JP2005041763A - 新規ゼオライト、その水酸基及び金属含有体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規な結晶構造を有する高シリカ含有ゼオライトの製造方法を提供する。
【解決手段】 結晶性層状ケイ酸塩化合物を脱水重縮合させることにより、化学組成が[(Si36-XY ・O72)・MZ ](式中、MはLi、Na、K、Rb等のアルカリ金属陽イオン、Tは骨格置換元素としてAl、Ga、Fe、Ceを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦1.0、zは0≦z≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si−Oの共有結合からなるマイクロ孔を有し、粉末X線回折において2θに特定の回折ピークを有するゼオライトを製造することからなる新規な結晶構造を有するゼオライトの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規ゼオライトの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、化学組成が[(Si36-XY ・O72)・MZ ](式中、MはLi、Na、K、Rbに代表されるアルカリ金属陽イオン、Tは骨格置換元素としてAl、Ga、Fe、Ceを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦1.0、zは0≦z≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環及び8員環からなる細孔構造を有する新規ゼオライトCDS−1の製造方法に関するものである。
本発明は、近年、高機能触媒として世界的に注目されている高シリカ型ゼオライトに代表されるニュータイプのゼオライトの合成技術の分野において、例えば、分離・吸着剤、形状選択性固体触媒、イオン交換剤、クロマトグラフィー充填剤、化学反応場等に用いることのできる、新規な高シリカ組成のゼオライトの製造方法を提供するものとして有用である。
ゼオライトは、原子レベルで規則的に配列したマイクロ孔(3−10Å)を有し、例えば、骨格構造の構成元素が、Si、Al、Oからなるアルミノシリケートは、形状選択的な、あるいは骨格構造に起因した化学的・物理的吸着作用を持つことから、例えば、モレキュラーシーブ(分子ふるい)、分離吸着剤、イオン交換体、石油関連触媒等としての機能を有する。従来、天然及び合成ゼオライトとして、140種類ほどの異なる構造が知られており、それと骨格元素の組成を組み合わせることで、目的に合わせた化学的性質や構造安定性、耐熱性を兼ね備えた多孔質材料のゼオライトが、石油化学を中心とする幅広い産業分野で用いられている。
各ゼオライトは、規則的な細孔構造をもつ結晶構造により区別され、一義的なX線回折パターンを与える。そして、その結晶構造は、ゼオライトの細孔や空孔の形や大きさを規定する。各モレキュラーシーブの吸着特性や触媒性能は、部分的にはその細孔や空孔の形や大きさで決まる。したがって、特定の応用を考えた場合、ある特定のゼオライトの有用性は、少なくとも部分的にはその結晶構造に依存する。実用に供されているゼオライトは、構造面から分類すれば、10数種類にすぎない。これは、使用に当たっての機械的強度や耐熱性が低いものが多いことによる。
高シリカ組成のゼオライトは、耐熱性が高い、及び疎水性が高い、という2つの意味で低シリカ組成よりも優れており、充分な機械的強度を備えている。これらの性質は、ゼオライトを有機反応の触媒として使用する場合に重要である。ゼオライト合成研究の初期の段階では、シリカ/アルミナ比の低い生成物しか得られていなかったが、シリカ源からなる出発ゲル中に有機結晶化調整剤を加えることで、はるかにシリカ/アルミナ比の高い組成を持つゼオライトの合成が可能になった(非特許文献1参照)。例えば、MFI型ゼオライト(シリカライト)は、高い疎水性を有し、分離吸着剤として用いられている。
ゼオライトの触媒性能や吸着特性は、細孔や空孔の大きさや形状、すなわち、その結晶構造に依存する。現在、工業利用が可能なゼオライトの種類は限られており、更に用途を拡大するためには、新規の結晶構造を有するゼオライトの合成が望まれる。特に、新規構造を持った耐熱性の優れた高シリカゼオライトの合成は、近年、注目されている気相ベックマン転位などの合成プロセスにおける高機能触媒として非常に有用であると考えられる(特許文献1〜2参照)。
これらのゼオライトは、一般に、水熱合成法、すなわち、大量の水とアルミニウム源、シリカ源、アルカリ金属、及びアミン類などの有機結晶化調整剤(生成するゼオライトの細孔を形成する鋳型剤)を所望の化学組成になるように調合し、オートクレーブ等の圧力容器にそれらを封じ込めて加熱することにより、自己圧下で製造されている。近年、触媒・材料分野では、より大孔径の高シリカゼオライトの合成が課題となっている。
