JP2005046156A - 生体内血小板増殖効能が向上した新規なヒトトロンボポイエチン誘導体 - Google Patents

生体内血小板増殖効能が向上した新規なヒトトロンボポイエチン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】 新規なヒトスロンボポイエチン(hTPO)誘導体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 遺伝子の再組換え方法によって天然型hTPO中の特定部位のアミノ酸をアスパラギン等のアミノ酸に置換して糖鎖を導入することによって製造する。
【効果】 生体内血小板増殖効能を画期的に向上させ、抗癌治療や骨髄移植による血小板減少症の治療に有用に使用できる。
【選択図】 図10

Description

本発明は生体内(in vivo )血小板増殖効能が向上した新規なヒトトロンボポイエチン(human thrombopoietin, 以下「hTPO」とする)誘導体およびその製造方法に関するものである。
より詳しくは、本発明は遺伝子組換え方法によって天然型hTPO中の特定位置のアミノ酸をアスパラギン等のアミノ酸で置換して糖鎖(Sugar chain)を導入した新規なhTPO誘導体、これをコードする塩基配列、該塩基配列を含む発現ベクターおよびその製造方法、発現細胞株、そしてこれを利用したhTPO誘導体の製造方法に関するものである。
抗癌治療または骨髄移植をする場合や其他、様々な原因によって誘発する血小板減少症(thrombocytopenia)は、骨髄細胞内に存在する血小板前駆細胞である巨核球コロニー形成前駆細胞等が抗癌治療または骨髄移植する過程で破壊され、それによって血小板の数が不足するようになり誘発される疾病である。軽い外的刺戟によっても簡単に出血が起こり、血小板減少症がひどい場合には、外部的な刺戟がなくても出血するようになる。また出血が起きた場合、止血がうまくできないためひどい場合には、死亡にまで至る深刻な疾病である。
現在までこのような血小板減少症を治療する方法としては、血小板を輸血する方法が唯一の利用されてきた方法である。しかし、これは血小板輸血に必要な血液の提供者が不足するという問題点以外に、エイズバイロスまたは肝炎バイロス等の血液に由来した感染源による感染、および外来血小板の輸血による免疫反応の誘発等の副作用がある。
血小板は、巨核球前駆細胞から作られる血液成分であり、出血を抑制する機能を示し、その数は肝臓または腎臓で生成され、分泌される糖蛋白質であるトロンボポイエチン(thrombopoietin, 以下「TPO」とする)によって調節される。TPOは骨髄細胞内に存在する血小板の生産細胞である巨核球前駆細胞の増殖と分化を促進させ、血小板の生成を誘発し窮極的に血小板数を増加させる(Lok 等、Nature, 369: 565-568 (1994); De savage等、Nature, 369: 533-568 (1994))。
TPO遺伝子中のヒトトロンボポイエチン(hTPO)の遺伝子が、1994年に初めてcDNA形態にクローニングされて以後(Lok 等、Nature, 369: 565-568 (1994); De savage等、Nature, 369: 533-568 (1994); Miyazaki 等、Experimental hematol., 22: 838 (1994); 国際特許公開第95/18858号公報)、hTPOが血小板数を調節する機能を持っていることを利用して、抗癌治療および骨髄移植時に誘発される血小板減少症を治療しようとする臨床実験が進行している(Murray 等、Exp. Hematol., 26: 207-216 (1998))。
以後、天然型hTPOの活性を改善しようとする研究が多様に進められているが、大きく分けると3つの方法で行われている。
hTPOは細胞内で353個のアミノ酸で構成された前駆体として発現した後、21個のアミノ酸のシグナル配列が切断されて332個のアミノ酸で構成された活性型蛋白質として細胞外へ分泌される糖蛋白質である。hTPOは赤血球生成を増加させる赤血球生成因子であるエリトロポイエチン(erythropoietin、EPO)と高い配列相同性を持っており、hTPOの活性を示す部位である始めの151個のアミノ酸配列と、hTPOの細胞外分泌、体内安定性等に重要な役割をするものと推定される上記配列を除外したC−末端部位の二つの領域に区分される(Eaton 等、Exp. Hematol., 25:1-7 (1997))。
このような天然型hTPOを修飾させる一番目の方法は、hTPOのC−末端部位を欠失させるかまたは、C−末端部位を欠失させた後、新しいアミノ酸を結合させることである。
このような方法で、アムゲン(Amgen)社は、hTPO151 (アミノ酸1−151)、hTPO174 (アミノ酸1−174)誘導体とhTPO163 のN−末端にメチオニンーライシンを添加させた誘導体を製造した。しかし、上記誘導体等は、試験管内試験では活性が維持されたにもかかわらず、生体内試験の結果では天然型hTPOより活性が低下したものとしてあらわれた(国際特許公開第95/26746号公報、国際特許公開第95/25498号公報)。
また、ジェネテック(Genetech)社の場合は、N−末端にメチオニンを添加したhTPO153 誘導体を大腸菌で発現させて製造した(国際特許公開第95/18858号公報)。キリン(Kirin)社の場合は、C−末端部位を欠失させた色々な誘導体とhTPO163 内の特定アミノ酸を置換させたり、欠失または挿入させた誘導体等を製造した(国際特許公開第95/21919号公報)。その他にジモジェネティクス(Zymogenetics)社(国際特許公開第95/21920号公報、国際特許公開第95/17062号公報)および、ジー ディ セアル(G. D. Searl)社(国際特許公開第96/23888号公報)のよな研究機関でTPOのC−末端部位を欠失させた色々な誘導体を製造したが、生体内実験結果では天然型hTPOに比べて血小板生成活性が優れた誘導体を作るのに完全に失敗した。
二番目の方法は、アムゲン社のhTPO163 −PEGのようにhTPO切片にポリエチレングリコール(以下「PEG」とする)を付加して誘導体を作る方法である(国際特許公開第95/26746号公報)。
しかし、上記の方法は、hTPOの安定性に重要な役割をするC−末端部位がないため、体内安定性の低下および蛋白質の折り畳み(folding)の変化に因る体内免疫学的防禦システムの露出容易性による安全性の低下、そして蛋白質発現の問題点等が生じ得る。また、PEGがhTPO切片に付加される時、一定の比率で付加されないために品質の不均質性の問題が起こり得る。
また他の方法としては、hTPOに糖鎖を導入することによってhTPOの活性を増加させようとする方法がある。このような方法としては、アムゲン社はhTPOをコードするcDNAにある特定の塩基を置換してアスパラギン−X−セリン/トレオニン(Xはプロリンを除外したアミノ酸)の形態に突然変異させてC−末端が欠失した174個のアミノ酸で構成されたhTPOにN−連結形糖鎖を一つ以上導入して、活性が増加したhTPO誘導体を製造しようとした(国際許公開第96/25498号公報)。
韓国生命工学研究所は、アムゲン社とは異なりhTPOを切断しないで天然型形hTPOに糖鎖を導入し糖鎖が一つ追加されたhTPO誘導体を製造した(パク・フンロク等、 J. Biol. Chem., 273:256-261 (1998) ) 。しかし、生体内試験の結果、これらは全て天然型hTPOよりも有意的に高いと認められる活性が現れなかった。
上述したように、生物学的活性が向上したhTPO誘導体を色々な方法によって開発しようとしたが、天然形より生体内活性が向上されたhTPO誘導体を得ることに全て失敗した。
