JP2005041103A - スタンパを利用して光ディスクの成形を行う型の光ディスク成形金型とそれを使用した光ディスクの成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピンガイド及びテーパガイドを有するスタンパを利用して光ディスクの成形を行う型の光ディスク成形金型の精度をさらに向上することを課題とする。
【解決手段】 固定金型に対して可動金型をガイドピンとテーパガイドにより案内するようにした光ディスク成形金型において、前記固定金型と可動金型の開きを光ディスクの取り出しに支障のない最低距離に制限する手段を有する光ディスク成形金型を提供する。
前記固定金型は固定支持板と前記成形キャビティの一方の壁を具備した可動成形ブロックとから構成され、前記可動成形ブロックは前記ガイドピンに平行な第2のガイドピンにより案内され、そして弾性部材により前記最低距離の開きを可能にする一定の範囲で前記可動金型に向けて偏倚されている。本発明はさらに、上記形式の成形金型において、成形キャビティのスタンパ保持面にダイヤモンド様炭素膜を形成する。好ましくは前記ダイヤモンド様炭素膜と前記スタンパ保持面との間には断熱層を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明はスタンパ(成形母型板)を利用して光ディスクの成形を行う型の光ディスク成形金型とそれを使用した光ディスクの成形方法に関し、さらに詳しくは光ディスクの精度を向上することが可能な光ディスク成型金型とそれを使用した光ディスクの成型方法に関する。
光ディスクは一般に射出成形法により製作される。射出成形装置の固定金型と可動金型の対向面に成形キャビティを設け、一方の金型のキャビティのスタンパ保持面に、微小ピット等の凹凸による情報パターンを有するスタンパを保持させ、キャビティに溶融樹脂を注入し、冷却固化してスタンパから転写した情報パターンを有する光ディスクを製造する方法が広く行われている。
光ディスクの高密度化が進む中、成形機と金型の高性能化がなされてきたが、ディスク基盤にも高精度が求められるようになっている。高温で成形されるDVD(特にDVD−R)は金型の温度が高くなるにつれて金属の線膨張によりセンタリング精度が悪化してくる。また、金型の開閉動作によっても金型のセンタリング精度が悪化してしまいディスク基盤の品質が低下し、光ディスクの厚さむらも大きくなりやすく、またスタンパの寿命が短くなる。
センタリング精度はミクロンオーダで要求されるが、機構的な制約から高精度のセンタリングが得にくい。
その対策の一つとして、従来の成形機ではガイドが一般に使用される。例えば特開2003−136540等には、図4に示すように、光ディスク成形用金型装置の第1の型体(固定金型)1及び第2の型体(可動金型)2の対向する面に、型閉時にテーパ嵌合するテーパ面21、50がそれぞれ形成された位置決め部材 (テーパガイド) 19、48と、第1の型体及び第2の型体のうち一方に設けられた複数のガイドピン(図示せず)と、他方の型体の前記ガイドピンと対向する位置に設けられ、前記ガイドピンが前記型体の開閉方向へ摺動自在に嵌合されるガイドピン受け(図示せず)とを備える案内部材と、を備えた構成が提案されている。
光ディスクの成形時には、一対の型体を型閉じし、これら型体の成形ブロック17、46間に形成された製品キャビティに成形材料を充填する。この製品キャビティに充填された成形材料すなわち光ディスクが固化した後、両型体を型開し、パンチ86により光ディスクの中心孔を打ち抜き、成形された光ディスクを取り出す。両型体を型閉じした状態では、これら型体にそれぞれ固定された位置決め部材(テーパガイド)19、48のテーパ面21、50が相互にテーパ嵌合することにより、両型体が芯合わせされる。一方、両型体が開いた状態では、両型体の位置決め部材は互いに離れるが、ガイドピンとこのガイドピンが両型体の開閉方向へ摺動自在に嵌合されたガイドピン受けとによって両型体が芯合わせされると、記載されている。なお同文献に記載された参照符号をそのまま図4に記載したので詳しくはそちらを参照されたい。
また上記刊行物にはダイヤモンド様炭素膜(DLC膜)を金型のスタンパ保持面に使用すると、剥離しやすいので寿命が短いこと、そのため他の保護膜を使用することが必要でありアルミナ等の膜を使用する必要があることを記載している。
特開2003−136540公報
しかしながら、本発明者が検討したところ上記の2種の位置決め手段(ガイドピン及びテーパガイド面を有する位置決め手段)を使用しても、センタリングが十分でなく、成形された光ディスクの厚みが場所的に変動することが分かった。
従来の金型構造では、金型が開いた状態になると、ガイドピンがあってもその微小なクリアランスにより可動金型のずれが生じ、成形品(光ディスク)の偏芯精度の悪化や成形品の厚さばらつきの原因となり、また固定金型と可動金型がずれた状態でディスク中心穴を打ち抜くと、パンチとダイの接触によって部品の損傷にもつながることがある。
