JP2005038662A - ケーブル - Google Patents

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Tadashi Haibara
正 灰原
Yoshitaka Hosokawa
吉孝 細川
Hiroshi Tanaka
浩 田中
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Abstract

【課題】本発明の課題は、ケーブルの構造や施工法に変化を与えることなく、鳥虫獣害から保護することができるケーブルを提供することにある。
【解決手段】本発明は、電線または通信線11をケーブル外被12で覆うケーブルであって、ケーブル外被12の構成材料に辛味成分を含むことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルに係り、特に、ケーブルを鳥虫獣害から保護するケーブル外被の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
架空線路に用いられる電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルでは、カラスがケーブルをかじり断線させるといった鳥害や、昆虫がケーブルに穴を開けるといった虫害、リスがケーブルをかじるといった獣害が増加しており、鳥虫獣害対策が必要となっている。
【0003】
従来の架空ケーブルの鳥虫獣害対策の手段としては、ケーブルの外側に金属や硬質な保護層を設けて、鳥にかまれる等しても断線しないよういする技術(例えば、特許文献1参照)や、ケーブルに突起物の付いた電線保護管を敷設し、鳥を近づけないようにするといった技術(例えば、特許文献2参照)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−174985号公報。
【0005】
【特許文献2】
特開2000−175340号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
鳥虫獣害対策が必要となる場所は広範囲であるため、施設する範囲も広範囲となる。そのため影響も広範囲にわたることから施工において、可能な限り負担をかけない簡易な方法で対策する必要がある。しかしながら、前者のようなケーブルの外側に保護層を設けるような手段では、架空ケーブル全体に金属や硬質な保護層を必要とすることからケーブルが硬く重くなり、また通常のケーブルと構造も異なることから、接続やケーブルの端末処理などで、特殊な工法を必要とし、施工者に対して大きい負担となっている。また後者のような後付可能な鳥害対策用の電線保護管では、単純な施工の増加となるため、やはり施工面で大きい負担となる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、ケーブルの構造や施工法に変化を与えることなく、鳥虫獣害から保護することができるケーブルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の構成材料に辛味成分を含むことを特徴とするものである。
【0009】
また本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の構成材料に防虫・殺虫剤成分を含むことを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に辛味成分が塗布されることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に辛味成分が塗布され、前記辛味成分の表面に耐候性および耐摩擦性を有する皮膜がコーティングされることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に防虫・殺虫剤成分が塗布されることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に防虫・殺虫剤成分が塗布され、前記防虫・殺虫剤成分の表面に耐候性および耐摩擦性を有する皮膜がコーティングされることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明に係るケーブルの一実施形態例を示す断面図である。図において、11は電線または通信線、12はケーブル外被で、その構成材料に辛味成分を含んでいる。すなわち、電線または通信線11をケーブル外被12で覆うようにしてケーブルが構成される。例えばケーブル外被12はゴムもしくはプラスチックからなり、ケーブル外被12の構成材料であるゴムもしくはプラスチックに辛味材料を練り込んで添加する。前記辛味材料には、辛子、わさび、山椒、にんにく、こしょう、があり、前記辛味成分には、不揮発性で長期間効果が薄れないカプサイシン、ピペリン、シャビシン、ピペリジン、サンショール、サンショアミド、ゼラニオール、サンショールワン、サンショールツー、ゼラニオール、ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール等が有効である。これらの成分は食物の辛味成分であり、廃棄時にこの成分によって自然環境に与える影響がなく、また、ケーブルの施工時に作業者が素手で作業しても人体に有害となることはなく、施工者に対しても無害である。
【0016】
前記ケーブル外被12を用いてケーブルを構成することにより、カラス、ネズミ、リス、蟻等の鳥虫獣がかじると辛味成分により味覚もしくは嗅覚等に強い刺激を与えることが可能であり、ケーブルから鳥虫獣を退けることができ、ケーブル損傷の被害を避けることができるため、保守運用コストを抑えることができる。また、あらゆるケーブルに、ケーブルの構造を変更することなく適用できるので、ケーブルを変更するだけで、施工面で特別な処理を行う必要はなく、施工の負担を増やすことなく鳥虫獣害対策をおこなえる上に創設費コストを抑えることが出来る。
【0017】
なお、前記実施形態例では、ケーブル外被12の構成材料に辛味成分が含まれる例について説明したが、これに限らず、ケーブル外被の構成材料には防虫・殺虫剤成分が含まれるようにしてもよく、この場合にも同様の効果がある。例えばケーブル外被の構成材料であるゴムもしくはプラスチックに防虫・殺虫剤成分を練り込んで添加する。前記防虫・殺虫剤成分としては、有機リン系殺虫剤として、クロールピリホス、ダイアジノン、フォスメット、マラチオンがあり、有機塩素系殺虫剤として、DDT、TDE、メトキシクロール、リンデン、クロルデンがあり、カルバメート化合物として、メソミル、プロポクスール、カルバリル、ベンジオカルブがあり、ピレトリン類(ピレスロイド剤)として、ペルメトリン、アレトリン、レスメトリン、テトラメトリンがある。このように、ケーブル外被の構成材料に防虫・殺虫剤成分が含まれる場合にも、ケーブル外被を用いてケーブルを構成することにより、鳥虫獣がかじると防虫・殺虫剤成分により味覚もしくは嗅覚等に強い刺激を与えることが可能であり、ケーブルから鳥虫獣を退けることができる。
