JP2005042593A - ターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン及びその運転方法 - Google Patents

ターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン及びその運転方法 Download PDF

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裕和 赤川
Tatsuo Takaishi
龍夫 高石
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Abstract

【課題】固定ターゲットレーザ着火方式及び吸収式レーザ着火方式を効果的に使い分けることにより、前記両着火方式の長所を備えて、固体ターゲットの耐久性を保持するとともにエンジンの全運転域においてレーザ光エネルギーを増大することなく確実なレーザ光着火をなし得るレーザ着火式エンジン及びその運転方法を提供する。
【解決手段】レーザ着火式エンジンにおいて、レーザ光を燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射と燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを施行可能に構成し、エンジンの負荷が一定値以下のときにはレーザ光を固定ターゲット照射し、該エンジン負荷が一定値を超えたときには前記レーザ光を吸収レーザ照射するように切り換えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてガスエンジン等の予混合燃焼エンジンに適用され、レーザ発信装置から発信されたレーザ光を燃焼室内のターゲットに照射して発生するプラズマにより、該燃焼室内に充填されたガスに着火するように構成され、エンジン負荷によって前記ターゲットを切り換え使用可能としたターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
予混合希薄燃焼ガスエンジンにおいては、希薄混合ガスの着火燃焼を促進するため、通常、副室に装着した点火プラグによって該副室内の濃混合比ガスに点火して着火し該着火火炎を主燃焼室内の希薄混合気中に噴出せしめて主燃焼させる点火プラグ着火方式、並びに、副室に装着したパイロット燃料噴射弁によって該副室内の混合ガス中にパイロット燃料を噴射して着火し該着火火炎を主燃焼室内の希薄混合気中に噴出せしめて主燃焼させるパイロット燃料噴射着火方式が多く用いられている。
【0003】
しかしながら、前記点火プラグ着火方式は運転時間の経過とともに点火プラグギャップが増大して着火性能が低下し易く,かつ筒内有効平均圧力の上昇が制限されるという課題があり、また前記パイロット燃料噴射着火方式は、前記課題は解決可能であるが高圧の燃料噴射システムを必要とするため、構造が複雑かつ高コストとなり,またTDC(上死点)近傍でパイロット燃料を噴射して燃焼させることからNOxの発生量が多くなるという課題を有している。
【0004】
そこで、予混合希薄燃焼ガスエンジンにおいては、前記点火プラグ着火方式及びパイロット燃料噴射着火方式に代わる着火方式として、レーザ光を燃焼室内のターゲットあるいはレーザ光ポイントに照射してプラズマ着火を発生させるレーザ着火方式が提案されている。
かかるレーザ着火方式には、ピストン表面上に固定した耐熱金属製の固体ターゲットにレーザ光を照射してプラズマを発生させる固定ターゲットレーザ着火方式と、燃焼室内のガスに直接レーザ光を照射して該ガスにレーザ光のエネルギーを吸収させプラズマを発生させる吸収式レーザ着火方式とが採用されている。
前記固定ターゲットレーザ着火方式として、特許文献1(特開平8−68374号公報)、吸収式レーザ着火方式として特許文献2(特開2002−295256号公報)の技術がそれぞれ提案されている。
【0005】
特許文献1の技術においては、燃焼室内空間に支持部材によって支持された耐熱金属製の固体ターゲット(図1)、あるいはピストン表面上に固定された前記固体ターゲット(図2)にレーザ光を照射してプラズマを発生させ、該プラズマにより希薄混合ガスを着火燃焼せしめるようにしている。
特許文献2の技術においては、レーザ発信装置からのレーザ光(紫外光レーザ)を集光レンズで燃焼室内の希薄混合ガス中で集光させて、該混合ガスに集光レーザ光を吸収させることにより高温のプラズマを発生させ、該プラズマにより希薄混合ガスを着火燃焼せしめるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−68374号公報
【特許文献2】
特開2002−295256号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されているような固定ターゲットレーザ着火方式は、ピストン表面上の固体ターゲットにレーザ光を照射することにより、数mj(ミリジュール)〜10数mj程度の低出力のレーザ光源出力で以って数10万℃という超高温のプラズマを発生させることが可能となる。
