以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の正面中央には遊技盤2が配設されている。遊技盤2には、その表面に略円形状にレール3が配設され、レール3によって囲まれた遊技領域4に、キャラクタ体20や羽根(一対の可動片)11,12を備える電動役物装置8(請求項でいうところの特別入賞装置)、始動口センサ53〜55を備える始動口9a、9b、10等の各種遊技装置が配設されている。また、遊技盤2の下方に発射装置(図示省略)を操作するためのハンドル5、賞球の受け皿である上皿6、上皿6でオーバーフローしたパチンコ球の受け皿である下皿7等が配設されている。この遊技領域4には、ハンドル5を操作することで発射装置から発射された打球が打ち込まれ、この打球が遊技領域4内を流下する(釘等によってパチンコ球の進行方向が変化する)ことで各種遊技装置が作動するようになっている。
次に、電動役物装置8の構成について図2、図3を参照して説明する。図2は、電動役物装置8の正面図であり、図3は、図2のA−A線縦断面図である。図2に示す電動役物装置8は、「センター役物」とも呼ばれ、遊技盤2に取り付けられる枠体8aをアウトラインとして構成される、枠体8aの上部には、入賞すると規定個数(本実施形態では5個)の賞球が払出される天入賞口13が設けられ、さらには、例えば、液晶表示装置等で構成される表示装置14が配備されている。該表示装置14は、遊技状況に応じた各種の演出表示(請求項に記載されるラウンド予告演出表示を含む)や大当り遊技(特別遊技状態に相当する)のラウンド回数等を表示する。
枠体8aの左右には、電動役物装置8内へのパチンコ球の入賞口である大入賞口15,16が設けられている。大入賞口15,16を開閉する羽根11,12(左羽根11、右羽根12)は、約90度の角度範囲内で回動可能に枠体8aに取り付けられている。枠体8aの左羽根11、右羽根12の隣接する部位には、それぞれ検出部17が設けられ、これら検出部17は大入賞口15,16から入賞した打球の電動役物装置8内への通過路となっている。各検出部17には、電動役物装置8内に進入したパチンコ球を検出する大入賞口センサ18が一体化して取り付けられている。
電動役物装置8の中央には、枠体8aの一部として形作られた部分と、枠体8aに上下方向に揺動可能な態様で取り付けられた第1可動片19によって、恐竜を連想させるキャラクタ体20が形成されている。第1可動片19は、キャラクタ体20の下顎(あるいは口)を模した凹形の部材であり、凹形部分にパチンコ球を一球停留できるようになっている。
枠体8aの一部を構成している上棚部21は、入賞したパチンコ球をキャラクタ体20の方向に誘導する突出部22,23と膨出部24を有し、キャラクタ体20に向けて僅かに下るように傾斜している。上棚部21の下方に位置し、同じく枠体8aの一部を構成している下棚部25は、前方(遊技者側)に僅かに下がるように傾斜している。下棚部25の前方中央には、当該下棚部25に近接して、打球が通過すると大当り遊技に移行する特定入賞区域26(特定入賞口に相当、以下、Vゾーンという)が設けられ、該特別入賞区域26の左右に、打球が通過しても大当り遊技とならない普通入賞区域27,27(普通入賞口に相当、以下、Nゾーンという)が設けられている。また、下棚部25には、Vゾーン或いはNゾーンにパチンコ球を導く誘導部28が形成されている。枠体8aの下方には、Vゾーン26を通過したパチンコ球を検出するVゾーンセンサ29(特定入賞口入賞検出手段)が一体化して取り付けられている。
また、図3に示すように、枠体8aの裏面部には、羽根11,12を駆動するための第1ソレノイド30や、第1可動片19を駆動するモータ31や、モータ31で発生した回転トルクを第1可動片19へ伝達するトルク伝達機構32が設けられている。さらには、枠体8aの下方には、下棚部25に設けられた孔部33から出没運動する第2可動片34を備える。第2可動片34の一端には従動部35が固定されており、この従動部35は直動カム36が第2ソレノイド37によって往復運動することで回動するようになっている。また、キャラクタ体20の内部にはパチンコ球が通過することができる空洞部38が形成されており、キャラクタ体20の背後には空洞部38を照らすランプ39が取り付けられている。
次に、上述の電動役物装置8の具体的な作動態様について図1〜図3を参照して説明する。始動口9a,9b,10に打球が入賞すると。第1ソレノイド30への電力供給がオンとなり、左羽根11が矢印D1の左回り方向、右羽根12が矢印D2の右回り方向に同時に回動されて大入賞口15,16が開放された状態となる(図2の実線で示した状態)。このとき、羽根11,12は電動役物装置8側にそれぞれ僅かに傾斜し、遊技領域4を流下する打球を電動役物装置8内に誘導するようになっている。大入賞口15,16が開放されて所定時間が経過すると、第1ソレノイド30ヘの電力供給がオフとなり、左羽根11が矢印D1の右回り方向、右羽根12が矢印D2の左回り方向に同時に回動されて大入賞口15,16が閉鎖された状態となる(図2の羽根11、12の破線で示した状態)。なお、始動口9a,9bに打球が入賞した場合は1回、始動口10に入賞した場合は2回、上述の羽根11,12の駆動が行なわれる。
第1可動片19は、モータ31が出力する回転トルクがトルク伝達機構32を介して伝達され、矢印D7(図3参照)に示す上下方向の往復運動を行なう。この往復運動は、始動入賞遊技中は一定の間隔で行なわれ、大当り遊技中は所定のタイミングでなされる。以下、第1可動片19が矢印D7の上方向に移動し、キャラクタ体20の口が閉じられている状態を閉鎖状態(図3における実線で示した状態)という。また、第1可動片19が矢印D7の下方向に移動し、キャラクタ体20の口が開かれている状態を開放状態(図3における破線で示した状態)という。なお、第1可動片19は、開放状態では一球の球を停留することができ、開放状態から閉鎖状態に移行すると第1可動片19の上部への移動に伴ない停留していた球を空洞部38に誘導する。
第2可動片34は、以下のように作動する。第2ソレノイド37への電力供給がオフになると、第2ソレノイド37は直動カム36を矢印D9の左方向に直線運動させる。この直線運動によって直動カム36の上部に形成された丸みを帯びた凸部40が左に移動し、従動部35の左側が凸部40で押上げられ、第2可動片34が矢印D8の上方向に移動する(図3参照)。また、第2ソレノイド37への電力供給がオンになると、第2ソレノイド37は、直動カム36を右方向へ移動させる。この移動により凸部40が右に移動し、従動部35の左側の押上げがなくなることによって第2可動片34が矢印D8の下方向に移動する。以下、第2可動片34が矢印D8の上方向に移動し、第2可動片34が下棚部25から突出した状態(図3の破線で示した状態)を突出状態、矢印D8の下方向に移動し、下棚部25よりも下方に位置した状態(図3の実線で示した状態)を非突出状態という。
次に、上述のように作動する電動役物装置8に入賞したパチンコ球の移動態様について図4,5を参照にして説明する。図4,5は、一部を破断した電動役物装置8の斜視図である。図4は、第1可動片19が開放状態であり、第2可動片34が非突出状態である場合を示している。図5は、第1可動片19が開放状態であり、第2可動片34が突出状態である場合を示している。
