JP2005043923A - 反射型表示装置 - Google Patents

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Takashi Ueki
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昌彦 富川
Masayuki Okamoto
正之 岡本
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Abstract

【課題】 白表示の明度が高く、かつ、コントラストを高くできて、カラー表示の品質を改善できる反射型表示装置を提供する。
【解決手段】 画素毎に、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換える液晶層1を設ける。上記各画素に対応して形成された各カラーフィルタ層48を設ける。液晶層1からの入射光10を上記液晶層1に出射光11として反射する再帰性反射板であるコーナーキューブの形状をした凹部25を設ける。上記凹部25の最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下であり、カラーフィルタ層48のピッチ58以下に設定する。
【選択図】 図16

Description

本発明は、偏光板が不要で、白表示の明度が高く、かつ、コントラスト比の高く見易い多色表示可能な反射型表示装置に関するものである。
従来、薄型、軽量等の特徴を有するカラーディスプレイとして、液晶表示装置が数多く用いられている。カラー液晶表示装置として、特に広く用いられているものは、背部側に光源を用いた透過型液晶表示装置である。このような透過型液晶表示装置は、各種分野に用途を拡大して用いられている。
上記透過型液晶表示装置に対して、他の表示方式である反射型液晶表示装置は、光源(自然光や周囲光)からの光を反射して表示に利用する。よって、上記反射型液晶表示装置は、上記光源をバックライトの代替とするため、バックライトを必要とせず、バックライト用電力が削減可能であり、さらに、バックライトのスペースや重量が節約できる等の特徴を有している。
すなわち、表示装置全体として、消費電力の低減が実現でき、小型のバッテリを用いることが可能になり、軽量薄型を目的とする機器に適している。また、機器の大きさまたは重量を同一にするように作製すれば、大型のバッテリを用いることが可能になり、動作時間の飛躍的な拡大が期待できる。
また、上記反射型液晶表示装置は、表示面のコントラスト特性の面からも、他の表示装置に対し優位性を備えている。つまり、CRT等の発光型表示装置では、日中の屋外において大幅なコントラスト比の低下が見られる。また、低反射処理の施された透過型液晶表示装置においても、直射日光下等の周囲光が表示光に比べて非常に強い場合には、同様に大幅なコントラスト比の低下が避けられない。これに対して、反射型液晶表示装置は、周囲光量に比例した表示光が得られるので、上記の理由によるコントラスト比の低下を回避でき、よって、携帯情報端末機器やデジタルカメラ、携帯ビデオカメラ等の屋外での使用時には、特に好適である。
上記のように非常に有望な応用分野を有しながら、現在まで十分な実用性を有する反射型カラー液晶表示装置は得られていない。これは、今までの反射型カラー液晶表示装置では、十分なコントラスト比や反射率、フルカラー化、高精細表示や動画への対応等の性能が不十分なためである。
以下、従来の反射型液晶表示装置について、さらに説明する。現在、偏光板を二枚もしくは一枚用いた反射型液晶表示装置が広く使用されている。上記液晶表示装置では、電界により液晶層の旋光性を制御して表示を行うツイステッドネマティックモード(以下、「TNモード」という)、電界により液晶層の複屈折を制御して表示を行う複屈折モード(以下、「ECBモード」という)、または、TNモードとECBモードとを組み合わせたミックスモードなどが主に使用されている。
これに対し、偏光板を省いた方式の反射型液晶表示装置が知られている。上記方式では、染料を液晶に添加したゲストホスト型液晶素子が開発されてきたが、二色性染料を添加しているため、信頼性に欠け、また、染料の二色性比が低いため、高いコントラスト比が得られないといった問題がある。特に、コントラストの不足は、カラーフィルタを用いるカラー表示においては、色純度を大幅に低下させる。このため、コントラストの不足した反射型液晶表示装置は、色純度の高いカラーフィルタと組み合わせる必要がある。反射型液晶表示装置は、色純度の高いカラーフィルタを用いた場合、そのために明度が低下し、偏光板を省いたことによる上記方式の高明度という利点が損なわれるという問題を有している。
これらの各問題を回避するために、偏光板や染料を用いずに高明度、高コントラスト表示の期待ができる、高分子分散型液晶、またはコレステリック液晶を利用した方式の液晶表示素子の開発がなされている。これらの方式は、液晶層に印加する電圧を制御することにより、液晶層が光学的に透過状態と散乱状態との間で、もしくは透過状態と反射状態との間で切り替わる特性を利用したものである。上記方式は、偏光板を用いないことから、光の利用効率を上げることができる。さらに、上記方式は、色味の観点から評価を行った場合においても、上記TNモードやECBモードと比べ、波長依存性が小さいこと、その上、偏光板自体の吸収プロファイル、すなわち、偏光板が青色の光を吸収し、上記偏光板を通過した光が黄色味を帯びるといった問題点から解放されることから、良好な白表示が実現されることを期待できる。
上記方式の一例が、特許文献1に開示されている。上記特許文献1に記載の液晶表示装置は、黒色基板上に高分子分散型液晶を配置し、電圧無印加時には高分子分散型液晶が散乱状態となり、白濁することによる白表示を与え、電圧印加時には高分子分散型液晶が透過状態となり、下側に配置されている黒色基板が見えて黒表示を与えることによって、白黒表示を行うものである。
また、特許文献2には、光散乱型液晶を用いた光変調層と再帰性反射板とから構成される液晶デバイスが開示されている。さらに、特許文献3においては、光散乱型液晶あるいはゲストホスト液晶を用いた光変調層とルーバと再帰性反射体とから構成される反射型液晶表示装置が開示されている。また、特許文献4では、光散乱型液晶を用いた光変調層とコーナーキューブアレイとから構成される液晶デバイスが開示されている。
特開平3−186816号公報(公開日1991年8月14日) 米国特許第3,905,682号公報(発行日1975年9月16日) 特開昭54−105998号公報(公開日1979年8月20日) 米国特許第5,182,663号公報(発行日1993年1月26日)
しかしながら、特許文献1に開示された液晶表示装置においては、白表示に際して、高分子分散型液晶から後方に散乱される光しか白表示に関与しておらず、前方に散乱される光はすべて黒色基板に吸収されてしまうため、実際には光の利用効率は著しく低下する。
また、特許文献2に開示された液晶表示装置においては、黒表示時は液晶層が透過状態時に実現される。再帰性反射による黒表示の表示品位は、再帰性に依存し、再帰性反射の最小単位構造のサイズが強く影響するが、この特許文献2では、黒表示を実現するためのメカニズムや再帰性反射板の最小単位構造のサイズについても何ら記載がない。
また、特許文献2にて開示されている再帰性反射板の実施形態は、コーナーキューブアレイおよび微少球アレイを用いた再帰性反射板であるが、いずれも再帰性が十分であるとは言えず、十分な黒表示を得ることができない。また、十分な再帰性を有する再帰性反射板の構造の詳細については開示されていない。さらに、表示面法線方向に対し、斜め方向から観察したとき、黒表示の品位が劣化するという問題が生じている。
さらに、特許文献3に開示された反射形式液晶表示装置は、再帰性反射板の前面、観察者側に、吸収部位を設けたルーバを配置し、観察者位置から該液晶表示装置に入射する光線はルーバにより再帰性反射板が覆い隠されているため、入射光はすべてルーバの吸収部位で吸収され良好な黒表示を実現し、光源位置から該液晶表示装置に入射する光線はルーバをすり抜けて直接再帰性反射板に到達するような構成になっている。
しかし、特許文献3でも再帰性反射板の最小単位構造のサイズや黒表示を実現するためのメカニズムが記載されていない。その上、特許文献3は、黒表示に関する特許文献2の問題を解決しているが、ルーバに設けられた吸収部位が占める面積が大きすぎるため白表示の明るさを損なってしまう。
さらに、上記従来の各構成においては、いずれも、再帰性反射板の最小単位構造のピッチとカラーフィルタのピッチとの関係について考慮されていない。したがって、カラーフィルタを備えた構成の場合、上記従来の構成では、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタを通過する結果、混色による輝度および色度の低下を招いてしまうという問題を生ずる。また、上記の各問題は、液晶表示装置以外の反射型表示装置についても起こりうるものである。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、白表示の明度が高く、かつ、コントラスト比の高い、見易い多色表示可能な反射型表示装置であって、混色による輝度および色度の低下を防止する反射型表示装置を提供することにある。
