JP2005038797A - 薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電に伴う集電体の皺の発生を防止して、体積変化を低減させた薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたサイクル特性の高いリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】Liと合金化しない金属から形成された集電体と、集電体の表面に形成され、Liと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、集電体が、凹凸を備え、集電体の実効厚みdが、15μm以上300μm以下である薄膜電極とする。また、Liと合金化しない金属からなる集電体に、集電体の実効厚みが15μm以上300μm以下となるように、凹凸を形成する工程と、集電体の表面に、Liと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程とを含む薄膜電極の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたリチウム二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDAなどの携帯端末機器の需要が急激に拡大しており、これらの機器の小型軽量化および高機能化に伴って、それらの電源として主として用いられるリチウム二次電池のさらなる高エネルギー密度化が要求されている。しかし、現在実用化されているリチウム二次電池に用いられる炭素系負極の電気容量は理論値に近い値にまで到達しており、より高容量なリチウム二次電池を実現するためには負極材料の新規開発が必須である。
このような中で最近では、高容量リチウム二次電池用の新たな負極材料として、Liと合金化しない材料からなる集電体上に、Liと合金化するSnまたはSn含有合金からなる薄膜を形成し、その薄膜を負極材料として用いる薄膜電極が注目されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。特許文献1は、集電体である銅板上に、電解めっき法によりSn薄膜を形成するものであり、特許文献2は、電解めっき法により、銅箔上にSn、Zn、Sb、またはそれらを含有する合金を素材とする薄膜を形成するものである。
Liと合金化する金属の中でも、特にSnは従来の黒鉛系負極材料と比較して高いエネルギー密度(994mAh/g)を有するため、次世代の負極材料として注目されている。しかし、実際の薄膜電極にSnを用いた場合は、LixSnの組成式でx=4.4までLiを電気化学的に挿入すると、薄膜の体積が3〜4倍にまで膨張してしまう。かかる体積膨張はリチウム二次電池の充放電サイクル特性の低下を招くことになる。さらに、Snを単独で用いると、Sn自身が触媒能を持つために電解液を分解してしまうという問題もある。
上記問題を解決するために、Sn系の合金薄膜が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1には、電解めっき法によりCu箔上に形成されたSn薄膜を、Snの融点付近で熱処理することで、Cu−Sn界面でCu原子とSn原子とが相互拡散した傾斜性構造の薄膜を得ることができると記載されている。即ち、Cu箔上にSnをめっきすることで形成した薄膜をSnの融点付近で長時間熱処理するとCu−Sn界面で原子の相互拡散が起こり、最終的にCu/Cu3Sn/Cu6Sn5/Snもしくはこの組成に近い結晶構造を有するCu−Sn合金が形成される。このとき形成されるCu6Sn5合金はLiを可逆的に吸蔵・脱離可能であり、体積変化もSnと比較して小さく、加えて触媒能を持たないため、前述のSn薄膜特有の問題を解決できる負極材料として期待されている。
特開2001−68094号公報 特開2001−256968号公報 Journal of Power Sources, 107(2002),p.48−55
上記熱処理に伴うCu−Sn界面での原子の相互拡散の結果、電解めっき法によりもともと高い密着性を有していた集電箔(集電体)と活物質層とがより強固に一体化する。そのため、充放電サイクルに伴う活物質の微粉化などが発生しても集電箔から活物質が脱落しにくく、サイクル特性が向上するといった利点もある。
しかし、集電箔と活物質との密着性が高くなると、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化によって集電箔に応力がかかり、集電箔に皺が発生しやすくなり、集電箔が平面性を失い、見掛け上薄膜電極の厚みが理論値以上に膨張するという問題がある。また、その皺に因る厚み変化は不可逆であり、薄膜電極のLiの挿入・脱離に伴う電極厚みの膨張は、活物質薄膜の体積変化による理論的な厚み変化と、集電箔の皺による見掛け上の厚み変化との組み合わさったものとなる。この電極厚みの膨張が発生すると、電極内の電子伝導性が低下するため、サイクル特性が低下することになる。
