JP2005038645A - 陰極線管 - Google Patents
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Abstract
【課題】通電から短時間で良好な白色画面が得られる陰極線管を提供することを目的とする。
【解決手段】インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体17は、インライン方向に配列された3つのカソードK(R、G、B)と、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドG1(R、G、B)と、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備えている。第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体30によって構成され、電子銃構体17は、さらに、3つの第1グリッドをそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材33と、絶縁部材33を取り囲み植設部32Bを有する筒状体32と、筒状体32の植設部32Bを支持する一対の絶縁支持体27と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体17は、インライン方向に配列された3つのカソードK(R、G、B)と、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドG1(R、G、B)と、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備えている。第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体30によって構成され、電子銃構体17は、さらに、3つの第1グリッドをそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材33と、絶縁部材33を取り囲み植設部32Bを有する筒状体32と、筒状体32の植設部32Bを支持する一対の絶縁支持体27と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管に係り、特に、搭載されるインライン型電子銃構体のカソード電流値を動作開始から短時間で所定の一定値とすることができる第1グリッド構体を備えたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的にカラーテレビジョン受像機やカラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー陰極線管は、外囲器内のネック内に、水平方向に一列に配列された青、緑、赤用の3つの電子ビームを放出するインライン型電子銃構体を備えている。この電子銃構体から放出された電子ビームは、ファンネルの外側に装着された偏向ヨークから発生された偏光磁界によって偏向される。これにより、電子ビームにて蛍光体スクリーンを水平方向及び垂直方向に走査することにより、蛍光体スクリーン上にカラー画像を再生する。
【0003】
このようなインライン型電子銃構体は、カラー陰極線管の品質及び性能の向上に大きく貢献しており、現在一般用のカラー陰極線管に広く採用されている。この電子銃構体は、水平方向に一列配置された青、緑、赤用の3個のカソードと、その各カソードに内挿された3個のヒータと、カソードから順次蛍光体スクリーン方向に所定の間隔で同軸上に配列された3個の第1グリッド、及び一体構造の複数のグリッドなどで構成されている。
【0004】
すなわち、蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部は、図7及び図8に示すように、ヒータを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)と、カソードKを保持する3個のカソード支持体63と、カソード支持体63を一体的に保持する絶縁部材64と、絶縁部材64の外周側を取り囲む金属筒65、カソードKから放射された電子ビームを制御するカップ状の第1グリッドG1と、電子ビームを加速する板状の第2グリッドG2とを備えており、これらが同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁ガラス66によって固定されている。
【0005】
このようなインライン型電子銃構体57を用いたカラー陰極線管においては、良好な白色画面を得るために、青、緑、赤の各電子ビーム発生部のカットオフ電圧が同じになるように、すなわち各カソードKのカソード電流値(IK値)が所定の一定な値となるように設計されている。
【0006】
一般に、各電子銃構体57でのカットオフ電圧は、部品のバラツキや熱膨張係数の相違などによって必ずしも同一とはならない。このため、各IK値を所定の一定値に設定すべく、カラー陰極線管をカラーテレビジョン受像機等のカラー陰極線管装置に組込んだ後に、各カソードKの特性に応じてバイアス電圧を調整することにより、各IK値間の同等性を得ている。
【0007】
このような対策を講じてIK値の同等性を確保したとしても、カラー陰極線管のヒータに通電してから各電極部品の熱的変形が平衡状態に達するまでのウォーミングアップ期間中においては、各IK値を所定の一定値にすることはできない。つまり、バイアス電圧の調整による設定では、ウォーミングアップ期間が終了した後の設定になるためである。このウォーミングアップに要する時間は、通電後約20分程度を必要とする。
【0008】
すなわち、ヒータに通電して各部品が熱的平衡状態に達したとき、カソードKは、カソード支持体63より高温域で動作し、また、カソード支持体63は、絶縁部材64よりも高温域で動作する。換言すれば、ウォーミングアップ期間中の温度上昇速度は、カソード支持体63を支持する絶縁部材64よりもカソード支持体63の方が早く、また、カソード支持体63よりもカソードKの方が早いことになる。
【0009】
この結果、電子銃構体57を構成する各電極部品は、異なる温度上昇速度による熱膨張によって、夫々異なる特性で熱的変形することになる。この熱的変形を図9及び図10を用いて説明する。なお、図9において、図中の矢印は、夫々対応する構成部品の伸長方向を示している。また、図10において、各特性曲線に付した符号のうちA〜Cは、図9中の矢印に付した符号と一致している。
【0010】
図9中に矢印Aで示すように、カソードKは、ウォーミングアップ期間中の温度上昇によって第1グリッドG1側に伸長し、図10における特性曲線Aで示すように、その形状が経時変化する。これに対して、カソード支持体63は、図9中に矢印Bで示すように、温度上昇によって第1グリッドG1から遠ざかる方向すなわちステム側に伸長し、図10における特性曲線Bで示すように、その形状が経時変化する。さらに、第1グリッドG1は、図9中の矢印Cで示すように、温度上昇によってカソードKから遠ざかる方向に伸長し、図10において特性曲線Cで示すように、その形状が経時変化する。
【0011】
ここで、カソードK及びカソード支持体63は、ヒータに近接して配置され、しかも、薄板を用いて構成されている。このため、カソードKは通電してから約30秒で熱的平衡状態に到達し、また、カソード支持体63は約3分と比較的短時間で熱的平衡状態に到達する。
【0012】
これに対して、第1グリッドG1が熱的平衡状態に到達するのは、通電してから約15分程度経過した後である。このため、ウォーミングアップ期間の最初の約3分間を経過した後は、主に第1グリッドG1の熱的変形に支配されて、カソードKと第1グリッドG1との間の間隔が変化する。
【0013】
したがって、ウォーミングアップ期間中においては、カソードKと第1グリッドG1との間隔は、上述した各部品の熱膨張の影響を受けて、図10に曲線Dで示すように変化する。このように、ウォーミングアップ期間中は、カソードKと第1グリッドG1との間隔が変化するために、各部品が動作温度の平衡状態に達するまでの時間は、ヒータに通電してから約15分を要する。
【0014】
また、ウォーミングアップ後、3個のカソードKのIK値を等しく維持するために、各電極間、特にカソードKと第1グリッドG1との間の不均一な間隔を補正するようにバイアス電圧が調整される。しかしながら、陰極線管がカラー陰極線管装置に組込まれた後では、カラー陰極線管装置を開蓋して再調整しない限り、設定されたバイアス電圧を変化することができない。このため、このような調整は、一般ユーザが行うことは難しく、一度設定されたIK値の同等性は、動作温度が平衡状態に到達するまでは、達成できないという不具合が生じる。
【0015】
また、図11には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKG、両外側のサイドビーム用カソードKR,KBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒータ通電後のカソード電流値の変化を示している。図11において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0016】