本発明に係る反射型表示装置は、上記課題を解決するために、画素毎に、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、上記各画素に対応して形成された各カラーフィルタ部と、光を反射する再帰性反射板とを具備し、上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下であり、該カラーフィルタ部のピッチ以下であることを特徴としている。上記再帰性反射板は、スイッチング層からの入射光を上記スイッチング層に対し出射光として反射するようになっていることが好ましい。また、上記入射光は、スイッチング層から直接入射される光であってもよいし、スイッチング層との間に他の光学部材、例えばカラーフィルタ部を介在して入射された光であってもよい。
上記構成によれば、再帰性反射板の最小単位構造のピッチを上記のようにそれぞれ設定することにより、再帰性反射板の最小単位構造の影響による黒表示の悪化を防止できる結果、上記構成では、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできる。
その上、上記構成は、再帰性反射板の最小単位構造のピッチを、該カラーフィルタ部のピッチ以下に設定したことにより、任意のカラーフィルタ部を通過して再帰性反射板に入射した光は、再帰性反射板による反射によって、再び同じカラーフィルタ部を通過して出射させることができる。
したがって、上記構成では、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合を回避できて、混色による輝度および色度の低下を防止できると共に、前述したように、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできるから、カラー表示の画像品質を向上できる。
上記反射型表示装置では、前記カラーフィルタ部は、相異なる複数の画素を通過する光を吸収する光吸収部となるように配置されていてもよい。
上記構成によれば、他の画素から入射される光を吸収するカラーフィルタ部による光吸収部を配置したことによって、表示面法線から倒れた観察方向による黒浮きを抑制し、良好な黒表示を実現することができる。上記構成では、特に、再帰性反射板にコーナーキューブアレイを用いた場合、上記光吸収部による効果が高くできる。
これにより、上記構成は、再帰性反射板の再帰性能が不十分であることによる悪影響に起因する黒表示の悪化を上記光吸収部によって防止できるので、得られる画像表示におけるコントラストを向上できる。
上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板の各最小単位構造のピッチは、前記カラーフィルタ部のピッチの1/2以下であってもよい。
上記構成によれば、前記再帰性反射板の各最小単位構造のピッチを前記カラーフィルタ部のピッチの1/2以下とすることにより、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合をより確実に回避できて、混色による輝度および色度の低下をより確実に防止できるから、カラー表示の画像品質をさらに向上できる。
上記反射型表示装置では、前記再帰性反射板の各最小単位構造は、それぞれ前記の一つの画素に対応するカラーフィルタ部を通過した光が上記カラーフィルタ部に戻るように形成されていてもよい。
上記構成によれば、前記再帰性反射板の各最小単位構造を、入射光と、その入射光に対応する出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合を回避できるように形成するので、混色による輝度および色度の低下をより確実に防止できるから、カラー表示の画像品質をさらに向上できる。
上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板は、コーナーキューブアレイ、微小球アレイ、マイクロレンズアレイのいずれか一つであることが好ましい。上記構成によれば、上記再帰性反射板に、コーナーキューブアレイ、微小球アレイ、マイクロレンズアレイのいずれか一つを用いることで、白表示の明度が向上し、およびコントラストも向上できる。上記反射型表示装置では、前記スイッチング層は光散乱型液晶層であってもよい。
なお、再帰性反射板の「最小単位構造のピッチ」とは、例えば、コーナーキューブアレイタイプの再帰性反射板の場合は、隣接するコーナーキューブ(最小単位構造)の対応する位置間(例えば、隣接するコーナーキューブ(最小単位構造)の対応する位置間(コーナーキューブの頂点と頂点との間)の最短距離をいい、ビーズ(微小球)アレイタイプの再帰性反射板の場合は、隣接するビーズの対応する位置間(例えば、ビーズの中心と中心との間)の最短距離をいう。
また、「カラーフィルタ部のピッチ」とは、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の各カラーフィルタ部が任意の配列パターンで配置されている場合、各隣接するカラーフィルタ部の対応する位置間(例えば、各カラーフィルタ部の中心と中心との間)の最短距離をいう。
本発明に係る反射型表示装置は、以上のように、画像を表示するための複数の画素と、上記画素毎に、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、上記各画素に対応して形成された各カラーフィルタ部と、光を反射する再帰性反射板とを具備し、上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下であり、該カラーフィルタ部のピッチ以下である構成である。
それゆえ、上記構成は、各最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下であり、該カラーフィルタ部のピッチ以下である再帰性反射板を備えているので、再帰性反射板の最小単位構造の影響による黒表示の悪化を防止でき、その結果、上記構成では、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできる。
また、上記構成は、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合を回避できて、混色による輝度および色度の低下を防止できると共に、前述したように、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできるから、カラー表示の画像品質を向上できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の各形態を図面に即して説明する。図1は、本発明の実施の各形態に係る反射型液晶表示装置(反射型表示装置)の構成断面図である。
上記反射型液晶表示装置では、液晶層(スイッチング層)1が、入射側基板6と、それに対向する側の反射側基板7とによって挟持されて設けられている。上記入射側基板6は、それぞれ、透明な(光透過性を有する)ガラス板や高分子フィルムなどの材料からなっている。上記反射側基板7は、ガラス板や高分子フィルムなどの材料からなっているが、必ずしも透明である必要はない。
上記反射側基板7上には、再帰性反射板(反射手段)8がその反射光を入射側基板6に向かって出射するように形成されている。上記再帰性反射板8は、観測者のくろ目の像が反射され、観測者が上記くろ目の像を認識することで黒表示を実現するように設定されている。
このような再帰性反射板8としては、入射側基板6側から上記再帰性反射板8に対し入射した入射光を反射して反射光として出射するとき、上記入射光と略平行(略逆平行)となるように反射光を反射するものが挙げられる。
本実施の各形態で用いた再帰性反射板8としては、アクリル樹脂を金型でプレスして成形し、反射面上に対し銀を蒸着により厚さ2000Åにて膜状に付けたものが使用されている。上記アクリル樹脂は、例えばカーボンブラックの添加により黒色となっている。
上記入射側基板6と反射側基板7とには、それぞれ液晶層1に電圧を印加するための各電極4、5が形成されている。上記各電極4、5は各画素に対応するように形成されている。つまり、上記各電極4・5は、液晶層1の各画素に対し、表示画像に応じた各電圧をそれぞれ印加するために所定のパターンで形成されている。各電極4、5への電圧印加手段として、アクティブ素子等を用いてもよい。電圧印加手段については特に限定されない。どのような電圧印加手段を用いても本発明が影響されないことは言うまでもない。
さらに各電極4、5における液晶層1への対向面上には、各水平配向膜2、3が液晶層1と当接するように塗布されている。上記各水平配向膜2、3によって、液晶層1が電圧無印加状態で水平配向状態を実現するように設定されている。本実施の各形態の場合、水平配向膜を用いたが、配向膜の種類を限定する必要は無い。
本実施の各形態では、液晶層1には光散乱型液晶の一例として、高分子分散型液晶を用いた。該高分子分散型液晶は、低分子液晶組成物と、重合していないプレポリマーとを均一に溶解させた混合物(プレポリマー液晶混合物)を基板間に配置し、プレポリマーを重合することで得られる。
詳しくは、紫外線で硬化する液晶性のプレポリマーと、液晶組成物(メルク社製−商品名TL213、△n=0.238)とを、20:80の重量比にて混合させた混合物に、さらに、少量の重合開始剤(チバガイギー社製−商品名Irgacure 651)を添加し、常温でネマティック液晶相を示す状態で、紫外線を照射することで製造することができる。このような製造方法は、加熱処理を施す必要がないので、他の部材へのダメージを低減することができる。