本発明は、充放電に伴う集電箔(集電体)の皺の発生を防止して、体積変化を低減させた薄膜電極とその製造方法およびその薄膜電極を用いたサイクル特性の高いリチウム二次電池を提供するものである。
本発明は、Liと合金化しない金属から形成された集電体と、前記集電体の表面に形成され、Liと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、前記集電体が、凹凸を備え、前記集電体の実効厚みが、15μm以上300μm以下であることを特徴とする薄膜電極を提供する。
また、本発明は、Liと合金化しない金属からなる集電体に、前記集電体の実効厚みが15μm以上300μm以下となるように、凹凸を形成する工程と、前記集電体の表面に、Liと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜電極の製造方法を提供する。
集電箔(集電体)に凹凸を形成することにより、Liの挿入・脱離に伴う活物質薄膜の体積変化によって発生した応力を多方向に分散させることができるため、応力の集中による集電箔の皺の発生を低減させることができる。さらに、集電箔に形成された凹凸によって生まれる空隙が、活物質薄膜の体積変化を吸収できるため、Liの挿入・脱離に伴う薄膜電極の厚み変化をさらに緩和することができる。
前述の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは凹凸形状を持った集電箔の両面に、Liと合金化する半金属(例えば、Si)またはLiと合金化する金属(例えば、Sn)のずれかを含む薄膜を形成することで、充放電に伴う集電箔の皺の発生を防止して、体積変化を低減させた薄膜電極を開発するに至った。以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の薄膜電極の一例は、Liと合金化しない金属から形成された集電箔(集電体)と、上記集電箔の表面に形成され、Liと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、上記集電箔が、凹凸を備え、上記集電箔の実効厚みが、15μm以上300μm以下であることを特徴とする。
ここで、実効厚みとは、上記凹凸の凸部に最近接する面と、上記凹凸の凹部に最近接する面との最大距離を意味する。
実効厚みが300μmを超えると凹凸による空隙が大きくなりすぎ、電池容量が低下する。この点で、実効厚みは200μm以下がより好ましい。一方、実効厚みが15μmを下回ると集電箔の皺の発生を防止して体積変化を低減させることが困難になる。この点で、実効厚みは20μm以上がより好ましい。また、この集電体としては、表面粗さを示すRaが0.05μmから2μmのものを使用してもよい。
上記集電箔(集電体)の材質としては、Liと合金化しない金属から形成されていることが必要であり、例えば、Ni、Cu、ステンレス、またはCu合金が好ましい。Liと合金化する金属であると、電池に組み込んだ場合に活物質層より先にLiと反応してしまい、集電体として機能しなくなるからである。
上記Liと合金化する元素としては、Si、Sn、Pb、Geなどが使用でき、特にSiおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であることが好ましい。これらは、Liの挿入・脱離における可逆性が高いからである。
また、上記集電箔(集電体)の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。この範囲内であれば、上記薄膜電極を作製する上で、集電体として用いる集電箔自体の強度と柔軟性をともに確保できるからである。
また、薄膜の体積変化を減少させるためには、薄膜の厚みは小さいほうが好ましいが、厚みが小さすぎると電池容量が低下するので、上記薄膜の厚みは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、上記凹凸の形状は、円形、三角形、四角形、五角形、および六角形から選ばれる少なくとも一つの形状であることが好ましく、これらの形状を複数用いてもよい。これらの形状は、形成が比較的容易だからである。また、上記凹凸は、集電箔(集電体)の全面に形成することが好ましい。また、上記凹凸の凸部の大きさは、形成された凸部を集電箔に対して直角方向から見て各形状の頂点をほぼ通る円で近似した場合、その直径が5〜1000μm程度であることが好ましい。
また、上記薄膜の主成分としては、Cu6Sn5およびSiBから選ばれるいずれか一つであることが好ましい。これらは、Liを可逆的に吸蔵・脱離可能であり、体積変化もSn、Siの単体に比べて小さいからである。ここで、主成分とは、90重量%以上含まれていることをいう。
また、本発明の薄膜電極の製造方法の一例は、Liと合金化しない金属からなる集電箔(集電体)に、上記集電箔の実効厚みが15μm以上300μm以下となるように、凹凸を形成する工程と、上記集電箔の表面に、Liと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程とを含むことを特徴とする。