しかしながら、前記な固定ターゲットレーザ着火方式は、固体ターゲットにレーザ光が直接照射され、また該固体ターゲットが高温の燃焼室内に常時晒されているため、該固体ターゲットが焼損等によって破損し易い状況にあり、また燃焼室内の1点にある固体ターゲットにピントを合わせてレーザ光を照射することを要するため、レーザ光の照射に高精度の制御が必要となる。
【0008】
一方、特許文献2に開示されているような吸収式レーザ着火方式は、レーザ光を燃焼室内ガス中のレーザ光ピントに直接照射して該ガスにレーザ光を吸収させ、ピント合せした超微小領域のみを高温にするものであるため、前記固定ターゲットレーザ着火方式のような、固体ターゲットの破損の問題はなく、またレーザ光の照射に高精度の制御を必要とせずレーザ光の照射制御装置が簡単になる。
しかしながら、かかる吸収式レーザ着火方式にあっては、前記ガスが空気リッチの希薄空気の場合には、通常の使用波長域では、該空気はレーザ光エネルギー吸収効率が数%と低率なため、着火に必要なレーザ光源出力は数100mj以上という高エネルギーが必要となり、かかるレーザエネルギーは、空気過剰率を大きくするに従い2次関数的に増大する。
加えてかかる吸収式レーザ着火方式にあっては、レーザ光源から出力されるレーザ光束の径に対して空気中におけるピントの径は1/20以下とする必要があることから、レーザ光のエネルギー密度を前記固定ターゲットレーザ着火方式よりも大幅に増大することを要する。
【0009】
従って、かかる吸収式レーザ着火方式にあっては、前記のような高密度のレーザエネルギーのレーザ光を供給するためのレーザ光供給設備が高価格となる。
また、前記のような高エネルギー密度のレーザ光を伝送するには、光ファイバーを使用すると強力なレーザ光によって該光ファイバーに機能不良や焼損等が発生する恐れがあることから、前記レーザ光の伝送手段としては、伝送管とミラーを組み合わせた伝送手段を用いる必要があり、光ファイバーを使用する場合に比べて整備性に課題がある。
さらに、かかる吸収式レーザ着火方式にあっては、前記のように高エネルギー密度のレーザ光がシールガラスを透過するため、シールガラスの表面が溶融、焼損し易いという問題点を抱えている。
【0010】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、前記固定ターゲットレーザ着火方式及び吸収式レーザ着火方式を効果的に使い分けることにより、前記両着火方式の長所を備えて、固体ターゲットの耐久性を保持するとともにエンジンの全運転域においてレーザ光エネルギーを増大することなく確実なレーザ光着火をなし得るレーザ着火式エンジン及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる目的を達成するもので、レーザ発信装置からのレーザ光を光ファイバー、レーザ光伝送管を含むレーザ光伝送手段を通して、シリンダヘッドに装着されて該レーザ光を集光するレーザ光集光装置に伝送し、該レーザ光集光装置から集光レーザ光を燃焼室内に照射して発生させたプラズマにより前記燃焼室内のガスに着火するように構成されたレーザ着火式エンジンにおいて、前記レーザ光集光装置を、前記レーザ光をピストン、シリンダヘッド、シリンダライナを含む燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射部と、前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射部とにより構成したことを特徴とする。
【0012】
かかる発明において、好ましくは、前記レーザ発信装置から発信されるレーザ光のエネルギー及びレーザ光パルスを変化させるレーザ制御装置と、前記レーザ光の前記固定ターゲット照射部への供給と前記吸収レーザ照射部への供給とを切り換えるレーザ光切換手段と、前記エンジンの負荷(エンジン負荷)が一定値以下のとき前記レーザ光を前記固定ターゲット照射部から照射し、該エンジン負荷が一定値を超えたとき前記レーザ光を前記吸収レーザ照射部から照射するように前記レーザ光切換手段を制御する制御手段とを有する。
そして、エンジンの負荷を検出して前記制御手段に入力するエンジン負荷検出器を備え、前記制御手段は、該エンジン負荷検出器からのエンジン負荷の検出値に基づき前記レーザ光切換手段を切り換え制御するように構成するのがよい。
また、前記レーザ光切換手段は、前記レーザ発信装置からのレーザ光を反射するとともに前記回転駆動されて前記固定ターゲット照射部へのレーザ光の供給と前記吸収レーザ照射部へのレーザ光の供給とを切り換える回転ミラーにて構成するのがよい。
【0013】
また、前記のように構成されたレーザ着火式エンジンの運転方法として、前記レーザ光を燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射と前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを可能に構成し、エンジン負荷が一定値以下のときにはレーザ光を固定ターゲット照射し、エンジン負荷が一定値を超えたときには前記レーザ光を吸収レーザ照射するように切り換えることを特徴とする運転方法を提案する。
【0014】