さらに、上記に限定されず、以下に説明する、何れのスイッチング層を液晶層1に用いても、同様の効果が得られる。
上記スイッチング層としては、入射光を、その進行方向を維持して通過させる(入射光が屈折して通過する場合も含む)透過状態(第一状態)と、入射光の進行方向を変える、すなわち、少なくとも散乱作用を有する状態(第二状態)との間でスイッチングするものであればよい。
例えば、光散乱型液晶として、ネマティック−コレステリック相転移型液晶、ホログラフィック機能や回折機能を有する高分子分散型液晶、液晶ゲル等が挙げられる。
詳しく説明すると、コレステリック液晶を用いたモードは、液晶のドメインサイズや螺旋軸の方向を制御することで、透過状態と、散乱性が付与された反射状態とでスイッチングするようになる。ホログラフィック機能を有する高分子分散型液晶の場合、例えば、プレポリマー液晶混合物に散乱光を照射し、高分子を重合させて製造することができる。このようなホログラフィック機能を有する高分子分散型液晶のモードは、透過状態と、散乱性が付与された反射状態とでスイッチングするようになる。
ここで、本反射型液晶表示装置の表示の原理を説明する。まず、白表示の動作について説明する。電圧印加時、液晶層1の各液晶分子1aが電場の方向に向き、高分子の液晶基1bは向きを変えないため、両者の間で屈折率が非整合をおこし、液晶層1は散乱状態になっている。散乱状態の液晶層1に入射光が入射すると、液晶層1を透過する直進光および前方散乱された光は再帰性反射板8で反射された後、再び散乱状態の液晶層1を通ることにより散乱作用を受けるので、後方散乱された光のみでなく、多くの光が観察方向に戻ることになる。
ここで、効率の悪い後方散乱だけでなく、液晶層1を透過する直進光および前方散乱された光を利用することにより、非常に明度の高い表示を得ることができる。なお、各液晶分子1aは、高分子の液晶基1bにより所定の間隔にて保持されている。
次に、黒表示の動作について説明する。電圧無印加時、液晶層1の各液晶分子1aが高分子の液晶基1bと同じ方向に向くので、液晶層1は透過状態となっている。表示を観察している観察者の眼に入射してくる光のもとをたどっていくと、基板6や液晶層1などにより屈折作用を受け、再帰性反射板8により再帰され、同様に液晶層1や基板6などにより屈折作用を受け、最終的に観察者の眼の近傍に達する。
すなわち、観察者の眼の近傍からの入射光10のみが観察者に観察される出射光11となる。ここで、前記観察者の眼の近傍が、光源が存在しない程度十分狭い領域であれば、ほほやしろ目等は間接光源と考えることもできるので、例えば眼のくろ目よりも狭い領域であれば、黒表示が実現される。
〔実施の第一形態〕
本発明の実施の第一形態として、再帰性反射板8の最小単位構造のピッチが異なる反射型液晶表示装置を複数作製し、黒表示を目視にて観察した。具体的には、コーナーキューブアレイ、微小球アレイ、もしくはマイクロレンズアレイからなる再帰性反射板でかつ、その最小単位構造のピッチが0.5mm、5mm、10mm、25mmの12種類の反射型液晶表示装置をそれぞれ作製した。
結果は、コーナーキューブアレイからなる再帰性反射板、微小球アレイからなる再帰性反射板、マイクロレンズアレイからなる再帰性反射板ともに、ピッチが0.5mm、5mmのものが良好な黒状態を実現した。ピッチが10mm、25mmのものは、再帰性反射板にしろ目(強膜部分)がうつりこみ、黒表示の明るさが浮いてしまう結果となった。
この結果に関して、図2により考察を行う。観察者が再帰性反射板の最小単位構造の中心付近を観察しているときは、観察される光の光源の位置は観察者の眼のごく近傍となる。すなわち、この場合は、図2(a)に示すように、観察者の眼のごく近傍から本反射型液晶表示装置に入射する入射光10が再帰性反射板で反射され、観察者は出射光11を観察することとなる。
また、図2(b)に示すように、観察者が再帰性反射板の最小単位構造の上端付近を観察しているときは、観察される光の光源の位置は観察者の眼の下側となる。すなわち、この場合は、観察者の眼の下側から本反射型液晶表示装置に入射する光12が再帰性反射板に反射され、その反射光である出射光13を観察者は観察することになる。この時、再帰性反射板の最小単位構造のピッチが大きければ、その大きさに応じて下側のしろ目を観察することになる。
また、観察者が再帰性反射板の最小単位構造の下端付近を観察しているときは、観察される光の光源の位置は観察者の眼の上側となる。すなわち、この場合は、観察者の眼の上側から本反射型液晶表示装置に入射する光14が再帰性反射板に反射され、その反射光である出射光15を観察者は観察することになる。この時、再帰性反射板の最小単位構造のピッチが大きければ、その大きさに応じて上側のしろ目を観察することになる。
以上より、再帰性反射板の最小単位構造に映り込む像は、再帰性反射板の最小単位構造のピッチ16の2倍の長さ17からなる領域の像ということになる。すなわち、良好な黒表示を実現するには、再帰性反射板の最小単位構造のピッチ16の2倍の長さ17からなる面内の像をくろ目より小さくする必要がある。これは、くろ目の大きさ(直径)を10mm程度(奥沢康正著、目の事典、東山書房)と考えると、再帰性反射板8の最小単位構造のピッチ16は5mm以下でなくてはならないと考えられる。この考察は本実施の形態の結果と一致する。以上より、再帰性反射板の最小単位構造のピッチ16は5mm以下でなくてはならないことが判った。
なお、図2(c)には、再帰性反射板8の最小単位構造にビーズ(微小球)を用いた構成が示されるが、同図に示すように、この構成においても、観察者と再帰性反射板8からの反射光との関係は、図2(b)に示されるコーナーキューブアレイ形状の再帰性反射板8を用いた構成と同様である。再帰性反射板8の最小単位構造にビーズ(微小球)を用いた構成については後に詳述する。
上記の結果より、本願発明者らは、新たに、図6および図9に示すような測定システムを開発した。上記測定システムでは、受光器23、測定台34および投光部36が設けられている。
上記測定台34は、その上面である測定面34aが水平となるように設けられている。上記投光部36は、上記測定面34aを半球状に覆い、投光部36からの投光が半球の全ての方向から等しい輝度で、上記半球の中心位置に照射するようになっている。上記半球の半径は8cmとしている。
上記受光器23は、図6に示すように、その受光極角が変えられるようになっている。受光極角とは、上記半球の中心位置から、測定面34aの法線方向と、受光器23の設置された方向とのなす角度であり、図6ではθで表されている。受光器23にて受光する範囲の直径は、1cmである。
このような測定面34aの半球の中心位置に再帰性反射板8の最小単位構造31が、最小単位構造31の法線方向を測定面34aの法線方向と合うように配置されている。上記法線方向とは最小単位構造31の各頂点を結ぶ仮想平面に対し垂直な方向である。
そして、上記受光器23は、受光する光路方向が、上記半球の中心位置からの測定面34aの法線方向となるように設置されている。受光器23の視角30は被測定物である再帰性反射板8の最小単位構造31を丁度カバーするように微調して測定するものとする。この時、同じ位置に完全拡散反射板を配置した時の完全拡散反射板の反射率を100%としている。
このようにして、用いた最小単位構造31のピッチを種々変化させてそれぞれ測定を行った。その結果を図10に示す。図10に示される結果より、良好な黒表示を実現するためには最小単位構造31のピッチ16は5mm以下でなくてはならないことが判った。
また、ここで、くろ目についてさらに詳しく説明する。図11によれば、くろ目の範囲内には瞳孔および虹彩が存在する。虹彩の色(反射光)は、人種によって異なり、東洋人などでは黒色をしており、西洋人などでは着色している。瞳孔は透明であるので瞳孔の色(反射光)は網膜などの内部器官の色(反射光)を呈することとなる。しかしながら、瞳孔は、実質的には黒色を呈すると考えてよい。つまり、瞳孔は不要な光を遮断する絞りの機能を有するため、観察者がディスプレイを観察している限り(光源を観察していない限り)、網膜などの内部器官の反射は小さく、よって、瞳孔は黒色を呈すると考えてよい。
以上より、虹彩の色も含めて上記と同様な議論を行うと、再帰性反射板8の最小単位構造のピッチは、瞳孔の大きさ(直径)2mm程度(奥沢康正著、ぎもん・しつもん目の事典 上、東山書房)の半分以下、すなわち1mm以下である方がより好ましいことが判った。
〔実施の第二形態〕
本発明の第二の実施形態として、コーナーキューブアレイから構成される再帰性反射板8を用いて、また、上記再帰性反射板8を省いて作製した各反射型液晶表示装置の反射率およびコントラストの測定を行った。上記各反射型液晶表示装置として、以下の5種類の相異なる反射型液晶表示装置をそれぞれ作製し測定した。
第一の装置は、再帰性反射板8を構成するコーナーキューブアレイに対し、図3に記載するようにコーナーキューブアレイの最小単位構造を構成する面の一部(例えば各最小単位構造の境界線である稜線8c上)に、板状の光吸収面部18が作製された反射型液晶表示装置9(図1に示す構造)である。これをサンプルAと称す。具体的な作製方法は後述する。上記光吸収面部18を有する反射型液晶表示装置9は、後述するように黒表示の品位を向上させ、コントラストが高いものとなっている。