上記凹凸を形成する方法としては、例えば、表面に凹凸形状を有するロールでプレスする方法、ステンレスやNi材からなる凹形状を規定するシートと共にロールでプレスする方法、部分マスクをした上での電解めっき法などが挙げられる。
上記薄膜と上記集電箔とは密着して形成することが望ましく、その薄膜の形成方法としては、例えば、物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、液相成長法などが挙げられる。物理的気相成長法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタクシー法(MBE法)、レーザーアブレーション法など、化学的気相成長法としては熱CVD法、有機金属CVD法(MOCVD法)、RFプラズマCVD法、電子サイクロン(ECR)プラズマCVD法、光CVD法、レーザーCVD法、原子層エピタクシー法(ALE法)など、液相成長法としてはめっき法(電解めっき法、無電解めっき法)、陽極酸化法、塗布法、ゾル−ゲル法などが挙げられる。これらの中でも、液相成長法は比較的簡易な設備で実施可能であるため望ましく、特に電解めっき法は集電体表面へのSnの密着性が良く、めっき薄膜表面の平滑性も高く、さらに大面積での成膜が容易かつ安価に行えるためより好ましい。なお、これらの薄膜形成方法は、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
その後、上記薄膜を形成した集電箔は、真空、不活性雰囲気、還元性雰囲気などの下で150〜220℃程度の温度で加熱される。これにより、上記薄膜と集電箔は完全に密着する。
また、本発明のリチウム二次電池の一例は、上記で説明した薄膜電極を負極として用いたリチウム二次電池である。充放電に伴う集電箔(集電体)の皺の発生を防止して、体積変化を低減させた薄膜電極を用いることにより、高容量でサイクル特性の高いリチウム二次電池を提供できる。
本実施形態のリチウム二次電池に用いる正極としては、正極活物質に導電助剤、およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、アルミニウム箔などの集電体を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。正極活物質としては、例えば、LiCoO2などのリチウム・コバルト酸化物、LiMn24などのリチウム・マンガン酸化物、LiNiO2などのリチウム・ニッケル酸化物、LiNiO2のNiの一部をCoで置換したLiNixCo(1-x)2、さらに、MnとNiとを等量含んだLiNi(1-x)/2Mn(1-x)/2Cox2、オリビン型LiMPO4(M:Co、Ni、Mn、Fe)を用いることができる。
上記リチウム二次電池に用いる電解質の溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられ、これらは複数を同時に使用することもできる。また、この溶媒には必要に応じて他の成分を添加することも可能である。
上記電解質の溶質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiN(CF3SO22、LiCn2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO22[ここで、Rfはフルオロアルキル基を示す。]、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiN(C25SO2)(C49SO2)、LiN(CF3SO2)(C25SO2)などが挙げられる。
さらに、上記電解質(電解液)以外にも、Liイオンの輸送体であれば制約無く用いることができ、例えば、各種ポリマーからなるゲルポリマー電解質、真性ポリマー電解質、LiPONなどの無機固体電解質、Liイオン含有常温溶融塩などを用いることができる。
上記リチウム二次電池に用いるセパレータとしては、強度が充分で上記電解液を多く保持できるものが良く、この点から、厚さ10〜50μm、開口率30〜70%のポリプロピレン製、ポリエチレン製、またはポリプロピレンとポリエチレンのコポリマー製のフィルムや不織布からなるセパレータが好ましい。
さらに、本実施形態の薄膜電極は、上記リチウム二次電池以外にも、リチウム一次電池などの電極としても使用することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の薄膜電極の一例を示す部分斜視図であり、凹凸の形状としては四角形を採用したものである。図1において、tが集電体の厚みを表し、dが集電体の実効厚みを表す。図2は、図1のA−A断面図である。集電体1の表面には、Liと合金化する元素を含む薄膜2が形成されている。
図3は、本発明の薄膜電極の他の一例を示す平面図であり、凹凸の形状としては六角形を採用したもので、薄膜電極の表面には凸部3と凹部4とが形成されている。図4は、図3の薄膜電極の側面図である。
図5、図6、図7は、それぞれ本発明の薄膜電極のさらに他の一例を示す平面図であり、凹凸の形状としては、図5が円形、図6が正方形、図7が五角形を採用したもので、それぞれ薄膜電極の表面には凸部3と凹部4とが形成されている。