図4に示すように、大入賞口15に入賞したパチンコ球は、通常矢印D10に沿って移動する。すなわち、左羽根11に拾われたパチンコ球は、左羽根11の傾斜に沿って電動役物装置8の内部へ進入するように転がる。そして、大入賞ロセンサ18を備えた検出部17を通過し、上棚部21上の突出部22と膨出部24とで形成される溝に達する。上棚部21の溝に達したパチンコ球は、上棚部21のキャラクタ体20側への傾斜によって溝内をキャラクタ体20の方向に転がり、開放状態である第1可動片19で停留される。第1可動片19が開放状態から閉鎖状態に移行すると、パチンコ球は、キャラクタ体20の内部の空洞部38(図4では図示省略:ただし、図3に示している)の形状に沿って矢印D11の方向に移動し、下棚部25上の振り分け部41に達する。振り分け部41に達したパチンコ球は、矢印D11の方向に移動してきた慣性によってその方向の運動を続け、矢印D12の方向へ移動する。すなわち、下棚部25上の誘導部28,28で形成された溝に進入し、溝内を転がることによってVゾーン26に入賞する。
次に、図4とは異なるパチンコ球の移動態様の一例を図5を参照して説明する。図5においても、左羽根11に拾われたパチンコ球は、図4の場合と同様の移動態様で矢印D17、D18の方向に移動し、振り分け部41に達する。振り分け部41に達したパチンコ球は、突出状態の第2可動片34に衝突することによって、矢印D19に示す方向に移動方向が変わり、Nゾーン27に入賞する。このように、第2可動片34が突出状態の場合は、誘導部28,28で形成された溝に進入しようとするパチンコ球が第2可動片34で進行方向を変えられるため、パチンコ球がVゾーン26に入賞する可能性は極めて低くなる。上述の説明から明らかなように、第2可動片34が突出状態か非突出状態かによってVゾーン26へのパチンコ球の入賞確率が異なることとなる。
続いて、上記構成を有するパチンコ遊技機1の電動役物装置8を制御する制御構成について図6を参照して説明する。図6はパチンコ遊技機1の制御系の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、遊技動作を制御する制御回路部(遊技制御装置)42は、CPU43,RAM44,ROM45、入力ポート46、出力ポート47で構成されている。CPU43は、ROM45に格納された遊技制御プログラムに従って遊技盤2に装備された各種装置を総括的に制御する。ROM45に格納される遊技制御プログラムには、コマンドデータを作成する処理や、その作成したコマンドデータを出力ポート47を介して各回路部(ソレノイド駆動回路部49、ランプ点灯回路部50等)に出力する処理等を実現するためのプログラムが含まれている、RAM44はワークメモリとして使用されるメイン記憶素子であって、大当り遊技のラウンド回数、大当り遊技の遊技時間等が各種プログラムの実行に応じて格納される。このCPU43、RAM44及びROM45はバス52によって入力ポート46及び出力ポート47と相互に接続されている。
入力ポート46には、始動口9a,9b,10への入賞球を検出する始動口センサ53〜55や、電動役物装置8の内部に設けられてVゾーン26を通過したパチンコ球を検出するVゾーンセンサ29、大入賞口15,16への入賞を検出する大入賞口センサ18が接続されている。これらの各センサは、パチンコ球を検出すると検出信号を入力ポート46に出力する。出力ポート47には、モータ駆動回路部48、ソレノイド駆動回路部49、ランプ点灯回路部50、表示制御装置51が接続されている。モータ駆動回路部48、ソレノイド駆動回路部49は、制御回路部42からの信号に基いてモータ31、第1ソレノイド30、第2ソレノイド37の駆動を行なう。詳しくは、制御回路部42からの信号を受信したモータ駆動回路部48、ソレノイド駆動回路部49は、電力供給のオン−オフを行なうことによってモータ31、第1ソレノイド30、第2ソレノイド37を駆動する。また、ランプ点灯回路部50は、制御回路部42からの信号に基いてランプ39を構成するLEDの点灯、消灯、点滅を行なう。表示制御装置51は、制御回路部42から送信されるコマンドに基いて、表示装置14に各種の演出表示や遊技情報を表示する。
なお、制御回路部42や各回路部は、いずれも遊技盤2の裏面側の所定部位に装着されている。また、本実施例に係る遊技盤2には、上記の各回路部以外にも、賞球処理を行う払出駆動回路部、スピーカから効果音やBGMを発生させる処理を行う音声回路部等が設けられる。しかし、これらについては公知である従来のパチンコ機の制御構成と同一であればよく、本発明を特に特徴づけるわけではないので、その詳細な説明は省略する。
以上のように構成された実施形態のパチンコ遊技機において、遊技盤面における打球の各始動口9a,9b,10及び電動役物装置8への入賞状況に応じたパチンコ遊技機の遊技動作の概略を説明する。
第2種始動口としての始動口9a又は9bに打球が入賞した場合には、電動役物装置8の羽根11,12が開放作動し、大入賞口15,16が0.4秒間の開放を1回行う。この大入賞口15,16の動作を大入賞口15,16の1回開放動作ということにする。さらに、打球が第2種始動口としての始動口10に入賞した場合には、大入賞口15,16が0.6秒間の開放を2回行う。この大入賞口15,16の動作を大入賞口15,16の2回開放動作ということにする。
大入賞口15,16の1回開放動作中または2回開放動作中、大入賞口15又は16を通じて電動役物装置8内に進入した遊技球がVゾーン26に入賞すると、大当り遊技状態になる。大当り遊技状態となると、羽根11,12の作動による大入賞口15,16の開閉動作を最高18回まで連続的に繰り返す。この大入賞口15,16の動作を1連続開放動作(請求項でいうラウンド動作)ということにする。
図7は、大当り遊技状態における大入賞口15,16の開閉動作の一態様を示すタイムチャートである。この実施形態では、1回の大入賞口15,16の開放時間を0.8秒とし、大入賞口15,16の閉鎖から次の大入賞口15,16の開放までのインターバル時間を0.5秒としている。大入賞口15,16の1連続開放動作中、大入賞口15,16を通じて電動役物装置8内に進入した遊技球がVゾーン26に入賞した場合、継続条件の成立となり、Vゾーン入賞検出時点で大入賞口15,16を閉鎖し、今回(ラウンド)の大入賞口15,16の1連続開放動作を終了する。そして、再び、次回(ラウンド)の大入賞口15,16の1連続開放動作を開始する。この大入賞口15,16の動作を大入賞口15,16の継続遊技動作ということにする。
大入賞口15,16の1連続開放動作は、遊技球がVゾーン26に入賞することにより継続して行われることとなるが、この大入賞口15,16の1連続開放動作の継続回数には、上限が設けられている。この上限継続回数(最大継続回数)は、始動口9a,9bへの打球の入賞に応じた抽選(ラウンド抽選という)で決定する。但し、今回の始動口への打球の入賞に応じたラウンド抽選結果としての最大継続回数を、次回の始動口への打球の入賞を切っ掛けとして大当り遊技状態となった場合に適用する。なお、この実施形態では、決定される最大継続回数は、1ラウンド、7ラウンド、15ラウンドの3種類としている。また、最大継続回数が各ラウンド数に振り分けられる確率は、1ラウンドが1/3、7ラウンドが1/3、15ラウンドが1/3としている。
