JP2005043443A - 有機感光体、画像形成装置および画像形成ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐摩耗性および感度を有し、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能な電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体であって、第1電荷輸送層が結着樹脂および電荷輸送材料を含有してなり、第2電荷輸送層が変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含有してなり、第2電荷輸送層のガラス転移温度が55〜65℃であることを特徴とする有機感光体。上記感光体を有する画像形成装置。上記画像形成装置の一部を構成し、装置本体から脱着可能で、少なくとも上記感光体を具備してなる画像形成ユニット。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体であって、第1電荷輸送層が結着樹脂および電荷輸送材料を含有してなり、第2電荷輸送層が変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含有してなり、第2電荷輸送層のガラス転移温度が55〜65℃であることを特徴とする有機感光体。上記感光体を有する画像形成装置。上記画像形成装置の一部を構成し、装置本体から脱着可能で、少なくとも上記感光体を具備してなる画像形成ユニット。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機感光体、特に電子写真用有機感光体に関する。
【0002】
【従来技術】
画像形成装置は一般に、感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有している。クリーニング手段としてはクリーニングブレードが用いられ、該ブレードを感光体表面に圧接配置することにより、感光体上の残留トナーを掻き落とすようになっている。このように感光体にはクリーニングブレード等によって常時、外力が印加されるため、優れた耐摩耗性が要求される。耐摩耗性が悪いと、繰り返しの使用によって感光体表面(感光層)が摩耗し、中抜けやカブリ等が画像ノイズとなって現れる。中抜けとは感光体表面から記録シートヘの転写性(離型性)の悪化によってトナー像が転写されるべき領域に転写されない現象である。カブリとは感光層の摩耗または耐久劣化によって感光体の静電特性が悪化し、感光体上、トナーが付着されるべきでないところにトナーが付着し、画像上に点状のノイズが発生する現象である。
【0003】
感光層表面の耐摩耗性を確保するために、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層(表面層)を順次積層してなる構成の電子写真感光体において、表面層に潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)微粒子等の含フッ素樹脂微粒子を分散含有させることが知られている。しかしながら、含フッ素樹脂微粒子は分散性が悪いため、感光層表面の機能性を満足させるために多量の含フッ素樹脂微粒子を分散させると、凝集が生じ、電荷輸送層中において含フッ素樹脂微粒子の分散むらが生じ、感光体の感度が低下したり黒ポチの画像ノイズが発生する。
【0004】
そこで、シロキサン変性ポリカーボネート等の変性ポリカーボネートを表面層の結着樹脂として使用すると、含フッ素樹脂微粒子の層中での分散均一性はある程度向上するが、繰り返しの使用によって画像上、特に中間濃度のハーフ画像上、濃淡差に基づく白スジが画像ノイズとなって現れる問題が生じた。感光体を繰り返し使用すると、トナーに通常外添されるシリカ等の外添微粒子が感光体クリーニング時にブレードによって感光体表面に押し付けられて当該表面にキズが生じる。そのようなキズは、感光層の耐摩耗性が低いと、摩耗によって除去されるが、感光層の耐摩耗性が比較的高いと、残存し続けるため、当該キズに外添剤等が挟まって白スジが発生すると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐摩耗性および感度を有し、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能な電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体であって、第1電荷輸送層が結着樹脂および電荷輸送材料を含有してなり、第2電荷輸送層が変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含有してなり、第2電荷輸送層のガラス転移温度が55〜65℃であることを特徴とする有機感光体に関する。
【0007】
本発明はまた、上記感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有してなる画像形成装置であって、トナーが少なくとも脂肪酸金属塩および研磨粒子を含有し、クリーニング手段がブレードであることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0008】
本発明はまた、上記画像形成装置の一部を構成し、装置本体から脱着可能な画像形成ユニットであって、感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1の手段とを具備してなる画像形成ユニットに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の有機感光体は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層が順次積層されてなり、第2電荷輸送層が最表面層であるものである。
【0010】
本発明において導電性支持体としては、体積抵抗1×1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、銅、銀、金、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチックまたは紙などに被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.I.、I.I.、押し出し、引き抜き等の工法で素管化したのち切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管などを使用することができる。
【0011】
導電性支持体には電荷発生層の形成に先だって下引層が形成されていてもよい。下引層は一般に樹脂を主成分とするが、当該層を構成する樹脂は、その上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。そのような樹脂としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、ポリブチルブチラール、ポリアクリレートなどの水可溶性またはアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂などが挙げられる。また、下引層には、残留電位をより有効に低減し、モアレを防止する観点から、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末が添加されていてもよい。このような下引層は適当な溶媒および公知の塗布法を用いて形成することができる。この他に、下引層としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸着膜等が使用可能である。下引層の膜厚は10μm以下、特に1μm以下であることが望ましい。
【0012】
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であり、電荷発生物質としては、有機系の電荷発生物質あるいは無機系の電荷発生物質のいずれも用いることができるが、好ましくは有機系の電荷発生物質を用いる。有機系の電荷発生物質としては、公知の電荷発生物質を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリツク酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。好ましくはフタロシアニン系顔料、より好ましくは金属フタロシアニン、特にチタニルフタロシアニンを用いる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂を用いることができ、このとき電荷発生層は結着樹脂中に上記の有機系電荷発生物質あるいは無機系電荷発生物質が分散または溶解されてなっている。このときの電荷発生層における電荷発生物質の含有量は電荷発生層の結着樹脂100重量部に対して50〜300重量部が好適である。電荷発生層に含まれる結着樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。好ましくはポリビニルブチラールを用いる。これらは単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0014】
電荷発生層を形成する方法としては、大別すると、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが挙げられる。真空薄膜作製法としては、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが挙げられ、上述した有機系あるいは無機系の電荷発生物質を用いて電荷発生層を良好に形成することができる。また、キャスティング法によって電荷発生層を形成するには、上述した有機系あるいは無機系の電荷発生物質を、必要により結着樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散させて電荷発生層用塗液を調製し、当該塗液を導電性支持体または下引層上に塗布し乾燥させればよい。塗布方法としては特に制限されず、公知の塗布法、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、リング塗布法、スピンナー塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法、ビード塗布法等を採用することができる。このようにして形成される電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0015】
第1電荷輸送層は結着樹脂および電荷輸送材料を含んでなり、好ましくはさらに酸化防止剤、レベリング剤等の添加剤を含む。
【0016】
第1電荷輸送層の結着樹脂としては、第1電荷輸送層がその上に第2電荷輸送層を形成され、耐摩耗性や機械的強度を有する必要性が比較的低いため、特に制限されない。例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このように当該結着樹脂は比較的広範囲の樹脂の中から選択できるため、安価な樹脂を用いることによって製造コストを低減できる。安価な樹脂として好ましくは、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂等を用いる。
【0017】
第1電荷輸送層の電荷輸送材料としては、正孔を移動させ得る物質であれば特に制限されず、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導休、インデン誘導体、ブタジエン誘導体などが挙げられる。第1電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対する電荷輸送材料の含有量は特に制限されないが、通常、2〜200重量部、好ましくは3〜120重量部である。第1電荷輸送層において2種類以上の電荷輸送材料を使用してもよく、その場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0018】
第1電荷輸送層の酸化防止剤としては、従来から有機感光体の感光層に含有される種々の酸化防止剤が使用可能である。例えば、第2電荷輸送層の説明において可塑剤として例示するヒンダードフェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤および有機燐系酸化防止剤、ならびにハイドロキノン系酸化防止剤等が挙げられる。
ハイドロキノン系酸化防止剤の具体例として、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
【0019】
第1電荷輸送層において酸化防止剤の含有量は、長期使用による残留電位の上昇抑制と感度向上の観点から、電荷輸送材料の含有量に対して0.1〜25重量%、特に0.8〜15重量%であることが好ましい。なお、酸化防止剤は、前記した電荷発生層、下引層等に添加されてもよい。
【0020】
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類等が挙げられる。
【0021】
第1電荷輸送層は通常、結着樹脂および電荷輸送材料を、所望の添加剤(酸化防止剤等)とともに溶媒に溶解乃至分散させて塗液を調製し、当該塗液を電荷発生層または下引層上に塗布し乾燥させて形成される。塗布方法としては特に制限されず、電荷発生層の形成時に採用可能な方法として例示した方法と同様の方法が採用可能である。
【0022】
本発明は第1電荷輸送層が幾つかの層からなる多層式であることを妨げるものではない。このとき第1電荷輸送層としての各層の電荷輸送材料、結着樹脂、酸化防止剤およびレベリング剤ならびにそれらの含有量等はそれぞれ独立して選択されればよい。
【0023】
第2電荷輸送層は少なくとも変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含んでなるものであり、ガラス転移温度(Tg)が55〜65℃、特に57〜64℃である。本発明においては、このように最表面層としての第2電荷輸送層に可塑剤を含有させて上記ガラス転移温度を達成することにより、耐摩耗性を確保しつつ、適度なリフレッシュ効果を享受する。すなわち、変性ポリカーボネート樹脂および含フッ素樹脂微粒子を含有させた従来の最表面層は耐摩耗性が高くなりすぎるため、感光層表面が削れるリフレッシュ効果が得られ難い。そのため、トナーに通常外添されるシリカ等の外添微粒子によって生じるキズが感光層表面上、残存しやすい。特に、深さ50〜200nm程度の微小なキズ(いわゆる高周波キズ)は画像上に生じる白スジの主要因と考えられ、特にブレードによるクリーニング時に発生するものと考えられる。本発明においては、最表面層が上記ガラス転移温度を達成することにより、耐摩耗性を確保しつつ、適度なリフレッシュ効果を享受するため、転写性や静電特性等の感光層としての本来の特性が阻害されない範囲内で、高周波キズを継続して除去できる。その結果、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能となる。
最表面層のTgが高すぎると、耐摩耗性が高くなりすぎて、適度なリフレッシュ効果を享受できないため、耐刷時に白スジノイズが発生する。一方、最表面層のTgが低すぎると、耐摩耗性が低下して、感光層の静電特性が悪化するため、耐刷時にカブリが発生する。また、感光体の保管経時において、接触部材との接触により膜が変形し、画像ノイズとなることがある。
【0024】
本明細書中、第2電荷輸送層のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(DSC6200:セイコー電子工業社製)を用いて以下の方法により測定した値を用いている。しかし、そのような装置および方法を使用しなければならないというわけではなく、当該装置および方法と同様の原理・原則を採用する装置および方法であればいかなる装置および方法を採用してもよい。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、図3に示すようなDSCカーブにおいて、吸熱ピークの接線lとベースラインmとの交点の温度である。
【0025】
本発明において可塑剤は、第2電荷輸送層に含有されることによって、感度、電位安定性などの感光体静電特性に悪影響を及ぼすことなく、第2電荷輸送層のガラス転移温度を低減し得る物質である。
【0026】
そのような可塑剤として、ビフェニル系化合物、ならびにプラスチックの分野で酸化防止剤、光安定剤または紫外線吸収剤として使用されている化合物が使用可能である。
【0027】
ビフェニル系化合物はビフェニル骨格を有する化合物であり、詳しくは一般式;
【化1】
で表される化合物またはそれらの水素化物である。
【0028】
式中、RxおよびRyはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜3のアルキル基もしくはフェニル基である。アルキル基およびフェニル基が有しても良い置換基はフェニル基、ハロゲン原子である。
好ましいRxおよびRyはそれぞれ独立して水素原子、フェニル基またはベンジル基である。
【0029】
ビフェニル系化合物の好ましい具体例として、ビフェニル、o−ターフェニル、m−ターフェニル、水素化ターフェニル、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0030】
プラスチックの分野で酸化防止剤、光安定剤または紫外線吸収剤として使用されている化合物として、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、有機硫黄系酸化防止剤、有機燐系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、有機ニッケル系紫外線吸収剤およびトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0031】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−フェニルメチル−フェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−フェニルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール、
4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、
トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4・ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2, 2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、
トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、
オクチル化ジフェニルアミン、
2,4,−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、
イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
4,4−チオビス−(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、
ペンタエリスリトールテトラキス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸ブチル化ヒドロキシアニソール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、
ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、
トコフェロール類、
等が挙げられる。
【0032】
ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2’,4’−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
等が挙げられる。
【0033】
有機硫黄系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。有機硫黄系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
ジラウリルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、
ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジトリデシルチオジプロピオネート、
ペンタエリスリトールテトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)、
等が挙げられる。
【0034】
有機燐系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)に記載されている。有機燐系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリフェニルホスフィン、
トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、
トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、
トリクレジルホスフィン、
トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、
等が挙げられる。
【0035】
ヒンダードアミン系光安定剤は例えば、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、三共株式会社のホームページにおける化成品事業の「サノールとは?」の項目(http://www.sankyotokuhin.net/kasei/menu.html)に記載されている。ヒンダードアミン系光安定剤の具体的化合物として、例えば、
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジーt−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、
等が挙げられる。
【0036】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は例えば、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導、
5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、
2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル
等が挙げられる。
【0037】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸トリヒドレート、
2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、
4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、
等が挙げられる。
【0038】
サリチレート系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。サリチレート系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
フェニルサリチレート、
4−t−ブチルフェニルサリチレート、
等が挙げられる。
【0039】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。シアノアクリレート系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2’−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
等が挙げられる。
【0040】
有機ニッケル系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。有機ニッケル系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、
2,2−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、
等が挙げられる。
【0041】
トリアジン系紫外線吸収剤は例えば、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。トリアジン系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノ−ル、
等が挙げられる。
【0042】
可塑剤としては、上記化合物の中でも、電荷輸送性の障害を少なくする観点からビフェニル系化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
【0043】
可塑剤の含有量は、第2電荷輸送層のTgが上記範囲内となるような量であり、通常、第2電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対して1〜80重量部、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜50重量部である。ここで、第2電荷輸送層の結着樹脂とは後述の変性ポリカーボネート樹脂を意味し、当該層が変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂も含む場合は「それらの混合結着樹脂」を意味する(以下、同様とする)。可塑剤は上記化合物のうち2種類以上組み合わせて使用されてよい。その場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0044】
可塑剤としては、第2電荷輸送層中の電荷輸送材料が空気中の酸素や帯電時に発生するオゾンによって酸化し、劣化するのを防止する観点から、少なくとも1種類の酸化防止剤、すなわちヒンダードフェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、有機燐系酸化防止剤、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用することが好ましい。上記観点から好ましい第2電荷輸送層における酸化防止剤の含有量は電荷輸送材料に対して0.5重量%以上、特に2重量%以上である。第2電荷輸送層における電荷輸送材料に対する酸化防止剤の含有量は第1電荷輸送層における電荷輸送材料に対する酸化防止剤の含有量と比較して同じか、もしくは多いこと、好ましくは多いことが、耐久時の感光体の残留電位上昇とカブリをより有効に防止する観点から望ましい。
【0045】
第2電荷輸送層の結着樹脂としての変性ポリカーボネート樹脂は以下の変性ポリカーボネート(I)〜(IV)である。
【0046】
変性ポリカーボネート(I)は下記一般式(I):
【化2】
(式中、R1は夫々同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基であり、
R2は夫々同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、特に水素原子であり、
X1は夫々同一であっても異なっていてもよい(CH2)kで、
kは1〜6、好ましくは2〜3の整数であり、
nは0〜200、好ましくは5〜100、
mは1〜50の範囲内とする)で表される繰返し単位を有するポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(I)は上記一般式(I)で表される繰返し単位を構成単位の一つとして含めばよい。
【0047】
変性ポリカーボネート(I)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0048】
変性ポリカーボネート(I)としては、例えば、G−300、G−400およびG−700(いずれも出光興産社製)が市販されている。
【0049】
変性ポリカーボネート(II)は下記一般式(II):
【化3】
(式中、R3は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、
pは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0であり、
X2は炭素数3〜8の1,1−シクロアルキレン基、−C(CF3)(CF3)−、または−C(R4)(R5)−(式中、R4およびR5のうち少なくとも一方は置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、他方は水素原子、または炭素数2〜6のアルキル基)、好ましくは1,1−シクロヘキシレン基、−C(CF3)(CF3)−、−CH(Ph)−(Phはフェニル基;以下、同様とする)または−C(Ph)(Ph)−、特に1,1−シクロヘキシレン基である)で表されるポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(II)は上記一般式(II)で表される繰返し単位のみからなっている。
【0050】
変性ポリカーボネート(II)の好ましい具体例としては一般式(II−1)〜(II−4);
【化4】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。特に好ましい変性ポリカーボネート(II)の具体例は上記一般式(II−1)で表される変性ポリカーボネートであり、これは一般にZ型ポリカーボネート樹脂と呼ばれているものである。
【0051】
変性ポリカーボネート(II)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0052】
変性ポリカーボネート(II)としては、例えば、TS2020、TS2050(帝人化成社製、前記一般式(II−1)で表される)、ユーピロンZ500(三菱エンジニアリングプラスチック社製、前記一般式(II−1)で表される)、ユーピロンZ800(三菱エンジニアリングプラスチック社製、前記一般式(II−1)で表される)が市販されている。
【0053】
変性ポリカーボネート(III)は下記一般式(III):
【化5】
(式中、R6は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは臭素原子、塩素原子、メチル基またはエチル基であり、
rは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数であり、
sは0〜50の整数、
tは5〜100の整数、
X3は炭素数3〜8の1,1−シクロアルキレン基、−C(CF3)(CF3)−、−O−、−SO2−、−C(R7)(R8)−(式中、R7およびR8は夫々同一であっても異なっていてもよい水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基)または炭素数4〜9の1,1−ビシクロアルキレン基、好ましくは1,1−シクロヘキシレン基、−C(CF3)(CF3)−、−C(CH3)(CH3)−、−C(CH3)(C2H5)−、−C(CH3)(C4H9)−、−CH(Ph)−、−C(Ph)(Ph)−または
【化6】
である)で表されるポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(III)は上記一般式(III)で表される繰返し単位のみからなっている。
【0054】
変性ポリカーボネート(III)の好ましい具体例としては一般式(III−1)〜(III−17);
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。
【0058】
変性ポリカーボネート(III)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0059】
変性ポリカーボネート(III)として、例えば、BPPC−200、BPPC−300、BPPC−500(出光興産社製、前記一般式(III−1)で表される)が市販されている。
【0060】
変性ポリカーボネート(IV)は下記一般式(IV):
【化11】
(式中、R9は夫々同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基、またはフェニル基であり、
R10は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、
X4およびX5は夫々同一であっても異なっていてもよい(CH2)hで、
hは1〜6、好ましくは1〜3の整数であり、
uは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0であり、
vは1〜150の整数、好ましくは10〜50の整数)で表される繰返し単位を有するポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(IV)は上記一般式(IV)で表される繰返し単位を構成単位の一つとして含めばよい。
【0061】
変性ポリカーボネート(IV)の好ましい具体例としては一般式(IV−1)〜(IV−5);
【化12】
【0062】
【化13】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。
【0063】
変性ポリカーボネート(IV)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0064】
第2電荷輸送層には、本発明の目的が達成される限り、結着樹脂として前記変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を含有させてもよい。そのような樹脂として、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が挙げられる。変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂の含有量は変性ポリカーボネート樹脂の50重量%以下とする。当該含有量が50重量%を超えると、含フッ素樹脂微粒子の分散性向上効果が十分ではない。
【0065】
第2電荷輸送層に含フッ素樹脂微粒子を含有させることによって耐摩耗性と、感光体表面から記録シートヘの転写性(離型性)を良好にすることができる。含フッ素樹脂微粒子は含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体からなる粒子、または含フッ素重合性モノマーとフッ素フリー重合性モノマーとの共重合体からなる粒子である。含フッ素重合性モノマーは一般式;
【化14】
(式中、R11〜R14のうち少なくとも1の基はフッ素原子であり、残りの基はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基である)で表されるモノマーである。好ましい含フッ素重合性モノマーとして、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチレン等が挙げられる。含フッ素重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0066】
フッ素フリー重合性モノマーとして、例えば、塩化ビニル等が挙げられる。フッ素フリー重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0067】
耐摩耗性と離型性のさらなる向上の観点から好ましい含フッ素樹脂微粒子の具体例として、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)が挙げられる。
【0068】
含フッ素樹脂微粒子を構成する樹脂の平均分子量は平均分子量が10万から100万の範囲であれば、特に限定されるものでない。
含フッ素樹脂微粒子の平均粒径は、表面層の透明性確保の観点から、0.4μm以下、好ましくは0.01μm以上0.4μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.3μm以下が好適である。
【0069】
第2電荷輸送層における含フッ素樹脂微粒子の含有量は第2電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜30重量部である。1重量部より少ない場合には含フッ素樹脂微粒子の分散性が不均一となり、離型性の持続効果がえられ難く、さらに画像ノイズ(中抜けや黒斑点ノイズ)が発生し易い。また、40重量部を超えると、感光体の感度が劣化する。
【0070】
第2電荷輸送層の電荷輸送材料は第1電荷輸送層の説明で例示した電荷輸送材料の具体例と同様のものが使用可能である。第2電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量は、長期使用時における感光体の残留電位の上昇をより有効に抑える観点から、第1電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量と比較して同量か、もしくは多いこと、好ましくは多いことが望ましい。詳しくは、第2電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量は、第1電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量に対して100〜150重量%の範囲が望ましい。第2電荷輸送層において2種類以上の電荷輸送材料を使用してもよく、その場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0071】
第2電荷輸送層はさらにレベリング剤等の添加剤を含むことが好ましい。第2電荷輸送層のレベリング剤は第1電荷輸送層の説明で例示した具体例と同様のものが使用可能である。
【0072】
また、第2電荷輸送層には含フッ素樹脂微粒子の分散性をさらに向上させる観点から、特公平5−4667号公報に記載のシリコーン系グラフトポリマーや特開平8−62869号公報に記載のフッ素系グラフトポリマーを含有させることができる。
【0073】
第2電荷輸送層にはさらに、クロラニエル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレン、5,6−ジシアノベンゾキノン、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性物質、およびシアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ローダミン−B等の増感剤を含有させてもよい。
【0074】
第2電荷輸送層は通常、変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、可塑剤および電荷輸送材料を、所望の添加剤(レベリング剤等)とともに溶媒に溶解乃至分散させて塗液を調製し、当該塗液を第1電荷輸送層上に、第1電荷輸送層で採用可能な方法で塗布し乾燥させて形成される。塗布溶媒としては変性ポリカーボネート樹脂を溶解可能な限り特に制限されないが、環境対応の観点から、脱ハロゲン溶剤が望まれ、好ましくはトルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノンおよびこれらの混合溶媒等が使用できる。そのうち、含フッ素樹脂微粒子の分散性の観点から、テトラビドロフランを主体としたものが望ましく、混合塗布溶媒中のテトラビドロフランの含有量は50〜95wt%、好ましくは60〜90wt%である。乾燥温度および乾燥時間はそれぞれ、感光体の特性劣化防止の観点から、通常、150℃以下、特に90〜140℃の範囲で設定されることが好ましい。
【0075】
第2電荷輸送層の厚さは1〜15μm、好ましくは2〜12μmであり、第1電荷輸送層と第2電荷輸送層を合わせた厚さは10〜35μm、好ましくは12〜30μmであることが望ましい。
【0076】
以上のような本発明の感光体は、感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段(特にブレードであるもの)を有する画像形成装置に好適に搭載される。
【0077】
本発明の感光体が好適に搭載され得る画像形成装置について図1および図2を用いて説明する。
図1は、4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例であり、概略、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム10と、露光手段(レーザ走査光学系)20と、現像手段(フルカラー現像装置)30と、矢印b方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト40と、給紙部60とで構成されている。感光体ドラム10の周囲には、さらに、感光体ドラム10の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段(帯電ブラシ)11、および感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーナーブレード12aを備えたクリーニング手段(クリーナー)12が設置されている。