一般的に多くの蛋白質は、糖鎖と蛋白質が結合した糖蛋白質として存在する。このような糖鎖化は、蛋白質の特定位置から発生し、たいてい2種類に分類される。たいてい糖の側鎖がセリンまたはトレオニンアミノ酸の酸素に付着するO−連結形糖鎖化とアスパラギン−X−セリン/トレオニン(Xはプロリンを除外したアミノ酸)のアスパラギンの窒素に付着するN−連結形糖鎖化がある。
糖蛋白質の糖鎖は、蛋白質の物理化学的、生物学的特性に多くの影響を与え、蛋白質の安定性と分泌に重要な機能を果たすものとして知られており、特に、生体内生物学的活性および薬物動力学的性質に重要な影響を与える(Jenkins 等、Nature Biotechnological., 14:975 - 981 (1996); Liu等、Act. TIBTECH., 10:114 - 120 (1992))。
その例として、人間インターフェロンガンマ(human interferon- γ)やグルコース輸送蛋白質(glucose transport protein)の場合、N−糖鎖部位が導入されるアスパラギンアミノ酸を他のアミノ酸に置換することによって糖鎖が導入されないようにした時、蛋白質の生物学的活性度が顕著に減少して現れることによってN−糖鎖が糖蛋白質の活性に多くの影響を与えることが確認された(Sareneva等、Biochemical J. 303:831 - 840 (1994); Asano等、FEBS, 324:258 - 261(1993))。
しかし、また、糖鎖が追加導入されたとしても、蛋白質の生物学的活性がそれにつれて増加するものではない。これは、上記アムゲン社および韓国生命工学研究所の先行技術(国際特許公開第96/25498号公報; パク・フンロク等、J. Biol. Chem., 273:256-261(1998) )等からも確認されているが、これらの場合、糖鎖が追加されたにもかかわらず、蛋白質の生物学的活性はむしろ天然型よりも減少した。従って、糖鎖が追加導入されることによって蛋白質の活性が増加されるためには、糖鎖が多く付くことより特定部位に導入されることが重要である。
それゆえ、本発明者達は、hTPOの生物学的活性を増加させようと、色々な部位に糖鎖が導入された誘導体を多様に製造してその活性を測定した結果、164番目のアミノ酸であるアルギニンをアスパラギンに置換したhTPO誘導体;193番目のアミノ酸であるトレオニンをアスパラギンに置換したhTPO誘導体;157番目のプロリンおよび164番目のアルギニンをそれぞれアスパラギンに置換したhTPO誘導体;および108番目のロイシン、117番目のアルギニンおよび164番目のアルギニンをそれぞれアスパラギンに置換したhTPO誘導体;が驚くべきことに既存の他のhTPO誘導体とは異なって天然型hTPOに比べて顕著に向上した生体内血小板生成能力を示すことを確認することによって本発明を完成した。
本発明は、生体内(in vivo )での血小板生成活性が天然型hTPOより向上した新規なhTPO誘導体を提供することをその目的とする。
具体的には、本発明は天然型hTPOのアミノ酸配列中の特定部位のアミノ酸をアスパラギン等のアミノ酸で置換して糖鎖を導入することにより、生体内(in vivo )血小板生成活性が向上したhTPO誘導体を提供する。
また、本発明は上記hTPO誘導体をコードする遺伝子を提供する。
さらにまた、本発明は上記遺伝子を適当なベクターに導入した後、このベクターで宿主細胞を形質転換し、そして得られた形質転換体を適当な培地で培養してhTPO誘導体を得る、hTPO誘導体を製造する方法を提供する。
本発明は、天然天然型hTPOのアミノ酸配列中の特定部位のアミノ酸をアスパラギン等のアミノ酸で置換して糖鎖を導入することにより、生体内の血小板生成活性を向上させるhTPO誘導体を提供する。
まず、本発明は、生体内で血小板生成活性が向上したhTPO誘導体を開発するために、hTPO蛋白質の特定部位がN−糖鎖の導入部位であるアスパラギン−X−セリン/トレオニン(Xはプロリンを除外したアミノ酸)配列になるように1つ以上のアミノ酸を置換することによって糖鎖が1つ以上導入された色々な種類のhTPO誘導体を製造した。
具体的には、本発明は、天然型hTPOに糖鎖が1つ以上追加されたhTPO誘導体を製造するためにオーバーラップ重合酵素連鎖反応(overlap PCR; Cheng等、PNAS、91:5695(1994) )による部位特異的突然変異法(site-specific mutagenesis )を利用して、天然型のhTPOの特定アミノ酸が置換されたhTPO誘導体の遺伝子を分離した。(図1参照)
まず、下記の変異塩基配列を含むプライマーを化学的に合成する。このプライマーは、両方向のオリゴヌクレオチドにそれぞれ新しく置換させようとするアミノ酸の塩基配列を含み、その配列を中心に5’方向と3’方向にhTPO遺伝子の塩基配列に該当するいくつかの塩基が連結した一対のセンスおよびアンチセンスプライマーである。
Figure 2005046156
オーバーラップPCR(overlap PCR )は、具体的にhTPO cDNA遺伝子がクローニングされている公知の移動ベクターpBlue(大韓民国特許出願第97−7512号明細書)を鋳型にして、hTPOシグナル配列をコードする塩基配列を含む配列1のオリゴヌクレオチドおよび上記表1の変異塩基配列を含むオリゴヌクレオチド対中のN−プライマー、または残りのC−プライマーとhTPO C−末端転写解読枠部分と終結コドンを含む配列2のオリゴヌクレオチドをそれぞれ始発体にして実施した。
上記オーバーラップPCRの産物は、hTPO遺伝子のシグナル配列を含み、N−末端からアミノ酸置換部位までに該当する塩基配列と、アミノ酸置換部位からC−末端までに該当する塩基配列を含むようになる。
アミノ酸変異が起きる塩基配列部位を含む完全な長さのhTPO cDNA遺伝子を得るために、上記の2つのオーバーラップPCR産物を鋳型にして、上記配列1および配列2のオリゴヌクレオチドをそれぞれプライマーにしてPCRを実施した。
このような過程で1078bpの変異塩基配列部位を含む完全な長さのhTPO誘導体cDNAを製造した。(図1参照)
上記過程で製造したhTPO誘導体cDNAを含む形質転換体を製造するために,まずhTPO誘導体cDNAを含む移動ベクターを製造し、このベクターを利用して発現ベクターを製造した。
具体的に公知の移動ベクターpBlueBac4と各hTPO誘導体遺伝子を制限酵素BglIIおよびEcoRIでそれぞれ切断し、T4DNAリガーゼ(T4 DNA ligase )で連結し各hTPO誘導体遺伝子を含む移動ベクターを得た。(図2参照)
上記で得た移動ベクターの種類と、その移動ベクターの変化したhTPO誘導体遺伝子配列とそれによって置換されるアミノ酸部位を下記の表2に示す。
本発明でhTPO誘導体のアミノ酸配列は、配列30で記載される天然型hTPOのアミノ酸配列から置換させたアミノ酸配列を表記する方法で示した。例えば、本発明のhTPO誘導体40430のアミノ酸序列は、[Asn108 ]hTPOで表記する。これは、配列30のアミノ酸のアミノ酸序列から108番目のアミノ酸残基がアスパラギンに置換されたアミノ酸配列と一致する。
Figure 2005046156
上記の移動ベクターを動物細胞に形質転換させるために哺乳動物細胞発現ベクターを製造した。
具体的には、天然型hTPOのcDNAを公知のpCDNA3.1ベクターに挿入して製造したpCDTベクターと上記のhTPO誘導体遺伝子を含む移動ベクターpBlue29、pBlue30、pBlue31、pBlue32、pBlue33、pBlue34、pBlue58、pBlue59、pBlue60、pBlue61、pBlue62、pBlue63を制限酵素NheIおよびEcoRIでそれぞれ切断してT4DNAリガーゼで連結し、各hTPO誘導体遺伝子を含む動物細胞発現ベクターを得た。(図3および表3参照)
Figure 2005046156