このように、各IK値特性が曲線IとIIとで相違する理由は、上述したように各第1グリッドG1の周りの電極部品等の配置によって、第1グリッド構体を構成する電極部品の温度及び熱膨張が、センタービーム用の第1グリッドG1G部分と両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B,G1R部分とで異なることに起因している。
【0017】
図11において、曲線I及び曲線II共に、ヒータに通電後約30秒間におけるIK値の変化は、カソードKが第1グリッドG1方向に伸長することに支配されており、また、ヒータに通電後約30秒〜約3分の間におけるIK値の変化は、カソード支持体63が第1グリッドG1から遠ざかる方向に伸長することに支配されており、さらに、ヒータに通電後約3分以降のIK値の変化は、主に第1グリッドG1の熱的変形に支配されて変化する。
【0018】
特に、個別の第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)を含むインライン型電子銃57においては、図12に示すように、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rを絶縁ガラス66に保持固定する植設部は、限定されたネック内径に3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)を収め、さらに絶縁ガラス66のインライン方向幅内で完全に支持固定するためには、第1グリッドG1G(センタービーム)用植設部材68と、第1グリッドG1B及びG1R(両サイドビーム)用植設部材69の形状が異なる必要がある。
【0019】
すなわち、第1グリッドG1G(センタービーム)用植設部材68は、ビーム通過孔のインライン方向軸70及びインライン方向軸70と直角をなしセンタービーム通過孔を通る垂直軸71とそれぞれ軸対称に形成されている。これに対して、第1グリッドG1B及びG1R(両サイドビーム)用植設部材69は、インライン方向軸70とは軸対称形状をしているが、インライン方向軸70と直角をなし両サイドビーム通過孔を通る垂直軸72とは非軸対称に形成されている。
【0020】
これにより、第1グリッドG1Gと2個の第1グリッドG1B及びG1Rとで熱的安定時の安定温度はほぼ一致するものの、熱的安定に達する時間が異なることなる。すなわち、インライン方向とその垂直方向を電極や絶縁ガラスに取り囲まれている第1グリッドG1Gに比べ、第1グリッドG1B及びG1Rの周囲はインライン方向の第1グリッドG1Gのみであるため、熱的安定に達する時間がかかることになる。
【0021】
このように、第1グリッドG1Gと2個の第1グリッドG1B及びG1Rとでは、設定したIK値に到達するまでの状態が異なることから、3個のカソードKのIK値の同等性を得て良好な白色画面が得られるまでには、ウォーミングアップ期間と略同等の時間が必要となる。
【0022】
したがって、カラー陰極線管の通電後に良好な白色画面が得られるまでにはかなりの時間を必要とする。また、ウォーミングアップ後に調整したバイアス電圧は、それ以降では一般ユーザーが再調整することが困難であるため、一度設定されたIK値間の同等性は、以後各部品が動作温度の平衡状態に達した後でなければ得られないので、良好な白色画面を得るのに長時間を要する。これらは、使用時における低画質時間がそれだけ長いということを意味している。
【0023】
このような課題に対して、各カソードとカソード支持体との固定点を基準として、センタービーム用カソード支持体とその外周に配置される金属筒との固定点までの長さ及びサイドビーム用カソード支持体とその外周に配置される金属筒との固定点までの長さの関係を規定した公知例(例えば、特許文献1参照。)や、センタービーム用カソードとカソード支持体との固定点から絶縁部材までの長さ及びサイドビーム用カソードとカソード支持体との固定点から絶縁部材までの長さの関係を規定した公知例(例えば、特許文献2参照。)などがある。
【0024】
【特許文献1】
特開2002−184320号公報
【0025】
【特許文献2】
特開2002−110056号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、通電から短時間で良好な白色画面が得られる陰極線管を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管は、
インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体からなり、
さらに、前記3つの第1グリッドをそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この発明の第2の様態による陰極線管は、
インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有する第1グリッドディスクと、各第1グリッドディスクが固定されたカップ状の第1グリッド支持体と、で構成され、
さらに、前記3つの第1グリッド支持体をそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管について図面を参照して説明する。
【0030】
図1に示すように、カラー陰極線管は、外囲器10を備えている。この外囲器10は、画面が略矩形状を呈するフェースパネル11と、このフェースパネル11に一体的に接合されたファンネル12と、を有している。蛍光体スクリーン13は、フェースパネル11の内面に配置され、赤、青、緑にそれぞれ発光する3色蛍光体層を有している。
【0031】
多数の開孔14を有するシャドウマスク15は、外囲器内において蛍光体スクリーン13に対向して配置され、その開孔14の内側を電子ビームが通過することで色選別を行う。このシャドウマスク15は、フェースパネル11の内側面にマスクフレーム(図示せず)を介して取着されている。
【0032】
インライン型電子銃構体17は、ファンネル12のネック16内に配置されている。この電子銃構体17は、インライン方向すなわち水平方向に一列に配列された3つの電子ビームを蛍光体スクリーン13に向けて放出する。3電子ビームのうち、ネック16内のほぼ中央に沿って放出されるセンタービームは、蛍光体スクリーン13の緑色蛍光体層を発光させる。また、3電子ビームのうち、センタービームの両サイドに沿って放出される一対のサイドビームは、蛍光体スクリーン13の赤色蛍光体層及び青色蛍光体層をそれぞれ発光させる。
【0033】
偏向ヨーク18は、ファンネル12の外側に装着され、電子銃構体17から放出された3電子ビームを偏向するための非斉一偏向磁界を発生する。この非斉一偏向磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂直偏向磁界とによって構成され、3電子ビームをセルフコンバーゼンスさせている。3電子ビームは、非斉一偏向磁界によりセルフコンバージェンスされた状態で偏向され、蛍光体スクリーン13を水平方向及び垂直方向に走査することにより、蛍光体スクリーン13上にカラー画像が再生される。
【0034】
このような陰極線管に搭載される電子銃構体17は、水平方向に一列配置された青、緑、赤用の3個のカソードK(KB,KG,KR)と、これらの各カソードKに内挿された3個のヒーターHと、各カソードKにそれぞれ対向して配置された3個の第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)と、これらの第1グリッドG1の蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドG2と、この第2グリッドG2から順次蛍光体スクリーン13方向に所定の間隔で同軸上に配列された第3乃至第7グリッドG3乃至G7、及び、第7グリッドG7の蛍光体スクリーン13側に固定されたコンバーゼンスカップCを備えて構成されている。
【0035】
第1実施形態に係る電子銃構体では、各第1グリッドG1は、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体によって構成されている。各カップ状電極体の底面は、1つの電子ビーム通過孔を有している。第2グリッドG2は、板状の電極体によって構成され、3つの電子ビーム通過孔を有している。また、第3乃至第7グリッドG3乃至G7は、夫々複数個のカップ状電極体を組合わせて構成され、それぞれのカップ状電極体の底面に3つの電子ビーム通過孔を有している。これらカソードK、ヒーターH、及び、複数のグリッドは、ガラス製の一対の絶縁支持体27によって一体に固定されている。
【0036】
また、ネック16の端部に設けられたステム19は、外囲器10内を真空状態に封止する。複数のステムピン20は、ステム19を気密に貫通し、外囲器10の内部に封止された電子銃構体17の各電極に電気的に接続されている。すなわち、カソードK及び第1乃至第6グリッドG1乃至G6は、ステムピン20を介して外部から所定電圧を供給する。
【0037】
さらに、内部導電膜21は、ファンネル12に設けた陽極端子(図示せず)からネック16にわたる外囲器10の内面に塗布形成されている。コンバーゼンスカップCに取付けられたバルブスペーサ22は、内部導電膜21に圧接して、電気的に接続されている。すなわち、コンバーゼンスカップCは、第7グリッドG7に電気的及び機械的に接続され、第7グリッドG7及びコンバーゼンスカップCに対しては、陽極端子から内部導電膜21及びバルブスペーサ22を介して高電圧が印加される。