なお、感光体ドラム10、帯電ブラシ11およびクリーナー12は一体となっており、フルカラー画像形成装置本体に対して脱着可能なユニットを構成している。
【0078】
レーザ走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のもので、その制御部にはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)ごとの印字データがホストコンピュータから転送される。レーザ走査光学系20は各色ごとの印字データを順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光する。これにより、感光体ドラム10上に各色ごとの静電潜像が順次形成される。
【0079】
フルカラー現像装置30はC、M、Y、Bkの非磁性トナーからなる一成分現像剤を収容した4つの色別現像器31C、31M、31Y、31Bkを一体化したもので、支軸81を支点として時計回り方向に回転可能である。各現像器は現像スリーブ(現像剤担持体)32、トナー規制ブレード(現像剤規制部材)34を備えている。現像スリーブ32の回転により搬送されるトナーは、ブレード34と現像スリーブ32との圧接部(規制部)を通過することにより帯電される。
【0080】
中間転写ベルト40は支持ローラ41、42およびテンションローラ43、44に無端状に張り渡され感光体ドラム10と同期して矢印b方向に回転駆動される。中間転写ベルト40の側部には図示しない突起が設けられ、この突起をマイクロスイッチ45が検出することにより、露光、現像、転写等の作像処理が制御される。中間転写ベルト40は回転自在な1次転写ローラ46に押圧されて感光体ドラム10に接触している。この接触部が1次転写部T1である。また、中間転写ベルト40は支持ローラ42に支持された部分で回転自在な2次転写ローラ47が接触している。この接触部が2次転写部T2である。
【0081】
さらに、前記現像装置30と中間転写ベルト40の間のスペースにはクリーナー50が設置されている。クリーナー50は中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するためのブレード51を有している。このブレード51及び前記2次転写ローラ47は中間転写ベルト40に対して接離可能である。
【0082】
給紙部60は、画像形成装置本体1の正面側に開放可能な給紙トレイ61と、給紙ローラ62と、タイミングローラ63とから構成されている。記録シートSは給紙トレイ61上に積載され、給紙ローラ62の回転によって1枚ずつ図中右方へ給紙され、タイミングローラ63で中間転写ベルト40上に形成された画像と同期をとって2次転写部へ送り出される。記録シートの水平搬送路65は前記給紙部を含んでエアーサクションベルト66等で構成され、定着器70からは搬送ローラ72、73、74を備えた垂直搬送路71が設けられている。記録シートSはこの垂直搬送路71から画像形成装置本体1の上面へ排出される。
【0083】
ここで、上記フルカラープリンタのプリント動作について説明する。プリント動作が開始されると、感光体ドラム10および中間転写ベルト40が同じ周速度で回転駆動され、感光体ドラム10は帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電される。続いてレーザ走査光学系20によってシアン画像の露光が行われ、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像が形成される。この静電潜像は直ちに現像器31Cで現像されると共に、トナー画像は1次転写部で中間転写ベルト40上に転写される。1次転写終了直後に現像器31Mが現像部Dへ切り換えられ、続いてマゼンタ画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Yへの切換え、イエロー画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Bkへの切換え、ブラック画像の露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ごとに中間転写ベルト40上にはトナー画像が重ねられていく。最終の1次転写が終了すると、記録シートSが2次転写部へ送り込まれ、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラートナー画像が記録シートS上に転写される。この2次転写が終了すると、記録シートSはベルト型接触加熱定着器70へ搬送され、フルカラートナー画像が記録シートS上に定着されてプリンタ本体1の上面に排出される。
【0084】
図2は、タンデムカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例を示す。本画像形成装置において、図示しない露光手段(レーザ走査光学系)、定着器および給排紙部については上記4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置と同様であるが、画像形成部がタンデムプロセス式であることが異なっている。図2は、詳しくは、タンデムプロセス式の画像形成部の概略構成を示す断面図である。ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する各色の画像形成ユニット100が、大きな矢印で示す方向に循環する中間転写ベルト40上に、上流からBK→Y→M→Cの順に配置されている。
【0085】
画像形成ユニット100は感光体10、感光体10に帯電を行う帯電手段11、露光によって形成された静電潜像にトナーで現像を行う現像手段30、感光体10上に残留したトナーを回収するクリーニング手段12で構成されている。なお、この画像形成ユニット100は画像形成装置本体に対して脱着可能なユニットになっている。
【0086】
画像形成ユニット100において、感光体10上に現像された画像は中間転写ベルト40との接触位置で、いわゆる1次転写手段46で中間転写ベルト40上に転写される。 1次転写後、感光体10に残留したトナーは下流に配置されたクリーニング手段12のクリーニングブレード12aによって除去され、クリーニングブレード12aの下側に設けられた廃トナー容器12bに重力で落下し回収される。
【0087】
中間転写ベルト40上に転写された画像は各画像形成ユニット100のそれぞれを通過するごとに各色がその上に重ねられて最終的にフルカラー画像が中間転写ベルト40上に形成される。その後、更に下流において、いわゆる2次転写手段47によって紙などの記録シートSに一括して転写され、記録シートSは図示しない定着部を通過することによってトナーが定着されて排紙される。
【0088】
2次転写後に中間転写ベルト40上に残留したトナーはクリーニングブレード51によって中間転写ベルト40上から除去され、図示しない搬送スクリューで搬送され、やはり図示しない廃トナー容器に回収される。
なお、中間転写ベルト40は、図示された形式のものに限るものではなく、用紙を搬送する転写搬送ベルトでも、あるいは、このようなベルト状ではなく、各画像形成ユニット100がその周囲を取り囲むように配置されたドラム状のものなどのドラム形式のものでもよい。
【0089】
上記のような画像形成装置に好適に搭載される本発明のトナーは少なくとも研磨粒子、好ましくは研磨粒子と脂肪酸金属塩がトナー粒子に外添されてなるものである。研磨粒子を使用することによって感光層が適度に研磨されるため、感光層の耐摩耗性を確保しつつ、感光層表面上の高周波キズを有効に継続して除去できる。脂肪酸金属塩を使用することによって、たとえ高周波キズが形成されても、脂肪酸金属塩が高周波キズに充填・補修するため、当該キズによる画像ノイズ(白スジ)の発生をより有効に防止できる。
【0090】
研磨粒子としては平均一次粒径が100〜800nm、好ましくは150〜750nmのチタン酸ストロンチウム微粒子を用いる。当該微粒子を含有させることにより、感光体表面上の高周波キズが当該微粒子による研磨作用により除去されるため(リフレッシュ効果)、従来から問題となっていた高周波キズによるノイズ(白スジ)が回避され、良好な複写画像を提供することができる。また、感光体の適度な研磨により、クリーニング向上剤としての効果も期待できる。さらに、当該微粒子は弱い正帯電性であるため、負帯電性のトナー粒子への付着が効果的に行われ、特にトナー帯電安定性に対して大きな効果を有する。また、チタン酸ストロンチウム微粒子は比較的大粒径であることから、トナー粒子同士の接触確率が低減され、現像時の現像剤規制部材による規制や現像器内での撹拌等の外的ストレスが拡散されるため、トナー粒子表面は直接的に外的ストレスの影響を受けにくくなる。さらに、チタン酸ストロンチウム微粒子は、後述の小粒径無機微粒子の埋め込み緩和機能を高める機能を有する。
【0091】
チタン酸ストロンチウム微粒子は、凝集性および分散性の観点から後述の小粒径無機微粒子と同様に疎水化剤により表面処理してもよい。
チタン酸ストロンチウム微粒子の含有量については、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.4〜2.0重量%、含有されることが望ましい。
【0092】
脂肪酸金属塩は体積平均粒径が1500〜12000nm、好ましくは2000〜10000nmである。当該成分を上記研磨粒子と組み合わせて用いることにより、研磨粒子を単独で用いた場合に問題となり易い感光体表面の削りすぎを抑制し、適度な感光体研磨を可能にする。
【0093】
脂肪酸金属塩は上記のような粒径を有していれば特に制限されない。例えば、一般式;CnH2n+1COOH(式中、nは12〜18を示す)で表される脂肪酸と金属との塩が挙げられる。金属としては上記脂肪酸と塩を形成できる金属であれば特に制限されず、例えば、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、リチウム等が挙げられる。
【0094】
脂肪酸金属塩は耐熱性および潤滑性の観点から、融点が100〜150℃程度のものが良く、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム等を用いることが好ましい。
脂肪酸金属塩の含有量はトナー粒子に対して0.005〜0.25重量%、好ましくは0.005〜0.2重量%、より好ましくは0.005〜0.1重量%である。
【0095】
トナー粒子に対しては通常、上記研磨粒子および脂肪酸金属塩以外に、比較的小粒径の無機微粒子が外添される。
そのような無機微粒子は平均一次粒径1〜70nm、好ましくは5〜60nmの無機微粒子である。当該微粒子を含有させてトナー粒子を均一に被覆することにより均一な所望のトナー流動性を得ることができる。
【0096】
小粒径無機微粒子に使用される材料としては、従来から流動化剤として用いられている様々な材料を使用することができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア(二酸化チタン)、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。好ましい小粒径無機微粒子はシリカ、チタニアである。
また、小粒径無機微粒子は、トナー粒子に対して0.1〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%含有されることが望ましい。
【0097】
小粒径無機微粒子は疎水化剤で表面処理されていることが好ましい。これは、トナーの環境安定性、特に湿度の影響によるトナー荷電量の変化を抑制するためである。疎水化度は30〜80%、好ましくは40〜80%であることが望ましい。
疎水化剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス等の従来から使用されている疎水化剤が使用可能であり、好ましくはシラン系カップリング剤、シリコン系オイル、より好ましくはシラン系カップリング剤を用いる。シラン系カップリング剤としては、例えばトリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能である。
シリコンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。疎水化剤は上記疎水化度を達成できる程度の使用量で使用して、従来の方法により処理すればよい。
【0098】
無機微粒子はさらにフッ素系シランカップリング剤またはフッ素系シリコンオイルを併用し、表面処理されていてもよい。これは、トナーが負荷電性である場合、トナーの負荷電性を向上させ、画像カブリを防止するのに有効であるためである。通常、トナーの荷電性の制御にはトナー粒子中に荷電制御剤を含有させることにより行われているが、本発明のトナーを一成分現像剤として使用する場合においては、現像剤担持体と現像剤規制部材との圧接部の間隙をトナーが通過する際の摩擦帯電によりトナーの荷電が行われるため、トナーの荷電性はトナー粒子表面の荷電性が重要になる。このため荷電性の制御を行う場合に、荷電制御剤の含有量を調整するよりもトナーの外添剤の荷電性を調整するほうがより効果的である。
【0099】
フッ素系シランカップリング剤としては、例えば以下に示すものを単独でまたは混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。・CF3(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)5SiCl3・CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)Cl2・CF3(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2・CF3(CF2)3(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)6CONH(CH2)2Si(OC2H5)3・CF3(CF2)6COO(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2・CF3(CF2)7NH(CH2)3Si(OC2H5)3・CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3
フッ素系シランカップリング剤は無機微粒子100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部用いることが好ましい。
【0100】
上記表面処理剤(フッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイル、疎水化剤)を用いて無機微粒子を表面処理するには、例えば表面処理剤を溶剤で希釈し、無機微粒子に上記希釈液を加えて混合し、この混合物を加熱・乾燥した後、解砕する乾式法、無機微粒子を水系中に分散してスラリー状にした上で表面処理剤を添加混合し、これを加熱・乾燥した後、解砕する湿式法等により行うことができる。特に、無機微粒子に対する疎水化剤の表面処理の均一性、無機微粒子の凝集防止性等の観点から水系中で疎水化処理を行った後、乾式法によってフッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイルで表面処理することが好ましい。
【0101】
本発明のトナーを構成するトナー粒子は少なくとも結着樹脂および着色剤からなり、必要に応じて離型剤、荷電制御剤等を含有する。
結着樹脂としては電子写真の分野で公知のいかなる樹脂も使用でき、例えば、スチレン系の樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられる。
【0102】
着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル等が挙げられる。フルカラートナー用着色剤について、マゼンタトナー用着色剤としては、例えばC.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184などを用いることができる。イエロートナー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ソルベント・イエロー162などを用いることができる。シアントナー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を用いることができる。
また、本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合は、上記着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えればよい。このような磁性体としてはマグネタイト、フェライト、鉄粉、ニッケル等が挙げられる。
【0103】
本発明のトナーには耐オフセット性等の特性を向上させるために離型剤を含有させてもよい。このような離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げることができる。このようにトナーにワックスを含有させる場合は、その含有量を結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。
【0104】
なお、耐オフセット性向上の観点からはポリプロピレンワックスを含有させることが好ましく、またスミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象)を向上させる観点からはポリエチレンワックスを含有させることが好ましい。上述した観点から特に好ましいポリプロピレンワックスは160℃における溶融粘度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃および酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレンワックスであり、また特に好ましいポリエチレンワックスは、160℃における溶融粘度が1000〜8000cpsおよび軟化点が130〜150℃であるポリエチレンワックスである。即ち、上記溶融粘度、軟化点および酸価を有するポリプロピレンワックスは上記結着樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成することができる。また、上記溶融粘度および軟化点を有するポリエチレンワックスも上記結着樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成することができる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度計により測定した。
【0105】
荷電制御剤としては正帯電トナー用荷電制御剤としては、例えば、アジン化合物ニグロシンベースEX、ボントロンN−01、02、04、05、07、09、10、13(オリエント化学工業社製)、オイルブラック(中央合成化学社製)、第4級アンモニウム塩P−51、ポリアミン化合物P−52、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベントブラック3:C.I.No.26150)、フェットシュバルツHBN(C.I.No.26150)、ブリリアントスピリッツシュバルツTN(ファルベンファブリケン・バイヤ社製)、さらに、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、イミダゾール系化合物等が使用できる。
また、負帯電トナー用荷電制御剤としては、例えば、クロム錯塩型アゾ染料S−32、33、34、35、37、38、40(オリエント化学工業社製)、アイゼンスピロンブラックTRH、BHH(保土谷化学社製)、カヤセットブラックT−22、004(日本化薬社製)、銅フタロシアニン系染料S−39(オリエント化学工業社製)、サリチル酸のクロム錯塩E−81、82(オリエント化学工業社製)、亜鉛錯塩E−84(オリエント化学工業社製)、アルミニウム錯塩E−86(オリエント化学工業社製)、さらに、カリックスアレン系化合物等が使用できる。更にフルカラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。
【0106】
トナー粒子の製法としては、公知の製法を用いることができ、例えば、乾式での粉砕法、湿式での乳化重合、懸濁重合、乳化造粒法などが挙げられる。一般的に粉砕法の場合は不定形粒子、湿式法の場合は球形粒子を得ることができ、画像形成プロセスに適したトナー製法を用いれば良い。トナー粒子の粒径は画質の観点から小粒径のものが好ましく、体積平均粒径3μmから10μm程度のものを好適に用いることができる。特に本発明においては、体積平均粒径4〜8μmのトナー粒子を用いることが好ましい。