この時、遺伝子コード配列の縮重(degeneracy)に起因して、表3に表示されたDNA配列とは異なるが、表3のアミノ酸配列をコードする条件に符合する他の塩基配列も本発明の範疇に含まれる。すなわち本発明で表3の変化したアミノ酸配列を含むhTPO誘導体のアミノ酸配列をコードする全ての塩基配列が突然変異hTPO遺伝子の塩基配列に利用できる。
例えば、配列11と配列12の塩基配列を持ったプライマーによって突然変異が導入されたhTPO誘導体発現ベクターp40433によって発現するhTPO誘導体は、配列30のアミノ酸序列で164番アミノ酸がアスパラギンに置換されたポリペプチドを含み、これをコードする塩基配列は、配列31の塩基配列だけではなく、遺伝子コード配列の縮重による同種の塩基配列を含む。
上記で製造した移動ベクターに突然変異が正しく導入されているかどうかを確認するために、PCR産物の塩基配列を決定することもできるが、突然変異誘導始発体の作製時に始発体の塩基配列に新しい制限酵素部位を導入するかまたは鋳型にあった制限酵素部位が消滅するようにして、突然変異遺伝子を作り出して特定制限酵素に反応させてみれば、DNA塩基配列分析をしなくても簡便に突然変異が導入されているかどうかを判断できる。例えば、発現ベクターp40433の場合、突然変異が導入されていれば、天然型hTPOの塩基配列GAACCTがACACGTに換わり、制限酵素AflIIIの新しい切断部位を生成するようになる。したがって、発現ベクターp40433を制限酵素AflIIIに反応させてみれば、突然変異の導入の有無を簡単に確認できる。
また、本発明は、hTPO内の二部位以上に糖鎖を導入すために上記hTPO誘導体cDNAを含む発現ベクターを利用して、hTPO蛋白質のお互いに異なった2つ以上のアミノ酸が置換された誘導体を製造した。
具体的に、各hTPO誘導体遺伝子を含む動物細胞発現ベクター2種を制限酵素でそれぞれ切断して、上記pCDTベクターにクローニングしてお互いに異なる二部位または新しい部位のアミノ酸が置換されたhTPO誘導体遺伝子を含む発現ベクターを得る。その例として、発現ベクターp40429を制限酵素NheIおよびBspMIで切断して、Arg117 →Asn117 のアミノ酸置換部位が含まれたDNA切片を分離し、発現ベクターp40431を制限酵素BspMIおよびBsu36Iで切断し、Gly147 →Asn147 のアミノ酸置換部位が含まれたDNA切片を分離後、pCDTベクターをBspMIおよびBsu36Iで切断し、これらを連結させることによってArg117 →Asn117 とGly147 →Asn147 の2つのアミノ酸置換部位が導入された遺伝子を含んだ発現ベクターp40435を得た。これと同じ方法で、p40436ないしp40439とp40446ないしp40449を製造した(表3参照)。
上記で製造した発現ベクターを利用してhTPO誘導体を発現する動物細胞形質転換体を製造した。
具体的には、上記発現ベクターをリポペクタミン方法を利用して、動物細胞CHO/K−1に形質転換させ、それぞれのhTPO誘導体を発現する動物細胞形質転換体を製造した。
上記形質転換細胞株をベクター名に合わせてCHO K−1/p40429、CHO K−1/p40430、CHO K−1/p40431、CHO K−1/p40432、と命名し、その中のCHO K−1/p40433を国際寄託機関である遺伝子銀行(Korean Collection for Type Cultures, KCTC )に1998年6月17日付で寄託した。(受託番号 : KCTC 0495BP)
上記動物細胞形質転換体を培養して、それから動物細胞で発現するhTPO誘導体を製造した。
具体的には、形質転換体を血清が含まれた培地で大量に継代培養した後、分泌培地に交替培養して培養上澄み液を得、これを濃縮、透析してhTPO誘導体を得た。上記CHO K−1/p40433を培養して分離したhTPO誘導体は、配列30のアミノ酸序列で164番アルギニンがアスパラギンに置換されたポリペプチド[Asn164 ]hTPOである。
上記CHO K−1/p40434を培養して分離したhTPO誘導体は、配列30のアミノ酸序列で193番トレオニンがアスパラギンに置換されたポリペプチド[Asn193 ]hTPOである。
上記CHO K−1/p40449を培養して分離したhTPO誘導体は、配列30のアミノ酸配列で108番ロイシン、117番アルギニン、164番アルギニンがそれぞれアスパラギンに置換されたポリペプチド[Asn108 、Asn117 、Asn164 ]hTPOである。
上記CHO K−1/p40458を培養して分離したhTPO誘導体は、配列30のアミノ酸配列で157番プロリン、164番アルギニンがそれぞれアスパラギンに置換されたポリペプチド[Asn157 、Asn164 ]hTPOである。
上記動物細胞で発現したhTPO誘導体をベクター名によって、40429ないし40439、40446、40447、40449、40458ないし40463と命名して、これらの試験管内(in vitro)生物学的活性を試験するために、巨核球細胞性白血病細胞株の細胞増殖検定法を実施した。
その結果40429、40430、40432、40433、40434、40437、40438、40439誘導体等が天然型hTPOより優れた生物学的活性を示した。糖鎖が1つ導入された場合と2つ導入された場合とそれぞれ活性が増加したものと低下したもとが現れたことから導入された数と活性との比例的関係はないものと思われる。(図4参照)
上記hTPO誘導体の生体内生物学的活性を試験するために、hTPO誘導体をマウスに投与して血小板数を測定した。
具体的には、8週齢程度のマウスを平均体重を基準にして4〜5群に分けて、一定の濃度のhTPOを皮下投与する。投与後、末梢血の採血を実施して末梢血中の血小板数を測定した結果、大部分の誘導体群は天然型hTPOよりも血小板生成効果が低下したものとして現れた反面、40433誘導体、40434誘導体、40449誘導体、40458誘導体は、その効果が天然型hTPOと類似または、より優れたものとして現れた。(図6、図7aおよび図7b参照)
上記実験結果からhTPOの生体内活性は、導入される糖鎖数が多けば多いほど増加するというものではなく、導入される部位との間に密接な関係があることが分った。つまり、hTPOの活性が増加するためには、糖鎖をhTPOの332個アミノ酸配列中の特定部位、いうならば164番または193番等に導入しなければならないことが分った。
特に40433誘導体の場合、生体内血小板生成活性は投与後3〜4日経過後から約2日間、天然型hTPOより活性が高く現れ、臨床的に血小板減少症治療剤等に有用に使用できることが確認された。40433誘導体の血小板生成活性の最高値は、投与後5日目に天然型hTPOより34%以上顕著に向上した結果を示し、全体的には、天然型が示す活性よりも80%以上増加した活性を示した。
上記実験結果から天然型hTPOに比べて活性が同じかそれ以上の誘導体の生体内活性を調査するために、上記で作製したhTPO誘導体遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターを製造して、hTPO誘導体の発現効率が高められた細胞株を製造した。
具体的には、dhfr遺伝子を含むベクターpSV2−dhfrのPvuII−SphI切片にBamHIリンカーを付けて、dhfrI遺伝子を含んだ1710bp断片を得た後、これをpCDTに挿入して天然型hTPO遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターであるpDCTを製造した。予め製造した本発明のhTPO誘導体遺伝子を上記pDCTに天然型hTPO遺伝子の代りに挿入し、hTPO誘導体遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターpD40433、pD40434、pD40449、pD40458を製造する。(図8参照)
