JP2005039074A - 常圧プラズマcvd装置及び常圧プラズマcvd法 - Google Patents

常圧プラズマcvd装置及び常圧プラズマcvd法 Download PDF

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Abstract

【課題】 成膜後の膜中における水分やカーボン等といった不純物の混入低減をはかるとともに、所望の膜厚の薄膜を迅速に形成することができる常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法を提供する。
【解決手段】 成膜処理が施される基板50は、搬送ライン70上を移動され、成膜工程ユニット1-1の成膜処理ユニット10による膜厚が5000Å以下程度の薄膜部分の成膜処理、同ユニット1-1の膜質処理ユニット20によるその薄膜部分の膜質改質による膜質向上処理が、繰り返し行われる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、大気圧近傍の圧力下で、被処理物に所望の厚さの薄膜を形成するための常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法に関する。
常圧プラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)装置及び常圧プラズマCVD方法は、大気圧近傍の圧力下で対向電極間に原料ガスを導入し、この対向電極間にパルス状の電界を印加することによって、この原料ガスをグロー放電プラズマ化させ、基板等の被処理物上に薄膜を形成する。
この常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法によれば、大気圧近傍の圧力下で均一なグロー放電プラズマを継続して発生させ、原料ガスのグロー放電プラズマ処理を安定して行い、被処理物に薄膜を容易に製造することができる。
しかしながら、一般に、大気圧近傍の圧力下での成膜は、水分やカーボン等の不純物の混入によって、その膜質が低下することが避けられなかった。そのため、成膜後の膜中においては、水分やカーボン等の不純物の混入量が多くなる、という課題があった。
そこで、常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法では、所望の厚さの薄膜をグロー放電プラズマ処理によって被処理物である基板上に成膜後に、プラズマ処理又はアニール処理といった膜質向上処理(膜質改質処理)を行うことによって、その膜質を向上させることが考えられる。
特開2002−237463号公報 特許2698005号 特開平7−249623号
しかしながら、膜質向上処理として、成膜後にプラズマ処理によって膜質を向上させる方法は、成膜した薄膜の厚さが厚くなると、薄膜の表面及びその近傍部分しか膜質を改質することができず、薄膜の内方部分の膜質を改質することが難しいという問題点があった。
一方、膜質向上処理として、成膜後にアニール処理によって膜質を向上させる方法は、膜全体の改質に時間を要するという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法に係り、成膜後の膜中における水分やカーボン等といった不純物の混入低減をはかるとともに、所望の膜厚の薄膜を迅速に形成することができる常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の常圧プラズマCVD装置は、大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD装置であって、成膜を行う成膜処理ユニットと膜質改質を行う膜質処理ユニットとを交互に並べて複数配置し、該成膜
処理ユニット及び膜質処理ユニットの並設方向に搬送される被処理物が該ユニットそれぞれの処理有効範囲内を通過することにより、被処理物に成膜及び膜質改質が交互になされることを特徴とする。
また、本発明の常圧プラズマCVD装置は、大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD装置であって、成膜を行う成膜処理ユニットと膜質改質を行う膜質処理ユニットとを一対配置し、該両ユニット間を搬送される被処理物が該成膜処理ユニットの処理有効範囲内と該膜質処理ユニットの処理有効範囲内とを交代配置させられることにより、被処理物に成膜及び膜質改質が交互になされることを特徴とし、加えて、前記一対の成膜処理ユニットと膜質処理ユニットは、被処理物が搬送される円周軌道上に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の常圧プラズマCVD装置では、前記成膜処理ユニットは、シリコンソース(G1)、ドーパントソース(G2)、キャリアーガス(G3)、及び被プラズマガス(G4)の4成分のプロセスガス(G1)〜(G4)を供給するガス供給源と、放電処理部とを備え、前記4成分のプロセスガス(G1)〜(G4)の中、プロセスガス(G4)を前記放電処理部にて放電処理を行い、当該放電処理したプロセスガス(G4)に、放電処理が未処理のプロセスガス(G1)、(G2)、(G3)を混合する構成であることを特徴とする。
また、本発明の常圧プラズマCVD装置では、前記膜質処理ユニットは、ラピットサーマルアニール装置であることを特徴とする。
また、本発明の常圧プラズマCVD装置では、前記膜質処理ユニットは、処理ガスを大気圧近傍圧力下にてプラズマ化する装置であることを特徴とする。
その上で、さらに本発明の常圧プラズマCVD装置では、前記成膜処理ユニット及び膜質処理ユニットは、当該ユニットそれぞれの処理有効範囲内に配置された被処理物に対して、1000Å以下の成膜又は膜質改質を行うことを特徴とする。