【0107】
上記トナー粒子に前記の研磨粒子、脂肪酸金属塩および小粒径無機微粒子等の外添剤を外添するに際しては、これらのトナー構成成分を均一に混合できれば、公知の外添方法を用いることが可能である。例えば、トナー粒子に外添剤を一括して添加し、ヘンシェルミキサーなどを用いて混合すればよい。
【0108】
本発明のトナーは、キャリアを使用しない1成分現像剤、キャリアとともに使用する2成分現像剤いずれにおいても使用可能である。また、本発明のトナーは磁性あるいは非磁性いずれのトナーであってよい。
【0109】
本発明のトナーとともに使用されるキャリアとしては、公知のキャリアを使用することができ、例えば、鉄粉、フェライト等の磁性粒子よりなるキャリア、磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコート型キャリア、あるいはバインダー樹脂中に磁性粒子を分散してなるバインダー型キャリア等いずれも使用可能である。このようなキャリアとしては体積平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmのものが好適である。
【0110】
【実施例】
(実施例1)
外径24mm、長さ380mmの円筒状(JIS5657)になったアルミニウム管を1wt%水酸化ナトリウム水溶液中で、30℃5分間エッチング処理し、水洗後、25℃の7%硫酸中に1分間浸漬した。水洗後、150g/lの硫酸電解液中で、1A/dm2の電流密度で、陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。さらに、水洗後、酢酸ニッケルの10g/lの水溶液にて80℃30分間浸漬した後、引き上げ、純水にて洗浄し、表面にアルマイト層を有するアルマイト管を得、これを導電性支持体とした。
【0111】
次に、テトラヒドロフラン100重量部に対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレックBX−1)を1重量部、Y型チタニルフタロシアニン(SYNTHON社製)を1重量部加え、これらをサンドミルで5時間分散させて電荷発生層用塗液を調製し、この電荷発生層用塗液を上記の支持体上に浸漬塗布して膜厚が0.2μmになった電荷発生層を形成した。
【0112】
テトラヒドロフラン(THF)100重量部に対して、スチレン−アクリレート樹脂(新日鉄化学社製:MS200)を10重量部、下記一般式(i);
【化15】
で表される電荷輸送材料を8重量部、下記一般式(ii);
【化16】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBHT)を0.4重量部、レベリング剤(信越化学工業社製:KF50)を0.001重量部の割合で溶解させて第1電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60℃で20分間乾燥させて膜厚が20μmになった第1電荷輸送層を形成した。
【0113】
さらに、THFとシクロヘキサノンとの混合溶媒(THF/シクロヘキサノン=90/10wt/wt)150重量部に対して、Z型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ500)を10重量部、前記一般式(i)で表される電荷輸送材料を10重量部、前記一般式(ii)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBHT)0.4重量部と下記一般式;
【化17】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBB)2重量部、レベリング剤(信越化学工業社製:KF50)を0.001重量部の割合で溶解させた後、フッ素微粒子分散液(喜多村社製:KD600AS)25重量部を加え、超音波で30分分散させて、第2電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を第1電荷輸送層上に2槽型リング塗布方法で塗布し、これを120℃で70分間乾燥させて膜厚が6μmになった第2電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0114】
(実施例2)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化18】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス930)2重量部に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0115】
(実施例3)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化19】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスSR)に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0116】
(実施例4)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化20】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(長瀬産業社製;IRGANOX565)に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0117】
(実施例5)
外径30mm長さ285mmの円筒状アルミニウム管(JIS5657)に下記の下引き層を形成し、導電性支持体を得た。酸化チタン(テイカ社製:SMT−100AS)3.5重量部と共重合ナイロン(CM8000)1重量部とをメチルアルコール80重量部とイソプロピルアルコール20重量部との混合溶剤に分散した溶液を塗布、乾燥して、膜厚1μmの下引層を得た。
上記導電性支持体を使用したこと、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層の電荷輸送材料を下記一般式(iii);
【化21】
で表される電荷輸送材料に代えたこと、第1電荷輸送層のスチレン−アクリレート樹脂をZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ300)に代えたこと、および第2電荷輸送層においてZ型ポリカーボネート樹脂を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC300)に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を下記一般式;
【化22】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス2246G)に、フッ素樹脂微粒子をTF9207(3M社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0118】
(実施例6)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)を下記一般式;
【化23】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス425)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0119】
(実施例7)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)を下記一般式;
【化24】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0120】
(実施例8)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)をm−ターフェニル(新日鉄化学社製)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0121】
(実施例9)
第1電荷輸送層のZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ300)をA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンC1400)に、第2電荷輸送層の変性ポリカーボネート樹脂を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:G700)に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)をp−ベンジルビフェニル(新日鉄化学社製)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0122】
(実施例10)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化25】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0123】
(実施例11)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化26】
で表されるヒンダードアミン系光安定剤(三協化学社製;サノールLS2626)に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0124】
(実施例12)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化27】
で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製;SEESORB706)に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0125】
(実施例13)
実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。なお、評価では現像剤として、脂肪酸金属塩を加えない以外は後述の現像剤Aの製法と同様の方法によって製造した現像剤を用いた。
【0126】
(実施例14)
実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。なお、評価では現像剤として、脂肪酸金属塩を加えない以外は後述の現像剤Bの製法と同様の方法によって製造した現像剤を用いた。
【0127】
(比較例1)
第2電荷輸送層を設けない以外は実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0128】
(比較例2)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を加えない以外は実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0129】
(比較例3)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)の添加量を10重量部とする以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0130】
(比較例4)
第2電荷輸送層において変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC300)を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC1200)に代える以外は、実施例 5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0131】
<評価>
実施例1〜4および13、および比較例1〜2で得られた感光体を、市販のタンデムカラープリンター(Offirio LP9500CZ:エプソン社製)に搭載し、現像剤Aを用いて評価をした。なお、実施例13の感光体の評価では、上述のように、脂肪酸金属塩フリーの現像剤を使用した。
実施例5〜12および14、および比較例3〜4で得られた感光体を、市販のカラープリンター(magicolor 2300DL:ミノルタ社製)に搭載し、現像剤Bを用いて評価をした。なお、実施例14の感光体の評価では、上述のように、脂肪酸金属塩フリーの現像剤を使用した。
【0132】
(摩耗量)
摩耗量は、N/N(23℃/50%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後について、上中下の3点の平均として求めた。
(感度)
感度は、N/N(23℃/50%)環境下、初期帯電電位を−600(V)とし、レーザー(波長780nm)光にて−300(V)にさげるのに必要な光量を測定し、感度とした。
【0133】
(カブリ)
画像ノイズのカブリについては、L/L(10℃/15%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後の画像を10倍のルーペを用いて観察し評価した。
○;カブリがなかった;
×;カブリがあった。
【0134】
(白スジ)
画像ノイズの白スジについては、L/L(10℃/15%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後でハーフ画像を画出しし、白スジの有無を評価した。
○;白スジがなかった;
△;白スジがわずかに見られるが、実用上問題なかった;
×;白スジがあった。
【0135】
(中抜け)
画像ノイズの中抜けについては、N/N(23℃/50%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後の画像を10倍のルーペを用いて観察し評価した。下記の割合は不良数の全評価数に対する割合である。
○;1%未満;
△;1%以上20%未満;
×;20%以上40%未満;
××;40%以上。
【0136】
(第2電荷輸送層のガラス転移温度)
第2電荷輸送層のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(DSC6200:セイコー電子工業社製)を用いて前記した方法により測定した。なお、比較例1の感光体においては第1電荷輸送層のガラス転移温度を測定した。
【0137】
【表1】
【0138】
(粘度平均分子量)
オストワルド粘度計を用いて溶質濃度0.7g/100mlのジクロルメタン溶液を温度20℃で測定して得られた極限粘度の実測値から算出した。
【0139】
<現像剤Aの製法>
(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にアニオン系界面活性剤 C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na 7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。
【0140】
(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、t−ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質としてWEP−5(日本油脂)98.0gを添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。一方、アニオン系界面活性剤(上記式)1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を82℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックスを固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示WEP−5の単量体溶液を0.5時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の樹脂微粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス1」とする。
【0141】
(第三段重合)
上記の様にして得られたラテックス1に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層にWEP−5をが含有されている樹脂微粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス2」とする。このラテックス2を構成する樹脂微粒子は、20,000、80,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂微粒子の重量平均粒径は130nmであった。
【0142】
ラテックス2を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液1166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、凝集粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて凝集粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が6.1μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、粒径6.1μmのトナー粒子Aを得た。
トナー粒子A100重量部に対して、HMDS(ヘキサメチルジラザン)にて疎水化処理した30nmのシリカ粒子0.2重量部、粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子1.5重量部および粒径5000nmのステアリン酸カルシウム0.01重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理して、現像剤Aを得た。
【0143】
<現像剤Bの製法>
スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、カーボンブラック=10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、これに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応装置中において、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥して粒径6.1μmのトナー粒子Bを得た。
トナー粒子B100重量部に対して、HMDS(ヘキサメチルジラザン)にて疎水化処理した15nmのシリカ粒子0.7重量部、粒径700nmのチタン酸ストロンチウム粒子2重量部および粒径5000nmのステアリン酸亜鉛0.01重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理して現像剤Bを得た。
【0144】
【発明の効果】
本発明の感光体は、優れた耐摩耗性および感度を有し、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】タンデムカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図3】ガラス転移温度測定の概略説明図である。
【符号の説明】
10:感光体、11:帯電手段、12:クリーニング手段、20:露光手段、30:フルカラー現像装置、32:現像剤担持体(スリーブ)、33:支軸、34:現像剤規制部材(ブレード)、40:中間転写ベルト、41:支持ローラ、42:支持ローラ、43:テンションローラ、44:テンションローラ、46:1次転写ローラ、47:2次転写ローラ、60:給紙部、61:給紙トレイ、62:給紙ローラ、63:タイミングローラ、66:エアーサクションベルト、70:定着器、71:垂直搬送路。
【発明の属する技術分野】
本発明は有機感光体、特に電子写真用有機感光体に関する。
【0002】
【従来技術】
画像形成装置は一般に、感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有している。クリーニング手段としてはクリーニングブレードが用いられ、該ブレードを感光体表面に圧接配置することにより、感光体上の残留トナーを掻き落とすようになっている。このように感光体にはクリーニングブレード等によって常時、外力が印加されるため、優れた耐摩耗性が要求される。耐摩耗性が悪いと、繰り返しの使用によって感光体表面(感光層)が摩耗し、中抜けやカブリ等が画像ノイズとなって現れる。中抜けとは感光体表面から記録シートヘの転写性(離型性)の悪化によってトナー像が転写されるべき領域に転写されない現象である。カブリとは感光層の摩耗または耐久劣化によって感光体の静電特性が悪化し、感光体上、トナーが付着されるべきでないところにトナーが付着し、画像上に点状のノイズが発生する現象である。
