JP2005042681A - ドライサンプ式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】発生したブローバイガスの還元処理を適切かつスムーズに行うと共に、エンジンの基本動作に影響を与えないシンプルかつ安価なドライサンプ式エンジンを提供する。
【解決手段】圧力センサ50によりエンジン本体12内部の圧力状態を監視し、排出ポンプ40の排出能力の増減制御を行う。ブローバイガスの発生量に応じて、排出ポンプ40の排出能力の増減制御を行うことにより、エンジン本体12の駆動状態に適した最適な量のブローバイガスを含む空気の排出を行うと共に、特別なバルブ等のを設けること無く、排出されたブローバイガスを含む空気に応じて、適切な量をエンジン本体12に戻し、ブローバイガスの燃焼処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライサンプ式エンジン、特にブローバイガスを還元処理するドライサンプ式エンジンの改良に関する。
一般自動車用のレシプロエンジンにおいては、ピストンが上昇し、混合気を圧縮する圧縮行程と混合気が爆発する爆発行程で、ピストンリングの隙間からクランク室にブローバイガスが漏れる。このブローバイガスは、エンジン内部のエンジンオイルや蒸発した水が混ざった未燃焼ガスであり、エンジンオイルの劣化の原因と成っていると共に、そのまま大気に放出することは好ましくない。そのため、エンジン内部で生じたブローバイガスをエンジンのヘッドカバーに形成された吸入口等から吸い込んだ新気と共に再度燃焼室に強制的に戻し、燃焼処理するブローバイガス循環装置がある。
ブローバイガス循環装置は、一般にウエットサンプ式エンジンに適用される場合が多い。ウエットサンプ式エンジンの構造としては、クランク室をPCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)バルブを有する環流通路によって吸気管のスロットルバルブ下流側に接続し、また、シリンダヘッドの内部をブリーザ通路(新気の吸入口)によって吸気管のスロットルバルブ上流側に接続している。このような構成にすることにより、エンジンの吸気負圧によって、環流通路を通ってクランク室内のブローバイガスが吸気管内に強制導入される。この時、PCVバルブを調整することにより、吸気管に導入されるブローバイガスを含む空気の量を調整することが可能で、エンジン内で必要とされる新気を吸い込みつつブローバイガスの燃焼処理を行うことができる。
一方、ウエットサンプ式エンジンに対してドライサンプ式エンジンがある。ドライサンプ式エンジンは、オイルタンクをエンジン本体から分離することにより、エンジン本体のオイルパン形状を薄くすることができると共に、エンジン本体内にエンジンオイルを貯留しないため、エンジンオイルの泡立ちや片寄りが発生し難く、エンジンオイルを安定的に潤滑系に供給することができる。そのため、過酷な状況下で使用される競技用エンジンとして利用されることが多い。
このドライサンプ式エンジンは部品点数が多いことやコストが高いこと等の理由により、量産車ではあまり利用されていなかった。しかし、潤滑性に優れたドライサンプ式エンジンの量産車への適用が求められ、種々の提案が行われている。
ドライサンプ式エンジンの場合、例えばエンジン本体内のオイルパンとオイルタンクとを送り管路および戻し管路で接続し、給油ポンプによってオイルタンクのエンジンオイルをエンジン本体へ圧送し、この給油ポンプより吐出量の大きい排出ポンプによってエンジン本体から潤滑後のエンジンオイルおよびブローバイガスを含む空気をオイルタンク側へ送っている。そして、オイルタンクで気液分離したブローバイガスを還流通路によって吸気管のスロットルバルブ上流側に還流させている。また、吸気管のスロットルバルブ上流側に接続された新気通路によって導入される新気を吸気管からエンジン本体内へ供給する。この時、給油ポンプと排出ポンプとの吐出量の差により、オイルタンク内が加圧される。エンジン本体内は減圧されるので、オイルタンクから吸気管へのブローバイガスの還流および吸気管からエンジン本体内へブローバイガスを含む新気の導入を強制的に行うことが可能となり、ブローバイガスを燃焼させることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−240113号公報