かかる発明によれば、エンジンの起動時及び低負荷運転時には、燃焼室内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でないため、前記制御手段により、レーザ発信装置からのレーザ光をレーザ光集光装置の固定ターゲット照射部に導き該固定ターゲット照射部から燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射して、前記希薄混合ガスを着火燃焼せしめる。
これにより、着火燃焼性が良好でない起動時及び低負荷運転時には、前記固体ターゲットにレーザ光を照射することにより、数mj(ミリジュール)〜10数mj程度の低出力のレーザ光源出力で以って数10万℃という超高温のプラズマを発生させることができて、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できる。
【0015】
一方、エンジンの中、高負荷運転時には、燃焼室周りの温度が上昇して燃焼室内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が起動時及び低負荷運転時よりもはるかに上昇するため、前記制御手段により、レーザ発信装置からのレーザ光をレーザ光集光装置の吸収ターゲット照射部に導き、該吸収ターゲット照射部から燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させ、前記希薄混合ガスを着火燃焼せしめる。
従って、エンジンの中、高負荷運転時には燃焼室内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が良好であるため、吸収式レーザ着火方式であっても、起動時及び低負荷運転時のような大きなレーザ光エネルギーを必要とせず、レーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
【0016】
従って、かかる発明によれば、エンジン負荷によって固体ターゲットにレーザ光を照射する固定ターゲット照射とレーザ光を燃焼室内ガスのレーザ光ポイントに照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを切り換え使用することにより、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でない起動時及び低負荷運転時には、固定ターゲット照射部から固体ターゲットにレーザ光を照射して、低出力のレーザ光源出力で以って超高温のプラズマを発生させ、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できるとともに、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が起動時及び低負荷運転時よりも良好な中、高負荷運転時には、吸収レーザ照射部から燃焼室内のレーザ光ピントにレーザ光を照射して、吸収式レーザ着火方式であってもレーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
【0017】
これにより、レーザ発信装置を含むレーザ光供給設備に高エネルギー密度のレーザ光を供給するための高価格の設備が不要となって、低コストのレーザ光供給設備で以って、エンジンの全運転域において空気リッチの希薄混合ガスへの安定した着火燃焼をなすことができる。
また、レーザ発信装置から伝送管内あるいは光ファイバーを通してレーザ光集光装置のシールガラスを透過するレーザ光のエネルギー密度が小さくなるので、高エネルギー密度のレーザ光が透過することに伴うシールガラスの溶融、焼損の発生を回避できて、装置の耐久性が向上するとともに、レーザ光のエネルギー密度が小さくなることにより、レーザ光の伝送手段として光ファイバーの採用が可能となり、装置の整備性が向上する。
【0018】
また、本発明は、前記レーザ発信装置から発信されるレーザ光のエネルギー及びレーザ光パルスを変化させるレーザ制御装置と、前記レーザ光の前記固定ターゲット照射部への供給と前記吸収レーザ照射部への供給とを切り換えるレーザ光切換手段と、前記エンジンにおけるEGR(排気ガス再循環)を検出して前記制御手段に入力するEGR検出器と、前記EGR検出器からEGRが検出されないときには前記レーザ光を前記固定ターゲット照射部から照射し、前記EGR検出器からEGRが検出されたとき前記レーザ光を前記吸収レーザ照射部から照射するように前記レーザ光切換手段を制御する制御手段とを有する。
【0019】
そして、かかる構成からなるレーザ着火式エンジンの運転方法として、エンジンのEGR(排気ガス再循環)を検出するとともに、前記レーザ光を燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射及び燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射を可能に構成し、前記EGRが検出されないときにはレーザ光を固定ターゲット照射し、EGRが検出されたときにはレーザ光を吸収レーザ照射することを特徴とする運転方法を提案する。
【0020】