また、ラウンド抽選することに応じて、大当り遊技状態となった場合の最大継続回数を表示装置14によって遊技者に予告する(ラウンド予告演出表示)。この実施形態では、ラウンド抽選の結果が、即ち、ラウンド抽選した最大継続回数が15ラウンドの場合、確率1/8で、ラウンド予告演出表示を行う。また、ラウンド抽選した最大継続回数が7ラウンドの場合、確率1/4で、ラウンド予告演出表示を行う。さらに、ラウンド抽選した最大継続回数が1ラウンドの場合にはラウンド予告演出表示は行わない。このような確率でラウンド予告演出表示を行うので、ラウンド予告演出表示が行われた場合には、最大継続回数が7回又は15回と多いので、遊技者は期待を持って遊技を行うことができる。また、ラウンド予告演出表示が行われない場合においても、最大継続回数が1回に固定的に定まるわけではないので(例えば、15ラウンドの場合、確率7/8でラウンド予告演出表示が行われないため)、やはり期待を持って遊技を行うことができる。
なお、この実施形態では、ラウンドと次のラウンドまでのインターバル時間を3.7秒としている(図7参照)。また、継続遊技動作が最大継続回数行われた場合、15回目の大入賞口15,16の1連続開放動作の終了を以って大当り遊技状態の終了となる。
また、大入賞口15,16の1連続開放動作中に、大入賞口15,16に10個遊技球が入球した時には、10個目の入球検出を以て、大入賞口15,16の1連続開放動作は中止される。この場合、入賞した10個目の遊技球がVゾーン26に入賞しなかった場合には、継続条件の不成立となり、あわせて大入賞口15,16の継続遊技動作を終了すること(大当り遊技状態の終了)になる。
なお、大入賞口15,16の1連続開放動作の最終ラウンド目(最大継続回数目)は、Vゾーン26への入賞による継続条件成立は無効になり、大入賞口15,16を通じて入球した球が10個に達するか、或いは、羽根11,12の開閉動作回数が18回に達するかの何れか一方が成立した時点で、最終ラウンド目の大入賞口15,16の1連続開放動作の終了(大当り遊技状態の終了)となる。
図8は、通常状態時における始動口9a又は9bへの入賞に基いて実行される大入賞口15,16の1回開放動作の一態様を示すタイムチャートである。始動口入賞検出時から大入賞口15,16の開放動作の開始までのインターバル時間は、例えば、1秒としてある。インターバル時間の経過時点から大入賞口15,16が0.4秒間開放される。なお、大入賞口15,16の閉鎖時からの3.7秒間は、Vゾーン26への入賞によるVゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とするV入賞有効時間である。
次に、実施形態のパチンコ遊技機に配備された制御回路部42のCPU43が実行する各処理について説明する。図9は、CPU43(以下、単にCPUという)が実行する処理のメインルーチンの概略を表したフローチャートである。なお、メインルーチンは所定周期で繰り返し実行されるものである。始動口処理(ステップS01)、大入賞口15,16の1回開放動作処理(ステップS02)、演出1コマンド伝送出力処理(ステップS03)、大当り遊技処理(ステップS04)、演出2コマンド伝送出力処理(ステップS05)及び乱数更新処理(ステップS06)は、CPUが実行する処理のメインルーチンにおいて実行される処理である。
図10は、CPUが実行する始動口処理のサブルーチンを示すフローチャートである。CPUは、始動口処理を開始すると、まず、大当り遊技中であるか否かを判別する(ステップA01)。なお、大当り遊技中であるか否かは大当り遊技処理に関わる実行フラグF2の値が「1(実行中)」であるか否かにより判別する。CPUは、大当り遊技処理に関わる実行フラグF2の値が「1(実行中)」である場合には、ステップA01を真と判別し、始動口処理を抜けてメインルーチンに戻る。即ち、大当り遊技中である場合には、始動口9a,9bの入賞検知に関わる始動口処理は、実質的に行われない。
一方、CPUは、大当り遊技処理に関わる実行フラグF2の値が「1(実行中)」でない場合には、ステップA01を偽と判別し、ステップA02に進む。ステップA02に進むと、CPUは、大入賞口15,16の1回開放動作を行わせる始動口入賞(始動口9a,9bへの入賞)があるか否かを判別する(ステップA02)。即ち,CPUは、始動口9a,9bに配備された始動口センサ53又は始動口センサ54の入賞検出信号があるか否かを判別する。始動口入賞がない場合、CPUはステップA02を偽と判別し、始動口処理を抜けてメインルーチンに戻る。即ち、始動口入賞がない場合には、始動口9a,9bの入賞検知に関わる始動口処理は、実質的に行われない。
一方、始動口入賞がある場合、CPUはステップA02を真と判別し、ステップA03に進み、今回ラウンド抽選値記憶エリアに記憶されている内容(前回の始動口入賞に応じて抽選された最大ラウンド数)を前回ラウンド抽選値記憶エリアに記憶し(ステップA03)、ラウンド数決定用カウンタの値を読み出して今回ラウンド抽選値記憶エリアに記憶し(ステップA04)、ステップA05に進む。
ここで、ラウンド数決定用カウンタは最大ラウンド数(最大継続回数)を決定するためのカウンタで、ステップS06の乱数更新処理において、例えば、0乃至8の範囲内で1つずつ循環的に更新される。なお、この実施形態では、例えば、抽選したラウンド数決定用カウンタの値が0,3,6のいずれかの場合には、最大ラウンド数を1ラウンドに決定し、抽選したラウンド数決定用カウンタの値が1,4,7のいずれかの場合には、最大ラウンド数を7ラウンドに決定し、抽選したラウンド数決定用カウンタの値が2,5,8のいずれかの場合には、最大ラウンド数を15ラウンドに決定するものとする。
CPUは、ステップA05に進むと、大入賞口15,16の1回開放動作処理における動作状態を規定する動作フラグG1の値が「0(開放前の初期状態)」であるか否かを判別する(ステップA05)。なお、動作フラグG1が取り得る値は、「0」乃至「3」としてあり、「0」で開放前の初期状態、「1」で開放前のインターバル、「2」で開放中、「3」で閉鎖後のV入賞有効期間を表すものとする。CPUは、動作フラグG1の値が「0(開放前の初期状態)」である場合、ステップA07に進む。一方、動作フラグG1の値が「0(開放前の初期状態)」でない場合、CPUはステップA06に進み、動作フラグG1の値が「3(閉鎖後のV入賞有効期間)」であるか否かを判別する(ステップA06)。CPUは、動作フラグG1の値が「3(閉鎖後のV入賞有効期間)」である場合もステップA07に進む。
ステップA07に進むと、CPUは、大入賞口15,16の1回開放動作処理の実行/非実行に関わる実行フラグF1に「1(実行)」をセットする(ステップA07)。次いで、CPUは、大入賞口15,16の1回開放動作処理における動作状態を規定する動作フラグG1に「1(開放前、インターバル中)」をセットし(ステップA08)、タイマT1にインターバル時間t1(この実施形態では1秒としてある)に対応する値をセットし(ステップA09)、始動口入賞検出に応じた始動入賞演出コマンドをセットし(ステップA10)、始動口処理を終えてメインルーチンに戻る。したがって、前回の始動口への入賞に応じて実行される大入賞口の1回開閉動作のV入賞有効期間中に、新たに始動口への入賞が検出された場合には、即ち、動作フラグG1が「3(閉鎖後のV入賞有効期間)」である場合には、新たに大入賞口の1回開閉動作が実行されることになる。