しかし、上述したドライサンプ式エンジンの構造の場合、ブローバイガスを含む空気は、スロットルバルブの上流側に供給されるため、必ずしも全てのブローバイガスをエンジン内部に取り込み燃焼処理しているとは限らない。また、ブローバイガスを含む空気の強制環流が許容以上に行われれば、大気側に漏れ出す可能性がある。この時、ウエットサンプ式のエンジンのように、スロットルバルブの下流側にブローバイガスを導入する構成にすれば、スロットルバルブの下流側が常に負圧状態になっているので、大気に漏れ出すこと無く全てエンジン内部に導入することができる。しかし、この場合、ブローバイガスを含む空気をオイルタンク側から強制的に送り込むと、例えば、アイドリング時に過給状態となり、アイドリングが所望値より上がってしまい燃費低下の原因になる。また、走行中に過剰のブローバイガスを含む空気を強制的に送り込む場合、エンジン内部が過給状態となり、エンジンブレーキが必要な場合に、その効果が低減してしまうという不都合が生じる。ウエットサンプ式のエンジンの場合、このような不都合を回避するためにPCVバルブを用いているが、ドライサンプ式エンジンを量産車に適用する場合、コスト低減が重要になり、PCVバルブ等を用いること無くブローバイガスを含む最適な量の空気をエンジン内部の燃焼室に供給し、スムーズにブローバイガスの燃焼処理を行うと共に、この処理がアイドリングやエンジンブレーキ等エンジンの基本動作に影響を及ぼさないようにすることが必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、発生したブローバイガスの還元処理を適切かつスムーズに行うと共に、エンジンの基本動作に影響を与えないシンプルかつ安価なドライサンプ式エンジンを提供することを目的とする。
上記のような目的を達成するために、本発明は、エンジン本体と、当該エンジン本体に供給循環させるエンジンオイルを一時的に蓄えるオイルタンクと、当該オイルタンクからエンジン本体にエンジンオイルを供給する供給ポンプと、エンジン本体内を循環したエンジンオイルと内部で発生したブローバイガスを含む空気をオイルタンク側に移送する排出ポンプと、オイルタンク側からブローバイガスを含む空気を吸気管に供給する供給経路と、を含むドライサンプ式エンジンであって、前記エンジン本体の内部空間の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記排出ポンプの排出能力を増減制御するポンプ制御部と、を含み、前記供給経路は、吸気管のスロットルバルブ下流側に接続され、前記ポンプ制御部は、排出ポンプの能力増減により、エンジン本体からのブローバイガスを含む空気の排出及び供給経路を介したエンジン本体の燃焼室へブローバイガスを含む空気の流入量制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、圧力センサによりエンジン本体内部の圧力状態を監視し、排出ポンプの排出能力の増減制御を行う。つまり、ブローバイガスの発生量に応じて、排出ポンプの排出能力の増減制御を行うことにより、エンジン本体の駆動状態に適した最適な量のブローバイガスを含む空気の排出を行うと共に、特別なバルブ等を設けること無く、排出ポンプの能力制御により排出されるブローバイガスを含む空気に応じて、適切な量をエンジン本体に戻し、ブローバイガスの燃焼処理を行うことができる。その結果、容易な構成により、適切な排出ポンプの駆動制御が可能になり、適切なブローバイガスの燃焼処理及び正常なエンジン燃焼動作を行うことができる。
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記ポンプ制御部は、エンジン本体の駆動状態に基づいてエンジン本体内部圧力が所定値以下になるように制御することを特徴とする。
この構成によれば、エンジン本体内部圧力が所定値以下になるように、排出ポンプが制御されるので、ブローバイガスを含む空気をエンジン本体側から必要以上に排出すること無く、また、エンジン本体側に燃焼処理可能量以上戻さないので、エンジン本体の燃焼制御を安定させることができると共に、排出ポンプの過剰駆動を抑制すると共に、エンジン本体の吸気バランスを整えることができるので、エンジンの基本動作に影響を及ぼすことなく、ブローバイガスを処理することができる。