【0003】
感光層表面の耐摩耗性を確保するために、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層(表面層)を順次積層してなる構成の電子写真感光体において、表面層に潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)微粒子等の含フッ素樹脂微粒子を分散含有させることが知られている。しかしながら、含フッ素樹脂微粒子は分散性が悪いため、感光層表面の機能性を満足させるために多量の含フッ素樹脂微粒子を分散させると、凝集が生じ、電荷輸送層中において含フッ素樹脂微粒子の分散むらが生じ、感光体の感度が低下したり黒ポチの画像ノイズが発生する。
【0004】
そこで、シロキサン変性ポリカーボネート等の変性ポリカーボネートを表面層の結着樹脂として使用すると、含フッ素樹脂微粒子の層中での分散均一性はある程度向上するが、繰り返しの使用によって画像上、特に中間濃度のハーフ画像上、濃淡差に基づく白スジが画像ノイズとなって現れる問題が生じた。感光体を繰り返し使用すると、トナーに通常外添されるシリカ等の外添微粒子が感光体クリーニング時にブレードによって感光体表面に押し付けられて当該表面にキズが生じる。そのようなキズは、感光層の耐摩耗性が低いと、摩耗によって除去されるが、感光層の耐摩耗性が比較的高いと、残存し続けるため、当該キズに外添剤等が挟まって白スジが発生すると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐摩耗性および感度を有し、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能な電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体であって、第1電荷輸送層が結着樹脂および電荷輸送材料を含有してなり、第2電荷輸送層が変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含有してなり、第2電荷輸送層のガラス転移温度が55〜65℃であることを特徴とする有機感光体に関する。
【0007】
本発明はまた、上記感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有してなる画像形成装置であって、トナーが少なくとも脂肪酸金属塩および研磨粒子を含有し、クリーニング手段がブレードであることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0008】
本発明はまた、上記画像形成装置の一部を構成し、装置本体から脱着可能な画像形成ユニットであって、感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1の手段とを具備してなる画像形成ユニットに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の有機感光体は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層が順次積層されてなり、第2電荷輸送層が最表面層であるものである。
【0010】
本発明において導電性支持体としては、体積抵抗1×1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、銅、銀、金、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチックまたは紙などに被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをD.I.、I.I.、押し出し、引き抜き等の工法で素管化したのち切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管などを使用することができる。
【0011】
導電性支持体には電荷発生層の形成に先だって下引層が形成されていてもよい。下引層は一般に樹脂を主成分とするが、当該層を構成する樹脂は、その上に感光層を溶剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。そのような樹脂としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、ポリブチルブチラール、ポリアクリレートなどの水可溶性またはアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の硬化型樹脂などが挙げられる。また、下引層には、残留電位をより有効に低減し、モアレを防止する観点から、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末が添加されていてもよい。このような下引層は適当な溶媒および公知の塗布法を用いて形成することができる。この他に、下引層としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸着膜等が使用可能である。下引層の膜厚は10μm以下、特に1μm以下であることが望ましい。
【0012】
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であり、電荷発生物質としては、有機系の電荷発生物質あるいは無機系の電荷発生物質のいずれも用いることができるが、好ましくは有機系の電荷発生物質を用いる。有機系の電荷発生物質としては、公知の電荷発生物質を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリツク酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。好ましくはフタロシアニン系顔料、より好ましくは金属フタロシアニン、特にチタニルフタロシアニンを用いる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂を用いることができ、このとき電荷発生層は結着樹脂中に上記の有機系電荷発生物質あるいは無機系電荷発生物質が分散または溶解されてなっている。このときの電荷発生層における電荷発生物質の含有量は電荷発生層の結着樹脂100重量部に対して50〜300重量部が好適である。電荷発生層に含まれる結着樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。好ましくはポリビニルブチラールを用いる。これらは単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0014】
電荷発生層を形成する方法としては、大別すると、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが挙げられる。真空薄膜作製法としては、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが挙げられ、上述した有機系あるいは無機系の電荷発生物質を用いて電荷発生層を良好に形成することができる。また、キャスティング法によって電荷発生層を形成するには、上述した有機系あるいは無機系の電荷発生物質を、必要により結着樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散させて電荷発生層用塗液を調製し、当該塗液を導電性支持体または下引層上に塗布し乾燥させればよい。塗布方法としては特に制限されず、公知の塗布法、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、リング塗布法、スピンナー塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法、ビード塗布法等を採用することができる。このようにして形成される電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0015】
第1電荷輸送層は結着樹脂および電荷輸送材料を含んでなり、好ましくはさらに酸化防止剤、レベリング剤等の添加剤を含む。
【0016】
第1電荷輸送層の結着樹脂としては、第1電荷輸送層がその上に第2電荷輸送層を形成され、耐摩耗性や機械的強度を有する必要性が比較的低いため、特に制限されない。例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このように当該結着樹脂は比較的広範囲の樹脂の中から選択できるため、安価な樹脂を用いることによって製造コストを低減できる。安価な樹脂として好ましくは、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂等を用いる。
【0017】
第1電荷輸送層の電荷輸送材料としては、正孔を移動させ得る物質であれば特に制限されず、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導休、インデン誘導体、ブタジエン誘導体などが挙げられる。第1電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対する電荷輸送材料の含有量は特に制限されないが、通常、2〜200重量部、好ましくは3〜120重量部である。第1電荷輸送層において2種類以上の電荷輸送材料を使用してもよく、その場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0018】
第1電荷輸送層の酸化防止剤としては、従来から有機感光体の感光層に含有される種々の酸化防止剤が使用可能である。例えば、第2電荷輸送層の説明において可塑剤として例示するヒンダードフェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤および有機燐系酸化防止剤、ならびにハイドロキノン系酸化防止剤等が挙げられる。
ハイドロキノン系酸化防止剤の具体例として、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
【0019】
第1電荷輸送層において酸化防止剤の含有量は、長期使用による残留電位の上昇抑制と感度向上の観点から、電荷輸送材料の含有量に対して0.1〜25重量%、特に0.8〜15重量%であることが好ましい。なお、酸化防止剤は、前記した電荷発生層、下引層等に添加されてもよい。
【0020】
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類等が挙げられる。
【0021】
第1電荷輸送層は通常、結着樹脂および電荷輸送材料を、所望の添加剤(酸化防止剤等)とともに溶媒に溶解乃至分散させて塗液を調製し、当該塗液を電荷発生層または下引層上に塗布し乾燥させて形成される。塗布方法としては特に制限されず、電荷発生層の形成時に採用可能な方法として例示した方法と同様の方法が採用可能である。
【0022】
本発明は第1電荷輸送層が幾つかの層からなる多層式であることを妨げるものではない。このとき第1電荷輸送層としての各層の電荷輸送材料、結着樹脂、酸化防止剤およびレベリング剤ならびにそれらの含有量等はそれぞれ独立して選択されればよい。
【0023】
第2電荷輸送層は少なくとも変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含んでなるものであり、ガラス転移温度(Tg)が55〜65℃、特に57〜64℃である。本発明においては、このように最表面層としての第2電荷輸送層に可塑剤を含有させて上記ガラス転移温度を達成することにより、耐摩耗性を確保しつつ、適度なリフレッシュ効果を享受する。すなわち、変性ポリカーボネート樹脂および含フッ素樹脂微粒子を含有させた従来の最表面層は耐摩耗性が高くなりすぎるため、感光層表面が削れるリフレッシュ効果が得られ難い。そのため、トナーに通常外添されるシリカ等の外添微粒子によって生じるキズが感光層表面上、残存しやすい。特に、深さ50〜200nm程度の微小なキズ(いわゆる高周波キズ)は画像上に生じる白スジの主要因と考えられ、特にブレードによるクリーニング時に発生するものと考えられる。本発明においては、最表面層が上記ガラス転移温度を達成することにより、耐摩耗性を確保しつつ、適度なリフレッシュ効果を享受するため、転写性や静電特性等の感光層としての本来の特性が阻害されない範囲内で、高周波キズを継続して除去できる。その結果、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能となる。
最表面層のTgが高すぎると、耐摩耗性が高くなりすぎて、適度なリフレッシュ効果を享受できないため、耐刷時に白スジノイズが発生する。一方、最表面層のTgが低すぎると、耐摩耗性が低下して、感光層の静電特性が悪化するため、耐刷時にカブリが発生する。また、感光体の保管経時において、接触部材との接触により膜が変形し、画像ノイズとなることがある。
【0024】
本明細書中、第2電荷輸送層のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(DSC6200:セイコー電子工業社製)を用いて以下の方法により測定した値を用いている。しかし、そのような装置および方法を使用しなければならないというわけではなく、当該装置および方法と同様の原理・原則を採用する装置および方法であればいかなる装置および方法を採用してもよい。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、図3に示すようなDSCカーブにおいて、吸熱ピークの接線lとベースラインmとの交点の温度である。
【0025】
本発明において可塑剤は、第2電荷輸送層に含有されることによって、感度、電位安定性などの感光体静電特性に悪影響を及ぼすことなく、第2電荷輸送層のガラス転移温度を低減し得る物質である。
【0026】
そのような可塑剤として、ビフェニル系化合物、ならびにプラスチックの分野で酸化防止剤、光安定剤または紫外線吸収剤として使用されている化合物が使用可能である。
【0027】
ビフェニル系化合物はビフェニル骨格を有する化合物であり、詳しくは一般式;
【化1】
で表される化合物またはそれらの水素化物である。
【0028】
式中、RxおよびRyはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜3のアルキル基もしくはフェニル基である。アルキル基およびフェニル基が有しても良い置換基はフェニル基、ハロゲン原子である。
好ましいRxおよびRyはそれぞれ独立して水素原子、フェニル基またはベンジル基である。
【0029】
ビフェニル系化合物の好ましい具体例として、ビフェニル、o−ターフェニル、m−ターフェニル、水素化ターフェニル、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0030】
プラスチックの分野で酸化防止剤、光安定剤または紫外線吸収剤として使用されている化合物として、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、有機硫黄系酸化防止剤、有機燐系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、有機ニッケル系紫外線吸収剤およびトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0031】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−フェニルメチル−フェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−フェニルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール、
4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、
トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4・ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2, 2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、
トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、
オクチル化ジフェニルアミン、
2,4,−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、
イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
4,4−チオビス−(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、
ペンタエリスリトールテトラキス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸ブチル化ヒドロキシアニソール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、
ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、
トコフェロール類、
等が挙げられる。
【0032】
ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2’,4’−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
等が挙げられる。
【0033】
有機硫黄系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。有機硫黄系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
ジラウリルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、
ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジトリデシルチオジプロピオネート、
ペンタエリスリトールテトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)、
等が挙げられる。
【0034】
有機燐系酸化防止剤は例えば、エーピーアイ・コーポレーションのホームページにおける酸化防止剤の項目(http://www.api−corp.co.jp/products/list07.html)に記載されている。有機燐系酸化防止剤の具体的化合物として、例えば、
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリフェニルホスフィン、
トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、
トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、
トリクレジルホスフィン、
トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、
等が挙げられる。
【0035】
ヒンダードアミン系光安定剤は例えば、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、三共株式会社のホームページにおける化成品事業の「サノールとは?」の項目(http://www.sankyotokuhin.net/kasei/menu.html)に記載されている。ヒンダードアミン系光安定剤の具体的化合物として、例えば、
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジーt−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、
等が挙げられる。
【0036】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は例えば、長瀬産業株式会社のホームページにおけるポリマー添加剤の項目(http://www.nagase.co.jp/shikizai/chem3/ap/ap_01.html)、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導、