【0038】
このような構成のインライン型電子銃構体17では、カソードK、カソードKから放射された電子ビームを制御する第1グリッドG1、及び、第1グリッドG1を通過した電子ビームを加速する第2グリッドG2は、蛍光体スクリーン13に向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部として構成される。特に、カソードK及び第1グリッドG1は、図2に示すように構成されている。
【0039】
すなわち、3個のカソード支持体23は、それぞれ管軸方向に延びた筒状に形成されている。これらのカソード支持体23は、それぞれの先端部側(ステム側)において、ヒーターHを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)を保持する。絶縁部材25は、3つのカソード支持体23をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材25は、例えばガラス材料によって形成され、カソード支持体23の側面23Aの外周を取り囲む。
【0040】
筒状体26は、管軸方向に延びた構造を有し、絶縁部材25の外周を取り囲む。この筒状体26は、例えば金属材料によって形成され、その後端部側(ステム側)において外方に突出した縁部26Aを有している。この縁部26Aの一部は、植設部26Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0041】
第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、管軸方向に延びたカップ状電極体30によって構成されている。絶縁部材33は、3つのカップ状電極体30をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材33は、例えばガラス材料によって形成され、カップ状電極体30の側面30Aの外周を取り囲む。
【0042】
筒状体32は、管軸方向に延びた構造を有し、その先端部側(蛍光体スクリーン側)において絶縁部材33の外周を取り囲む。筒状体26は、筒状体32の後端部側(ステム側)においてその内側に取り付けられている。このような筒状体32は、例えば金属材料によって形成され、その後端部において外方に突出した縁部32Aを有している。この縁部32Aの一部は、植設部32Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0043】
このようにしてそれぞれ一体化されたカソードK(KB,KG,KR)及び第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁支持体27によって固定されている。このとき、第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、第1グリッドG1を絶縁支持体27に固定するために従来必要だった植設部を不要とし、各々独立して保持されている。よって、カソードKから供給される熱量は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)をほぼ均一に加熱し、早期に熱的安定化状態を達成することができる。
【0044】
したがって、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKGと、両外側のサイドビーム用カソードKB及びKR部分とでそれぞれ同一に設定した場合には、十分クーリングした後のヒーターHに通電した直後は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)とカソードK(KB,KG,KR)との距離は、ほぼ同一となる。
【0045】
図3には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、センタービーム用カソードKG、サイドビーム用カソードKR及びKBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒーターH通電後のカソード電流値の変化を示している。なお、図3において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0046】
図3に示すように、サイドビーム用カソードKB及びKRのIK値特性は、センタービーム用カソードKGのIK値特性とほぼ近似したものとすることができる。つまり、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rは、それぞれ形状の異なる植設部を必要とせず、同一形状のカップ状電極体30によって構成されており、しかも、絶縁部材33及び筒状体32によりすべてのカップ状電極体を一体に保持した状態で筒状体32の植設部32Bを介して絶縁支持体27に支持されている。
【0047】
このため、第1グリッドG1を構成する電極部品の温度及び熱膨張がセンタービーム用の第1グリッドG1Gと両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B及びG1R部分とで実質的に同等となり、通電直後から各部品が熱的平衡状態に達することになる。つまり、各カソードのIK値の一致時間を大幅に短縮することができる。これにより、センタービーム用のカソードKG及び第1グリッドG1G、サイドビーム用のカソードKR及び第1グリッドG1R、及び、サイドビーム用のカソードKB及び第1グリッドG1Bのそれぞれの間隔は、通電直後からほぼ同等に維持された状態で経時変化することになる。
【0048】
したがって、このような構成の電子銃構体では、通電から短時間で各IK値を所定の一定値とすることができ、またこのような電子銃構体を搭載したカラー陰極線管は、陰極線管装置に組込んで通電した際に、画面が表示されるとほぼ同時に良好な画面(特に白色画面)を得ることができ、低画質時間を大幅に短縮した良好な画像表示の再生が可能となる。
【0049】
なお、上述した第1実施形態では、少なくとも電子ビーム通過孔を有する3つのカップ状電極体を絶縁部材と筒状筒とによって一体的に固定すればよく、カソードKを支持する方法については、3つカソードKを各グリッドを一体化固定する絶縁ガラスに、各々植設部材等で固定する方法との組み合わせでも可能であって、また電子銃構体の各グリッド構成や形態についても、このような第1実施形態とは別の構成とすることも可能であり、その他種々の応用、変形が可能なことは言うまでもない。
【0050】
次に、第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態では、上述したい第1実施形態と同一の構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
第2実施形態に係る電子銃構体では、図4及び図5に示すように、各第1グリッドG1は、それぞれ電子ビーム通過孔を有する第1グリッドディスク40と、第1グリッドディスク40が固定されたカップ状の第1グリッド支持体41によって構成されている。第1グリッドディスク40は、そのほぼ中心部に1つの電子ビーム通過孔を有している。第2乃至第7グリッドG2乃至G7、及び、コンバーゼンスカップCは、第1実施形態と同様に構成されている。また、3個のカソードK、ヒーターH、及び、複数のグリッドは、ガラス製の一対の絶縁支持体27によって一体に固定されている。
【0052】
このような構成のインライン型電子銃構体17では、カソードK、カソードKから放射された電子ビームを制御する第1グリッドG1、及び、第1グリッドG1を通過した電子ビームを加速する第2グリッドG2は、蛍光体スクリーン13に向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部として構成される。特に、カソードK及び第1グリッドG1は、図5に示すように構成されている。
【0053】
すなわち、3個のカソード支持体23は、それぞれ管軸方向に延びた筒状に形成されている。これらのカソード支持体23は、それぞれの先端部側(ステム側)において、ヒーターHを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)を保持する。絶縁部材25は、3つのカソード支持体23をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材25は、例えばガラス材料によって形成され、カソード支持体23の側面23Aの外周を取り囲む。
【0054】
筒状体26は、管軸方向に延びた構造を有し、絶縁部材25の外周を取り囲む。この筒状体26は、例えば金属材料によって形成され、その後端部側(ステム側)において外方に突出した縁部26Aを有している。この縁部26Aの一部は、植設部26Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0055】