第二の装置は、図4に記載するように、サンプルAの表面に、入射光を集光する(凸レンズ機能)レンズシート20を配置して作製された反射型液晶表示装置21である。本実施の形態では、入射側基板6の前面にレンズシート20を配置したが、再帰性反射板8の直上に配置しても本実施の形態と同様の効果があることは確認されている。これをサンプルBと称す。
第三の装置は、再帰性反射板8を構成するコーナーキューブアレイに対し、図3に記載するようにコーナーキューブアレイの最小単位構造を構成する面の一部に、板状の光吸収面部18が設けられ、さらに、頂点や辺への入射光を吸収するための光吸収部位が頂点や辺に設けられたコーナーキューブアレイを用いて、作製された反射型液晶表示装置9である。これをサンプルCと称す。具体的な作製方法は後述する。
上記光吸収面部18や、頂点や辺などのエッジ部への入射光を吸収するための光吸収部位によって、後述するようにさらに黒表示の品位を向上させ、コントラストが高いものにできる。なお、上記では、光吸収部位を設けた例を挙げたが、後述するように、遮光部を設けても同様の効果を奏する。
第四の装置は、再帰性反射板8を構成するコーナーキューブアレイに特別の処理を施していない、すなわち、コーナーキューブアレイの最小単位構造(コーナーキューブ)を構成する面の内、図3に記載する反射面19以外の面(境界線となる稜線8c上に前記法線方向に仮想的に形成される面)はすべて光透過面として作製された反射型液晶表示装置9である。これは、本発明の範囲内であるが、比較例1としてサンプルR1と称す。
第五の装置は、図1に示す再帰性反射板8に代えて、吸収層32を配置させたもので、その構成を図5に示す。これを比較例2としてサンプルR2と称す。
ここで、サンプルAおよびサンプルCの反射型液晶表示装置に用いられる再帰性反射板8の製造工程の一例としてリフトオフ法の概略を図7に示す。まず、黒色樹脂を金型でプレス成形し、コーナーキューブの形状をした凹部25を成形樹脂板25aに作製する〔図7(a)参照〕。
コーナーキューブの形状とは、立方体の一隅が、立方体の中心と一隅とを結ぶ仮想線が、成形樹脂板25aの表面の法線方向に沿って、成形樹脂板25aの表面から内部に向かって埋め込まれたようにして形成される形状である。
このような成形樹脂板25aでは、コーナーキューブの形状をした凹部25が、多数、互いに隣接して密に並設されるように形成されている。互いに隣接する各凹部25は、それらの間に境界線となる稜線8cを備え(図3(b)に図示)、また、各頂点を有することになる。このように凹部25が、多数の凹部25の各頂点を仮想平面25b上となるように併設されることで、反射面19を形成する前のコーナーキューブアレイは形成されている。
また、上記成形樹脂板25aには、上記稜線8c上に立設する、前述した光吸収面部18が、板状に、互いに隣接する凹部25間を遮光するように形成されている。さらに、光吸収面部18は、その先端が、前記各頂点を結ぶ仮想平面25bに対し面一となるように形成されている。
次に、スクリーン印刷法にてレジスト26を成形樹脂板25aの成形面上に塗布する。レジスト材料は、例えばOFPR−800(東京応化社製)を厚さ4μmに成膜する〔図7(b)参照〕。
次に、レジスト26を100度で30分間プリベークし、レジスト26上にホトマスク27を配置して露光を行う。サンプルAおよびサンプルCの露光工程において、それぞれ図8(a)および図8(b)に示したような各ホトマスク27a、27bを用いた〔図7(c)参照〕。
各ホトマスク27a、27bの形状は、並設されたコーナーキューブの形状をした凹部25の境界線となる各稜線8c上に光吸収面部18を形成するためのものである。さらに、ホトマスク27bの形状は、各凹部25の頂点や辺(谷底線)となるエッジ部にも光吸収部位を形成するようになっている。
つまり、ホトマスク27に図8(a)のパターンにて示されるホトマスク27aを用いた場合は、最小単位構造(コーナーキューブ)を構成する面の一部に、光吸収面部18を形成することができる。さらに、ホトマスク27に図8(b)のパターンにて示されるホトマスク27bを用いた場合は、さらに最小単位構造(コーナーキューブ)の頂点と辺とに光吸収部位が配置された構造を実現できる。かかる構成によって、頂点や辺からの乱反射(反射かつ散乱する現象)を防ぎ、コントラストが高い反射型液晶表示装置9、21を得ることができる。
次に、レジスト26を現像し、上記成形樹脂板25aの成形面上に、上記成形樹脂板25aの法線方向から銀を蒸着により、厚さ2000Åの薄膜を反射面19として形成する。現像液としては、例えばNMD−32.38%(東京応化社製)を用いる〔図7(d)参照〕。
次に、残存レジスト26を除去し〔図7(e)参照〕、最後に、上記成形樹脂板25aの凹部25を、透明樹脂29により平坦化する〔図7(f)参照〕。このとき、透明樹脂29は、その表面が、各光吸収面部18の先端や各頂点とを結ぶ仮想平面25bと一致するように形成されている。
本実施形態においては、リフトオフ法について開示したが、銀やアルミなどの金属を全面に蒸着し、銀やアルミなどの金属をパターニングする通常の方法でも作製ができることを本発明者らは確認している。また、再帰性反射板8は、上記製造方法により、反射側基板7と一体に形成されてもよい。
以上の5種類のサンプルに対する測定方法について図6を用いて説明する。まず、半球の全体から照射された光を、測定面34aの法線方向から8度傾いた方向に設置した受光器23により受光した。このとき、受光器23が、正反射成分を受光しないように、遮光板24を設置した。
反射率およびコントラストの測定結果(上記反射率およびコントラストとも数字が大きい方が良好であることを示す)を以下に記す。
サンプルA:反射率−35%、コントラスト−18
サンプルB:反射率−40%、コントラスト−40
サンプルC:反射率−32%、コントラスト−21
サンプルR1(比較例1):反射率−45%、コントラスト−3
サンプルR2(比較例2):反射率−5%、コントラスト−17
上表に示す、サンプルA、BおよびCの結果とサンプルR1(比較例1)の結果との比較により、再帰性反射板8の最小単位構造を構成する面の一部に光吸収面部18を設ける手段、再帰性反射板8よりも観察者側にレンズシート20を配置する手段、および再帰性反射板8の最小単位構造(コーナーキューブ)の頂点や辺への入射光を吸収するための吸収部位や、頂点や辺で乱反射する光を遮光する遮光部といった手段により、コントラストがそれぞれ大幅に向上することが判った。また、上記各手段は、どの様に組み合わせも、さらに効果を発揮できることは明らかである。
また、サンプルA、BおよびCの結果とサンプルR2(比較例2)の結果とを比較した結果、サンプルA、B、Cの再帰性反射板8を用いた反射型液晶表示装置9、21の方が、サンプルR2の吸収層32を用いた反射型液晶表示装置22より反射率において大幅な向上が見られることが判った。
本発明の反射型液晶表示装置にタッチパネルを付加する場合にも表示品位を損なうことなく、入力装置一体型液晶表示装置が実現できる。
次に、前記光吸収部位に代えて、遮光部を設けた例について説明する。図12(a)に示すように、再帰性反射板8の最小単位構造(コーナーキューブ)の頂点8bや辺8aなどのエッジからの光を吸収したり遮光したりする手段を省いた場合、図12(b)に示すように、再帰性反射板8の最小単位構造(コーナーキューブ)の頂点8bや辺8aなどのエッジからの乱反射光8d、および上記乱反射光8dがそれと対向する反射面19で反射した反射光8eが白く見え、黒表示を劣化させることがあった。
そこで、図13(a)に示すように、再帰性反射板8の最小単位構造(コーナーキューブ)の頂点8bや辺8aからの乱反射光を遮光する遮光部28が再帰性反射板8の直上に設けられている。上記遮光部28は、頂点8bや辺8aを上方から覆って沿うように帯状に形成されており、後述するブラックマトリクス48BMと同素材により形成されていることが好ましい。
このような遮光部28により、図13(b)に示すように、頂点8bや辺8aからの乱反射光8dを遮光でき、また、頂点8bや辺8aへの入射光も低減できて上記反射光8eも抑制できるので、黒表示を改善できる。
また、上記遮光部28を、図14および図15に示すように、再帰性反射板8に対し離間した後述するカラーフィルタ層48上に設けてもよい。よって、このような遮光部28は、再帰性反射板8の上ではあるが直上ではない位置に形成されることになる。このときは、上記遮光部28は、後述するブラックマトリクス48BMと同時に、かつ同素材により形成されていることが好ましい。この場合でも、同様に、黒表示を改善できる。
〔実施の第三形態〕
本発明の実施の第三形態について図16ないし図20に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の第一および第二形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の第三形態に係る反射型表示装置としての反射型液晶表示装置41の液晶パネルは、図16に示すように、図4に示す反射型液晶表示装置21から、レンズシート20を省き、電極4と入射側基板6との間にカラーフィルタ層48を形成したものである。