5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、
2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル
等が挙げられる。
【0037】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸トリヒドレート、
2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、
4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、
等が挙げられる。
【0038】
サリチレート系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。サリチレート系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
フェニルサリチレート、
4−t−ブチルフェニルサリチレート、
等が挙げられる。
【0039】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)に記載されている。シアノアクリレート系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2’−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
等が挙げられる。
【0040】
有機ニッケル系紫外線吸収剤は例えば、シプロ化成株式会社のホームページにおける紫外線吸収剤の項目(http://www.shipro.co.jp/)、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。有機ニッケル系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、
2,2−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、
等が挙げられる。
【0041】
トリアジン系紫外線吸収剤は例えば、サンケミカル式会社のホームページにおけるUV吸収剤の項目(http://www.sun−chemical.co.jp/frame04.htm)に記載されている。トリアジン系紫外線吸収剤の具体的化合物として、例えば、
2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノ−ル、
等が挙げられる。
【0042】
可塑剤としては、上記化合物の中でも、電荷輸送性の障害を少なくする観点からビフェニル系化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
【0043】
可塑剤の含有量は、第2電荷輸送層のTgが上記範囲内となるような量であり、通常、第2電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対して1〜80重量部、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜50重量部である。ここで、第2電荷輸送層の結着樹脂とは後述の変性ポリカーボネート樹脂を意味し、当該層が変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂も含む場合は「それらの混合結着樹脂」を意味する(以下、同様とする)。可塑剤は上記化合物のうち2種類以上組み合わせて使用されてよい。その場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0044】
可塑剤としては、第2電荷輸送層中の電荷輸送材料が空気中の酸素や帯電時に発生するオゾンによって酸化し、劣化するのを防止する観点から、少なくとも1種類の酸化防止剤、すなわちヒンダードフェノール系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、有機燐系酸化防止剤、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用することが好ましい。上記観点から好ましい第2電荷輸送層における酸化防止剤の含有量は電荷輸送材料に対して0.5重量%以上、特に2重量%以上である。第2電荷輸送層における電荷輸送材料に対する酸化防止剤の含有量は第1電荷輸送層における電荷輸送材料に対する酸化防止剤の含有量と比較して同じか、もしくは多いこと、好ましくは多いことが、耐久時の感光体の残留電位上昇とカブリをより有効に防止する観点から望ましい。
【0045】
第2電荷輸送層の結着樹脂としての変性ポリカーボネート樹脂は以下の変性ポリカーボネート(I)〜(IV)である。
【0046】
変性ポリカーボネート(I)は下記一般式(I):
【化2】
(式中、R1は夫々同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基であり、
R2は夫々同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、特に水素原子であり、
X1は夫々同一であっても異なっていてもよい(CH2)kで、
kは1〜6、好ましくは2〜3の整数であり、
nは0〜200、好ましくは5〜100、
mは1〜50の範囲内とする)で表される繰返し単位を有するポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(I)は上記一般式(I)で表される繰返し単位を構成単位の一つとして含めばよい。
【0047】
変性ポリカーボネート(I)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0048】
変性ポリカーボネート(I)としては、例えば、G−300、G−400およびG−700(いずれも出光興産社製)が市販されている。
【0049】
変性ポリカーボネート(II)は下記一般式(II):
【化3】
(式中、R3は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、
pは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0であり、
X2は炭素数3〜8の1,1−シクロアルキレン基、−C(CF3)(CF3)−、または−C(R4)(R5)−(式中、R4およびR5のうち少なくとも一方は置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、他方は水素原子、または炭素数2〜6のアルキル基)、好ましくは1,1−シクロヘキシレン基、−C(CF3)(CF3)−、−CH(Ph)−(Phはフェニル基;以下、同様とする)または−C(Ph)(Ph)−、特に1,1−シクロヘキシレン基である)で表されるポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(II)は上記一般式(II)で表される繰返し単位のみからなっている。
【0050】
変性ポリカーボネート(II)の好ましい具体例としては一般式(II−1)〜(II−4);
【化4】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。特に好ましい変性ポリカーボネート(II)の具体例は上記一般式(II−1)で表される変性ポリカーボネートであり、これは一般にZ型ポリカーボネート樹脂と呼ばれているものである。
【0051】
変性ポリカーボネート(II)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0052】
変性ポリカーボネート(II)としては、例えば、TS2020、TS2050(帝人化成社製、前記一般式(II−1)で表される)、ユーピロンZ500(三菱エンジニアリングプラスチック社製、前記一般式(II−1)で表される)、ユーピロンZ800(三菱エンジニアリングプラスチック社製、前記一般式(II−1)で表される)が市販されている。
【0053】
変性ポリカーボネート(III)は下記一般式(III):
【化5】
(式中、R6は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは臭素原子、塩素原子、メチル基またはエチル基であり、
rは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0〜2の整数であり、
sは0〜50の整数、
tは5〜100の整数、
X3は炭素数3〜8の1,1−シクロアルキレン基、−C(CF3)(CF3)−、−O−、−SO2−、−C(R7)(R8)−(式中、R7およびR8は夫々同一であっても異なっていてもよい水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基)または炭素数4〜9の1,1−ビシクロアルキレン基、好ましくは1,1−シクロヘキシレン基、−C(CF3)(CF3)−、−C(CH3)(CH3)−、−C(CH3)(C2H5)−、−C(CH3)(C4H9)−、−CH(Ph)−、−C(Ph)(Ph)−または
【化6】
である)で表されるポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(III)は上記一般式(III)で表される繰返し単位のみからなっている。
【0054】
変性ポリカーボネート(III)の好ましい具体例としては一般式(III−1)〜(III−17);
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。
【0058】
変性ポリカーボネート(III)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0059】
変性ポリカーボネート(III)として、例えば、BPPC−200、BPPC−300、BPPC−500(出光興産社製、前記一般式(III−1)で表される)が市販されている。
【0060】
変性ポリカーボネート(IV)は下記一般式(IV):
【化11】
(式中、R9は夫々同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基、またはフェニル基であり、
R10は夫々同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、
X4およびX5は夫々同一であっても異なっていてもよい(CH2)hで、
hは1〜6、好ましくは1〜3の整数であり、
uは夫々同一であっても異なっていてもよい0〜4の整数、好ましくは0であり、
vは1〜150の整数、好ましくは10〜50の整数)で表される繰返し単位を有するポリカーボネートである。すなわち、変性ポリカーボネート(IV)は上記一般式(IV)で表される繰返し単位を構成単位の一つとして含めばよい。
【0061】
変性ポリカーボネート(IV)の好ましい具体例としては一般式(IV−1)〜(IV−5);
【化12】
【0062】
【化13】
で表される変性ポリカーボネートが挙げられる。
【0063】
変性ポリカーボネート(IV)の粘度平均分子量は好ましくは20000〜100000、より好ましくは30000〜80000である。
【0064】
第2電荷輸送層には、本発明の目的が達成される限り、結着樹脂として前記変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を含有させてもよい。そのような樹脂として、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が挙げられる。変性ポリカーボネート樹脂以外の樹脂の含有量は変性ポリカーボネート樹脂の50重量%以下とする。当該含有量が50重量%を超えると、含フッ素樹脂微粒子の分散性向上効果が十分ではない。
【0065】
第2電荷輸送層に含フッ素樹脂微粒子を含有させることによって耐摩耗性と、感光体表面から記録シートヘの転写性(離型性)を良好にすることができる。含フッ素樹脂微粒子は含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体からなる粒子、または含フッ素重合性モノマーとフッ素フリー重合性モノマーとの共重合体からなる粒子である。含フッ素重合性モノマーは一般式;
【化14】
(式中、R11〜R14のうち少なくとも1の基はフッ素原子であり、残りの基はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基である)で表されるモノマーである。好ましい含フッ素重合性モノマーとして、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチレン等が挙げられる。含フッ素重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0066】
フッ素フリー重合性モノマーとして、例えば、塩化ビニル等が挙げられる。フッ素フリー重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
【0067】
耐摩耗性と離型性のさらなる向上の観点から好ましい含フッ素樹脂微粒子の具体例として、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)が挙げられる。
【0068】
含フッ素樹脂微粒子を構成する樹脂の平均分子量は平均分子量が10万から100万の範囲であれば、特に限定されるものでない。
含フッ素樹脂微粒子の平均粒径は、表面層の透明性確保の観点から、0.4μm以下、好ましくは0.01μm以上0.4μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.3μm以下が好適である。
【0069】
第2電荷輸送層における含フッ素樹脂微粒子の含有量は第2電荷輸送層の結着樹脂100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜30重量部である。1重量部より少ない場合には含フッ素樹脂微粒子の分散性が不均一となり、離型性の持続効果がえられ難く、さらに画像ノイズ(中抜けや黒斑点ノイズ)が発生し易い。また、40重量部を超えると、感光体の感度が劣化する。
【0070】
第2電荷輸送層の電荷輸送材料は第1電荷輸送層の説明で例示した電荷輸送材料の具体例と同様のものが使用可能である。第2電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量は、長期使用時における感光体の残留電位の上昇をより有効に抑える観点から、第1電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量と比較して同量か、もしくは多いこと、好ましくは多いことが望ましい。詳しくは、第2電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量は、第1電荷輸送層における結着樹脂に対する電荷輸送材料の含有量に対して100〜150重量%の範囲が望ましい。第2電荷輸送層において2種類以上の電荷輸送材料を使用してもよく、その場合は、それらの合計含有量が上記範囲内であればよい。
【0071】
第2電荷輸送層はさらにレベリング剤等の添加剤を含むことが好ましい。第2電荷輸送層のレベリング剤は第1電荷輸送層の説明で例示した具体例と同様のものが使用可能である。
【0072】
また、第2電荷輸送層には含フッ素樹脂微粒子の分散性をさらに向上させる観点から、特公平5−4667号公報に記載のシリコーン系グラフトポリマーや特開平8−62869号公報に記載のフッ素系グラフトポリマーを含有させることができる。
【0073】
第2電荷輸送層にはさらに、クロラニエル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレン、5,6−ジシアノベンゾキノン、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性物質、およびシアニン染料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ローダミン−B等の増感剤を含有させてもよい。
【0074】
第2電荷輸送層は通常、変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、可塑剤および電荷輸送材料を、所望の添加剤(レベリング剤等)とともに溶媒に溶解乃至分散させて塗液を調製し、当該塗液を第1電荷輸送層上に、第1電荷輸送層で採用可能な方法で塗布し乾燥させて形成される。塗布溶媒としては変性ポリカーボネート樹脂を溶解可能な限り特に制限されないが、環境対応の観点から、脱ハロゲン溶剤が望まれ、好ましくはトルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノンおよびこれらの混合溶媒等が使用できる。そのうち、含フッ素樹脂微粒子の分散性の観点から、テトラビドロフランを主体としたものが望ましく、混合塗布溶媒中のテトラビドロフランの含有量は50〜95wt%、好ましくは60〜90wt%である。乾燥温度および乾燥時間はそれぞれ、感光体の特性劣化防止の観点から、通常、150℃以下、特に90〜140℃の範囲で設定されることが好ましい。
【0075】
第2電荷輸送層の厚さは1〜15μm、好ましくは2〜12μmであり、第1電荷輸送層と第2電荷輸送層を合わせた厚さは10〜35μm、好ましくは12〜30μmであることが望ましい。
【0076】
以上のような本発明の感光体は、感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段(特にブレードであるもの)を有する画像形成装置に好適に搭載される。
【0077】
本発明の感光体が好適に搭載され得る画像形成装置について図1および図2を用いて説明する。
図1は、4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例であり、概略、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム10と、露光手段(レーザ走査光学系)20と、現像手段(フルカラー現像装置)30と、矢印b方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト40と、給紙部60とで構成されている。感光体ドラム10の周囲には、さらに、感光体ドラム10の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段(帯電ブラシ)11、および感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーナーブレード12aを備えたクリーニング手段(クリーナー)12が設置されている。
なお、感光体ドラム10、帯電ブラシ11およびクリーナー12は一体となっており、フルカラー画像形成装置本体に対して脱着可能なユニットを構成している。
【0078】
レーザ走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のもので、その制御部にはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)ごとの印字データがホストコンピュータから転送される。レーザ走査光学系20は各色ごとの印字データを順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光する。これにより、感光体ドラム10上に各色ごとの静電潜像が順次形成される。
【0079】
フルカラー現像装置30はC、M、Y、Bkの非磁性トナーからなる一成分現像剤を収容した4つの色別現像器31C、31M、31Y、31Bkを一体化したもので、支軸81を支点として時計回り方向に回転可能である。各現像器は現像スリーブ(現像剤担持体)32、トナー規制ブレード(現像剤規制部材)34を備えている。現像スリーブ32の回転により搬送されるトナーは、ブレード34と現像スリーブ32との圧接部(規制部)を通過することにより帯電される。
【0080】
中間転写ベルト40は支持ローラ41、42およびテンションローラ43、44に無端状に張り渡され感光体ドラム10と同期して矢印b方向に回転駆動される。中間転写ベルト40の側部には図示しない突起が設けられ、この突起をマイクロスイッチ45が検出することにより、露光、現像、転写等の作像処理が制御される。中間転写ベルト40は回転自在な1次転写ローラ46に押圧されて感光体ドラム10に接触している。この接触部が1次転写部T1である。また、中間転写ベルト40は支持ローラ42に支持された部分で回転自在な2次転写ローラ47が接触している。この接触部が2次転写部T2である。
【0081】