このように構成すれば、EGRがなされてレーザ光の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が多量に燃焼室内に導入される中、高負荷運転時には吸収レーザ照射部から燃焼室内におけるCO2中のレーザ光ピントにレーザ光を照射することにより、レーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
また、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でなく、かつEGRもなされていない起動時及び低負荷運転時には、固定ターゲット照射部から固体ターゲットにレーザ光を照射して、低出力のレーザ光源出力で以って超高温のプラズマを発生させることにより、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できる。
【0021】
また、本発明において、好ましくは、前記固体ターゲットとして、電気抵抗率R≧60μΩ・cmの金属材料を用いる。
このように構成すれば、レーザ光集光装置の固定ターゲット照射部からのレーザ光が照射される固体ターゲットの材質を、前記のように、電気抵抗率R≧60μΩ・cmの金属材料とすることにより、レーザ光によるプラズマ強度が大きくなって、燃焼室内における着火確率を100%に保持できて、空気リッチの希薄混合ガスにおいても確実な着火燃焼を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0023】
図1は本発明の実施例に係るターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式ガスエンジンの断面図を含む全体構成図、図2はターゲット切り換えの制御ブロック図である。図3は図1のZ部拡大図である。図4は固体ターゲットにおける電気抵抗率とプラズマ光強度との関係線図、図5はプラズマ光強度と着火確率との関係線図である。
【0024】
本発明の実施例を示す図1において、31はガスエンジン(以下エンジンという)のシリンダヘッド、33はピストン、34はシリンダライナ、32は該シリンダヘッド31、ピストン33及びシリンダライナ34により区画形成された燃焼室、35はコネクチングロッド、36はクランク軸である。
また、41は給気ポート、39は該給気ポート41を開閉する給気弁、42は排気ポート、40は該排気ポート42を開閉する排気弁である。
【0025】
前記ピストン33の表面にはターゲット(固体ターゲット)8が固着されている。該ターゲット8は直径5mm程度の小径薄肉円板からなり、ステンレス板、後述するような超合金、チタン合金等にて構成し、ピストン33の表面にコーティングにより固着されている。
60は前記シリンダヘッド31の内部に組み込まれたレーザ光集光装置、7(7a、7b)は後述するレーザ発信装置1から発信されたレーザ光2を前記レーザ光集光装置60に伝送する光ファイバーである。
【0026】
前記レーザ光集光装置60の詳細を示す図3において、64は集光シールガラスで、石英ガラス等の耐熱性を有する透明ガラスからなり、前記ターゲット8上に集光するような入光面64a及び出光面64bを有する第1のレンズ部640、及び前記燃焼室32内のレーザ光ピント80の位置にて集光するような入光面64c及び出光面64dを有する第2のレンズ部641が並設されて構成されている。これにより、1つの集光シールガラス64で、異なる2つの焦点距離を有する集光レンズの機能と、燃焼室32内のガスシールの機能を備えることとなり、レーザ光集光装置60の構造が簡単となる。
【0027】
73は前記集光シールガラス64の上部に設置された押えねじ、065は該集光シールガラス64の上、下面外周と前記押えねじ73の下面及びシリンダヘッド31との間に介装されたガスケットであり、該押えねじ73をシリンダヘッド31の取付穴内にねじ込む(73aはねじ部)ことにより、該押え部材73を介して前記集光シールガラス64を流体密に該取付穴内に固定している。
また、前記光ファイバーの一方7aの端部は前記第1のレンズ部640にレーザ光を入光するように、前記光ファイバーの他方7bの端部は前記第2のレンズ部641にレーザ光を入光するように位置付けられて、伝送管支持材74により前記押えねじ73の内部に固着されている。
【0028】
図1に戻り、1はレーザ光(レーザパルス)2を発信するレーザ発信装置、5は各シリンダに設けられたミラー(回転ミラー)である。該ミラー5は、ミラー駆動装置6によって回転駆動されて、前記レーザ発信装置1からのレーザ光2を分光し、この分光レーザ光2a及び2bを前記第1のレンズ部640への光ファイバー7a及び前記第2のレンズ部641への光ファイバー7bにそれぞれ投入するようになっている。
【0029】
20は前記レーザ発信装置1から発信されるレーザ光2のパルス間隔、レーザ光エネルギー(レーザ光の強さ)等を制御するレーザ制御装置である。
51はエンジンの回転数を検出する回転数検出器、52はエンジンの負荷を検出する負荷検出器である。38はクランク角検出用のタイミング円板で回転軸37を介して前記クランク軸36に連結されて、クランク角を検出している。53は前記エンジンにおけるEGR(排気ガス再循環)の有無を検出するEGR検出器である。
【0030】