上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記ポンプ制御部は、前記エンジン本体の駆動状態がアイドリング状態の場合、アイドリング時に必要なブローバイガスを含む空気の吸気量をエンジン本体が得られるように排出ポンプを制御することを特徴とする。
この構成によれば、アイドリング時のエンジン本体からブローバイガスを含む空気の排出及び、吸気管側への供給量が排出ポンプの制御によりコントロールすることが可能となり、容易な構成により安定したアイドリング制御を行いつつ、ブローバイガスの燃焼処理を行うことができる。
本発明によれば、圧力センサによりエンジン本体内部の圧力状態を監視し、排出ポンプの排出能力の増減制御を行う。つまり、ブローバイガスの発生量に応じて、排出ポンプの排出能力の増減制御を行うことにより、エンジン本体の駆動状態に適した最適な量のブローバイガスを含む空気の排出を行うと共に、特別なバルブ等を設けること無く、排出ポンプの能力制御により排出されたブローバイガスを含む空気に応じて、適切な量をエンジン本体に戻し、ブローバイガスの燃焼処理を行うことができる。その結果、容易な構成により、適切な排出ポンプの駆動制御が可能になり、適切なブローバイガスの燃焼処理及び正常なエンジン燃焼動作を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のドライサンプ式エンジン10(以下、単にエンジン10という)の構成概念図である。エンジン10は、大別して、エンジン本体12とオイルタンク14とから構成されている。エンジン本体12は、図示を簡略化しているが、ピストン16、シリンダ18から成る気筒が紙面垂直方向に複数配列されている。各気筒の上方にはシリンダヘッド20及びカムシャフト等が収納されたヘッドカバー22が設けられ、気筒の下方にはクランク室24が形成されている。また、排気バルブ26側にはエキゾーストマニホールド(排気管)28が接続され、吸気バルブ30には、インテークマニホールド(吸気管)32が接続されている。吸気管32の上流側には、スロットルバルブ34、エアフローメータ36、エアクリーナー38等が配置されている。
クランク室24の底部には、エンジン本体12内部を循環したエンジンオイルをクランク室24内から排出するための排出ポンプ(例えば、電動スカベンジポンプ)40が接続されている。排出ポンプ40によって強制排出されたエンジンオイルは、オイルセパレータ(例えば、サイクロンセパレータ)42を介して、オイルタンク14内に移送される。そして、オイルタンク14に貯まったエンジンオイルは、供給ポンプ(例えば、電動ポンプ)44を介して圧送され、再度エンジン本体12内に送り込まれ、エンジン本体12の内部の潤滑に利用される。
前述したように、エンジン本体12が燃料を含むガスの燃焼を行うと往復運動するピストン16とシリンダ18の隙間からブローバイガスが漏れ、クランク室24内に進入する。このブローバイガス(未燃焼ガス)は、エンジン本体12を循環するエンジンオイルや蒸発した水が混ざっており、そのまま大気に放出することは好ましくなく、また、エンジン本体12の内部に滞留させて長時間エンジンオイルと接触状態にしておくとエンジンオイルの劣化原因になる。そのため、本実施形態においては、排出ポンプ40によりクランク室24の下部に落ちてきたエンジンオイルと共に、クランク室24内の空気を吸引し、あわせてブローバイガスをエンジン本体12から排出(掃気)している。なお、ここで、ブローバイガスを排出するために用いられる空気は、後述する新気吸入路等から吸気され排出ポンプ40によって吸引される空気であり、ブローバイガスは、この空気と共に排出され、その結果、クランク室24内が掃気(換気)される。言い換えれば、ブローバイガスを含む空気とは、クランク室24を換気するために新気吸入路から排出ポンプ40によって吸引される空気である。