一方、ステップA06にて、動作フラグG1の値が「3(閉鎖後のV入賞有効期間)」でない場合、即ち、動作フラグG1の値が「1(開放前のインターバル)」、或いは「2(開放中)」の場合には、CPUは、ステップA06を偽と判別し、始動口処理を終えてメインルーチンに戻る。したがって、前回の始動口への入賞に応じて実行される大入賞口の1回開閉動作のインターバル期間中及び大入賞口の開放中に、新たに始動口への入賞が検出された場合には、始動入賞に対応する大入賞口の1回開閉動作は実行されない。
また、以上の説明から明らかなように、大当り遊技中以外に始動口への入賞が検出されると、前回の始動口入賞に応じて抽選記憶されていた最大ラウンド数が前回ラウンド抽選値記憶エリアに記憶され、今回の始動口入賞に応じてラウンド数決定用カウンタの値(最大ラウンド数)が今回ラウンド抽選値記憶エリアに記憶される。即ち、ラウンド抽選が行われる。
CPUは、ステップS01の始動口処理(図9参照)を抜けてメインルーチンに戻ると、続いてステップS02の大入賞口15,16の1回開放動作処理を実行する。図11乃至図12は、CPUが実行する大入賞口15,16の1回開放動作処理のフローチャートである。CPUは、1回開放動作処理を開始すると、まず、1回開放動作処理に関する実行フラグF1がセットされているか否かを判別する(ステップA11)。なお、実行フラグF1は、先に説明した始動口処理において始動口入賞あり及び動作フラグG1の値が「0(開放前の初期状態)」或いは「3(閉鎖後のV入賞有効期間)」の場合にセットされるフラグであり、それ以外の場合には実行フラグF1は0クリアされている状態にある。実行フラグF1がセットされていなければ、CPUはステップA11を偽と判別し、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。即ち、実行フラグF1がセットされていない場合には、大入賞口15,16の1回開放動作処理は、実質的に行われない。
一方、実行フラグF1がセットされている場合には、CPUはステップA11を真と判別し、ステップA12に進み、動作フラグG1が「1」(インターバル中)であるか否かを判別する(ステップA12)。1回開放動作処理を実質的に開始した時点では、先に説明した始動口処理において動作フラグG1に「1」がセットされている。CPUは、動作フラグG1が「1」である場合、ステップA13に進み、V入賞フラグを0クリアし(ステップA13)、大当り遊技処理に関わる実行フラグF2を0クリアし(ステップA14)、インターバル時間t1をセットしたタイマT1がアップ(タイマ値が0となっているか)したか否かを判別する(ステップA15)。インターバル時間t1をセットしたタイマT1がアップしていなければ、CPUは、ステップA15を偽と判別し、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。なお、タイマT1及び後述のタイマT2に関する処理は、所定の周期で行われる(例えば、4ms毎)タイマ処理にて、そのタイマの値が0でない場合にタイマ値が1ずつ減算される。
1回開放動作処理において、次サイクル以降、CPUは、実行フラグF1が「1」及び動作フラグが「1」に基いて、インターバル時間が経過するまでの間、ステップA11〜ステップA15を繰り返す。
そして、インターバル時間が経過すると、タイマT1がアップすることになり、CPUは、ステップA15を真と判別すると、タイマT1に大入賞口15,16の開放時間t2(この実施形態では0.4秒としている)に対応するタイマ値をセットし(ステップA16)、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効時間を計時するためのタイマT2に有効時間(図8のt2+t3)に対応する値をセットし(ステップA17)、第1ソレノイド30をオンすることで大入賞口15,16を開放し(ステップA18)、動作フラグに「2」(開放中)をセットし(ステップA19)、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。
なお、大入賞口15,16が開放されることにより、電動役物装置8内に打球の入球が可能となる。また、タイマT2には、有効時間(t2+t3)がセットされており、大入賞口15,16の開放と同時に、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効期間の開始とし、タイマT2がアップするまでの間、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とするV入賞の有効期間となる。
1回開放動作処理において、次サイクルでは、CPUは、動作フラグG1の値が「2(開放中)」である結果、ステップA11を真、ステップA12を偽と判別し、ステップA20に進み、動作フラグが「2」であるか否かを真と判別し、ステップA21に進み、大入賞口の開放時間t2をセットしたタイマT1がアップしたか否かを判別する(ステップA21)。大入賞口の開放時間t2をセットしたタイマT1がアップしていなければ、CPUは、ステップA21を偽と判別し、ステップA24に進み、有効時間がセットされたタイマT2がアップしたか否かを判別する(ステップA24)。
CPUは、有効時間をセットしたタイマT2がアップしていなければ(換言すると、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効期間中であれば)、ステップA24を偽と判別し、V入賞したか否かを判別する(ステップA25)。即ち、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号があるか否かを判別する。V入賞がなければ、CPUは、ステップA25を偽と判別して1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。一方、V入賞があれば、CPUは、ステップA25を真と判別し、V入賞フラグに1をセットし(ステップA26)、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。
1回開放動作処理において、次サイクル以降、CPUは、実行フラグが「1」及び動作フラグが「2」に基いて、大入賞口の開放時間t2が経過するまでの間、ステップA11を真、ステップA12を偽、ステップA20を真、ステップA21を偽、ステップA24を偽と判別し、V入賞があればステップA25を真と判別してステップA26を行う一方、V入賞がなければステップA25を偽と判別する処理ルーチンを繰り返す。
そして、大入賞口15,16の開放時間t2が経過すると、タイマT1がアップすることになり、CPUは、ステップA21を真と判別すると、第1ソレノイド30をオフすることで大入賞口15,16を閉鎖し(ステップA22)、動作フラグに「3」(閉鎖後のV入賞有効期間中)をセットし(ステップA23)、ステップA24に進む。そして、CPUは,ステップA24を偽と判別し、V入賞があればステップA25を真と判別してステップA26を行い、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る一方、V入賞がなければステップA25を偽と判別し、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る。