カラーフィルタ層48は、多色表示を可能とするために設けられている。カラーフィルタ層48には、R(赤)・G(緑)・B(青)三色の各カラーフィルタ48R・48G・48Bが、任意の配列パターンで配置されている。上記反射型液晶表示装置41では、各カラーフィルタ48R・48G・48Bに対応して、各画素が形成されている。
また、各カラーフィルタ48R・48G・48Bの互いに隣り合う間には、ブラックマトリックス48BMが設けられている。各カラーフィルタ48R・48G・48B、およびブラックマトリックス48BMは、後述の実施の第四形態において説明するように、相異なる複数の画素を通過する光を吸収する光吸収部としての役割を果たす。
上記再帰性反射板8であるコーナーキューブアレイは、入射光を再帰反射し、入射光方向へと反射するという特性を有しているが、光線を中心軸に対して対称位置に並進移動するという特性も有している。すなわち、図16に示すように、入射光10に対する出射光(反射光)11は、中心軸43のほぼ対称位置になっている。
本実施の第三形態の反射型液晶表示装置41では、再帰性反射板8の最小単位構造(すなわち、コーナーキューブの形状をした凹部25)のピッチが、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ以下に設定されている。
ここで、最小単位構造のピッチとは、コーナーキューブのピッチであり、互いに隣接するコーナーキューブの形状をした凹部25の対応する位置間(例えば、コーナーキューブ形状をした凹部25の頂点と頂点との)間の最短距離をいう(図2(b)、図7(f)および図8(a)には、ピッチ16として示されている)。
また、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチとは、各隣接するカラーフィルタ48R・48G・48Bの対応する位置(例えば、カラーフィルタの中心と中心との)間の最短距離をいう(図16には、ピッチ58として示されている)。
反射型液晶表示装置41では、再帰性反射板8のコーナーキューブ形状をした凹部25のピッチ16とカラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58とが上記関係を有しているので、後述のように、任意のカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して再帰性反射板8に入射した光は、再帰性反射板8による反射によって、再び同じカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して出射する。したがって、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過するといった不具合が回避され、混色による輝度および色度の低下を防止できる。
このような反射型液晶表示装置41の表示動作については前述した実施の第一および第二形態と同様である。
本実施の第三形態の反射型液晶表示装置41では、前述のように、再帰性反射板8のコーナーキューブ形状をした凹部25のピッチ16が、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58以下となっている。具体的には、凹部25のピッチ16は、25μmピッチである一方、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58は、100μmピッチとなっている。
したがって、図16に示すように、カラーフィルタ48Bを透過した入射光10に対する出射光(反射光)11は、再び同じカラーフィルタ48Bを透過する。すなわち、反射型液晶表示装置41では、任意のカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して再帰性反射板8に入射した光は、再帰性反射板8による反射によって、再び同じカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して出射する。
上記反射型液晶表示装置41との比較のため、図17に示すように、再帰性反射板38のコーナーキューブアレイのピッチが、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチより大きい反射型液晶表示装置42を作製した。具体的には、再帰性反射板38のコーナーキューブアレイのピッチは120μmピッチである一方、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチは100μmピッチとなっている。
上記反射型液晶表示装置42では、カラーフィルタ48Gを透過した入射光39に対する出射光(反射光)40は、カラーフィルタ48Rを透過し、入射光39と出射光40とが互いに異なる各カラーフィルタ48G・48Rを通過することになる。そのため、混色による輝度および色度の低下が生じてしまう。
一方、本実施の第三形態の反射型液晶表示装置41では、図16に示すように、再帰性反射板8の凹部25のピッチ16が、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58以下となっているので、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過するといった不具合がなく、混色による輝度および色度の低下を防止できる。
このようなピッチ16とピッチ58との比は1以下であればよいが、1/2以下がより好ましく、さらに1/4以下が好ましい。また、上記比は1/(2n)(nは自然数)に設定されるのが望ましい。この場合、各画素に対応する各最小単位構造が、複数、一つのカラーフィルタに丁度収まるので好ましい。
本実施の第三形態の反射型液晶表示装置41では、再帰性反射板8に、コーナーキューブアレイを用いたが、これに限定されず、図18に示すように、複数のビーズ(微小球)44を互いに隣接させて一層状に密に並設するように備えた構成(アレイ)の反射型液晶表示装置45としてもよい。ビーズ(微小球)44を用いた再帰性反射板8の場合は、各隣接するビーズ44の対応する位置(例えば、各ビーズ44の中心と中心との)間の最短距離を、最小単位構造のピッチ51という。
上記反射型液晶表示装置45では、各ビーズ44が、再帰性反射板8の最小単位構造となっており、再帰性反射板8のビーズ44のピッチ51が、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58以下となっている。具体的には、ビーズ44のピッチ51は、25μmピッチである一方、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58は、100μmピッチとなっている。
したがって、例えばカラーフィルタ48Bを透過した入射光10に対する出射光(反射光)11は、再び同じカラーフィルタ48Bを透過する。すなわち、反射型液晶表示装置45では、任意のカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して再帰性反射板8に入射した光は、再帰性反射板8による反射によって、再び同じカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過して出射する。
上記反射型液晶表示装置45との比較のため、図19に示すように、再帰性反射板のビーズ53のピッチが、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチより大きい反射型液晶表示装置47を作製した。具体的には、再帰性反射板のビーズ53のピッチは、120μmピッチである一方、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチは、100μmピッチとなっている。
上記反射型液晶表示装置47では、例えばカラーフィルタ48Gを透過した入射光54に対する出射光(反射光)55は、カラーフィルタ48Rを透過し、入射光54と出射光55とが互いに異なるカラーフィルタ48G・48Rを通過することになる。そのため、混色による輝度および色度の低下が生じてしまう。
一方、本実施の第三形態の反射型液晶表示装置45では、図18に示すように、再帰性反射板8のビーズ44のピッチ51が、カラーフィルタ48R・48G・48Bのピッチ58以下となっているので、入射光10と出射光11とが互いに異なるカラーフィルタ48R・48G・48Bを通過するといった不具合がなく、混色による輝度および色度の低下を防止できる。
また、再帰性反射板8には、上記コーナーキューブアレイ、ビーズアレイのほかに、複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイを用いた構成としてもよい。再帰性反射板8の反射材には、入射光を再帰反射し、入射光方向へと反射するという特性を有し、光線を中心軸に対して対称位置に並進移動するという特性を有するものであれば、いずれの部材を用いてもよい。
また、図20に示すように、再帰性反射板8よりも入射側に、前述したレンズシート20と同様なレンズシート52を配置した構成としてもよい。これによって、再帰性反射板8の再帰性能を向上させることができ、白表示の明度が高く、かつ、コントラストが高い反射型液晶表示装置を得ることができる。なお、図20に示される構成では、入射側基板6の表面(前面)にレンズシート52が設けられているが、再帰性反射板8の直上にレンズシート52を配置した構成としてもよい。