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み10μmの電解銅箔を、表面に凹凸加工を施したロールでプレスし、その電解銅箔に凹凸を形成した。凹凸の形状は直径50μmの円形とし、凹凸形成後の電解銅箔の実効厚みは300μmとした。この電解銅箔を50mm×30mmに切り出して本実施例の集電体とした。次に、表面の酸化被膜、油脂、汚れなどを除去するために、上記集電体を40℃に加熱した濃度10%の硫酸水溶液中に4分間浸漬した。その後、水酸化ナトリウム5g/dm3、オルトケイ酸ナトリウム20g/dm3、炭酸ナトリウム(無水)10g/dm3、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド1g/dm3をそれぞれ溶解させた脱脂水溶液を準備し、この脱脂水溶液を60℃に加熱した浴中で、上記集電体を5A/dm2の電流密度で1分間の陰極電解脱脂を行った。次に、この集電体を蒸留水で水洗した後、再び濃度10%の硫酸水溶液中に浸漬して集電体表面を中和するとともに脱脂剤を完全に除去した。
続いて、上記集電体を硫酸第一錫40g/dm3、硫酸60g/dm3、クレゾールスルホン酸40g/dm3、ゼラチン2g/dm3、β−ナフトール1g/dm3を溶解させた水溶液からなるSnめっき浴に浸漬して、1A/dm2の電流密度で150分間の電解めっきを行い、集電体表面に厚さ5μmのSnめっき薄膜を形成して薄膜電極を得た。この薄膜電極を水洗後、真空電気炉にて200℃で17時間熱処理した後、室温まで徐冷した。次に、この薄膜電極をアルゴン雰囲気中のドライボックスに移し、41mm×25.5mmに打ち抜いて実施例1の負極とした。
(実施例2)
凹凸の形状を一辺50μmの四角形とし、実効厚みを100μmとした電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の負極を作製した。
(実施例3)
凹凸の形状を一辺50μmの六角形とし、実効厚みを30μmとした電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の負極を作製した。
(比較例1)
凹凸を形成せずに厚み10μmの電解銅箔を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の負極を作製した。
(比較例2)
凹凸形成後の電解銅箔の実効厚みを12μmとした以外は、実施例1と同様にして比較例2の負極を作製した。
以上の実施例1〜3および比較例1、2の負極の主な構成を表1に示す。
Figure 2005038797
次に、上記で作製した負極と組み合わせるための正極を以下のように作製した。先ず、正極活物質であるLiCoO2を90重量%、導電助剤であるカーボンブラックを6重量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデンを4重量%、溶剤としてN−メチルピロリドンを40重量%、をそれぞれ均一になるように混合して正極合剤含有ペーストを調製した。続いて、集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、上記正極合剤含有ペーストを、単位面積あたりの合剤重量が32mg/cm2になるように塗布して乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚94μm、電極密度3.2g/cm3となるように正極合剤層の厚みを調整した。その後、41mm×25.5mmに打ち抜いて正極とした。
電解液としては、1mol/dm3のLiPF6を、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合溶媒(混合体積比=1:2)に溶解したものを用いた。セパレータとしては、ヘキストセラニーズ社製のポリプロピレン製セパレータ“Celgard♯2400”(商品名、厚さ10μm)を用いた。
上記正極と、実施例1〜3および比較例1、2の負極とをそれぞれ組み合わせ、その正極と負極との間にセパレータを配置して積層した後、アルミラミネートフィルム製の外装材に挿入し、上記電解液を注入し、外装材の電解液注入口をヒートシールにより封止して、モデルセルを作製した。
このモデルセルを用いて充放電試験を行った。充電は、電流密度0.5mA/cm2の定電流で4.3Vまで充電後、4.3Vの定電圧で充電電流が0.05mA/cm2に到達するまで充電し、放電は、電流密度0.5mA/cm2の定電流で放電終止電圧3Vまで放電し、充電電気量および放電電気量を測定して、下記式1により初回充放電効率を算出した。また、この条件で充放電サイクル試験を行い、下記式2によりサイクル特性を算出した。なお、下記放電容量および充電容量は、正極合剤1gあたりの電気容量(mAh/g)で表される。
(数1)
初回充放電効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100 (式1)
(数2)
サイクル特性(%)=(20サイクル後の放電容量/初回放電容量)×100 (式2)
また、初回充電時の電池の厚み変化を負極の厚み変化によるものとして、下記式3により充電時の負極の厚み変化率(%)を算出した。