第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、円板状の第1グリッドディスク40と、管軸方向に延びたカップ状の第1グリッド支持体41とによって構成されている。第1グリッドG1を構成する第1グリッドディスク40及び第1グリッド支持体41は、同等の熱膨張係数を持った金属材料によって形成され、より望ましくは同一金属材料によって形成されている。第1グリッド支持体41は、底部にカソードKより大きな径のほぼ円形の開口部41APを有している。第1グリッドディスク40は、第1グリッド支持体41の開口部41APより大きな円形状に形成され、開口部APを塞ぐよう底部に溶接固定されている。
【0056】
絶縁部材33は、3つの第1グリッド支持体41をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材33は、例えばガラス材料によって形成され、第1グリッド支持体41の側面41Aの外周を取り囲む。
【0057】
筒状体32は、管軸方向に延びた構造を有し、その先端部側(蛍光体スクリーン側)において絶縁部材33の外周を取り囲む。筒状体26は、筒状体32の後端部側(ステム側)においてその内側に取り付けられている。このような筒状体32は、例えば金属材料によって形成され、その後端部において外方に突出した縁部32Aを有している。この縁部32Aの一部は、植設部32Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0058】
すなわち、このような第1グリッドG1は、第1グリッド支持体41を絶縁部材33に貫通させた後、筒状体32の線端部分に絶縁部材33を設けることによって一体化部品を構成し、さらにその後に、第1グリッドディスク40を第1グリッド支持体41の底部に溶接固定することで一体化される。
【0059】
このようにしてそれぞれ一体化されたカソードK(KB,KG,KR)及び第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁支持体27によって固定されている。このとき、第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、第1グリッドG1を絶縁支持体27に固定するために従来必要だった植設部を不要とし、各々独立して保持されている。よって、カソードKから供給される熱量は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)をほぼ均一に加熱し、早期に熱的安定化状態を達成することができる。
【0060】
したがって、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKGと、両外側のサイドビーム用カソードKB及びKR部分とでそれぞれ同一に設定した場合には、十分クーリングした後のヒーターHに通電した直後は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)とカソードK(KB,KG,KR)との距離は、ほぼ同一となる。
【0061】
図6には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、センタービーム用カソードKG、サイドビーム用カソードKR及びKBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒーターH通電後のカソード電流値の変化を示している。なお、図6において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0062】
図6に示すように、サイドビーム用カソードKB及びKRのIK値特性は、センタービーム用カソードKGのIK値特性とほぼ近似したものとすることができる。つまり、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rは、それぞれ形状の異なる植設部を必要とせず、それぞれ同一形状の第1グリッドディスク40及び第1グリッド支持体41の組み合わせによって構成されており、しかも、絶縁部材33及び筒状体32によりすべての第1グリッド支持体41を一体に保持した状態で筒状体32の植設部32Bを介して絶縁支持体27に支持されている。
【0063】
このため、第1グリッドG1を構成する電極部品の温度及び熱膨張がセンタービーム用の第1グリッドG1Gと両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B及びG1R部分とで実質的に同等となり、通電直後から各部品が熱的平衡状態に達することになる。つまり、各カソードのIK値の一致時間を大幅に短縮することができる。これにより、センタービーム用のカソードKG及び第1グリッドG1G、サイドビーム用のカソードKR及び第1グリッドG1R、及び、サイドビーム用のカソードKB及び第1グリッドG1Bのそれぞれの間隔は、通電直後からほぼ同等に維持された状態で経時変化することになる。
【0064】
また、この第2実施形態においては、第1グリッド支持体41と第1グリッドディスク40を同じ熱膨張係数を持った金属材料で構成している。これにより、第1グリッドG1を複数の部品で構成しても、第1実施形態で説明したような単一部品からなるカップ状電極体30と同等の機能を実現することができ、第1グリッドディスク40と第1グリッド支持体41との間に生じる熱的変形等を大幅に軽減できる。
【0065】
さらに、この第2実施形態においては、3個の第1グリッド支持体41を絶縁部材33にそれぞれ貫通させて絶縁部材33を取り囲む金属筒32を固定した後に、少なくとも電子ビーム通過孔を有する3個の第1グリッドディスク40を、各々3個の第1グリッド支持体41に溶接固定することによって第1グリッドG1を構成している。これにより、第1グリッドG1を固定するときに発生する3個の第1グリッド支持体41のピッチ、平坦度、直線性等の取り付け精度ばらつきを修正し、3個の第1グリッドディスク40の組立精度を向上することができる。
【0066】
したがって、このような構成の電子銃構体では、通電から短時間で各IK値を所定の一定値とすることができ、またこのような電子銃構体を搭載したカラー陰極線管は、陰極線管装置に組込んで通電した際に、画面が表示されるとほぼ同時に良好な画面(特に白色画面)を得ることができ、低画質時間を大幅に短縮した良好な画像表示の再生が可能となる。
【0067】
なお、上述した第2実施形態では、3つの第1グリッド支持体を絶縁部材と筒状筒とによって一体的に固定すればよく、カソードKを支持する方法については、3つカソードKを各グリッドを一体化固定する絶縁ガラスに、各々植設部材等で固定する方法との組み合わせでも可能であって、また電子銃構体の各グリッド構成や形態についても、このような第2実施形態とは別の構成とすることも可能であり、その他種々の応用、変形が可能なことは言うまでもない。
【0068】
以上説明したように、この実施の形態に係る陰極線管によれば、センタービーム用及びサイドビーム用の各カソード間のIK値特性を近似させることができるために、バイアス電圧調整後に短時間で各IK値を所定の一定値とすることができる。このため、カラー陰極線管の通電後に良好な白色画面を得るまでの時間を大幅に短縮できるので、低画質状態での再生時間を短くし、迅速に高画質な再生画像が得られる。また、カラー陰極線管装置を開蓋して再調整する必要がなくなり、カラー陰極線管及びこのカラー陰極線管を組込んだカラー陰極線管装置の生産性を向上することができる。
【0069】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、通電から短時間で良好な白色画面が得られる陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1実施形態に係る陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示した陰極線管に搭載された電子銃構体のカソード及び第1グリッド周辺の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る陰極線管のカソード電流特性を示す特性図である。
【図4】図4は、この発明の第2実施形態に係る陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図5】図5は、図4に示した陰極線管に搭載された電子銃構体のカソード及び第1グリッド周辺の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る陰極線管のカソード電流特性を示す特性図である。
【図7】図7は、従来の陰極線管における電子ビーム発生部の構成を概略的に示す水平断面図である。
【図8】図8は、図7に示した従来の電子ビーム発生部の構成を概略的に示す垂直断面図である。
【図9】図9は、図6に示した電子ビーム発生部を構成する電極部品の熱膨張による伸長方向を説明するための断面図である。
【図10】図10は、経時変化に対する図9に示した各部の伸びを示す特性曲線である。
【図11】図11は、従来の陰極線管において、バイアス電圧調整後の通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線である。
【図12】図12は、第1グリッド部を管軸と直角をなす蛍光体スクリーン側より見た正面図である。
【符号の説明】