100は後述する制御動作を行うコントローラで、前記回転数検出器51からエンジンの回転数の検出値が、前記負荷検出器52からエンジンの負荷の検出値が、前記タイミング円板38からエンジンのクランク角の検出値が、EGR検出器53からEGRの有無が、夫々入力されて、前記ミラー駆動装置6にミラー5の回転制御信号を出力するとともに、前記レーザ制御装置20にレーザ光のパルス及びエネルギー制御信号を出力するものである。
【0031】
次に、図1及び図2のターゲット切り換え制御ブロック図に基づき、かかる構成からなるターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジンの動作を説明する。
図1において、前記のように、前記コントローラ100には、回転数検出器51からのエンジンの回転数の検出値、タイミング円板38からのクランク角の検出値、負荷検出器52からのエンジンの負荷の検出値、及びEGR検出器53からのEGRの有無の検出信号が入力されている。
【0032】
該コントローラ100においては、前記エンジン回転数の検出値に従い当該回転数に対応するパルス間隔に一致するようなミラー5の回転角を算出して前記ミラー駆動装置6に出力する。これにより、該ミラー駆動装置6は、かかるエンジン回転数に基づく制御信号と後述するミラー切換制御信号によって回転制御される。
また、前記コントローラ100においては、前記レーザ制御装置20に前記ミラー5の回転制御信号を出力し、該レーザ制御装置20は前記レーザ発信装置1からエンジン回転数の検出値に対応するパルス間隔で、レーザ光2を前記ミラー5の回転制御信号に同期して発信せしめる。
【0033】
次に、図2に基づきターゲット切り換え制御動作について説明する。
前記負荷検出器52からエンジンの負荷の検出値、及びEGR検出器53からのEGR有無の検出信号は、前記コントローラ100の使用ターゲット選出部101に夫々入力される。
102は負荷〜使用ターゲット設定部で、該負荷〜使用ターゲット設定部102においては、次のようなエンジン負荷及びEGRによる使用ターゲットの切換条件が設定されている。
【0034】
即ち、エンジンの起動時及び低負荷運転時には、燃焼室32内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でないことから、固定ターゲットレーザ着火方式を用いることとし、前記レーザ発信装置1からのレーザ光2をレーザ光集光装置60の固定ターゲット照射部を構成する前記第1のレンズ部640に伝送する。
また、EGRがなされていないときには、レーザ光の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が燃焼室32内に供給されないので、前記と同様に固定ターゲットレーザ着火方式を用いることとし、前記レーザ発信装置1からのレーザ光2をレーザ光集光装置60の第1のレンズ部640に伝送する。
【0035】
一方、エンジンの中、高負荷運転時には、燃焼室32周りの温度が上昇して、該燃焼室32内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が起動時及び低負荷運転時よりもはるかに上昇することから、吸収レーザ着火方式を用いることとし、前記レーザ発信装置1からのレーザ光2を、レーザ光集光装置60の吸収レーザ照射部を構成する前記第2のレンズ部641に伝送する。
また、中、高負荷運転時にEGRがなされて、レーザ光2の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が多量に燃焼室32内に導入されているときには、前記と同様に吸収レーザ着火方式を用いることとし、前記レーザ発信装置1からのレーザ光2をレーザ光集光装置60の第2のレンズ部641に伝送する。
【0036】
使用ターゲット選出部101においては、前記負荷検出器52からエンジン負荷の検出値及びEGR検出器53からのEGR有無の検出信号を、前記負荷〜使用ターゲット設定部102に設定されている使用ターゲットの切換条件と衝き合わせ、
前記エンジン負荷の検出値が前記固定ターゲットレーザ着火方式の負荷範囲つまり起動時及び低負荷範囲にあるとき、及び/またはEGRがなされていないときには、前記ミラー5の回転角を、前記固定ターゲット照射部を構成する第1のレンズ部640にレーザ光2を伝送するための前記第1の光ファイバー7aの入口にレーザ光2が入光するような回転角に設定する制御信号を、前記ミラー駆動装置6に出力する。
【0037】
また、前記エンジン負荷の検出値が前記吸収レーザ着火方式の負荷範囲つまり中、高負荷範囲にあるとき、及び/またはEGRがなされているときには、前記ミラー5の回転角を、前記吸収レーザ照射部を構成する第2のレンズ部641にレーザ光2を伝送するための前記第2の光ファイバー7bの入口にレーザ光2が入光するような回転角に設定する制御信号を、前記ミラー駆動装置6に出力する。
また、前記使用ターゲット選出部101においては、前記のようにして選出された固定ターゲットレーザ着火方式あるいは吸収レーザ着火方式に従い、選出された着火方式に対応するレーザエネルギーを算出して、前記レーザ制御装置20に出力する。
【0038】