従って、本発明はガイドピンとテーパ面とを有する成形機において、光ディスクの精度をさらに高める構造を提供することを課題とする。
本発明の他の目的は長寿命のダイヤモンド様炭素膜(DLC膜)を金型のスタンパ保持面に使用することを可能にし、光ディスク成形金型及びスタンパの寿命を延ばすことを可能にすることである。
すなわち、本発明は固定金型に対して可動金型をガイドピンとテーパガイドにより案内するようにした光ディスク成形金型において、前記固定金型と可動金型の開きを光ディスクの取り出しに支障のない最低距離に制限する手段を有する光ディスク成形金型を提供する。
前記固定金型は固定支持板と前記成形キャビティの一方の壁を具備した可動成形ブロックとから構成され、前記可動成形ブロックは前記ガイドピンに平行な第2のガイドピンにより案内され、そして弾性部材により前記最低距離の開きを可能にする一定の範囲で前記可動金型に向けて偏倚されている。
本発明はさらに、上記形式の成形金型において、成形キャビティのスタンパ保持面にダイヤモンド様炭素膜を形成する。好ましくは前記ダイヤモンド様炭素膜と前記スタンパ保持面との間には断熱層を設ける。
ここにダイヤモンド状炭素膜は式CHabcdef
(ただし原子比でa=0.05〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)で表される組成を有するものが好適に使用できる。
本発明はさらに前記のいずれかの光ディスク成形金型の成形キャビティの前記スタンパ保持面に、転写すべき情報パターンを有するスタンパを取り付け、溶融した原料樹脂を金型に導入し成形することよりなる光ディスクの成型方法を提供する。
好ましくは、成形金型は前記固定金型は第1の支持板と第1の成形ブロックとから構成され、前記可動金型は第2の支持板と第2の成形ブロックから構成され、前記テーパガイドは前記第1及び第2の成形ブロックの対向する面に形成された互いに嵌合可能なテーパガイド面をそれぞれ有し、前記両成形ブロックの対向面に前記成形キャビティが形成されている。
本発明によると、ガイドピンとテーパガイドを併用した光ディスク成形金型のスタンパ保持面にダイヤモンド様炭素膜を形成した金型において、クリアランス制限手段を使用すると、成形された光ディスクの厚さむらが抑制され、センターずれが減少して精度が向上する。また本発明のダイヤモンド様炭素膜をスタンパの支持面に形成することが容易になしうることにより、高精度の光ディスクを成形できるだけでなく、スタンパと金型面の相互摩擦による傷の発生を抑制してスタンパのみならず金型の寿命も格段に向上することができる。ダイヤモンド様薄膜が剥離し易いという上記文献の欠点は本発明では存在しない。
以下の本発明の実施の形態を説明する。なおテーパガイドとピンガイドを使用した光ディスクの成形方法は公知であるので詳しくは説明しないので、上記特開2000−136540等を参照されたい。
図1〜図3は本発明の実施例による光ディスク成形機の要部の断面図であり、図1は金型が開放した状態を示し、図2は金型が閉じる途中の状態を示し、図3は図2は金型が閉じた状態を示す。金型の運動は可逆的であり金型が開く場合に図3から図2を経て図1の開放状態となる。
成形機は固定金型101と可動金型102と、固定金型と可動金型の相対運動を案内する平行なガイドピン103、103とを有する。これらのガイドピンはこの例では固定金型に固定され、可動金型の対応位置に設けたピン孔104、104に嵌合して両金型の開閉を案内する。固定金型101は取付け板105と、成形キャビティ110の半部分を形成する固定側の成形ブロック107とからなり、中心位置に樹脂注入路111’を備えたゲート部材111を有する。可動金型102は図示しない動力源により駆動される可動取付け板106と、固定側の成形ブロック107と協同してキャビティ110の他の半部分を形成する可動側の成形ブロック108とからなり、また成形された光ディスクの中心部を打ち抜くため可動部材に対して相対運動できるゲートカット部材112を有する。可動金型102は図示しない動力源から駆動されて固定金型101に対して閉鎖、開放される。
そのほかに成形ブロック107、108には図示しない冷却水路などのその他この種の成形機に必要な慣用手段が設けられている。
成形ブロック107、108の合わせ面には、成形キャビティ110を環状に取り囲み互いに嵌合し得るテーパ面よりなるテーパガイド115、116がそれぞれ設けられており型閉じの際に両金型の精密な芯合わせを行う。このように、可動金型102は、平行なガイドピン103、103により精密に案内されるほかに、さらにテーパガイド115、116により案内されるため精密な芯合わせが実現できるが、先に述べたように芯合わせは未だ不十分である。