10:外囲器、11:フェースパネル、12:ファンネル、13:蛍光体スクリーン、15:シャドウマスク、16:ネック、17:インライン型電子銃構体、18:偏向ヨーク、K(R、G、B):カソード、G1G:センタービーム用第1グリッド、G1B及びG1R:サイドビーム用第1グリッド、30:カップ状電極体、32:筒状体、33:絶縁部材、40:第1グリッドディスク、41:第1グリッド支持体
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管に係り、特に、搭載されるインライン型電子銃構体のカソード電流値を動作開始から短時間で所定の一定値とすることができる第1グリッド構体を備えたカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的にカラーテレビジョン受像機やカラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー陰極線管は、外囲器内のネック内に、水平方向に一列に配列された青、緑、赤用の3つの電子ビームを放出するインライン型電子銃構体を備えている。この電子銃構体から放出された電子ビームは、ファンネルの外側に装着された偏向ヨークから発生された偏光磁界によって偏向される。これにより、電子ビームにて蛍光体スクリーンを水平方向及び垂直方向に走査することにより、蛍光体スクリーン上にカラー画像を再生する。
【0003】
このようなインライン型電子銃構体は、カラー陰極線管の品質及び性能の向上に大きく貢献しており、現在一般用のカラー陰極線管に広く採用されている。この電子銃構体は、水平方向に一列配置された青、緑、赤用の3個のカソードと、その各カソードに内挿された3個のヒータと、カソードから順次蛍光体スクリーン方向に所定の間隔で同軸上に配列された3個の第1グリッド、及び一体構造の複数のグリッドなどで構成されている。
【0004】
すなわち、蛍光体スクリーンに向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部は、図7及び図8に示すように、ヒータを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)と、カソードKを保持する3個のカソード支持体63と、カソード支持体63を一体的に保持する絶縁部材64と、絶縁部材64の外周側を取り囲む金属筒65、カソードKから放射された電子ビームを制御するカップ状の第1グリッドG1と、電子ビームを加速する板状の第2グリッドG2とを備えており、これらが同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁ガラス66によって固定されている。
【0005】
このようなインライン型電子銃構体57を用いたカラー陰極線管においては、良好な白色画面を得るために、青、緑、赤の各電子ビーム発生部のカットオフ電圧が同じになるように、すなわち各カソードKのカソード電流値(IK値)が所定の一定な値となるように設計されている。
【0006】
一般に、各電子銃構体57でのカットオフ電圧は、部品のバラツキや熱膨張係数の相違などによって必ずしも同一とはならない。このため、各IK値を所定の一定値に設定すべく、カラー陰極線管をカラーテレビジョン受像機等のカラー陰極線管装置に組込んだ後に、各カソードKの特性に応じてバイアス電圧を調整することにより、各IK値間の同等性を得ている。
【0007】
このような対策を講じてIK値の同等性を確保したとしても、カラー陰極線管のヒータに通電してから各電極部品の熱的変形が平衡状態に達するまでのウォーミングアップ期間中においては、各IK値を所定の一定値にすることはできない。つまり、バイアス電圧の調整による設定では、ウォーミングアップ期間が終了した後の設定になるためである。このウォーミングアップに要する時間は、通電後約20分程度を必要とする。
【0008】
すなわち、ヒータに通電して各部品が熱的平衡状態に達したとき、カソードKは、カソード支持体63より高温域で動作し、また、カソード支持体63は、絶縁部材64よりも高温域で動作する。換言すれば、ウォーミングアップ期間中の温度上昇速度は、カソード支持体63を支持する絶縁部材64よりもカソード支持体63の方が早く、また、カソード支持体63よりもカソードKの方が早いことになる。
【0009】
この結果、電子銃構体57を構成する各電極部品は、異なる温度上昇速度による熱膨張によって、夫々異なる特性で熱的変形することになる。この熱的変形を図9及び図10を用いて説明する。なお、図9において、図中の矢印は、夫々対応する構成部品の伸長方向を示している。また、図10において、各特性曲線に付した符号のうちA〜Cは、図9中の矢印に付した符号と一致している。
【0010】
図9中に矢印Aで示すように、カソードKは、ウォーミングアップ期間中の温度上昇によって第1グリッドG1側に伸長し、図10における特性曲線Aで示すように、その形状が経時変化する。これに対して、カソード支持体63は、図9中に矢印Bで示すように、温度上昇によって第1グリッドG1から遠ざかる方向すなわちステム側に伸長し、図10における特性曲線Bで示すように、その形状が経時変化する。さらに、第1グリッドG1は、図9中の矢印Cで示すように、温度上昇によってカソードKから遠ざかる方向に伸長し、図10において特性曲線Cで示すように、その形状が経時変化する。
【0011】
ここで、カソードK及びカソード支持体63は、ヒータに近接して配置され、しかも、薄板を用いて構成されている。このため、カソードKは通電してから約30秒で熱的平衡状態に到達し、また、カソード支持体63は約3分と比較的短時間で熱的平衡状態に到達する。
【0012】
これに対して、第1グリッドG1が熱的平衡状態に到達するのは、通電してから約15分程度経過した後である。このため、ウォーミングアップ期間の最初の約3分間を経過した後は、主に第1グリッドG1の熱的変形に支配されて、カソードKと第1グリッドG1との間の間隔が変化する。
【0013】
したがって、ウォーミングアップ期間中においては、カソードKと第1グリッドG1との間隔は、上述した各部品の熱膨張の影響を受けて、図10に曲線Dで示すように変化する。このように、ウォーミングアップ期間中は、カソードKと第1グリッドG1との間隔が変化するために、各部品が動作温度の平衡状態に達するまでの時間は、ヒータに通電してから約15分を要する。
【0014】
また、ウォーミングアップ後、3個のカソードKのIK値を等しく維持するために、各電極間、特にカソードKと第1グリッドG1との間の不均一な間隔を補正するようにバイアス電圧が調整される。しかしながら、陰極線管がカラー陰極線管装置に組込まれた後では、カラー陰極線管装置を開蓋して再調整しない限り、設定されたバイアス電圧を変化することができない。このため、このような調整は、一般ユーザが行うことは難しく、一度設定されたIK値の同等性は、動作温度が平衡状態に到達するまでは、達成できないという不具合が生じる。
【0015】
また、図11には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKG、両外側のサイドビーム用カソードKR,KBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒータ通電後のカソード電流値の変化を示している。図11において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0016】
このように、各IK値特性が曲線IとIIとで相違する理由は、上述したように各第1グリッドG1の周りの電極部品等の配置によって、第1グリッド構体を構成する電極部品の温度及び熱膨張が、センタービーム用の第1グリッドG1G部分と両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B,G1R部分とで異なることに起因している。
【0017】
図11において、曲線I及び曲線II共に、ヒータに通電後約30秒間におけるIK値の変化は、カソードKが第1グリッドG1方向に伸長することに支配されており、また、ヒータに通電後約30秒〜約3分の間におけるIK値の変化は、カソード支持体63が第1グリッドG1から遠ざかる方向に伸長することに支配されており、さらに、ヒータに通電後約3分以降のIK値の変化は、主に第1グリッドG1の熱的変形に支配されて変化する。
【0018】
特に、個別の第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)を含むインライン型電子銃57においては、図12に示すように、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rを絶縁ガラス66に保持固定する植設部は、限定されたネック内径に3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)を収め、さらに絶縁ガラス66のインライン方向幅内で完全に支持固定するためには、第1グリッドG1G(センタービーム)用植設部材68と、第1グリッドG1B及びG1R(両サイドビーム)用植設部材69の形状が異なる必要がある。
【0019】
すなわち、第1グリッドG1G(センタービーム)用植設部材68は、ビーム通過孔のインライン方向軸70及びインライン方向軸70と直角をなしセンタービーム通過孔を通る垂直軸71とそれぞれ軸対称に形成されている。これに対して、第1グリッドG1B及びG1R(両サイドビーム)用植設部材69は、インライン方向軸70とは軸対称形状をしているが、インライン方向軸70と直角をなし両サイドビーム通過孔を通る垂直軸72とは非軸対称に形成されている。