上記のように作製されたhTPO誘導体遺伝子を含むdhfr発現ベクターは、真核細胞株に形質転換された後、継代培養によって上記細胞株の染色体の中でたやすく増幅される。より詳しく言えば、本発明では、これを動物細胞CHO/dhfr(−)に形質転換させる。上記のように作られた新しい形質転換された細胞株をそれぞれCHO dhfr−/pD40433、CHO dhfr−/pD40434、CHO dhfr−/pD40449、CHO dhfr−/pD40458と命名し、この中のCHO dhfr−/pD40434、CHO dhfr−/pD40449、CHO dhfr−/pD40458を国際寄託機関である遺伝子銀行(Korean Collection for Type Cultures, KCTC )に1999年6月8日付けで寄託した (受託番号 :KCTC 0630BP、KCTC 0631BP、KCTC 0632BP)。上記の方法で、その他のhTPO誘導体遺伝子を含むdhfrベクターとその形質転換細胞株を容易に得ることができる。
上記細胞株は、大量培養が可能であるので、これから各誘導体を公知の方法を使って精製できる。上記hTPO誘導体遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターで形質転換された細胞株からhTPO誘導体を精製するためには、多様なカラムクロマトグラフィーを利用できるが、本発明では、CMイオン交換親和カラム、フェニルセパローズカラム、ヒドロキシルアパタイトカラム等を組合わせて使用して精製した。(図9参照)
上記の精製されたhTPO誘導を生体内生物学的活性を試験するために、上記で言及した方法で各々精製されたhTPO誘導体をマウスに投与して血小板数を測定した。その結果、投与日から10日目まで天然型hTPOに比べて40433誘導体は、77%、40434誘導体は、91%、40449誘導体は、26%、40458誘導体は、79%ずつ増加した活性を示した。(図10参照)
上記hTPO誘導体は、糖鎖導入の可否を確認するために、精製された天然型hTPOおよびhTPO誘導体に対してSDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析を行った。その結果、糖鎖が1つ導入された40433、40434誘導体は天然型hTPOに比べて分子量が増加したことが確認でき、同じように糖鎖がそれぞれ2つ、3つ導入された40458、40449誘導体の分子量も導入された糖鎖の数にしたがい、比例的に増加したものとして現れた。(図11参照)
また、天然型hTPOとhTPO誘導体中、40433をトロンビンで処理した後、時間変化による蛋白質の帯の変化様相を観察することによってhTPO誘導体の安定性増加可否を確認した。その結果、hTPO誘導体の40433が天然型hTPOに比べてトロンビンに対する安定性を増加したことを示した(図12参照)。したがって、糖鎖導入による安定性増加がhTPO誘導体の生体内活性増加に寄与したとみられる。
本発明のhTPO誘導体が治療用薬剤に利用されるためには、薬剤学的分野で公知の方法によって製造でき、それ自体または薬学的に許容される担体、賦形剤、稀釈剤等と混合して、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤または注射剤等の剤形に製造して使用できる。
具体的には、水、燐酸緩衝液、またはエクストロソ溶液、アルブミン溶液、抗酸化剤、デキストリン等と混ぜて投与でき、投与方法としては静脈注射または皮下注射を利用するのが好ましい。
投与用量は天然型よりも相当にすくない量を投与するだけで良い。例えば、0.01〜1000μg/kg/日で投与する。
本発明のhTPO誘導体は、多様な疾患に因る血小板減少症(thrombocytopeina)に使用できる。
例えば、抗癌剤投与、放射線療法による血小板減少症、骨髄移植による血小板減少症、肝炎・肝硬化による血小板減少症等の治療に有用に使用できる。上記疾病を治療する方法としては、アドリアマイシン、シスプラチン等の抗癌剤と併用投与でき、IL−3、MCSF、SCF、EPO等の血球促進サイトカイン(hematopoietic cytokine)等と併用投与できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。下記実施例は本発明を具体的に例示するものであり、本発明の内容がこれによって限定されるものではありません。
実施例1
PCRによるhTPO誘導体をコードするcDNAの製造
天然型hTPO遺伝子に部位特異的突然変異を誘導するためには、アミノ酸を置換させる特異的部位を含む両方向のオリゴヌクレオチド12対を作製し、そのそれぞれを上記表1のように命名した。
hTPO遺伝子を増幅させるための鋳型には、hTPO cDNAがクローニングされている公知の移動ベクターpBlue404(大韓民国特許出願第97−7512号明細書)を使用した。
具体的には、移動ベクターpBlue404約50ngを鋳型にして、hTPO遺伝子シグナル配列の塩基配列を含む配列1のオリゴヌクレオチドと上記突然変異部位を含むオリゴヌクレオチド対中、アンチセンスオリゴヌクレオチド(表1のN−プライマー)をプライマーに使用してPCRを実施した。それぞれのプライマーをμL当り40pmolになるように溶かした後、その溶液4μLにPfu(Pyrococcus furiosus )重合酵素(2.5u/μL; Stratagene社、Cat. No. 600153 )1μLを付加して最終100μLの体積にしてPCR反応を進行させた。PCRは、1次変成 ;94℃90秒、変成; 94℃40秒、プライマー接合 ;55℃1分、伸長反応 ;72℃2分過程を35回反復して進行させた後、最終酵素反応を72℃5分で実施し反応を終了した。
同様に、hTPO遺伝子のC−末端転写読み取り枠(open reading frame, ORF )領域と終結コドンを含む塩基配列を持った序列2のオリゴヌクレオチドと上記突然変異部位を含むオリゴヌクレオチド対中、センスオリゴヌクレオチド(表1の−プライマー)をプライマーに使用して同一の条件でPCRを遂行した。
上記と同じ過程で、それぞれhTPO遺伝子のシグナル配列を含み、N−末端からアミノ酸置換部位までに該当する遺伝子切片とアミノ酸置換部位からC−末端までに該当する遺伝子切片を得た。
各PCR産物は、1%アガロースゲル電気泳動を実施して該当する大きさのDNAバンドを剃刀ナイフで切出し、クイエクスII(QIAEXII)キット(Qiagen社、 Cat. No. 20021 )を利用して溶出し、これを最終的に50μLになるように三次蒸溜水に溶かした。
上記PCR産物から突然変異配列を含みシグナル配列を含む332個のアミノ酸をコードする完全な長さのhTPO cDNA遺伝子を得るためには、2つのPCR切片10ngずつを鋳型にして配列1と配列2のオリゴヌクレオチドをプライマーに使用して最終100μL体積でPCRを進行させた。PCRは1次変成 ;94℃90秒、変成 ;94℃40秒、プライマー接合 ;58℃1分、酵素伸長反応 ;72℃2分過程を35回反復して進行させた後、最終酵素反応を72℃5分で実施して反応を終了した。PCR産物は、1%アガロースゲル電気泳動に付して上記と同じ方法で1078bp大きさのDRAバンドを分離した後30μLの三次蒸溜水に溶かした。
一方、二部位以上の突然変異配列を含むhTPO遺伝子を製造するためには、58−N、58−Cプライマー対、60−N、60−Cプライマー対、61−N、61−Cプライマー対、63−N、63−Cプライマー対によって作られたcDNA配列にもう一度上記の突然変異誘発過程を反復して、33−N、33−Cプライマー対を使用して突然変異を起こさせた。