1回開放動作処理において、次サイクル以降、CPUは、動作フラグが「3」である結果、ステップA11を真、ステップA12を偽、ステップA20を偽と判別し、ステップA24にジャンプする。そして、CPUは,ステップA24を偽と判別し、V入賞があればステップA25を真と判別してステップA26を行い、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る一方、V入賞がなければステップA25を偽と判別し、1回開放動作処理を抜けてメインルーチンに戻る処理ルーチンを繰り返す。
そして、有効時間が経過すると(V入賞の有効期間の終了)、タイマT2がアップすることになり、CPUは、ステップA24を真と判別すると、V入賞フラグがセットされているか否かを判別する(ステップA27)。V入賞フラグがセットされていない場合、CPUは、ステップA27を偽と判別してステップA37にジャンプし、今回ラウンド抽選値に対応したラウンド予告演出コマンドをセットし(ステップA37)、ステップA35に進み、動作フラグG1を0クリアして初期状態に戻し(ステップA35)、実行フラグF1を0クリアして初期状態に戻し(ステップA36)、1回開放動作処理を終えてメインルーチンに戻る。なお、ステップA37にてセットされるラウンド予告演出コマンドは、抽選により決定された最大ラウンド数に対応するものであり、1ラウンド、7ラウンド、15ラウンドの3種類のうちの何れかとなる。
一方、V入賞フラグがセットされている場合には、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効期間内に特定入賞区域(Vゾーン)26に打球の入賞があったことになり、この場合には、CPUは、ステップA27を真と判別してステップA28に進み、前回ラウンド抽選値を(大当り遊技処理における)最大ラウンド数にセットし(ステップA28)、大当り演出コマンドをセットし(ステップA29)、ステップA28でセットした最大ラウンド数に対応するラウンド抽選演出コマンドをセットし(ステップA30)、ステップA31に進む。
ステップA31に進むと、CPUは、大当り遊技処理に関わる実行フラグF2に1(実行中)をセットし(ステップA31)、タイマT1に初回ラウンド開始までのインターバル時間t4(この実施形態では4秒としてある)に対応する値をセットし(ステップA32)、V入賞フラグを0クリアし(ステップA33)、大入賞口15,16の連続開閉動作処理における動作状態を規定する動作フラグG2の値を「0(初期状態)」クリアし(ステップA34)、ステップA35に進み、動作フラグG1を0クリアして初期状態に戻し(ステップA35)、1回開放動作処理に関わる実行フラグF1を0クリアして初期状態に戻し(ステップA36)、1回開放動作処理を終えてメインルーチンに戻る。なお、大当り遊技処理に関わる実行フラグF2に「1」がセットされる結果、規定の大当り遊技処理(図9のステップS04)が実行されることになる。
図19は、始動口入賞とラウンド予告が行われる場合との関係を示すタイムチャートである。以上の説明から明らかなように、始動口への入賞を契機として大入賞口15,16の1回開放動作処理が行われ、その大入賞口15,16の1回開放動作に関わるV入賞の有効期間内にV入賞がなかった場合、今回の始動口への入賞に応じたラウンド抽選に対応したラウンド予告演出コマンドがセットされ、後述の演出1コマンド伝送出力処理にて表示制御装置51に送信される。
CPUは、ステップS02の大入賞口15,16の1回開放動作処理(図9参照)を抜けてメインルーチンに戻ると、続いてステップS03の演出1コマンド伝送出力処理を実行する。演出1コマンド伝送出力処理は、始動口処理にてセットされた始動入賞演出コマンド、1回開放動作処理にてセットされた大当り演出コマンド、ラウンド抽選演出コマンド、ラウンド予告演出コマンドを表示制御装置51に送信する処理である。CPUは、セットされている各演出コマンドを送信すると、セットされていた演出コマンドをクリアし、演出1コマンド伝送出力処理を抜けてメインルーチンに戻る。CPUは、ステップS03の演出1コマンド伝送出力処理を抜けてメインルーチンに戻ると、続いてステップS04の大当り遊技処理を実行する。なお、ラウンド抽選に対応したラウンド予告演出コマンドが表示制御装置51に送信される場合、ラウンド抽選に対応したラウンド予告演出が表示装置14にて行われる。
図13は、CPUが実行する大当り遊技処理のメインルーチンを示すフローチャートである。CPUは、大当り遊技処理を開始すると、まず、大当り遊技処理に関する実行フラグF2がセット(F2=1)されているか否かを判別する(ステップB01)。なお、実行フラグF2は、先に説明した1回開放動作処理においてV入賞検出ありに応じてセットされるフラグであり、初期状態では実行フラグF2は0クリアされている。実行フラグF2がセットされていなければ、CPUはステップB01を偽と判別し、大当り遊技処理を抜けてメインルーチンに戻る。即ち、実行フラグF2がセットされていない場合には、大入賞口15,16の大当り遊技処理は、実質的に行われない。
一方、実行フラグF2がセットされている場合には、CPUはステップB01を真と判別し、ステップB02に進む。CPUは、次に、大入賞口15,16の連続開閉動作処理における動作状態を規定する動作フラグG2の値が「0(初期状態)」であるか否かを判別する(ステップB02)。なお、動作フラグG2が取り得る値は、「0」乃至「3」としてあり、「0」で大当り遊技前の初期状態、「1」で連続開閉動作における大入賞口の開放中、「2」で連続開放動作における大入賞口の閉鎖中、「3」でラウンド間のインターバル期間を表すものとする。また、動作フラグG2は、先に説明した1回開放動作処理においてV入賞検出ありに応じて0クリアされている。CPUは、大当り遊技処理の開始時には、動作フラグG2の値が「0(初期状態)」である結果、ステップB02を真と判別してステップB03に進み、初回ラウンド開始までのインターバル時間t4(この実施形態では4秒としてある)がセットされたタイマT1がアップしたか否かを判別する(ステップB03)。タイマT1がアップしていなければ、大当り遊技処理を抜けてメインルーチンに戻る。以下、CPUは、タイマT1がアップするまで、ステップB01を真、ステップB02を真、ステップB03を偽と判別する処理ルーチンを繰り返す。
CPUは、ステップS05の大当り遊技処理(図9参照)を抜けてメインルーチンに戻ると、続いてステップS06の演出2コマンド伝送出力処理を実行する。演出2コマンド伝送出力処理は、大当り遊技処理にてセットされた各種の演出コマンドを表示制御装置51に送信する処理である。CPUは、セットされている各演出コマンドを送信すると、セットされていた演出コマンドをクリアし、演出2コマンド伝送出力処理を抜けてメインルーチンに戻る。なお、初回ラウンド開始までのインターバル時間t4の間、先の演出1コマンド伝送出力処理にて送信された演出コマンドに対応して大当り演出表示及びラウンド抽選演出表示が表示装置14にて行われる。
そして、大当り遊技の初回ラウンド開始までのインターバル時間t4が経過すると、タイマT1がアップすることになり、CPUは、ステップB03を真と判別すると、ステップB04の連続開閉動作処理、ステップB05のラウンド終了判定処理、ステップB05の継続判定処理を行って大当り遊技処理を抜けてメインルーチンに戻る。