【0020】
これにより、第1グリッドG1Gと2個の第1グリッドG1B及びG1Rとで熱的安定時の安定温度はほぼ一致するものの、熱的安定に達する時間が異なることなる。すなわち、インライン方向とその垂直方向を電極や絶縁ガラスに取り囲まれている第1グリッドG1Gに比べ、第1グリッドG1B及びG1Rの周囲はインライン方向の第1グリッドG1Gのみであるため、熱的安定に達する時間がかかることになる。
【0021】
このように、第1グリッドG1Gと2個の第1グリッドG1B及びG1Rとでは、設定したIK値に到達するまでの状態が異なることから、3個のカソードKのIK値の同等性を得て良好な白色画面が得られるまでには、ウォーミングアップ期間と略同等の時間が必要となる。
【0022】
したがって、カラー陰極線管の通電後に良好な白色画面が得られるまでにはかなりの時間を必要とする。また、ウォーミングアップ後に調整したバイアス電圧は、それ以降では一般ユーザーが再調整することが困難であるため、一度設定されたIK値間の同等性は、以後各部品が動作温度の平衡状態に達した後でなければ得られないので、良好な白色画面を得るのに長時間を要する。これらは、使用時における低画質時間がそれだけ長いということを意味している。
【0023】
このような課題に対して、各カソードとカソード支持体との固定点を基準として、センタービーム用カソード支持体とその外周に配置される金属筒との固定点までの長さ及びサイドビーム用カソード支持体とその外周に配置される金属筒との固定点までの長さの関係を規定した公知例(例えば、特許文献1参照。)や、センタービーム用カソードとカソード支持体との固定点から絶縁部材までの長さ及びサイドビーム用カソードとカソード支持体との固定点から絶縁部材までの長さの関係を規定した公知例(例えば、特許文献2参照。)などがある。
【0024】
【特許文献1】
特開2002−184320号公報
【0025】
【特許文献2】
特開2002−110056号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、通電から短時間で良好な白色画面が得られる陰極線管を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管は、
インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体からなり、
さらに、前記3つの第1グリッドをそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この発明の第2の様態による陰極線管は、
インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有する第1グリッドディスクと、各第1グリッドディスクが固定されたカップ状の第1グリッド支持体と、で構成され、
さらに、前記3つの第1グリッド支持体をそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管について図面を参照して説明する。
【0030】
図1に示すように、カラー陰極線管は、外囲器10を備えている。この外囲器10は、画面が略矩形状を呈するフェースパネル11と、このフェースパネル11に一体的に接合されたファンネル12と、を有している。蛍光体スクリーン13は、フェースパネル11の内面に配置され、赤、青、緑にそれぞれ発光する3色蛍光体層を有している。
【0031】
多数の開孔14を有するシャドウマスク15は、外囲器内において蛍光体スクリーン13に対向して配置され、その開孔14の内側を電子ビームが通過することで色選別を行う。このシャドウマスク15は、フェースパネル11の内側面にマスクフレーム(図示せず)を介して取着されている。
【0032】
インライン型電子銃構体17は、ファンネル12のネック16内に配置されている。この電子銃構体17は、インライン方向すなわち水平方向に一列に配列された3つの電子ビームを蛍光体スクリーン13に向けて放出する。3電子ビームのうち、ネック16内のほぼ中央に沿って放出されるセンタービームは、蛍光体スクリーン13の緑色蛍光体層を発光させる。また、3電子ビームのうち、センタービームの両サイドに沿って放出される一対のサイドビームは、蛍光体スクリーン13の赤色蛍光体層及び青色蛍光体層をそれぞれ発光させる。
【0033】
偏向ヨーク18は、ファンネル12の外側に装着され、電子銃構体17から放出された3電子ビームを偏向するための非斉一偏向磁界を発生する。この非斉一偏向磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂直偏向磁界とによって構成され、3電子ビームをセルフコンバーゼンスさせている。3電子ビームは、非斉一偏向磁界によりセルフコンバージェンスされた状態で偏向され、蛍光体スクリーン13を水平方向及び垂直方向に走査することにより、蛍光体スクリーン13上にカラー画像が再生される。
【0034】
このような陰極線管に搭載される電子銃構体17は、水平方向に一列配置された青、緑、赤用の3個のカソードK(KB,KG,KR)と、これらの各カソードKに内挿された3個のヒーターHと、各カソードKにそれぞれ対向して配置された3個の第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)と、これらの第1グリッドG1の蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドG2と、この第2グリッドG2から順次蛍光体スクリーン13方向に所定の間隔で同軸上に配列された第3乃至第7グリッドG3乃至G7、及び、第7グリッドG7の蛍光体スクリーン13側に固定されたコンバーゼンスカップCを備えて構成されている。
【0035】
第1実施形態に係る電子銃構体では、各第1グリッドG1は、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体によって構成されている。各カップ状電極体の底面は、1つの電子ビーム通過孔を有している。第2グリッドG2は、板状の電極体によって構成され、3つの電子ビーム通過孔を有している。また、第3乃至第7グリッドG3乃至G7は、夫々複数個のカップ状電極体を組合わせて構成され、それぞれのカップ状電極体の底面に3つの電子ビーム通過孔を有している。これらカソードK、ヒーターH、及び、複数のグリッドは、ガラス製の一対の絶縁支持体27によって一体に固定されている。
【0036】
また、ネック16の端部に設けられたステム19は、外囲器10内を真空状態に封止する。複数のステムピン20は、ステム19を気密に貫通し、外囲器10の内部に封止された電子銃構体17の各電極に電気的に接続されている。すなわち、カソードK及び第1乃至第6グリッドG1乃至G6は、ステムピン20を介して外部から所定電圧を供給する。
【0037】
さらに、内部導電膜21は、ファンネル12に設けた陽極端子(図示せず)からネック16にわたる外囲器10の内面に塗布形成されている。コンバーゼンスカップCに取付けられたバルブスペーサ22は、内部導電膜21に圧接して、電気的に接続されている。すなわち、コンバーゼンスカップCは、第7グリッドG7に電気的及び機械的に接続され、第7グリッドG7及びコンバーゼンスカップCに対しては、陽極端子から内部導電膜21及びバルブスペーサ22を介して高電圧が印加される。
【0038】
このような構成のインライン型電子銃構体17では、カソードK、カソードKから放射された電子ビームを制御する第1グリッドG1、及び、第1グリッドG1を通過した電子ビームを加速する第2グリッドG2は、蛍光体スクリーン13に向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部として構成される。特に、カソードK及び第1グリッドG1は、図2に示すように構成されている。
【0039】
すなわち、3個のカソード支持体23は、それぞれ管軸方向に延びた筒状に形成されている。これらのカソード支持体23は、それぞれの先端部側(ステム側)において、ヒーターHを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)を保持する。絶縁部材25は、3つのカソード支持体23をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材25は、例えばガラス材料によって形成され、カソード支持体23の側面23Aの外周を取り囲む。
【0040】
筒状体26は、管軸方向に延びた構造を有し、絶縁部材25の外周を取り囲む。この筒状体26は、例えば金属材料によって形成され、その後端部側(ステム側)において外方に突出した縁部26Aを有している。この縁部26Aの一部は、植設部26Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0041】
第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、管軸方向に延びたカップ状電極体30によって構成されている。絶縁部材33は、3つのカップ状電極体30をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材33は、例えばガラス材料によって形成され、カップ状電極体30の側面30Aの外周を取り囲む。