一方、本発明の常圧プラズマCVD法は、大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD法であって、成膜処理ユニットによって1000Å以下の成膜を行う工程と膜質処理ユニットによって1000Å以下の膜質改質を行う工程とを、被処理物に対して繰り返し行い、かつ当該繰り返しが前記膜質改質を行う工程から始められることを特徴とする。
以上のように、本発明の常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法によれば、被処理物である基板上に所望の膜厚を成膜でき、その膜質を改質するのに要する時間を短縮し、膜全体を均一に改質できる。この結果、膜中の水分量及び不純物であるC量の低減が可能になり、膜の電気特性が向上する。
特に、膜厚が1000Å以下の薄膜の成膜処理と、この新たに積層形成された1000Å以下の薄膜についての膜質処理とからなる成膜工程を繰り返し、所望の膜厚の薄膜を成膜するようにすれば、その効果はさらに増大する。
また、膜質処理を成膜処理に先立って行ってから、上述した成膜処理及び膜質処理からなる成膜工程を繰り返し行うことにより、成膜処理前の基板表面の物理的及び科学的影響を改善することが可能となり、成膜の膜圧及び膜質の均一性が向上する。
本発明の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置は、成膜処理により5000Å以下程度の薄膜を形成した段階で、一旦、成膜処理を中断し、そして、この形成途中の薄膜に対してアニール処理又はプラズマ処理といった膜質向上処理(膜質改質処理)を行った後、さらに、このような5000Å以下程度の膜厚の成膜処理と膜質向上処理とからなる成膜工程を適宜繰り返して行うことにより、5000Åを超える所望の膜厚の薄膜を、被処理物である基板上に形成する。
すなわち、従来までの、膜厚が5000Åを超える所望の膜厚の薄膜を基板上に成膜完了してから、アニール処理又はプラズマ処理といった膜質向上処理を行う場合は、膜質を改質するのに時間を要し、膜全体を均一に改質できない課題がある。
ところが、所望の膜厚には不足するものの、膜厚5000Å以下程度の薄膜であれば、アニール処理又はプラズマ処理といった膜質向上処理により、膜質を迅速、かつ均一に改質することが可能である。
この場合、膜質向上処理のアニール処理では、熱により膜の構造がより安定な構造に遷移することによって、その際に不純物(水分量、カーボンC)の排出が起こる。
また、膜質向上処理のプラズマ処理では、プラズマによるエネルギーにより、上記アニール処理の場合と同等の効果が得られる。さらに、プラズマにより発生した活性種と膜中の不純物が反応することにより、膜中の不純物の排出を促すことができる。
そこで、本発明の常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法は、所望の膜厚には不足するものの、上述したように、5000Å以下程度の膜厚の成膜処理と膜質向上処理とからなる成膜工程を適宜繰り返して行うことによって、被処理物である基板上に所望の膜厚を成膜でき、その膜質を改質するのに要する時間を短縮し、膜全体を均一に改質できるものである。
この結果、膜中の水分量(フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR:Fourier Transform InfraRed spectrometer)でのH2O/Si比)及び不純物であるC量(二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)による)の低減が可能になり、
膜の電気特性が向上する。
特に、膜厚が1000Å以下の薄膜の成膜処理と、この新たに積層形成された1000Å以下の薄膜についての膜質向上処理とからなる成膜工程を繰り返して、5000Åを超える所望の膜厚の薄膜を成膜するようにすれば、その効果はさらに増大する。
また、膜質向上処理を成膜処理に先立って行ってから、上述した成膜処理及び膜質向上処理からなる成膜工程を繰り返し行うことにより、成膜処理前の基板表面の物理的及び科学的影響を改善することが可能となり、成膜の膜圧及び膜質の均一性が向上する。
次に、本発明による常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法の概念図を示したものである。
本実施の形態による、大気圧近傍の圧力下で被処理物である基板上に所望の厚さの薄膜を形成するための常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法は、成膜処理ユニ
ット10による成膜処理(例えば、プラズマCVD成膜)S10と、膜質処理ユニット20による膜質向上処理(例えば、熱ランプアニール又はプラズマ処理)S20とを有する。
ここで、上記した大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Pa(中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331×104〜10.397
×104Paの範囲)の圧力下を指す。
図2及び図3は、それぞれ本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用する成膜処理ユニットの実施例の構成図である。
図2及び図3に示す成膜処理ユニット10A,10Bは、基台11に、一対の電極12,13が対向配置されて構成されている。そして、一対の電極12,13の中、少なくとも一方側の電極の対向面は、固体誘電体14によって被覆されている。
ここで、各電極12,13は、例えば、銅,アルミニウム等の金属単体,ステンレス,真鍮等の合金,金属間化合物,等から構成され、その電極構造としては、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために電極間距離が略一定となる構造になっている。具体的には、図示した平行平板型の電極構造の他、例えば、円筒対向平板型,球対向平板型,双曲面対向平板型,同軸円筒型,等の電極構造であってもよい。