排出ポンプ40によって吸い出されたブローバイガス及びエンジンオイル等を含む空気は、オイルセパレータ42によって気液分離される。例えば、サイクロンセパレータを用いる場合、エンジンオイル及び燃焼カスや金属粉等の固形物はサイクロンセパレータの内壁面に移動し、気体部分は、吸気管32に接続された供給管(供給経路)46に送り込まれる。この時、排出ポンプ40の動作によりオイルセパレータ42は加圧されるので、ブローバイガスを含む空気は排出ポンプ40の動作量に応じて吸気管32側に圧送される。一方、エンジンオイルは、サイクロンセパレータの内壁面に沿って落下し、オイルタンク14内に貯まる。また、固形物はサイクロンセパレータの内壁面にて捕集され、必要に応じて回収廃棄することができる。
オイルタンク14内に貯まったエンジンオイルは、供給ポンプ44により循環路48を通り再度エンジン本体12側に圧送され、エンジン本体12内部の潤滑に利用される。
本実施形態の特徴的事項は、エンジン本体12内部の圧力を検出し、その圧力に基づいて排出ポンプ40の駆動能力制御を行うことにより、エンジン本体12内で発生したブローバイガスの排出及び、エンジン本体12へのブローバイガスの再移送によるブローバイガスの燃焼処理量をコントロールすることを可能にすると共に、特別なバルブ制御等を行うことなく、エンジン本体12の燃焼制御を安定化させることを可能にしているところである。
このため、本実施形態においては、エンジン本体12の一部、例えばヘッドカバー22にエンジン本体12内部の圧力を測定する圧力センサ50が配置されている。また、エンジン本体12内を循環したエンジンオイルと内部で発生したブローバイガスを含む空気をオイルタンク側に移送する排出ポンプ40は、前記圧力センサ50の検出結果に基づいて、例えば、電動ポンプモータの制御により、排出能力を任意に増減することができるように構成されている。この増減制御は、圧力センサ50の検出結果が入力されるポンプ制御部52によって行われる。なお、このポンプ制御部52には、図示を省略しているが、圧力センサ50以外からの情報、例えば、エアフローメータ36からの情報、エアフローメータ36の下流側でスロットルバルブ34の上流側の吸気管32に配置された吸気温度センサ54や排気管28に設けられたO2センサ56からの情報、スロットルバルブ34の位置を検出するスロットルポジションセンサからの情報、その他、大気圧センサからの情報、クランクポジションセンサからの情報、カムポジションセンサからの情報等エンジン10の駆動状態を示す情報が各種入力されている。
図2のフローチャートには、圧力センサ50に基づく本実施形態の基本的制御の手順が示されている。
圧力センサ50は常時エンジン本体12内の圧力を検出し、例えば、エンジン本体12内の圧力が大気圧に対し負圧か否かの判断を行っている(S100)。前述したように、エンジン10は、エンジンオイルをエンジン本体12とオイルタンク14との間で循環させるために、排出ポンプ40によりエンジンオイル及びブローバイガスを含む空気を吸引し、供給ポンプ44により気液分離後のエンジンオイルのみをエンジン本体12内へ圧送して、エンジン本体12内部の圧力バランスを得ている。
ところで、前述したように、エンジン10が駆動する場合、シリンダ18とピストン16との隙間からブローバイガスが漏れる。ブローバイガスの単位時間当たりの発生総量はエンジン回転数の上昇に従って増大する。従って、供給ポンプ44と排出ポンプ40との能力を一定に保っている場合、ブローバイガスが大量に発生すると(例えば、エンジン10の回転数が増大した場合)、排出不足を生じる。その結果、本来もっと多くブローバイガスを吸気管32へ供給し、燃焼処理ができるにも関わらず、ブローバイガスが供給されないことからブローバイガスの燃焼処理効率の低下を招いてしまう。このような場合、ブローバイガスの処理制御ができなくなると共に、エンジン本体12内の圧力が上がり、内部負荷増加によるエンジン効率の低下を招く。一方、ブローバイガスの発生量が少ない場合、必要以上に排出ポンプ40が動作し、エネルギー効率が低下し燃費低下を招く。