【0042】
筒状体32は、管軸方向に延びた構造を有し、その先端部側(蛍光体スクリーン側)において絶縁部材33の外周を取り囲む。筒状体26は、筒状体32の後端部側(ステム側)においてその内側に取り付けられている。このような筒状体32は、例えば金属材料によって形成され、その後端部において外方に突出した縁部32Aを有している。この縁部32Aの一部は、植設部32Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0043】
このようにしてそれぞれ一体化されたカソードK(KB,KG,KR)及び第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁支持体27によって固定されている。このとき、第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、第1グリッドG1を絶縁支持体27に固定するために従来必要だった植設部を不要とし、各々独立して保持されている。よって、カソードKから供給される熱量は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)をほぼ均一に加熱し、早期に熱的安定化状態を達成することができる。
【0044】
したがって、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKGと、両外側のサイドビーム用カソードKB及びKR部分とでそれぞれ同一に設定した場合には、十分クーリングした後のヒーターHに通電した直後は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)とカソードK(KB,KG,KR)との距離は、ほぼ同一となる。
【0045】
図3には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、センタービーム用カソードKG、サイドビーム用カソードKR及びKBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒーターH通電後のカソード電流値の変化を示している。なお、図3において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0046】
図3に示すように、サイドビーム用カソードKB及びKRのIK値特性は、センタービーム用カソードKGのIK値特性とほぼ近似したものとすることができる。つまり、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rは、それぞれ形状の異なる植設部を必要とせず、同一形状のカップ状電極体30によって構成されており、しかも、絶縁部材33及び筒状体32によりすべてのカップ状電極体を一体に保持した状態で筒状体32の植設部32Bを介して絶縁支持体27に支持されている。
【0047】
このため、第1グリッドG1を構成する電極部品の温度及び熱膨張がセンタービーム用の第1グリッドG1Gと両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B及びG1R部分とで実質的に同等となり、通電直後から各部品が熱的平衡状態に達することになる。つまり、各カソードのIK値の一致時間を大幅に短縮することができる。これにより、センタービーム用のカソードKG及び第1グリッドG1G、サイドビーム用のカソードKR及び第1グリッドG1R、及び、サイドビーム用のカソードKB及び第1グリッドG1Bのそれぞれの間隔は、通電直後からほぼ同等に維持された状態で経時変化することになる。
【0048】
したがって、このような構成の電子銃構体では、通電から短時間で各IK値を所定の一定値とすることができ、またこのような電子銃構体を搭載したカラー陰極線管は、陰極線管装置に組込んで通電した際に、画面が表示されるとほぼ同時に良好な画面(特に白色画面)を得ることができ、低画質時間を大幅に短縮した良好な画像表示の再生が可能となる。
【0049】
なお、上述した第1実施形態では、少なくとも電子ビーム通過孔を有する3つのカップ状電極体を絶縁部材と筒状筒とによって一体的に固定すればよく、カソードKを支持する方法については、3つカソードKを各グリッドを一体化固定する絶縁ガラスに、各々植設部材等で固定する方法との組み合わせでも可能であって、また電子銃構体の各グリッド構成や形態についても、このような第1実施形態とは別の構成とすることも可能であり、その他種々の応用、変形が可能なことは言うまでもない。
【0050】
次に、第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態では、上述したい第1実施形態と同一の構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
第2実施形態に係る電子銃構体では、図4及び図5に示すように、各第1グリッドG1は、それぞれ電子ビーム通過孔を有する第1グリッドディスク40と、第1グリッドディスク40が固定されたカップ状の第1グリッド支持体41によって構成されている。第1グリッドディスク40は、そのほぼ中心部に1つの電子ビーム通過孔を有している。第2乃至第7グリッドG2乃至G7、及び、コンバーゼンスカップCは、第1実施形態と同様に構成されている。また、3個のカソードK、ヒーターH、及び、複数のグリッドは、ガラス製の一対の絶縁支持体27によって一体に固定されている。
【0052】
このような構成のインライン型電子銃構体17では、カソードK、カソードKから放射された電子ビームを制御する第1グリッドG1、及び、第1グリッドG1を通過した電子ビームを加速する第2グリッドG2は、蛍光体スクリーン13に向けて電子ビームを発生する電子ビーム発生部として構成される。特に、カソードK及び第1グリッドG1は、図5に示すように構成されている。
【0053】
すなわち、3個のカソード支持体23は、それぞれ管軸方向に延びた筒状に形成されている。これらのカソード支持体23は、それぞれの先端部側(ステム側)において、ヒーターHを内挿する筒状のカソードK(KB,KG,KR)を保持する。絶縁部材25は、3つのカソード支持体23をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材25は、例えばガラス材料によって形成され、カソード支持体23の側面23Aの外周を取り囲む。
【0054】
筒状体26は、管軸方向に延びた構造を有し、絶縁部材25の外周を取り囲む。この筒状体26は、例えば金属材料によって形成され、その後端部側(ステム側)において外方に突出した縁部26Aを有している。この縁部26Aの一部は、植設部26Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0055】
第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、円板状の第1グリッドディスク40と、管軸方向に延びたカップ状の第1グリッド支持体41とによって構成されている。第1グリッドG1を構成する第1グリッドディスク40及び第1グリッド支持体41は、同等の熱膨張係数を持った金属材料によって形成され、より望ましくは同一金属材料によって形成されている。第1グリッド支持体41は、底部にカソードKより大きな径のほぼ円形の開口部41APを有している。第1グリッドディスク40は、第1グリッド支持体41の開口部41APより大きな円形状に形成され、開口部APを塞ぐよう底部に溶接固定されている。
【0056】
絶縁部材33は、3つの第1グリッド支持体41をそれぞれ貫通させて一体的に絶縁保持するものである。この絶縁部材33は、例えばガラス材料によって形成され、第1グリッド支持体41の側面41Aの外周を取り囲む。
【0057】
筒状体32は、管軸方向に延びた構造を有し、その先端部側(蛍光体スクリーン側)において絶縁部材33の外周を取り囲む。筒状体26は、筒状体32の後端部側(ステム側)においてその内側に取り付けられている。このような筒状体32は、例えば金属材料によって形成され、その後端部において外方に突出した縁部32Aを有している。この縁部32Aの一部は、植設部32Bとして機能し、一対の絶縁支持体27にそれぞれ植設されている。
【0058】
すなわち、このような第1グリッドG1は、第1グリッド支持体41を絶縁部材33に貫通させた後、筒状体32の線端部分に絶縁部材33を設けることによって一体化部品を構成し、さらにその後に、第1グリッドディスク40を第1グリッド支持体41の底部に溶接固定することで一体化される。
【0059】
このようにしてそれぞれ一体化されたカソードK(KB,KG,KR)及び第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁支持体27によって固定されている。このとき、第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)は、第1グリッドG1を絶縁支持体27に固定するために従来必要だった植設部を不要とし、各々独立して保持されている。よって、カソードKから供給される熱量は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)をほぼ均一に加熱し、早期に熱的安定化状態を達成することができる。