(数3)
厚み変化率(%)=〔(初回充電時の電池厚み)−(充電前の電池厚み)〕/(充電前の薄膜の厚み+集電体の厚み)×100 (式3)
電池の厚みの測定は、上記各モデルセルをミツトヨ社製のレーザホロゲージに取り付けてカウンタ装置によって厚み変化を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005038797
表2から明らかなように、実施例1〜3は、比較例1、2に比べて、サイクル特性が高く、厚み変化率が低かった。これは、実施例1〜3では、活物質薄膜の体積膨張による応力を集電体の凹凸構造で緩和し、集電体に皺が発生しにくくなっているためと考えられる。一方、集電体に凹凸を形成しなかった比較例1では集電体に皺が発生したため、また、集電体の実効厚みが15μmを下回った比較例2では応力緩和が不十分であるため、ともにサイクル特性が低く、厚み変化率が高くなったものと考えられる。
本発明の薄膜電極は、従来の平面的な集電体と比べて活物質薄膜の体積変化による応力の集中を緩和でき、皺の発生を防止してサイクル特性の低下を抑制することが可能である。このため、本発明の薄膜電極を用いることでサイクル特性などの信頼性に優れ、かつ高容量のリチウム二次電池の作製が可能となり、このリチウム二次電池を電源とする各種の携帯電子端末機器の小型軽量化に貢献でき、その工業的価値は大である。
本発明の薄膜電極の一例を示す部分斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の薄膜電極の他の一例を示す平面図である。 図3の薄膜電極の側面図である。 本発明の薄膜電極のさらに他の一例を示す平面図である。 本発明の薄膜電極のさらに他の一例を示す平面図である。 本発明の薄膜電極のさらに他の一例を示す平面図である。
符号の説明
1 集電体
2 薄膜
3 凸部
4 凹部
t 集電体の厚み
d 集電体の実効厚み

Claims (13)

  1. リチウムと合金化しない金属から形成された集電体と、前記集電体の表面に形成され、リチウムと合金化する元素を含む薄膜とを備えた薄膜電極であって、
    前記集電体が、凹凸を備え、
    前記集電体の実効厚みが、15μm以上300μm以下であることを特徴とする薄膜電極。
  2. 前記集電体の厚みが、5μm以上30μm以下である請求項1に記載の薄膜電極。
  3. 前記薄膜の厚みが、1μm以上10μm以下である請求項1または2に記載の薄膜電極。
  4. 前記リチウムと合金化する元素が、ケイ素および錫から選ばれる少なくとも一つの元素である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜電極。
  5. 前記凹凸の形状が、円形、三角形、四角形、五角形、および六角形から選ばれる少なくとも一つの形状である請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜電極。
  6. 前記薄膜の主成分が、Cu6Sn5およびSiBから選ばれるいずれか一つである請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜電極。
  7. リチウムと合金化しない金属からなる集電体に、前記集電体の実効厚みが15μm以上300μm以下となるように、凹凸を形成する工程と、
    前記集電体の表面に、リチウムと合金化する元素を含む薄膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜電極の製造方法。
  8. 前記集電体の厚みが、5μm以上30μm以下である請求項7に記載の薄膜電極の製造方法。
  9. 前記薄膜の厚みが、1μm以上10μm以下である請求項7または8に記載の薄膜電極の製造方法。
  10. 前記リチウムと合金化する元素が、ケイ素および錫から選ばれる少なくとも一つの元素である請求項7〜9のいずれかに記載の薄膜電極の製造方法。
  11. 前記凹凸の形状が、円形、三角形、四角形、五角形、および六角形から選ばれる少なくとも一つの形状である請求項7〜10のいずれかに記載の薄膜電極の製造方法。
  12. 前記薄膜の主成分が、Cu6Sn5およびSiBから選ばれるいずれか一つである請求項7〜11のいずれかに記載の薄膜電極。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜電極を負極として用いたことを特徴とするリチウム二次電池。

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JP2012043770A (ja) * 2010-07-23 2012-03-01 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 二次電池用多孔質電極

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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