【0018】
図2は本発明に係るケーブルの他の実施形態例を示す断面図である。図2において、21は電線または通信線、22はケーブル外被、23は辛味成分、24はコーティング層である。すなわち、電線または通信線21をケーブル外被22で覆うケーブルであって、ケーブル外被22の外面には辛味成分23が塗布され、前記辛味成分23の表面には耐候性および耐摩擦性を有するコーティング層24がコーティングにより形成される。このようなケーブルを鳥虫獣がかじると辛味成分23により味覚もしくは嗅覚等に強い刺激を与えることが可能であり、ケーブルから鳥虫獣を退けることができる等の前記実施形態例と同様の効果がある。また、耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層24で辛味成分23の表面がコーティングされることにより、塗布された辛味成分23が容易に落ちることがなくなる。耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層のコーティング例としては、フッ素樹脂コーティング、ウレタン樹脂コーティング、ナイロンコーティング、塩化ビニルコーティング、ポリエチレンコーティング等がある。
【0019】
なお、前記実施形態例ではケーブル外被22の外面に塗布された辛味成分23の表面に耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層24が形成される場合について説明したが、これに限らず、ケーブル外被の外面に防虫・殺虫剤成分を塗布し、塗布された防虫・殺虫剤成分の表面に耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層が形成されるようにしてもよく、この場合にも前記実施形態例と同様の効果がある。
【0020】
図3は本発明に係るケーブルの他の実施形態例を示す断面図である。図3において、31は電線または通信線、32はケーブル外被、33は辛味成分、34はコーティング層である。すなわち、電線または通信線31をケーブル外被32で覆うケーブルであって、ケーブル外被32の内面には辛味成分33が塗布され、前記辛味成分33の表面には耐候性および耐摩擦性を有するコーティング層34がコーティングにより形成される。このようなケーブルを鳥虫獣がかじると辛味成分33により味覚もしくは嗅覚等に強い刺激を与えることが可能であり、ケーブルから鳥虫獣を退けることができる。また、耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層34で辛味成分33の表面がコーティングされることにより、塗布された辛味成分33が容易に落ちることがなくなる等の前記実施形態例と同様の効果がある。
【0021】
なお、前記実施形態例ではケーブル外被32の内面に塗布された辛味成分33の表面に耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層34が形成される場合について説明したが、これに限らず、ケーブル外被の内面に防虫・殺虫剤成分を塗布し、塗布された防虫・殺虫剤成分の表面に耐候性及び耐摩擦性を有するコーティング層が形成されるようにしてもよく、この場合にも前記実施形態例と同様の効果がある。
【0022】
本発明の実施形態例に係るケーブルによれば、次のような効果が得られる。
【0023】
(1) あらゆるケーブルで構造の変更をすることなく用いることが可能であり、ケーブル外被として用いることによって、カラス、ネズミ、リス、蟻等が起こす鳥虫獣害からケーブルを保護することが可能である。
【0024】
(2) 特別な施工を用いることがないので、低コストで、広範囲な範囲にわたって、鳥虫獣害によるケーブル被害を避けることが出来る。
【0025】
なお、本発明は、上記実施形態例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ケーブルの構造や施工法に変化を与えることなく、鳥虫獣害から保護することができるケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るケーブルの一実施形態例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るケーブルの他の実施形態例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るケーブルの他の実施形態例を示す断面図である。
【符号の説明】
11…電線または通信線、12…ケーブル外被、21…電線または通信線、22…ケーブル外被、23…辛味成分、24…コーティング層、31…電線または通信線、32…ケーブル外被、33…辛味成分、34…コーティング層。

Claims (6)

  1. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の構成材料に辛味成分を含むことを特徴とするケーブル。
  2. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の構成材料に防虫・殺虫剤成分を含むことを特徴とするケーブル。
  3. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に辛味成分が塗布されることを特徴とするケーブル。
  4. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に辛味成分が塗布され、前記辛味成分の表面に耐候性および耐摩擦性を有する皮膜がコーティングされることを特徴とするケーブル。
  5. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に防虫・殺虫剤成分が塗布されることを特徴とするケーブル。
  6. 電線または通信線をケーブル外被で覆うケーブルであって、ケーブル外被の外面もしくは内面に防虫・殺虫剤成分が塗布され、前記防虫・殺虫剤成分の表面に耐候性および耐摩擦性を有する皮膜がコーティングされることを特徴とするケーブル。
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