上記過程で生成されたhTPO誘導体の変化したアミノ酸配列と塩基配列を上記表2に示した。
実施例2
hTPO誘導体cDNAを含んだ哺乳動物細胞発現ベクターの製造およびCHO細胞での発現
(2−1)転位ベクターの製造
実施例1で製造したhTPO誘導体遺伝子をまず、公知の移動ベクターであるpBlueBac4(Invitrogen社、Cat. No. V1995-20 )に下記の方法でクローニングした。
実施例1で準備した各hTPO誘導体のPCR産物をBglIIとEcoRI制限酵素を添加して37℃で3時間反応させた後、1%アガロースゲル電気泳動で1068bpのDNA切片を分離した。pBlueBac4ベクターは、制限酵素BglIIおよびEcoRIで上記の条件で切断し、477bpのDNA切片を分離した。
hTPO誘導体のcDNA PRC産物と移動ベクターpBlueBac4を連結させるために、これらを4:1のモル比率で混合し、T4DNAリガーゼ(NEB 社、Cat. No. 202S )を利用して16℃で16時間反応させた。この反応液を大腸菌TOP10F’(Invitrogen社、Cat. No.C3030-03)菌株に公知の電気穿孔法で形質転換させ大腸菌形質転換体を得た。形質転換体クローンをLB(1L当10gトリプトン、5g酵母抽出物、10gNaCl)培地50mLに37℃で18時間培養後、ウイザードミディプレップ(Wizard Midiprep )キット(Promega社、Cat. No. A7640)を利用して、転位ベクターを大量抽出した。
上記と同じ過程で製造されたhTPO誘導体遺伝子を含む転位ベクターをそれぞれpBlue29、pBlue30、pBlue31、pBlue32、pBlue33、pBlue34、pBlue58、pBlue59、pBlue60、pBlue61、pBlue62、pBlue63と命名した。(図2参照)
(2−2)動物細胞発現ベクターの製造
hTPO誘導体遺伝子を含む組換え動物細胞発現ベクターを製造するために、天然型hTPOを既存のpCDNA3.1(Invitrogen 社、Cat.No.790-20)ベクターのKpnIとEcoRI部位に挿入して製造したpCDTベクターを利用した。
具体的にpCDTベクターDNA5μgを制限酵素EcoRIとNheIで37℃で3時間反応させた後1%アガロースゲル電気泳動を遂行して4958bpのDNA切片を分離した。(2−1)で製造した各hTPO誘導体を含む転位ベクター5μgを取って、制限酵素EcoRIおよびNheIで上記の条件下で切断し、1087bpのDNA切片を分離した。
上記pCDTとhTPO誘導体cDNA切片を連結させるために、それぞれを1:3のモル比率で混合し、T4DNAリガーゼを使用して16℃で18時間反応させた。この反応液を大腸菌TOP10F’(Invitrogen社、Cat.No.C3030-03 )菌株に公知の電気穿孔法で形質転換させ、大腸菌形質転換体を得た。(図3参照)形質転換体クローンをLB培地50に37℃で18時間培養後ウイザードミディプレップ(Wizard Midiprep )キット(Promega 社、Cat.No.A7640)を利用して発現ベクターを大量抽出した。上記と同じ過程で製造されたhTPO誘導体遺伝子を含む動物細胞発現ベクターをそれぞれp40429、p40430、p40431、p40432、p40433、p40434、p40458、p40459、p40460、p40461、p40462、p40463と命名した(図3参照)。分離したプラスミドDNAは、制限酵素NheI、EcoRI、BamHI、Ssu36Iで切断して遺伝子が正しく挿入されているかを確認し、上記ベクター内の変異したDNA部位は、制限酵素地図作成および塩基配列分析をによって確認した。DNA電気泳動法(Sambrook et al., Molecular cloning - A laboratory manual, 2nd Ed., Cold spring harbor laboratory press (1987) )によって、各発現ベクターを定量し、CHO/K−1細胞株の形質転換に使用した。
(2−3)hTPO誘導体のCHO細胞における発現
動物細胞の形質転換過程は、リポフェクタミン(lipofectamin; Gibco-BRL社、Cat. No. 18324012)方法によって実施した。まず、CHO−S−SFMII培地(Gibco-BRL 社、Cat. No.12052-098 )600μLに各プラスミドDNA12μgを添加した後リポフェクタミン36μLが添加されたCHO−S−SFMII培地600μLとよく混ぜ30分間室温で放置した。放置後24時間経過前に6−ウェルプレートに2X105 細胞/ウェルで接種されたCHO/K−1細胞(ATCC CCL−61)をCHO−S−SFMII培地で1回洗浄後、0.8の新鮮な培地を加えた。30分経過後、リポフェクタミンおよびDNAと培地混合物を200μLずつ6−ウェルプレートに分株後、5時間5%CO2 、37℃条件で培養した。以後10%FBSが含まれた培養培地1を添加後、5%CO2、37℃で24時間培養し、10%FBS(Gibco-BRL 社、Cat.No.16000-036)が添加されたHam F−12(Gibco-BRL 社、Cat.No.11059)培地に交替後、5%CO2 、37℃培養条件で72時間培養し一過性の発現液を製造した。
そして、10%FBSが添加されたHam F−12培地に交替後48時間経過後に6−ウェルプレート中の1ウェルの細胞を100mmディッシュに移し、500μg/mLのゼオシン(zeocin; Gibco-BRL 社、Cat. No. R25001 )が含まれた培地下で7〜10日間培養した。顕微鏡でゼオシン耐性を示すコロニーが形成されたことを確認した後、クローニングシリンダー(cloning cylinder; Bellco社、Cat. No. 2090-01010 )を利用して各誘導体当り12個以上のコロニーを分離した。hTPOのELISAキット(R&D 社、Cat. No. DTP00)を利用し発現量を比較し、最も高い発現量を示したものを各誘導体の発現菌株に選定した。
実施例3
二部位以上のアミノ酸が置換されたhTPO誘導体cDNAを含む哺乳動物細胞発現ベクターの製造およびCHO細胞における発現
hTPO cDNA遺伝子内に二部位以上のアミノ酸を置換させたhTPO誘導体を製造するために、上記実施例2で製造したhTPO誘導体cDNAを含んだ哺乳動物細胞発現ベクター利用した。
具体的には、p40435の場合、発現ベクターp40429を制限酵素NheIとBspMIで切断して、Arg117 →Asn117 のアミノ酸置換部位が含まれた494bpの遺伝子断片を分離した。そして、発現ベクターp40431を制限酵素BspMIとBsu351で切断して、Gly147 →Asn147 のアミノ酸置換部位を含んだ355bpの遺伝子断片を分離した。また、hTPOcDNA遺伝子がクローニングされている動物細胞発現ベクターpCDTを制限酵素NheIとBsu361で切断後、上記の二つの遺伝子断片と連結してArg117 →Asn117 とGly147 →Asn147 の二部位のアミノ酸を置換したhTPO誘導体cDNAを含む動物細胞発現ベクターp40435を製造した。
Arg117 →Asn117 とArg164 →Asn164 のアミノ酸置換を含むp40436は、予めp40429から分離した494bpの遺伝子断片と発現ベクターp40e33を制限酵素BspMIとEcoRIで切断して分離したArg164 →Asn164 を含む593bpの遺伝子断片を、制限酵素NheIとEcoR1で切断して分離した動物細胞発現ベクターpCDTと連結して製造した。
P40437、P40438、P40439の場合も上記と同様にそれぞれに該当する2種の発現ベクターから置換されたアミノ酸部位を含む遺伝子断片を分離して、動物細胞発現ベクターpCDTにクローニングする方法で製造した(表3参照)。