図14は、CPUが実行する連続開閉動作処理のサブルーチンを示すフローチャートである。CPUは、連続開閉動作処理を開始すると、まず、大入賞口15,16の連続開閉動作処理における動作状態を規定する動作フラグG2が「0」(初期状態)であるか否かを判別する(ステップB11)。連続開閉動作処理を実質的に開始した時点では、動作フラグG2に「0」がセットされている。CPUは、ステップB11を真と判別してステップB12に進み、大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタを0クリアし(ステップB12)、ステップB13に進む。
ステップB13に進むと、CPUは、1ラウンド(1連続開放動作)中のVゾーンへの入賞の有無を記憶するためのV入賞フラグを0クリアし(ステップB13)、1ラウンド(1連続開放動作)中の大入賞口15,16に入賞した入賞数をカウントするための入賞数カウンタを0クリアし(ステップB14)、1ラウンド中の羽根11,12の開閉回数をカウントするための開閉回数カウンタを0クリアし(ステップB15)、ラウンド開始に応じてラウンド数カウンタの値を+1し(ステップB16)、ステップB17に進む。
ステップB17に進むと、CPUは、タイマT1に大入賞口15,16の開放時間t5(この実施形態では0.8秒としている)に対応するタイマ値をセットし(ステップB17)、第1ソレノイド30をオンすることで大入賞口15,16を開放し(ステップB18)、動作フラグG2に「1」(開放中)をセットし(ステップB19)、連続開閉動作処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。
なお、大入賞口15,16が開放されることにより、電動役物装置8内に打球の入球が可能となる。連続開閉動作処理において、次サイクルでは、CPUは、動作フラグG2の値「1」に基いて、ステップB11を偽と判別してステップB20に進み、動作フラグG2が「1(開放中)」であるか否かを真と判別し、ステップB21に進む。CPUは、大入賞口の開放時間t5をセットしたタイマT1がアップしたか否かを判別する(ステップB21)。大入賞口の開放時間t5をセットしたタイマT1がアップしていなければ、CPUは、ステップB21を偽と判別して連続開閉動作処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。以下、連続開閉処理において、CPUは、大入賞口の開放時間t5が経過するまでの間、ステップB11を偽、ステップB21を真、ステップB22を偽と判別する処理ルーチンを繰り返す。
そして、大入賞口15,16の開放時間t5が経過すると、タイマT1がアップする(T1=0となる)ことになり、CPUは、ステップB21を真と判別すると、第1ソレノイド30をオフすることで大入賞口15,16を閉鎖し(ステップB22)、開閉回数カウンタの値を+1し(ステップB23)、タイマT1に大入賞口15,16の閉鎖時間t6(この実施形態では0.5秒としている)に対応するタイマ値をセットし(ステップB24)、動作フラグG2に「2」(閉鎖中)をセットし(ステップB25)、連続開閉動作処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。
連続開閉動作処理において、次サイクルでは、CPUは、動作フラグG2の値「2」に基いて、ステップB11を偽と判別し、ステップB20を偽と判別してステップB26に進み、動作フラグが「2(閉鎖中)」であるか否かを真と判別し、ステップB27に進む。CPUは、大入賞口の閉鎖時間t6をセットしたタイマT1がアップしたか否かを判別する(ステップB27)。大入賞口の閉鎖時間t6をセットしたタイマT1がアップしていなければ、CPUは、ステップB27を偽と判別して連続開閉動作処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。以下、連続開閉処理において、CPUは、大入賞口の閉鎖時間t6が経過するまでの間、ステップB11を偽、ステップB20を偽、ステップB26を真、ステップB27を偽と判別する処理ルーチンを繰り返す。
そして、大入賞口15,16の閉鎖時間t6が経過すると、タイマT1がアップする(T1=0となる)ことになり、CPUは、ステップB27を真と判別するとステップB17にジャンプし、タイマT1に大入賞口15,16の開放時間t5に対応するタイマ値をセットし(ステップB17)、第1ソレノイド30をオンすることで大入賞口15,16を再び開放し(ステップB18)、動作フラグに「1」(開放中)をセットし(ステップB19)、連続開閉動作処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。以上のようにして、大入賞口15,16の開閉動作を連続的に繰り返す。なお、以上に述べた大入賞口15,16の連続開閉動作は、ラウンド終了判定処理においてラウンド終了と判定された場合には中止される。
図15は、CPUが実行するラウンド終了判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、ラウンド終了判定処理は、連続開閉動作処理に引き続いて実行される(図13参照)。CPUは、ラウンド終了判定処理を開始すると、まず、大入賞口15又は16への入球(入賞)があるか否かを判別する(ステップB31)。即ち、CPUは、大入賞口15,16に配備された大入賞口センサ18,18の入賞検出信号がある場合には、入賞数カウンタの値を+1し(ステップB32)、ステップB33に進む。一方、大入賞口センサ18,18の入賞検出信号がない場合には、直接ステップB33にジャンプする。
ステップB33に進むと、CPUは、V入賞したか否かを判別する(ステップB33)。即ち、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号があるか否かを判別する。CPUは、V入賞があれば、ステップB33を真と判別し、V入賞フラグに1をセットし(ステップB34)、ステップB35に進む。一方、V入賞がなければステップB33を偽と判別し、ステップB35にジャンプする。
ステップB35に進むと、CPUは、最終ラウンドであるか否かを判別する(ステップB35)。即ち、ラウンド数カウンタの値が、1回開放動作処理のステップA28にてセットした最大ラウンド回数(1ラウンド、7ラウンド及び15ラウンドのうちの何れか)に達しているか否かを判別する。また、ステップB35の判別処理は、最終ラウンド目は、Vゾーン26への入賞による継続条件成立は無効になり、大入賞口15,16を通じて入球した球が10個に達するか、或いは、羽根11,12の開閉動作回数が18回に達するかの何れか一方が成立した時点で、15回目の大入賞口15,16の1連続開放動作の終了となるからである。