【0060】
したがって、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を、ネックのほぼ中央に配置されたセンタービーム用カソードKGと、両外側のサイドビーム用カソードKB及びKR部分とでそれぞれ同一に設定した場合には、十分クーリングした後のヒーターHに通電した直後は、3つの第1グリッドG1(G1B,G1G,G1R)とカソードK(KB,KG,KR)との距離は、ほぼ同一となる。
【0061】
図6には、通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線が示されている。ここでは、ウォーミングアップ後にバイアス電圧を調整して、センタービーム用カソードKG、サイドビーム用カソードKR及びKBの各カソード電流値を10μAに設定し、その後、ヒータ電圧のみをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒーターH通電後のカソード電流値の変化を示している。なお、図6において、曲線Iは、インライン配列された3個のカソードKのうちのセンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示しており、曲線IIは、サイドビーム用のカソードKB(またはKR)のIK値特性を示している。
【0062】
図6に示すように、サイドビーム用カソードKB及びKRのIK値特性は、センタービーム用カソードKGのIK値特性とほぼ近似したものとすることができる。つまり、3つの第1グリッドG1B,G1G,G1Rは、それぞれ形状の異なる植設部を必要とせず、それぞれ同一形状の第1グリッドディスク40及び第1グリッド支持体41の組み合わせによって構成されており、しかも、絶縁部材33及び筒状体32によりすべての第1グリッド支持体41を一体に保持した状態で筒状体32の植設部32Bを介して絶縁支持体27に支持されている。
【0063】
このため、第1グリッドG1を構成する電極部品の温度及び熱膨張がセンタービーム用の第1グリッドG1Gと両外側のサイドビーム用の第1グリッドG1B及びG1R部分とで実質的に同等となり、通電直後から各部品が熱的平衡状態に達することになる。つまり、各カソードのIK値の一致時間を大幅に短縮することができる。これにより、センタービーム用のカソードKG及び第1グリッドG1G、サイドビーム用のカソードKR及び第1グリッドG1R、及び、サイドビーム用のカソードKB及び第1グリッドG1Bのそれぞれの間隔は、通電直後からほぼ同等に維持された状態で経時変化することになる。
【0064】
また、この第2実施形態においては、第1グリッド支持体41と第1グリッドディスク40を同じ熱膨張係数を持った金属材料で構成している。これにより、第1グリッドG1を複数の部品で構成しても、第1実施形態で説明したような単一部品からなるカップ状電極体30と同等の機能を実現することができ、第1グリッドディスク40と第1グリッド支持体41との間に生じる熱的変形等を大幅に軽減できる。
【0065】
さらに、この第2実施形態においては、3個の第1グリッド支持体41を絶縁部材33にそれぞれ貫通させて絶縁部材33を取り囲む金属筒32を固定した後に、少なくとも電子ビーム通過孔を有する3個の第1グリッドディスク40を、各々3個の第1グリッド支持体41に溶接固定することによって第1グリッドG1を構成している。これにより、第1グリッドG1を固定するときに発生する3個の第1グリッド支持体41のピッチ、平坦度、直線性等の取り付け精度ばらつきを修正し、3個の第1グリッドディスク40の組立精度を向上することができる。
【0066】
したがって、このような構成の電子銃構体では、通電から短時間で各IK値を所定の一定値とすることができ、またこのような電子銃構体を搭載したカラー陰極線管は、陰極線管装置に組込んで通電した際に、画面が表示されるとほぼ同時に良好な画面(特に白色画面)を得ることができ、低画質時間を大幅に短縮した良好な画像表示の再生が可能となる。
【0067】
なお、上述した第2実施形態では、3つの第1グリッド支持体を絶縁部材と筒状筒とによって一体的に固定すればよく、カソードKを支持する方法については、3つカソードKを各グリッドを一体化固定する絶縁ガラスに、各々植設部材等で固定する方法との組み合わせでも可能であって、また電子銃構体の各グリッド構成や形態についても、このような第2実施形態とは別の構成とすることも可能であり、その他種々の応用、変形が可能なことは言うまでもない。
【0068】
以上説明したように、この実施の形態に係る陰極線管によれば、センタービーム用及びサイドビーム用の各カソード間のIK値特性を近似させることができるために、バイアス電圧調整後に短時間で各IK値を所定の一定値とすることができる。このため、カラー陰極線管の通電後に良好な白色画面を得るまでの時間を大幅に短縮できるので、低画質状態での再生時間を短くし、迅速に高画質な再生画像が得られる。また、カラー陰極線管装置を開蓋して再調整する必要がなくなり、カラー陰極線管及びこのカラー陰極線管を組込んだカラー陰極線管装置の生産性を向上することができる。
【0069】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、通電から短時間で良好な白色画面が得られる陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1実施形態に係る陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示した陰極線管に搭載された電子銃構体のカソード及び第1グリッド周辺の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る陰極線管のカソード電流特性を示す特性図である。
【図4】図4は、この発明の第2実施形態に係る陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図5】図5は、図4に示した陰極線管に搭載された電子銃構体のカソード及び第1グリッド周辺の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る陰極線管のカソード電流特性を示す特性図である。
【図7】図7は、従来の陰極線管における電子ビーム発生部の構成を概略的に示す水平断面図である。
【図8】図8は、図7に示した従来の電子ビーム発生部の構成を概略的に示す垂直断面図である。
【図9】図9は、図6に示した電子ビーム発生部を構成する電極部品の熱膨張による伸長方向を説明するための断面図である。
【図10】図10は、経時変化に対する図9に示した各部の伸びを示す特性曲線である。
【図11】図11は、従来の陰極線管において、バイアス電圧調整後の通電から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化の一例を示したIK値曲線である。
【図12】図12は、第1グリッド部を管軸と直角をなす蛍光体スクリーン側より見た正面図である。
【符号の説明】
10:外囲器、11:フェースパネル、12:ファンネル、13:蛍光体スクリーン、15:シャドウマスク、16:ネック、17:インライン型電子銃構体、18:偏向ヨーク、K(R、G、B):カソード、G1G:センタービーム用第1グリッド、G1B及びG1R:サイドビーム用第1グリッド、30:カップ状電極体、32:筒状体、33:絶縁部材、40:第1グリッドディスク、41:第1グリッド支持体
Claims (4)
- インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有するカップ状電極体からなり、
さらに、前記3つの第1グリッドをそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする陰極線管。 - インライン方向に配列された3電子ビームを蛍光体スクリーン側に向けて放出する電子銃構体を備えた陰極線管であって、
前記電子銃構体は、インライン方向に配列された3つのカソードと、これらの各カソードにそれぞれ対向して配置された3つの第1グリッドと、これらの第1グリッドの蛍光体スクリーン側に対向して配置された一体構造の第2グリッドと、を備え、
各第1グリッドは、それぞれ電子ビーム通過孔を有する第1グリッドディスクと、各第1グリッドディスクが固定されたカップ状の第1グリッド支持体と、で構成され、
さらに、前記3つの第1グリッド支持体をそれぞれ貫通させて一体に絶縁保持する絶縁部材と、
前記絶縁部材を取り囲み、植設部を有する筒状体と、
前記筒状体の植設部を支持する一対の絶縁支持体と、を備えたことを特徴とする陰極線管。 - 前記第1グリッド支持体及び前記第1グリッドディスクは、同等の熱膨張係数を持った金属材料によって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の陰極線管。
- 前記第1グリッドディスクは、前記第1グリッド支持体の底部に溶接固定されたことを特徴とする請求項2に記載の陰極線管。
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