そこで本発明に従って、固定側の成形ブロック107を固定支持板105に対して一定範囲で可動にし、それにより成形サイクル中に可動金型の成形キャビティ半部分が固定金型の成形キャビティ半部分に対して成形済み光ディスクの取り出しに必要なクリアランス距離だけ移動できるようにする任意の機構を設ける。例えば、固定側の取付け板105はガイドピン103に平行な軸線を有する少なくとも2個の第2のガイドピン113が固定支持板105に固定され、成形ブロック107には第2のガイドピン113が嵌合するガイド孔に装着されたベアリング121により支持され、そして適宜のストッパにより成形ブロック107の移動距離が一定範囲に制限されている。成形ブロック107にはさらに複数箇所にばね保持部119が形成され、圧縮ばね117がそこに保持され、ばね117の他端部は取付け板105に衝接している。これにより、固定金型の成形ブロック107は取付け板105から可動金型の方に常時弾性的に偏倚されている。スタンパ123は成形ブロック107の面に取り付けられている。
動作を説明するに、所定の情報ピットの逆像を刻んだスタンパ123の情報面をキャビティ110の樹脂注入側にし、その裏面をキャビティの壁面に施したダイヤモンド様炭素膜に接触させて保持させる。図1の開放状態では、成形ブロック107、108の成形キャビティ110を形成する合わせ面の間には空隙G1が形成されている。空隙G1は成形した光ディスクの取り出しに支障のないクリアランスを与える最低の寸法に制限されている。また、固定金型の成形ブロック107はばね117により押されてピン113に沿ってスライドして空隙G2を形成している。つまり成形ブロック107は上記空隙G1よりも大きいクリアランスを生じないように固定支持板105に対して可動となっている。
動力源をオンにして成形サイクルを開始させると、可動金型102は固定金型101に向けて押され、図2のように先ず空隙G1が閉じられる。さらに可動金型102を前進させると、空隙G2も完全に閉じて図3の状態となる。この状態でゲート部材111の樹脂注入路111’から成形キャビティ110に溶融樹脂を注入して光ディスクの成形を行う。
成形が終わり所定温度まで金型が冷却されたら、可動金型102を引き離す。そのとき固定金型101の成形ブロック107はガイドピン113にガイドされながらばね117により押され、可動金型側の成形ブロック108に随行して図2の状態になる。この移動距離はガイドピン113が許容する距離G2である。さらに可動金型を後退させると、成形キャビティ110を形成する成形ブロック107と108の合わせ面は開き始め、可動金型がその初期位置に戻ると図1のように空隙G1が形成される。この状態で成形済みの光ディスクを取り出す。
可動金型102の行程は固定金型101の成形ブロック107の移動距離G2とクリアランスG1との和に等しく定められている。これにより、両成形ブロック107、108の最大の開きはこのクリアランスG1に抑制されるので、両者の芯合わせは常時精密に維持できる。このため、成形むらがなくなり厚さの一様な光ディスクが得られる。
次に、金型のスタンパ123(通常Ni板)が取り付けられるキャビティ壁面には本発明にしたがって耐摩耗性を上げスタンパと金型の寿命を延ばすために、ダイヤモンド様炭素膜が施される。好ましくは、これに加えて、溶融樹脂の注入時に溶融樹脂がスタンパの情報パターンの隅々まで完全に充填して情報パターンの精密な転写が行われるように所定値以上の温度に加温し、冷却された金型のキャビティ表面及びスタンパの温度を所定の温度にするため、さらにダイヤモンド様炭素膜の下地として断熱層を設けても良い。これにより、生産性(成形サイクル時間の短縮、単位時間当たりのショット数の向上)を上げることができる。断熱層は特開2002−361689、特開2002−513691、特開2001−334534等に記載されている。
ダイヤモンド様炭素(DLC)膜は、特開昭62−145646号公報、同62−145647号公報、New Diamond Forum、第4巻第4号(昭和63年10月25日発行)等に記載されている。DLC膜は、上記文献(New Diamond Forum)に記載されているように、ラマン分光分析において、1400〜1700cm-1にブロードなラマン散乱スペクトルの山を有し、1333cm-1に鋭いピークを有するダイヤモンドや、1581cm-1に鋭いピークを有するグラファイトとは、明らかに異なった構造を有する物質である。DLC膜のラマン散乱スペクトルの上記のブロードな山は、炭素および水素以外の上記元素を含有することにより、これからある程度変動する。ダイヤモンド様炭素膜は、炭素と水素とを主成分とするアモルファス状態の薄膜であって、炭素同士のsp2及びsp3結合がランダムに存在することによって形成されている。
本発明で使用されるダイヤモンド様炭素膜は、炭素と水素を主成分とし、他の任意成分を含んでよい。好ましくは式CHabcdef(ただし原子比でa=0.05〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)で表される組成を有する。
ダイヤモンド様炭素膜の厚さは好ましくは0.03〜2.0μmである。