そのためのアプローチの一つとして、有機結晶化調整剤の空間的なサイズを大きくすることで、生成ゼオライトの細孔径も広がるものと期待される。今日では、有機結晶化調整剤は、ゼオライトの結晶化プロセスに重要な役割を担うと考えられている。有機アミンと4級アンモニウムカチオンを調整剤に使用することは、1960年代初頭に最初に報告された(非特許文献2参照)。その後、このアプローチにより、多くの新規ゼオライトが発見されるに至っただけでなく、生成する結晶性生成物の化学組成範囲を従来よりも広げた。
しかし、4級アンモニウムカチオンなど、一部を除く多くの有機結晶化調整剤では、ゼオライト骨格を形成するための分子設計の指針も確立しておらず、合成も高度な技術と時間を要する。また、工業的にはそれらの有機結晶化調整剤を燃焼させ、ゼオライト中から除去するプロセスも必要となり、コストや環境面では問題がある。また、水熱合成法では、結晶化のメカニズムがいまだ明確にはなっていないという問題がある。
このように、従来の水熱合成法は、一段合成の場合であり、そのため、新規な結晶構造を有するゼオライトを合成するには、様々な合成条件を細かく試行・調査するしかなく、特に、骨格構造を任意に作り上げることは困難とされていた。
特開2000−256308号公報 特開2000−256309号公報 R. M. Barrer, Hydrothermal Chemistry of Zeolites, New York: Academic Press, Inc. pp. 157-170 (1982) R. M. Barrer and P. J. Denny, J. Chem.Soc., pp.971-982 (1961)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、このような問題は、従来型の合成法では、物質設計に関する、明確な設計プロセスが構築されていないためによると考え、高シリカ含有ゼオライトを任意に作り上げることが可能な新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、多機能なゼオライト化合物を新たに製造するための1つの考え方として、原子レベルで高度に規則化した層状ケイ酸塩化合物の基本骨格部位(パーツ)を用い、積み木細工のように新化合物を設計し、組織化させることが有効であるとの立場に立って、所望のパーツのみを均一に合成すると同時に、それらを効率的につなぎ合わせる論理的方法を、無定型シリカ・アルミナ及び層状化合物のゼオライトへの固相転換反応の研究の過程で、着想し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明は、新規な結晶構造を有する高シリカ含有ゼオライトの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)原料の結晶性層状ケイ酸塩化合物前駆体を脱水重縮合させることにより、化学組成が[(Si36-XY ・O72)・MZ ](式中、MはLi、Na、K、Rb等のアルカリ金属陽イオン、Tは骨格置換元素としてAl、Ga、Fe、Ceを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦1.0、zは0≦z≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環及び8員環からなる細孔構造を有するゼオライトを製造することを特徴とするゼオライトの製造方法。
(2)結晶性層状ケイ酸塩化合物前駆体が、シリカ源、アルカリ源、有機結晶化調整剤、及び溶媒からなる有機結晶化調整剤含有有機層状ケイ酸塩を多量の水が存在する状態で加熱処理することにより合成した、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環からなる層状骨格を有する結晶性層状ケイ酸塩化合物である、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
(3)一般式[(Si18X38)・My ・(TMA)z ・(H2 O)w ](式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオン、MはNa、K、Liに代表されるアルカリ金属陽イオンを表し、Xは0≦x≦1.2、yは0.5≦y≦1.5、zは6≦z≦8、wは0.02≦w≦1.5の範囲を表す。)で表される有機結晶化調整剤含有層状ケイ酸塩を多量の水が存在する状態で加熱処理する、前記(2)に記載のゼオライトの製造方法。
(4)結晶性層状ケイ酸塩化合物が、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環からなる層状骨格を有し、粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が下記表3に示される結晶構造を有する、前記(1)又は(2)に記載のゼオライトの製造方法。
表3
d(Å) 相対強度(ピーク)
10.46±0.10 100
7.34±0.05 3
7.00±0.05 6