さらに、前記現像装置30と中間転写ベルト40の間のスペースにはクリーナー50が設置されている。クリーナー50は中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するためのブレード51を有している。このブレード51及び前記2次転写ローラ47は中間転写ベルト40に対して接離可能である。
【0082】
給紙部60は、画像形成装置本体1の正面側に開放可能な給紙トレイ61と、給紙ローラ62と、タイミングローラ63とから構成されている。記録シートSは給紙トレイ61上に積載され、給紙ローラ62の回転によって1枚ずつ図中右方へ給紙され、タイミングローラ63で中間転写ベルト40上に形成された画像と同期をとって2次転写部へ送り出される。記録シートの水平搬送路65は前記給紙部を含んでエアーサクションベルト66等で構成され、定着器70からは搬送ローラ72、73、74を備えた垂直搬送路71が設けられている。記録シートSはこの垂直搬送路71から画像形成装置本体1の上面へ排出される。
【0083】
ここで、上記フルカラープリンタのプリント動作について説明する。プリント動作が開始されると、感光体ドラム10および中間転写ベルト40が同じ周速度で回転駆動され、感光体ドラム10は帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電される。続いてレーザ走査光学系20によってシアン画像の露光が行われ、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像が形成される。この静電潜像は直ちに現像器31Cで現像されると共に、トナー画像は1次転写部で中間転写ベルト40上に転写される。1次転写終了直後に現像器31Mが現像部Dへ切り換えられ、続いてマゼンタ画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Yへの切換え、イエロー画像の露光、現像、1次転写が行われる。さらに、現像器31Bkへの切換え、ブラック画像の露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ごとに中間転写ベルト40上にはトナー画像が重ねられていく。最終の1次転写が終了すると、記録シートSが2次転写部へ送り込まれ、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラートナー画像が記録シートS上に転写される。この2次転写が終了すると、記録シートSはベルト型接触加熱定着器70へ搬送され、フルカラートナー画像が記録シートS上に定着されてプリンタ本体1の上面に排出される。
【0084】
図2は、タンデムカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例を示す。本画像形成装置において、図示しない露光手段(レーザ走査光学系)、定着器および給排紙部については上記4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置と同様であるが、画像形成部がタンデムプロセス式であることが異なっている。図2は、詳しくは、タンデムプロセス式の画像形成部の概略構成を示す断面図である。ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する各色の画像形成ユニット100が、大きな矢印で示す方向に循環する中間転写ベルト40上に、上流からBK→Y→M→Cの順に配置されている。
【0085】
画像形成ユニット100は感光体10、感光体10に帯電を行う帯電手段11、露光によって形成された静電潜像にトナーで現像を行う現像手段30、感光体10上に残留したトナーを回収するクリーニング手段12で構成されている。なお、この画像形成ユニット100は画像形成装置本体に対して脱着可能なユニットになっている。
【0086】
画像形成ユニット100において、感光体10上に現像された画像は中間転写ベルト40との接触位置で、いわゆる1次転写手段46で中間転写ベルト40上に転写される。 1次転写後、感光体10に残留したトナーは下流に配置されたクリーニング手段12のクリーニングブレード12aによって除去され、クリーニングブレード12aの下側に設けられた廃トナー容器12bに重力で落下し回収される。
【0087】
中間転写ベルト40上に転写された画像は各画像形成ユニット100のそれぞれを通過するごとに各色がその上に重ねられて最終的にフルカラー画像が中間転写ベルト40上に形成される。その後、更に下流において、いわゆる2次転写手段47によって紙などの記録シートSに一括して転写され、記録シートSは図示しない定着部を通過することによってトナーが定着されて排紙される。
【0088】
2次転写後に中間転写ベルト40上に残留したトナーはクリーニングブレード51によって中間転写ベルト40上から除去され、図示しない搬送スクリューで搬送され、やはり図示しない廃トナー容器に回収される。
なお、中間転写ベルト40は、図示された形式のものに限るものではなく、用紙を搬送する転写搬送ベルトでも、あるいは、このようなベルト状ではなく、各画像形成ユニット100がその周囲を取り囲むように配置されたドラム状のものなどのドラム形式のものでもよい。
【0089】
上記のような画像形成装置に好適に搭載される本発明のトナーは少なくとも研磨粒子、好ましくは研磨粒子と脂肪酸金属塩がトナー粒子に外添されてなるものである。研磨粒子を使用することによって感光層が適度に研磨されるため、感光層の耐摩耗性を確保しつつ、感光層表面上の高周波キズを有効に継続して除去できる。脂肪酸金属塩を使用することによって、たとえ高周波キズが形成されても、脂肪酸金属塩が高周波キズに充填・補修するため、当該キズによる画像ノイズ(白スジ)の発生をより有効に防止できる。
【0090】
研磨粒子としては平均一次粒径が100〜800nm、好ましくは150〜750nmのチタン酸ストロンチウム微粒子を用いる。当該微粒子を含有させることにより、感光体表面上の高周波キズが当該微粒子による研磨作用により除去されるため(リフレッシュ効果)、従来から問題となっていた高周波キズによるノイズ(白スジ)が回避され、良好な複写画像を提供することができる。また、感光体の適度な研磨により、クリーニング向上剤としての効果も期待できる。さらに、当該微粒子は弱い正帯電性であるため、負帯電性のトナー粒子への付着が効果的に行われ、特にトナー帯電安定性に対して大きな効果を有する。また、チタン酸ストロンチウム微粒子は比較的大粒径であることから、トナー粒子同士の接触確率が低減され、現像時の現像剤規制部材による規制や現像器内での撹拌等の外的ストレスが拡散されるため、トナー粒子表面は直接的に外的ストレスの影響を受けにくくなる。さらに、チタン酸ストロンチウム微粒子は、後述の小粒径無機微粒子の埋め込み緩和機能を高める機能を有する。
【0091】
チタン酸ストロンチウム微粒子は、凝集性および分散性の観点から後述の小粒径無機微粒子と同様に疎水化剤により表面処理してもよい。
チタン酸ストロンチウム微粒子の含有量については、トナー粒子に対して0.3〜3.0重量%、好ましくは0.4〜2.0重量%、含有されることが望ましい。
【0092】
脂肪酸金属塩は体積平均粒径が1500〜12000nm、好ましくは2000〜10000nmである。当該成分を上記研磨粒子と組み合わせて用いることにより、研磨粒子を単独で用いた場合に問題となり易い感光体表面の削りすぎを抑制し、適度な感光体研磨を可能にする。
【0093】
脂肪酸金属塩は上記のような粒径を有していれば特に制限されない。例えば、一般式;CnH2n+1COOH(式中、nは12〜18を示す)で表される脂肪酸と金属との塩が挙げられる。金属としては上記脂肪酸と塩を形成できる金属であれば特に制限されず、例えば、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、リチウム等が挙げられる。
【0094】
脂肪酸金属塩は耐熱性および潤滑性の観点から、融点が100〜150℃程度のものが良く、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム等を用いることが好ましい。
脂肪酸金属塩の含有量はトナー粒子に対して0.005〜0.25重量%、好ましくは0.005〜0.2重量%、より好ましくは0.005〜0.1重量%である。
【0095】
トナー粒子に対しては通常、上記研磨粒子および脂肪酸金属塩以外に、比較的小粒径の無機微粒子が外添される。
そのような無機微粒子は平均一次粒径1〜70nm、好ましくは5〜60nmの無機微粒子である。当該微粒子を含有させてトナー粒子を均一に被覆することにより均一な所望のトナー流動性を得ることができる。
【0096】
小粒径無機微粒子に使用される材料としては、従来から流動化剤として用いられている様々な材料を使用することができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア(二酸化チタン)、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。好ましい小粒径無機微粒子はシリカ、チタニアである。
また、小粒径無機微粒子は、トナー粒子に対して0.1〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%含有されることが望ましい。
【0097】
小粒径無機微粒子は疎水化剤で表面処理されていることが好ましい。これは、トナーの環境安定性、特に湿度の影響によるトナー荷電量の変化を抑制するためである。疎水化度は30〜80%、好ましくは40〜80%であることが望ましい。
疎水化剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス等の従来から使用されている疎水化剤が使用可能であり、好ましくはシラン系カップリング剤、シリコン系オイル、より好ましくはシラン系カップリング剤を用いる。シラン系カップリング剤としては、例えばトリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能である。
シリコンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。疎水化剤は上記疎水化度を達成できる程度の使用量で使用して、従来の方法により処理すればよい。
【0098】
無機微粒子はさらにフッ素系シランカップリング剤またはフッ素系シリコンオイルを併用し、表面処理されていてもよい。これは、トナーが負荷電性である場合、トナーの負荷電性を向上させ、画像カブリを防止するのに有効であるためである。通常、トナーの荷電性の制御にはトナー粒子中に荷電制御剤を含有させることにより行われているが、本発明のトナーを一成分現像剤として使用する場合においては、現像剤担持体と現像剤規制部材との圧接部の間隙をトナーが通過する際の摩擦帯電によりトナーの荷電が行われるため、トナーの荷電性はトナー粒子表面の荷電性が重要になる。このため荷電性の制御を行う場合に、荷電制御剤の含有量を調整するよりもトナーの外添剤の荷電性を調整するほうがより効果的である。
【0099】
フッ素系シランカップリング剤としては、例えば以下に示すものを単独でまたは混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。・CF3(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)5SiCl3・CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3・CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)Cl2・CF3(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2・CF3(CF2)3(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)6CONH(CH2)2Si(OC2H5)3・CF3(CF2)6COO(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3・CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2・CF3(CF2)7NH(CH2)3Si(OC2H5)3・CF3(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3
フッ素系シランカップリング剤は無機微粒子100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部用いることが好ましい。
【0100】
上記表面処理剤(フッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイル、疎水化剤)を用いて無機微粒子を表面処理するには、例えば表面処理剤を溶剤で希釈し、無機微粒子に上記希釈液を加えて混合し、この混合物を加熱・乾燥した後、解砕する乾式法、無機微粒子を水系中に分散してスラリー状にした上で表面処理剤を添加混合し、これを加熱・乾燥した後、解砕する湿式法等により行うことができる。特に、無機微粒子に対する疎水化剤の表面処理の均一性、無機微粒子の凝集防止性等の観点から水系中で疎水化処理を行った後、乾式法によってフッ素系カップリング剤またはフッ素系シリコンオイルで表面処理することが好ましい。
【0101】
本発明のトナーを構成するトナー粒子は少なくとも結着樹脂および着色剤からなり、必要に応じて離型剤、荷電制御剤等を含有する。
結着樹脂としては電子写真の分野で公知のいかなる樹脂も使用でき、例えば、スチレン系の樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられる。
【0102】
着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル等が挙げられる。フルカラートナー用着色剤について、マゼンタトナー用着色剤としては、例えばC.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184などを用いることができる。イエロートナー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ソルベント・イエロー162などを用いることができる。シアントナー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を用いることができる。
また、本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合は、上記着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えればよい。このような磁性体としてはマグネタイト、フェライト、鉄粉、ニッケル等が挙げられる。
【0103】
本発明のトナーには耐オフセット性等の特性を向上させるために離型剤を含有させてもよい。このような離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げることができる。このようにトナーにワックスを含有させる場合は、その含有量を結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。
【0104】
なお、耐オフセット性向上の観点からはポリプロピレンワックスを含有させることが好ましく、またスミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象)を向上させる観点からはポリエチレンワックスを含有させることが好ましい。上述した観点から特に好ましいポリプロピレンワックスは160℃における溶融粘度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃および酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレンワックスであり、また特に好ましいポリエチレンワックスは、160℃における溶融粘度が1000〜8000cpsおよび軟化点が130〜150℃であるポリエチレンワックスである。即ち、上記溶融粘度、軟化点および酸価を有するポリプロピレンワックスは上記結着樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成することができる。また、上記溶融粘度および軟化点を有するポリエチレンワックスも上記結着樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成することができる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度計により測定した。
【0105】
荷電制御剤としては正帯電トナー用荷電制御剤としては、例えば、アジン化合物ニグロシンベースEX、ボントロンN−01、02、04、05、07、09、10、13(オリエント化学工業社製)、オイルブラック(中央合成化学社製)、第4級アンモニウム塩P−51、ポリアミン化合物P−52、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベントブラック3:C.I.No.26150)、フェットシュバルツHBN(C.I.No.26150)、ブリリアントスピリッツシュバルツTN(ファルベンファブリケン・バイヤ社製)、さらに、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、イミダゾール系化合物等が使用できる。
また、負帯電トナー用荷電制御剤としては、例えば、クロム錯塩型アゾ染料S−32、33、34、35、37、38、40(オリエント化学工業社製)、アイゼンスピロンブラックTRH、BHH(保土谷化学社製)、カヤセットブラックT−22、004(日本化薬社製)、銅フタロシアニン系染料S−39(オリエント化学工業社製)、サリチル酸のクロム錯塩E−81、82(オリエント化学工業社製)、亜鉛錯塩E−84(オリエント化学工業社製)、アルミニウム錯塩E−86(オリエント化学工業社製)、さらに、カリックスアレン系化合物等が使用できる。更にフルカラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。
【0106】
トナー粒子の製法としては、公知の製法を用いることができ、例えば、乾式での粉砕法、湿式での乳化重合、懸濁重合、乳化造粒法などが挙げられる。一般的に粉砕法の場合は不定形粒子、湿式法の場合は球形粒子を得ることができ、画像形成プロセスに適したトナー製法を用いれば良い。トナー粒子の粒径は画質の観点から小粒径のものが好ましく、体積平均粒径3μmから10μm程度のものを好適に用いることができる。特に本発明においては、体積平均粒径4〜8μmのトナー粒子を用いることが好ましい。
【0107】
上記トナー粒子に前記の研磨粒子、脂肪酸金属塩および小粒径無機微粒子等の外添剤を外添するに際しては、これらのトナー構成成分を均一に混合できれば、公知の外添方法を用いることが可能である。例えば、トナー粒子に外添剤を一括して添加し、ヘンシェルミキサーなどを用いて混合すればよい。
【0108】
本発明のトナーは、キャリアを使用しない1成分現像剤、キャリアとともに使用する2成分現像剤いずれにおいても使用可能である。また、本発明のトナーは磁性あるいは非磁性いずれのトナーであってよい。
【0109】
本発明のトナーとともに使用されるキャリアとしては、公知のキャリアを使用することができ、例えば、鉄粉、フェライト等の磁性粒子よりなるキャリア、磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコート型キャリア、あるいはバインダー樹脂中に磁性粒子を分散してなるバインダー型キャリア等いずれも使用可能である。このようなキャリアとしては体積平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmのものが好適である。
【0110】
【実施例】
(実施例1)
外径24mm、長さ380mmの円筒状(JIS5657)になったアルミニウム管を1wt%水酸化ナトリウム水溶液中で、30℃5分間エッチング処理し、水洗後、25℃の7%硫酸中に1分間浸漬した。水洗後、150g/lの硫酸電解液中で、1A/dm2の電流密度で、陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。さらに、水洗後、酢酸ニッケルの10g/lの水溶液にて80℃30分間浸漬した後、引き上げ、純水にて洗浄し、表面にアルマイト層を有するアルマイト管を得、これを導電性支持体とした。
【0111】