本実施形態においては、エンジン本体12内の圧力が上昇し、例えば大気圧より高くなる場合(検出圧力P<大気圧)、すなわち、エンジン10の回転数が上がり、ブローバイガスが大量に発生した場合、そのブローバイガスを積極的にエンジン本体12から排出するために、ポンプ制御部52は、排出ポンプ40の能力を圧力増加に応じて、例えばステップ的に増加する(S101)。この時、エンジン10の回転数は増加し、より多くのブローバイガスを含む空気を燃焼処理することができる。図1から明らかなように、排出ポンプ40の能力が増加すると、クランク室24から排出されるブローバイガスを含む空気が増加し、オイルセパレータ42内の圧力が増加し、気液分離されたブローバイガスが供給管46を介して吸気管32に供給され、燃焼室に導かれる。この時、燃焼室では、エンジン10の回転数増加に伴い、大量の空気が必要とされているので、排出ポンプ40の能力増加に伴うオイルセパレータ42内の圧力増加に基づいて、大量のブローバイガスが供給されても燃焼室で、効率的にその全てを燃焼処理することができる。一方、ステップ(S100)でエンジン本体12内の圧力が大気圧以下である場合、排出ポンプ40は初期設定状態で、ブローバイガスを含む空気の排出動作を良好に行っていると判断して、圧力センサ50に基づくエンジン本体12内の圧力管理を継続する。
圧力センサ50は、常時エンジン本体12内の圧力が所定値以下、つまり大気圧以下になったか否の監視を行い(S102)、エンジン本体12内の圧力が大気圧以下になった場合、排出ポンプ40の能力を例えばステップ的に減少させる(S103)。このように増減制御を継続的に行うことにより、エンジン本体12で発生したブローバイガスの適量の排出を行うと共に、吸気管に適量のブローバイガスを供給し、ブローバイガスの排出及び燃焼処理を効率的に行うことができる。この時、ブローバイガスの排気及び供給は、圧力センサ50の検出結果に基づき排出ポンプ40の制御のみで行うことができるので、従来のようにPCVバルブ等を設けることなく、ブローバイガス制御を容易かつ簡易な構成で行うことができる。
なお、エンジン10の駆動状態に応じた適切な量のブローバイガスをエンジン本体12のクランク室24から排出できる。また、クランク室24から排出した適切な量のブローバイガスを吸気管32を介して燃焼処理を行う燃焼室に供給することができる。その結果、車両の走行中に過剰なブローバイガスを含む空気強制的にエンジン本体12の燃焼室に送り込まれるようなことが抑制される。つまり、燃焼室内部が過給状態になることが抑制され、エンジンブレーキが必要な場合に、エンジンブレーキを効率的に働かせることができる。
ところで、アイドリング回転時にもブローバイガスは、その量は少ないが発生し、エンジン本体12内の圧力を上昇させる。この場合、アイドリング回転数を維持するためには、吸気管32を介して正確な空気量を燃焼室に供給することが必要になる。通常、吸気管32が吸う空気の量は、スロットルバルブ34の開閉量により調整するが、アイドリング時には、スロットルバルブ34が基本的には全閉になっているので、全閉状態で吸気できる設計値以外に供給空気量の調整を行うことができない。例えば、エンジン10を搭載する車両が高所の大気圧の低い場所に移動し、そこでアイドリングを行った場合、大気圧が低い、すなわち空気密度が低いため、実質的に燃焼室に流れ込む空気の量が減少し、アイドリング時の吸気量が不安定になる。また、このような時も当然、ブローバイガスの燃焼処理が必要になるので、新気の導入とブローバイガスの導入バランス調整を適宜行う必要がある。そのため、通常、スロットルバルブ34のバイパスする形で、ISC(アイドルスピードコントロール)バルブが配置され、アイドリング時に最適な新気が燃焼室に供給されるように制御されている。
これに対し、本実施形態におよれば、図1に示すように、排出ポンプ40の能力を増減調整することにより、オイルセパレータ42内の圧力調整、つまり吸気管32へブローバイガスを含む空気の供給量を正確に調整することができる。
前述したように、アイドリング時は、ブローバイガスの発生量は少ないので、排出ポンプ40がクランク室24から排出する空気の大半は、エアフローメータ36とスロットルバルブ34との間に接続された新気吸入路58を介してエンジン本体12の例えばヘッドカバー22等に供給される新気である。そのため、アイドリング時には、排出ポンプ40の制御によって、実質的な新気がスロットルバルブ34を介さず、吸気管32に供給することが可能となり、安定した燃焼によるアイドリング回転を維持することが可能となる。もちろん、アイドリングが行われているので僅かにブローバイガスが発生する。しかし、前述したように排出ポンプ40を介して吸気管32に供給される空気の大半は新気であり、僅かにブローバイガスを含んでいてもアイドリングに影響を与えることなくアイドリングによる燃焼処理によりブローバイガスの処理も同時に行うことができる。