6.51±0.05 8
6.45±0.05 13
5.86±0.05 5
5.66±0.05 5
5.23±0.05 1
5.07±0.05 4
4.90±0.05 13
4.75±0.05 5
4.40±0.05 5
4.35±0.05 14
4.26±0.05 10
4.19±0.05 33
4.00±0.05 4
3.94±0.05 15
3.85±0.05 12
3.83±0.05 20
3.67±0.05 4
3.62±0.05 13
3.55±0.05 6
(5)原料溶液に、Al、Ga、Fe、又はCeを添加する、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
(6)脱水重縮合させる条件が、1×10-3〜1×10-8torrの真空下である、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
(7)脱水重縮合させるときの加熱温度が、400〜800℃である、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
(8)ゼオライトの粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が、少なくとも下記表4に記載されたものであることを特徴とする、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
表4
d(Å) 相対強度(ピーク)
9.17±0.05 100
6.86±0.05 35
6.11±0.05 5
5.50±0.05 4
4.58±0.05 3
4.44±0.05 7
4.35±0.05 7
4.09±0.05 6
3.88±0.05 8
3.81±0.05 9
3.68±0.05 3
3.43±0.05 16
3.41±0.05 18
3.31±0.05 8
3.24±0.05 9
(9)物理吸着による平均細孔径が0.48nm以上のマイクロ孔を有し、その体積が0.6cc/g以上である、前記(1)に記載のゼオライトの製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、結晶性層状ケイ酸塩の基本構造と多くのゼオライト構造との類似性に着目し、脱水重縮合を使ったトポタスティックな相転移的な手法によりゼオライトの合成を種々検討した結果、新規な粉末X線回折パターンを示す図1に表されるような層状ケイ酸塩と幾何学的相似な結晶構造を有するゼオライトが合成できることを見出した。この新規なゼオライトをCDS−1ゼオライト(Cylindrical Double Saw−Edgedゼオライト1型)と呼ぶ。
このCDS−1ゼオライトを構造的に説明すると、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環及び8員環からなる細孔が、図1に示されるような原子配列により全体を構成する結晶構造を持った高シリカ含有のゼオライトである。
更に、CDS−1ゼオライトは、粉末X線回折で下記表5に示す特徴的な回折ピークを示す結晶構造を有する。
表5
d(Å)
9.17±0.05
6.86±0.05
6.11±0.05
5.50±0.05
4.58±0.05
4.44±0.05
4.35±0.05
4.09±0.05
3.88±0.05
3.81±0.05
3.68±0.05
3.43±0.05
3.41±0.05
3.31±0.05
3.24±0.05
CDS−1ゼオライトは、図1に示されるような大きさの異なる円筒型の細孔が交互にシート上に積み重なった構造をしており、結晶構造は、シート骨格の積層不整合などによる歪みを生じやすい。場合によっては、上記の回折パターン以外に、下記表6に示す特徴的な回折ピークを示す結晶構造を有する。
表6
d(Å)
9.25±0.05
8.85±0.05
7.67±0.05
6.85±0.05
6.14±0.05
4.74±0.05
4.65±0.05
4.49±0.05
4.40±0.05
4.10±0.05
3.90±0.05
3.84±0.05
3.71±0.05
3.44±0.05
3.34±0.05
3.26±0.05
3.08±0.05
この場合であっても、骨格トポロジーは、後述の29Si−MAS NMR及び窒素吸着の測定により、表5で示されるCDS−1ゼオライトと基本的に同一である。したがって、平均構造が若干歪み、対称性の低い結晶構造へ変化することはあるが、骨格の幾何学的関係は図1を満たしている。
本発明の方法では、CDS−1ゼオライトの前駆体となる結晶性層状ケイ酸塩化合物が使用されるが、この結晶性層状ケイ酸塩は、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環による微細孔がシリケート内に含まれた構造を有している。そして、本発明の方法では、シリカ源、イオン半径1.0オングストローム以上のアルカリ源、直径3.0オングストローム以上のアミン等の有機結晶化調整剤、及び溶媒からなる有機結晶化調整剤含有層状ケイ酸塩を合成する。この場合、シリカ源としては、好適には、例えば、SiO2 (具体的には、例えば、CABOT Co.製、Cab−O−Sil M5)等が使用されるが、これらに制限されるものではない。