p40446、p40447、p40449の場合は、それぞれに該当する3種の発現ベクターから置換されたアミノ酸部位を含む遺伝子断片を分離して、動物細胞発現ベクターpCDTにクローニングする方法で製造した(表3参照)。
製造した8種の動物細胞発現ベクターを実施例2と同様に、6−ウェルプレートでCHO/K−1細胞に形質転換させ一過性の発現液を得た。そして実施例2と同じく、ゼオシン耐性を持った発現菌株を分離した。
実施例4
hTPO誘導体の試験管内生物学的活性評価:M−O7e細胞増殖検定法
まず、hTPO誘導体試料を製造するために、各誘導体の発現菌株をセルファクトリー(cell factory; Nunc社、Cat. No. 170009)を使用して、10L大量養した。10%FBSが添加されたHam F−12培地で各発現菌株細胞を5X104 細胞/mLでセルファクトリーにより継代培養した後72時間経過後PBSで1回洗浄し、エクセル培地(ExCell; JRH 社、Cat. No. 14311-10L)に交替した。5%CO2 、37℃で96時間培養後、培養上澄み液を得た後、ペリコン(pelicon )濃縮機(Millipore 社、Cat. No. 42PEL60)を使用して、1次濃縮を行い、ミニタン(minitan )濃縮機(Millipore 社、Cat. No. 80EL004)を使用して、2次濃縮を行った。濃縮された各試料は、1×TNT緩衝溶液(10 mM Tris, 0.15 M NaCl, 0.01% Tween20, pH 7.4)で4℃で30時間透析を実施し、最後にウルトラフリー(Ultrafree; Millipore 社、Cat. No. UFV2BGC10)で3次濃縮を行った。得られた試料をELISAキットで3回定量して生体内試験に使用した。
巨核細胞性白血病細胞株(Mega karyocyte leukemia cell line) M−O7eは、GM−CSF(100u/mL)、10%FBSが添加されたRPMI1640培養培地(Gibco-BRL 社、Cat. No. 22400-089)で維持した。
活性評価をするために、評価培地(5% FBS, RPMI1640)を製造後、上記で培養された細胞を遠心分離して集め、RPMI1640で3回洗浄後、最終評価培地に8×104 細胞/mLになるように調整し、T−75フラスコに浮遊させて5%CO2 培養機で24時間培養後、再び細胞を集め1×105 細胞/mLになるように調整して96−ウェルプレートに100mずつ分株した。標準物質(rhTPO,25m)をRPMI1640で8段階の濃度(100.0〜0.78125 ng/)で連続稀釈して準備した。対照物質は、CHO細胞由来の天然型hTPOを使用し、全部で11種の誘導体(40429ないし40439)を各1.5625、6.25、25ng/mLの濃度に稀釈して準備した後に各試料をウェル当り100mずつ分株し、最終体積を200μLに合わせて5%CO2 培養機に入れて20時間培養後に1μCi(37 kBq)3H−チミジンを添加し、4時間5%CO2 培養機で培養した。4時間経過後、培養機から実験用プレートを取り出し、ガラス繊維フィルターが装着された細胞収集機に細胞だけを収集しPBSを使用して7回洗浄した。
細胞が収集されたフィルターを測定バイアル(vial)に順番に入れ、液体シンチレーションカウンターで 3H−放射能を測定し、リアスマート(Riasmart)ソフトウエアーを使用して標準物質、対照物質と試料の最高濃度の中間値(Half-maximal)濃度を計算し、各濃度における活性を比較測定した。
各濃度におけるM−07e細胞増殖促進活性は、誘導体間でほぼ同じ様相を示し、天然型hTPOと比較して同等以上の活性を示したのは、25ng/mLの濃度で40429、40430、40432、40433、40434、40437、40438、40439の8種だった。それぞれの生物学的活性は、天然型hTPOの力価を100とする時117、135、120、131、97、121、166、133%の増減を示した(図4参照)。
実施例5
CHO細胞で発現されたhTPO誘導体の生体内活性
生体内活性試験は、動物細胞で発現されたhTPO誘導体を投与したマウスからの血小板数を測定する方法で行ない、その結果を図6、図7aおよび図7bに示した。動物は、8週齢で使用するために7週齢のメスBalb/cマウスを購入し(Charles River社、日本)、恒温(24±1℃)、恒湿(55%)、照明時間12時間(午前7時−午後7時)に設定された大熊製薬中央研究所動物室で1週間程度飼育馴化後、使用した。試験期間中にも動物は、同一飼育室で飼育した。
1群が5匹になるように体重を指標にした層別無作為抽出によってマウスをグループ分けし、それぞれを培養培地投与群、天然型スロンボポイエチン投与群、各誘導体投与群および薬剤を投与しない無処理群に設定した。
hTPO誘導体は、36μg/kgまたは10μg/kgの一定の濃度で単回皮下投与し、採血は、投与開始日を1日目として、10日目まで毎日行ない、採決前日の投与から24時間以内に行った。エーテル痲酔下でマウスの腹部下大静脈から全血を採取しEDTA処理チューブに移した後、末梢血中の血小板数を自動血球計測機(Cell dyn 3500、エボト社)を使用して測定した。結果は、平均±標準誤差で示した。天然型hTPOは、血小板数の増加を刺戟し、3日目から増加し始め5日目に最大血小板数を示したが、10日目には正常水準に回復した。処理した全ての誘導体は、血小板数の増加を刺戟した。その中でも40433、40434、40449、40458誘導体は、天然型hTPOに比べて同等以上の活性を示した。特に、40433誘導体の場合、生体内血小板生成活性が投与後5日目に、天然型hTPOよりも約34%以上そして、全体的には80%以上顕著に向上した結果を示した。
比較例1
天然型hTPOの生体内(in vivo )活性
動物細胞に由来した天然型hTPOを処理したマウスから血小板数を測定し図5に示した。動物は、8週齢で使用するために7週齢のメスBalb/cマウスを購入し(Charles River社、日本),恒温(24±1℃)、恒湿(55%)、照明時間12時間(午前7時−午後7時)に設定された大熊製薬中央研究所動物室で1週間程度飼育馴化後、使用した。試験期間中にも動物は、同一飼育室で飼育した。
1群が5匹になるように体重を指標にした層別無作為抽出によってマウスをグループ分けし、それぞれを培養培地投与群、天然型スロンボポイエチン投与群および薬剤を投与しない無処理群に設定した。天然型hTPOは、それぞれ1μg/kg、5μg/kg、10μg/kgの濃度で単回皮下投与し、採血は、投与開始日を1日目として、4日目、8日目、10日目に行ない、採決前日の投与から24時間以内に行った。エーテル痲酔下でマウスの腹部下大静脈から全血を採取しEDTA処理チューブに移した後、末梢血中の血小板数を自動血球計測機(Cell dyn 3500、エボト社)を使用して測定した。結果は、平均±標準誤差で示した。天然型hTPOは、血小板数の増加を刺戟し、4日目から増加し始め8日目に最大血小板数を示したが、10日目には約20%減少した。
実施例6
hTPO誘導体cDNAを含んだ哺乳動物細胞dhfr増幅発現ベクターの製造および発現細胞株の選定
(6−1)hTPO誘導体のcDNAを含むdhfr増幅発現ベクターの製造
実施例5における結果から40433、40434、40449、40458の4種の誘導体に対してdhfr増幅発現ベクターを製造した。