固体誘電体14は、設置される側の電極12(13)に密着し、かつ、接する電極12(13)の対向面を完全に覆い、その形状は、シート状でもフィルム状でもよく、その厚みは0.01〜4mmであることが好ましい。
この固体誘電体14は、ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック,ガラス,二酸化珪素,酸化アルミニウム,二酸化ジルコニウム,二酸化チタン等の金属酸化物,チタン酸バリウム等の複酸化物,及びこれらの複層化したもの,等から構成され、比誘電率が2以上になっている。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体14を用いることが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるものではないが、現実の材料では比誘電率が18,500程度のものが知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体としては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮膜、又は酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮膜からなる固体誘電体14が好ましい。また、その電極構造は積層構造であっても構わない。
そして、電極12,13間の電極間距離は、上記した固体誘電体14の厚さ、後述する印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して適宜決定されるが、均一な放電プラズマを電極12,13間に発生させるためには、0.1〜50mmであることが好ましく、より好ましくは5mm以下である。
その上で、基板−電極間の距離は、0.1〜20mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜15mmである。その理由としては、基板−電極間の距離がこの範囲以下では、気相反応が十分でなく、成膜後の特性が実現できず、またこの範囲以上では、気相反応が過剰となり、パーティクル発生してしまうためである。
その上で、本実施例の成膜処理ユニット10A,10Bは、前述した上部電極12がパルス電界印加用の電源15に接続されており、下部電極13はアース16に接続されている。
ここで、電源15は、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が100μs以下であり、好ましくは10μs以下、より好ましくは50ns〜5μsのパルス電界を、両電極12,13間に発生させるためのものである。
このパルス電界は、立ち上がり時間(電圧(絶対値)が連続して増加する時間を指す)、及び立ち下がり時間(電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指す)が100μsを超えると、放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、両電極12,13間に高密度プラズマ状態を得られにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほど、プラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界は実現しにくい。そして、パルス電界の立ち下がり時間も急峻であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100μs以下のタイムスケールであることが好ましい。例えば、本実施例で使用した電源15では、立ち上がり時間と立ち下がり時間とが同じ時間に設定してある。
また、パルス電界の電界強度は、電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間が
かかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなるため、10〜
1000kV/cmになっており、好ましくは20〜300kV/cmになっている。
また、パルス電界の周波数は、0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低く、処理に時間がかかりすぎるため、0.5kHz以上であることが好ましい。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱い性を考慮すると、パルス電界の周波数は、500kHz以下が好ましい。
また、パルス電界における一つのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましく、より好ましくは3〜200μsである。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパルスの連続するON時間を指す。
このようにして、図2及び図3に示す成膜処理ユニット10A,10Bとも、上部電極12と下部電極13との間の空間に放電プラズマを発生させることができる。
次に、図2及び図3に示す成膜処理ユニット10A,10Bそれぞれの原料ガスの供給構成について説明する。
成膜処理ユニット10A,10Bとも、上部電極12と下部電極13との間に形成される放電プラズマ空間(成膜処理空間)30に対し原料ガス40を導入するための原料ガス導入口17と、この放電プラズマ空間30内のガスを排出するためのガス排気口18を備えている。
成膜処理ユニット10Aの場合、その上部電極12は、原料ガス導入口17を形成する多数のガス噴出口を有するシャワーヘッド型電極12Aになっており、原料ガス40を放電プラズマ空間30に供給可能な構成になっている。
これに対し、成膜処理ユニット10Bの場合は、上部電極12と下部電極13との間の放電プラズマ空間30の側方部分に原料ガス導入口17が形成され、供給される構成になっている。