この製造方法で用いる有機結晶化調整剤としては、層間内にアクセスできるものであり、層間を広げられるものであり、また、シリケート骨格構造を形成する鋳型としての作用を有するものであれば、従来公知のものが全て使用できる。この有機結晶化調整剤として、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などの四級アルキルアンモニウム塩及びアミン類、ホスホニウムイオン(R4+ :Rは、水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基)などが挙げられる。本発明で好ましく使用される有機結晶化調整剤は、テトラメチルアンモニウム塩である。
この製造方法における反応成分とその反応モル比は、一般式が[(Si18x38)・My ・(TMA)z ・(H2 O)w ](式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオン、MはNa、K、Li等のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.2、yは0.5≦y≦1.5、zは6≦z≦8、wは0.02≦w≦1.5の範囲を表す。)で表される。なお、本発明では、上記一般式において、TMAを他の有機結晶化調整剤に代えることも可能である。
原料を混ぜあわせてできるゾル・ゲル混合溶液からの結晶性層状化合物の反応プロセスは、多量の水が存在する状態で加熱処理をする。この場合、オートクレーブなどの反応容器を加熱する。加熱温度に特に制限はないが、好ましくは140〜170℃、反応時間は、好ましくは7〜15日である。得られた粉体は、アセトンと水で洗浄し乾燥させる。
この生成物は、粉末X線回折パターンから、表7に示される回折ピークで表される結晶構造を有する。
表7
d(Å) 相対強度(ピーク)
10.46±0.10 100
7.34±0.05 3
7.00±0.05 6
6.51±0.05 8
6.45±0.05 13
5.86±0.05 5
5.66±0.05 5
5.23±0.05 1
5.07±0.05 4
4.90±0.05 13
4.75±0.05 5
4.40±0.05 5
4.35±0.05 14
4.26±0.05 10
4.19±0.05 33
4.00±0.05 4
3.94±0.05 15
3.85±0.05 12
3.83±0.05 20
3.67±0.05 4
3.62±0.05 13
3.55±0.05 6
この生成物は、結晶構造解析から、図1及び図2に示されるような、ケイ素5員環からなる層状骨格を持つ新規な結晶構造を有することが明らかとなった。この新規な層状ケイ酸塩をPLS−1(Pentasil Layered Silicate 1型)と呼ぶ。ゼオライトは、その結晶構造がSi−Oネットワークの折り返しによる閉じた骨格構造を有するが、結晶の最表面やSi原子の欠損により、その周辺ではSi−O−Hとなる部位が生じる。これが、シラノールと呼ばれる水酸基を持った末端構造として知られている。高シリカゼオライトにおいては、この水酸基が触媒反応などにおける重要な活性点であると考えられている。層状ケイ酸塩化合物では、結晶中のSi−Oネットワークによる骨格が開いているため、ゼオライトに比べ多くの水酸基が存在する。
こうして得られたPLS−1のみを、パイレックス(登録商標)又は石英ガラス管に入れ、窒素トラップを備えた真空ラインに接続し、真空中で加熱処理し、脱水重縮合させることでCDS−1ゼオライトが得られる。このとき、到達真空度の上限には、特に制限はないが、好ましくは1×10-3〜1×10-8torrの範囲である。また、加熱温度の範囲は比較的に広いが、下限は400℃であり、好ましくは400〜800℃である。脱水重縮合の過程で、はじめ、真空度は低下するが、完全にゼオライトに転移すると真空度は再び上昇する。層間を完全に結合させるには昇温速度は227℃/h以上であることが好ましい。
真空下での熱処理により得られた化合物は、はじめの重量に対して約25%減少する。したがって、結晶性層状化合物PLS−1に含有される有機結晶化調整剤は、燃焼もしくは脱離し、生成物であるCDS−1ゼオライトの結晶構造には分子としては殆ど含まれていない。得られた粉末生成物は、灰色をしており、炭化物が残留物として認められる。なお、本発明の方法は、上記PLS−1と同等ないし類似の結晶性層状化合物についても同様に適用することができる。
残留物の除去が必要な場合は、例えば、CDS−1ゼオライトの結晶1000mgをアルミナ製のシャーレに入れ、マッフル炉を用いて1000ml/minの空気気流下で室温より1.4℃/minで650℃まで昇温し、650℃で4時間保持する。最終の生成物は、白色粉末である。粉末XRD測定からは、回折ピークは表2に示されるCDS−1ゼオライト固有のものとほぼ同一である。