前記ミラー駆動装置6は、前記固定ターゲットレーザ着火方式を用いる起動時及び低負荷範囲及び/またはEGRがなされていない運転域においては、前記ミラー5を、前記第1の光ファイバー7aの入口にレーザ光2が入光するような回転角に駆動し、前記レーザ制御装置20は前記ミラー5の回転に同期してレーザ発信装置1にレーザ光2を発信せしめる。
これにより、該レーザ光2はミラー5を介して第1の光ファイバー7aの入口に投入せしめられ、該第1の光ファイバー7aを通って前記第1のレンズ部640で集光され、前記ピストン33の表面に固着されたターゲット8に照射せしめられる。そしてかかる照射によって発生するプラズマにより、該燃焼室32内に充填された混合ガスが着火燃焼せしめられる。
【0039】
前記ミラー駆動装置6は、前記吸収レーザ着火方式を用いる中、高負荷範囲及び/またはEGRがなされている運転域においては、前記ミラー5を、前記第2の光ファイバー7bの入口にレーザ光2が入光するような回転角に駆動し、前記レーザ制御装置20は前記ミラー5の回転に同期してレーザ発信装置1にレーザ光2を発信せしめる。
これにより、該レーザ光2はミラー5を介して第2の光ファイバー7bの入口に投入せしめられ、該第2の光ファイバー7bを通って前記第2のレンズ部641で集光され、前記燃焼室32内のレーザ光ピント80に照射せしめられる。そしてかかる照射によって発生するプラズマにより、該燃焼室32内に充填された混合ガスが着火燃焼せしめられる。
【0040】
かかる実施例によれば、エンジン負荷によって、固定されたターゲット8にレーザ光2を照射する固定ターゲット照射と該レーザ光2を燃焼室内ガスのレーザ光ポイント80に照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを切り換え使用することにより、燃焼室32内に充填された希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でない起動時及び低負荷運転域、あるいはEGRがなされてなくレーザ光の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が燃焼室32内に供給されていない運転域においては、前記ピストン33表面に固着されたターゲット8にレーザ光2を照射することにより、数mj(ミリジュール)〜10数mj程度の低出力のレーザ光源出力で以って数10万℃という超高温のプラズマを発生させることができる。これにより、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できる。
【0041】
一方、燃焼室32周りが高温になり、燃焼室32内における希薄混合ガスの着火燃焼性が良好となる中、高負荷運転域、あるいはEGRがなされてレーザ光の吸収着火性の良好なCO2が燃焼室32内に供給されているEGR運転域においては、前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイント80にレーザ光2を照射して該ガスにレーザ光を吸収させ、前記希薄混合ガスを着火燃焼せしめる。
これにより、前記中、高負荷運転域あるいはEGRがなされている運転域においては、吸収式レーザ着火方式であっても、起動時及び低負荷運転時のような大きなレーザ光エネルギーを必要とせず、レーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
【0042】
また、前記レーザ発信装置1から供給されて前記レーザ光集光装置60の集光シールガラス64を透過するレーザ光2のエネルギー密度が小さくなるので、高エネルギー密度のレーザ光が透過することに伴うシールガラスの溶融、焼損の発生を回避できて、装置の耐久性が向上するとともに、レーザ光のエネルギー密度が小さくなることにより、レーザ光の伝送手段として光ファイバー7の採用が可能となり、装置の整備性が向上する。
また、EGRがなされてレーザ光2の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が多量に燃焼室32内に導入される中、高負荷運転時には、吸収レーザ照射部である前記第2のレンズ641で集光したレーザ光を、燃焼室内32におけるCO2中のレーザ光ピント80に照射することにより、レーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
【0043】
また、図4は前記固体ターゲット8を用いた場合の、該ターゲット8の電気抵抗率R(μΩ・cm)と該ターゲット8に向けてレーザ光2を照射したときのターゲット8の電気抵抗率R(μΩ・cm)と該照射により発生するプラズマ強度Eとの関係を示す実験結果である。また、図5は一定空気過剰率下における、プラズマ強度Eと着火確率(%)との関係を示す実験結果である。
【0044】
図5に明らかなように、前記プラズマ強度EがE=25以上になると安定着火となり、また図5に明らかなように、かかる安定着火のプラズマ強度E、を得るには、前記電気抵抗率率RがR以上、つまりR≧60μΩ・cmとすることが必要である。したがって、前記ターゲット8は、電気抵抗率率R≧60μΩ・cmの材料、例えば超合金、チタン合金等を用いるのがよい。