原料ガス40は、放電プラズマ空間(プラズマ発生空間)30に均一に供給されること
が好ましく、図3に示す成膜処理ユニット10Bの場合は、放電プラズマ空間30のガス
流れを均一化するために、原料ガス導入口17には、図示せぬガス流の整流機構が設けられている。
そして、原料ガス40は、図示せぬ原料ガス供給部から原料ガス導入口17を通って放電プラズマ空間30に供給され、ガス排気口18から外部に排気される。
このように構成された成膜処理ユニット10A,10Bにおいては、薄膜が形成される基板(被処理物)50は、図2及び図3において、例えば矢印a方向に沿って、放電プラズマ空間30内に搬送され、成膜処理ユニット10A,10Bによって膜厚が5000Å以下程度の薄膜の成膜が行われた後、膜質処理ユニット20へ搬送される。
以上の説明したように、本実施例の成膜処理ユニット10A,10Bは構成されるが、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用する成膜処理ユニット10は、上述した構成に限られるものではない。
例えば、図2及び図3に示した成膜処理ユニット10A,10Bのように、放電プラズマ空間30に原料ガス40と基板50とを供給配置するダイレクト型のユニットに代えて、リモート型のユニットでもよい。
図4は、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用するリモート型成膜処理ユニットの実施例の構成図である。
図4に示すように、本実施例のリモート型の成膜処理ユニット10Cは、複数の貫通孔(ラジカル通過孔)19aが開口され、その開口群が基板50の加工面と対向するように配置されたプラズマ閉じ込め電極部19Aが備えられて構成されている。
原料ガス40は、図示せぬ原料ガス供給部からプラズマ閉じ込め電極部19Aの貫通孔19aの一端側開口(原料ガス導入口17に対応)に供給され、貫通孔19aの内周面に設けられた電極12,13間に生成された放電プラズマ発生空間30を通過することによって励起されてラジカルとなり、基板50の加工面と対向するように配置された貫通孔19aの他端側開口から、基板50の加工面に供給される構成になっている。
そして、基板50の加工面に対して供給された原料ガス40は、複数の貫通孔19aの周囲に設けられたガス排気口18から外部に排気される構成となっている。
なお、パルス電界の印加用の電源15等については、図2及び図3に示した成膜処理ユニット10A,10Bの場合と同様なので、図4においては図示省略する。
図5は、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用するリモート型の成膜処理ユニットのさらに別の実施例の構成図である。
図5に示すように、本実施例のリモート型の成膜処理ユニット10dは、前述した実施例と異なり、通過するガスが貫通孔(ラジカル通過孔)19aの内周面に設けられた電極12,13間に生成された放電プラズマ発生空間30を通過することによって励起されてラジカルとなって基板50の加工面に対して供給されるプラズマ処理部19A’(前記プラズマ閉じ込め電極部19Aに対応)と、通過するガスが前記電極12,13を備えていない貫通孔(非ラジカル通過孔)19bを通過することによって非ラジカルのまま基板50の加工面に対して供給される非プラズマ処理部19B’とを有する構成になっている。
そして、原料ガス40を構成するプロセスガス成分の中、予め定められた成分のプロセ
スガスはプラズマ処理部19A’によってプラズマ化され、残りの成分のプロセスガスは非プラズマ処理部19B’を介してそのまま供給される。
これにより、本実施例のリモート型の成膜処理ユニット10dでは、基板50の加工面に、これらプラズマ化された成分のプロセスガスとプラズマ化されていない成分のプロセスガスとの混合ガスが供給される構成になっており、これら供給されたプロセスガスは、周囲に設けられたガス排気口18から外部に排気される構成となっている。
次に、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用する膜質処理ユニット20の実施例について説明する。
本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置には、膜質処理ユニット20として、プラズマ処理膜質処理ユニット又はアニール処理膜質処理ユニットが適用される。
プラズマ処理膜質処理ユニット20は、図2,図3,及び図4に基づき説明した成膜処理ユニット10A,10B,10Cと同様の構成を備え、図2,図3,及び図4中において、成膜処理ユニット10A,10B,10Cの場合における原料ガス40に代えて、処理ガス60が供給される構成になっている。
以下では、この膜質処理ユニット20について、図2に示した如くのダイレクト型のプラズマ処理膜質処理ユニットを符号20A,図3に示した如くのダイレクト型のプラズマ処理膜質処理ユニットを符号20B,図4に示した如くのリモート型のプラズマ処理膜質処理ユニットを符号20Cで表して説明する。
これに対し、アニール処理膜質処理ユニット20は、図示省略するが、薄膜が形成された基板50を過熱するためのランプを備え、その発熱によって、前述の成膜処理ユニット10A,10B,10Cによって基板50上に形成された薄膜に膜質向上処理を行うもので、以下では、このアニール処理膜質処理ユニット20のことを特に符号20Dで表して説明する。
次に、以上説明した成膜処理ユニット10と、膜質処理ユニット20とを備えた常圧プラズマCVD装置100の実施の形態について説明する。
図6は、第1の実施の形態による常圧プラズマCVD装置の構成図である。
本実施の形態の常圧プラズマCVD装置100Aは、基板50の搬送ライン70と、一対の成膜処理ユニット10と膜質処理ユニット20によって構成される成膜工程ユニット1がこの搬送ライン70による搬送経路に沿って複数組配置されて構成されている。図6においては、2組の成膜工程ユニット1-1,1-2が設けられている構成となっている。