図2に示される、CDS−1ゼオライトと結晶性層状ケイ酸塩PLS−1の窒素ガスの等温吸着曲線から、CDS−1では吸着体積が大幅に増加しており、細孔構造を持った吸着表面積の大きなゼオライト化合物に変化したことがわかる。
このゼオライトのアルゴンガスの等温吸着曲線から、密度半関数法により細孔径分布を解析した結果を図4に示す。このゼオライトは、気体の吸着性能が高く、図3に示したように、細孔経の分布は0.48nm以上であり、また、全細孔容積は0.6cc/gであることから、既知のゼオライトが持つ細孔径と同レベルのマイクロ孔を有することを示している。
このようにして作り出した化合物が細孔構造を有するゼオライトであることの証明は、29Si−MAS NMR、Arガス吸着の結果と、粉末XRDデータを使った詳細な結晶構造解析から行った。なお、以下の解析データは、後述する実施例1の試料で解析し、得たものである。29Si−MAS NMRスペクトルを図5に示す。スペクトル中にはQ4に帰属されるピークのみがみられる。通常、ゼオライトは、結晶外表面を除き、完全に閉じたSi−Oネットワーク構造であるため、統計的にはQ4シグナルのみが観測される。このことからも、局所構造がゼオライトに特有な細孔構造に起因したものであることがわかる。ケイ素5員環及び8員環からなる細孔の存在は、粉末XRDデータによる結晶構造解析から、図1に示される骨格構造に酷似した結晶構造を得たことによって明らかとなった。また、図1の構造モデルに基づくリートベルト解析による構造精密化を行ったところ、図6のように十分に妥当な信頼度因子が得られた。
本発明は、新規ゼオライト、その水酸基及び金属含有体の製造方法に係るものであり、本発明により、(1)本発明のゼオライトは、新規な結晶構造を有し、低コストでシリカ含有量が高く、平均0.48nm以上のマイクロ孔を有することから、例えば、金属担持用固体、分離・吸着剤、形状選択性固体触媒、イオン交換剤、クロマトグラフィー充填剤材料、及び化学反応場などへ適用させることができる、(2)本発明のゼオライトの製造方法によれば、新規な結晶構造を有するCDS−1ゼオライトを容易に形成することができる、(3)また、本製造法は、前駆体の骨格構造をそのまま脱水重縮合させ、より高次元の構造体を得る方法であり、従来、非常に困難であった新規ゼオライトの原子レベルでの構造設計について、新しい指針を与えるものである、(4)この製造法を拡張し、他元素(Al、Ga、遷移金属原子など)を骨格に加えるための化学修飾を組み合わせることで、例えば、高い触媒機能を兼ね備えた、新規な骨格元素置換型ゼオライトの製造が可能になると期待される、という効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
以下、実施例において、粉末X線回折(XRD)パターンは、マックサイエンス社M21X及びMXP3TA−HRを使用し、CuKα線及びCuKα1線を用いて、0.02゜間隔のステップスキャンにより得た。結晶構造解析には、指数付けプログラムTREOR90、リートベルト解析プログラムRIETAN−2000、直接法プログラムEXPO(SirWare)、アクセルリス株式会社Cerius2を用いた。また、熱重量分析にはマックサイエンス社TG−DTA2000を、29Si−MAS NMRにはブルカーバイオスピン社AMX−500を使用した。アルゴン吸着等温線は、カンタクローム社Autosorb−1MPにより81.4K(液体アルゴン)にて測定した。また、窒素吸着等温線は、島津製作所社ASAP2010により77K(液体窒素)にて測定した。また、生成物の化学組成はICP分析(セイコーインスツルメント株式会社製SPS−1500R)により決定した。
(1)結晶性層状化合物PLS−1の製造
SiO2 (商品名:Cab−O−Sil M5、CABOT Co.製)を10.0g取り、15%濃度のTMAOH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:和光純薬工業)を22.0g、0.5規定のKOH(和光純薬工業)を5.0g、H2 Oを25.0g、1,4−dioxane(和光純薬工業)を50.0gを順不同でガラスビーズに入れ、1時間程良く攪拌した。このときの混合物は、テフロン(登録商標)内筒を有するオートクレーブ(SUS316製、内容積300ml)に移し、150℃で10日間加熱処理した。オートクレーブから取り出した後、エタノール及び水で充分洗浄を行い、70℃の温度下で12時間乾燥させ、粉末状の生成物を得た。
本生成物が結晶性層状化合物PLS−1であることを、29Si−MAS NMR、SEM、及びXRD測定により確認した。この生成物は、図8の最下部に示される粉末X線回折パターンを表し、それを解析した結果、観測ピークは、表8に示される格子面間隔d(Å)を有していた。
表8
d(Å)
10.46±0.10
7.34±0.05
7.00±0.05
6.51±0.05
6.45±0.05
5.86±0.05
5.82±0.05
5.23±0.05
5.07±0.05
4.90±0.05