このように構成すれば、ターゲット8の材質を、電気抵抗率R≧60μΩ・cmの金属材料とすることにより、レーザ光2によるプラズマ強度が大きくなって、燃焼室32内における着火確率を100%に保持できて、空気リッチの希薄混合ガスにおいても確実な着火燃焼を実現できる。
【0045】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、エンジン負荷によって固体ターゲットにレーザ光を照射する固定ターゲット照射とレーザ光を燃焼室内ガスのレーザ光ポイントに照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを切り換え使用することにより、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でない起動時及び低負荷運転時には、固定ターゲット照射部から固体ターゲットにレーザ光を照射して、低出力のレーザ光源出力で以って超高温のプラズマを発生させ、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できるとともに、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が起動時及び低負荷運転時よりも良好な中、高負荷運転時には、吸収レーザ照射部から燃焼室内のレーザ光ピントにレーザ光を照射して、吸収式レーザ着火方式であってもレーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
【0046】
これにより、レーザ発信装置を含むレーザ光供給設備に高エネルギー密度のレーザ光を供給するための高価格の設備が不要となって、低コストのレーザ光供給設備で以って、エンジンの全運転域において空気リッチの希薄混合ガスへの安定した着火燃焼をなすことができる。
また、レーザ発信装置から伝送管内あるいは光ファイバーを通してレーザ光集光装置のシールガラスを透過するレーザ光のエネルギー密度が小さくなるので、高エネルギー密度のレーザ光が透過することに伴うシールガラスの溶融、焼損の発生を回避できて装置の耐久性が向上するとともに、レーザ光のエネルギー密度が小さくなることにより、レーザ光の伝送手段として光ファイバーの採用が可能となり、装置の整備性が向上する。
【0047】
また、本発明によれば、EGRがなされてレーザ光の吸収着火性の良好なCO2(炭酸ガス)が多量に燃焼室内に導入される中、高負荷運転時には、吸収レーザ照射部から燃焼室内におけるCO2中のレーザ光ピントにレーザ光を照射することにより、レーザ光エネルギーの増大を最小限に抑制して良好な着火燃焼性を保持できる。
一方、燃焼室内の希薄混合ガスの着火燃焼性が良好でなく、かつEGRもなされていない起動時及び低負荷運転時には、固定ターゲット照射部から固体ターゲットにレーザ光を照射して、低出力のレーザ光源出力で以って超高温のプラズマを発生させることにより、レーザ光エネルギーを増大することなく良好な着火燃焼性を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式ガスエンジンの断面図を含む全体構成図である。
【図2】ターゲット切り換えの制御ブロック図である。
【図3】図1のZ部拡大図である。
【図4】固体ターゲットにおける電気抵抗率とプラズマ光強度との関係線図である。
【図5】プラズマ光強度と着火確率との関係線図である。
【符号の説明】
1 レーザ発信装置
2 レーザ光
5 ミラー
6 ミラー駆動装置
7 光ファイバー
7a 第1の光ファイバー
7b 第2の光ファイバー
8 ターゲット(固体ターゲット)
20 レーザ制御装置
31 シリンダヘッド
32 燃焼室
33 ピストン
34 シリンダライナ
36 クランク軸
38 タイミング円板
51 回転数検出器
52 負荷検出器
53 EGR検出器
60 レーザ光集光装置
64 集光シールガラス
640 第1のレンズ
641 第2のレンズ
80 レーザ光ポイント
100 コントローラ

Claims (8)

  1. レーザ発信装置からのレーザ光を光ファイバー、レーザ光伝送管を含むレーザ光伝送手段を通して、シリンダヘッドに装着されて該レーザ光を集光するレーザ光集光装置に伝送し、該レーザ光集光装置から集光レーザ光を燃焼室内に照射して発生させたプラズマにより前記燃焼室内のガスに着火するように構成されたレーザ着火式エンジンにおいて、前記レーザ光集光装置を、前記レーザ光をピストン、シリンダヘッド、シリンダライナを含む燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射部と、前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射部とにより構成したことを特徴とするターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  2. 