成膜処理が施される基板50は、搬送ライン70上を矢印a方向に移動され、成膜工程ユニット1-1の成膜処理ユニット10による膜厚が5000Å以下程度の薄膜部分の成
膜処理、同ユニット1-1の膜質処理ユニット20によるその薄膜部分の膜質改質による
膜質向上処理、成膜工程ユニット1-2の成膜処理ユニット10による膜厚が5000Å
以下程度の薄膜部分の積層成膜処理、成膜工程ユニット1-2の膜質処理ユニット20に
よるその積層された薄膜部分の膜質改質による膜質向上処理が、順次行われる構成になっている。
図7は、第2の実施の形態による常圧プラズマCVD装置の構成図である。
本実施の形態の常圧プラズマCVD装置100Bは、基板50が載置され回動可能に軸支された回動台80と、一対の成膜処理ユニット10と膜質処理ユニット20とによって構成される成膜工程ユニット1が、この回動台80の周方向(円周軌道上)に沿ってその成膜処理ユニット10と膜質処理ユニット20とが並ぶように、一又は複数組配置されて構成されている。図7においては、1組の成膜工程ユニット1-1が設けられ、その成膜
処理ユニット10と膜質処理ユニット20とは回動台80の回動中心について点対称になるように配置されている。
この場合、成膜が施される基板50は、回動台80の回動中心の周りに載置され、回動台80が回動することにより基板50も回動し、成膜工程ユニット1-1の成膜処理ユニ
ット10による膜厚が5000Å以下程度の薄膜部分の成膜処理、成膜工程ユニット1-
1の膜質処理ユニット20によるその薄膜部分の膜質改質による膜質向上処理が、必要なだけ繰り返し行える構成になっている。
なお、上記説明した図6に示した第1の実施の形態による常圧プラズマCVD装置100A、及び図7に示した第2の実施の形態による常圧プラズマCVD装置100Bとも、成膜処理ユニット10及び膜質処理ユニット20は、その原料ガス及び処理ガスの基板50への供給はダウンフローになるが、基板50の搬送ライン70及び回動台80における配置方法等を変更することにより、その原料ガス及び処理ガスの基板50への供給をアップフローによって行ってもよい。
次に、以上説明した本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置100による成膜の実施例について説明する。
図8は、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置による実施例の一覧表を示したものである。
図8において、「構成」欄は、実施例に適用した常圧プラズマCVD装置100の構成について、図6で説明した常圧プラズマCVD装置100A、図7で説明した常圧プラズマCVD装置100Bの中のいずれから構成されているかの区別を、「A」又は「B」で表わしたものである。
「成膜処理ユニット」欄は、その常圧プラズマCVD装置100を構成する成膜処理ユニット10の構成が、図2で説明した成膜処理ユニット10A,図3で説明した成膜処理ユニット10B,図4で説明した成膜処理ユニット10C,図5で説明した成膜処理ユニット10Dの中のいずれから構成されているかの区別を、「A」,「B」,「C」,又は「D」で表わしたものである。
「成膜レシピ」欄は、その原料ガス40の成分レシピの区別を、「1」〜「3」で表わしたものである。なお、各成分レシピの詳細については、図10に示す。
「膜質処理ユニット」欄は、その常圧プラズマCVD装置100を構成する膜質処理ユニット20の構成が、図2で示したような膜質処理ユニット20A,図3で示したような膜質処理ユニット20B,図4で示したような成膜処理ユニット20Cの中のいずれから構成されているかの区別を、「A」,「B」,「C」で表わしたものである。なお、膜質処理ユニット20の構成が図示省略したアニール処理膜質処理ユニット(ラッピトサーマルアニール)の場合は、「E」で表わす。
「膜質レシピ」欄は、その処理ガス60の成分レシピの区別を、「1」〜「4」で表わ
したものである。なお、各成分レシピの詳細については、図11に示す。
「ユニット対数」欄は、成膜工程ユニット1の設置数を、「搬送速度」欄は、常圧プラズマCVD装置100A,100Bの搬送ライン70,回動台80による基板50の搬送速度を、「基板」欄は、成膜処理を行う基板50の材質を、「膜」は各実施例によって基板50に積層される膜の材質を、それぞれ示したものである。
ここで、図8に示した実施例1〜7の相互の関係について説明する。
実施例1と実施例2とは、常圧プラズマCVD装置100の装置構成が、図6に示した装置100Aの如くの装置構成あるか、図7に示した装置100Bの如くの構成構成であるかが異なるのみで、この装置構成の違い基づく構成以外の、成膜処理ユニット10等の構成は同一である。
実施例1と実施例3とは、膜質処理ユニット20の構成及び膜質レシピが異なるのみで、この膜質処理の違い基づく構成以外の、成膜処理ユニット10等の構成は同一である。
実施例1と実施例4とは、成膜工程ユニット1の設置数、及びこの構成に起因した基板50の搬送速度が異なるのみで、この成膜工程ユニット1の設置数の違い基づく構成以外の、成膜処理ユニット10等の構成は同一である。
実施例1と実施例5とは、基板50の材質と、この基板50に成膜する薄膜の材質とが異なり、この基板50及び薄膜の違いに基づいて、装置構成,ユニット対数以外の構成が異なる。
実施例1と実施例6とは、基板50の材質のみが異なり、これに関係して、膜質処理ユニット20の構成が異なる以外は、成膜処理ユニット10等の構成は同一である。
実施例1と実施例7とは、成膜処理ユニット10、膜質処理ユニット20、及びこれらに基づく常圧プラズマCVD装置100の装置構成や成膜工程ユニット1の対数は変わらないものの、基板50の材質と、この基板50に成膜する薄膜の材質等が異なる。