図3には、アイドリング時の排出ポンプ40の制御を説明するフローチャートが示されている。基本的に、アイドリング時においても、エンジン本体12は、大気圧以下の負圧状態に維持されていることが好ましいので、図2のフローチャートにおいて、ステップ(S103)の後、符号Aに続いてアイドリング時の制御が行われる。
ポンプ制御部52は、入力される各種情報アイドルONスイッチ等からエンジン10の状態が現在アイドリング状態であるか否かの判断を行う(S200)。もし、現在の状態がアイドリングであると判断された場合、現在、燃焼室でアイドリング時に必要とされている空気が正確に供給されているかの判断を行う(S201)。この判断は、例えば吸気管32のスロットルバルブ34の上流位置に配置されたエアフローメータ36を通過し吸気管32に吸気される空気の量と、排気管28に設けられたO2センサ54からの情報とに基づいて、燃焼室に導入されている空気量を推定し、その量が予め設定された空気量と一致しているか否かで判断する。この時、スロットルバルブ34側から吸気される空気の設定値をアイドリング時の必要空気量より少なく設定しておけば、排出ポンプ40の能力制御により必要な空気量だけ加算することができる。つまり、もし、アイドリング時に必要な空気量を下回っていた場合、排出ポンプ40の能力を増大させ(S202)、オイルセパレータ42を介して供給管46からスロットルバルブ34の下流に供給される空気の量を増加する。前述したように、エンジン10がアイドリング動作している場合、発生するブローバイガスは極僅かであり、排出ポンプ40を介してクランク室24から吸引される空気は実質的に新気である。従って、排出ポンプ40の能力制御を行うことにより、アイドリング時に必要な空気の供給量の微調整を行うことができる。この調整は、アイドル時に必要な空気量に到達するまで継続的に行われ(S203)、アイドリング時必要空気量になったら排出ポンプ40の能力を減少させ(S204)、アイドリング時の必要空気量を維持できるように排出ポンプ40の制御を行う。なお、フローチャートにおいて、ステップ(S204)以降、図2のステップ(S100)に戻る(符号B)が、アイドリング時には、ブローバイガスの発生量の変動は少なく、実質的にP<大気圧が維持されているので、ステップ(S100)では、最初の段階(ステップ(S100)〜(S103))でP<大気圧になるような制御が行われれば、肯定判断が行われ、ステップ(S200)に移行しアイドリング時の必要空気量の監視が継続的に行われる。
もちろん、ステップ(S200)において、アイドリング状態からアクセルオン状態に移行する等、現在の状態がアイドリングでないと判断された場合、ステップ(S100)に戻る(矢印B)。この場合、エンジン10の回転数が上がり、ブローバイガスの発生量も増加するので、ステップ(S100)で否定判断が行われ、ブローバイガスの燃焼効率を向上させるための図2のフローチャートの処理が始まる。
従って、アイドリング時において、過給状態を招くことなく、安定した所定量の吸気制御を行うことができる。もちろん、この時ブローバイガスの燃焼処理も同時に行うことができる。
このように、エンジン本体12内の圧力に基づいて、排出ポンプ40の能力の増減制御を行うことにより、ブローバイガスの燃焼処理を行う場合でも、その処理がアイドリングやエンジンブレーキ等エンジンの基本動作に影響を及ぼすことなく、従来必要となるPCVバルブやISCバルブ等を排除することが可能になり、ドライサンプ式エンジン10の構成を簡略化すると共に、コストダウンに寄与することが可能となり、量産車両においてもドライサンプ式エンジンを容易に利用することが可能となる。なお、図1に示す構成においては、エンジン本体12のヘッドカバー22とエアフローメータ36の下流側が新気吸入路58で接続されているので、エンジン本体12に供給される空気量(ヘッドカバー22を介してクランク室24に供給される空気量や吸気管32を介して燃焼室に供給される空気量等)はエアフローメータ36により測定することができるので、本実施形態のようにエンジン本体12内の圧力に基づいて、排出ポンプ40の能力の増減制御行う場合でも、燃焼室に供給する空気量は適切に管理することができる。