本発明で使用できる断熱層は好ましくはアルミナ、酸化ケイ素、SiC等のセラミック、焼結体例えば超硬、ガラス、及びポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性合成樹脂より選択された材料から形成されている。これらの材料はダイヤモンド様炭素膜と親和性を有するものから選択される。断熱層の厚さは好ましくは0.1μm〜1.0cmである。断熱層の表面が平滑でない場合には、ダイヤモンド様炭素膜を成膜するに先だって研磨することが好ましい。
セラミックを使用する場合には、金型のスタンパ保持面に溶射、イオンプレーティング、CVD法、板又はフィルムの貼り付け、スパッタリングを使用することができる。
ガラスを使用する場合には、溶射、スパッタリング、及び板又はフィルムの貼り付けを使用することができる。
耐熱性合成樹脂の場合には、板又はフィルムの貼り付け、塗料の塗布、溶融樹脂の流し込み等の方法を使用できる。
(ダイヤモンド様炭素膜の成膜)
ダイヤモンド様炭素膜(以下「DLC膜」)は、プラズマCVD法、イオン化蒸着法、ECRプラズマCVD法等により形成できるほか、スパッタ法でも形成することができる。
DLC膜をプラズマCVD法により形成する場合、例えば特開平4−41672号公報等に記載されている方法により成膜することができる。プラズマCVD法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、交流を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツからマイクロ波まで使用可能である。また、「ダイヤモンド薄膜技術」(総合技術センター発行)などに記載されているECRプラズマも使用可能である。また、バイアス電圧を印加してもよい。
DLC膜をプラズマCVD法により形成する場合、原料ガスには、下記化合物を使用することが好ましい。
CおよびHを含有する化合物として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン等の炭化水素が挙げられる。
C+H+Oを含む化合物としては、CH3OH、C25OH、HCHO、CH3COCH3等がある。
C+H+Nを含む化合物としては、シアン化アンモニウム、シアン化水素、モノメチルアミン、ジメチルアミン、アリルアミン、アニリン、ジエチルアミン、アセトニトリル、アゾイソブタン、ジアリルアミン、エチルアミン、MMH、DMH、トリアリルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等がある。
この他、上記の化合物、O源あるいはON源、N源、H源、F源、B源、P源等とを組み合わせてもよい。
上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、1〜70Pa、投入電力は、通常、10W〜5kW程度が好ましい。
DLC膜は、イオン化蒸着法により形成してもよい。イオン化蒸着法は、例えば特開昭59−174508号公報、特開平2−22012号公報、特開平10−202668号公報等に記載されている。ただし、これらに開示された方法、装置に限られるものではなく、原料用イオン化ガスの加速が可能であれば他の方式のイオン蒸着技術を用いてもよい。
イオン化蒸着法においては、真空容器内を10-4Pa程度までの高真空とする。この真空容器内には交流電源によって加熱されて熱電子を発生するフィラメントが設けられ、このフィラメントを取り囲んで対電極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを与える。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオン化ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置されている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝突して、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラスイオンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速される。このVd、Vaおよびコイルの磁界を調整することにより、組成や膜質を変えることができる。また、バイアス電圧を印加してもよい。
DLC膜をイオン化蒸着法により形成する場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを用いればよい。上記原料ガスの流量はその種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常1〜70Pa程度が好ましい。