また、これら7つの実施例1〜7において、実施例7についてのみ、最初の成膜工程ユニット1の成膜処理ユニット10による成膜処理S100の前に、膜質処理ユニット20による膜質向上処理S200が行われ、その余の実施例1〜6については、成膜処理S100から行われる構成になっている。
次に、上述した実施例1〜7に対する5つの比較例について、図8により説明する。
図9は、本実施例1〜7に対する常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置の比較例の一覧表を示したものである。
図9に示した比較例の一覧表自体の表形式は、図8の実施例の一覧表の表形式と同様なので、その部分についての説明は省略する。
ここで、図9において、比較例1〜4の「装置構成」欄が「処理別工程」となっているのは、実施例1〜7のように、成膜工程ユニット1による膜厚が5000Å以下程度の薄膜部分の成膜及び積層、その積層された薄膜部分の膜質改質による膜質向上が適宜繰り返し行われて、基板50上に所望の膜厚の薄膜を形成するのではなく、実施例1〜7とは異なり、基板50上に所望の膜厚の薄膜を形成した後、この所望の膜厚の薄膜の膜質改質を
行うことを表わしている。
また、比較例5では、成膜処理からスタートしている。
また、「実施例」欄は、各比較例と特に対比関係にある実施例の種別を表わしている。
次に、図8の実施例、及び図9の比較例における原料ガス40の「成膜レシピ」について、説明する。
図10は、図8及び図9に「成膜レシピ」として示した原料ガスの成分レシピの内容一覧表である。
本実施例、及び本比較例では、原料ガス40の成分レシピ「1」の場合は、プロセスガスのシリコンソースG1として、TMOS(テトラメトキシシラン)を0.25g/minで用い、プロセスガスのドーパントソースG2は用いず、プロセスガスのキャリアーガスG3として、N2を2slm(standard liter/min)及びO2を8slmの混合ガスで用い、プロセスガスの被プラズマガスG4として、O2を20slm及びH2Oを2g/minの混合ガスで用
いた。
また、原料ガス40の成分レシピ「2」の場合は、プロセスガスのシリコンソースG1として、SiH4の1%H2希釈を3.7slmで用い、プロセスガスのドーパントソースG
2は用いず、プロセスガスのキャリアーガスG3として、H2を10slmで用い、プロセスガスの被プラズマガスG4として、N2を2slm及びNH3を0.2slmの混合ガスで用いた。
また、原料ガス40の成分レシピ「3」の場合は、プロセスガスのシリコンソースG1として、TMOSを0.25g/minで用い、プロセスガスのドーパントソースG2として、TMOP(トリメチルフォスファイト)を0.1g/minで用い、プロセスガスのキャリアーガスG3として、N2を10slmで用い、プロセスガスの被プラズマガスG4として、O2を20slmで用いた。
そして、上記いずれの成分レシピ「1」〜「3」とも、図5に示した成膜処理ユニット10Dに適用される場合は、プロセスガスの中のシリコンソースG1,ドーパントソースG2,及びキャリアーガスG3は、非プラズマ処理部19B’を介してそのまま供給され、プロセスガスの中の被プラズマガスG4のみプラズマ処理部19Aを介してプラズマ化され、これらプロセスガスG1〜G4の混合ガスが基板50の加工面に供給される構成になっている。
次に、図8の実施例、及び図9の比較例における処理ガスの「膜質レシピ」について、説明する。
図11は、図8及び図9に「膜質レシピ」として示した処理ガスの成分レシピの内容一覧表である。
本実施例、及び本比較例では、処理ガスの成分レシピ「1」の場合は、処理ガスとしてO2を20slm及びH2Oを2slmの混合ガスで用い,処理ガスの成分レシピ「3」の場合は、処理ガスとしてN2を2slm及びNH3を0.2slmの混合ガスで用い、処理ガスの成分レシピ「4」の場合は、O2を20slmの単独ガスで用いた。
なお、成分レシピ「2」の場合は、膜質処理ユニット20の構成が図示省略したアニー
ル処理膜質処理ユニットであるため、ランプ温度が800℃で、処理時間は30min以上
になっている。
次に、上述した如くの実施例1〜7及び比較例1〜5で成膜した薄膜の評価結果について、図12及び図13に基づいて説明する。
図12は、本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置による実施例1〜7の評価一覧表を示したものである。
図13は、実施例1〜7に対する常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置の比較例1〜5の評価一覧表を示したものである。
図12及び図13において、評価は、成膜した薄膜の「膜厚み」、「均一性」、「膜中の水分量」、「膜中の不純物としてのC量」、「絶縁性」の各項目について評価した。
ここで、「膜厚み」及び「均一性」に関しては、反射率から膜厚みを算出する光学式の膜厚測定器(NANOmetricsM5000 ナノメトリクス・ジャパン社製)を用いて測定した。
また、「膜中の水分量」は、フーリエ変換赤外分光光度計FT−IR(FT-IR 670plus
日本分光社製)を用い、その測定ピークの面積比を評価した。そのため、「膜中の水分
量」に関しては、その数値が小さい方が、膜中の水分量が少なく、絶縁性に優れる。
また、「膜中の不純物としてのC量」は、二次イオン質量分析(SIMS)によって、SiO2膜中にC(カーボン)の入った標準サンプルを用いて定量することによって行っ
た。そのため、「膜中の不純物としてのC量」に関しては、その数値が小さい方が、膜中のC量が少なく、絶縁性に優れる。
「絶縁性」は、図14に示す構成の簡易キャップ構造によって、成膜後の薄膜が形成された被処理物に対して電圧を印加し、その際のリーク電流を測定することに基づいて行う。
図14は、「絶縁性」評価のための簡易キャップ構造を示す図である。
図14において、91は電圧印加電極としてのAl電極、92は接地電極としてのAu電極を示し、実施例及び比較例の、SiO2の薄膜が形成されたSiウェハー、SixN