ところで、独立に能力の増減調整が可能な排出ポンプ40を用いる本実施形態においては、例えば、エンジン10の停止後、排出ポンプ40を所定短時間(例えば、3〜5秒)駆動させることにより、エンジン10の停止直前に、クランク室24内に最後に貯まっていたブローバイガスを掃気することができる。特に、エンジン10の停止後にブローバイガスがクランク室24内部に残留するとクランク室24の内壁等に存在するエンジンオイルを劣化させてしまう。本実施形態の構成によれば、エンジン10の停止後所定短時間、エンジン本体12内の圧力が所定時間大気圧より低くなるように排出ポンプ40を動作させることにより、少なくともエンジンオイルが存在する、クランク室24からオイルセパレータ42の部分にブローバイガスが滞留することを防止することが可能になる。その結果、エンジン10の停止中のエンジンオイル劣化を抑制することができる。
なお、図1に示すエンジン10の構成及び図2、図3のフローチャートに示す処理手順は一例であり、エンジン本体12内の圧力を検出し、その検出結果に基づき、エンジン本体12側からブローバイガスを含む空気を吸引する排出ポンプ40の能力増減制御を行い、併せて、吸気管32へブローバイガスを含む空気の供給を能力増減制御を行った排出ポンプ40により行う構成であれば、適宜エンジン10の構成を変更しても本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係るドライサンプ式エンジンの構成概念を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るドライサンプ式エンジンの基本制御手順を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るドライサンプ式エンジンのアイドリング時の制御手順を説明する説明図である。
符号の説明
10 ドライサンプ式エンジン(エンジン)、12 エンジン本体、14 オイルタンク、16 ピストン、18 シリンダ、20 シリンダヘッド、22 ヘッドカバー、24 クランク室、26 排気バルブ、28 排気管、30 吸気バルブ、32 吸気管、34 スロットルバルブ、36 エアフローメータ、38 エアクリーナー、40 排出ポンプ、42 オイルセパレータ、44 供給ポンプ、46 供給管、48 循環路、50 圧力センサ、52 ポンプ制御部。

Claims (3)

  1. エンジン本体と、当該エンジン本体に供給循環させるエンジンオイルを一時的に蓄えるオイルタンクと、当該オイルタンクからエンジン本体にエンジンオイルを供給する供給ポンプと、エンジン本体内を循環したエンジンオイルと内部で発生したブローバイガスを含む空気をオイルタンク側に移送する排出ポンプと、オイルタンク側からブローバイガスを含む空気を吸気管に供給する供給経路と、を含むドライサンプ式エンジンであって、
    前記エンジン本体の内部空間の圧力を検出する圧力センサと、
    前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記排出ポンプの排出能力を増減制御するポンプ制御部と、
    を含み、
    前記供給経路は、吸気管のスロットルバルブ下流側に接続され、前記ポンプ制御部は、排出ポンプの能力増減により、エンジン本体からのブローバイガスを含む空気の排出及び供給経路を介したエンジン本体の燃焼室へブローバイガスを含む空気の流入量制御を行うことを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  2. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記ポンプ制御部は、エンジン本体の駆動状態に基づいてエンジン本体内部圧力が所定値以下になるように制御することを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  3. 請求項2記載のエンジンにおいて、
    前記ポンプ制御部は、前記エンジン本体の駆動状態がアイドリング状態の場合、アイドリング時に必要なブローバイガスを含む空気の吸気量をエンジン本体が得られるように排出ポンプを制御することを特徴とするドライサンプ式エンジン。
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