〔実施の第四形態〕
本発明の実施の第四形態について図21ないし図25に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の第一ないし第三形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図21に示すように、本実施の第四形態の反射型液晶表示装置61は、入射側基板6に複数のルーバ(光吸収部)60が設けられている点で、上記実施の第三形態の反射型液晶表示装置41と異なっている。それ以外の構成は、上記反射型液晶表示装置41の構成と同じである。本実施の第四形態では、ルーバ60として、ライトコントロールフィルム(住友3M社製)が用いられている。
上記各ルーバ60は、入射側基板6の厚さ方向(つまり入射側基板6の表面方向に対し垂直方向)に対し、反射型液晶表示装置61の表示面の大きさと使用用途とにより決まる視野角の範囲内の光を通過させるが、相異なる複数の画素を通過する光を吸収する光吸収部であり、上記視野角内以外の所定範囲の光を遮るようにした遮光部材である。また、図22に示すように、カラーフィルタ層48のブラックマトリックス48BMをルーバ状に形成した反射型液晶表示装置41aであってもよい。
図23に示すように、ルーバを備えていない反射型液晶表示装置69では、白表示すなわち散乱状態にある画素に入射した光の一部が、または、黒表示すなわち透過状態にある画素に入射した光の一部が、迷光68として他の画素へと入射されることがある。他の画素から導光される迷光68が、黒表示、すなわち透過状態にある画素へ入射されると、該画素の位置の再帰性反射板8によって反射されて、液晶パネル外へと出射する。これは、黒状態の反射率を上げてしまい、黒表示を悪化させる原因となる。
一方、図21に示すように、反射型液晶表示装置61では、上記ルーバ60が設けられているので、このような他の画素から導光される迷光59を、ルーバ60によって吸収することができる。図21では、迷光59が吸収されて、他の画素に侵入しないことを、二点鎖線にて示している。
このような本実施の第四形態の反射型液晶表示装置61では、他の画素から導光される迷光59を、ルーバ60によって吸収することができるので、表示面法線から倒れた観察方向による黒浮きを抑制し、良好な黒表示を実現することができる。この効果は、特に、再帰性反射板8にコーナーキューブアレイを用いた場合に顕著である。
上記の効果は、図24に示すように、カラーフィルタ層48が光吸収部としての役割を果たす実施の第三形態の反射型液晶表示装置41の構成によっても得ることができる。すなわち、他の画素から導光される迷光62は、ブラックマトリックス48BMによって吸収され、また、複数のカラーフィルタ48R・48G・48Bを透過することによっても実質的に十分減衰され、良好な黒表示を保持することができる。
次に、光吸収部としても機能するカラーフィルタ48R・48G・48Bを配置したときの効果を確認する以下のような実験を行った。具体的には、反射型液晶表示装置41からカラーフィルタ48R・48G・48Bを省いた以外は全く同様に作製した反射型表示装置を、図9に示すような測定システムにおいて、拡散光入射時の黒表示の反射率を測定した。なお、前記実施の第一形態と同様、完全拡散反射板の反射率を100%としている。結果は、図25に示すとおりである。図25では、cf無とはカラーフィルタ層48を省いた反射型液晶表示装置を示し、cf有とは、カラーフィルタ層48を備えた反射型液晶表示装置41を示す。
このようにカラーフィルタ48R・48G・48Bを配置することによって、配置しないときと比べて、表示面法線から倒れた(傾斜した視野角)観察方向においても黒表示の反射率は低減されており、黒表示の品位が向上することが判った。
以上のように、ルーバ60やカラーフィルタ層48などの光吸収部を配置する構成とすることによって、上記観察方向による黒表示の反射率の増加を抑制し、良好な黒表示を実現することができる。
〔実施の第五形態〕
本発明の実施の第五形態について図26に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の第一ないし第四形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の第五形態の反射型液晶表示装置67は、図26に示すように、表示パネルである液晶パネルの側面(反射型液晶表示装置67の側面)が、光吸収部材64で覆われている点で、上記実施の第三形態の反射型液晶表示装置41と異なっている。それ以外の構成は上記反射型液晶表示装置41の構成と同じである。
上記反射型液晶表示装置67は、光吸収部材64を備えているので、外部光65が液晶パネル内に入射されることを防止する。また、反射型液晶表示装置67の内部を導光して液晶パネルの側面に到達した迷光66の影響による黒表示の悪化を防止し、良好な黒表示を実現することができる。
なお、光吸収部材64は液晶パネル四辺(つまり各基板6、7にて形成されたパネル状部の側面)すべてに設けられることが望ましい。また、上記光吸収部材64の材料は、特に限定されるものではないが、ベゼル、ルーバ60、またはブラックマトリックス48BMと同じ材料を用いることができる。また、好ましくは、空気などの低屈折率層が反射型液晶表示装置と光吸収部材64との間に存在しないように、光吸収部材64を形成することが望ましい。
〔実施の第六形態〕
本発明の実施の第六形態について図27に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の第一ないし第五形態の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の第六形態の反射型液晶表示装置では、図27(e)に示すように、前述の光吸収面部18と同様な機能を有する光吸収面部78を備えた再帰性反射板88が再帰性反射板8に代えて用いられている。上記光吸収面部78は、光照射により着色する感光材料からなっている。その他の構成については、前述の実施の第一ないし第五形態の何れであってもよい。
ところで、金型プレスにより成形される、板状の光吸収面部18では、その高さと厚さの比(アスペクト比)は最大でも10であった。これは、アスペクト比が10を超えた金型を用いて成形しても周囲に樹脂が存在しないため成形不良となるからである。すなわち、アスペクト比が10を超える光吸収面部を製造することが困難であった。
一方、上記のような感光材料からなる光吸収面部78では、感光により微細化が可能で膜状に形成できること、また、成形時、光吸収面部78となる部分の周囲(厚さ方向の両端側)に樹脂が存在してサポートするために、アスペクト比が10を超え、より好ましい値である30を超えても製造することができる。言い換えると、光吸収面部78の厚さを薄くできる。よって、上記光吸収面部78を備えた再帰性反射板88を用いた反射型液晶表示装置では、再帰性反射板88の開口率を向上できるので、白表示の表示品質もさらに改善することができる。
このような再帰性反射板88の製造方法について以下に説明する。まず、黒色の樹脂を金型でプレス成形し、コーナーキュープの形状を備えた凹部72を、複数、互いに隣接して有する成形樹脂板75を作製する〔図27(a)参照〕。次に、成形樹脂板75の基板法線方向から凹部72の表面に銀を厚さ2000Åにて蒸着して金属薄膜73を反射面として形成する〔図27(b)参照〕。続いて、感光材料を含む透明樹脂74で平坦化する〔図27(c)参照〕。
上記の感光材料を含む透明樹脂74として、例えばポリエチレングリコール(バインダー)、2,2'- ビス(o-クロルフェニル)-4,4',5,5'- テトラフェニル-3,3'-ビスイミダゾール(感光性ハロゲン)、ロイコクリスタルバイオレット(発色剤)、1,6-ピレンキノン(光還元剤)からなる材料を使用できる。
その後、例えば図8(a)に示したようなホトマスク27aを用い、可視光(400nm〜500nm)で露光を行う〔図27(d)参照〕。次に、上記ホトマスク27aを除去した後、紫外光で全面露光して発色定着させて、光吸収面部78を備えた再帰性反射板88を得る〔図27(d)参照〕。上記光吸収面部78は、互いに隣接する各凹部72の境界線(稜線8c)の金属薄膜73上に立設することになる。
図27に示す再帰性反射板88の製造工程が、図7に示す再帰性反射板8の製造工程と異なるのは、金型でプレス成形されたコーナーキューブアレイにおいて、壁状構造(光吸収面部18となる)が存在するか、しないかである。すなわち、図7(a)では、壁状構造(光吸収面部18)が存在するが、図27(a)では、壁状構造(光吸収面部18)が存在しない。
一般に壁の厚さが壁の高さに比して薄い微細構造(アスペクト比が高い構造)は樹脂成形が難しく、さらにはその金型の作製も困難である。よって、実際には、壁の厚さが厚くなってしまい、本反射型液晶表示装置においては、開口率の低下という欠点につながる。
本実施の第六形態では、光吸収面部18に代わる光吸収面部78を、光照射により着色する感光材料から作製することにより、上記欠点を回避できる。
なお、本実施の第一ないし第六形態では、反射型液晶表示装置を反射型表示装置として例示したが、本発明は、液晶表示装置以外の反射型表示装置(例えば、透過状態と散乱状態との間でスイッチングする平面型表示装置)についても適用可能である。
(課題を解決するための他の手段)