yHz(半絶縁性アモルファス膜)又はPSG(PhosphoSilicate Glass;リンガラス)
の薄膜が形成されたガラスに対し、Al電極91を基板表面に形成された薄膜に密着させ、Au電極92を基板裏面に密着させて電圧を印加し、そのリーク電流を測定することによって行った。これにより、リーク電流密度は、リーク電流/Al電極91面積[A/c
2]で求まり、電界強度は印加電圧/膜厚[MV/cm]で求まるので、リーク電流密度が一定(10-8A/cm2)の場合は、その電界強度[MV/cm]が大きい程、絶縁性に
優れることになる。
これらを踏まえ、図12及び図13に示した実施例1〜7及び比較例1〜5の評価結果を検証する。
実施例1〜6までは、成膜処理S100と膜質向上処理S200とからなる成膜工程の繰り返し工程を経ることで、膜中の水分量が減少し(すなわち、IR(H2O/Si−O
−Si)が減少し、SIMSによるC量も減少し、膜質(絶縁性)が良好なものが得られる。
特に、実施例4では、成膜工程ユニット1の設置数が増え、この構成に起因して基板50の搬送速度が増加し、1000Å以下の成膜処理S100と膜質向上処理S200とからなる成膜工程を繰り返している構成になっているので、他の実施例と比べても、さらに良好なものになっている。
実施例6では、その膜質向上処理S200もダイレクトプラズマで処理しており、その膜質向上処理S200がリモートプラズマで処理された実施例1の場合よりも、若干物性が良好である。
実施例7では、最初の成膜工程ユニット1の成膜処理ユニット10による成膜処理S100の前に、膜質処理ユニット20による膜質向上処理S200が行われ、アルミ配線付きガラス基板で膜質向上処理してから成膜しているので、膜の均一性が確保できている。
これに対し、比較例1,3,4では、成膜完了後に初めて膜質向上処理しているので、後処理で十分に膜の改質ができない。
比較例2では、成膜完了後の膜質向上処理がアニール処理なので、処理時間(30min
以上)がかかる。
これに対し、実施例3は、成膜処理ユニットはリモート型の成膜処理ユニット、成膜レシピは成分レシピ「1」、膜質処理ユニットはラピットサーマルアニール、そのランプ温度(膜質レシピ)は800℃で比較例2と同じで、膜質向上処理がアニール処理になっているものの、最終的に同じ膜厚(9100Å)を成膜するのを3回の成膜工程に分けて行ったことにより、両者の搬送速度の違いに表されているように、比較例2よりも短い時間(3回の膜質向上処理の延べ時間でその半分以下の時間)で、その膜質向上処理が済んでいる。
比較例5では、成膜処理からスタートしているので、膜厚みの均一性が悪化している。
本発明による常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD法は、以上説明した実施の形態のとおりであるが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、膜厚が5000Å以下程度の薄膜部分の成膜及び積層、その積層された薄膜部分の膜質改質による膜質向上が適宜繰り返し行われて、基板上に所望の膜厚の薄膜を形成する方法又は装置であれば、その細部の具体的な方法又は構成については、種々の変形例が可能である。
例えば、図7に示した常圧プラズマCVD装置100Bにおいては、一対の成膜処理ユニット10と膜質処理ユニット20との間の基板50の搬送を、当該基板50が載置された回動台80の回動によって行う構成としたが、一対の成膜処理ユニット10と膜質処理ユニット20との間に回動台80に代えて直線搬送ラインを設け、この搬送ラインの正逆駆動による基板50の両ユニット間の往復動によって行うようにしてもよい。
また、上述した成膜処理におけるプロセスガスGのシリコンソースG1,ドーパントソースG2,キャリアーガスG3,被プラズマガスG4それぞれについても、上述したものに限るものではない。例えば、シリコンソースG1は、TMOSやSi24のガスソース以外に、TEOS(テトラエチルオルソシリケート),MTMOS(メチルトリメトキシシラン)等のアルコキシ化合物、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン),TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)等のシロキサン化合物、Si26等のガスソースであってもよい。また、ドーパントソースG2は、TMOP以外に、TEOP(トリエ
チルフォスファイト)等のリン酸エステル、TMP(トリメチルフォスファイト),TEP(テトラエチルフォスフェイト)等の亜リン酸エステル、PH3(ホスフィン),TE
B(トリエチルボレート),TMB(トリメチルボレート)等のアルキルボレート、BH3,B26、TMGe(トリメチルゲルマニウム),TEGe(トリエチルゲルマニウム
)等のアルコキシゲルマニウムであってもよい。また、キャリアーガスG3としては、N2,H2,O2以外に、N2Oであってもよい。また、被プラズマガスG4としては、O2
2O,N2,NH3以外に、H2,N2O,NO2,NO,O3であってもよく、さらにこれ
らの複数種を組み合わせたガスであってもよい。そして、これらの中、液体ソースは気化器を用いて気化し、さらに混合ガスの場合は、気化後混合又は混合後気化のいずれでも構わない。
また、膜質処理ユニット20にプラズマ処理膜質処理ユニットを採用した場合、その処理ガスは、O2,H2O,N2,NH3以外に、H2,N2O,NO2,NO,O3,希ガス(Ar,He等),CF4等のパーフルオロカーボンであってもよい。
また、成膜処理において成膜される膜としては、SiO2以外に、PSG,BPSG,
BPGeSG,GeSG,アモルフォスシリコン,ポリシリコン,窒化膜であってもよい。なお、この成膜される膜の改質には処理ガスに相性があり、SiO2やPSG等の酸化
膜には、酸化性ガス(O2,N2O,NO2,NO,O3,H2O)等が好ましく、窒化膜に