まず、dhfr遺伝子を含むベクターpSV2−dhfr( 受託番号 :ATCC 37146)にBamHIリンカーを挿入した。BamHIリンカーは、配列27と配列28のオリゴヌクレオチドをそれぞれ燐酸化させた後、アニーリングして使用した。具体的には、T4キナーゼ (T4 polynucleotide kinase, NEB社、Cat. No. 201S )を使用して37℃で3時間反応させ、各オリゴヌクレオチドを燐酸化させた後、同量の各オリゴヌクレオチドを混ぜた後、94℃で2分間放置後、65℃から37℃まで30秒当り0.2℃ずつ温度が下がるように反応させる方法でアニーリングを行った。ベクターpSV2−dhfrを制限酵素PvuIIとSphIで切断後、準備されたBamHIリンカーと連結させた。このようにして得たベクターを制限酵素BamHIで切断してdhfr遺伝子を含む1710bpの遺伝子切片を分離した。
天然型hTPO遺伝子を含むベクターpCDTを制限酵素BglIIで切断後、予め得たdhfr遺伝子を含む1710bpの遺伝子切片を挿入した。このようにして得た天然型hTPO遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターをpDCTと命名した(図8参照)。
5種の誘導体に対するdhfr増幅発現ベクターを製造するために、配列29のオリゴヌクレオチドと配列2のオリゴヌクレオチドをプライマーにして、各誘導体の遺伝子を実施例1と同じ条件で増幅した。増幅した遺伝子を制限酵素KpnIとEcoRIで切断後、同一の制限酵素で切断したdhfr増幅発現ベクターpDCTと連結させた。完成した各誘導体の遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターをそれぞれpD40433、pD40434、pD40449、pD40458と命名した。
(6−2)CHO/dhfr(−)細胞株への形質転換と遺伝子増幅
各誘導体の遺伝子を含むdhfr増幅発現ベクターを実施例2と同じリポフェクタミン方法で動物細胞CHO/dhfr(−)(ATCC CRL−9096)に形質転換させた。この時形質転換には、IMDM培地(Gibco-BRL社、Cat. No. 12200-036)を使用した。培養時には、10%透析されたFBS(Gibco-BRL社、Cat. No. 26300-061)が含まれたIMDM培地を使用した。
形質転換された細胞株を選別するために、形質転換後48時間経過後、細胞を96−ウェルプレートにウェル当り1×103 細胞数で継代した後、500μg/mLのゼオシンがふくまれた培地下で10〜14日間培養した。ゼオシン耐性を示すコロニーを分離後、ELISA定量を通じて発現量が高い細胞株を10〜10個ずつ選定した。
選定した各細胞株を20nM MTX (Methotrexate, Sigma 社、Cat. No. M8407)が含まれた培養培地下で継代しながら遺伝子増幅を行った。具体的には、T−25フラスコに細胞が一杯になるまで培った後、細胞数を1/5、1/10、1/15に減らしながら継代して、最終1/15の細胞数で継代した後、3〜4日後にT−25フラスコが細胞で一杯になったら増幅を完了した。各誘導体に対して20nM MTXを含んだ培養培地で増幅した細胞株中ELISA定量結果発現量が最も高いものを発現細胞株に選定し、生体内活性評価のための精製試料生産に使用した。
実施例7
CHO/dhfr(−)細胞における天然型hTPOおよびhTPO誘導体の発現および精製
まず、天然型hTPOおよびhTPO誘導体試料を製造するために、実施例6で製造した天然型および各誘導体の発現菌株をセルファクトリー(cell factory; Nunc 社、Cat. No. 170069)を使用して4リットル大量培養した。10%FBSが添加されたIMDM培地で各発現菌株細胞を5×104 細胞/mLでセルファクトリーに継代して、72時間経過後PBSで1回洗浄し、DMEM/Ham
F−12培地に交替した。5%CO2 、37℃で96時間培養後、培養上澄み液を得た後、精製過程に入った。
CM Affi−Gelブルーレジン(Bio-Rad 社; Cat. No. 153-7304 )50mLをXK26/20カラム(Amersham-pharmacia 社; Cat. No. 18-1000-72 )に充填後、緩衝液A (10mM 燐酸ナトリューム、150mM 塩化ナトリューム、pH 7.4)で一晩充分に洗浄した。上記の培養上澄み液4リッターを5mL/分の速度でカラムを通過するようにさせ、280nmでUVにモニターリングした。培養上澄み液を全て捨てた後、緩衝液B (10 mM 燐酸ナトリューム、2M尿素、pH7.4)でUV数値が基底水準になるまで洗浄後、緩衝液C (10mM 燐酸ナトリューム、2M 尿素、1M 塩化ナトリューム、pH 7.4)でTPOを含むレジンに付いた蛋白質を溶出させた後、この分割を集めて次の段階であるフェニルセパローズカラムクロマトグラフィーに付した。フェニルセパローズCL4Bレジン(Sigma社; Cat. No. P7892)50mLをXK26/20カラムに充填後、緩衝液Cで一晩充分に洗浄した。CM Affi−Gelブルー段階で得た溶出分割を3mL/分の速度でカラムに付して、280nmでUVにモニターリングした。分割を全部捨てた次に緩衝液Cで、UV数値が基底水準になるまで洗った後、緩衝液BでTPOを含んだレジンに付いた蛋白質等を溶出させた後、この分割を集めて、次の段階であるヒドロキシルアパタイトカラムクロマトグラフィー(hydroxylapatite column chromatography)に適用した。ヒドロキシルアパタイとレジン(Bio-Rad社; Cat. No. 130-0420 )10mLをXK16/20カラム(Amersham-pharmacia 社; Cat. No. 18-8773-01 )に充填後、緩衝液D(10 mM 燐酸ナトリューム、2M尿素、pH 6.8)で一晩中、充分に洗浄する。フェニルセパローズ段階で得た溶出分割を、5N HClでpH6.8に調整後、1mL/分の速度で適用した。この段階では、TPOはレジンに付かないで流れ出て、不純蛋白質だけがレジンに付くため、流れ出た分割を集めた。緩衝液DでUV数値が基底水準になるまで洗浄後、緩衝液E(0.5 M 燐酸ナトリューム、2M尿素、pH 6.8)でレジンに付いている不純蛋白質を溶出させた。ヒドロキシルアパタイト段階で得たTPO分割は、濃縮させるためにエコノパックQカートリッジ(Econo-Pac Qcartridge, Bio-Rad 社; Cat. No. 732-0021 )を利用して、10mLの体積に濃後、塩分および尿素成分を除去するために10mMの燐酸ナトリューム緩衝液で24時間透析した。hTPO誘導体の各精製過程の産物は、SDS−PAGEとシルバーステイニングで確認した(図9参照)。染色法は、シルバーステインプラスキット(Bio-Rad 社、Cat. No. 161-0449)を使用して製造社の実験法にしたがって実施した。
このようにして得た、hTPOの精製試料で実施例5の時と同じ方法で10μg/kgの濃度で生体内活性試験を行った。処理した全ての誘導体は、血小板数の増加を刺戟しただけではなく、天然型hTPOに比べて増強した活性を示した。具体的には、投与後1日目から10日目まで全体的に天然型hTPOに比べて、40433誘導体は77%、40434誘導体は91%、40449誘導体は26%、40458誘導体は79%の活性増加を示した(図10参照)。
実施例8
hTPO誘導体の特性分析 :糖鎖導入可否確認および安定性分析
hTPO誘導体の糖鎖が導入されているかの可否を確認するために、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析を実施して、hTPO誘導体のバンドが天然型hTPOのバンドよりさらに重い方に現れるかの可否を確認した。
