鏡と、
前記内視鏡に設けられた撮像手段と、
前記多自由度鉗子に設けられた処置部の位置検出を行う処理部位置検出手段と、
前記内視鏡と前記多自由度鉗子、術者との相対的な位置を特定する相対位置検出手段と、
前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置情報に基づいて画像を拡大、移動、回転及び反転制御する画像制御手段と、
前記画像制御手段による制御に基づき画像処理をする画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段と、
を有する内視鏡下手術システム。
【0104】
(付記5) 前記画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大及び移動のうち少なくとも2つの処理を行うことが可能な処理部を備え、前記処理を選択及び組み合わせて行うことを特徴とする付記4記載の内視鏡下手術システム。
【0105】
(付記6) 前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像の回転、反転、拡大及び移動を選択制御することを特徴とする付記5記載の内視鏡下手術システム。
【0106】
(付記7) 前記相対位置検出手段は、内視鏡に対する術者の相対位置を検出しかつ記録する手段を有することを特徴とする付記1乃至6記載の内視鏡下手術システム。
【0107】
(付記8) 前記画像処理手段は、画像拡大、移動、回転及び反転時に、画像処理内容に応じたメッセージを画像データに組み込む手段を有することを特徴とする付記1乃至7記載の内視鏡下手術システム。
【0108】
(付記9) 前記相対位置検出装置は、鉛直方向を記録・演算することを特徴とする付記1乃至8記載の内視鏡下手術システム。
【0109】
(付記10) 前記内視鏡は、内視鏡保持装置によって把持されたことを特徴とする付記1乃至9記載の内視鏡下手術システム。
【0110】
(付記11) 前記画像処理手段は、撮像手段と内視鏡観察中心を―致させるための補正画像処理手段を有することを特徴とする付記1乃至10記載の内視鏡下手術システム。
【0111】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、術者の処置具の操作に応じて、最適な画像が表示されるので、手術時間の短縮が可能となり、さらに、術者の疲労軽減ができ、患者の負担も軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図2】前記図1の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図3】前記図1の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの一部である。
【図4】前記図1の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの他の一部である。
【図5】前記図1の内視鏡下手術システムにおける画像処理時の撮像画面、または、モニタ表示画面を示す図であって、図5(A)は、変換処理前の撮像画面を示す。図5(B)は、反転処理後の撮像画面を示す。図5(C)は、回転処理後の撮像画面を示す。図(D)は、内視鏡観察円(撮影範囲)の画像と拡大表示画面とを示す。
【図6】前記図1の内視鏡下手術システムにおける画像処理時のプローブ移動状態の撮像画面とモニタ表示画面を示す。
【図7】本発明の第2の実施形態の実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図8】前記図7の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図9】前記図7の内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの一部である。
【図10】図9,10は、前記内視鏡下手術システムにおける位置検出/画像処理のフローチャートの他の一部である。
【図11】本発明の第3の実施形態の内視鏡下手術システムのシステム構成図である。
【図12】前記図11の実施形態の内視鏡下手術システムに適用される多自由度鉗子の外科用処置具を示す図であって、図12(A)は、側面図を示し、図12(B)は、図12(A)のE矢視図である。
【図13】前記図11の内視鏡下手術システムの位置検出/画像処理部のブロック構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態の画像処理装置を適用した内視鏡下手術システムにおける撮像画面を示し、図14(A)が撮像画面に対して内視鏡観察円がずれている状態を示し、図14(B)が撮像画面に対して内視鏡観察円のずれをなくした状態を示している。
【符号の説明】
3 …内視鏡
4 …プローブ(処置具)
21,22,23,24,25
…反射マーカー(位置検出手段)
31 …画像制御回路(画像処理手段)
33 …画像処理回路(画像処理手段)
35 …デジタイザ(位置検出手段)
37a…CCD(撮像手段)
39 …モニタ(表示手段)
40 …内視鏡観察円(内視鏡による撮像範囲)
Claims (3)
- 術部を処置するための処置部を有する処置具と、
前記術部を観察するための内視鏡と、
前記内視鏡に設けられた撮像手段と、
前記内視鏡と前記処置具および術者との相対的な位置を特定する位置検出手段と、
前記撮像手段で得られた画像を前記位置検出手段による相対位置に基づいて画像処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された画像を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする内視鏡下手術システム。 - 前記画像処理手段は、画像の回転、反転、拡大、および、移動のうち、少なくとも2つの処理を可能とする処理部を備え、前記処理を選択、および、組み合わせて行うことを特徴とする請求項1記載の内視鏡下手術システム。
- 前記画像処理手段は、前記処置部が前記内視鏡による撮像範囲内か否かによって、画像の回転、反転、拡大、および、移動を選択制御することを特徴とする請求項2記載の内視鏡下手術システム。
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