DLC膜は、スパッタ法により形成することもできる。この場合、Ar、Kr等のスパッタ用のスパッタガスに加えて、O2、N2、NH3、CH4、H2等のガスを反応性ガスとして導入すると共に、Cをターゲットとしたり、C、N、O等を含む混成ターゲット或いは2以上のターゲットを用いてもよい。また、ポリマーをターゲットとして用いることも可能である。このようなターゲットを用いて高周波電力、交流電力、直流電力のいずれかを印加し、ターゲットをスパッタし、これを基板上にスパッタ堆積させることによりDLC膜を形成する。高周波スパッタ電力は、通常、50W〜2kW程度である。動作圧力は、通常、10-3〜0.1Paが好ましい。
このようなターゲットを用いて高周波電力を加え、ターゲットをスパッタし、金型に固着した断熱層の面にスパッタ堆積させることによりダイヤモンド様炭素膜を形成する。なお、この場合も金型に加えるバイアスは負のバイアス電圧を印加する。バイアス電圧は、直流が好ましい。また、バイアス電圧を印加せずにセルフバイアスを利用してもよい。上記のバイアス電圧は、好ましくは−10〜−2000Vであり、より好ましくは−50〜−1000Vである。高周波スパッタ電力は、通常50W〜2KW程度である。動作圧力は、通常0.0013〜0.13Paが好ましい。
なお、断熱層及びダイヤモンド様炭素膜の形成に先立って、金型のスタンパ保持面は鏡面研磨する必要がある。また断熱層がCVD又はスパッタリングで製作される場合には、Ar、Kr等のガスを用いて気相エッチングし、表面層を浄化することが望ましい。エッチングにより表面に微細な凹凸ができることによりアンカー効果がえられ、より良好な密着性を得ることができる。
Niスタンパを保持する金型キャビティの壁面を鏡面に研磨し、その上にダイヤモンド様炭素膜を1.5μmに形成した。ただし、ダイヤモンド様炭素膜の成膜は、自己バイアスRFプラズマCVD法により、原料ガス:C24(0.017Pa・m3・s-1)、電源:RF、動作圧:66.5Pa、投入電力:500W、成膜レート:100nm/minの条件で成膜した。膜組成はCH0.21であり、炭素膜はダイヤモンド様炭素膜であった。
図2に示した装置を使用し、上記成形金型及びスタンパを使用し、固定金型の成形ブロック107の移動範囲G2=3mm、成形ブロック107、108間のクリアランスG1=3mmにして、光ディスクを射出成形した。比較のため従来のピンガイド及びテーパガイドを有する成形金型を使用して光ディスクを射出成形した。結果を表1に示す。
Figure 2005041103
表1において、厚さむらは光ディスクの内外縁部の厚さの差であり、サイクルタイムは2つの射出成形ショットに要する時間の間隔である。
表1から分かるように本発明に従いテーパガイド及びガイドピンを使用する場合に、クリアランス保持手段を使用すると、成形された光ディスクの厚さむらが抑制され、センタずれが減少して精度が向上する。また本発明のダイヤモンド様炭素膜をスタンパの支持面に形成することが容易になしうる。
本発明の成形金型が開放した状態を示す断面図である。 本発明の成形金型が閉じる途中の状態を示す断面図である。 本発明の成形金型が閉じた状態を示す断面図である。 従来の光ディスク成形金型を示す断面図である。
符号の説明
101 固定金型
102 可動金型
103 ガイドピン
104 ピン孔
105 固定金型の取付け板
106 可動金型の取付け板
107 固定金型の成形ブロック
108 可動金型の成形ブロック
110 成形キャビティ
111 ゲート部材
112 ゲートカット部材
113 第2のガイドピン
115、116 テーパガイド
117 圧縮ばね
119 ばね保持部
121 ベアリング
123 スタンパ

Claims (6)

  1. 固定金型に対して可動金型をガイドピンとテーパガイドにより案内するようにした光ディスク成形金型において、前記固定金型と可動金型の開きを光ディスクの取り出しに支障のない最低距離に制限する手段を有する光ディスク成形金型。
  2. 前記固定金型は固定支持板と前記成形キャビティの一方の壁を具備した可動成形ブロックとから構成され、前記可動成形ブロックは前記ガイドピンに平行な第2のガイドピンにより案内され、弾性部材により前記最低距離の開きを可能にする一定の範囲で前記可動金型に向けて偏倚されている、請求項1の光ディスク成形金型。
  3. 前記成形金型の成形キャビティのスタンパ保持面にダイヤモンド様炭素膜を形成した請求項1又は2の光ディスク成形金型。
  4. 前記ダイヤモンド様炭素膜と前記スタンパ保持面との間に断熱層を設けた請求項1の光ディスク成形金型。
  5. ダイヤモンド状炭素膜は式CHabcdef
    (ただし原子比でa=0.05〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)で表される組成を有する請求項3の光ディスク成形金型。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかの光ディスク成形金型の成形キャビティの前記スタンパ保持面に、転写すべき情報パターンを有するスタンパを取り付け、溶融した原料樹脂を金型に導入し成形することよりなる光ディスクの成形方法。
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