最終ラウンドでなければ、CPUは、ステップB35を偽と判別してステップB36に進み、V入賞フラグがセットされているか否かを判別する(ステップB36)。今回サイクルのラウンド終了判定処理にて、V入賞が検出された場合には、ステップB34の処理によってV入賞フラグがセットされている。CPUは、V入賞フラグがセットされている場合には、ステップB36を真と判別してステップB41に進み、V入賞演出コマンドをセットし(ステップB41)、ステップB39に進み、第1ソレノイド30をオフすることで大入賞口15,16を閉鎖し(ステップB39)、ラウンド終了フラグに「1(終了)」をセットし(ステップB40)、ラウンド終了判定処理を終えて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。したがって、最終ラウンド以外においては、V入賞が検出された時点で大入賞口15,16を閉鎖して今回のラウンドが終了となる。
一方、V入賞フラグがセットされていない場合には、CPUは、ステップB36を偽と判別してステップB37に進む。また、ステップB35において、最終ラウンドであると判別された場合、ステップB35を真と判別してステップB37にジャンプする。CPUは、入賞数カウンタの値が10に達しているか否かを判別する(ステップB37)。1ラウンド中の大入賞口15,16への入賞数が10個に達している場合、CPUは、ステップB37を真と判別してステップB39に進み、第1ソレノイド30をオフすることで大入賞口15,16を閉鎖し(ステップB39)、ラウンド終了フラグに「1(終了)」をセットし(ステップB40)、ラウンド終了判定処理を終えて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。したがって、全てのラウンドにおいて、大入賞口15,16へ入賞した球数が10に達した時点で大入賞口15,16を閉鎖して今回のラウンドが終了となる。
一方、1ラウンド中の大入賞口15,16への入賞数が10個に達していない場合には、CPUは、ステップB37を偽と判別してステップB38に進む。CPUは、開閉回数カウンタの値が18に達しているか否かを判別する(ステップB38)。開閉回数カウンタの値が18に達している場合、CPUは、ステップB38を真と判別してステップB39に進み、第1ソレノイド30をオフすることで大入賞口15,16を閉鎖し(ステップB39)、ラウンド終了フラグに「1(終了)」をセットし(ステップB40)、ラウンド終了判定処理を終えて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。したがって、全てのラウンドにおいて、羽根11,12の開閉動作回数が規定の18回に達した時点で大入賞口15,16を閉鎖して今回のラウンドが終了となる。
なお、前述のように、ラウンド終了と判定された場合には、大入賞口15,16が閉鎖され、大入賞口15,16の連続開閉動作が中止される。一方、開閉回数カウンタの値が18に達していない場合、CPUは、ステップB38を偽と判別してラウンド終了判定処理を終えて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。ラウンド終了判定処理でラウンド終了と判定されない場合には、大入賞口15,16の連続開閉動作は続行となる。
図16は、CPUが実行する継続判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、継続判定処理は、ラウンド終了判定処理に引き続いて実行される(図13参照)。CPUは、継続判定処理を開始すると、まず、ラウンド終了フラグに「1(終了)」がセットされているか否かを判別する(ステップB51)。前述のように、ラウンド終了判定処理でラウンド終了と判定された場合にのみ、ラウンド終了フラグに「1」がセットされる。CPUは、ラウンド終了フラグに「1(終了)」がセットされていない場合、ステップB51を偽と判別し、継続判定処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。従って、ラウンド終了判定処理でラウンド終了と判定されない場合には、継続判定処理は、実質的に行われない。
一方、ラウンド終了フラグに「1(終了)」がセットされている場合には、CPUはステップB51を真と判別し、ステップB52に進み、最終ラウンドであるか否かを判別する(ステップB52)。最終ラウンドである場合、CPUは、ステップB52を真と判別してステップB53に進み、ラウンド終了フラグを0クリアし(ステップB53)、動作フラグG2を0クリアし(ステップB54)、大当り遊技処理に関する実行フラグF2を0クリアし(ステップB55)、大当り終了演出コマンドをセットし(ステップB56)、継続判定処理を終了してメインルーチンに戻る。したがって、最終ラウンドが終了した時点で大当り遊技が終了となる。
一方、最終ラウンドでない場合、CPUは、ステップB52を偽と判別してステップB57に進み、連続開閉動作処理における動作状態を規定する動作フラグG2が「3」(インターバル中)であるか否かを判別する(ステップB57)。ラウンド終了判定処理でラウンド終了と判定されたことによって、継続判定処理を実質的に開始した時点では、動作フラグG2の値は、「1(開放中)」又は「2(閉鎖中)」のうちのいずれかとなっている。CPUは、ステップB57を偽と判別してステップB58に進む。
ステップB58に進むと、CPUは、タイマT1にラウンド間のインターバル時間t7(この実施形態では3.7秒としてある)に対応する値をセットし(ステップB58)、連続開閉動作処理における動作状態を規定する動作フラグG2に「3(インターバル中)」をセットし(ステップB59)、継続判定処理を抜けて大当り遊技処理のメインルーチンに戻る。なお、動作フラグに「3(インターバル中)」がセットされた結果、図14の連続開閉処理では、CPUは、ステップB11を偽、ステップB20を偽、ステップB26を偽と判別する処理ルーチンを繰り返すことになる(連続開閉動作の中止)。
なお、ラウンド間のインターバル時間t7は、大入賞口15,16の閉鎖時からのVゾーン26への入賞によるVゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効時間でもある。継続判定処理において、次サイクル以降、CPUは、ラウンド終了フラグが「1」及び動作フラグが「3」に基いて、上記インターバル時間t7が経過するまでの間、ステップB51を真、ステップB52を偽、ステップB57を偽、ステップB60のタイマT1がアップしたか否かの判別を偽と判別する処理ルーチンと、ステップB61にてV入賞があればステップB61を真と判別してV入賞フラグに1をセットする一方(ステップB62)、V入賞がなければステップB61を偽と判別する処理ルーチンとを繰り返す。
そして、ラウンド間のインターバルt7が経過すると、タイマT1がアップすることになり、CPUは、ステップB60を真と判別するとステップB63に進み、ラウンド終了フラグを0クリアし(ステップB63)、V入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判別する(ステップB64)。
V入賞フラグがセットされている場合には、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効時間或いは1ラウンド中においてVゾーン26に打球の入賞があったことになり、この場合には、次のラウンドの継続条件の成立となり、CPUは、ステップB64を真と判別し、連続開閉動作処理のステップB13にジャンプし(図14参照)、ステップB13乃至ステップB16を行ってラウンド開始条件を設定し、ステップB17〜ステップB19を行って次のラウンドの大入賞口15,16の連続開閉動作を開始する。なお、ラウンド終了フラグが0クリアされる結果、次周期以降において、継続判定処理は実質的に行われない。