(2)CDS−1ゼオライトの製造
このPLS−1を、内径25mmのパイレックス(登録商標)又は石英ガラス管に3.0g入れ、真空ラインに接続し、5×10-6torrの真空下で、室温から500℃まで、4時間かけて昇温、4時間保持、1時間かけて室温まで冷却、の3行程からなる熱処理を行い、灰色の粉末であるCDS−1ゼオライトを生成物として得た。このときの重量は2.55gであった。この生成物は、その粉末XRDパターンから、表9に示される、CDS−1の特徴づけられる回折ピークを有していた。
表9
d(Å)
9.25±0.05
8.85±0.05
7.67±0.05
6.85±0.05
6.14±0.05
4.74±0.05
4.65±0.05
4.49±0.05
4.40±0.05
4.10±0.05
3.90±0.05
3.84±0.05
3.71±0.05
3.44±0.05
3.34±0.05
3.26±0.05
3.08±0.05
図7に、CDS−1ゼオライト及び結晶性層状ケイ酸塩PLS−1の走査型電子顕微鏡写真像を示す。これらの結晶は、1辺12μm、厚さ0.2μm程度の薄い鱗片状の結晶形態であり、両者の結晶モルフォロジーが殆ど同じなことから、層状構造であるPLS−1のトポタスティックな構造変化によってCDS−1ゼオライトが生成されたことがわかる。図8に、設定温度ごとの粉末XRDパターンを示す。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してAlがモル比で1%以下になるように、Al(NO33 ・9H2 O(和光純薬工業)0.030gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。次に、この生成物のICP分析から、0.025(wt/wt%)のAlが検出された。このAl含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してGaがモル比で1%以下になるように、Ga(NO33 ・8H2 O(添川理化学社)0.030gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。この生成物のICP分析から、0.36(wt/wt%)のGaが検出された。次に、このGa含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してCeがモル比で1%以下になるように、Ce(NO33 ・6H2 O(和光純薬工業)0.069gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。この生成物のICP分析から、0.51(wt/wt%)のCeが検出された。次に、このGa含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してFeがモル比で1%以下になるように、Fe(NO33 ・9H2 O(和光純薬工業)0.033gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。この生成物のICP分析から、0.36(wt/wt%)のFeが検出された。次に、このFe含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してLiがモル比で1%以下になるように、LiNO3 (メルクジャパン)0.008gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。この生成物のICP分析から、0.032(wt/wt%)のLiが検出された。次に、このLi含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(結晶性層状化合物PLS−1及びCDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、PLS−1の合成を、原料に対してRbがモル比で1%以下になるように、RbCl(メルクジャパン)0.014gを添加した以外は、実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、PLS−1と同じ粉末XRDパターンを示す生成物が得られた。この生成物のICP分析から、0.18(wt/wt%)のRbが検出された。次に、このRb含有PLS−1を用いて、実施例1と同様に、500℃、5×10-6torrの真空加熱による脱水重縮合を行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同じ構造と見なされる生成物が得られた。
(CDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、CDS−1の合成を、真空加熱の設定温度を575℃として加熱処理した以外は実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同一と見なされる生成物が得られた。
(CDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、CDS−1の合成を、真空加熱の設定温度を650℃として加熱処理した以外は実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同一と見なされる生成物が得られた。
(CDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、CDS−1の合成を、真空加熱の設定温度を725℃として加熱処理した以外は実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同一と見なされる生成物が得られた。
(CDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、CDS−1の合成を、真空加熱の設定温度を800℃として加熱処理した以外は実施例1と同一条件で、行った。本実施例においても、粉末XRD、NMR測定から、CDS−1と同一と見なされる生成物が得られた。
(CDS−1ゼオライトの製造)
本実施例においては、CDS−1の合成を、真空加熱の設定温度を425℃として加熱処理した以外は実施例1と同一条件で、行った。本実施例においては、粉末XRDパターンにおいてCDS−1と特徴づけられるピークが観測されたが、図8に示されるように、それ以外の回折ピークも若干観測され、構造変化における中間体であると考えられる生成物が得られた。
(1)酢酸処理
CDS−1(PLS−1625−5:500℃焼成)を1g採り、酢酸(ナカライテスク製、試薬特級98%)100mLを加えて、室温にて7日間保持した。保持後、濾過し、粉末を十分水洗した後、100℃で24時間乾燥した。
(2)塩酸処理 CDS−1(PLS−1625−5:500℃焼成)を1g採り、塩酸(和光純薬製、試薬特級35−37%)100mLを加えて、室温にて7日間保持した。保持後、濾過し、粉末を十分水洗した後、100℃で24時間乾燥した。
図9に、CDS−1粉末、及びそれを上記(1)と(2)の処理を行った粉末のX線回折図を示す。上記(1)と(2)の処理を行った試料は、いずれも無処理のCDS−1粉末とほぼ同一のパターンを示したことから、CDS−1はこれらの酢酸及び塩酸への耐薬品性は非常に強いことが分かった。
以上詳述したように、本発明は、新規ゼオライト、その水酸基及び金属含有体の製造方法に係るものであり、本発明のゼオライトは、新規な結晶構造を有し、低コストでシリカ含有量が高く、平均0.48nm以上のマイクロ孔を有することから、例えば、金属担持用固体、分離・吸着剤、形状選択性固体触媒、イオン交換剤、クロマトグラフィー充填剤材料及び化学反応場などへ適用させることができる。本発明のゼオライトの製造方法によれば、新規な結晶構造を有するCDS−1ゼオライトを容易に形成することができる。また、本製造法は、前駆体の骨格構造をそのまま脱水重縮合させ、より高次元の構造体を得る方法であり、従来、非常に困難であった新規ゼオライトの原子レベルでの構造設計について、新しい指針を与えるものである。この製造法を拡張し、他元素(Al、Ga、遷移金属原子など)を骨格に加えるための化学修飾を組み合わせることで、例えば、高い触媒機能を兼ね備えた、新規な骨格元素置換型ゼオライトの製造が可能になると期待される。本発明は、新規高シリカ型ゼオライトの合成技術を提供すると共に、高シリカ組成のゼオライトの実用化を実現するものとして有用である。
本発明の一般式で表されるCDS−1ゼオライト、及び前駆体である結晶性層状ケイ酸塩PLS−1の結晶構造の類似性を示す図であり、図中、白色の球がSiを表し、灰色の球がOを表す。 本発明の一般式で表されるCDS−1ゼオライト、及び前駆体である結晶性層状ケイ酸塩PLS−1の結晶構造の類似性を示す、図1以外の2つの方位から見た図である。 実施例で得られたPLS−1及びCDS−1ゼオライトの窒素脱・吸着等温線を示す図であり、各履歴カーブにおいて、上が脱着等温線、下が吸着等温線を示す。 実施例で得られたCDS−1ゼオライトのアルゴンガス脱・吸着等温線及び平均細孔分布を示すチャート図である。 実施例で得られたCDS−1ゼオライトの29Si−MASNMR測定によるスペクトル図である。 実施例で得られたCDS−1ゼオライトの粉末XRDデータを用い、リートベルト解析した結果を示す図であり、(+)は観測値、実線は計算値、縦棒はブラック反射の位置を、最下線は観測値と計算値との差を表す。 実施例で得られたCDS−1ゼオライト(左)と、その前駆体である層状ケイ酸塩PLS−1(右)の走査型電子顕微鏡写真である(モルフォロジーの変化が全く見られないことから、脱水重縮合により相転移的にゼオライトに変化したことが示唆される。)。 層状ケイ酸塩PLS−1、及びPLS−1を真空加熱処理で脱水重縮合させたときの設定温度(425℃、500℃、575℃、650℃、725℃、及び800℃)ごとの粉末XRDパターンを示す図である。 CDS−1ゼオライト、及びそれを酢酸処理又は塩酸処理した粉末のX線回折図を示す。