本発明の他の反射型表示装置は、前述の課題を解決するために、入射光を透過させる第一状態と入射光の進行状態が変わる第二状態とを切り換えるスイッチング層と、スイッチング層からの入射光を反射する反射手段とを有し、スイッチング層が第一状態のとき、反射手段は、観測者のくろ目の像が反射され、観測者が上記くろ目の像を認識することで黒表示を実現するように設定されていることを特徴としている。
上記反射型表示装置では、スイッチング層が第二状態のとき、白表示されるようになっていることが好ましい。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、前述の課題を解決するために、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、反射手段としての再帰性反射板とを具備し、上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが0mmより大きく、5mm以下であることを特徴としている。
上記反射型表示装置においては、前記反射手段の最小単位構造のピッチが0mmより大きく、1mm以下であってもよい。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、前記課題を解決するために、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、反射手段としての再帰性反射板とを具備し、上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、観察者における、くろ目(角膜)の直径の半分以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、再帰性反射板の最小単位構造のピッチを上記のようにそれぞれ設定することにより、再帰性反射板の最小単位構造の影響による黒表示の悪化を防止できる。この結果、上記構成では、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできる。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、前記課題を解決するために、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、各画素に対応して形成された各カラーフィルタ部と、反射手段としての再帰性反射板とを具備し、上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、上記カラーフィルタ部のピッチ以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、該カラーフィルタ部のピッチ以下に設定したことにより、任意のカラーフィルタ部を通過して再帰性反射板に入射した光は、再帰性反射板による反射によって、再び同じカラーフィルタ部を通過して出射する。
したがって、上記構成では、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合がなく、混色による輝度および色度の低下を防止できて、カラー表示品質を向上できる。
上記反射型表示装置では、前記スイッチング層は、光散乱型液晶層であってもよい。上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板の最小単位構造を構成する面の一部に光吸収面部が設けられていることが好ましい。上記反射型表示装置では、前記光吸収面部は、前記スイッチング層の表面方向に対し立設する方向に設けられていてもよい。
上記反射型表示装置においては、前記光吸収面部は、前記再帰性反射板の各最小単位構造の境界に沿って設けられていてもよい。上記反射型表示装置では、前記再帰性反射板はコーナーキューブアレイであり、前記光吸収面部の先端部は、前記再帰性反射板の各頂点を結ぶ仮想平面に対し面一となるように形成されていてもよい。
上記構成によれば、再帰性反射板の再帰性能が不十分であることによる悪影響に起因する黒表示の悪化を上記光吸収面部によって防止できるので、得られる表示におけるコントラストを向上できる。
上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板の前面にレンズシートを少なくとも一枚配置していることが好ましい。上記構成によれば、再帰性反射板の再帰性能をレンズシートにより向上できるから、白表示の明度が高く、かつ、得られる表示におけるコントラストを改善できる。
上記反射型表示装置では、前記再帰性反射板は、コーナーキューブアレイ、微小球アレイ、マイクロレンズアレイのいずれか一つであってもよい。上記構成によれば、白表示の明度が向上し、およびコントラストも向上できる。
上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板は、コーナーキューブアレイであり、前記光吸収部位が該コーナーキューブアレイの頂点と辺に配置されていることが望ましい。
上記構成によれば、コーナーキューブアレイの作製上、不可避である頂点や辺からの乱反射を光吸収部位により回避できるので、コントラストを改善できる。
上記反射型表示装置では、前記再帰性反射板は、コーナーキューブアレイであり、該コーナーキューブアレイの頂点と辺からの反射を遮光する遮光部が設けられていてもよい。
上記構成によれば、コーナーキューブアレイの作製上、不可避である頂点や辺からの乱反射を遮光部により防止できるので、コントラストを向上できる。
上記反射型表示装置においては、前記スイッチング層は、各画素を備え、画素へ他の画素から入射される光を吸収する光吸収部が配置されていてもよい。上記反射型表示装置では、前記光吸収部は、ルーバ、カラーフィルタ部およびブラックマトリクス部の少なくとも一つであってもよい。
上記構成によれば、他の画素から入射される光を吸収する例えばルーバやカラーフィルタ部などの光吸収部を配置したことによって、表示面法線から倒れた観察方向による黒浮きを抑制し、良好な黒表示を実現することができる。上記構成では、特に、再帰性反射板にコーナーキューブアレイを用いた場合、上記光吸収部による効果が高くできる。
上記反射型表示装置においては、前記スイッチング層は、各画素を備え、前記再帰性反射板の各最小単位構造は、それぞれ前記の一つの画素に対応するカラーフィルタ部を通過した光が上記カラーフィルタ部に戻るように形成されていてもよい。上記反射型表示装置では、前記再帰性反射板の各最小単位構造のピッチは、前記カラーフィルタ部のピッチの1/2以下が好ましい。
上記反射型表示装置においては、前記再帰性反射板の各凹部に光透過性樹脂が充填されていることが好ましい。上記構成によれば、各凹部に光透過性樹脂を充填しているので、再帰性反射板の反射面や他の部材との界面の歪みを抑制でき、再帰性反射板に対する入射光や反射光(出射光)の光路を安定化できる。
上記反射型表示装置では、前記光吸収面部は、光照射により着色された感光材料からなっていることが望ましい。
上記構成によれば、光照射により着色される感光材料から光吸収面部を形成したことにより、上記光吸収面部の薄型化が可能となるので、上記光吸収面部を備えた再帰性反射板の開口率を大きくできる。よって、上記構成では、開口率の向上により、白表示や黒表示の表示品質をさらに改善できる。
上記反射型表示装置では、前記スイッチング層および反射手段を有する表示パネルが設けられ、上記表示パネルの側面を覆う光吸収部材が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、前記スイッチング層を有する表示パネルの側面を、光吸収部材で覆うことにより、外部光が側面から表示パネル内に入射されることを防止すると共に、表示パネルの内部を導光して該側面に到達した光が散乱したり、反射手段で反射したりするなどの影響による黒表示の悪化を防止し、良好な黒表示を実現できる。
本発明の再帰性反射板は、前述の課題を解決するために、入射光と平行となるように出射光を反射する再帰性反射部が、互いに隣接して複数設けられ、各再帰性反射部の境界部に光を吸収する光吸収面部が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、光吸収面部を設けたことにより、上記構成を反射型表示装置に適用したとき、上記反射型表示装置における黒表示の悪化を防止できる。この結果、上記構成では、上記反射型表示装置における白表示の明度を大きく、かつ、コントラストを高くできる。
上記再帰性反射板では、前記光吸収面部は、前記各再帰性反射部に対し立設するように形成されていることが好ましい。上記再帰性反射板においては、前記各再帰性反射部は、コーナーキューブアレイであり、前記光吸収面部の先端部は、前記各再帰性反射部の各頂点を結ぶ仮想平面に対し面一となるように形成されていることが望ましい。上記構成によれば、光吸収面部による表示の改善をより確実化できる。
(発明の効果)