前記レーザ発信装置から発信されるレーザ光のエネルギー及びレーザ光パルスを変化させるレーザ制御装置と、前記レーザ光の前記固定ターゲット照射部への供給と前記吸収レーザ照射部への供給とを切り換えるレーザ光切換手段と、前記エンジンの負荷(エンジン負荷)が一定値以下のとき前記レーザ光を前記固定ターゲット照射部から照射し、該エンジン負荷が一定値を超えたとき前記レーザ光を前記吸収レーザ照射部から照射するように前記レーザ光切換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載のターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  3. エンジンの負荷を検出して前記制御手段に入力するエンジン負荷検出器を備え、前記制御手段は、該エンジン負荷検出器からのエンジン負荷の検出値に基づき前記レーザ光切換手段を切り換え制御するように構成されてなることを特徴とする請求項2記載のターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  4. 前記レーザ発信装置から発信されるレーザ光のエネルギー及びレーザ光パルスを変化させるレーザ制御装置と、前記レーザ光の前記固定ターゲット照射部への供給と前記吸収レーザ照射部への供給とを切り換えるレーザ光切換手段と、前記エンジンにおけるEGR(排気ガス再循環)を検出して前記制御手段に入力するEGR検出器と、前記EGR検出器からEGRが検出されないときには前記レーザ光を前記固定ターゲット照射部から照射し、前記EGR検出器からEGRが検出されたとき前記レーザ光を前記吸収レーザ照射部から照射するように前記レーザ光切換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載のターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  5. 前記レーザ光切換手段は、前記レーザ発信装置からのレーザ光を反射するとともに前記回転駆動されて前記固定ターゲット照射部へのレーザ光の供給と前記吸収レーザ照射部へのレーザ光の供給とを切り換える回転ミラーにて構成されたことを特徴とする請求項2記載のターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  6. 前記固体ターゲットとして、電気抵抗率R≧60μΩ・cmの金属材料を用いたことを特徴とする請求項1記載のターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジン。
  7. レーザ発信装置からのレーザ光を光ファイバー、レーザ光伝送管を含むレーザ光伝送手段を通して、該レーザ光を集光するレーザ光集光装置に伝送し、該レーザ光集光装置から集光レーザ光を燃焼室内に照射して発生させたプラズマにより前記燃焼室内のガスに着火するように構成されたレーザ着火式エンジンの運転方法において、前記レーザ光をピストン、シリンダヘッド、シリンダライナを含む燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射と前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射とを可能に構成し、前記エンジンの負荷(エンジン負荷)が一定値以下のときには前記前記レーザ光を固定ターゲット照射し、該エンジン負荷が一定値を超えたときには前記レーザ光を吸収レーザ照射するように切り換えることを特徴とするターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジンの運転方法。
  8. レーザ発信装置からのレーザ光を光ファイバー、レーザ光伝送管を含むレーザ光伝送手段を通して、該レーザ光を集光するレーザ光集光装置に伝送し、該レーザ光集光装置から集光レーザ光を燃焼室内に照射して発生させたプラズマにより前記燃焼室内のガスに着火するように構成されたレーザ着火式エンジンの運転方法において、前記エンジンのEGR(排気ガス再循環)を検出するとともに、前記レーザ光をピストン、シリンダヘッド、シリンダライナを含む燃焼室構成部材の表面に固定した固体ターゲットに照射する固定ターゲット照射及び前記燃焼室内ガスのレーザ光ポイントにレーザ光を照射して該ガスにレーザ光を吸収させる吸収レーザ照射を可能に構成し、前記EGRが検出されないときには前記レーザ光を前記固定ターゲット照射し、前記EGRが検出されたときには前記レーザ光を前記吸収レーザ照射することを特徴とするターゲット切換式レーザ供給システムを備えたレーザ着火式エンジンの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013528257A (ja) * 2010-05-27 2013-07-08 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関のためのレーザ誘導式外部点火装置
CN103459831A (zh) * 2011-04-05 2013-12-18 浜松光子学株式会社 激光点火装置
WO2020121981A1 (ja) 2018-12-10 2020-06-18 ダイキン工業株式会社 テトラフルオロエチレン重合体、エアフィルタ濾材、フィルタパック、および、エアフィルタユニット

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