はNH3やH2、アモルフォスシリコン,ポリシリコンにはH2が好ましい。また、希ガス
やCF4は全ての膜の改質に用いられる。そして、その組合せに関しては、目的に合わせ
適宜選定される。
本発明による常圧プラズマCVD装置及び常圧プラズマCVD方法の概念図である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用する成膜処理ユニットの一実施例の構成図である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用する成膜処理ユニットの別の実施例の構成図である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用するリモート型成膜処理ユニットの実施例の構成図である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置に適用するリモート型成膜処理ユニットの別の実施例の構成図である。 第1の実施の形態による常圧プラズマCVD装置の構成図である。 第2の実施の形態による常圧プラズマCVD装置の構成図である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置による実施例1〜7の一覧表を示したものである。 実施例1〜7に対する常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置の比較例1〜5の一覧表を示したものである。 図7及び図8に「成膜レシピ」として示した原料ガスの成分レシピの内容一覧表である。 図7及び図8に「膜質レシピ」として示した処理ガスの成分レシピの内容一覧表である。 本実施の形態の常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置による実施例1〜7の評価一覧表を示したものである。 実施例1〜7に対する常圧プラズマCVD方法及び常圧プラズマCVD装置の比較例1〜5の評価一覧表を示したものである。 「絶縁性」評価のための簡易キャップ構造を示す図である。
符号の説明
1 成膜工程ユニット
10(10A,10B,10C) 成膜処理ユニット
11 基台
12,13 電極
14 固体誘電体
15 電源
16 アース
17 原料ガス導入口
18 ガス排気口
19 プラズマ閉じ込め電極部
19a 貫通孔(ラジカル通過孔)
20 膜質処理ユニット
30 放電プラズマ空間
40 原料ガス
50 基板
70 搬送ライン
80 回動台
100A,100B 常圧プラズマCVD装置

Claims (8)

  1. 大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD装置であって、
    成膜を行う成膜処理ユニットと膜質改質を行う膜質処理ユニットとを交互に並べて複数配置し、
    該成膜処理ユニット及び膜質処理ユニットの並設方向に搬送される被処理物が該ユニットそれぞれの処理有効範囲内を通過することにより、被処理物に成膜及び膜質改質が交互になされる
    ことを特徴とする常圧プラズマCVD装置。
  2. 大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD装置であって、
    成膜を行う成膜処理ユニットと膜質改質を行う膜質処理ユニットとを一対配置し、
    該両ユニット間を搬送される被処理物が該成膜処理ユニットの処理有効範囲内と該膜質処理ユニットの処理有効範囲内とを交代配置させられることにより、被処理物に成膜及び膜質改質が交互になされる
    ことを特徴とする常圧プラズマCVD装置。
  3. 前記一対の成膜処理ユニットと膜質処理ユニットは、被処理物が搬送される円周軌道上に配置されている
    ことを特徴とする請求項2記載の常圧プラズマCVD装置。
  4. 前記成膜処理ユニットは、
    シリコンソース(G1)、ドーパントソース(G2)、キャリアーガス(G3)、及び被プラズマガス(G4)の4成分のプロセスガス(G1)〜(G4)を供給するガス供給源と、
    放電処理部と
    を備え、
    前記4成分のプロセスガス(G1)〜(G4)の中、プロセスガス(G4)を前記放電処理部にて放電処理を行い、当該放電処理したプロセスガス(G4)に、放電処理が未処理のプロセスガス(G1)、(G2)、(G3)を混合する
    構成であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の常圧プラズマCVD装置。
  5. 前記膜質処理ユニットは、ラピットサーマルアニール装置である
    ことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の常圧プラズマCVD装置。
  6. 前記膜質処理ユニットは、処理ガスを大気圧近傍圧力下にてプラズマ化する装置であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の常圧プラズマCVD装置。
  7. 前記成膜処理ユニット及び膜質処理ユニットは、当該ユニットそれぞれの処理有効範囲内に配置された被処理物に対して、1000Å以下の成膜又は膜質改質を行う
    ことを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の常圧プラズマCVD装置。
  8. 大気圧近傍圧力下において被処理物に薄膜積層体を形成する常圧プラズマCVD法であって、
    成膜処理ユニットによって1000Å以下の成膜を行う工程と膜質処理ユニットによって1000Å以下の膜質改質を行う工程とを、被処理物に対して繰り返し行い、かつ当該繰り返しが前記膜質改質を行う工程から始められる
    ことを特徴とする常圧プラズマCVD法。
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