本発明の他の反射型表示装置は、以上のように、入射光を透過させる第一状態と入射光の進行状態が変わる第二状態とを切り換えるスイッチング層と、スイッチング層からの入射光を反射する反射手段とを有し、スイッチング層が第一状態のとき、反射手段は、観測者のくろ目の像が反射され、観測者が上記くろ目の像を認識することで黒表示を実現するように設定されている構成である。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、以上のように、反射手段としての再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下の構成である。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、以上のように、反射手段としての再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、観察者における、くろ目の直径の半分以下の構成である。
それゆえ、上記構成は、反射手段を、観測者のくろ目の像が反射され、観測者が上記くろ目の像を認識することで黒表示を実現するように設定、例えば、上記反射手段としての再帰性反射板の最小単位構造のピッチを0mmより大きく、5mm以下、もしくは観察者におけるくろ目の直径の半分以下に設定することにより、再帰性反射板の最小単位構造の影響による黒表示の悪化を防止できる。
この結果、上記構成では、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできるという効果を奏する。
本発明のさらに他の反射型表示装置は、以上のように、反射手段としての再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、カラーフィルタ部のピッチ以下である構成である。
それゆえ、上記構成は、入射光と出射光とが互いに異なるカラーフィルタ部を通過するといった不具合がなく、混色による輝度および色度の低下を防止できるという効果を奏する。
本発明の再帰性反射板は、以上のように、入射光と平行となるように出射光を反射する再帰性反射部が、互いに隣接して複数設けられ、各再帰性反射部の境界部に、光を吸収する光吸収面部が設けられている構成である。
それゆえ、上記構成は、光吸収面部を設けたことにより、上記構成を反射型表示装置に適用したとき、上記反射型表示装置における黒表示の悪化を防止できる。この結果、上記構成では、上記反射型表示装置における白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできるという効果を奏する。
本発明に係る反射型表示装置は、バックライトを省いて省電力化でき、また、黒表示の悪化を防止でき、白表示の明度を高く、かつ、コントラストを高くできると共に、混色による輝度および色度の低下を防止できて、カラー表示の画像品質を向上できるので、携帯電話などの通信分野や、液晶テレビといった画像表示分野に好適に利用できる。
本発明の実施の第一および第二形態で用いた反射型液晶表示装置の構造断面図である。 本発明の実施の各形態で用いた再帰性反射板に入射する光の光線の経路を示す説明図であり、(a)は観察者の目の近傍からの入射光が再帰性反射板を構成するコーナーキューブにて反射する方向を示す説明図、(b)は、上記(a)において、上記コーナーキューブへの入射光の範囲を示す説明図、(c)は、再帰性反射板として微小球を用いたときに、上記微小球への入射光の範囲を示す説明図である。 本発明の実施の各形態で用いたコーナーキューブアレイの最小単位構造(コーナーキューブ)を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は上記(a)に示す法線方向1)からの平面図、(c)は上記(a)に示す側面方向2)からの側面図、(d)は上記(a)に示す正面方向3)からの正面図である。 上記実施の第二形態にて用いた反射型液晶表示装置の一変形例の構造断面図である。 上記実施の第二形態で用いた比較例2としての反射型液晶表示装置の構造断面図である。 本発明の実施の各形態に係わる再帰性反射板および反射型液晶表示装置の反射率に関する測定システムの構成図である。 (a)ないし(f)は、上記再帰性反射板(コーナーキューブアレイ)の各作製プロセスをそれぞれ表わす各概略断面図である。 (a)は、上記実施の第二形態におけるコーナーキューブ形状を備えたサンプルAの作製時に用いたホトマスクを表わす説明図であり、(b)は、上記実施の第二形態におけるコーナーキューブ形状を備えたサンプルCの作製時に用いたホトマスクを表わす説明図である。 本発明の実施の各形態に係わる再帰性反射板および反射型液晶表示装置の反射率に関する測定システムの構成図である。 上記実施の第一形態における再帰性反射板の最小単位構造のピッチと黒表示時の反射率の関係を表わすグラフである。 前記観察者の目の構造を示すための説明図である。 比較のために、再帰性反射板の頂点や辺に対応する、遮光部を省いたときの再帰性反射板の説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 上記再帰性反射板の頂点や辺に対応して遮光部を設けたときの説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 比較のために、再帰性反射板の頂点や辺に対応する、遮光部を省いたときの再帰性反射板の説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 再帰性反射板の頂点や辺に対応して遮光部を設けたときの再帰性反射板の説明図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の実施の第三形態に係る反射型液晶表示装置の構造断面図である。 比較のための反射型液晶表示装置の構造断面図である。 上記実施の第三形態に係る反射型液晶表示装置の一変形例であって、再帰性反射板の最小単位構造にビーズが用いられた構成の構造断面図である。 比較のための他の反射型液晶表示装置の構造断面図である。 上記実施の第三形態に係る反射型液晶表示装置の他の一変形例であって、再帰性反射板よりも入射側にレンズシートが設けられた構成の構造断面図である。 本発明の実施の第四形態に係る反射型液晶表示装置の構造構成図である。 上記反射型液晶表示装置の一変形例を示す、構造断面図である。 比較のためのさらに他の反射型液晶表示装置の構造断面図である。 上記第三形態に係る反射型液晶表示装置における、光吸収部として、カラーフィルタ層が用いられた構成の構造断面図である。 上記反射型液晶表示装置において、黒表示の極角依存性を示すグラフである。 本発明の実施の第五形態に係る反射型液晶表示装置の構造断面図である。 (a)ないし(e)は、本発明の実施の第六形態に係る再帰性反射板(コーナーキューブアレイ)の各作製プロセスをそれぞれ表わす各概略断面図である。
符号の説明
1 液晶層
1b 高分子の液晶基
2、3 水平配向膜
4、5 電極
6 入射側基板
7 反射側基板
8 再帰性反射板
9、21、41、45、61、67 本発明の反射型液晶表示装置
10、12、14 入射光
11、13、15 出射光
16 再帰性反射板の最小単位構造のピッチ
17 出射光の広がりのピッチ
18 光吸収面部
19 反射面(金属薄膜)
20 レンズシート
22、42、47、69 比較用の反射型液晶表示装置
23 受光器
24 遮光板
25 コーナーキューブの形状をした凹部
25a 成形樹脂板
26 レジスト
27 ホトマスク
28 遮光部
29 透明樹脂
31 再帰性反射板の最小単位構造
44 ビーズ(微小球)
48 カラーフィルタ層(カラーフィルタ部、光吸収部)
52 レンズシート
58 ピッチ
60 ルーバ(光吸収部)
64 光吸収部材
72 コーナーキューブの形状をした凹部
75 成形樹脂板
78 光吸収面部

Claims (6)

  1. 画素毎に、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とに切り換えるスイッチング層と、
    上記各画素に対応して形成された各カラーフィルタ部と、
    光を反射する再帰性反射板とを具備し、
    上記再帰性反射板の最小単位構造のピッチが、0mmより大きく、5mm以下であり、該カラーフィルタ部のピッチ以下であることを特徴とする反射型表示装置。
  2. 請求項1記載の反射型表示装置において、
    前記カラーフィルタ部は、相異なる複数の画素を通過する光を吸収する光吸収部となるように配置されていることを特徴とする反射型表示装置。
  3. 請求項1または2記載の反射型表示装置において、
    前記再帰性反射板の各最小単位構造のピッチは、前記カラーフィルタ部のピッチの1/2以下であることを特徴とする反射型表示装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の反射型表示装置において、
    前記再帰性反射板の各最小単位構造は、それぞれ前記の一つの画素に対応するカラーフィルタ部を通過した光が上記カラーフィルタ部に戻るように形成されていることを特徴とする反射型表示装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の反射型表示装置において、
    前記スイッチング層は、光散乱型液晶層であることを特徴とする反射型表示装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の反射型表示装置において、
    前記再帰性反射板は、コーナーキューブアレイ、微小球アレイ、マイクロレンズアレイのいずれか一つであることを特徴とする反射型表示装置。
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