一方、V入賞フラグがセットされていない場合には、Vゾーンセンサ29の入賞検出信号を有効とする有効時間或いは1ラウンド中においてVゾーン26に打球の入賞がなかったことになり(所謂パンク状態)、この場合には、次のラウンドの継続条件の不成立となり、CPUは、ステップB64を偽と判別してステップB54にジャンプし、動作フラグG2を0クリアし(ステップB54)、大当り遊技処理に関する実行フラグF2を0クリアし(ステップB55)、大当り終了演出コマンドをセットし(ステップB56)、継続判定処理を終了してメインルーチンに戻る。したがって、1ラウンド中及びラウンド間のインターバル時間中においてV入賞がない場合、大当り遊技が終了となる。
次に、表示制御装置51のCPU(以下、表示CPUという)が実行するラウンド予告演出表示に関わる処理について説明する。図17は、表示CPUが実行する演出表示コマンド処理のサブルーチンの一部を示すフローチャートである。なお、表示CPUは、演出コマンドを受信する毎に演出コマンド処理を実行する。表示CPUは、受信した演出コマンドがラウンド予告演出コマンドか否かを判別する(ステップD01)。受信した演出表示コマンドがラウンド予告演出コマンドであれば、ステップD02に進み、15ラウンド予告であるか否かを判別する(ステップD02)。表示CPUは、15ラウンド予告である場合、ラウンド予告を行うか否かを決定するための抽選カウンタの値を取得し(ステップD03)、取得した抽選カウンタの値が当選であるか否かを判別する(ステップD04)。この実施形態では、15ラウンド予告の場合、確率1/8で15ラウンド予告を行うものとする。したがって、ステップD04の抽選カウンタの値が当選であるか否かは、当選確率が1/8となるように設定されている。表示CPUは、ステップD04の判定結果が当選である場合、15ラウンド予告に関わる実行フラグA1に「1(実行)」をセットし(ステップD05)、演出表示コマンド処理を抜ける。一方、ステップD04の判定結果が当選でない場合、表示CPUは、そのまま演出表示コマンド処理を抜ける。
また、ステップD02にて15ラウンド予告でないと判別した場合、表示CPUは、ステップD06に進み、7ラウンド予告であるか否かを判別する(ステップD06)。表示CPUは、7ラウンド予告である場合、15ラウンド予告に関わる実行フラグA1を0クリア(非実行)し(ステップD07)、ラウンド予告を行うか否かを決定するための抽選カウンタの値を取得し(ステップD08)、取得した抽選カウンタの値が当選であるか否かを判別する(ステップD09)。この実施形態では、7ラウンド予告の場合、確率1/4で7ラウンド予告を行うものとする。したがって、ステップD09の抽選カウンタの値が当選であるか否かは、当選確率が1/4となるように設定されている。表示CPUは、ステップD09の判定結果が当選である場合、7ラウンド予告に関わる実行フラグA2に「1(実行)」をセットし(ステップD10)、表示タイマに表示時間(例えば、3秒)をセットし(ステップD11)、演出表示コマンド処理を抜ける。一方、ステップD09の判定結果が当選でない場合、表示CPUは、そのまま演出表示コマンド処理を抜ける。
また、ステップD06にて7ラウンド予告でないと判別した場合、受信したラウンド予告演出コマンドは1ラウンドであることになる。この実施形態では、1ラウンド予告の場合は、ラウンド予告演出は行わないものとする。したがって、表示CPUは、ステップD06を偽と判別してそのまま演出表示コマンド処理を抜ける。
また、ステップD01にて、受信した演出コマンドがラウンド予告演出コマンドでなければ、ステップD01を偽と判別する。なお、受信した演出表示コマンドがラウンド予告演出コマンドでない場合は、始動入賞コマンドや大当り演出等の演出コマンドであるか否かを判別する処理に移行するが、この点に関しては本発明の要旨に関係しないので説明を省略する。
図18は、表示CPUが実行するラウンド予告演出表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。表示CPUは、まず、15ラウンド予告に関わる実行フラグA1がセット(=1)されているか否かを判別する(ステップD21)。15ラウンド予告に関わる実行フラグA1がセットされている場合、表示CPUは、15ラウンド予告演出表示を行い(ステップD22)、ラウンド予告演出表示処理を抜ける。15ラウンド予告演出は、例えば、表示装置14に「次にV入賞すれば15R」のように表示して遊技者に分かるように、当りとなった(V入賞した)場合の大当り遊技の最大ラウンド数を報知する。
ステップD21にて、15ラウンド予告に関わる実行フラグA1がセット(=1)されていない場合、表示CPUは、ステップD23に進み、7ラウンド予告に関わる実行フラグA2がセット(=1)されているか否かを判別する(ステップD23)。7ラウンド予告に関わる実行フラグA2がセット(=1)されている場合、表示CPUは、表示時間をセットした表示タイマがアップしているか否かを判別し(ステップD24)、表示タイマがアップしていなければ、ステップD25に進み、7ラウンド予告演出表示を行い(ステップD25)、ラウンド予告演出表示処理を抜ける。7ラウンド予告演出も、例えば、表示装置14に「次にV入賞すれば7R」のように表示して遊技者に分かるように、当りとなった場合の大当り遊技の最大ラウンド数を報知する。
この実施形態では、7ラウンド予告の場合、予め定めた表示時間(例えば、3秒)を上限としてラウンド予告演出表示を行うようにしている。表示CPUは、7ラウンド予告演出表示を行う場合、次サイクル以降の処理では、表示タイマにセットされている表示時間が経過するまでステップD21を偽、ステップD23を真、ステップD24を偽、ステップD25を行う処理を繰り返す。そして、上記表示時間が経過すると、表示タイマがアップし、表示CPUはステップD24を真と判別し、7ラウンド予告に関わる実行フラグA2を0クリア(非実行)し(ステップD26)、ラウンド予告演出表示処理を抜ける。
上述した実施形態では、15ラウンド予告演出表示に当選した場合、次の始動入賞に応じた大入賞口の1回開放動作のV入賞有効期間が終了するまで15ラウンド予告演出表示が続行される。また、7ラウンド予告演出表示に当選した場合、予め定めた表示時間(例えば、3秒間)を上限としてラウンド予告演出表示が行われる。このように、7ラウンド予告演出表示に当選した場合よりも、15ラウンド予告演出表示に当選した場合の方が、ラウンド予告表示を行う期間を長く設定する。
以上、実施形態で説明したように、第2種のパチンコ遊技機において、始動口への入賞の間隔が開いた場合には、表示装置に、次に始動入賞してV入賞した場合の最大ラウンド数が予告表示されるので、遊技者を退屈させずに期待感を持たせ、始動入賞の間隔が開いた場合でも遊技者の遊技意欲を持続させることができる。このように、また、抽選で決定された最大継続回数が多いほど、長い期間ラウンド予告演出表示が行われるので、例えば、遊技機に遊技者がいない客待ち状態であっても、最大継続回数が多いものはラウンド予告演出表示が続けて行われるため、遊技者にとっては遊技台を選択するための目安となり、遊技機の稼働率の向上が期待できる。