10〜20%句配トリシンポリアクリルアミドゲル(10 〜20% gradient tricine polyacrylamide gel, Novex社; Cat. No. EC66252)に精製された天然型hTPOおよびhTPO誘導体をローディングして10V/cmで電気泳動させた。このゲルをニトロセルロースフィルターに吸着させた。フィルターを1時間5%脱脂粉乳を含むTBS溶液(pH 7.5)に処理した後、山羊の抗ヒトTPOポリクローナル抗体(R&D system 社)を1:1000の比率に稀釈し、18時間反応させた。その後2次抗体として複合アルカリホスファターゼ−抗山羊IgG(Sigma 社)を1:10000の比率に稀釈して2時間処理し、発色基質のBCIP/NBT(Sigma)溶液加えて発色させた。その結果hTPO誘導体の分子量が、導入された糖鎖数に比例的に天然型hTPOに比べて増加したことを確認した(図11参照)。
hTPO誘導体の安定性可否を確認するために、天然型hTPOとhTPO誘導体の中から40433誘導体にトロンビンを処理して時間変化によって蛋白質バンドの大きさが減少する様相を観察した。hTPO誘導体(50m/mL)にトロンビン(5 units/mL; Sigma 社)を処理後、37℃でO.5、1、2、3、4、6時間反応させた後、上に書いた方法と同様にSDS−PAGEとウエスタンブロット分析を実施して、蛋白質が切り放される様相を観察した。天然型hTPOは、トロンビン処理30分以後から顕著に切り放された一方、40433誘導体はトロンビン処理4時間以後から切り放され始めた(図12参照)。すなわち、これは天然型hTPOに比べて40433誘導体がさらに安定であることを示し、それは導入した糖鎖に起因すると見ることができる。
図1はオーバーラップ重合酵素連鎖反応を利用して突然変異hTPO誘導体cDNAを製造する過程を図示したものである。1: 配列番号1のプライマー;2: 配列番号1のプライマー;N: N−プライマー;C: C−プライマー;S: シグナル配列; 図2は突然変異hTPO誘導体遺伝子を移動ベクターpBlueBac4に連結させる過程を示したものである。 図3はpCDTベクターに突然変異hTPO誘導体cDNAをクローニングして動物細胞発現ベクターを作製する過程を図示したものである。 図4は、M−07e細胞増殖検定法で動物細胞にて発現したhTPO誘導体の活性を測定して示したものである。 図5は天然型hTPOを処理したマウスの血小板数を測定する方法で、生体内(in vivo)活性を検査して示したものである。 図6は動物細胞で発現したhTPO誘導体を36μg/kgで処理したマウスの血小板数を測定する方法で、生体内活性を検査して示したものである。 図7aは動物細胞で発現したhTPOを10μg/kgで処理したマウスの血小板数を測定する方法で生体内活性を検査して示したものである。 図7bは動物細胞で発現したhTPOを10μg/kgで処理したマウスの血小板数を測定する方法で生体内活性を検査して示したものである。 図8は天然型hTPOおよびhTPO誘導体遺伝子を包む動物細胞dhfr増幅発現ベクターを作製する過程を図示したものである。 図9はhTPO誘導体の各精製過程の産物でSDS−PAGEを実施後、銀染色法に付した結果を示したものである。レーンM:マーカー、レーン1:培養上澄み液、レーン2:CMイオン交換アフィニティーカラム分割、レーン3:フェニルセパローズカラム分割、レーン4:ヒドロキシルアパタイトカラム分割、レーン5:Qカートリッジカラム分割 図10は天然型hTPOおよび精製されたhTPO誘導体を10μg/kgで処理したマウスの血小板数を測定する方法で、上記誘導体の生体内活性を検査して示したものである。 図11は精製された天然型hTPOおよびhTPO誘導体にSDS−PAGEを実施後、ウエスタンブロット分析に付した結果を示したものである。レーンM:マーカー、レーン1:天然型hTPO、レーン2:40433、レーン3:40434、レーン4:40449、レーン5:40458 図12aは精製された天然型hTPO形をトロンビンで処理後、時間経過による変化様相をウエスタンブロットで示したものである。レーンM:マーカー、レーン1:トロンビン処理前、レーン2:トロンビン処理後30分、レーン3:トロンビン処理後1時間、レーン4:トロンビン処理後2時間、レーン5:トロンビン処理後3時間、レーン6:トロンビン処理後4時間、レーン7:トロンビン処理後5時間 図12bは精製された40433誘導体をトロンビンで処理後、時間経過による変化様相をウエスタンブロットで示したものである。レーンM:マーカー、レーン1:トロンビン処理前、レーン2:トロンビン処理後30分、レーン3:トロンビン処理後1時間、レーン4:トロンビン処理後2時間、レーン5:トロンビン処理後3時間、レーン6:トロンビン処理後4時間、レーン7:トロンビン処理後5時間

Claims (12)

  1. 配列番号30により記載される天然型ヒトトロンボポイエチン(hTPO)の誘導体として、N−連結型糖鎖が導入され、[Asn108 ]hTPO、[Asn117 ]hTPO、[Asn147 ]hTPO、[Asn153 ]hTPO、[Asn164 ]hTPO、[Asn193 ]hTPO、[Asn117 、Asn147 ]hTPO、[Asn117 、Asn164 ]hTPO、[Asn108 、Asn147 ]hTPO、[Asn108 、Asn164 ]hTPO、[Asn147 、Asn164 ]hTPO、[Asn117 、Asn147 、Asn164 ]hTPO、[Asn108 、Asn147 、Asn164 ]hTPO、[Asn108 、Asn117 、Asn164 ]hTPO、[Asn157 、Asn164 ]hTPO、[Asn162 、Ser164 ]hTPO、[Asn162 、Thr164 ]hTPO、[Asn153 、Ser155 、Asn164 ]hTPO、[Asn153 、Thr155 、Asn164 ]hTPO、[Asn159 、Ser161 、Asn164 ]hTPO、[Asn159 、Thr161 、Asn164 ]hTPO、[Asn166 、Ser168 ]hTPO、[Asn166 、Thr168 ]hTPO、および[Asn164 、Asn168 ]hTPOからなる群から選択されるヒトトロンボポイエチン誘導体。
  2. [Asn164 ]hTPO、[Asn193 ]hTPO、[Asn108 、Asn117 、Asn164 ]hTPO、または[Asn157 、Asn164]hTPOである請求項1記載のヒトトロンボポイエチン誘導体。
  3. 請求項1記載のヒトトロンボポイエチン誘導体をコードする再組換えヒトトロンボポイエチン遺伝子。
  4. ヒトトロンボポイエチン誘導体が請求項2記載のヒトトロンボポイエチン誘導体である請求項3記載の再組換えヒトトロンボポイエチン遺伝子。
  5. 請求項3記載の遺伝子を含む真核細胞用発現ベクター。
  6. p40433、p40434、p40449、p40458、pD40433、pD40434、pD40449またはpD40458である請求項5記載の真核細胞用発現ベクター。
  7. 請求項6記載の発現ベクターp40433で形質転換された哺乳動物細胞株CHO K−1/p40433(KCTC 0495BP)。
  8. 請求項6記載の発現ベクターpD40434で形質転換された哺乳動物細胞株CHO dhfr−/pD40434(KCTC 0630BP)。
  9. 請求項6記載の発現ベクターpD40449で形質転換された哺乳動物細胞株CHO dhfr−/pD40449(KCTC 0631BP)。
  10. 請求項6記載の発現ベクターpD40458で形質転換された哺乳動物細胞株CHO dhfr−/pD40458(KCTC 0632BP)。
  11. 請求項3記載の再組換えヒトトロンボポイエチン遺伝子を含む哺乳動物細胞株を培養してヒトトロンボポイエチン誘導体をえることを特徴とする請求項1記載のヒトトロンボポイエチン誘導体の製造方法。
  12. 請求項1記載のヒトトロンボポイエチン誘導体を有効成分とする血小板減少症治療剤。
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