Claims (9)

  1. 原料の結晶性層状ケイ酸塩化合物前駆体を脱水重縮合させることにより、化学組成が[(Si36-XY ・O72)・MZ ](式中、MはLi、Na、K、Rb等のアルカリ金属陽イオン、Tは骨格置換元素としてAl、Ga、Fe、Ceを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦1.0、zは0≦z≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環及び8員環からなる細孔構造を有するゼオライトを製造することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  2. 結晶性層状ケイ酸塩化合物前駆体が、シリカ源、アルカリ源、有機結晶化調整剤、及び溶媒からなる有機結晶化調整剤含有有機層状ケイ酸塩を多量の水が存在する状態で加熱処理することにより合成した、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環からなる層状骨格を有する結晶性層状ケイ酸塩化合物である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
  3. 一般式[(Si18X38)・My ・(TMA)z ・(H2 O)w ](式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオン、MはNa、K、Liに代表されるアルカリ金属陽イオンを表し、Xは0≦x≦1.2、yは0.5≦y≦1.5、zは6≦z≦8、wは0.02≦w≦1.5の範囲を表す。)で表される有機結晶化調整剤含有層状ケイ酸塩を多量の水が存在する状態で加熱処理する、請求項2に記載のゼオライトの製造方法。
  4. 結晶性層状ケイ酸塩化合物が、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、ケイ素5員環からなる層状骨格を有し、粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が下記表1に示される結晶構造を有する、請求項1又は2に記載のゼオライトの製造方法。
    表1
    d(Å) 相対強度(ピーク)
    10.46±0.10 100
    7.34±0.05 3
    7.00±0.05 6
    6.51±0.05 8
    6.45±0.05 13
    5.86±0.05 5
    5.66±0.05 5
    5.23±0.05 1
    5.07±0.05 4
    4.90±0.05 13
    4.75±0.05 5
    4.40±0.05 5
    4.35±0.05 14
    4.26±0.05 10
    4.19±0.05 33
    4.00±0.05 4
    3.94±0.05 15
    3.85±0.05 12
    3.83±0.05 20
    3.67±0.05 4
    3.62±0.05 13
    3.55±0.05 6
  5. 原料溶液に、Al、Ga、Fe、又はCeを添加する、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
  6. 脱水重縮合させる条件が、1×10-3〜1×10-8torrの真空下である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
  7. 脱水重縮合させるときの加熱温度が、400〜800℃である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
  8. ゼオライトの粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が、少なくとも下記表2に記載されたものであることを特徴とする、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。表2
    d(Å) 相対強度(ピーク)
    9.17±0.05 100
    6.86±0.05 35
    6.11±0.05 5
    5.50±0.05 4
    4.58±0.05 3
    4.44±0.05 7
    4.35±0.05 7
    4.09±0.05 6
    3.88±0.05 8
    3.81±0.05 9
    3.68±0.05 3
    3.43±0.05 16
    3.41±0.05 18
    3.31±0.05 8
    3.24±0.05 9
  9. 物理吸着による平均細孔径が0.48nm以上のマイクロ孔を有し、その体積が0.6cc/g以上である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。

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