次に、テトラヒドロフラン100重量部に対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレックBX−1)を1重量部、Y型チタニルフタロシアニン(SYNTHON社製)を1重量部加え、これらをサンドミルで5時間分散させて電荷発生層用塗液を調製し、この電荷発生層用塗液を上記の支持体上に浸漬塗布して膜厚が0.2μmになった電荷発生層を形成した。
【0112】
テトラヒドロフラン(THF)100重量部に対して、スチレン−アクリレート樹脂(新日鉄化学社製:MS200)を10重量部、下記一般式(i);
【化15】
で表される電荷輸送材料を8重量部、下記一般式(ii);
【化16】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBHT)を0.4重量部、レベリング剤(信越化学工業社製:KF50)を0.001重量部の割合で溶解させて第1電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60℃で20分間乾燥させて膜厚が20μmになった第1電荷輸送層を形成した。
【0113】
さらに、THFとシクロヘキサノンとの混合溶媒(THF/シクロヘキサノン=90/10wt/wt)150重量部に対して、Z型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ500)を10重量部、前記一般式(i)で表される電荷輸送材料を10重量部、前記一般式(ii)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBHT)0.4重量部と下記一般式;
【化17】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスBB)2重量部、レベリング剤(信越化学工業社製:KF50)を0.001重量部の割合で溶解させた後、フッ素微粒子分散液(喜多村社製:KD600AS)25重量部を加え、超音波で30分分散させて、第2電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を第1電荷輸送層上に2槽型リング塗布方法で塗布し、これを120℃で70分間乾燥させて膜厚が6μmになった第2電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0114】
(実施例2)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化18】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス930)2重量部に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0115】
(実施例3)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化19】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックスSR)に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0116】
(実施例4)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を、下記一般式;
【化20】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(長瀬産業社製;IRGANOX565)に代える以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0117】
(実施例5)
外径30mm長さ285mmの円筒状アルミニウム管(JIS5657)に下記の下引き層を形成し、導電性支持体を得た。酸化チタン(テイカ社製:SMT−100AS)3.5重量部と共重合ナイロン(CM8000)1重量部とをメチルアルコール80重量部とイソプロピルアルコール20重量部との混合溶剤に分散した溶液を塗布、乾燥して、膜厚1μmの下引層を得た。
上記導電性支持体を使用したこと、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層の電荷輸送材料を下記一般式(iii);
【化21】
で表される電荷輸送材料に代えたこと、第1電荷輸送層のスチレン−アクリレート樹脂をZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ300)に代えたこと、および第2電荷輸送層においてZ型ポリカーボネート樹脂を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC300)に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を下記一般式;
【化22】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス2246G)に、フッ素樹脂微粒子をTF9207(3M社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0118】
(実施例6)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)を下記一般式;
【化23】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤(エーピーアイ社製;ヨシノックス425)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0119】
(実施例7)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)を下記一般式;
【化24】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0120】
(実施例8)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)をm−ターフェニル(新日鉄化学社製)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0121】
(実施例9)
第1電荷輸送層のZ型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンZ300)をA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ユーピロンC1400)に、第2電荷輸送層の変性ポリカーボネート樹脂を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:G700)に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックス2246G)をp−ベンジルビフェニル(新日鉄化学社製)に代える以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0122】
(実施例10)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化25】
で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0123】
(実施例11)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化26】
で表されるヒンダードアミン系光安定剤(三協化学社製;サノールLS2626)に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0124】
(実施例12)
第2電荷輸送層のp−ベンジルビフェニルを下記一般式;
【化27】
で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製;SEESORB706)に代える以外は、実施例9と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0125】
(実施例13)
実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。なお、評価では現像剤として、脂肪酸金属塩を加えない以外は後述の現像剤Aの製法と同様の方法によって製造した現像剤を用いた。
【0126】
(実施例14)
実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。なお、評価では現像剤として、脂肪酸金属塩を加えない以外は後述の現像剤Bの製法と同様の方法によって製造した現像剤を用いた。
【0127】
(比較例1)
第2電荷輸送層を設けない以外は実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0128】
(比較例2)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)を加えない以外は実施例1と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0129】
(比較例3)
第2電荷輸送層においてヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヨシノックスBB)の添加量を10重量部とする以外は、実施例5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0130】
(比較例4)
第2電荷輸送層において変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC300)を変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製:BPPC1200)に代える以外は、実施例 5と同様の方法で電子写真感光体を作成した。
【0131】
<評価>
実施例1〜4および13、および比較例1〜2で得られた感光体を、市販のタンデムカラープリンター(Offirio LP9500CZ:エプソン社製)に搭載し、現像剤Aを用いて評価をした。なお、実施例13の感光体の評価では、上述のように、脂肪酸金属塩フリーの現像剤を使用した。
実施例5〜12および14、および比較例3〜4で得られた感光体を、市販のカラープリンター(magicolor 2300DL:ミノルタ社製)に搭載し、現像剤Bを用いて評価をした。なお、実施例14の感光体の評価では、上述のように、脂肪酸金属塩フリーの現像剤を使用した。
【0132】
(摩耗量)
摩耗量は、N/N(23℃/50%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後について、上中下の3点の平均として求めた。
(感度)
感度は、N/N(23℃/50%)環境下、初期帯電電位を−600(V)とし、レーザー(波長780nm)光にて−300(V)にさげるのに必要な光量を測定し、感度とした。
【0133】
(カブリ)
画像ノイズのカブリについては、L/L(10℃/15%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後の画像を10倍のルーペを用いて観察し評価した。
○;カブリがなかった;
×;カブリがあった。
【0134】
(白スジ)
画像ノイズの白スジについては、L/L(10℃/15%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後でハーフ画像を画出しし、白スジの有無を評価した。
○;白スジがなかった;
△;白スジがわずかに見られるが、実用上問題なかった;
×;白スジがあった。
【0135】
(中抜け)
画像ノイズの中抜けについては、N/N(23℃/50%)環境下、連続コピー10000枚実施し、その前後の画像を10倍のルーペを用いて観察し評価した。下記の割合は不良数の全評価数に対する割合である。
○;1%未満;
△;1%以上20%未満;
×;20%以上40%未満;
××;40%以上。
【0136】
(第2電荷輸送層のガラス転移温度)
第2電荷輸送層のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(DSC6200:セイコー電子工業社製)を用いて前記した方法により測定した。なお、比較例1の感光体においては第1電荷輸送層のガラス転移温度を測定した。
【0137】
【表1】
【0138】
(粘度平均分子量)
オストワルド粘度計を用いて溶質濃度0.7g/100mlのジクロルメタン溶液を温度20℃で測定して得られた極限粘度の実測値から算出した。
【0139】
<現像剤Aの製法>
(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にアニオン系界面活性剤 C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na 7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。
【0140】
(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、t−ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質としてWEP−5(日本油脂)98.0gを添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。一方、アニオン系界面活性剤(上記式)1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を82℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックスを固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示WEP−5の単量体溶液を0.5時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の樹脂微粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス1」とする。
【0141】
(第三段重合)
上記の様にして得られたラテックス1に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層にWEP−5をが含有されている樹脂微粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス2」とする。このラテックス2を構成する樹脂微粒子は、20,000、80,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂微粒子の重量平均粒径は130nmであった。
【0142】
ラテックス2を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液1166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に84℃まで昇温し、凝集粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて凝集粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が6.1μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた(熟成工程)。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、粒径6.1μmのトナー粒子Aを得た。
トナー粒子A100重量部に対して、HMDS(ヘキサメチルジラザン)にて疎水化処理した30nmのシリカ粒子0.2重量部、粒径350nmのチタン酸ストロンチウム粒子1.5重量部および粒径5000nmのステアリン酸カルシウム0.01重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理して、現像剤Aを得た。
【0143】
<現像剤Bの製法>
スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、カーボンブラック=10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、これに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応装置中において、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥して粒径6.1μmのトナー粒子Bを得た。
トナー粒子B100重量部に対して、HMDS(ヘキサメチルジラザン)にて疎水化処理した15nmのシリカ粒子0.7重量部、粒径700nmのチタン酸ストロンチウム粒子2重量部および粒径5000nmのステアリン酸亜鉛0.01重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理して現像剤Bを得た。
【0144】
【発明の効果】
本発明の感光体は、優れた耐摩耗性および感度を有し、長期にわたって、カブリ、中抜けおよび白スジなどのノイズがない高画質画像を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4サイクルカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】タンデムカラーシステムを有するフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図3】ガラス転移温度測定の概略説明図である。
【符号の説明】
10:感光体、11:帯電手段、12:クリーニング手段、20:露光手段、30:フルカラー現像装置、32:現像剤担持体(スリーブ)、33:支軸、34:現像剤規制部材(ブレード)、40:中間転写ベルト、41:支持ローラ、42:支持ローラ、43:テンションローラ、44:テンションローラ、46:1次転写ローラ、47:2次転写ローラ、60:給紙部、61:給紙トレイ、62:給紙ローラ、63:タイミングローラ、66:エアーサクションベルト、70:定着器、71:垂直搬送路。
Claims (5)
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層してなる有機感光体であって、第1電荷輸送層が結着樹脂および電荷輸送材料を含有してなり、第2電荷輸送層が変性ポリカーボネート樹脂、含フッ素樹脂微粒子、電荷輸送材料および可塑剤を含有してなり、第2電荷輸送層のガラス転移温度が55〜65℃であることを特徴とする有機感光体。
- 可塑剤がビフェニル系化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、有機硫黄系酸化防止剤、有機燐系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、有機ニッケル系紫外線吸収剤およびトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 請求項1または2に記載の感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段、および感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有してなる画像形成装置であって、トナーが少なくとも脂肪酸金属塩および研磨粒子を含有し、クリーニング手段がブレードであることを特徴とする画像形成装置。
- トナーが、少なくとも平均一次粒径1〜70nmの無機微粒子、平均一次粒径100〜800nmのチタン酸ストロンチウム微粒子および体積平均粒径1500〜12000nmの脂肪酸金属塩をトナー粒子に外添してなり、無機微粒子の含有量がトナー粒子に対して0.1〜3重量%、チタン酸ストロンチウム微粒子の含有量がトナー粒子に対して0.3〜3重量%、脂肪酸金属塩の含有量がトナー粒子に対して0.005〜0.25重量%であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 請求項3または4に記載の画像形成装置の一部を構成し、装置本体から脱着可能な画像形成ユニットであって、感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1の手段とを具備してなる画像形成ユニット。
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